JP2010156235A - 鞍乗り型車両のマフラーおよび鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に触媒9を有し、かつ表面の少なくとも一部に黒色顔料を含む塗膜(図中の斜線部)が形成された、鞍乗り型車両のマフラー5において、前記黒色顔料として、マンガンおよび銅を含み、前記黒色顔料中のマンガンの含有量が、MnO換算で25〜45質量%であり、前記黒色顔料中の銅の含有量が、CuO換算で5〜25質量%であり、前記黒色顔料中のケイ素の含有量が、SiO2換算で3質量%以下である黒色顔料を用いる。
【選択図】図1
Description
前記黒色顔料は、さらに鉄を含み、前記黒色顔料中の鉄の含有量は、Fe2O3換算で15〜65質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。
前記黒色顔料は、さらにナトリウムを含み、前記黒色顔料中のナトリウムの含有量は、Na2O換算で0質量%超2質量%以下であることが好ましい。
本発明の鞍乗り型車両は、さらに、前記マフラーの前方に位置するロアカウルを備え、該ロアカウルの表面に黒色の塗膜が形成されていることが好ましい。
本発明の鞍乗り型車両は、外観に優れる。
図1は、本発明の鞍乗り型車両のマフラーを備えた自動二輪車の一例を示す図である。該自動二輪車(鞍乗り型車両)においては、前輪1と後輪2との間に多気筒エンジン3が配置され、各気筒の排気口から延出する排気管4が多気筒エンジン3の下方にて集合し、マフラー5に接続している。
マフラー5は、内部に触媒9を有し、かつ外側に面した側面の下半分に黒色の塗膜(図中の斜線部)が形成されている。
図2は、本発明の鞍乗り型車両のマフラーにおける塗膜の構造の一例を示す断面図である。塗膜13は、基材10の上に形成された下塗り層11と、該下塗り層11の上に形成された上塗り層12とから構成される。
下塗り層11の厚さは、通常、20〜30μmである。
上塗り層12の厚さは、通常、20〜30μmである。
熱処理条件は、塗料に含まれる樹脂や溶剤の種類、塗料の固形分濃度、各層の厚さ等に応じて適宜決定すればよい。
下塗り塗料は、シリコーン樹脂および/またはエポキシ樹脂と、防錆顔料とを含み、必要に応じて溶剤、添加剤等を含むものである。
下塗り塗料の固形分濃度は、樹脂の種類、塗布方法、下塗り層11の厚さ等に応じて適宜選択すればよい。
下塗り塗料の固形分中の防錆顔料の含有量は、通常、50〜70質量%である。
また、シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを併用してもよい。
溶剤としては、芳香族化合物(トルエン、キシレン等。)、アルコール(ブタノール等。)等が挙げられる。
補強材としては、リン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム等が挙げられる。
体質顔料としては、雲母粉、チタン酸カリウム繊維、硅石粉、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
耐熱塗料は、シリコーン樹脂および/またはエポキシ樹脂と、黒色顔料とを含み、必要に応じて溶剤、添加剤等を含むものである。
耐熱塗料の固形分濃度は、樹脂の種類、塗布方法、上塗り層12の厚さ等に応じて適宜選択すればよい。
耐熱塗料の固形分中の黒色顔料の含有量は、通常、20〜40質量%である。
また、シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを併用してもよい。
黒色顔料中のマンガンの含有量は、MnO換算で25〜45質量%であり、かつ黒色顔料中の銅の含有量は、CuO換算で5〜25質量%である。マンガンおよび銅の含有量が該範囲内であれば、酸化条件下においてもMnO(黒色)およびCuO(黒色)として安定的に存在し得る元素が多く存在することとなり、高温環境下での塗膜の白色化が抑制される。
黒色顔料中のアルミニウムの含有量は、Al2O3換算で5〜10質量%が好ましい。アルミニウムの含有量がAl2O3換算で5質量%以上であれば、黒色顔料に含まれる他の元素の酸化が抑制され、塗料の変色が抑制される。なお、Al2O3自体は白色であるため、より濃い黒色を出すため、アルミニウムの含有量はAl2O3換算で10質量%以下とすることが好ましい。
黒色顔料中の鉄の含有量は、Fe2O3換算で15〜65質量%が好ましい。鉄の含有量が該範囲内であれば、高温環境下での塗膜の白色化がさらに抑制される。なお、FeO(黒色)が酸化されると、Fe2O3(赤褐色)となるため、酸化による塗膜の変色を抑制する点では、鉄の含有量は、Fe2O3換算で15〜35質量%がより好ましい。
黒色顔料中のナトリウムの含有量は、Na2O換算で0質量%超2質量%以下が好ましい。ナトリウムの含有量が該範囲内であれば、高温環境下での塗膜の白色化がさらに抑制される。
