JP2010156100A - 耐震診断システム - Google Patents

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JP2010156100A JP2008333381A JP2008333381A JP2010156100A JP 2010156100 A JP2010156100 A JP 2010156100A JP 2008333381 A JP2008333381 A JP 2008333381A JP 2008333381 A JP2008333381 A JP 2008333381A JP 2010156100 A JP2010156100 A JP 2010156100A
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Abstract

【課題】建物の耐震性能を簡単に取得できるような耐震診断システムを提供する。
【解決手段】解析器15は、第1〜第3の加速度検出器21、22、23を並設した状態で、加振機20を加振周波数を変化させながら加振させ、第1〜第3の加速度検出器からの信号を受ける。信号を受けた解析器15は、加速度検出信号がピーク値を示す加振周波数を診断周波数fx、fyとして検出すると共に、診断周波数fx、fy検出時の第1〜第3の加速度検出信号による加速度検出値α、α、αXC、α、α、αYCを検出する。解析器15は更に、診断周波数fxとα、αを用いて第1の方向の両端の壁の不足壁倍率Mn、fyMsを算出するとともに、診断周波数fyとα、αを用いて第2の方向の両端の壁の不足壁倍率Me、Mwを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は建物、特に住宅家屋の耐震性能を診断する耐震診断システムに関する。
通常、建物の建築に際しては耐震設計が施される。一般住宅家屋でも耐震構造に加えて、免震構造や減震構造を採用した建築が増えつつあるが、免震構造や減震構造は高価であることから、その増加率は新築住宅の増加率に比べれば低い。
想定される震度を考慮した耐震構造を採用する場合であっても、住宅が構築される地盤には一種、二種、三種の種別があり、その種別に応じた設計が必要である。しかしながら、このようにして設計された値はあくまでも一般式に基づく設計値であり、設計値が基準を満足していれば安全かと言えば、必ずしもそうであるとは言えない。
このような現状から、新築住宅の購買者には、購入した住宅が実際にどの程度の耐震性能を持つのかを知りたいという欲求がある。つまり、設計値に基づいて求められる耐震性能は、一般式に基づくものであって、実際の住宅構造や地盤状況を考慮したものではないので、あくまでも目安程度のものに過ぎないという心配があるからである。
一方、耐震性能数値の取得欲求は新築住宅の購買者に限らず、現在住んでいる住宅、いわば中古住宅の所有者も同様であるが、設計値をそのまま当てはめて計算することは難しい。
「耐震・免震・制震のはなし」第78−79頁、斉藤大樹著、2005年7月26日、日刊工業新聞社発行
建物の耐震性能を示す数値として、例えば耐震強度がある。耐震強度は、建物に対して様々な計測を行い、その計測結果を用いて計算で算出することができる。しかしながら、計測作業は煩雑であり、耐震強度計算も1つの計算式で与えられるものではなく、複雑である。
このような問題点に鑑み、本発明は、建物の耐震性能を簡単に取得できるような耐震診断システムを提供しようとするものである。
本発明はまた、新築の建物のみならず、中古の建物にも適用可能な耐震診断システムを提供することにある。
本発明は更に、建物の耐震性能が不足する場合に補強の目安を簡単に知ることのできる耐震性能診断システムを提供することにある。
本発明の態様による耐震診断システムは、建物に配置されて可変の加振周波数で建物を加振するための加振機と、建物に配置されて該建物が加振されている時に第1〜第3の検出信号を出力する第1〜第3の加速度検出器と、前記加振周波数と前記第1〜第3の検出信号を受けてあらかじめ定められた解析処理を行う解析器を含み、前記解析器は、前記第1〜第3の加速度検出器を水平な第1の方向に並設した状態で前記加振機により加振周波数を変化させながら前記第1の方向に水平に直交する第2の方向に加振している時に前記第1〜第3の検出信号を受け、前記第1〜第3の加速度検出器のうち、あらかじめ定められた1つの加速度検出器からの所定の検出信号がピーク値を示す前記加振周波数を診断周波数fxとして検出すると共に、該診断周波数fx検出時の前記第1〜第3の検出信号による加速度検出値α、α、αXCを検出し、前記解析器はまた、前記第1〜第3の加速度検出器を前記第2の方向に並設した状態で前記加振機により加振周波数を変化させながら前記第1の方向に加振している時に前記第1〜第3の検出信号を受け、前記あらかじめ定められた1つの加速度検出器からの所定の検出信号がピーク値を示す前記加振周波数を診断周波数fyとして検出すると共に、該診断周波数fy検出時の前記第1〜第3の検出信号による加速度検出値α、α、αYCを検出し、前記解析器は更に、前記診断周波数fxを用いて前記第1の方向の動的評点DHXCを算出した後、算出した動的評点DHXCを用いて前記第1の方向の壁倍率MXaを算出し、更に前記第1の方向に対して設定される要求壁倍率MXrと算出された壁倍率MXaと前記加速度検出値α、αを用いて前記第1の方向の両端の壁の不足壁倍率Mn、Msを算出する一方、前記診断周波数fyを用いて前記第2の方向の動的評点DHYCを算出した後、算出した動的評点DHYCを用いて前記第2の方向の壁倍率MYaを算出し、更に前記第2の方向に対して設定される要求壁倍率MYrと算出された壁倍率MYaと前記加速度検出値α、αを用いて前記第2の方向の両端の壁の不足壁倍率Me、Mwを算出することを特徴とする。
