(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1および図2は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一例を正面から見た状態を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一部を分解して斜め方向から見た状態を示している。
図1および図2において、この発明にかかる実施の形態の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、遊技領域103内に遊技球を発射する発射部(図3における符号392を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、自重によって遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘や風車などが設けられており、遊技領域103内に打ち出された遊技球は、複数の釘や風車などに衝突することで落下方向を各種方向に変化させながら落下する。
遊技領域103には、始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107などが配設されている。始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107には、各入賞口105〜107における遊技球の入賞の有無に応じて出力が変化する各検出部(図3における符号321〜324を参照)が設けられている。始動入賞口105には、電動で開閉するチューリップ型の役物である、図示を省略する電動チューリップ(以下「電チュー」という)が設けられている。電チューは、入賞ゲート106に入賞があった場合に、所定のタイミングで、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放するように動作する。
遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109には、大入賞口109を開放可能に閉塞する大入賞扉109aが設けられている。大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では大入賞扉109aによって閉塞されている。大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉は、大入賞口開閉部(図3における符号331を参照)によっておこなわれる。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状からなる。枠部材110には、遊技機に向かって右下部分に、操作ハンドル113が設けられている。操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。
発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、所定方向(たとえば遊技者から見て右回り)に回転(回動)可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作され、所定方向に回転した状態において遊技球を発射させる。操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサについては、公知の技術であるため説明を省略する。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。
また、枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、操作内容などの選択などをおこなうカーソルキーと、カーソルキーの操作によって選択された操作内容などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。チャンスボタン117や十字キー118などの演出ボタンは、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。
遊技盤101において、遊技領域103の中央部分には、画像表示画面を備えた表示部104が配置されている。表示部104は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって実現することができる。液晶ディスプレイによって実現される表示部104は、各種画像をカラー表示可能な画像表示画面を実現する液晶表示パネル201と、液晶表示パネル201の背面に設けられる液晶シャッター202とを備えている。
表示部104の背面側には、表示部104を照明する、図示を省略する光源が設けられている。液晶シャッター202は、印加された電圧に基づいて、表示領域全域にわたってあるいは一部表示領域において、光源から照射された照明光を遊技機の前面側に透過あるいは遮断するように動作する。
表示部104の背面側(遊技者から見て遊技機の奥側)には、リール203が配置されている。リール203は、縦3個×横3個の合計9個(9コマ)の小リール203a〜203iをマトリクス状に配置することによって構成されている。小リール203a〜203iは、表示部104の背面側において、表示部104がなす液晶表示パネル201に平行な面をなすように配置されている。
各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒形をなし、外周面には複数種類の図柄が表記されている。具体的には、小リール203a〜203iの外周面には、それぞれ、大当たり用の図柄(たとえば「7」)、およびハズレ用の図柄(たとえば星印)が表記されている。各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒の軸心を中心として回転可能に設けられている。
各小リール203a〜203iには、それぞれ、各小リール203a〜203iを独立して回転させる図示を省略するモータが接続されている。この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度移動する動作状態を示す。また、この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度未満あるいは360度より大きな回転角度で移動する、いわゆる「回動」する動作状態を含む。
リール203においては、各モータを駆動して各小リール203a〜203iを個々に回転させることによって、各小リール203a〜203iが表示部104側に向ける図柄をそれぞれ変化させることができる。各小リール203a〜203iは、それぞれが1つの図柄を表示部104側に向けて停止した状態において、所定の出目を示す。リール203が示す所定の出目は、各小リール203a〜203iがすべて停止した状態において、各小リール203a〜203iがそれぞれ示す図柄の組み合わせによって示される。
