JP2010155918A - 導電性高分子構造体およびその製造方法 - Google Patents

導電性高分子構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低い駆動電圧により弾性率の変化を発現させうる材料を提供する。
【解決手段】導電性高分子と、カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体と、を含む導電性高分子構造体およびその製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は導電性高分子構造体およびその製造方法に関し、さらに詳細には、低駆動電圧で弾性率変化を発現しうる導電性高分子構造体およびその製造方法に関する。
自動車の分野では、小型でかつ軽量でアクチュエータ動作を可能にする材料、およびそれを用いたクッションやシート等の装置の必要性が高まっている。従来の技術としては、以下のものが挙げられる。
特許文献1では、電気絶縁性高分子材料中に電気分極する微粒子を分散させた材料であり、電場を印加すると微粒子が電気分極し、弾性率が変化する材料が開示されている。
特公平6−41530号公報
しかしながら、特許文献1に記載の材料では、材料の弾性率の変化を発現させるために、数kVの高い電圧を必要とするという問題があった。
そこで、本発明は、低い駆動電圧により弾性率の変化を発現させうる材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。その結果、導電性高分子と、カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体とを含む導電性高分子構造体に対して、電圧等の刺激を与えることにより、前記導電性高分子構造体の弾性率が変化することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、導電性高分子と、カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体と、を含む導電性高分子構造体である。
また、本発明は、導電性高分子と親水性イオン液体とを溶媒に加え攪拌および混合し、混合物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた混合物中の溶媒を乾燥させ、導電性高分子構造体を得る第2の工程と、を含む導電性高分子構造体の製造方法である。
本発明によれば、親水性イオン液体を含むことにより、導電性高分子構造体の水の吸着量が増加し水の脱着量が増加する。さらに、親水性イオン液体と導電性高分子との分子間相互作用が強くなり、導電性高分子と水との分子間相互作用が緩くなり、同じ印加電圧でも、より多くの量の水を脱着できる。したがって、低い駆動電圧により弾性率が変化しうる導電性高分子構造体が提供されうる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1は、導電性高分子と、カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体と、を含む導電性高分子構造体である。
本発明の導電性高分子構造体は、親水性イオン液体を含む。前記の親水性イオン液体は、水とよく混じりあい、水分子を保持する機能を有する。
上記のような構成を有する本発明の導電性高分子構造体の弾性率が、外部刺激により変化するメカニズムは、H.Okuzaki et al.,Macromolecules,33,8307−8311(2000)に記載されている、以下のようなメカニズムであると推測される。
湿度の刺激を与え、かつ、電圧が印加されていない場合の本発明の導電性高分子構造体は、その内部に水分子が保持されている状態である。導電性高分子構造体中の水分子は可塑剤として働き、導電性高分子鎖の運動性を高めることで、導電性高分子構造体の弾性率を低下させていると考えられる。この導電性高分子構造体に電圧を加えると、導電性高分子構造体にジュール熱が発生する。発生したジュール熱により、構造体中の水分子は吐き出される。その結果、弾性率が大きくなると考えられる。
弾性率が大きくなる要因としては、上記メカニズムより、(1)水の吸着量の増加、(2)水の脱着量の増加、の2つが考えられる。ここで、ジュール熱、電圧、電流、およびシート抵抗の関係は、下記数式1および数式2により表すことができる。
Figure 2010155918
ジュール熱は、前記数式1より電流の2乗に比例する。このとき、電圧は一定であるため、電流を大きくするにはシート抵抗Rを小さくすることが必要となる。すなわち、フィルムの導電率を上げることがジュール熱の増大に繋がり、水の脱着量を増加させ、通電に伴って起こる弾性率の変化の幅を、より増大させることができると考えられる。
外部刺激による本発明の導電性高分子構造体の弾性率の変化を発現させるために、相対湿度が好ましくは30〜90%RH、より好ましくは70〜90%RHの環境下に前記導電性高分子構造体を、好ましくは10分〜1時間置き、水分子を吸着させる。前記外部刺激は、特に制限されず、光、磁場、電圧などが好ましく挙げられるが、本発明の導電性高分子構造体が弾性率の変化を起こすためには、前記導電性高分子構造体中の導電性高分子がジュール熱を発生させて、水分子が脱離することが必要である。このジュール熱を発生させるために、前記外部刺激は電圧であることがより好ましい。
外部刺激が電圧である場合、水分子が吸着した本発明の導電性高分子構造体は、好ましくは1〜10V、より好ましくは1〜5Vの電圧を印加することにより、弾性率が変化しうる。
本発明の導電性高分子構造体は、親水性イオン液体を1〜30質量%含むことが好ましい。親水性イオン液体の含有量を前記範囲に制御することにより、低い駆動電圧で、導電性高分子構造体のより大きな弾性率の変化を発現させうる。
親水性イオン液体を含む導電性高分子構造体が、より大きな弾性率の変化を発現させうる理由は、次の2つの理由であると推測される。すなわち、1つ目の理由は、親水性イオン液体を含むことにより、本発明の導電性高分子構造体の水の吸着量が増加し水の脱着量も増加した、という理由である。2つ目の理由は、親水性イオン液体と導電性高分子との分子間相互作用が強くなり、その分、導電性高分子と水との分子間相互作用が緩くなり、同じ印加電圧でも、より多くの量の水を脱着できるようになった、という理由である。
以下、本発明の導電性高分子構造体を構成する材料について説明する。
[導電性高分子]