本耐震診断システムにおいては、前記第1の方向、第2の方向はそれぞれ南北方向、東西方向であり、前記解析器は、はじめに、以下の式、
DH=(2πfx)/g
DH=(2πfy)/g
但し、gは重力の加速度980(cm/sec)、
を用いて第1の方向の動的評点DH、第2の方向の動的評点DHを算出し、
次に、以下の式、
DHXC
[DH×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}、
DHYC
[DH×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
を用いて、前記動的評点DHXC、動的評点DHYCを算出し、
続いて、以下の式、
Xa=2×(算出された動的評点DHXC)−1
Ya=2×(算出された動的評点DHYC)−1
を用いて前記壁倍率MXa、MYaを算出し、
更に、以下の式
Mn=(MXr−MXa)×αn/(αn+αs)
Ms=(MXr−MXa)×αs/(αn+αs)
Me=(MYr−MYa)×αe/(αe+αw)
Mw=(MYr−MYa)×αw/(αe+αw)
を用いて、前記北側の不足壁倍率Mn、南側の不足壁倍率Ms、東側の不足壁倍率Me、西側の不足壁倍率Mwを算出する。
本耐震診断システムにおいてはまた、
前記解析器は更に、以下の式、
dX=(240×R×MXa×S)/H
dY=(240×R×MYa×S)/H、
但し、Rは建築基準法で定められた必要壁倍率、Sは建物の1階の面積(m)、Hは建物基礎の上面から加振機の設置床面までの階高(cm)、
を用いて前記第1の方向の保有耐力KdX、前記第2の方向の保有耐力KdYを算出し、
続いて、前記加速度検出値α、α、αXCと算出された保有耐力KdXに基づいて、以下の式、
dXN
[KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
dXS
[KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
dXC
[KdX×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}、
を用いて北側、南側、中央の保有耐力KdXN、KdXS、KdXCを算出し、
同様にして、前記加速度検出値α、α、αYCと算出された保有耐力KdYに基づいて、以下の式、
dYE
[KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
dYW
[KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
dYC
[KdY×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}、
を用いて東側、西側、中央の保有耐力KdYE、KdYW、KdYCを算出する。
本耐震診断システムにおいてはまた、
前記解析器は更に、地震発生時に建物が無傷状態を保てる(H/120)ラジアン加速度値として、以下の式、
αX(H/120)={(2πf×(H/120)/τx}
αY(H/120)={(2πf×(H/120)/τy}
但し、τx、τyはそれぞれ東西方向、南北方向の振動増幅率、
を用いて、東西方向に揺れる時の(H/120)ラジアン加速度値αX(H/120)、南北方向に揺れる時の(H/120)ラジアン加速度値αY(H/120)をそれぞれ算出し、
続いて、算出された前記(H/120)ラジアン加速度値αX(H/120)と、前記検出された加速度値α、α、αXCを用いて、以下の式、
αXN(H/120)
[αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
αXS(H/120)
[αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
αXC(H/120)
[αX(H/120)×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
により、建物の北側における(H/120)ラジアン加速度値αXN(H/120)、南側における(H/120)ラジアン加速度値αXS(H/120)、建物の中央における(H/120)ラジアン加速度値αXC(H/120)をそれぞれ算出し、
更に、算出された前記(H/120)ラジアン加速度値αY(H/120)と、前記検出された加速度値α、α、αYCを用いて、以下の式、
αYE(H/120)
[αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
αYS(H/120)
[αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
αYC(H/120)
[αY(H/120)×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
により、建物の東側における(H/120)ラジアン加速度値αYE(H/120)、西側における(H/120)ラジアン加速度値αYW(H/120)、建物の中央における(H/120)ラジアン加速度値αYC(H/120)を算出する。
