以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明の実施形態においては、本発明を遊技台の一例であるパチンコ機に適用した場合について説明している。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154からなる扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。
扉部材156の下方には、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、遊技盤102の正面図であり、図3は、遊技盤102の外観斜視図である。遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、その右斜め上方に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図4(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図4(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図4(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施形態では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施形態では遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘(図示せず)を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、上述した装飾図柄表示装置110を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出するようになっている。前面ステージ234に排出された遊技球は、前面ステージ234の中央最下方に形成され、前面側に向かって低く傾斜する誘導路238に沿って、演出装置200の下方に落下するようになっている。なお、誘導路238には切り掛け部238aが形成されており、この切り掛け部238aに沿って遊技球が落下する場合には、落下した遊技球は、切り掛け部238aの下方に配設された第1特図始動口126に入球しやすくなっている。
また、前面ステージ234の右側一端には、複数の入球口が形成された皿状の振り分け装置210が配設されており、前面ステージ234に排出された遊技球が勢い余った場合には、振り分け装置210にまで到達するようになっている。本実施形態においては、振り分け装置210には3つの入球口が形成されている。左側の2つの入球口は、ハズレ穴211となっており、ハズレ穴211に入った遊技球は、前面ステージ234上に再度落下するようになっている。一方、右側の1つの入球口は、第3特図始動口212となっており、第3特図始動口212に入った遊技球は、振り分け装置210の下方に配設されたリボルバ装置213に落下し、リボルバ装置213に形成された6つの捕捉口214のいずれかに捕捉されるようになっている。このように本実施形態においては、第3特図始動口212の近傍にハズレ穴211を配置しているので、遊技球が振り分け装置210まで達しても入球されるまで遊技の興趣を高めることができるようになっている。
第3特図始動口212への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第3特図始動口212に入球した球は、捕捉口214に捕捉された後、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。また、リボルバ装置213は、6つの捕捉口214を一方向に常時回転させており、遊技球が捕捉口214に入球することによって、所定の演出が実行されるようになっている。
また、本実施形態においては、振り分け装置210の右側の外側壁には、振動検出センサ215が配設されており、パチンコ機100に与えた振動、より詳しくは、振り分け装置210近傍に対して与えた振動を検知するようになっている。すなわち、遊技球がワープ装置230を介して振り分け装置210にまで到達した場合には、振り分け装置210近傍の透明部材152を叩いて、遊技球を第3特図始動口212に入球させる不正行為が行われる可能性があるので、振動検出センサ215は、このような不正行為を確実に取り締まるために第3特図始動口212の近傍に設けられたものである。
なお、本実施形態においては、振動検出センサ215を用いて、パチンコ機100に与えられた振動を検出するようになっているが、これに代えてまたはこれに加えて他のセンサを用いてもよい。例えば、磁力による不正行為を検出するための磁力検出センサや、電波により入球を誤検出させる不正行為を検出するための電波検出センサや、筐体を傾けた不正行為を検出するための傾き検出センサを用いてもよい。また、これらのセンサを複数組み合わせて用いてもよい。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施形態の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口126、第2特図始動口128または第3特図始動口212に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口126、第2特図始動口128または第3特図始動口212に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施形態では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施形態では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ120等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128又は第3特図始動口212に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128又は第3特図始動口212に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128又は第3特図始動口212に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体(例えば、リボルバ装置213)等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、振り分け装置210近傍に設けた振動検出センサ215が出力する信号を受信し、基本回路402に出力するためのセンサ回路428と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の制御を行うための副制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380を接続している。
