JP7428847B1 - 耐震診断装置及びプログラム - Google Patents

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JP7428847B1
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Abstract

【課題】建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができるようにする。【解決手段】耐震診断装置1は、建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部(制御部11)と、前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部(制御部11)と、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部(制御部11)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、耐震診断装置及びプログラムに関する。
従来、木造軸組建物の耐震性を評価する手法として、木造住宅の耐震診断法がある。
これに関して、特許文献1には、次の技術が開示されている。具体的には、既設住宅の物件データを入力し、そのデータを演算して所定の基準と比較して耐震性を判定する。耐震補強が必要な場合は、入力されている物件データに追加する耐力壁などの部材データを入力し、同様の方法で耐震性を判定し、所定の耐震に関する等級を満たすように耐震補強工事を設計する。
特開2004-110264号公報
しかしながら、従来の耐震診断では、既存建物における仕様の特定に手間がかかる、耐震性の評価(計算)方法が複雑である等の問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる耐震診断装置及びプログラムを提供することである。
請求項1に記載の耐震診断装置1は、例えば図1、図3、図4、図10A、図10Bに示すように、
建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部(制御部11)と、
前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部(制御部11)と、
前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部(制御部11)と、
を備え
前記壁長算出部(制御部11)は、前記補強が必要な耐力壁の長さが前記建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、前記建物に新規に設ける耐力壁の長さを算出する。
請求項1に記載の発明によれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の耐震性の判定結果を把握できる。また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、容易に補強が必要な耐力壁の長さを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、建物に新規に設ける耐力壁の長さを容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図3、図4に示すように、請求項1に記載の耐震診断装置1において、
前記建物情報は、前記建物の新築時期を含み、
前記第一判定部(制御部11)は、前記新築時期に基づいて前記建物の仕様を判定し、前記建物の仕様の判定結果に基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する。
請求項2に記載の発明によれば、建物の新築時期に基づいて、当該建物の仕様を特定することができ、既存建物の仕様の特定における手間を省くことができる。
したがって、建物の耐震性の判定を簡易的に行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図3、図5、図6、図8に示すように、請求項1に記載の耐震診断装置1において、
前記第一判定部(制御部11)は、前記設計情報における開口部を有さない壁を耐力壁として抽出し、前記耐力壁の長さに基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する。
請求項3に記載の発明によれば、建物の耐震診断において、ユーザは、当該建物が有する耐力壁の位置、長さ(幅)等を入力する手間を省くことができる。
したがって、建物の耐震性の判定を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1~図3、図10Bに示すように、請求項1に記載の耐震診断装置1において、
前記壁長算出部(制御部11)により算出された補強が必要な耐力壁の長さに基づいて、前記耐力壁を補強する補強費用を算出する費用算出部(制御部11)を備える。
請求項に記載の発明によれば、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、補強が必要な耐力壁の長さ及び補強費用を容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図11に示すように、請求項に記載の耐震診断装置1において、
前記第一判定部(制御部11)による前記建物における耐力が不足しているか否かの判定結果を表示部14に表示する第一表示制御部(制御部11)を備え、
前記第一表示制御部は、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記壁長算出部(制御部11)により算出された補強が必要な耐力壁の長さ、及び前記費用算出部(制御部11)により算出された前記補強費用を前記表示部14に表示する。