なお、前記振動増幅率τx、τyはそれぞれ以下の式、
τx=
{(DHXc)×W×H}/(240×R×MXa
τy=
{(DHYc)×W×H}/{240×R×MYa
で与えられる。
なお、前記振動増幅率τx、τyはそれぞれ以下の式、
τx=(fx/f
τy=(fy/f
但し、fは計算によって求められる固有周波数、
で与えられても良い。
本発明によれば、建物自体の持つ耐震性能を計測し、より効果的で安価に耐震補強のできる手法が提供される。すなわち、本発明による耐震診断システムは、まず、その建物の持つ固有の不足壁倍率を計測器及び解析器を使用して正確に算出、表示できる。これにより、顧客は自身の建物の周りで発生する近い将来の地震に対し建物が倒壊しないだけの十分安心できる補強を考えることができる。補強は、壁の補強、筋交の補強、梁の補強、床板の補強、重い屋根を軽い屋根に代える間接的な補強方法のいずれも事前に評価し、実施することが可能である。
図1を参照して、本発明による耐震性能診断を実施するための耐震診断システムについて説明する。本システムは、周波数可変の加振信号を発生する任意波発振器11、加振信号を増幅する電力増幅器12、電力増幅器12からの増幅された加振信号で建物に対して加振を行なう加振機20、加振機20で加振されている間の加速度を検出する第1、第2、第3の加速度検出器21、22、23、これらの検出信号を増幅するための第1、第2、第3の増幅器13、17、24、アナログ信号である検出信号をディジタルの加速度信号に変換する第1、第2、第3のA/D変換器14、18、25、解析器15、パラメータ入力部19を含む。ここでは、本発明を2階建ての戸建住宅に適用する場合について説明するが、1階建てや3階建て以上の建物にも適用可能であることは言うまでもない。また、新築、中古の別は問わない。
2階建ての場合、図2に示すように、加振機20、第1〜第3の加速度検出器21〜23は2階の床に設置され、特に第3の加速度検出器23は建物1の重心対応位置またはその近傍に設置された加振機20に近い位置に設置される。ここで、建物基礎101の上面から2階の床までの高さを階高Hと呼ぶものとし、300(cm)を採用するものとする。平屋建ての場合には、階高Hは建物基礎の上面から加振機の設置床面までの高さとなる。
図3は、図2に示された加振機20、第1〜第3の加速度検出器21〜23の設置形態を平面図で示す。図3は、加振機20で東西方向(第2の方向)(以下、東西方向をX方向と呼び、南北方向をY方向と呼ぶことがある)について起振する場合について示す。この場合、2階床の北方向端部、南方向端部にそれぞれ、第1、第2の加速度検出器21、22が設置され、建物1の重心対応位置またはその近傍に設置された加振機20に近い中央位置に第3の加速度検出器23が設置される。すなわち、第1〜第3の加速度検出器21〜23はY方向(南北方向)に並設される。一方、加振機20で南北方向(第1の方向)(Y方向)について起振する場合、2階床の東方向端部、西方向端部にそれぞれ、第1、第2の加速度検出器21、22が設置され、加振機20に近い中央位置に第3の加速度検出器23が設置される。すなわち、第1〜第3の加速度検出器21〜23はX方向(東西方向)に並設される。
次に、本システムによる耐震性能診断について説明する。以下の耐震性能診断は、解析器15の記憶装置にインストールされている耐震性能診断のための解析処理プログラム(耐震診断プログラム)に基づいて行われる。従って、解析器15は、パーソナルコンピュータ、特にポータブルタイプのパーソナルコンピュータによって実現され、耐震診断に際しては記憶装置から解析処理プログラムを読み出して解析処理を実行する。この場合、パラメータ入力部19はキーボードで実現される。また、増幅器、A/D変換器は解析器に内蔵されていても良い。
1.建物の動的評点(耐震強度)の算出
本明細書で使用される動的評点というのは、耐震強度のランクとして国の定める「評点」に対応する値であると考えて良い。
図1において、任意波発振器11に対して波形を指定することにより、任意波発振器11から、ここでは正弦波が発生され、電力増幅器12で増幅されて加振機20に与えられる。加振機20は増幅された正弦波に基づいて建物1を水平方向に振動させる。その時の建物1の加速度が第1〜第3の加速度検出器21〜23で検出される。第1〜第3の加速度検出器21〜23で検出された加速度信号は、第1〜第3の増幅器13、17、24で増幅され第1〜第3のA/D変換器14、18、25でディジタル信号に変換されて解析器15に与えられる。解析器15は、前述のように解析処理プログラムに基づいて信号処理及び解析処理を行うものである。解析器15にはまた、任意波発振器11からの正弦波信号が周波数信号として与えられる。
なお、任意波発振器11は周波数の異なる複数種類の正弦波信号を発生することができるほか、ランダム波信号としてマルチサイン信号、スウェプトサイン信号を発生することができる。マルチサイン信号というのは、異なる周波数f〜fの正弦波信号を様々な振幅を持つように合成した信号である。一方、スウェプトサイン信号というのは、異なる周波数f〜fの正弦波信号を振幅が一定の状態になるように合成した信号で、いわば周波数変調波である。