本発明で用いられる導電性高分子は、導電性を示す高分子であれば特に制限されない。具体的な例としては、ポリアセチレン、ポリメチルアセチレン、ポリフェニルアセチレン、ポリフルオロアセチレン、ポリブチルアセチレン、ポリメチルフェニルアセチレンなどのポリアセチレン系高分子;ポリパラフェニレンなどのポリフェニレン系高分子;ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(N−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチル−3−メチルピロール)、ポリ(N−エチル−3−ドデシルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)などのポリピロール系高分子;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などのポリチオフェン系高分子;ポリフラン;ポリセレノフェン;ポリイソチアナフテン;ポリフェニレンスルフィド;ポリアニリン;ポリフェニレンビニレン;ポリチオフェンビニレン;ポリペリナフタレン;ポリアントラセン;ポリナフタレン;ポリピレン;ポリアズレン;またはこれらの誘導体が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、安定性、信頼性、または入手の容易さなどの観点から、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリアニリンがより好ましい。
本発明において、前記導電性高分子の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。製造方法の具体的な例としては、例えば、化学重合法、電解重合法、可溶性前駆体法、マトリックス(鋳型)重合法、またはCVDなどの蒸着法が挙げられる。また、水や有機溶媒に分散させた導電性高分子分散溶液を展延法(キャスト法)により製膜し、分散液を蒸発、乾燥させる方法なども挙げることができる。また、前記導電性高分子は、市販品を用いてもよい。
本発明の導電性高分子構造体中の導電性高分子の含有量は、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは80〜97質量%、さらに好ましくは90〜95質量%である。前記導電性高分子の含有量が70質量%未満の場合、前記親水性イオン液体による水吸着量増加の影響よりも導電率悪化の影響が大きくなり、その結果、ジュール熱が小さくなり、導電性高分子構造体の弾性率変化幅が小さくなる場合がある。前記導電性高分子の含有量が99質量%を超えると、前記親水性イオン液体による水吸着量増加の効果が低下し、導電性高分子構造体の弾性率変化幅が小さくなる場合がある。
本発明で用いられる導電性高分子は、さらにドーパントを含んでいてもよい。ドーパントを前記導電性高分子に添加することにより、より高い導電性を発現させることができる。
前記ドーパントの具体的な例としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン;テトラフルオロ硼酸イオン;六フッ化ヒ酸イオン;硫酸イオン;硝酸イオン;チオシアン酸イオン;六フッ化ケイ酸イオン;燐酸イオン、フェニル燐酸イオン、六フッ化燐酸イオンなどの燐酸系イオン;トリフルオロ酢酸イオン;トシレートイオン、エチルベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンなどのアルキルベンゼンスルホン酸イオン;メチルスルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオンなどのアルキルスルホン酸イオン;または、ポリアクリル酸イオン、ポリビニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸イオン、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)イオンなどの高分子イオンなどが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、高い導電性を容易に調整でき、かつ、水分子を保持するために有用な親水骨格を有することから、ポリスチレンスルホン酸イオンがより好ましい。
前記ドーパントの添加量は、前記導電性高分子に対して好ましくは3〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明に用いられる導電性高分子の形態は、特に制限されず、固状、液状、粉末状、粒状、または溶液状など、いずれの形態であってもよい。
[親水性イオン液体]
イオン液体とは、カチオンおよびアニオンのみから構成される塩であるにもかかわらず常温で液体である一連の化合物をいう。イオン液体は、(1)高温安定性;(2)液体状態となる温度範囲が広い;(3)蒸気圧がほとんどゼロである;(4)イオン性でありながら低粘性;(5)高い酸化・還元耐性;(6)不燃性;(7)高イオン伝導性、などの特性を有する。
本発明で用いられるイオン液体は、親水性である。
本発明の導電性高分子構造体中の前記親水性イオン液体の含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。前記親水性イオン液体の含有量が1質量%未満の場合、前記親水性イオン液体による水吸着量増加の効果が低下し、導電性高分子構造体の弾性率変化幅が小さくなる場合がある。前記親水性イオン液体の含有量が30質量%を超えると、前記親水性イオン液体による水吸着量増加の影響よりも導電率悪化の影響が大きくなり、その結果、ジュール熱が小さくなり、導電性高分子構造体の弾性率変化幅が小さくなる場合がある。
本発明において、前記親水性イオン液体を構成するカチオン成分は、置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピラゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピペリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のトリアジニウムイオン、および置換されているかまたは非置換のアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオンの具体例としては、例えば、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のアンモニウムイオンの具体例としては、例えば、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピリジニウムイオンの具体例としては、例えば、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、N−ヘキシルピリジニウムイオン、1−エチル−2−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピロリウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピロリウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピラゾリウムイオンの具体例としては、例えば、1,2−ジメチルピラゾリウムイオン、1−エチル