上記の光源は、表示部104とリール203との間に設けられている。光源は、たとえば蛍光管によって構成することができる。光源は、表示部104のバックライトとして機能するとともに、リール203における各小リール203a〜203iが示す図柄を照らす照明として機能する。
遊技領域において、遊技者から見て右下側の位置には、盾状役物150が設けられている。盾状役物150材は、遊技盤101に設けられている。盾状役物150は、所定の領域に配置された複数のLED(図3における符号360を参照)を備えており、各LEDの点灯および消灯を制御することによって所定の図柄を表示する。盾状役物150が表示する所定の図柄は、たとえば遊技機における演出に関連する図柄とすることができる。この実施の形態において、盾状役物150は、所定の領域に配置された複数のLEDを所定の順序で点滅させることによって、動く炎の演出をおこなう。盾状役物150については、説明を後述する。
(制御部の内部構成)
つぎに、遊技機の制御部の内部構成について説明する。図3は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部300は、主制御部301、演出制御部302および賞球制御部303を含む、複数の制御部によって構成されている。各制御部301〜303は、それぞれ独立した基板に設けられている。各制御部301〜303は、たとえば主制御部301と賞球制御部303とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいは全部が同じ基板に設けられていてもよい。
主制御部301は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部301は、CPU311、ROM312、RAM313などによって構成されている。CPU311は、ROM312に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行する。ROM312は、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行するための各種プログラムや、大当たり判定に用いる大当たり値などを記憶している。RAM313は、CPU311の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえば大当たり判定用乱数のカウントをおこなう。具体的には、たとえば大当たり確率が1/280に設定されている遊技機の場合、CPU311は、遊技機が起動している間中、1ループが0〜279までの数値で+1ずつカウントアップする。CPU311は、このカウントアップを、主制御部301への電源供給時から開始し、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントをおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。RAM313は、このような大当たり判定用乱数のカウントに際してのカウンタとして機能する。
そして、CPU311は、発射部392によって発射された遊技球が始動入賞口105に入賞(以下「始動入賞」という)すると、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。取得する大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。具体的には、たとえば上記の大当たり確率1/280が設定されている遊技機であれば、CPU311は、0〜279までの整数を含む数値群から、始動入賞した時点でカウントされた数値を、大当たり判定用乱数として取得する。上記の例であれば、0〜279までの整数によって構成される数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
CPU311は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM312に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU311は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。大当たり判定は、当該大当たり判定をおこなうための大当たり判定用乱数を取得した時点、すなわち始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、当該実行中の演出が終了してからおこなう。始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、始動入賞による大当たり判定の権利は、保留球として所定数保留することができる。
また、CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえばリーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、図柄乱数のカウント、などをおこなう。リーチ乱数は、始動入賞があった場合に取得され、当該始動入賞にしたがっておこなう演出においてリーチ演出をおこなうか否かを決定する。リーチ乱数は大当たり判定の結果がハズレであった場合に有効となり、遊技機においては大当たり判定の結果がハズレであってCPU311が特定のリーチ乱数を取得した場合にリーチ演出つきのハズレ演出をおこなう。
変動パターン乱数は、始動入賞にしたがって演出をおこなうごとに、当該演出を開始する直前に取得され、演出に際してリール203あるいは表示部104が表示する図柄の変動パターンを決定する。図柄乱数は、始動入賞にしたがって大当たり演出をおこなうごとに、当該大当たり演出を開始する直前に取得され、大当たりの図柄を決定する。リーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、および図柄乱数のカウントは、それぞれ別々のカウンタを用いておこなう。各乱数のカウントについては、上記の大当たり判定用乱数のカウントと同様であるため説明を省略する。