請求項に記載の発明によれば、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、補強が必要な耐力壁の長さ及び補強費用を容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図3、図9に示すように、請求項1に記載の耐震診断装置1において、
前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力壁の配置バランスを判定する第二判定部(制御部11)を備える。
請求項に記載の発明によれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物における耐力壁の配置バランスを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図3、図5~図9に示すように、請求項に記載の耐震診断装置1において、
前記第二判定部(制御部11)は、前記建物の平面図を南北方向に4分割した北端側の領域及び南端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の南北方向の配置バランスを判定し、前記建物の平面図を東西方向に4分割した東端側の領域及び西端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の東西方向の配置バランスを判定する。
請求項に記載の発明によれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の南北方向及び東西方向における耐力壁の配置バランスを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1、図3、図11に示すように、請求項に記載の耐震診断装置1において、
前記第二判定部(制御部11)による前記耐力壁の配置バランスの判定結果を表示部14に表示する第二表示制御部(制御部11)を備え、
前記第二表示制御部は、前記第二判定部による前記耐力壁の配置バランスの判定結果に基づいて、前記耐力壁の補強に関する提案を前記表示部14に表示する。
請求項に記載の発明によれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、建物における耐力壁の配置バランス及び耐力壁の補強に関する提案を容易に把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
請求項に記載のプログラムは、例えば図1、図3、図4、図10A、図10Bに示すように、
耐震診断装置のコンピュータを、
建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部、
前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部、
前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部、
として機能させ
前記壁長算出部は、前記補強が必要な耐力壁の長さが前記建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、前記建物に新規に設ける耐力壁の長さを算出する。
請求項に記載の発明によれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の耐震性の判定結果を把握できる。また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、容易に補強が必要な耐力壁の長さを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、建物に新規に設ける耐力壁の長さを容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本発明によれば、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
耐震診断装置の構成を説明する図である。 補強方法テーブルの例を示す図である。 耐震診断処理の流れを示すフローチャートである。 入力画面の一例を示す図である。 南北方向に分割された建物1階の平面図の一例を示す図である。 東西方向に分割された建物1階の平面図の一例を示す図である。 建物1階全体、及び分割領域の床面積の一例を示す図である。 建物1階全体、及び分割領域における耐力壁の幅の一例を示す図である。 分割領域における壁量充足率及び壁率比と、配置バランス判定の一例を示す図である。 現状の耐力壁による耐力判定、及び補強が必要な壁長の一例を示す図である。 補強する既存の壁長、新たに追加する壁長及び補強費用の目安金額の一例を示す図である。 判定画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔1.耐震診断装置の構成〕
本実施形態の耐震診断装置1は、住宅などの建物のリフォーム時に、当該建物の耐震性を診断する装置である。
耐震診断装置1は、例えばPC、専用の装置・端末等で構成される。
図1は、耐震診断装置1の構成を説明する図である。
耐震診断装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、を備える。耐震診断装置1が備える各部は、バス等で電気的に接続されている。
制御部11は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成される。
ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶する。
CPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、耐震診断装置1における各部の動作を集中制御する。
