JP2010127764A - 建物の耐震診断方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建物20を複数に分けた各仮想ブロックB内にある構造材にそれぞれ設置された三軸加速度センサS(S1〜S27)と、各三軸加速度センサSが接続され、外力によって建物20が変位した際に、各三軸加速度センサSからの検出信号によって、各仮想ブロックB内にある構造材の変位をそれぞれ測定し、これら測定された測定値と、予め設定された各仮想ブロックB内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物20の耐震性を診断する測定診断部とを備えているので、建物が地震等の外力を受けた際に、建物20のどの部分の耐震性が低下しているのかを容易に知ることができる。
【選択図】図1
Description
また、建物の耐震診断方法の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。この耐震診断方法は、建物の微動を測定して得られる振動データを解析して該建物の固有振動数を算出すると共に、該建物の構造に関する建物情報及び建物の壁要素の微動剛性に関する壁要素情報に基づいて該建物の重量及び微動剛性を算出し該重量及び該微動剛性から該建物の固有振動数を推定し、前記振動データに基づき算出した前記固有振動数と、前記建物情報及び前記壁要素情報に基づき推定した前記固有振動数とを比較することにより、前記建物の耐震性を診断するものである。
前記各三軸加速度センサSが接続され、外力によって建物20が変位した際に、前記各三軸加速度センサSからの検出信号によって、各仮想ブロックB内にある構造材の変位をそれぞれ測定し、これら測定された測定値と、予め設定された各仮想ブロックB内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物20の耐震性を診断する測定診断部とを備えていることを特徴とする。
また、測定診断部によって、各仮想ブロックB内にある構造材の変位量を測定できるので、この構造材の耐震性の低下量を知ることができ、建物20の耐震性を回復させるための修復等を効率的に行うことができる。
前記測定診断部は、前記変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した前記三軸加速度センサSが設置された構造材を有する仮想ブロックBの位置を、表示部4に表示させることを特徴とする。
前記測定診断部は、前記測定値が前記変位許容値を超えた際に、警告部(例えばスピーカ6、表示部4)から警告せしめることを特徴とする
外力によって建物20が変位した際に、前記三軸加速度センサSからの検出信号によって、各仮想ブロックB内にある構造材の変位をそれぞれ測定し、
これら測定値と、前記各仮想ブロックB内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物20の耐震性を診断することを特徴とする。
また、各仮想ブロックB内にある構造材の変位量を測定できるので、この構造材の耐震性の低下量を知ることができ、建物の耐震性を回復させるための修復等を効率的に行うことができる。
前記変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した前記三軸加速度センサSが設置された構造材を有する仮想ブロックBの位置を表示することを特徴とする。
前記測定値が前記変位許容値を超えた際に、警告することを特徴とする
図1は本発明に係る建物の耐震診断装置(以下、耐震診断装置と略称する。)を示すブロック図である。この耐震診断装置は、CPU(Central Processing Unit)1と、RAM(Random Access Memory)2と、入力部3と、表示部4と、記憶装置5と、スピーカ6と、接続部7とを備え、それらはバス8や各種インターフェースを介して接続されている。さらに、耐震診断装置は、複数の三軸加速度センサ(以下、加速度センサという。)S・・・を備えており、これら加速度センサS・・・は接続部7にそれぞれ接続されている。
記憶装置5は、プログラムやデータ等が予め記憶されたハードディスク装置であり、このハードディスク装置のハードディスクには、プログラム記憶部5a、建物情報記憶部5b、変位許容値記憶部5c、測定値記憶部5d等が設けられている。