主制御部301の入力側には、始動入賞口検出部321、ゲート検出部322、普通入賞口検出部323および大入賞口検出部324などが接続されている。始動入賞口検出部321は、始動入賞口105に入賞した入賞球を検出する。ゲート検出部322は、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出する。普通入賞口検出部323は、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する。大入賞口検出部324は、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する。各検出部321〜324は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。この場合、検出部321〜324を実現する各センサは、それぞれ、遊技球が各センサに接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
CPU311は、一定時間(たとえば4msec)ごとに各検出部321〜324からの出力を監視している。始動入賞口105、入賞ゲート106、普通入賞口107あるいは大入賞口109に遊技球が入賞した場合、該当する検出部321〜324からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU311は、各検出部321〜324からの出力に基づいて、2回以上連続してオン状態となった検出部321〜324に対応する箇所において入賞があったものとして判断する。
主制御部301の出力側には大入賞口開閉部331が接続されており、CPU311は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出すると、大入賞口開閉部331に対して、大入賞扉109aの開閉信号を出力する。大入賞口開閉部331は、主制御部301から出力された開閉信号に基づいて、大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉を制御する。大入賞口開閉部331は、たとえば大入賞扉109aに連結されたソレノイドによって実現することができる。
CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間だけ開放するように大入賞口開閉部331を制御する。大入賞口109は、たとえば大当たり判定により大当たりが確定してから所定時間後に開放される。また、CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を開放した後ふたたび閉塞する開閉動作を、所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口開閉部331を制御する。1ラウンドの期間は、たとえば大入賞口109に遊技球が10個入賞する間、あるいは、所定期間(たとえば30秒間)とされている。大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率(たとえば1/280)で発生するようあらかじめプログラムされている。
また、CPU311は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所に遊技球が入賞したことを検出すると、主制御部301の出力側に接続された賞球制御部303に対して、賞球制御信号を出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号に基づいて、遊技機が入賞した箇所に応じた賞球数を払い出すように、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御する。
賞球制御部303は、CPU381、ROM382、RAM383などによって構成されている。CPU381は、主制御部301からの制御信号およびROM382に記憶されたプログラムに基づいて、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御し、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出させる。
賞球制御部303は、大入賞口109の開閉動作中、たとえば大入賞口109に対して遊技球が1個入賞するごとに、15個の賞球数を払い出させる。RAM383は、CPU381の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。払出部391は、遊技球の貯留部につながっており、遊技球を払い出すためのモータや、払い出した遊技球の個数をカウントするためのセンサなどを備えている。払出部391は、賞球制御部303からの出力信号にしたがって、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出す。
また、賞球制御部303は、発射部392に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。発射部392は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える(いずれも図示を省略する)。賞球制御部303は、発射部392のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
演出制御部302は、遊技中の各種演出の制御をおこなう。演出制御部302の出力側には表示部104およびリール203が接続されており、演出制御部302は表示部104およびリール203の動作を制御することによって遊技中の演出動作を制御する。演出制御部302は、CPU341、ROM342、RAM343などによって構成されている。
CPU341は、主制御部301からの制御信号およびROM342に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM342は、演出処理の実行にかかる各種プログラム、表示部104に各種画像(背景画像、図柄画像、キャラクター画像など)を表示させる各種画像データなどの表示制御データ、リール203に対する回転制御データを記憶する。RAM343は、CPU341の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや各種画像データを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクター画像表示処理などの各種画像処理をおこなう。各種画像処理の実行に際し、CPU341は、適宜必要な画像データをROM342から読み出し、読み出した画像データを、演出制御部302が備えるVRAM344などに書き込む。CPU341は、演出制御部302が備えるVRAM344への画像データの書き込みに際して、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見えるように、画像データの加工をおこなう。