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピロリニウムイオンの具体例としては、例えば、1,2−ジメチルピロリニウムイオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムイオン、1−プロピル−2−メチルピロリニウムイオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピロリジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピロリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のピペリジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピペリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記置換されているかまたは非置換のトリアジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウムイオン、1,3−ジエチル−5−ブチルトリアジニウムイオン、1,3−ジメチル−5−エチルトリアジニウムイオン、1,3、5−トリブチルトリアジニウムイオン等が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、前記カチオン成分は、置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のピロリジニウムイオン、および置換されているかまたは非置換のアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。入手容易性および長時間の安定性の観点から、前記カチオン成分は、置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオンであることが特に好ましい。
親水性イオン液体を構成するアニオン成分の具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、硝酸イオン(NO )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、(FSO、AlCl 、乳酸イオン、酢酸イオン(CHCOO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、メタンスルホン酸イオン(CHSO )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CFSO)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドイオン((CSO)、BF 、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン((CFSO)、過塩素酸イオン(ClO )、ジシアンアミドイオン((CN))、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、RCOO、HOOCRCOOOOCRCOO、NHCHRCOO(この際、Rは置換基であり、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、またはアシル基である。また、前記置換基はフッ素原子を含んでもよい。)などが挙げられる。
これらの中でも、前記アニオン成分は、ハロゲン化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、有機硫酸イオン、および有機スルホン酸イオンからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。入手容易性および形成されるイオン液体が親水性を示すという観点から、前記アニオン成分は、テトラフルオロホウ酸イオンであることが特に好ましい。
上記のようなカチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
1,3−ジメチルイミダゾリウムメタンスルホネート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(L)−乳酸塩、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
1−アリル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(L)−乳酸塩、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、
1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、
1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド
1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、
1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトラフルオロボレート、
1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート
1−エチルピリジニウムクロライド、
1−エチルピリジニウムブロマイド、
1−ブチルピリジニウムクロライド、
1−ブチルピリジニウムブロマイド、
1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、
1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、
1−ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−ヘキシルピリジニウムクロライド、
1−ヘキシルピリジニウムブロマイド、
1−ヘキシルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、
1−ヘキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、
1−ヘキシルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート。
これら親水性イオン液体は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
前記親水性イオン液体の製造方法の具体例としては、例えば、有機アミンにハロゲン化アルキルを付加させてイオン液体を製造する方法や、この後さらに目的のアニオンを有する塩を用いてアニオン交換反応を行なう製造方法がある。また、有機アミンと目的のアニオンを有する酸とを、中和させることにより製造する方法もある。前記親水性イオン液体の製造方法はこれら以外の製造方法であってもよく、また、前記親水性イオン液体は市販品を用いてもよい。