第1〜第3の加速度検出器のうち、第3の加速度検出器23で検出される加速度をUとすると、加速度Uと加振機20による加振周波数f(任意波発振器11からの信号周波数)との関係は図4のようになる。つまり、加速度Uは加振周波数fがある値fになるとピーク値を示す。この周波数は診断周波数(あるいは共振周波数)と呼ばれ、解析器15で検出される。ここで、図3に示すように、X方向について起振した場合に第3の加速度検出器23について検出された診断周波数をfxとし、Y方向について起振した場合に第3の加速度検出器23について検出された診断周波数をfyとする。また、X方向について起振した場合、第3の加速度検出器23について診断周波数fxを検出した時に第1、第2、第3の加速度検出器(北側、南側、中央の加速度検出器)21、22、23で検出された加速度をα、α、αXCとする。同様に、Y方向について起振した場合、第3の加速度検出器23について診断周波数fyを検出した時に第1、第2、第3の加速度検出器(東側、西側、中央の加速度検出器)21、22、23で検出された加速度をα、α、αYCとする。
X方向の起振、Y方向の起振の結果、解析器15は、任意波発振器11からの周波数信号と第3のA/D変換器25からの加速度検出信号により、上記診断周波数fx、fyを検出すると共に、加速度α、α、αXCと加速度α、α、αYCを検出する。続いて、解析器15は、以下2つの式(1)に基づいてX方向の動的評点DH、Y方向の動的評点DHを算出する。
DH=(2πfx)/g
DH=(2πfy)/g (1)
式(1)において、gは重力の加速度980(cm/sec)である。
上記式(1)は以下のようにして導かれたものである。
一般的に、建物の強さ(剛性)は建物のばね定数Kで表され、非特許文献1によると、固有円振動数ω(=2πf)とばね定数Kとの間に、2π/ω=2π(m/K)1/2(但し、mは質量)の関係があるとされている。この式からK=m×ωとなり、質量mはW/gで与えられることから、
K=[(2πf×W]/g (2)
が得られる。なお、fは固有周波数(設計値として計算される値)、Wは建物1の上部荷重であり、2階建住宅の場合、図2に示すように、建物基礎101の上面から所定の高さh(m)、ここでは1.35(m)の高さより上方の建物1の重量が建物1の1m当たりの上部荷重W(kN)として扱われる。上部荷重Wは設計図面から計算されるが、一例を挙げると、軽量材による軽い屋根の場合3.42(kN/m)、重量材による重い屋根の場合4.20(kN/m)という値が採用されている。
ここで、本発明者は、上記式(2)を以下の式(3)のように変形することで、上記式(1)による動的評点DHを得ることができるようにした。
DH=K/W=[(2πf×W]/(g×W) (3)
=(2πf/g
前述したように、加振機20による起振は、2階の床面に規定したX方向(東西方向)及びY方向(南北方向)に関して行なわれる。そして、建物1を加振機20によりX方向に起振して得られた診断周波数f、Y方向に起振して得られた診断周波数fからX方向、Y方向の動的評点DH、DHが算出される。X方向を東西方向とし、Y方向を南北方向とするのは、通常、住宅は南向きに建てられるからである。
次に、解析器15は、X方向に起振して検出された加速度α、α、αXCと算出された動的評点DHに基づいて以下の3つの式(4)により、北側、南側、中央の動的評点DHXN、DHXS、DHXCを算出する。
DHXN
[DH×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
DHXS
[DH×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
DHXC
[DH×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3} (4)
同様に、解析器15は、Y方向に起振して検出された加速度α、α、αYCと算出された動的評点DHに基づいて以下の式(5)により、東側、西側、中央の動的評点DHYE、DHYW、DHYCを算出する。
DHYE
[DH×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
DHYW
[DH×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
DHYC
[DH×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3} (5)
以上のように、解析器15は、解析処理プログラムに基づいて、加振機20によりX方向に加振して得られた診断周波数fとその時の第1、第2、第3の加速度検出器21、22、23の加速度検出値α、α、αXC、重力の加速度gを用いて上記式(1)、(4)により、北側、南側、中央の動的評点DHXN、DHXS、DHXCを自動的に算出して結果を記憶装置に保存すると共に、ディスプレイにて表示したり、プリントアウトしたりする。
同様にして、解析器15は、解析処理プログラムに基づいて、加振機20によりY方向に加振して得られた診断周波数fyとその時の第1、第2、第3の加速度検出器21、22、23の加速度検出値α、α、αYC、重力の加速度gを用いて上記式(1)、(5)により、東側、西側、中央の動的評点DHYE、DHYW、DHYCを自動的に算出して結果を記憶装置に保存すると共に、ディスプレイにて表示したり、プリントアウトしたりする。
以上のようにして、本耐震診断システムによれば、耐震強度のランクとして国の定める「評点」に対応する動的評点を得ることができる。
2.建物の不足壁倍、不足壁量の算出
壁倍というのは、建物1の壁率の倍数(壁倍率)であり、解析器15でこれを算出することで、建物1の壁に対する補強の必要性の有無を判定するために用いる。
壁倍は、以下の式(6)で表されるが、2種類がある。