記憶部12は、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成される。
記憶部12には、制御部11が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。各種プログラムには、例えば、耐震診断プログラムが含まれる。
また、記憶部12は、補強方法テーブル121を記憶している。
図2に、補強方法テーブル121の例を示す。
補強方法テーブル121は、建物が有する耐力壁を補強する際の補強方法ごとに、それぞれの壁基準耐力を格納する。補強方法は、例えば、構造用合板(片面)、筋交いシングル、筋交いダブル等であるが、図2に示す例に限らない。壁基準耐力は、壁の強さを表す数値である。
また、補強方法テーブル121は、補強方法ごとに、壁の長さ(幅)1m当たりの補強費用を格納する。補強方法テーブル121は、補強費用として、既存の耐力壁を補強する場合の補強費用、及び新規に耐力壁を追加する場合の補強費用を格納する。
通信部13は、通信モジュール等で構成される。
通信部13は、通信ネットワークを介して有線又は無線で接続された他の装置との間で各種信号や各種データを送受信する。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。表示部14は、CPU11から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
操作部15は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有する。操作部15は、ユーザからのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報を、CPU11に出力する。CPU11は、操作部15から送信された情報に基づいて、ユーザの入力操作を受け付ける。
〔2.耐震診断装置の動作〕
次に、耐震診断装置1における動作について説明する。
耐震診断装置1の制御部11は、図3に示す耐震診断処理を実行することにより、複数階建ての建物の1階部分、または平屋建ての建物の耐震性を診断する。
制御部11は、耐震診断処理により、例えば、2000年5月以前に新築された木造軸組住宅の耐震性を診断する。これは、2000年6月に、耐震性に係る建築基準法が改正されたことにより、2000年5月以前に新築された住宅は、2000年6月以降に新築された住宅より耐震性が弱い可能性があるためである。
(耐震診断処理)
まず、制御部11は、操作部15を介したユーザによる建物情報の入力操作を受け付ける。つまり、制御部11は、当該建物情報を取得する(ステップS1)。
建物情報は、建物に関する情報であって、建物の階数、新築時期、屋根ふき材の種類、建物短辺の幅、基礎の種類、基礎の劣化状態等を含む。
ステップS1において、制御部11は、表示部14に図4に示す入力画面141を表示する。
制御部11は、入力画面141内の階数欄141aにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物の階数を選択することを受け付ける。
建物の階数の選択肢は、例えば、「2階建て」、「平屋建て」等である。
また、制御部11は、入力画面141内の新築時期欄141bにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物の新築時期を選択することを受け付ける。
建物の新築時期の選択肢は、例えば、「1981年5月以前」、「1981年6月以降」等である。これは、1981年6月に建築基準法が改正されたことにより、1981年6月以降に新築された住宅の耐震基準(新耐震基準)と、1981年5月以前に新築された住宅の耐震基準(旧耐震基準)が異なるためである。
なお、建物の新築時期の選択肢は、より詳細に設定されていてもよい。
また、制御部11は、入力画面141内の屋根ふき材欄141cにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物の屋根ふき材の種類を選択することを受け付ける。
建物の屋根ふき材の種類の選択肢は、例えば、「鉄板」、「スレート」、「瓦」、「土葺瓦」等である。
屋根ふき材が「鉄板」または「スレート」である建物は、重量区分において「軽い建物」に分類される。屋根ふき材が「瓦」である建物は、重量区分において「重い建物」に分類される。屋根ふき材が「土葺瓦」である建物は、重量区分において「非常に重い建物」に分類される。
また、制御部11は、入力画面141内の建物短辺の幅欄141dにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物短辺の幅を選択することを受け付ける。
建物短辺の幅の選択肢は、例えば、「4m未満」、「4m以上」等である。
建物短辺の幅に基づいて形状割増係数が設定される。具体的には、建物短辺の幅が「4m未満」の場合、形状割増係数は、「1.13」であり、建物短辺の幅が「4m以上」である場合、形状割増係数は、「1.0」である。
また、制御部11は、入力画面141内の基礎の種類欄141eにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物の基礎の種類を選択することを受け付ける。
建物の基礎の種類の選択肢は、例えば、「布・べた基礎」、「その他(ブロック基礎等)」等である。「その他(ブロック基礎等)」は、一般的に「布・べた基礎」と比較して耐震性が低い。
建物の基礎の種類に基づいて基礎仕様による耐力低減係数が設定される。
また、制御部11は、入力画面141内の基礎の劣化状態欄141fにおいて、予め設定されている選択肢の中からプルダウン方式で建物の基礎の劣化状態を選択することを受け付ける。
建物の基礎の劣化状態の選択肢は、例えば、「ひび、欠けなし」、「ひび、欠けあり」、「不明」等である。