本発明において、前記親水性イオン液体とともに、疎水性イオン液体を併用してもよい。この際、本発明の導電性高分子構造体中の親水性イオン液体の含有量と疎水性イオン液体の含有量との比は、質量比で10:90〜90:10であることが好ましく、70:30〜90:10であることがより好ましい。
親水性イオン液体および疎水性イオン液体を併用する場合、本発明の導電性高分子構造体中の親水性イオン液体の含有量および疎水性イオン液体の含有量の合計は、前記の範囲となるように設定することが好ましい。すなわち、本発明の導電性高分子構造体中の親水性イオン液体の含有量および疎水性イオン液体の含有量の合計は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
前記疎水性イオン液体の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、
1−ヘキシルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、
N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、
N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
また、本発明の導電性高分子構造体中の導電性高分子は、より大きな弾性率変化幅を得るために、有機化合物で処理されることが好ましい。ここで、前記の「有機化合物で処理される」とは、導電性高分子が有機化合物と接触され、前記有機化合物の作用が前記導電性高分子に及ぶことを意味する。前記導電性高分子が前記有機化合物で処理され、その結果、本発明の導電性高分子構造体の弾性率変化幅がより大きくなるメカニズムは、下記のようであると考えられる。
すなわち、前記導電性高分子と前記有機化合物との接触により、導電性高分子の凝集が緩和され、導電パスが良好になり、本発明の導電性高分子構造体の導電性が向上する。一度凝集が緩和された前記導電性高分子は、前記有機化合物が系中に残存していても残存していなくても、再び凝集することはなく、導電性が大きくなったままである。導電性が大きければ、換言すればシート抵抗の値が小さければ、前記数式1よりジュール熱が増大し、本発明の導電性高分子構造体の弾性率変化幅がより増大すると考えられる。
前記有機化合物を用いて、前記導電性高分子を処理する方法としては、例えば、前記導電性高分子と前記有機化合物とを、溶媒中で攪拌・混合する方法が挙げられる。この際、イオン液体は、前記溶媒中に存在していてもよいし、存在していなくてもよい。また、用いられた有機化合物は、攪拌・混合後の乾燥により除去されてもよいし、除去されなくてもよい。溶媒中で攪拌・混合する際の温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は好ましくは5〜15分である。
前記溶媒の具体的な例については、後述の本発明の導電性高分子構造体の製造方法の欄で述べる。以下では、本発明で用いられうる有機化合物について具体的に説明する。
<有機化合物>
前記有機化合物は、アルコール化合物、フェノール化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、エーテル化合物、スルホン酸化合物、アミン化合物、およびアミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記アルコール化合物の具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,9−ノナンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アダマンタンジオール、アダマンタントリオール、アダマンタンテトラオール、1,3−ジメチルアダマンタン−5,7−ジオール、キシリトール、ソルビトール、グルコース、スクロール、ポリエチレングリコール、またはポリビニルアルコールなどの多価アルコールが好ましく挙げられる。
前記フェノール化合物の具体的な例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ジ−tert−ブチルハイドロキノン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコール、メチルカテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン、またはジヒドロキシジメチルナフタレンなどが好ましく挙げられる。
前記アルデヒド化合物の具体的な例としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ピルビンアルデヒド、グリオキシル酸、ベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ジフェニルアルデヒド、またはクロトンアルデヒドなどが好ましく挙げられる。
前記ケトン化合物の具体的な例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、またはジアセトンアルコールなどが好ましく挙げられる。
前記カルボン酸化合物の具体的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ピバリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカルボン酸、シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘキセンモノカルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などの脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、アニス酸、p−(tert−ブチル)安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、メリット酸などの芳香族多価カルボン酸などが挙げられる。また、カルボン酸無水物も好適に用いることができ、その具体的な例としては、上記のカルボン酸類の酸無水物が挙げられる。