具体的には、たとえば表示部104に表示させる背景画像と図柄画像の表示位置が画像表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、VRAM344などに図柄画像を優先して記憶させる。表示部104は、VRAM344に書き込まれた画像データに基づいて、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見える画像を表示する。表示部104は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像を表示する。
また、CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや回転制御データを読み込んで、リール203の回転制御処理をおこなう。リール203の回転制御処理に際し、CPU341は、適宜必要な回転制御データをROM342から読み出し、読み出した回転制御データに基づいてリール203における各小リール203a〜203iに接続されたモータの回転方向、回転速度、回転数などを制御する。
CPU341によってリール203を回転制御することにより、リール203においては、具体的には、たとえば所定数(たとえば3つ)の図柄が1つの有効ライン上に揃った図柄が示される。また、CPU341によってリール203を回転制御することにより、リール203においては、具体的には、たとえばリーチを示す数(3つの図柄のうち2つが)の図柄が1つの有効ライン上に揃った図柄が示される。
CPU341は、表示部104が表示する演出画像とリール203が示す図柄の状態とが互いに連動するように、リール203が示す図柄の状態にあわせて、リール203が示す図柄を補助する各種画像データを生成して出力する。具体的には、CPU341は、たとえばリール203がなす図柄がリーチ状態や大当たり状態を示す場合には、リール203の図柄を補助し、遊技者の期待感や興奮を高めるような演出画像の画像データを生成して出力する。
また、CPU341は、チャンスボタン117や十字キー118などの演出ボタンの操作にしたがって、表示部104が表示する演出画像が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがって異なる画像データを生成して出力する。また、CPU341は、演出ボタンの操作にしたがって、リール203が示す図柄が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがってリール203の回転制御を異ならせる。
また、CPU341は、盾状役物150におけるLED360の点灯および消灯を制御する。CPU341は、盾状役物150におけるLED360が、所定の順序で点滅するように、各LED360の点灯および消灯をそれぞれ駆動制御する。CPU341によって、盾状役物150における複数のLED360の点滅を制御することにより、盾状役物150において動く炎を演出することができる。
演出制御部302の出力側には、音声制御部355が接続されている。CPU341は、音声制御部355に対して、スピーカ377が備えるコイルに対する通電状態を制御するためのデータ(音声出力制御データ)を出力する。音声制御部355は、演出制御部302から出力された音声出力制御データに基づいて、コイルに対する通電状態を変化させることによって、BGM、演出の効果音、キャラクターの台詞などの各種の音声をスピーカ377から出力させる。
(遊技機の基本動作)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本動作の一例を説明する。遊技機は、遊技者の操作を検出した場合に、発射部392によって遊技球の発射をおこなう。発射された遊技球は、遊技領域103内を、釘や風車に衝突しながら自重によって下方へ落下する。発射された遊技球の一部は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109などに入賞する。
主制御部301は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所における遊技球の入賞状況を賞球制御部303に出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号にしたがって、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。また、主制御部301は、遊技球が入賞ゲート106に入賞した場合、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放させる。
また、主制御部301は、遊技球が始動入賞口105に入賞(始動入賞)した場合、上記の大当たり判定をおこない、大当たり判定結果にしたがってハズレ演出あるいは大当たり演出をおこなう。遊技機は、具体的には、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致しないと判定した場合に、演出制御部302によってハズレ演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、演出制御部302によって大当たり演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、大入賞口109を所定ラウンド数分開放する。
また、主制御部301は入賞があった箇所に応じた信号を賞球制御部303に出力し、賞球制御部303は主制御部301からの出力信号にしたがって払出部391を駆動制御して、入賞があった箇所に応じた賞球数の払い出しをおこなわせる。そして、主制御部301は、大当たり演出終了後は、大当たり状態を解除し、通常の遊技状態に復帰する。
主制御部301は、先の始動入賞に対応する演出実行中に別の始動入賞があった場合、当該始動入賞があった時点の大当たり判定用乱数を取得するとともに取得した大当たり判定用乱数を保留する。そして、実行中の演出が終了した後に、保留した大当たり判定用乱数を用いた大当たり判定をおこない、当該大当たり判定結果を示す信号を演出制御部302に出力する。演出制御部302は、主制御部301からの出力信号に応じた各種演出をおこなう。
演出制御部302は、表示部104およびリール203を用いて、ハズレ演出および大当たり演出などの各種演出をおこなう。演出制御部302は、具体的には、たとえばすべての小リール203a〜203iを回転させたのち、当該小リール203a〜203iを順次停止させることでリール203が所定の出目を示すようにリール203を制御するとともに、リール203の回転および停止動作にあわせた画像が表示部104に表示されるように表示部104を制御する。表示部104は、リール203の動作およびリール203がなす出目に連動した画像を表示する。このように、表示部104における画像の表示動作とリール203の動作とを連動することによって、遊技機がなす演出の演出効果を高めることができる。