黒色顔料に含まれる各元素の含有量は、黒色顔料の製造に用いる原料(金属塩等)の配合比を調整することにより、調整できる。
黒色顔料に含まれる各元素の含有量は、蛍光X線分析により求める。
添加剤としては、充填材(補強材、体質顔料等。)、防錆顔料、増粘剤、硬化剤、分散剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明の鞍乗り型車両としては、例えば、本発明の鞍乗り型車両のマフラーを備えた自動二輪車が挙げられる。該自動二輪車(鞍乗り型車両)は、図1に示すように、前輪1と後輪2との間に配置された多気筒エンジン3と、各気筒の排気口から延出する排気管4と、多気筒エンジン3の下方にて集合した排気管が接続するマフラー5と、該マフラー5の前方、かつ前記多気筒エンジン3の下方に位置し、前記排気管4を覆うロアカウル14とを備えたものである。
マフラー5の下半分およびロアカウル14が黒色とされることにより、比較的サイズの大きいマフラー5およびロアカウル14が黒色で目立たなくなり、完成車として軽快な外観が得られる。
例1、2は実施例であり、例3〜6は比較例である。
実施例における測定方法および評価方法は、下記の通りである。
蛍光X線分析装置(リガク社製、ZSX100e)を用いて、ブリケット法による蛍光X線分析を行った。具体的には、プレス機を用いて黒色顔料を円盤状サンプルに成型し、該円盤状サンプルを蛍光X線分析装置のホルダーにセットし、蛍光X線強度を測定した。FP定量法にて定量値を求め、あらかじめ測定しておいた黒色顔料のIg loss値を用いて補正し、各元素の含有量を求めた。
耐熱塗料を基板(SUS409L)に塗布し、180℃で20分間加熱し、厚さ20〜30μmの塗膜を形成し、耐熱試験用サンプルを作製した。該サンプルの塗膜について、JIS Z8730にしたがい、色差計(コニカミノルタセンシング社製、CM−700d)を用いてL*a*b*表色系におけるL*、a*、b*を測色した。
サンプルを、所定の温度(200℃、300℃、400℃、500℃、600℃)で24時間加熱する耐熱試験を行った。耐熱試験後のサンプルの塗膜について同様にL*、a*、b*を測色した。
JIS Z8730にしたがい、耐熱試験前後のL*、a*、b*から色差ΔE* 94を求めた。
表1に示す組成(蛍光X線分析結果)を有する黒色顔料を調製した。各黒色顔料の30質量部、ストレートシリコーン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、TSR1452、固形分:60質量%)の50質量部、溶剤(キシレン)の20質量部を混合し、例1〜6の耐熱塗料を得た。各耐熱塗料を用いて耐熱試験用サンプルを作製し、塗膜の耐熱試験前後の色差ΔE* 94を求めた。結果を図3に示す。
例1、2の耐熱塗料から形成された塗膜については、白色化は例3〜6に比べ十分に抑制されており、色差ΔE* 94の結果からも、例3〜6に比べ変色が小さいことが確認された。
9 触媒
13 塗膜
14 ロアカウル
Claims (7)
- 内部に触媒を有し、かつ表面の少なくとも一部に黒色顔料を含む塗膜が形成された、鞍乗り型車両のマフラーにおいて、
前記黒色顔料が、マンガンおよび銅を含み、
前記黒色顔料中のマンガンの含有量が、MnO換算で25〜45質量%であり、
前記黒色顔料中の銅の含有量が、CuO換算で5〜25質量%であり、
前記黒色顔料中のケイ素の含有量が、SiO2換算で3質量%以下であることを特徴とする鞍乗り型車両のマフラー。 - 前記黒色顔料が、さらにアルミニウムを含み、
前記黒色顔料中のアルミニウムの含有量が、Al2O3換算で5〜10質量%である、請求項1に記載の鞍乗り型車両のマフラー。 - 前記黒色顔料が、さらに鉄を含み、
前記黒色顔料中の鉄の含有量が、Fe2O3換算で15〜65質量%である、請求項1または2に記載の鞍乗り型車両のマフラー。 - 前記黒色顔料中の鉄の含有量が、Fe2O3換算で15〜35質量%である、請求項3に記載の鞍乗り型車両のマフラー。
- 前記黒色顔料が、さらにナトリウムを含み、
前記黒色顔料中のナトリウムの含有量が、Na2O換算で0質量%超2質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のマフラー。 - エンジンと、該エンジンから延出する排気管と、該排気管に接続するマフラーとを備えた鞍乗り型車両において、
前記マフラーが、請求項1〜5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のマフラーであることを特徴とする鞍乗り型車両。 - さらに、前記マフラーの前方に位置するロアカウルを備え、該ロアカウルの表面に黒色の塗膜が形成されている、請求項6に記載の鞍乗り型車両。
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