さらに、基本回路402には、情報出力回路429を接続しており、主制御部300と同様に、この情報出力回路429を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の異常情報(例えば、不正行為に基づく異常を示す情報であり、後述するように、振動検出センサ215が振動を検出した後、所定時間以内に第3特図始動口212に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合など、遊技者がパチンコ機100を叩いて不正に入賞させたことを示す情報)を出力する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御すると共に、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<主制御部のデータテーブル>
次に、図6を用いて、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。なお、同図(a)は大当たり判定テーブルの一例を、同図(b)は高確率状態移行判定テーブルの一例を、同図(c)はタイマ番号決定テーブルの一例を、それぞれ示した図である。
図6(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している情報(以下、単に「遊技情報」と称する。)の種類と、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第1特図始動口用抽選データ)と、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合、または第3特図始動口212に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第2・第3特図始動口用抽選データ)と、を対応付けて記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報を用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち「大当たり判定」を行う。なお、「遊技情報」は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報等を含むが、以下、これらを単に「低確率状態」および「高確率状態」と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
第1特図始動口用抽選データは、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。なお、本実施形態では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は30001〜31310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
第2・第3特図始動口用抽選データは、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合、または第3特図始動口212に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値が20001〜20187であるときには、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が20001〜20187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。なお、本実施形態では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第2・第3特図始動口用抽選データが示す数値範囲は20001〜20187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における第2・第3特図始動口用抽選データが示す数値範囲は40001〜41310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図6(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。例えば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が64〜127の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、取得した特図乱数値が64〜127の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。なお、本実施形態では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は64〜127(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図6(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報と、上記の大当たり判定結果(後述する大当たりフラグの値)および後述するタイマ乱数の値に基づいて、タイマ番号を決定する。なお、本実施形態では、特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上記の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒、リーチなし)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ、ノーマルリーチ(再変動))を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒、全回転リーチ)を選択する確率は3000/65536である。
<主制御部メイン処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDTへの初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDTに、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDTのリセットを行い、WDTによる時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、主制御部300に設けられた電圧監視回路336が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、ガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施形態では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記領域、前回検出信号記領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128、第3特図始動口212)への入球、または普図始動口124の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS108で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1特図始動口126、第2特図始動口128、第3特