前記カルボン酸エステル化合物としては、上記のカルボン酸化合物のモノまたは多価エステルを使用することができ、その具体例としては、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、ピバリン酸プロピル、ピバリン酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジイソブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジイソブチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−第三級ブチル安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、α−ナフトエ酸エチル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸モノメチル、フタル酸モノブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、ナフタル酸ジエチル、ナフタル酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラメチル、ピロメリット酸テトラエチル、またはピロメリット酸テトラブチルなどが好ましく挙げられる。
前記エーテル化合物の具体的な例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、ジアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、エチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、またはプロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどが好ましく挙げられる。
前記スルホン酸化合物の具体的な例としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはp−トルエンスルホン酸などが好ましく挙げられる。
前記アミン化合物の具体的な例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などが好ましく挙げられる。
前記アミド化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ−n−プロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジ−n−プロピルプロピオンアミド、N,N−ジメチルブタナミド、N,N−ジエチルブタナミド、N,N−ジ−n−プロピルブタナミド、N−アセチルピロジリン、N−プロピオニルピロリジン、N−ブチリルピロリジン、N−アセチルピペリジン、N−プロピオニルピペリジン、N−ブチリルピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−ε−カプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、またはN,N’−ジメチルプロピレン尿素などが好ましく挙げられる。
これら有機化合物の中でも、より好ましくは、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種であり、さらに好ましくはエチレングリコールである。
導電性高分子を処理する際の前記有機化合物の使用量は、前記導電性高分子100質量%に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%である。前記有機化合物の使用量が1質量%未満であると、前記有機化合物による導電性高分子の凝集を緩和させる効果が小さくなる場合がある。前記有機化合物の使用量が10質量%を超えると、前記有機化合物の可塑剤としての効果が大きくなってしまい、得られる導電性高分子構造体が軟らかくなったり、破断してしまう場合がある。
また、処理後の導電性高分子構造体中の前記有機化合物の含有量は、前記導電性高分子と前記イオン液体との合計量に対して、好ましくは0〜10質量%である。該含有量は、より好ましくは0〜8質量%、さらに好ましくは0〜6質量%である。前記有機化合物の含有量が10質量%を超えると、前記有機化合物が本発明の導電性高分子構造体に対する可塑剤として働き、本発明の導電性高分子構造体が軟らかくなったり、破断してしまう場合がある。なお、本発明において、前記有機化合物の含有量は、熱重量分析によって確認される有機化合物の分解温度付近のピークが、導電性高分子全体の量に対してどれだけ減少しているかを計算することによって推測できる。
本発明の導電性高分子構造体の形状は、特に制限されず、例えば、球状、円柱状、円盤状、直方体状、立方体状、シート状、またはフィルム状など、いずれの形態であってもよい。しかしながら、試料の作製が容易であり、アクチュエータとして駆動させるという観点から、前記導電性高分子構造体はフィルム状であることが好ましい。この際、フィルムの厚さは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは10〜40μmである。前記厚さが1μm未満の場合、フィルム強度が弱くなる場合がある。一方、50μmを超えると、フィルム深部の水分子が脱離するまでの時間が増えるため、フィルム状の導電性高分子構造体の応答速度が遅くなる場合がある。
また、本発明の導電性高分子構造体は、その特性を損なわない範囲内で、カーボンナノチューブなどの炭素材料、顔料、着色剤などの無機粒子などの添加成分を含むことができる。
本発明の第2は、導電性高分子構造体の製造方法である。
本発明による導電性高分子構造体の製造方法は、導電性高分子およびイオン液体を溶媒に加え、攪拌および混合し混合物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた混合物を乾燥し、導電性高分子構造体を得る第2の工程を含む。
有機化合物により前記導電性高分子を処理する場合は、第1の工程において、前記有機化合物を添加し、攪拌および混合することが好ましい。この際、前記第2の工程の後に、前記第2の工程で得られた生成物をさらに乾燥する第3の工程を行うことが好ましい。
以下、第1の工程、第2の工程、および第3の工程を説明する。
[第1の工程]
第1の工程は、導電性高分子と親水性イオン液体とを溶媒に加え、攪拌および混合し混合物を得る工程である。
前記導電性高分子および前記親水性イオン液体の具体的な例は、上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
前記溶媒は、前記導電性高分子および前記親水性イオン液体を溶解するものであれば特に制限はない。このような溶媒の例としては、水、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾールなどのモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒;エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などを挙げることができ、これらは単独でもまたは2種以上を混合しても用いることができる。
なお、有機化合物を用いて前記導電性高分子を処理する場合、本工程において前記有機化合物を系中に添加することが好ましい。
