JP2010159763A - 排気エンタルピー条件制御を有する蒸気タービン及び関連方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気エンタルピー条件制御を有する蒸気タービン及び関連方法を提供する。
【解決手段】蒸気タービン100は、蒸気入口122及び排気口124を含むケーシング120であって、蒸気タービン100の作動構造を囲繞するケーシング120と、排気口124から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与えるため蒸気タービン100の所定の位置150での蒸気流104の導入を制御する弁102と、排気口124から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成するため弁102の作動を制御する制御装置106とを備える。弁102の作動を制御することにより、排気口124から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成することができ、蒸気タービン100の構造を修正する必要なく、他の工業工程に使用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は概してタービン技術に関する。より詳細には、本発明は排気エンタルピー条件制御を有する蒸気タービン及び関連方法に関する。
産業に用いられている2種類の蒸気タービンは、復水式蒸気タービンと非復水式蒸気タービンである。復水式蒸気タービンでは部分的に凝縮した状態の蒸気を排気し、非復水式蒸気タービンでは様々な位置から蒸気を抽出して予熱式ボイラのような他の工業用途に利用する。非復水式蒸気タービンから抽出した蒸気を弁で制御することもある。非復水式蒸気タービンは、通例、他の工業用途のため特定の圧力及び温度条件の蒸気が必要とされる工業用途で用いられる。抽出点は、蒸気経路のうち所要の蒸気条件を与える地点に位置付けることができる。
工業用の蒸気は、タービン抽気又はタービン排気から得ることができる。蒸気条件の要件は顧客毎に異なる。従って、各蒸気タービンについて、排気のための望ましいエンタルピー条件を達成するため蒸気タービン構造に個別の変更が必要とされることがあるが、これは面倒で費用がかかる。製造業者がうまく製造することのできる蒸気タービンのモデルは限られているので、蒸気タービンのその他の要件は満たしているものの排出蒸気を他の工業用途に利用できない場合が生じかねない。
本発明は、第1の態様では、蒸気入口と排気口を含むケーシングであって蒸気タービンの作動構造を囲繞するケーシングと、排気口から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与えるため蒸気タービンの所定の位置での蒸気流の導入を制御する弁と、排気口から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成するため弁の作動を制御する制御装置とを備える蒸気タービンを提供する。
本発明は、第2の態様では、蒸気入口及び排気口を含むケーシングであって蒸気タービンの作動構造を囲繞するケーシングを備える蒸気タービンを準備する段階と、排気口から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成するため排気口から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与える蒸気タービンの所定の位置での蒸気流の導入を制御する弁の作動を制御する段階とを含む方法を提供する。
排気エンタルピー制御を有する蒸気タービンの実施形態を示す概略ブロック図を示す。 排気エンタルピー制御を有する蒸気タービンの代替実施形態を示す概略ブロック図を示す。
図面を参照すると、図1は、例えば蒸気源からの蒸気流104を制御する弁102によってもたらされる排気エンタルピー制御を有する蒸気タービン100の実施形態を示す概略ブロック図である。弁102の作動は、制御装置106を介して制御される。制御装置106は独立型制御装置であってもよいし、統括型蒸気タービン制御装置108の一部であってもよい。
蒸気タービン100は、蒸気入口122と排気口124(図では2箇所示す。)を含むケーシング120を備えた公知の蒸気タービンであっても、新たに開発される蒸気タービンであってもよい。蒸気タービン100は、湿式(%湿分)又は乾式(過熱度)排気口124条件を達成するため特定のタービン効率で設計される。自明であろうが、ケーシング120は、蒸気入口122から入る蒸気の作用を受けるロータ、動翼、静翼のような蒸気タービンの作動構造を囲繞している。1以上の排気口124によって、使用済み蒸気がケーシング120から逃れることができ、各排気口は、タービン制御装置108によって公知の通り制御される適当な制御、遮断及び安全弁126を含んでいてもよい。