建物の基礎の劣化状態に基づいて基礎仕様による耐力低減係数が設定される。
なお、制御部11は、ステップS1において、操作部15を介したユーザによる建物情報の手入力操作を受け付けてもよい。
次に、制御部11は、ステップS1において取得した建物情報に基づいて、建物仕様の一部を判定する(ステップS2)。
例えば、制御部11は、ステップS1において選択された建物の新築時期に基づいて、建物における柱頭柱脚接合部の仕様を判定する。
また、制御部11は、ステップS1において選択された建物の新築時期に基づいて、建物における基礎鉄筋の有無を判定する。例えば、ステップS1において建物の新築時期として「1981年5月以前」が選択された場合、制御部11は、建物の基礎鉄筋を「無し」と判定する。一方、ステップS1において建物の新築時期として「1981年6月以降」が選択された場合、制御部11は、建物の基礎鉄筋を「有り」と判定する。
また、建物が複数階建てである場合、制御部11は、ステップS1において選択された建物の新築時期に基づいて、建物における2階床の仕様を判定する。一方、建物が平屋建てである場合、制御部11は、ステップS1において選択された建物の新築時期に基づいて、建物における小屋または屋根の仕様を判定する。
次に、制御部11は、操作部15を介したユーザによる建物1階の平面図の入力操作を受け付ける。つまり、制御部11は、建物の設計情報である、建物1階の平面図を取得する(ステップS3)。
なお、建物の設計情報は、当該建物1階の平面図に限らない。建物の設計情報は、建物の設計計画を示す情報であり、建物が有する各部位の床面積情報、壁の長さ(幅)情報等を含む。建物の設計情報は、例えば、建物が有する各部位の床面積、壁の長さが記載された一覧表等であってもよい。
以上のように、上記ステップS1、S3において、制御部11は、建物に関する建物情報及び建物の設計情報を取得する。制御部11は、取得部として機能する。
次に、制御部11は、ステップS3で取得した建物1階の平面図において、建物が有する耐力壁を抽出する(ステップS4)。耐力壁は、例えば、開口部がない幅90cm以上の壁である。
図5、図6に、建物1階の平面図の例を示す。
図5、図6に示す例において、ステップS4で抽出された耐力壁を斜線で示す。
次に、制御部11は、ステップS3で取得した建物1階の平面図を東西方向及び南北方向にそれぞれ4分割する(ステップS5)。
図5は、南北方向に分割された建物1階の平面図である。図5に示す例において、南北方向の分割線を一点鎖線で示す。
図5に示すように、南北方向に分割された平面図において、北端側の領域を領域Xaとする。また、南端側の領域を領域Xbとする。
図6は、東西方向に分割された建物1階の平面図である。図6に示す例において、東西方向の分割線を一点鎖線で示す。
図6に示すように、東西方向に分割された平面図において、西端側の領域を領域Yaとする。また、東端側の領域を領域Ybとする。
次に、制御部11は、建物1階全体、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybの床面積を算出する(ステップS6)。
図7に、ステップS6で算出された建物1階全体、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybの床面積の例を示す。
なお、制御部11は、ステップS6において、操作部15を介したユーザによる建物1階全体、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybの床面積の入力操作を受け付けてもよい。
次に、制御部11は、ステップS4で抽出した耐力壁において、建物1階全体における東西方向及び南北方向の壁長(壁の幅)を算出する。さらに、制御部11は、ステップS4で抽出した耐力壁において、領域Xa及び領域Xbにおける東西方向の壁長を算出する。さらに、制御部11は、ステップS4で抽出した耐力壁において、領域Ya及び領域Ybにおける南北方向の壁長を算出する(ステップS7)。
図8に、ステップS7で算出された建物1階全体、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybにおける耐力壁の長さの例を示す。
なお、制御部11は、ステップS7において、操作部15を介したユーザによる建物1階全体、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybにおける耐力壁の長さの入力操作を受け付けてもよい。
次に、制御部11は、ステップS1で取得した建物情報、ステップS2で判定した建物仕様、ステップS6で算出した建物1階全体と分割領域の床面積、及びステップS7で算出した建物1階全体と分割領域における耐力壁の長さに基づいて、建物における耐力壁の配置バランスを判定する(ステップS8)。当該分割領域は、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybである。
つまり、制御部11は、建物情報及び設計情報に基づいて、建物における耐力壁の配置バランスを判定する。制御部11は、第二判定部として機能する。
ステップS8において、制御部11は、領域Xa及び領域Xbにおける東西方向の耐力壁の壁量充足率をそれぞれ算出する。
次に、領域Xa及び領域Xbにおける壁量充足率がどちらも1以上の場合、制御部11は、耐力壁の東西方向の配置バランスを「OK」と判定する。一方、領域Xa及び領域Xbの壁量充足率のうち少なくともいずれかが1未満の場合、制御部11は、領域Xa及び領域Xbにおける東西方向の耐力壁の壁率比を算出する。
次に、東西方向の壁率比が0.5以上の場合、制御部11は、耐力壁の東西方向の配置バランスを「OK」と判定する。一方、東西方向の壁率比が0.5未満の場合、制御部11は、耐力壁の東西方向の配置バランスを「NG」と判定する。