また、前記導電性高分子が溶液状である場合、導電性高分子が溶解している溶液に、親水性イオン液体を直接加えて攪拌および混合することにより混合物を得てもよい。さらに、有機化合物を用いて前記導電性高分子を処理する場合、導電性高分子が溶解している溶液に、前記親水性イオン液体および有機化合物を直接加えて攪拌および混合することにより混合物を得てもよい。
攪拌する際の温度は、好ましくは10〜30℃であり、攪拌時間は、好ましくは5〜15分である。
弾性率変化幅を導電性高分子単独の場合よりも増大させるという観点から、本工程で得られる混合物中の導電性高分子の含有量は、好ましくは70〜99質量%、より好ましくは90〜95質量%である。また、弾性率変化幅を導電性高分子単独の場合よりも増大させるという観点から、本工程で得られる混合物中の親水性イオン液体の含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
さらに、有機化合物を用いる場合、導電性高分子の凝集を緩和させるという観点から、本工程で得られる混合物中の有機化合物の含有量は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%である。
[第2の工程]
第2の工程は、前記第1の工程で得られた混合物を乾燥させ、導電性高分子構造体を得る工程である。
混合物が乾燥される基材や容器は、特に制限されず、例えば、ガラス製やテフロン(登録商標)製のシャーレ、ガラス基板、シリコンウェハ、金属板などが挙げられる。
混合物中の溶媒を乾燥する際用いられる装置も、特に制限されず、例えば、オーブン、ホットプレート、ドライヤーなどが挙げられる。
溶媒を乾燥する温度は、導電性高分子の種類、溶媒の種類、添加剤の種類や残存させる添加剤の量によって適宜決定されうる。しかし、均一な構造体を製造するという観点から、前記第1の工程で用いた溶媒の沸点よりも低い温度で、乾燥させることが好ましい。例えば、導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸を用い、溶媒として水を用いた場合の乾燥温度は、好ましくは50〜100℃であり、さらに好ましくは60〜80℃である。
溶媒を乾燥する時間は、導電性高分子の種類や溶媒の種類によって適宜決定されうる。例えば、導電性高分子としてPEDOT/PSSを用い、溶媒として水を用いた場合、溶媒を乾燥する時間は、好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは3〜12時間である。
[第3の工程]
導電性高分子が有機化合物で処理される場合、本発明の導電性高分子構造体の製造方法は、前記有機化合物を乾燥するために、前記第2の工程の後に、前記第2の工程で得られた導電性高分子構造体をさらに乾燥する第3の工程を含むことが好ましい。
本工程で用いられる乾燥装置は、特に制限されず、例えば、オーブン、減圧乾燥機、ホットプレート、ドライヤーなどが挙げられる。有機化合物を完全に除去する場合には、減圧乾燥機を用いることが好ましい。
有機化合物を乾燥する温度は、有機化合物の種類や残存させる有機化合物の量によって適宜決定されうるが、通常100〜200℃であることが好ましく、140〜180℃であることがより好ましい。また、乾燥時間も、有機化合物の種類や残存させる有機化合物の量によって適宜決定されうるが、通常1〜5時間であることが好ましく、1〜3時間であることがより好ましい。例えば、有機化合物としてエチレングリコールを用いた場合、本工程における乾燥温度の範囲は好ましくは140〜180℃であり、本工程における乾燥時間の範囲は好ましくは1〜3時間である。
有機化合物を完全に除去する場合、減圧乾燥により除去することが好ましいが、その際の減圧度は66.66〜101.32kPa(500〜760mmHg)であることが好ましい。例えば、有機化合物としてエチレングリコールを用いた場合、本工程における減圧度の範囲は好ましくは86.66〜101.32kPa(650〜760mmHg)である。
本発明の導電性高分子構造体は、様々な用途に用いることができるが、好ましくは車両用部品として用いられ、例えば、吸音材、アクチュエータなどとして適用することができる。
車両用部品以外の用途としては、コンデンサ、電池、各種センサ、発光素子などが挙げられる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTとも称する)/ポリスチレンスルホン酸(以下、PSSとも称する)(下記化学式(1)参照) 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(1−Ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate、関東化学株式会社製、製品番号;14644−33、下記化学式(2)参照、以下単に「EMIBF」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:EMIBF=95:5)。
Figure 2010155918
Figure 2010155918
(実施例2)
EMIBFを0.046gとしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.303g得た。(質量比 PEDOT/PSS:EMIBF=85:15)
(実施例3)
EMIBFを0.111gとしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚45μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.372g得た。(質量比 PEDOT/PSS:EMIBF=70:30)
(実施例4)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(1−Hexyl−3−methylimidazolium iodide、Solaronix社製、下記化学式(3)参照、以下単に「HMII」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:HMII=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例5)
HMIIを0.046gとしたこと以外は、実施例4と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.302g得た(質量比 PEDOT/PSS:HMII=85:15)。
(実施例6)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート(N,N−diethl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium tetrafluoroborate、日清紡株式会社製、製品番号;11469−45、下記化学式(4)参照、以下単に「DEMEBF」とも称する)0.013gをテフロン(登録商標)シャーレに取り、マグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:DEMEBF=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例7)