壁倍M=2×(動的評点DH)−1 (6)
要求壁倍Mr=2×(建物所有者により要求される動的評点DHr)−1
X方向の実際の壁倍MXa
2×(上記1で算出された中央の動的評点DHXC)−1
Y方向の実際の壁倍MYa
2×(上記1で算出された中央の動的評点DHYC)−1
なお、建物所有者により要求される動的評点DHrは、1を越え、1.5以下程度と考えて良く、従って、要求壁倍Mrは1〜2程度である。なお、要求壁倍はX方向の壁倍MXr、Y方向の壁倍MYrを別々に設定しても良いが、通常は同じ値である。
解析器15は、以下の式(7)に基づいて北側、南側の壁のそれぞれについて不足壁倍Mn、Msを算出する。
北側の不足壁倍Mn=(MXr−MXa)×αn/(αn+αs)
南側の不足壁倍Ms=(MXr−MXa)×αs/(αn+αs) (7)
続いて、解析器15は、以下の式(8)に基づいて東側、西側の壁のそれぞれについて不足壁倍Me、Mwを算出する。
東側の不足壁倍Me=(MYr−MYa)×αe/(αe+αw)
西側の不足壁倍Mw=(MYr−MYa)×αw/(αe+αw) (8)
ところで、現行建築基準法によると、新築住宅では、耐震等級1の場合、地震力に対する所要壁量は29(cm/m)と規定されている。中古住宅の場合、動的評点(建築基準法による評点)1.00がこれに相当する。解析器15は、X方向、Y方向の不足壁倍を算出すると、算出値に建物の1階の面積S(m)を乗算して不足壁量を算出する。1枚当たりの壁量は通常91(cm)(壁率1の壁)とされていることから、[算出された不足壁量(cm)/91]により追加補強すべき壁の枚数を算出する。なお、壁倍2の壁が用いられる場合には、壁量は半分で済むことは言うまでも無い。
3.建物の保有耐力の算出
建物1のX方向の保有耐力KdX、Y方向の保有耐力KdYは、以下の2つの式(9)で表される。
dX=(2πfx)×S×W/(g×τx)
dY=(2πfy)×S×W/(g×τy) (9)
τx、τyはそれぞれX方向、Y方向の振動増幅率であり、以下のようにして導出される。
建物の設計上の耐力(必要耐力)Kは、以下の式(9−1)で算出される。
=[2/(H/120)]×S×R×M (9−1)
ここで、[2/(H/120)]は壁率が1の壁の耐力を意味する。Rは建築基準法で定められた必要壁率であり、一例を挙げると、軽量材による軽い屋根の場合0.29、重量材による重い屋根の場合0.33という値が定められている。また、Mは壁倍である。
一方、計測により求められる保有耐力は、上記式(9)より、以下の式(10)で表される。
=(2πf)×S×W/(g×τ) (10)
ここで、K=Kとおき、上記式(3)を代入して振動増幅率τを求める。
[2/(H/120)]×S×R×M=
(2πf)×S×W/(g×τ)=
(DH)×S×W/τ
振動増幅率τは、以下の式(11)で表される。
τ=
{(DH)×W×H}/(240×R×M) (11)
上記式(10)は更に、上記式(3)、(11)を利用して、以下の式(12)のように変形することができる。
=(2πf)×S×W/(g×τ)
={[(2πf)/g]×S×W}/{[(DH)×W×H)]/
(240×R×M)}
=[(DH)×W×S×240×R×M]/[(DH)×W×H]
=(240×R×M×S)/H (12)
解析器15は、以上のようにして得られた変形式(12)を用いて、以下の2つの式(13)により、建物1のX方向の保有耐力KdX、Y方向の保有耐力KdYを算出する。
dX=(240×R×MXa×S)/H
dY=(240×R×MYa×S)/H (13)
続いて、解析器15は、X方向に起振して検出された加速度検出値α、α、αXCと算出された保有耐力KdXに基づいて、以下の3つの式(14)により、北側、南側、中央の保有耐力KdXN、KdXS、KdXCを算出する。なお、中央の保有耐力KdXCは床の保有耐力(剛性)を意味する。
dXN
[KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
dXS
[KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
dXC
[KdX×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3} (14)
同様に、解析器15は、Y方向に起振して検出された加速度検出値α、α、αYCと算出された保有耐力KdYに基づいて、以下の3つの式(15)により、東側、西側、中央の保有耐力KdYE、KdYW、KdYCを算出する。中央の保有耐力KdYCも床の保有耐力(剛性)である。
dYE
[KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
dYW
[KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
dYC
[KdY×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3} (15)
以上のようにして北側、南側、中央の保有耐力KdXN、KdXS、KdXCが得られたら、これらの3つの値が実質上等しくなるように補強を行なう。補強は、壁、梁、床板等で行なわれるのが好ましい。
同様にして、東側、西側、中央の保有耐力KdYE、KdYW、KdYCについても、これらの3つの値が実質上等しくなるように補強を行なう。
4.地震発生時、建物が無傷状態を保てる{(H/120)ラジアン}加速度値の算出