また、制御部11は、領域Ya及び領域Ybにおける南北方向の耐力壁の壁量充足率をそれぞれ算出する。
次に、領域Ya及び領域Ybにおける壁量充足率がどちらも1以上の場合、制御部11は、耐力壁の南北方向の配置バランスを「OK」と判定する。一方、領域Ya及び領域Ybの壁量充足率のうち少なくともいずれかが1未満の場合、制御部11は、領域Ya及び領域Ybにおける南北方向の耐力壁の壁率比を算出する。
次に、南北方向の壁率比が0.5以上の場合、制御部11は、耐力壁の南北方向の配置バランスを「OK」と判定する。一方、南北方向の壁率比が0.5未満の場合、制御部11は、耐力壁の南北方向の配置バランスを「NG」と判定する。
図9に、領域Xa、領域Xb、領域Ya及び領域Ybにおける壁量充足率及び壁率比と、配置バランス判定の例を示す。
図9に示す例において、領域Xbにおける壁量充足率が1未満であるが、領域Xa及び領域Xbにおける東西方向の壁率比は、0.5以上のため、東西方向の配置バランスは「OK」判定である。
また、図9に示す例において、領域Ya及び領域Ybにおける壁量充足率がどちらも1未満であるが、領域Ya及び領域Ybにおける南北方向の壁率比は、0.5以上のため、南北方向の配置バランスは「OK」判定である。
次に、制御部11は、建物1階における現状の耐力壁による耐力は不足しているか否かを判定する(ステップS9)。
具体的には、制御部11は、ステップS1で取得した建物情報、及びステップS6で算出した建物1階全体の床面積に基づいて、建物1階全体における必要耐力を算出する。
次に、制御部11は、ステップS1で取得した建物情報、ステップS2で判定した建物仕様、及びステップS7で算出した建物1階全体における東西方向及び南北方向の耐力壁の長さに基づいて、建物1階の東西方向及び南北方向における既存耐力をそれぞれ算出する。
次に、制御部11は、建物1階の東西方向における既存耐力が建物1階全体における必要耐力未満である場合に、建物1階の東西方向における現状の耐力は不足している(NG)と判定する。また、制御部11は、建物1階の南北方向における既存耐力が建物1階全体における必要耐力未満である場合に、建物1階の南北方向における現状の耐力は不足している(NG)と判定する。
一方で、制御部11は、建物1階の東西方向における既存耐力が建物1階全体における必要耐力以上である場合に、建物1階の東西方向における現状の耐力は不足していない(OK)と判定する。また、制御部11は、建物1階の南北方向における既存耐力が建物1階全体における必要耐力以上である場合に、建物1階の南北方向における現状の耐力は不足していない(OK)と判定する。
つまり、制御部11は、取得部として取得した建物情報及び設計情報に基づいて、建物における耐力が不足しているか否かを判定する。制御部11は、第一判定部として機能する。
図10Aに、建物1階における現状の耐力壁による耐力判定の例を示す。図10Aに示す例においては、建物1階の東西方向及び南北方向における現状の耐力壁による耐力は不足している(「NG」判定)。
建物1階における現状の耐力壁による耐力が不足している場合(ステップS9;YES)、制御部11は、耐力壁における不足耐力を算出する(ステップS10)。
具体的には、制御部11は、建物1階全体における必要耐力から東西方向における既存耐力を差し引くことで、東西方向における不足耐力を算出する。そして、制御部11は、建物1階全体における必要耐力から南北方向における既存耐力を差し引くことで、南北方向における不足耐力を算出する。
次に、制御部11は、操作部15を介したユーザによる耐力壁の補強方法の入力操作を受け付ける。つまり、制御部11は、当該補強方法を取得する(ステップS11)。
具体的には、制御部11は、予め設定されている選択肢の中から耐力壁の補強方法を選択することを受け付ける。耐力壁の補強方法の選択肢は、例えば、「構造用合板(片面)」、「筋交いシングル」、「筋交いダブル」等である。
次に、制御部11は、東西方向及び南北方向における補強が必要な壁長をそれぞれ算出する(ステップS12)。
具体的には、制御部11は、補強方法テーブル121を参照し、ステップS11で取得した補強方法の壁基準耐力を取得する。
次に、制御部11は、ステップS1で取得した建物情報、ステップS2で判定した建物仕様、ステップS8で算出した壁量充足率、ステップS10で算出した不足耐力、及び当該壁基準耐力に基づいて、補強が必要な壁長を算出する。
つまり、制御部11は、第一判定部として建物における耐力が不足していると判定した場合、建物情報及び設計情報に基づいて、建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する。制御部11は、壁長算出部として機能する。
図10Aに、東西方向及び南北方向における補強が必要な壁長の例を示す。
次に、制御部11は、耐力壁を新たに追加する必要があるか否かを判断する(ステップS13)。
具体的には、制御部11は、ステップS12で算出した東西方向おける補強が必要な壁長が、ステップS7で算出した建物1階全体における東西方向の壁長より長いか否かを判断する。東西方向おける補強が必要な壁長が建物1階全体における東西方向の壁長より長い場合、制御部11は、東西方向の耐力壁を新たに追加する必要があると判断する。
また、制御部11は、ステップS12で算出した南北方向おける補強が必要な壁長が、ステップS7で算出した建物1階全体における南北方向の壁長より長いか否かを判断する。南北方向おける補強が必要な壁長が建物1階全体における南北方向の壁長より長い場合、制御部11は、南北方向の耐力壁を新たに追加する必要があると判断する。
図10Aに示す例において、東西方向おける補強が必要な壁長は8.88mであり、図8に示す例において、建物1階全体における東西方向の壁長は12.00mである。そのため、制御部11は、東西方向の耐力壁を新たに追加する必要がないと判断する。