蒸気タービン100は復水式タービンであってもよいし、或いは図示したように、ケーシング120から蒸気を抽出する1以上の抽出点128を有する非復水式のものでもよい。ケーシング120に1以上の抽出点128を図示したが、抽出点は蒸気経路の任意の地点に位置し得る。自明であろうが、1以上の抽出点128から取り出した蒸気は他の工業用途130に利用できる。本発明の実施形態に従って得られる排気口124からの蒸気を利用することのできる別の工業用途140も図に示してある。工業用途130及び140は、各々、工業用途130には1以上の抽出点128から、工業用途140には排気口124からそれぞれ得られる条件の蒸気を使用し得る公知の或いは新たに開発されたプロセスを含むものでよい。(なお、抽出蒸気が供給される工業用途130は、1以上の抽出点128が設けられる場合、排気口124からの蒸気が供給される工業用途(140)とは異なっていてもよく、エンタルピー条件の異なる蒸気が必要とされる。)。工業用途の非限定的な例としては、脱塩プロセス、地域暖房、低圧タービン、ボイラなどが挙げられる。1以上の抽出点128及び/又は排気口124から出る蒸気をそれぞれ工業用途130,140に送給するための適当な1以上の導管132,134を設けてもよい。
弁102は、1以上の排気口124から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与えるために蒸気タービン100の位置150での蒸気流104の導入を制御する。従前、排気口124から出る蒸気を他の工業用途140に利用するには、排気口で所定のエンタルピー条件をもたらすように蒸気タービンを設計する必要があった。そのため、蒸気タービンの個々の用途によって、所望のエンタルピー条件を達成するため蒸気タービン構造を個別に改造する必要があったが、これは面倒で費用がかかる。しかるに、本発明の実施形態では、制御装置106で弁102の作動を制御して、1以上の排気口124から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成する。従って、蒸気タービン100の構造を改造せずに、様々な工業用途140に、蒸気タービン100の排気口124からの蒸気を供給することができる。
蒸気流104は、様々な経路から導くことができる。図1では、蒸気流104は抽出点128から(点線の導管を介して)導かれ、蒸気タービンは抽出点を有している。この場合、蒸気の抽出は弁140によって制御し得る。ただし、蒸気流104は、その他の任意の蒸気源(例えば蒸気タービン100のボイラとは別のボイラー)から得られるものでよい。
図に示すように、蒸気タービン100の蒸気経路に蒸気流104を導入する位置150は種々変更し得る。一実施形態では、図1に示すように、蒸気流104の導入位置は排気口124(つまり排気口124又はそのすぐ下流の位置)に位置する。或いは、図2に示すように、位置150はケーシング120に沿った地点であってもよい。つまり、蒸気流104は、例えば動翼(図示せず)の所定の段のように蒸気タービン100の作動構造に導入される。図2の位置150は2箇所示されているが、位置が1箇所の導入点だけであってもよいことは自明であろう。さらに、2箇所の例示的な位置が示してあるが、位置150が、蒸気経路に沿って示した位置とは異なる位置にあってもよいことは自明であろう。
稼働に際しては、蒸気タービン100が準備し、排気口から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与える蒸気タービンの位置で蒸気流104の導入を制御する弁102の作動を制御して、排気口から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成する。すなわち、蒸気流104は適当な基本エンタルピー条件を有していて、蒸気タービン100の蒸気経路の導入位置150に存在する蒸気に適量の蒸気流104を混合すると、工業用途140に望まれるエンタルピー条件をもつ蒸気が排気口124で得られるようになる。制御装置106は、排気口124の蒸気及び蒸気流104のエンタルピー条件を測定するため適当な周知のセンサにアクセスできる。制御装置106は、排気口124の蒸気と蒸気流104のエンタルピー条件を比較して、排気蒸気の所望エンタルピー条件を達成するため位置150から導入される蒸気流104の適量を計算するための適当なロジックをさらに備えていてもよい。必要なロジックをプログラミングすることは当業者が適宜なし得る事項であり、これ以上の説明を要しないと思料される。
図2に示す実施形態では、排気圧の上昇(膨張ラインの短縮)によって排気エンタルピーを増大させるため、排気口124の下流に絞り弁160を設けてもよい。