図始動口212、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口126、第2特図始動口128、または第3特図始動口212のいずれかに入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1特図始動口126、第2特図始動口128、第3特図始動口212、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口126、第2特図始動口128、第3特図始動口212、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図4(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図4(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS213では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図4(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
ステップS214では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の図6(a)の大当たり判定テーブル、同図(b)の高確率状態移行判定テーブル、同図(c)のタイマ番号決定テーブルなどを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、図6(a)に示す大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS209で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、図6(b)に示す移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを、確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを、確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含む図6(c)に示すタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS207のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、第3特図始動口212への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS219に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS220に進む。
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS220では、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部メイン処理>
次に、図9(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して副制御部500にコマンドを出力する。副制御部500では、コマンドに応じて装飾図柄表示装置110の表示制御を行う。
ステップS304では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS305に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS302に進む。
ステップS305では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS306では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、スピーカ416、各種ランプ420および演出装置200の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS306では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部500に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンド等)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS307、308、309によるスピーカ416、各種ランプ420、および演出用可動体を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタンを用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS307では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS306で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御を音源IC418に行わせる。
ステップS308では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS306で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS309では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS306で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置424の制御を演出用駆動装置制御回路426に行わせる。
副制御部400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン割り込み処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302〜S309の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図9(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
図9(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図9(c)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、変動番号選択テーブル(図示せず)、図柄決定テーブル(図示せず)を参照して演出データ(本実施形態では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS601では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図9(e)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図9(f)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路364によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<副制御部タイマ割り込み処理>