建物は、その耐力のほとんどが壁によって得られるように構成されている。そして、この壁は壁の強さ(剛性)に関係なく(H/120)ラジアン(階高H=300cmで2.5cmの揺れ)までの変形に対しては弾性体として働き、それ以上の例えば(H/50)ラジアン、(H/30)ラジアンでは塑性域に入る。従って、(H/120)ラジアンまでの変形では無傷の領域と言えるので、地震等により(H/120)ラジアンまで揺れる時の加速度(地震力)を知ることで、地震等により建物が被害を受けることの無い最大の地震力がわかる。
解析器15は、X方向、Y方向の(H/120)ラジアン加速度値αX(H/120)、αY(H/120)を以下の2つの式(16)により算出する。
X方向の(H/120)ラジアン加速度値:αX(H/120)
{(2πf×(H/120)/τ
Y方向の(H/120)ラジアン加速度値:αY(H/120)
{(2πf×(H/120)/τ} (16)
τx、τyはそれぞれX方向、Y方向の振動増幅率であり、式(11)に関連して説明したように、以下の式に基づいて算出される。
τx=
{(DHXc)×W×H}/(240×R×MXa
τy=
{(DHYc)×W×H}/{240×R×MYa
解析器15は続いて、算出されたX方向の(H/120)ラジアン加速度値:αX(H/120)と、検出された加速度値α、α、αXCを用いて、以下の3つの式(17)により、建物1の北側の(H/120)ラジアン加速度値αXN(H/120)、南側の(H/120)ラジアン加速度値αXS(H/120)、中央の(H/120)ラジアン加速度値αXC(H/120)を算出する。
北側の{(1/120)ラジアン}加速度値:αXN(H/120)
[αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
南側の{(1/120)ラジアン}加速度値:αXS(H/120)
[αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
中央の{(1/120)ラジアン}加速度値:αXC(H/120)
[αX(H/120)×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]} (17)
同様にして、解析器15は、算出されたY方向の(H/120)ラジアン加速度値:αY(H/120)と、検出された加速度値α、α、αYCを用いて、以下の3つの式(18)により、建物1の東側の(H/120)ラジアン加速度値αYE(H/120)、西側の(H/120)ラジアン加速度値αYW(H/120)、中央の(H/120)ラジアン加速度値αYC(H/120)を算出する。
東側の{(1/120)ラジアン}加速度値:αYE(H/120)
[αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
西側の{(1/120)ラジアン}加速度値:αYW(H/120)
[αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
中央の{(1/120)ラジアン}加速度値:αYC(H/120)
[αY(H/120)×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]} (18)
ところで、国土交通省の定めによる一般診断法においては、評点という数値を用い、図5に示されるような震度と評点の関係で地震による被害状況を表すようにしている。
これに対し、上述した本実施形態による耐震性能診断では、主に、住宅の壁の強さが東、西、南、北について同じでないと地震時にねじれが生じて倒壊する可能性があることから、東、西、南、北について壁が同じ強さを有しているかを判別できるようにしている。
解析器15は上記の各計算の結果として、以下の項目の表示を行なう。
東側の(H/120)ラジアン加速度値αYE(H/120)
西側の(H/120)ラジアン加速度値αYW(H/120)
南側の(H/120)ラジアン加速度値αXS(H/120)
北側の(H/120)ラジアン加速度値αXN(H/120)
東側の壁倍、壁量の不足値
西側の壁倍、壁量の不足値
南側の壁倍、壁量の不足値
北側の壁倍、壁量の不足値
以上のようにして、建物が無傷状態を保てる{(H/120)ラジアン}加速度値を東西南北の各壁について算出すると共に不足壁倍や不足壁量を算出して大地震に対する壁補強の必要性の判別を行なうのみならず、東西南北の壁についてばらつきの有無を判別してねじれによる倒壊を防ぐ壁補強対策を講じることができる。
なお、上記説明では、振動増幅率τの算出に、上記式(11)による、
τ={(DH)×W×H}/(240×R×M)
を用いたが、以下の式を用いても良い。
τ=(診断周波数f/固有周波数f (19)
固有周波数fは以下の式(20)による計算によって算出される、いわば設計値である。
=(1/2π)×{(Ks×g)/(W×S)}1/2 (20)
また、Kは、項目3の建物の保有耐力の算出で説明した式(9−1)で表される建物の設計上の耐力(必要耐力)である。
そして、建物の保有耐力Kは前述した式(9)により、以下のように表される。
=(2πf×S×W/(g×τ)
ここで、診断時の耐力は振動増幅率τによって増幅されている。実際の耐力は振動増幅率が1であるので、これと比較して、以下のようにおくと、
(2πf×S×W/(g×τ)=(2πf×S×W/(g×1)
τ=(f/f
で表すことができる。
これにより、X方向の振動増幅率τxを、
τx=(fx/f
とし、Y方向の振動増幅率τyを、