本明細書において「第1」、「第2」などの用語は、順序、数量又は重要性を意味するものではなく、ある要素を他のものから区別するためのものであり、単数形で記載したものであっても、数の限定を意味するものではなく、標記のものが少なくとも1つ存在することを意味する。数量に関して用いる「約」という修飾語は、標記の数値を包含するとともに、文脈に応じた意味を有する(例えば、特定の数量の測定に付随する誤差範囲を含む)。本明細書に記載した範囲は上下限を包含し、独立に結合可能である(例えば、「約25重量%以下、特に約5重量%〜約20重量%」という範囲は、「約5重量%〜約25重量%」の上下限とその範囲内のすべての中間値を含む)。
本明細書では様々な実施形態について説明してきたが、構成要素を種々組合せ、変更又は改良をなすことは、本明細書の記載に基づいて、当業者が適宜なし得る事項であり、本発明の技術的範囲に属する。また、特定の状況又は構成要素を本発明の教示に適合させるため、本発明の技術的範囲内で数多くの修正をなし得る。従って、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。
100 蒸気タービン
102 弁
104 蒸気流
106 制御装置
108 タービン制御装置
120 ケーシング
122 入口
124 排気口
126 安全弁
128 抽出点
130,140 工業用途
132,134 導管
150 位置
160 絞り弁

Claims (15)

  1. 蒸気タービン(100)であって、
    蒸気入口(122)及び排気口(124)を含むケーシング(120)であって、蒸気タービン(100)の作動構造を囲繞するケーシング(120)と、
    排気口(124)から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与えるため蒸気タービン(100)の所定の位置(150)での蒸気流(104)の導入を制御する弁(102)と、
    排気口(124)から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成するため弁(102)の作動を制御する制御装置(106)と
    を備える蒸気タービン(100)。
  2. 前記位置(150)が排気口(124)に位置する、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  3. 前記位置(150)がケーシング(120)に沿った地点に位置する、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  4. ケーシング(120)から蒸気を抽出する1以上の抽出点(128)をさらに含む、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  5. 蒸気流(104)が1以上の抽出点(128)から導かれる、請求項4記載の蒸気タービン(100)。
  6. 制御装置(106)が蒸気タービン(100)の制御装置(108)の一部である、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  7. 排気口(124)から出る蒸気を工業用途(130,140)に供給するための導管をさらに含む、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  8. 排気口(124)の下流の絞り弁(160)(102)をさらに含む、請求項1記載の蒸気タービン(100)。
  9. 蒸気入口(122)及び排気口(124)を含むケーシング(120)であって、蒸気タービン(100)の作動構造を囲繞するケーシング(120)を備える蒸気タービン(100)を準備する段階と、
    排気口(124)から出る蒸気の所望のエンタルピー条件を達成するため排気口(124)から出る蒸気のエンタルピー条件に影響を与える蒸気タービン(100)の所定の位置(150)での蒸気流(104)の導入を制御する弁(102)の作動を制御する段階と
    を含む方法。
  10. 前記位置(150)が排気口(124)に位置する、請求項9記載の方法。
  11. 前記位置(150)がケーシング(120)に沿った地点に位置する、請求項9記載の方法。
  12. ケーシング(120)の1以上の抽出点(128)から蒸気を抽出する段階をさらに含む、請求項9記載の方法。
  13. 蒸気流(104)が1以上の抽出点(128)から導かれる、請求項12記載の方法。
  14. 制御が蒸気タービン(100)の制御装置(106)によって実施される、請求項9記載の方法。
  15. 排気口(124)から出る蒸気を工業用途(130,140)に送給する段階をさらに含む、請求項9記載の方法。
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