次に、図9(g)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
副制御部変数更新割り込み処理のステップS901では、RAM408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS304において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
<異常検出処理>
次に、図10(a)を用いて、副制御部400の異常検出処理について説明する。なお、同図は副制御部400の異常検出処理の流れを示すフローチャートである。異常検出処理は、上述したタイマ割り込み処理の所定の周期(本実施形態では2ms)に合わせて実行される処理であり、本実施形態においては、振動検出センサ215を用いて、振動に関する不正行為を検出するようになっている。
ステップS1001では、異常検出センサがオンであるか否かを判定する。具体的には、振動検出センサ215による信号がオン信号で、パチンコ機100に振動が発生しているか否かを判定する。振動検出センサ215による信号がオン信号で、パチンコ機100に振動が発生している場合には、ステップS1002に進み、振動検出センサ215による信号がオフ信号で、パチンコ機100に振動が発生していない場合には、ステップS1004に進む。
ステップS1002では、異常検出フラグをオンに設定する。異常検出フラグは、検出した振動が、不正行為に基づく異常か否かを判定するためのフラグ情報であり、本実施形態においては、異常検出フラグがオンの場合には、発生した振動を不正行為に基づく異常と判定するようになっている。
ステップS1003では、異常検出タイマをリセットして、異常検出タイマに0を設定する。すなわち、本実施形態においては、振動検出センサ215が振動を検出してからの経過時間を計測する。
ステップS1004では、異常検出タイマの値が予め定めた閾値より大きいか否かを判定する。予め定めた閾値は、不正行為を行ってから所定の入球口(入球することにより遊技者に利益がもたらされる入球口)に遊技球が入球するまでの時間を想定して設定され、本実施形態のように第3特図始動口212に対する不正行為を検出する場合には、遊技球が振り分け装置210に達してから、いずれかの入球口に入るまでの1〜2秒程度の時間が好適である。本実施形態においては、第3特図始動口212に対する不正行為を検出する場合を例に挙げて説明しているので、上述した1〜2秒程度の値の閾値として設定するが、閾値の値は、対象とする不正行為、配設される振動検出センサ215と所定の入球口との距離などにより、種々の値が設定可能である。異常検出タイマの値が予め定めた閾値より大きい場合には、ステップS1005に進み、異常検出タイマの値が予め定めた閾値以下の場合には、ステップS1007に進む。
ステップS1005では、異常検出フラグでオンあるか否かを判定する。異常検出フラグでオンある場合には、ステップS1006に進み、異常検出フラグでオフである場合には、処理を終了する。
ステップS1006では、異常検出フラグをオフに設定して、異常検出処理を終了する。すなわち、異常検出フラグがオンであるが、異常検出タイマの値が予め定めた閾値より大きい場合には、パチンコ機100に振動は発生したが、不正行為に起因する実害は発生しないものと考えて、異常検出フラグをオフとするものである。例えば、本実施形態においては、振動検出センサ215が振動を検出したとしても、異常検出タイマの値が閾値より大きければ(例えば、5秒など)、当該振動が第3特図始動口212への入球に及ぼす影響はないので、このような場合の振動は除外するものである。すなわち、本実施形態においては、振動検出センサ215による信号がオン信号であっても、異常検出タイマの値が予め定めた閾値以下のときだけ、異常検出フラグをオンに設定する。
一方、ステップS1007では、異常検出タイマの値を1インクリメントして、異常検出処理を終了する。
<異常判定処理>
次に、図10(b)を用いて、副制御部400の異常判定処理について説明する。なお、同図は副制御部400の異常判定処理の流れを示すフローチャートである。異常判定処理は、上述したタイマ割り込み処理の所定の周期(本実施形態では2ms)に合わせて実行される処理であり、本実施形態においては、異常検出処理により、振動に関する不正行為が検出され、かつ遊技球が所定の入球口(第3特図始動口212)に進入して、遊技者に利益がもたらされた場合に、当該不正入賞行為を報知するようになっている。
ステップS1101では、異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。異常検出フラグがオンである場合には、ステップS1102に進み、異常検出フラグがオフである場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1102では、遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かを判定する。遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かは、主制御部300から送信される制御コマンドにより判別する。遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、ステップS1103に進み、そうでない場合には、異常判定処理を終了する。
なお、本実施形態においては、主制御部300から送信される制御コマンドにより、遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かを判定するが、これとは別に、第3特図始動口212に副制御部400に接続された球検出センサを設け、この球検出センサにより第3特図始動口212への進入を検出するようにしてもよい。
ステップS1103では、異常報知処理を行う。すなわち、異常検出フラグがオンであり(振動検出センサ215が振動を検出し、異常検出タイマの値が閾値以下の場合)、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、振動に基づく不正入賞行為が発生したものと判断して、異常報知を行う。本実施形態においては、情報出力回路429に異常発生信号を出力して、ホールコンピュータがこの異常発生信号を受信することによって、遊技店員は、不正行為を行った遊技者に知られることなく、不正行為を把握することができる。
なお、異常報知処理はこれ以外の方法で行ってもよく、例えば、パチンコ機100が音やランプを用いて直接、報知処理を行ってもよい。この場合には、パチンコ機100は、不正行為を行った遊技者に知られることなく、遊技店員のみが判別可能な特定態様で報知を行うようにする。具体的には、扉部材156の枠部分に配設された複数のランプを用いて特定の点灯態様を実行するようにしてもよいし、また、特定リズムの音を出力するようにしてもよい。