表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、遊技者は、表示部104が表示する画像に応じて、リール203全体あるいは一部の小リール203a〜203iを視認することができる。遊技者は、表示部104を通して、当該表示部104のうしろ側(背面側)にあるリール203を見ることになり、表示部104による演出とリール203による演出とを、視線をずらすことなく同時に見ることができる。
また、表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、表示部104とリール203とが重なる領域において、表示部104による光の透過具合を調整することにより、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部(たとえば小リール203a〜203iの中の1つのみ)だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。具体的には、たとえば液晶ディスプレイによって表示部104を実現する場合、シャッターの開閉度合いを調整することによって、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。
つぎに、リール203における小リール203a〜203iの停止順序の一例について説明する。リール203における小リール203a〜203iは、4段階にわたって停止する。1段階目は、遊技者に向かって、左上の小リール203aと、右下の小リール203iが停止する。2段階目は、遊技者に向かって、上段における中央の小リール203bと、中段における左右の小リール203d、203fと、下段における中央の小リール203hと、が停止する。3段階目は、遊技者に向かって、左下の小リール203gと、右上の小リール203cが停止する。4段階目は、中央の小リール203eが停止する。
リール203において、停止する途中でリーチ状態(1直線上に並ぶ3つの小リールのうち2つが同じ図柄となり、残りの1つが回転中となる状態)が発生した場合は、複数同時に停止する小リール203a〜203iがそれぞれ順番に停止するようにしてもよい。具体的には、たとえば3段階目に停止する小リール203c、203gがリーチに絡む場合、左下の小リール203gが停止してから、右上の小リール203cが停止するようにしてもよい。
(盾状役物150の構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機が備えた盾状役物150の構成について説明する。図4および図5は、この発明にかかる実施の形態の遊技機が備えた盾状役物150の構成を示す説明図である。図4においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機が備えた盾状役物150を分解し、遊技機の前面側からの斜視状態を示している。図5においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機が備えた盾状役物150を分解し、遊技機の背面側からの斜視状態を示している。
図4および図5において、この発明にかかる実施の形態の遊技機が備えた盾状役物150は、LED基板401と、カットグラス部材402(402A、402B)と、化粧枠部材404と、を備えている。LED基板401は、基板401aに設けられた複数のLED360を備えている。各LED360は、基板401aに設けられた配線上に設けられており、当該配線に電気的に接続されている。配線は、基板401aの表面において所定のパターンをなすように設けられており、遊技機が備える電源や演出制御部302をなす演出制御基板などに電気的に接続されている。
基板401aの種類は、たとえば「ベーク基板(ベークライト)」、「紙フェノール」、「ガラエポ」などと称される公知の各種の基板を用いることができる。ベーク基板(ベークライト)はベークライトを主な母材として形成され、紙フェノールは紙をフェノール樹脂で固めて形成され、ガラエポはガラス繊維をエポキシ樹脂で固めて形成されている。
この実施の形態において、LED基板401は、発光色の異なる複数種類のLED360を備えている。各LED360の発光色は、たとえば白色光、緑色光、赤色光などとすることができる。盾状役物150においては、白色光、緑色光、赤色光など、各々が単色の光を発光するLED360を複数設けることによって多色発光する構成とすることができる。このような盾状役物150においては、緑色光と赤色光とを混合することによってオレンジ色の光を発光することもできる。
各々が単色の光を発光するLED360を複数設けることによって多色発光する構成とした盾状役物150においては、たとえば基板401aにおける下側部分の色が濃くなり、基板401aにおける上側部分の色が薄くなるように、複数のLED360を配置する。この場合、具体的には、LED基板401においては、たとえば基板401aにおける下側部分に、緑色や赤色に着色された光を発光するLED360を配置し、基板401aにおける上側部分に、白色などの色の薄い光を発光するLED360を配置する。
また、盾状役物150においては、それぞれが、流された電流値に応じて発光する光の色調を変化させるLED360を用いて多色発光する構成としてもよい。この場合、それぞれのLED360に流す電流値を調節し、それぞれのLED360を白色光、緑色光、赤色光などに発光させることによって、盾状役物150全体における発光色を変化させることができる。
カットグラス部材402A、402Bには、それぞれ、凹凸が設けられている。カットグラス部材402Aにおいては、カットグラス部材402Aの前面側に凹凸が設けられている。カットグラス部材402Bにおいては、カットグラス部材402Bの背面側に凹凸が設けられている。各カットグラス部材402A、402Bが有する凹凸によって、カットグラス部材402A、402Bは所定の凹凸形状(所定の立体形状)をなしている。これにより、複数のLED360が発光した光は、カットグラス部材402A、402Bを透過する際に、拡散(散乱)される。
各カットグラス部材402A、402Bにおける所定の立体形状は、位置および形状がそれぞれ異なっている。カットグラス部材402Aは、LED基板401に設けられた各LED360に対向する位置にそれぞれ設けられた所定の立体形状によってカットグラス部材402Aを透過する光を拡散(散乱)する。カットグラス部材402Bは、カットグラス部材402B全面にわたって設けられた、網目状の立体形状によってカットグラス部材402Bを透過する光を拡散(散乱)する。