すなわちまず、図2および図3に示すように、建物20は複数の仮想ブロックBに分けられている。具体的には建物20は、27個の立方体状の仮想ブロックB1〜B27に分けられている。仮想ブロックB(B1〜B27)は、建物20を仮想的に分けてなるものであり、平面視において縦横にそれぞれ3個、高さ方向に3個の合計27個の等しい大きさの仮想ブロックB1〜B27に分けられている。
加速度センサSを仮想ブロックBに設置する場合、仮想ブロックB内にある構造材に加速度センサSを接着剤等によって取り付けることにより行う。構造材としては、例えば、柱、梁、壁(特に耐力壁)等が挙げられ、これら柱、梁、壁等に取り付ける。
また、建物が図5に示すように、パネル工法によるものであれば、加速度センサSは、耐力壁を構成する壁パネルwpや床パネルfpに取り付ける。この場合、図8(b)に示すように、仮想ブロックB内にある壁パネルwpと床パネルfpの交差部の中央に加速度センサSを取り付ける。建物が地震等の外力を受けると、壁パネルwpと床パネルfpの交差部の中央に力が集中し、この部分の変位(傾き)が大きくなるので、この部分に加速度センサSを取り付ける。
また、建物が図6に示すように、ツーバイフォー工法によるものであれば、加速度センサSは、壁内の柱pや、床内の根太n等に取り付ける。
また、建物が図7に示すように、軽量鉄骨による軸組工法によるものであれば、加速度センサSは、柱pや梁bに取り付ける。
また、前記加速度センサS1〜S27は、それらに番号(例えばS1〜S27)が付与されたうえで、これらの番号に、仮想ブロックB1〜B27の番号がそれぞれ対応付けられ、さらに、加速度センサS1〜S27が取り付けられた各構造材には、例えば、K1〜K27の番号が付与され、加速度センサS1〜S27の番号に、構造材の番号(K1〜K27)が対応付けられて、加速度センサ情報として前記建物情報記憶部5bに記憶されている。
さらに、構造材には各仮想ブロックB1〜B27内における位置情報が三次元(X軸、Y軸、Z軸)座標の座標値として付与されるとともに、構造材の種類(柱、梁、壁等)名が付与されている。
したがって、外力によって建物が変位して、構造材の変位(傾き)を加速度センサSが検知した場合、この検知した加速度センサSが設置されている仮想ブロックBの位置や、構造材の種類名、位置が分るようになっている。
測定診断プログラムは、前記加速度センサS1〜S27からの検出信号に基づいて、仮想ブロックB1〜B27内にある構造材の変位をそれぞれ測定(算出)する処理を行うようになっている。なお、この構造材の情報は、前記仮想ブロックB1〜B27の番号に対応付けられて、前記建物情報記憶部5bに記憶されている。構造材の情報としては、柱、梁、壁の種類や機械的強度等がある。
また、各仮想ブロックB内にある構造材の変位許容値が、前記仮想ブロックB1〜B27の番号に対応付けられて、前記変位許容値記憶部5cに記憶されている。構造材の変位許容値は、構造材の材質、種類、大きさ等や、建物の建築工法等によって異なる。このような変位許容値は、前記入力部3から入力されて、前記変位許容値記憶部5cに記憶されている。
前記測定された測定値は、前記仮想ブロックB1〜B27の番号に対応付けられて、測定値記憶部5dに記憶されている。
また、前記測定診断プログラムは、前記測定された測定値と、予め設定された各仮想ブロックB1〜B27内にある構造材の変位許容値とを比較する処理を行うようになっている。
まず、各仮想ブロックB(B1〜B27)内にある構造材に設置した加速度センサS(S1〜S27)のゼロポイントを設定する。これは、耐震診断装置の表示部4に、構造材に設置した状態における加速度センサS(S1〜S27)の初期の傾きが表示されるので、この初期の傾きを「ゼロ」として補正するものであり、補正する場合、入力部3のテンキー等から「0」を入力することによって行う。
検出信号を検出する場合、一定時間間隔で検出していくことによって、構造材の傾きを一定時間間隔で測定する。これによって、各仮想ブロックB(B1〜B27)内にある構造材の傾きの経時変化を検出することができる。
この構造材の傾きの経時変化は、例えば、プログラム記憶部5aに記憶されているグラフ化プログラムによってグラフ化されて、表示部4に表示できるとともに、測定値記憶部5dにも記憶される。
なお、建物は、地震等の大きな外力の他に、風や交通振動によっても外力を受けるので、この外力によって、建物が微動し、この結果、構造材が若干傾き、これを加速度センサSによって検出していき、構造材の傾きの経時変化としてグラフ化され、表示部4に表示される。