以上述べたように、本実施形態に係るパチンコ機100によれば、振動検出センサ215が振動を検出し、異常検出タイマの値が閾値以下の場合であって、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、振動に基づく不正入賞行為が発生したものと判断して、異常報知を行うようになっているので、遊技店員による異常か否かの確認作業を軽減させることができる。すなわち、パチンコ機100に振動が生じても、当該振動により実害が生じた場合にだけ、異常発生情報を遊技店員に報知するので、従来のように実害がない場合にもかけつけて確認作業をするということはない。
なお、本実施形態においては、不正行為の対象を第3特図始動口212として説明したが、不正行為の対象となる入球口はこれに限定されず、一般入賞口122、普図始動口124、第1特図始動口126、第2特図始動口128、及び可変入賞口130などでもよいのは勿論である。
<別の実施形態における異常検出処理、異常判定処理>
上述した異常検出処理及び異常判定処理には種々のバリエーションが考えられるため、以下、異常検出処理及び異常判定処理の他のバリエーションについて説明する。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る異常判定処理の流れを示すフローチャートである。なお、第2実施形態においては、異常検出処理は上記実施形態と同一であるため、異常検出処理に関しては、説明を割愛する。
ステップS1201では、異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。異常検出フラグがオンである場合には、ステップS1202に進み、異常検出フラグがオフである場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1202では、遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かを判定する。遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かは、主制御部300から送信される制御コマンドにより判別する。遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、ステップS1103に進み、そうでない場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1203では、特定条件が非成立であるか否かを判定する。ここで、特定条件の成立とは、例えば、具体的には、特図保留数が満タン(最大数;具体的には4)になったとき、時短状態(大当たり終了後、第2特図始動口128の羽根が開放され、第2特図始動口128に入賞しやすい状態)であるとき、遊技者がチャンスボタン146を押下したときなどを意味し、特定条件が成立した場合には、異常検出フラグがオンで、第3特図始動口へ遊技球が進入したとしても、異常報知処理は行わない。特定条件が成立した場合は、実質的に実害が生じていなかったり、遊技者の正当なる意思に基づいて振動を起こしたりしている場合であるからである。すなわち、特図保留数が満タンであるときは、遊技球が第3特図始動口212に進入しても、当該入球に対して特図変動遊技の抽選処理は行われないし、また、時短状態であるときは、第2特図始動口128の羽根が開いて、第2特図始動口128への入球が容易となっているので、敢えて第3特図始動口212に対する不正行為を行う必要はないと考えられるからである。また、遊技者がチャンスボタン146を押下したときは、遊技者自らの意思でチャンスボタン146を操作して、振動を起こしているので、このような場合は遊技球が第3特図始動口212に進入したとしても、不正行為と見なす必要はないからである。特定条件が非成立である場合には、ステップS1203に進み、特定条件が成立している場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1204では、異常報知処理を行う。すなわち、異常検出フラグがオンであり(振動検出センサ215が振動を検出し、異常検出タイマの値が閾値以下の場合)、遊技球が第3特図始動口212に進入し、かつ特定条件が非成立の場合には、振動に基づく不正入賞行為が発生したものと判断して、異常報知を行う。
以上述べたように本実施形態によれば、振動検出センサ215が振動を検出し、異常検出タイマの値が閾値以下の場合であって、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、振動に基づく不正入賞行為が発生したものと判断するが、特定条件が成立した場合には、例外的に異常と判定しないので、さらに遊技店員による異常か否かの確認作業を軽減させることができる。
<第3実施形態>
図12(a)は、第3実施形態に係る異常判定処理の流れを示すフローチャートである。第3実施形態では、2つの異なるセンサ(振動検出センサ215、磁力検出センサ)を用いて、第3特図始動口212に対する不正行為を取り締まるようになっている。
ステップS1301では、第1の異常検出センサがオンであるか否かを判定する。具体的には、振動検出センサ215による信号がオン信号で、パチンコ機100に振動が発生しているか否かを判定する。振動検出センサ215による信号がオン信号で、パチンコ機100に振動が発生している場合には、ステップS1302に進み、振動検出センサ215による信号がオフ信号で、パチンコ機100に振動が発生していない場合には、ステップS1304に進む。
ステップS1302では、第1の異常検出フラグ(以下、振動検出フラグという)をオンに設定する。振動検出フラグは、検出した振動が、不正行為に基づく異常か否かを判定するためのフラグ情報であり、本実施形態においては、異常検出フラグがオンの場合には、発生した振動を不正行為に基づく異常と判定するようになっている。
ステップS1303では、第1の異常検出タイマ(以下、振動検出タイマという)をリセットして、振動検出タイマに0を設定する。すなわち、本実施形態においては、振動検出センサ215が振動を検出してからの経過時間を計測する。
ステップS1304では、振動検出タイマの値が予め定めた第1閾値より大きいか否かを判定する。予め定めた第1閾値は、不正行為を行ってから所定の入球口(入球することにより遊技者に利益がもたらされる入球口)に遊技球が入球するまでの時間を想定して設定され、第3特図始動口212に対する不正振動行為を検出する場合には、遊技球が振り分け装置210に達してから、いずれかの入球口に入るまでの1〜2秒程度の時間が好適である。振動検出タイマの値が予め定めた閾値より大きい場合には、ステップS1305に進み、振動検出タイマの値が予め定めた閾値以下の場合には、ステップS1307に進む。
ステップS1305では、振動検出フラグでオンあるか否かを判定する。振動検出フラグでオンある場合には、ステップS1306に進み、振動検出フラグでオフである場合には、異常検出処理を終了する。
ステップS1306では、振動検出フラグをオフに設定する。すなわち、振動検出フラグがオンであるが、振動検出タイマの値が予め定めた第1閾値より大きい場合には、パチンコ機100に対して振動は発生したが、不正行為による実害は発生しないと考えて、振動検出フラグをオフとするものである。例えば、本実施形態においては、振動検出センサ215が振動を検出したとしても、振動検出タイマの値が第1閾値より大きければ(例えば、5秒など)、当該振動が第3特図始動口212への入球に及ぼす影響はないので、このような場合の振動は除外するものである。