また、図10Aに示す例において、南北方向おける補強が必要な壁長は10.08mであり、図8に示す例において、建物1階全体における南北方向の壁長は9.10mである。そのため、制御部11は、南北方向の耐力壁を新たに追加する必要があると判断する。
耐力壁を新たに追加する必要がある場合(ステップS13;YES)、制御部11は、補強する既存の耐力壁の長さ、及び新たに追加する耐力壁の長さを算出する(ステップS14)。
具体的には、制御部11は、ステップS7で算出した建物1階全体における壁長を、補強する既存の耐力壁の長さとする。
また、制御部11は、ステップS12で算出した補強が必要な壁長からステップS7で算出した建物1階全体における壁長を差し引いた値を、新たに追加する耐力壁の長さとする。
図10Bに示す例において、制御部11は、南北方向の補強する既存の耐力壁の長さを、建物1階全体における南北方向の壁長(図8参照)である9.10mとする。
また、図10Bに示す例において、制御部11は、南北方向の新たに追加する耐力壁の長さを、補強が必要な壁長である10.08m(図10A参照)から建物1階全体における壁長である9.10mを差し引いて、0.98mとする。
一方、耐力壁を新たに追加する必要がない場合(ステップS13;NO)、制御部11は、ステップS12で算出した補強が必要な壁長を、補強する既存の耐力壁の長さとする(ステップS15)。
図10Bに示す例において、制御部11は、東西方向の補強する既存の耐力壁の長さを、東西方向における補強が必要な壁長(図10A参照)である8.88mとする。
次に、制御部11は、東西方向及び南北方向における耐力壁の補強の工事費を算出する(ステップS16)。
具体的には、制御部11は、補強方法テーブル121を参照し、ステップS11で取得した補強方法の1m当たりの補強費用を取得する。
次に、制御部11は、補強する既存の耐力壁の長さ、新たに追加する耐力壁の長さ、及び1m当たりの補強費用に基づいて、耐力壁の補強の工事費を算出する。
つまり、制御部11は、壁長算出部として算出した補強が必要な耐力壁の長さに基づいて、耐力壁を補強する補強費用を算出する。制御部11は、費用算出部として機能する。
次に、制御部11は、表示部14に図11に示す判定画面142において、耐震診断結果を表示し(ステップS17)、本処理を終了する。
具体的には、制御部11は、判定画面142において、ステップS8で判定した東西方向及び南北方向における耐力壁の配置バランスの判定結果を表示する。
つまり、制御部11は、第二判定部として耐力壁の配置バランスを判定した結果を表示部14に表示する。制御部11は、第二表示制御部として機能する。
さらに、制御部11は、判定画面142において、配置バランスの判定結果に基づいて耐力壁の補強に関する提案を表示する。
例えば、図11に示すように、東西方向及び南北方向における配置バランスが「OK」判定の場合、制御部11は、例えば「耐力壁のバランスは良いようです。バランスを保ちつつ、耐震補強や間取りを計画します。」というコメントを表示する。
また、東西方向における配置バランスが「NG」判定であって、且つ領域Yb(東端側の領域)の壁量充足率が1未満の場合、制御部11は、例えば「耐力壁のバランスが悪いようです。東側を重点的に耐震補強する計画とします。」というコメントを表示する。
また、東西方向における配置バランスが「NG」判定であって、且つ領域Ya(西端側の領域)の壁量充足率が1未満の場合、制御部11は、例えば「耐力壁のバランスが悪いようです。西側を重点的に耐震補強する計画とします。」というコメントを表示する。
また、南北方向における配置バランスが「NG」判定であって、且つ領域Xb(南端側の領域)の壁量充足率が1未満の場合、制御部11は、例えば「耐力壁のバランスが悪いようです。南側を重点的に耐震補強する計画とします。」というコメントを表示する。
また、南北方向における配置バランスが「NG」判定であって、且つ領域Xa(北端側の領域)の壁量充足率が1未満の場合、制御部11は、例えば「耐力壁のバランスが悪いようです。北側を重点的に耐震補強する計画とします。」というコメントを表示する。
さらに、制御部11は、判定画面142において、ステップS9で判定した東西方向及び南北方向における現状の耐力壁による耐力判定結果を表示する。
つまり、制御部11は、第一判定部として建物における耐力が不足しているか否かを判定した結果を表示部14に表示する。制御部11は、第一表示制御部として機能する。
東西方向または南北方向における現状の耐力壁による耐力判定結果が「NG」判定の場合、制御部11は、判定画面142において、ステップS14,S15で設定した補強する既存の耐力壁の長さ及び新たに追加する耐力壁の長さを表示する。さらに、制御部11は、判定画面142において、ステップS16で算出した耐力壁の補強の工事費を表示する。
また、建物1階における現状の耐力壁による耐力が不足していない場合(ステップS9;NO)、制御部11は、本処理をステップS17に移行する。
この場合、ステップS17において、制御部11は、東西方向及び南北方向における現状の耐力壁による耐力判定結果について「OK」判定を表示する。
ここで、上記ステップS3において、基準寸法(モジュール)を用いて設計された建物の1階の平面図を取得する場合を説明する。当該基準寸法は、例えば910mmに設定されているが、これに限られるものではなく、例えば1000mmでもよいし、その他の寸法でもよい。
この場合、建物1階の耐力壁及び床面積は、基準寸法に基づいて設定されているため、制御部11は、ステップS6で容易に建物1階全体と分割領域の床面積を算出でき、ステップS7で容易に建物1階全体と分割領域における耐力壁の長さを算出できる。
〔3.効果〕