τy=(fy/f
としても良い。
以上説明した本発明の実施形態による耐震診断システムによれば、建物自体の持つ耐震性能を計測し、より効果的で安価に耐震補強のできる手法が提供される。すなわち、本実施形態による耐震診断システムは、まず、その建物の持つ固有の動的評点(耐震強度)を目視でなく計測器及び解析器を使用して正確に表示できるほか、補強の目安となる耐力、不足壁倍、不足壁量(筋交を含む)、更には地震発生時に建物が無傷状態を保てる{(H/120)ラジアン}加速度値を容易に導出できる。これにより、顧客は自身の建物の周りで発生する近い将来の地震に対し建物が倒壊しないだけの十分安心できる補強を考えることができる。補強は、壁の補強、筋交の補強、梁の補強、床板の補強、重い屋根を軽い屋根に代える間接的な補強方法のいずれも事前に評価し、実施することが可能である。
また、本実施形態による耐震診断システムによって建物の東西南北に関して上記各数値の算出が容易に正しく行なわれることにより、地震対策として地震発生時に建物がねじれによって倒壊することがない様、建物の地震に対する脆弱部分の改修も可能となることから、有効な耐震性能診断並びに補強の補助手段として威力を発揮することが期待される。
図1は、本発明による耐震診断を実施するための耐震診断システムの構成を示すブロック図である。 図2は、2階建て住宅の場合の計測機器の設置形態及び建物上部荷重の定義を説明するための図である。 図3は、2階建て住宅の場合の計測機器の設置形態を説明するための平面図である。 図4は、図1の加振機により住宅を加振した際に得られる加振周波数と加速度検出器で検出される加速度の関係を示した図である。 図5は、震度と評点の関係で地震による被害状況を説明するための図である。
符号の説明
1 建物
20 加振機
21 第1の加速度検出器
22 第2の加速度検出器
23 第3の加速度検出器

Claims (6)

  1. 建物に配置されて可変の加振周波数で建物を加振するための加振機と、建物に配置されて該建物が加振されている時に第1〜第3の検出信号を出力する第1〜第3の加速度検出器と、前記加振周波数と前記第1〜第3の検出信号を受けてあらかじめ定められた解析処理を行う解析器を含み、
    前記解析器は、前記第1〜第3の加速度検出器を水平な第1の方向に並設した状態で前記加振機により加振周波数を変化させながら前記第1の方向に水平に直交する第2の方向に加振している時に前記第1〜第3の検出信号を受け、前記第1〜第3の加速度検出器のうち、あらかじめ定められた1つの加速度検出器からの所定の検出信号がピーク値を示す前記加振周波数を診断周波数fxとして検出すると共に、該診断周波数fx検出時の前記第1〜第3の検出信号による加速度検出値α、α、αXCを検出し、
    前記解析器はまた、前記第1〜第3の加速度検出器を前記第2の方向に並設した状態で前記加振機により加振周波数を変化させながら前記第1の方向に加振している時に前記第1〜第3の検出信号を受け、前記あらかじめ定められた1つの加速度検出器からの所定の検出信号がピーク値を示す前記加振周波数を診断周波数fyとして検出すると共に、該診断周波数fy検出時の前記第1〜第3の検出信号による加速度検出値α、α、αYCを検出し、
    前記解析器は更に、前記診断周波数fxを用いて前記第1の方向の動的評点DHXCを算出した後、算出した動的評点DHXCを用いて前記第1の方向の壁倍率MXaを算出し、更に前記第1の方向に対して設定される要求壁倍率MXrと算出された壁倍率MXaと前記加速度検出値α、αを用いて前記第1の方向の両端の壁の不足壁倍率Mn、Msを算出する一方、前記診断周波数fyを用いて前記第2の方向の動的評点DHYCを算出した後、算出した動的評点DHYCを用いて前記第2の方向の壁倍率MYaを算出し、更に前記第2の方向に対して設定される要求壁倍率MYrと算出された壁倍率MYaと前記加速度検出値α、αを用いて前記第2の方向の両端の壁の不足壁倍率Me、Mwを算出することを特徴とする耐震診断システム。
  2. 請求項1に記載の耐震診断システムにおいて、
    前記第1の方向、第2の方向はそれぞれ南北方向、東西方向であり、
    前記解析器は、はじめに、以下の式、
    DH=(2πfx)/g
    DH=(2πfy)/g
    但し、gは重力の加速度980(cm/sec)、
    を用いて第1の方向の動的評点DH、第2の方向の動的評点DHを算出し、
    次に、以下の式、
    DHXC
    [DH×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}、
    DHYC
    [DH×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
    を用いて、前記動的評点DHXC、動的評点DHYCを算出し、
    続いて、以下の式、
    Xa=2×(算出された動的評点DHXC)−1
    Ya=2×(算出された動的評点DHYC)−1
    を用いて前記壁倍率MXa、MYaを算出し、
    更に、以下の式
    Mn=(MXr−MXa)×αn/(αn+αs)
    Ms=(MXr−MXa)×αs/(αn+αs)
    Me=(MYr−MYa)×αe/(αe+αw)
    Mw=(MYr−MYa)×αw/(αe+αw)
    を用いて、前記北側の不足壁倍率Mn、南側の不足壁倍率Ms、東側の不足壁倍率Me、西側の不足壁倍率Mwを算出することを特徴とする耐震診断システム。