一方、ステップS1307では、振動検出タイマの値を1インクリメントして、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、第2の異常検出センサがオンであるか否かを判定する。具体的には、磁力検出センサ(図示せず;例えば、遊技盤102の入球口232近傍に配設されている)による信号がオン信号で、パチンコ機100に磁力が発生しているか否かを判定する。磁力検出センサによる信号がオン信号で、パチンコ機100に磁力が発生している場合には、ステップS1309に進み、磁力検出センサによる信号がオフ信号で、パチンコ機100に磁力が発生していない場合には、ステップS1311に進む。
ステップS1309では、第2の異常検出フラグ(以下、磁力検出フラグという)をオンに設定する。磁力検出フラグは、検出した磁力が、不正行為に基づく異常か否かを判定するためのフラグ情報であり、本実施形態においては、磁力検出フラグがオンの場合には、発生した磁力を不正行為に基づく異常と判定するようになっている。
ステップS1310では、第2の異常検出タイマ(以下、磁力検出タイマという)をリセットして、磁力検出タイマに0を設定する。すなわち、本実施形態においては、磁力検出センサが磁力を検出してからの経過時間を計測する。
ステップS1311では、磁力検出タイマの値が予め定めた第2閾値より大きいか否かを判定する。予め定めた第2閾値は、不正行為を行ってから所定の入球口(入球することにより遊技者に利益がもたらされる入球口)に遊技球が入球するまでの時間を想定して設定され、第3特図始動口212に対する不正磁力行為を検出する場合であって、例えば、ワープ装置230の入口である入球口232近傍に形成されたいわゆるブドウ(玉と玉が噛み合って止まること)に対して磁力を用いて入球口232に入球させるようなときには、遊技球が入球口232に入球してから振り分け装置210にまで達し、いずれかの入球口に入るまでの時間(第1閾値として設定される1〜2秒よりは長い時間)が好適である。磁力検出タイマの値が予め定めた第2閾値より大きい場合には、ステップS1312に進み、磁力検出タイマの値が予め定めた第2閾値以下の場合には、ステップS1314に進む。
ステップS1312では、磁力検出フラグでオンあるか否かを判定する。磁力検出フラグでオンある場合には、ステップS1313に進み、磁力検出フラグでオフである場合には、異常検出処理を終了する。
一方、ステップS1314では、磁力検出タイマの値を1インクリメントして、異常検出処理を終了する。
なお、本実施形態では、第3特図始動口212に対する不正行為を検出するために、一例として、第1閾値<第2閾値としたが、第1閾値及び第2閾値の値は、対象とする不正行為、配設される振動検出センサ215と所定の入球口との距離、配設される磁力検出センサと所定の入球口との距離などにより、その値や大小関係も異なってくる。
図12(b)は、第3実施形態に係る異常判定処理の流れを示すフローチャートである。第3実施形態では、異常検出処理により、振動または磁力に関する不正行為が検出され、かつ遊技球が所定の入球口(第3特図始動口212)に進入して、遊技者に利益がもたらされた場合には、当該不正入賞行為を報知するようになっている。
ステップS1401では、振動検出フラグまたは磁力検出フラグがオンであるか否かを判定する。振動検出フラグまたは磁力検出フラグがオンである場合には、ステップS1402に進み、振動検出フラグ及び磁力検出フラグの双方がオフである場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1402では、遊技球が第3特図始動口212に進入したか否かを判定する。遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、ステップS1103に進み、そうでない場合には、異常判定処理を終了する。
ステップS1403では、異常報知処理を行う。すなわち、振動検出フラグまたは磁力検出フラグがオンであり(振動検出センサ215が振動を検出して、振動検出タイマの値が第1閾値以下の場合、または、磁力検出センサが磁力を検出し、磁力検出タイマの値が第2閾値以下の場合)、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合には、振動または磁力に基づく不正入賞行為が発生したものと判断して、異常報知を行う。本実施形態においては、情報出力回路429に異常発生信号を出力して、ホールコンピュータがこの異常発生信号を受信することによって、遊技店員は、不正行為を行った遊技者に知られることなく、不正行為を把握することができる。
図13(a)に振動を外的要因として、パチンコ機100に不正行為を働く場合の遊技者の様子を示す概要図、図13(b)に磁力を外的要因として、パチンコ機100に不正行為を働く場合の遊技者の様子を示す概要図を示す。
以上述べたように本実施形態によれば、振動検出センサ215及び磁力検出センサを備えて、振動検出センサ215が振動を検出し、振動検出タイマの値が第1閾値以下の場合であって、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合、または、磁力検出センサが磁力を検出し、磁力検出タイマの値が第2閾値以下の場合であって、遊技球が第3特図始動口212に進入した場合に不正入賞行為が発生したものと判断して、異常報知を行うようになっているので、振動または磁力による不正入賞行為を正確に把握することができるとともに、遊技店員による異常か否かの確認作業を軽減させる。
<スロットマシン>
なお、上記実施形態では、パチンコ機100を不正行為の対象となる遊技台として説明したが、不正行為の対象となる遊技台は、パチンコ機100に限定されない。例えば、本発明を図14に示すような、遊技盤102を演出装置として備えたスロットマシン1000に適用してもよい。すなわち、上述した振動や磁力などを利用した不正入賞行為を検出し、報知する機能を「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1001〜1003と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1005〜1007と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御をリール停止制御手段と、停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かを判定する判定手段と、図柄組合せの停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払い出す払出制御手段と、を備えたスロットマシン1000」の演出装置である遊技盤102に適用してもよい。この場合には、パチンコ機100の場合と同様に、振動を与えたり、磁力を与えたりした不正行為を演出装置に行った場合の異常を的確に判断して、遊技店員に報知することが可能となる。
<ゲーム機>
また、遊技台としては、上述したパチンコ機100やスロットマシン1000のほか、ゲーム機であってもよい。例えば、景品を獲得することを目的としたプライズゲームに本発明を適用してもよい。