DEMEBFを0.029gとしたこと以外は、実施例6と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.289g得た(質量比 PEDOT/PSS:DEMEBF=90:10)。
(実施例8)
DEMEBFを0.065gとしたこと以外は、実施例6と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚40μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.325g得た(質量比 PEDOT/PSS:DEMEBF=80:20)。
(実施例9)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(1−Buthyl−3−methylimidazolium trifluoromethanesulfonate、関東化学株式会社製、製品番号:35679−1A、下記化学式(5)参照、以下単に「BMITFMS」とも称する)0.013gをテフロン(登録商標)シャーレに取り、マグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMITFMS=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例10)
BMITFMSを0.029gとしたこと以外は、実施例9と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.289g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMITFMS=90:10)。
(実施例11)
BMITFMSを0.065gとしたこと以外は、実施例9と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚40μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.324g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMITFMS=80:20)。
(実施例12)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(1−Buthyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate、関東化学株式会社製、製品番号;05065−33、下記化学式(6)参照、以下単に「BMIBF」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMIBF=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例13)
BMIBFを0.046gとしたこと以外は、実施例12と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.303g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMIBF=85:15)。
(実施例14)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−アリル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(1−Allyl−3−ethylimidazolium tetrafluoroborate、関東化学株式会社製、製品番号;01931−35、下記化学式(7)参照、以下単に「AEIBF」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:AEIBF=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例15)
AEIBFを0.046gとしたこと以外は、実施例14と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.303g得た(質量比 PEDOT/PSS:AEIBF=85:15)。
(実施例16)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、親水性イオン液体である1−ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(1−Buthylpyridinium trifluoromethanesulfonate、関東化学株式会社製、製品番号;35681−1A、下記化学式(8)参照、以下単に「BPTFMS」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:BPTFMS=95:5)。
Figure 2010155918
(実施例17)
BPTFMSを0.046gとしたこと以外は、実施例16と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚35μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.303g得た(質量比 PEDOT/PSS:BPTFMS=90:10)。
(実施例18)
下記化学式(3)で表される繰り返し単位を有する導電性高分子であるポリアニリン(以下単に「PAn」とも称する) 10質量%水分散液(日産化学株式会社製、ORMECON NX−C001X)5gと、親水性イオン液体であるEMIBF(関東化学株式会社製、製品番号;14644−33、上記化学式(2)参照)0.055gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚70μmのフィルム状の導電性高分子構造を0.56g得た(質量比 PEDOT/PSS:EMIBF=90:10)。
Figure 2010155918
(実施例19)
EMIBFを0.21gとしたこと以外は、実施例18と同様にして導電性高分子構造体を作製した。その結果、膜厚95μmのフィルム状の導電性高分子構造を0.71g得た(質量比 PEDOT/PSS:EMIBF=70:30)。
(比較例1)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gをテフロン(登録商標)シャーレに取り、マグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚25μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.263g得た。