  3. 請求項2に記載の耐震診断システムにおいて、
    前記解析器は更に、以下の式、
    dX=(240×R×MXa×S)/H
    dY=(240×R×MYa×S)/H、
    但し、Rは建築基準法で定められた必要壁倍率、Sは建物の1階の面積(m)、Hは建物基礎の上面から加振機の設置床面までの階高(cm)、
    を用いて前記第1の方向の保有耐力KdX、前記第2の方向の保有耐力KdYを算出し、
    続いて、前記加速度検出値α、α、αXCと算出された保有耐力KdXに基づいて、以下の式、
    dXN
    [KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
    dXS
    [KdX×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}
    dXC
    [KdX×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3}、
    を用いて北側、南側、中央の保有耐力KdXN、KdXS、KdXCを算出し、
    同様にして、前記加速度検出値α、α、αYCと算出された保有耐力KdYに基づいて、以下の式、
    dYE
    [KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
    dYW
    [KdY×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}
    dYC
    [KdY×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3}、
    を用いて東側、西側、中央の保有耐力KdYE、KdYW、KdYCを算出することを特徴とする耐震診断システム。
  4. 請求項2または3に記載の耐震診断システムにおいて、
    前記解析器は更に、地震発生時に建物が無傷状態を保てる(H/120)ラジアン加速度値として、以下の式、
    αX(H/120)={(2πf×(H/120)/τx}
    αY(H/120)={(2πf×(H/120)/τy}
    但し、τx、τyはそれぞれ東西方向、南北方向の振動増幅率、
    を用いて、東西方向に揺れる時の(H/120)ラジアン加速度値αX(H/120)、南北方向に揺れる時の(H/120)ラジアン加速度値αY(H/120)をそれぞれ算出し、
    続いて、算出された前記(H/120)ラジアン加速度値αX(H/120)と、前記検出された加速度値α、α、αXCを用いて、以下の式、
    αXN(H/120)
    [αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
    αXS(H/120)
    [αX(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
    αXC(H/120)
    [αX(H/120)×(1/αXC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αXC)]/3]}
    により、建物の北側における(H/120)ラジアン加速度値αXN(H/120)、南側における(H/120)ラジアン加速度値αXS(H/120)、建物の中央における(H/120)ラジアン加速度値αXC(H/120)をそれぞれ算出し、
    更に、算出された前記(H/120)ラジアン加速度値αY(H/120)と、前記検出された加速度値α、α、αYCを用いて、以下の式、
    αYE(H/120)
    [αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
    αYW(H/120)
    [αY(H/120)×(1/α)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
    αYC(H/120)
    [αY(H/120)×(1/αYC)]/{[(1/α)+(1/α)+(1/αYC)]/3]}
    により、建物の東側における(H/120)ラジアン加速度値αYE(H/120)、西側における(H/120)ラジアン加速度値αYW(H/120)、建物の中央における(H/120)ラジアン加速度値αYC(H/120)を算出することを特徴とする耐震診断システム。
  5. 請求項4に記載の耐震診断システムにおいて、
    前記振動増幅率τx、τyはそれぞれ以下の式、
    τx=
    {(DHXc)×W×H}/(240×R×MXa
    τy=
    {(DHYc)×W×H}/{240×R×MYa
    で与えられることを特徴とする耐震診断システム。
  6. 請求項4に記載の耐震診断システムにおいて、
    前記振動増幅率τx、τyはそれぞれ以下の式、
    τx=(fx/f
    τy=(fy/f
    但し、fは計算によって求められる固有周波数、
    で与えられることを特徴とする耐震診断システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7428847B1 (ja) 2023-08-22 2024-02-06 ミサワホーム株式会社 耐震診断装置及びプログラム

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