カットグラス部材402A、402Bを設けることによって、各LED360が発した光は、それぞれ、拡散(散乱)される。これによって、各LED360が発光した光の境界があいまいになり、個々のLED360を識別しにくくすることができ、個々のLED360の位置および基板における複数のLED360の配置パターンをわかりにくくすることができる。
カットグラス部材402Aは、LED360の光を透過する透明の樹脂材料を用いて形成されている。具体的には、カットグラス部材402Aは、無色透明の樹脂材料を用いて形成することができる。この実施の形態においてはカットグラス部材402によって光透過部材を実現することができる。
カットグラス部材402Bは、LED360の光を透過するとともにLED360の光を拡散させる半透明の樹脂材料を用いて形成されている。具体的には、カットグラス部材402Bは、着色された樹脂材料を用いて形成することができる。この場合、カットグラス部材402Bを形成する樹脂材料に含まれる着色料によってLED360の光を拡散させることができる。
また、具体的には、カットグラス部材402Bは、たとえば光拡散材料として用いられる粒子などの材料を含んだ樹脂材料を用いて形成することができる。この場合、カットグラス部材402Bに含まれる、光拡散材料を実現する粒子の作用によってLED360の光を拡散させることができる。光拡散材料として用いられる粒子および当該粒子を含んだ樹脂材料については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
このように、カットグラス部材402Bを、光を拡散させる作用のある樹脂材料を用いて形成することにより、カットグラス部材402Bを透過したLED360の光を一層拡散させ、個々のLED360を一層識別しにくくすることができる。これにより、個々のLED360が“点”で点灯する感じを低減し、個々のLED360の位置および基板における複数のLED360の配置パターンを確実にわかりにくくすることができる。この実施の形態においては、カットグラス部材402Bによって、拡散部材および光透過部材を実現することができる。
カットグラス部材402Bは、盾状役物150が演出する炎における先端側ほど、当該炎における火元よりも色が濃くなるように、火元側から先端側に向けて徐々に色が濃くなるように形成されている。具体的には、カットグラス部材402Bは、たとえば火元側から先端側に向けて徐々に光透過性が低くなるように着色することによって形成されている。
盾状役物150は、遊技盤101に設けられた支持部材406によって支持されている。支持部材406は、遊技領域に発射された遊技球が通過する経路の一部を構成するリブ407を備えている。支持部材406には、支持部材406の全体にわたって塗装が施されている。この塗装は、たとえば金色などのように金属色の塗装とすることができる。
支持部材406の全体にわたって塗装を施すことにより、支持部材406の一部を塗装する場合と比較して、たとえばマスキングなどの工程を不要とすることができる。これにより、支持部材406に塗装を施すことによる支持部材406すなわち遊技機の製造コストの増大を抑制することができる。
盾状役物150において、LED基板401は、リブ407の下端面とカットグラス部材402A、402Bおよび化粧枠部材404によって形成される空間内に配置されている。この実施の形態の遊技機においては、リブ407に金属色の塗装が施されているため、上記空間内においてLED360の光は、リブ407に反射される。このため、リブ407の近傍は、リブ407が反射する光によって明るくなる傾向にある。
この実施の形態の遊技機においては、カットグラス部材402Bが、火元側から先端側に向けて徐々に色が濃くなるように形成されているため、リブ407によって反射された光は、遊技機の前面側に透過しにくくなっている。これにより、光を透過する材料を用いてカットグラス部材402Bを形成した場合にも、盾状役物150の背面側に設けられたリブ407の存在が際だち、盾状役物150による炎の演出効果が低下することを防止できる。
複数のLED360は、複数の系統に分類されており、系統ごとに点灯あるいは消灯するように、演出制御部302によって駆動制御される。具体的には、複数のLED360は、それぞれ別々の回路素子に設けられており、演出制御部302のCPU341によって各回路素子を別々に駆動制御することによって、系統ごとに点灯あるいは消灯することができる。
複数のLED360における一部のLED360は、LED基板401の上部側において、略円弧形状をなすように配置された第1のLED群を構成している。第1のLED群を構成する複数のLED360は、互いに隣り合うLED360どうしで、交互に点滅を繰り返すように駆動制御される。
複数のLED360における、別の一部のLED360は、第1のLED群を構成するLED360よりも下側に配置された第2のLED群を構成している。第2のLED群を構成する複数のLED360は、下方側から上方側へ順次点滅を繰り返すように駆動制御される。
これにより、複数のLED360における点灯や消灯のタイミングを分散し、盾状役物150において同時に点灯しているLED360の数を減らすことができる。このように、複数のLED360における点灯や消灯のタイミングを分散させることにより、各LED360がタイミングをずらして点灯するので、実際の炎に近づけた、動く炎を演出することができる。
上記のように、LED基板401においては、基板401aにおける下側部分に緑色や赤色に着色された光を発光するLED360が配置されており、基板401aにおける上側部分に白色などの色の薄い光を発光するLED360が配置されている。このため、系統ごとに該当するLED360の点滅を繰り返すことによって、火元から離れるほどに勢いを落としながら広がっていく、実際の炎の燃え上がり方に近づけた炎を、LED360を用いて演出することができる。
この実施の形態の遊技機は、たとえば主人公(遊技者)が邪悪な魔王を討伐するストーリーを題材としたものとなっている。具体的には、この実施の形態の遊技機は、たとえば小人の国から魔王を倒す旅に出発した主人公が、魔王の住む魔界へと入るために魔界の門を通過して魔界へ入り、魔王の重臣ドラゴンを倒した後に、魔王の居城へと到達し、魔王と対決するストーリーにしたがった演出をおこなう。遊技に際して魔王と対決し、魔王の討伐に成功した場合に大当たりが発生する。
演出は、炎がうずまく魔界を主な舞台として進行する。表示部104における画像表示画面には、燃え上がる炎を背景にした対決シーンや、火を噴くドラゴンの画像などを表示する。盾状役物150は、画像表示画面におけるこれらの画像の表示にあわせて、複数のLED360を点滅させることにより動く炎を演出する。あるいは、盾状役物150は、画像表示画面に表示する画像とは別に、遊技の状態に応じて動く炎を演出してもよい。具体的には、たとえば潜伏確変遊技状態の間に、所定のタイミングで動く炎を演出することができる。