以上、本実施形態の耐震診断装置1は、建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部(制御部11)と、前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部(制御部11)と、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部(制御部11)と、を備える。
これによれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の耐震性の判定結果を把握できる。また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、容易に補強が必要な耐力壁の長さを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1において、前記建物情報は、前記建物の新築時期を含み、前記第一判定部(制御部11)は、前記新築時期に基づいて前記建物の仕様を判定し、前記建物の仕様の判定結果に基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する。
これによれば、建物の新築時期に基づいて、当該建物の仕様を特定することができ、既存建物の仕様の特定における手間を省くことができる。
したがって、建物の耐震性の判定を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1において、前記第一判定部(制御部11)は、前記設計情報における開口部を有さない壁を耐力壁として抽出し、前記耐力壁の長さに基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する。
これによれば、建物の耐震診断において、ユーザは、当該建物が有する耐力壁の位置、長さ(幅)等を入力する手間を省くことができる。
したがって、建物の耐震性の判定を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1において、前記壁長算出部(制御部11)は、前記補強が必要な耐力壁の長さが前記建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、前記建物に新規に設ける耐力壁の長さを算出する。
これによれば、建物における耐力が不足していると判定され、且つ補強が必要な耐力壁の長さが建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、ユーザは、建物に新規に設ける耐力壁の長さを容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1は、前記壁長算出部(制御部11)により算出された補強が必要な耐力壁の長さに基づいて、前記耐力壁を補強する補強費用を算出する費用算出部(制御部11)を備える。
これによれば、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、補強が必要な耐力壁の長さ及び補強費用を容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1は、前記第一判定部(制御部11)による前記建物における耐力が不足しているか否かの判定結果を表示部14に表示する第一表示制御部(制御部11)を備え、前記第一表示制御部は、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記壁長算出部(制御部11)により算出された補強が必要な耐力壁の長さ、及び前記費用算出部(制御部11)により算出された前記補強費用を前記表示部14に表示する。
これによれば、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、補強が必要な耐力壁の長さ及び補強費用を容易に把握できる。
したがって、補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1は、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力壁の配置バランスを判定する第二判定部(制御部11)を備える。
これによれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物における耐力壁の配置バランスを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1において、前記第二判定部(制御部11)は、前記建物の平面図を南北方向に4分割した北端側の領域及び南端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の南北方向の配置バランスを判定し、前記建物の平面図を東西方向に4分割した東端側の領域及び西端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の東西方向の配置バランスを判定する。
これによれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の南北方向及び東西方向における耐力壁の配置バランスを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態の耐震診断装置1は、前記第二判定部(制御部11)による前記耐力壁の配置バランスの判定結果を表示部14に表示する第二表示制御部(制御部11)を備え、前記第二表示制御部は、前記第二判定部による前記耐力壁の配置バランスの判定結果に基づいて、前記耐力壁の補強に関する提案を前記表示部14に表示する。
これによれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、建物における耐力壁の配置バランス及び耐力壁の補強に関する提案を容易に把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