次に、これら測定値と、各仮想ブロックB(B1〜B27)内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物の耐震性を診断する。つまり、地震中に測定した各仮想ブロックB(B1〜B27)内にある構造材の変位(傾き)のうちの、最大変位量(測定値)と、前記変位許容値記憶部5cに記憶されている各構造材の変位許容値とを比較する。
そして、変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した加速度センサSが設置された構造材を有する仮想ブロック(異常仮想ブロック)Bの位置を表示すとともに、変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した加速度センサSが設置された構造材を有する仮想ブロック(異常仮想ブロック)B内の耐震性が低下していると診断する。
異常仮想ブロックBの位置を表示する場合、例えば上述したように、液晶ディスプレイに、図2に示すような、仮想ブロック分けされた建物を表示するとともに、異常仮想ブロックBを透明な赤色に着色するようにすればよい。
また、測定値が前記変位許容値を超えた際は、前記スピーカ6や表示部4等によって警告する。この場合、例えば上述したように、スピーカ6から警告音が発せられたり、また、表示部4に警告文字を表示したり、警告色を点滅させたりする。
また、測定診断部によって、各仮想ブロックB内にある構造材の変位量(傾斜角)を測定できるので、その構造材の耐震性の低下量を知ることができ、建物の建物の耐震性を回復させるための修復等を効率的に行うことができる。
さらに、建物が地震等の外力によって変位した際に、測定値が変位許容値を超えた際に、スピーカ6や表示部4が警告するので、建物の耐震性が低下しているのを素早く知ることができる。
このようにすれば、地震等の外力によって変位または破損した部分を細かく絞り込むことができる。
2 RAM
3 入力部
4 表示部
5 記憶装置
6 スピーカ
7 接続部
20 建物
S(S1〜S27) 三軸加速度センサ
B(B1〜B20) 仮想ブロック
p 柱(構造材)
b 梁(構造材)
wp 壁パネル(構造材)
fp 床パネル(構造材)
n 根太(構造材)
Claims (6)
- 建物が複数の仮想ブロックに分けられ、各仮想ブロック内にある構造材にそれぞれ設置された三軸加速度センサと、
前記三軸加速度センサが接続され、外力によって建物が変位した際に、前記各三軸加速度センサからの検出信号によって、各仮想ブロック内にある構造材の変位をそれぞれ測定し、これら測定された測定値と、予め設定された各仮想ブロック内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物の耐震性を診断する測定診断部と、
を備えていることを特徴とする建物の耐震診断装置。 - 請求項1に記載の建物の耐震診断装置において、
前記測定診断部は、前記変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した前記三軸加速度センサが設置された構造材を有する仮想ブロックの位置を、表示部に表示させることを特徴とする建物の耐震診断装置。 - 請求項1または2に記載の建物の耐震診断装置において、
前記測定診断部は、前記測定値が前記変位許容値を超えた際に、警告部から警告せしめることを特徴とする建物の耐震診断装置。 - 建物を複数の仮想ブロックに分け、各仮想ブロック内にある構造材にそれぞれ三軸加速度センサを設置しておき、
外力によって建物が変位した際に、前記三軸加速度センサからの検出信号によって、各仮想ブロック内にある構造材の変位をそれぞれ測定し、
これら測定値と、前記各仮想ブロック内にある構造材の変位許容値とに基づいて、建物の耐震性を診断することを特徴とする建物の耐震診断方法。 - 請求項4に記載の建物の耐震診断方法において、
前記変位許容値を超えた測定値に対応する検出信号を出力した前記三軸加速度センサが設置された構造材を有する仮想ブロックの位置を表示することを特徴とする建物の耐震診断方法。 - 請求項4または5に記載の建物の耐震診断方法において、
前記測定値が前記変位許容値を超えた際に、警告することを特徴とする建物の耐震診断方法。
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