(遊技機の遊技状態)
つぎに、遊技機の遊技状態について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の遊技状態を示す説明図である。図6においては、遊技機が取り得る遊技状態と、遊技状態どうしの関係と、を示している。図6において、この実施の形態の遊技機は、「通常遊技状態」610、「大当たり遊技状態」620、「時短遊技状態」630、「確変遊技状態」640、および「潜伏確変遊技状態」650のいずれかの遊技状態を取り得る。
通常遊技状態610においては、大当たりの当選確率が低い当選確率(たとえば1/280)とされた状態、すなわち低確率状態で遊技をおこなう。通常遊技状態610において大当たりに当選した場合、遊技状態は大当たり遊技状態620に遷移する。大当たり遊技状態620は、通常遊技状態610の他に、時短遊技状態630、確変遊技状態640および潜伏確変遊技状態650のいずれかの遊技状態での遊技中に大当たりに当選した場合に遷移可能な遊技状態とされている。通常遊技状態610、時短遊技状態630、確変遊技状態640および潜伏確変遊技状態650は、大当たり遊技状態620を経由して相互に移行可能とされている。
大当たり遊技状態620は、所定の大当たり終了条件を満たすまで継続される。大当たり遊技状態620は、たとえば大入賞口109の開閉が規定ラウンド数おこなわれるまで継続される。この実施の形態において、大入賞口109の開閉におけるラウンド数は、たとえば8ラウンドなどのように、すべて同じラウンド数とされている。
大当たり遊技状態620が終了した場合、通常遊技状態610、時短遊技状態630、確変遊技状態640あるいは潜伏確変遊技状態650のいずれかの遊技状態へ遷移する。大当たり遊技状態620の終了後にいずれの遊技状態に遷移するかは、たとえば当選した大当たりの種別ごとにあらかじめ定められている。
当選した大当たりの種別が、たとえば通常大当たり(出玉のある大当たり)である場合、大当たり遊技状態620の終了後の遊技機は、時短遊技状態630へと遷移する。時短遊技状態630においては、大当たりの当選確率は低い当選確率(低確率状態)とされ、始動入賞口105が備える電動チューリップによる遊技サポート(以下「電チューサポート」という)が付与される。
時短遊技状態630は、たとえば規定回数(たとえば100回)の図柄の変動など、所定の時短終了条件を満たすまで継続される。時短終了条件を満たした場合には、遊技機は、通常遊技状態610へ移行する。時短終了条件を満たす前に大当たりに当選した場合には、遊技機は、大当たり遊技状態620へと移行する。
また、当選した大当たりの種別が、たとえば確変大当たりである場合、大当たり遊技状態620の終了後の遊技機は、確変遊技状態640あるいは潜伏確変遊技状態650へと遷移する。確変遊技状態640および潜伏確変遊技状態650においては、大当たりの当選確率が低い当選確率(たとえば1/280)から、高い当選確率(たとえば1/28)すなわち高確率状態となる。
従来、たとえば「ラウンド振り分け」などと称される遊技をおこなう遊技機があった。このような従来の遊技機においては、たとえば「出玉のある通常大当たりや、確変遊技状態へ遷移する確変大当たりが発生した場合は、大入賞口を15回開閉」し、「潜伏確変遊技状態へ遷移する確変大当たりや、小当たりと称されるハズレが発生した場合は、大入賞口を2回開閉」するなどのように、大当たりやハズレの種類に応じて大入賞口109が異なる回数ずつ開閉する。このような遊技をおこなわせることによって、大入賞口109の開閉回数が2回であった場合に、潜伏確変遊技状態650へ遷移しているかどうかを表面上(遊技者からは)わかりにくくしている。
このため、このような従来の遊技機においては、潜伏確変遊技状態650へ遷移しているかどうかをわかりにくくすることによって、遊技者に対して、現在の遊技状態が潜伏確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのかを推測させ、「現在の遊技状態は潜伏確変遊技状態かもしれない」という期待感をもたせることができる。このような期待感をもたせながら遊技をおこなわせることによって、遊技者をどきどきわくわく興奮させ、長時間にわたって遊技をおこなわせることができる。
このような従来の遊技機においては、潜伏確変遊技状態650へ遷移する確変大当たり(以降「2ラウンドの確率変動当たり」)に当選した場合には、小当たりと区別するために、ラウンド表示ランプを点灯させることが定められている。このような遊技をおこなう従来の遊技機において、「2ラウンドの確率変動当たり」に当選した場合は、ラウンド表示ランプを点灯させながら大入賞口109を2回開閉する。
このため、このような遊技をおこなう従来の遊技機は、大入賞口109の開閉動作に際してラウンド表示ランプが点灯しているかどうかを目視によって確認することによって、その後の遊技状態が、大当たりへの当選確率が高い遊技状態なのか通常遊技状態なのかが容易に判明してしまう。これにより、このような遊技をおこなう従来の遊技機は、潜伏確変遊技状態650を設けているにもかかわらず、遊技者をどきどきわくわくさせるような興奮や期待感を十分に高めることができず、潜伏確変遊技状態650を設けることによる効果を十分に発揮することが難しいという現状があった。
この実施の形態の遊技機においては、すべての大当たりを8ラウンド当たりとすることによって「ラウンド表示ランプ」を設ける必要性をなくすことができる。これにより、「2ラウンド確率変動当たり」と「小当たり」の判断をより困難にすることができる。これによって、遊技者に対して「現在の遊技状態は潜伏確変遊技状態かもしれない」という期待感をもたせやすくすることができ、このような期待感をもたせながら遊技をおこなわせることによって、遊技者をどきどきわくわく興奮させ、長時間にわたって遊技をおこなわせることができる。
この実施の形態の遊技機において、通常大当たりや確変遊技状態640へ遷移する確変大当たりに際しては、1ラウンド当たりの大入賞口109の開放時間を、たとえば30秒とすることができる。潜伏確変遊技状態650へ遷移する確変大当たりや、小当たりに際しては、1ラウンド当たりの開放時間は0.1秒とすることができる。このように、1ラウンドあたりの大入賞口109の開放時間を調整することにより、それぞれの大当たりにおける出玉の有無を決定することができる。
低確率状態と高確率状態とは、大当たり値が異なっている。大当たりの当選確率が1/280に設定されている低確率状態においては1個の乱数が大当たり値とされるのに対し、高確率状態においてはたとえば10倍の10個の乱数が大当たり値とされる。これにより、高確率状態における大当たりの当選確率は、低確率状態における大当たりの当選確率の10倍の1/28とされる。