本実施形態のプログラムは、耐震診断装置1のコンピュータ(制御部11)を、建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部、前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部、として機能させる。
これによれば、ユーザは、建物情報及び設計情報を入力することにより、容易に建物の耐震性の判定結果を把握できる。また、建物における耐力が不足していると判定された場合、ユーザは、容易に補強が必要な耐力壁の長さを把握できる。
したがって、建物の耐震性の判定及び補強工事の提案を簡易的に行なうことができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態の耐震診断処理では、複数階建ての建物の1階部分、または平屋建ての建物の耐震性を診断するとしたがこれに限らない。複数階建ての建物の2階以上の階に対して耐震診断処理を実行してもよい。
また、本実施形態の建物は、一般の軸組工法で構築されるが、これに限られるものではなく、パネル工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。パネル工法では、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場でパネル化しておき、施工現場でこれらのパネル(建築用木質パネル)を組み立てて構築する。
また、このパネルとは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に面材(例えば合板)が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の建物は、一部を木材によって構成される。そのため、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
1 耐震診断装置
11 制御部(第一判定部、第二判定部、壁長算出部、費用算出部、第一表示制御部、第二表示制御部)
12 記憶部
13 通信部

Claims (9)

  1. 建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部と、
    前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部と、
    を備え
    前記壁長算出部は、前記補強が必要な耐力壁の長さが前記建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、前記建物に新規に設ける耐力壁の長さを算出する耐震診断装置。
  2. 前記建物情報は、前記建物の新築時期を含み、
    前記第一判定部は、前記新築時期に基づいて前記建物の仕様を判定し、前記建物の仕様の判定結果に基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する請求項1に記載の耐震診断装置。
  3. 前記第一判定部は、前記設計情報における開口部を有さない壁を耐力壁として抽出し、前記耐力壁の長さに基づいて前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する請求項1に記載の耐震診断装置。
  4. 前記壁長算出部により算出された補強が必要な耐力壁の長さに基づいて、前記耐力壁を補強する補強費用を算出する費用算出部を備える請求項1に記載の耐震診断装置。
  5. 前記第一判定部による前記建物における耐力が不足しているか否かの判定結果を表示部に表示する第一表示制御部を備え、
    前記第一表示制御部は、前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記壁長算出部により算出された補強が必要な耐力壁の長さ、及び前記費用算出部により算出された前記補強費用を前記表示部に表示する請求項に記載の耐震診断装置。
  6. 前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力壁の配置バランスを判定する第二判定部を備える請求項1に記載の耐震診断装置。
  7. 前記第二判定部は、前記建物の平面図を南北方向に4分割した北端側の領域及び南端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の南北方向の配置バランスを判定し、前記建物の平面図を東西方向に4分割した東端側の領域及び西端側の領域における床面積及び耐力壁の長さに基づいて、前記建物における耐力壁の東西方向の配置バランスを判定する請求項に記載の耐震診断装置。
  8. 前記第二判定部による前記耐力壁の配置バランスの判定結果を表示部に表示する第二表示制御部を備え、
    前記第二表示制御部は、前記第二判定部による前記耐力壁の配置バランスの判定結果に基づいて、前記耐力壁の補強に関する提案を前記表示部に表示する請求項に記載の耐震診断装置。
  9. 耐震診断装置のコンピュータを、
    建物に関する建物情報及び前記建物の設計情報を取得する取得部、
    前記取得部により取得された前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力が不足しているか否かを判定する第一判定部、
    前記第一判定部により前記建物における耐力が不足していると判定された場合、前記建物情報及び前記設計情報に基づいて、前記建物における耐力の不足を解消するために補強が必要な耐力壁の長さを算出する壁長算出部、
    として機能させ
    前記壁長算出部は、前記補強が必要な耐力壁の長さが前記建物に設けられた耐力壁の長さよりも長い場合、前記建物に新規に設ける耐力壁の長さを算出するプログラム。
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