図15及び図16に本発明をプライズゲームに適用した場合のプライズゲームの概略構成図を示す。
図15に示すプライズゲーム1100は、景品1101がゲーム空間GSの不図示の回転テーブル、底板1102及び底板1102上を所定の方向に往復運動するプッシャーテーブル1103上に載置されている。底板1102の外側には景品1101が落下可能な排出口1104が形成されており、排出口1104は景品取り出し口1105に通じている。遊技者は、操作ボタン1106を操作することにより、シャベル1107で回転テーブル上の景品1101をプッシャーテーブル1103の上方に持ち上げた後、下方に景品1101を落下させる。この際、プッシャーテーブル1103は常時往復運動を繰り返しているため底板1102に載置された景品1101は徐々に外側に押し出されていき、外縁まで到達した景品1101は遂には排出口から落下して、景品取り出し口1105に排出されることとなる。
このような構成のプライズゲームにおいては、遊技者がゲーム機を傾けて不正に景品を獲得することがあるので、このような場合に備えて、プライズゲーム1100は、傾き検出センサ1108を配設しており、傾き検出センサ1108によって、ゲーム機の傾きを検出できるようになっている。すなわち、プライズゲーム1100は、傾き検出センサ1108がゲーム機の傾きを検出した後、予め定めた閾値時間以内に排出口1104近傍に配設された景品検出センサ1109が景品1101の通過を検出した場合には、ゲーム機を傾けた不正入賞行為が行われたものと判断して、報知処理を行うようになっている。この結果、プライズゲーム1100においては、実害が生じた場合にだけ、遊技店員にエラー情報が報知されるので、遊技店員が行う異常か否かの確認作業を軽減させることができる。
なお、プライズゲーム1100においては、傾き検出センサ1108を配設したが、これに代えてまたは加えて、他のセンサ、例えばゲーム機に与えられた振動を検出する振動検出センサなどを配設してもよい。
また、図16に示すプライズゲーム1200は、多数のメダルMがゲーム空間GSの底板1201上に予め載置されており、遊技者が筐体上方に形成されたメダル投入口1202からメダルMを落とすことによって、底板1201上にメダルMが蓄積される構成となっている。なお、図示してはいないが、ゲーム空間GS上にはメダルMの落下経路を変化させる多数のピンが設けられている。そして、底板1201前方(遊技者側)にはメダル取り出し口1202に通じるメダル排出口1204が形成されており、プッシャーテーブル1205が底板1202上を前後方向に常時往復運動するようになっている。したがって、プッシャーテーブル1205の前後運動により底板1202上に載置されたメダルMは徐々に前方に押し出されていき、押し出されたメダルMの連鎖的な移動によって外縁に配置されたメダルMはメダル排出口1204から落下して、メダル取り出し口1203に排出されることとなる。
このような構成のプライズゲームにおいては、遊技者がゲーム機を傾けたり、振動を与えたりして不正にメダルを獲得することがあるので、このような場合に備えて、プライズゲーム1200は、傾き検出センサ1206及び振動検出センサ1207を配設しており、傾き検出センサ1206及び振動検出センサ1207によって、ゲーム機に加えられた傾きや振動を検出できるようになっている。すなわち、プライズゲーム1200は、傾き検出センサ1206がゲーム機の傾きを検出した後または振動検出センサ1207がゲーム機の振動を検出した後、予め定めた閾値時間以内にメダル排出口1204近傍に配設された景品検出センサ1208がメダルMの通過を検出した場合には、ゲーム機を傾けたり、振動を与えたりした不正入賞行為が行われたものと判断して、報知処理を行うようになっている。この結果、プライズゲーム1200においては、実害が生じた場合にだけ、遊技店員にエラー情報が報知されるので、遊技店員が行う異常か否かの確認作業を軽減させることができる。
以上から、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100、スロットマシン1000、プライズゲーム1100、1200など)は、外的要因(例えば、振動、磁力、傾き、電波など)によって発生した異常を検出する異常検出手段(例えば、振動検出センサ215、磁力検出センサ、傾き検出センサ、電波検出センサなど)と、遊技者の利益に関する利益関与体(例えば、遊技球、メダル、景品、メダルなど)が特定領域(例えば、第3特図始動口212、排出口など)に進入したことを検出する利益関与体検出手段(例えば、遊技球が第3特図始動口212に進入したことを検出するセンサ、景品やメダルが排出口を通過したことを検出するセンサなど)と、前記異常検出手段が前記異常を検出した後に、前記利益関与体検出手段が前記利益関与体の前記特定領域への進入を検出した場合には、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定する異常判定手段(例えば、副制御部400、スロットマシン1000、プライズゲーム1100、1200の制御部など)と、を備えるように構成される。
この遊技台によれば、外的要因による異常を、実害があったときに初めて不正行為に基づく異常と判定するため、遊技店員が行う異常か否かの確認作業を軽減させることができる。すなわち、図17に示すように、従来においては、異常検出手段が異常を検出すると、異常と判定し、遊技店員に報知していたため、不正行為に関与せず、実害がないような場合においても、遊技店員がかけつけて、異常か否かの確認作業を行っていた。しかしながら、この遊技台によれば、実害があったときに初めて不正行為に基づく異常と判定するため、異常か否かの確認作業を軽減することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記異常判定手段は、前記異常検出手段が前記異常を検出した後、前記利益関与体検出手段が予め定めた時間(例えば、閾値、第1閾値、第2閾値など)以内に前記利益関与体を検出した場合に、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定するように構成される。
この構成においては、外的要因による遊技台の異常を検出後、予め定めた時間以内に利益関与体が特定領域に進入したことに基づいて、不正行為を伴った異常が発生したと判定するので、外的要因が関与する不正行為だけを確実に検出することができる。また、予め定めた時間を適切に設定することにより、外的要因が発生したタイミングと利益関与体が特定領域に進入したタイミングに時間差を設ける不正行為に対しても確実に検出することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記利益関与体は、遊技球であり、前記特定領域は、前記遊技球が進入する球進入口(例えば、第3特図始動口など)であり、前記球進入口への遊技球の進入に基づいて、遊技者に所定の利益を付与(例えば、賞球など)または遊技者に有利な遊技状態(例えば、大当たり遊技、特別大当たり遊技など)となる可能性のある抽選の実行の少なくともいずれか一方を行うように構成される。