確変遊技状態640においては、高確率状態となるとともに、電チューサポートが付与される。電チューサポートは、たとえば始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放させたり、始動入賞口105を開放させる頻度を増加させたりすることで、遊技性の向上を図る動作機能とされている。
電チューサポートが付与されている状態においては、電チューサポートがない状態で遊技をおこなう場合よりも、始動入賞口105へ入賞する機会を増加させることができる。潜伏確変遊技状態650においては、電チューサポートが付与されずに高確率状態となる。確変遊技状態640および潜伏確変遊技状態650は、たとえば大当たりへの当選(すなわち大当たり遊技状態620への遷移)など、所定の確変終了条件を満たすまで継続される。
潜伏確変遊技状態650においては、通常遊技状態610と同様に電チューサポートが付与されず、大当たり確率が高確率に変動する。大当たり確率の変動は、遊技機の内部においておこなわれるため、遊技者は通常遊技状態610であるか潜伏確変遊技状態650であるかを外見上で判断することができない。この実施の形態の遊技機は、通常遊技状態610と潜伏確変遊技状態650とで同様の演出をおこなう(見た目上の演出を揃える)ことで、通常遊技状態610あるいは潜伏確変遊技状態650のどちらの遊技状態であるかを遊技者が判断できないようになっている。
上記のように、この実施の形態の遊技機は、すべての大当たりを8ラウンド当たりとすることによって「ラウンド表示ランプ」を設ける必要性をなくし、画像表示装置のみの演出によって遊技状態を瞬時に推測することを難しくして、現在の遊技状態を推測させながら遊技をおこなわせるという新たな遊技性を提供できる遊技内容となっている。
一方で、このような遊技性を提供することにより、たとえば遊技経験が浅い遊技者や主に回胴式遊技機における遊技をおこなっていた遊技者など、ぱちんこ遊技機の演出内容を熟知していない遊技者においては、現在の遊技状態がわかりづらいために、遊技者にとって有利な遊技状態であるにもかかわらず遊技をやめてしまう可能性がある。
これに対して、この実施の形態の遊技機によれば、遊技者にとって有利な遊技状態において盾状役物150における炎の演出をおこなうことによって、画像表示装置のみの演出によって遊技状態を瞬時に推測することを難しくしつつも、遊技者にとって有利な遊技状態を示唆することができる。具体的には、たとえば時短遊技状態630や、確変遊技状態640に際して動く炎の演出をおこなう遊技内容とすることができる。これによって、遊技経験にかかわらず、幅広い層の遊技者に遊技を楽しませることができる。
以上説明したように、この実施の形態の遊技機は、所定の領域をなす基板401aに設けられた複数のLED360と、LED360の光を拡散する拡散部材の一例としてのカットグラス部材402Bと、所定の凹凸を有する光透過部材の一例としてのカットグラス部材402A、402Bと、を備えた盾状役物150を所定の位置に配置し、盾状役物150によって動く炎を演出するようにしたことを特徴としている。
この実施の形態の遊技機によれば、複数のLED360の光を、カットグラス部材402A、402Bによって拡散するとともに、カットグラス部材402A、402Bにおける所定の凹凸を透過することによって拡散することにより、個々のLED360を識別しにくくすることができる。このため、個々のLED360の位置および基板401aにおける複数のLED360の配置パターンをわかりにくくすることができる。
これにより、個々のLED360が“点”で点灯する感じを低減し、実際の炎の燃え上がり方に近づけた炎を、LED360を用いて演出することができる。このように、この実施の形態の遊技機によれば、実際の炎の燃え上がり方に近づけた炎を、LED360を用いて演出することができるので、煩雑な処理をおこなうことなく、実際の炎に近づけた、動く炎を演出することができる。
また、この実施の形態の遊技機は、複数のLED360を備えたLED基板401よりも前面側に、2枚のカットグラス部材402A、402Bが重ねて設けられていることを特徴としている。これによって、個々のLED360が“点”で点灯する感じを一層低減し、実際の炎の燃え上がり方に近づけた炎を、LED360を用いて演出することができる。
また、この実施の形態の遊技機は、複数のLED360が、基板401aの上部側に略円弧状に配置された第1のLED群と、当該第1のLED群の下方に配置された第2のLED群と、から構成されることを特徴としている。これにより、複数のLED360が配置された形状によって実際の炎の形状を示すことができる。これによって、火元から離れるほどに広がっていく、実際の炎の燃え上がり方に近づけた炎を、LED360を用いて演出することができる。
また、この実施の形態の遊技機は、盾をあしらった盾状役物150によって動く炎を演出することを特徴としている。この実施の形態の遊技機によれば、主人公(遊技者)が邪悪な魔王を討伐するストーリー性を強調し、あたかも主人公がもつ盾に魔界の状況が照らし出されたあるいは魔界で燃えさかる炎を映し出すような演出をおこなうことができる。これによって、動く炎の演出によって遊技者の高揚感を一層高めることができる。
また、この実施の形態の遊技機は、複数のLED360を点滅させることによって、実際の炎に近づけた、動く炎を演出することができる。このため、液晶などの表示装置を用いて炎の画像を表示することによって動く炎を演出する場合と比較して、演出制御部302におけるCPU341にかかる処理負担を軽減することができる。これによって、CPU341にかかる処理負担が増大することによるCPU341の昇温を抑制することができる。
この実施の形態の遊技機は、リール203における各小リール203a〜203iを、各小リール203a〜203iにそれぞれ接続されたモータによって独立して回転させている。このモータは、モータ自身あるいはモータの周辺の温度が上昇すると、モータにおけるトルク不足が発生することがある。演出に際しては、モータの回転によって図柄を変動させているため、これらのモータを停止することは難しい。このため、各小リール203a〜203iを回転させるモータ周辺の温度上昇を抑えることが重要となる。
この実施の形態の遊技機によれば、演出に際しての処理に大きな負荷のかかる、演出制御部302におけるCPU341の昇温を抑制することができるので、各小リール203a〜203iを回転させるモータ周辺の温度上昇を効果的に抑えることができる。これによって、モータにおけるトルク不足の発生を抑制し、小リール203a〜203iを精度よく動作させることができる。そして、これによって遊技機における信頼性の向上を図ることができる。