この構成においては、異常検出後に球進入口に遊技球が進入したことに基づいて異常と判定するため、球進入口への遊技球の不正な進入を確実に異常と判定することができるとともに、遊技店員が行う異常か否かの確認作業を軽減させることができる。
また、上述した構成において、好適には、前記異常判定手段は、前記異常検出手が前記異常を検出した後に、前記利益関与体検出手段が前記利益関与体の前記特定領域への進入を検出しても特定条件が成立している場合には、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定しないように構成される。
この構成においては、特定条件が成立している場合は不正行為を伴う異常と判定しないことにより、遊技店員が行う異常か否かの確認作業をより軽減させることができる。
また、上述した構成において、好適には、前記遊技球の前記球進入口への進入を少なくとも抽選実行条件の一つとし、前記抽選実行条件が成立した場合には遊技者に付与する利益量の抽選(例えば、特図変動遊技における抽選など)を行う抽選手段と、前記抽選手段が前記抽選を行うことができない抽選禁止条件(例えば、特図変動遊技が作動中など)が成立しているときに、前記抽選実行条件が成立した場合には、前記抽選の権利を保留数(例えば、特図保留数など)として1加算して予め定めた最大数(例えば、4など)まで保留できる一方、前記保留数が1以上であって前記抽選禁止条件が不成立(例えば、特図変動遊技が非作動中)となった場合には、前記保留数から1減算する保留手段と、を備え、前記特定条件の成立は、前記保留数が前記最大数であるように構成される。
この構成においては、保留が満タンのときに球進入口に進入した遊技球に関しては、抽選手段は抽選を行わないため、この場合には、不正行為による異常を判定したとしても、実害が無いと判断することができる。よって、保留が満タンのときには異常と判定しないことにより、遊技店員が行う異常か否かの確認作業をより軽減させることができる。
また、上述した構成において、好適には、前記球進入口へ遊技球が進入し難い第1状態(例えば、非時短状態など)と、前記第1状態よりも前記球進入口へ遊技球が進入し易い第2状態(例えば、時短状態など)と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうちの何れかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記特定条件の成立は、前記遊技状態設定手段が前記第2状態を設定している場合であるように構成される。
この構成においては、時短状態のときは非時短状態と比べて遊技球の進入頻度が増加するため、時短状態のときに異常を利用して球進入口に遊技球が進入したとしても実害が無いと判断することができる。よって、時短状態のときには異常と判定しないことにより、遊技店員が行う異常か否かの確認作業をより軽減させることができる。
また、上述した構成において、好適には、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、チャンスボタン146など)と、を備え、前記特定条件の成立は、遊技者が前記操作手段を操作した場合であるように構成される。
この構成においては、遊技者の操作手段の操作に基づく異常は、遊技者に落ち度がないと判断することができる。よって、操作手段が遊技者に操作されていたときには異常と判定しないことにより、遊技店員が行う異常か否かの確認作業をより軽減させることができる。また、善良な遊技者を、不当に不正行為を行ったと咎めてしまう虞も無くなり、遊技店でのトラブルを軽減することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記異常検出手段は、それぞれ異なった検出方法により、前記異常を検出する第1異常検出手段(例えば、振動検出センサ215など)及び第2異常検出手段(例えば、磁力検出センサなど)を備え、前記異常判定手段は、前記第1異常検出手段が前記異常を検出した後、前記利益関与体検出手段が予め定めた第1時間(例えば、第1閾値)以内に前記利益関与体を検出した場合、または、前記第2異常検出手段が前記異常を検出した後、前記利益関与体検出手段が前記第1時間よりも長い第2時間(例えば、第2閾値)以内に前記利益関与体を検出した場合に、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定するように構成される。
この構成においては、第1異常検出手段と第2異常検出手段とで閾値となる設定時間を異ならせているため、不正行為を伴う異常を正確に判定することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記第1異常検出手段は、遊技台に及ぼされる振動を検出する振動検出センサであり、前記第2異常検出手段は、遊技台に及ぼされる磁力を検出する磁力検出センサであるように構成される。
この構成においては、遊技台を叩いて振動によって球の転動方向を変化させるいわゆるドツキでは、遊技台に影響される振動の影響時間は短いので、短い監視時間で不正行為を伴う異常を検出することができる。また、また、磁力によって釘の間に球を詰まらせた後に時間を置いてから詰まった球を崩して球進入口に大量に送り込む磁石ゴトの場合であっても、長い監視時間で不正行為を伴う異常を検出することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記異常判定手段が、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定した場合には、前記不正行為を伴う異常の発生を示す異常発生信号を他の装置(例えば、ホールコンピュータなど)に送信する異常発生信号送信手段と、を備えるように構成される。
この構成においては、異常発生信号を他の装置に送信するため、管理コンピュータなどが受信したときには不正行為を行った遊技者に気づかれることなく異常が発生したことを遊技店員が把握することができる。
また、上述した構成において、好適には、前記異常判定手段が、前記異常検出手段が検出した前記異常を、不正行為を伴う異常と判定した場合には、前記不正行為を伴う異常の発生を示す特定態様で報知する異常発生報知手段と、を備えるように構成される。
この構成においては、特定態様で報知するため、不正行為を行った遊技者に気づかれることなく異常が発生したことを遊技店員が把握することができる。
さらには、上述した構成において、前記球進入口の近傍に、遊技球が進入しても遊技者に有利とならない第2球進入口(例えば、はずれ穴211など)を備えているように構成してもよい。この構成においては、球進入口への進入の確率を低減させることとなるので、遊技店員が行う異常か否かの確認作業をさらに軽減させることができる。
また、前記異常検出手段は、前記特定領域の近傍に配設されるように構成してもよい。この構成においては、異常検出手段の異常検出精度を高めることができる。
また、前記異常検出手段は、振動を検出する振動検出センサ、磁力を検出する磁力検出センサ、電波を検出する電波検出センサ、傾きを検出する傾き検出のうち、少なくとも2以上のセンサで構成してもよい。この構成においては、不正行為に基づく異常をより正確に検出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。