(比較例2)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、疎水性イオン液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(1−Ethyl−3−methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、関東化学株式会社製、下記化学式(10)参照、以下単に「EMITFSI」とも称する)0.013gとを、テフロン(登録商標)シャーレに取りマグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.271g得た(質量比 PEDOT/PSS:EMITFSI=70:30)。
Figure 2010155918
(比較例3)
導電性高分子であるPEDOT/PSS 1.3質量%水分散液(Baytron社製、Baytron(登録商標)P AG)20gと、疎水性イオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(1−Buthyl−3−methylimidazolium hexafluorophosphate、関東化学株式会社製、製品番号;05064−33、下記化学式(11)参照、以下単に「BMIPF」とも称する)を0.013gテフロン(登録商標)シャーレに取り、マグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚30μmのフィルム状の導電性高分子構造体を0.273g得た(質量比 PEDOT/PSS:BMIPF=70:30)。
Figure 2010155918
(比較例4)
PAn 10質量%水分散液(日産化学株式会社製、ORMECON NX−C001X)20gをテフロン(登録商標)シャーレに取り、マグネティックスターラーで10分間攪拌した。その後、攪拌した混合物を、オーブン(Fisher Scientific社製、型番:Model280A)を用いて温度60℃で15時間乾燥させた。その結果、膜厚のフィルム状の導電性高分子構造体を0.21g得た。
<評価1:フィルムの弾性率変化の測定>
フィルムの弾性率変化は、図1に示すような装置10を用いて測定した。
各実施例および各比較例で得られたフィルム状の導電性高分子構造体14を、3mm×60mmの短冊状にカットし、両端から10mmの部分にそれぞれ導電性ペースト(藤倉化成株式会社製、ドータイト(登録商標) D−550)を塗布した。次いで、恒温恒湿槽11一体型の応力評価装置12の固定治具13(導線15が直接接続されている)に、導電性ペーストを塗布した短冊状の構造体の両端から10mmの部分をそれぞれ固定させた。固定させたフィルムは、25℃、相対湿度70%RHの条件下で1.5時間放置し、水分を飽和吸着させた。その後、固定させたフィルムに対し、電圧印加装置16により4Vの電圧を印加した場合の応力−ひずみ曲線、および電圧を印加しなかった場合の応力−ひずみ曲線をそれぞれ測定した。得られた応力−ひずみ曲線の傾きから弾性率を算出し、4Vの電圧を印加した場合の弾性率と電圧を印加しなかった場合の弾性率との差を「弾性率変化幅」とした。
<評価2:フィルムの導電率の測定>
(導電率の測定方法)
導電率(σ)は体積抵抗率(ρv)の逆数を算出することにより求めた。前記体積抵抗率は、フィルム抵抗(ρs)と膜厚(t)との積として表される(すなわち、ρv=ρs×t)ため、導電率(σ)は、下記数式3で表される。
Figure 2010155918
下記の方法で測定したフィルム抵抗および膜厚を、上記数式3に代入して、導電率を算出した。
(フィルム抵抗の測定方法)
フィルム抵抗(ρs)は、抵抗率計(ダイヤインスツルメンツ社製、ロレスターGP、MC P−T600型)に、4端子4探針PSP型プローブを装備して測定した。
(膜厚の測定方法)
得られたフィルムの膜厚は、DIGIMATIC MICROMETER(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。
<評価3:フィルムの水吸着量の測定>
温度25℃、湿度70%に制御した恒温恒湿槽(株式会社カトー製、型番:SE43CRA)に、フィルム状の導電性高分子構造体を入れ、また、加熱乾燥式水分計(株式会社エー・アンド・デイ製、型番:MX−50)も恒温恒湿槽内に入れた。次いで、フィルム状の導電性高分子構造体に1.5時間水を飽和吸着させた。その後、恒温恒湿槽内の水分計を110℃まで加熱し、フィルム状の導電性高分子構造体から蒸発した水分の質量を水分計で測定することにより、フィルム状の導電性高分子フィルム構造体の水吸着量を求めた。
得られた結果を表1および表2に示す。
Figure 2010155918
Figure 2010155918
上記表1および表2からわかるように、導電性高分子と親水性イオン液体とを含む本発明の導電性高分子構造体は、湿度および電圧の刺激により弾性率の変化を発現することがわかった。本発明の導電性高分子構造体である実施例1〜19の弾性率変化幅は、導電性高分子単独で形成される導電性高分子構造体である比較例1および4の弾性率変化幅よりも大きいことがわかった。さらに、本発明の導電性高分子構造体である実施例1〜19の弾性率変化幅は、イオン液体として疎水性イオン液体のみを含む導電性高分子構造体である比較例2および3の弾性率変化幅よりも大きいことがわかった。
実施例1〜3および比較例1の導電性高分子構造体について、親水性イオン液体の含有量と弾性率との関係を図2に示した。図2中には、導電性高分子構造体に4Vの電圧を印加した場合の弾性率(図2中の■)と、導電性高分子構造体に電圧を印加しなかった場合の弾性率(図2中の◆)とが示されており、この差を「弾性率変化幅」としている。図2からわかるように、親水性イオン液体の含有量が5質量%前後のときに、弾性率変化幅がいちばん大きくなるのがわかる。
弾性率を測定する際に用いた装置の概略図である。 実施例1〜3および比較例1の導電性高分子構造体について、親水性イオン液体の含有量と弾性率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 弾性率変化測定装置、
11 恒温恒湿槽、
12 応力評価装置、
13 固定治具、
14 導電性高分子構造体、
15 導線、
16 電圧印加装置。

Claims (8)

  1. 導電性高分子と、
    カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体と、
    を含む導電性高分子構造体。
  2. 前記導電性高分子の含有量が70〜99質量%であり、前記親水性イオン液体の含有量が1〜30質量%である、請求項1に記載の導電性高分子構造体。
  3. 前記カチオン成分が、置換されているかまたは非置換のイミダゾリウムイオン、置換されているかまたは非置換のピリジニウムイオン、置換されているかまたは非置換のアンモニウムイオン、および置換されているかまたは非置換のピロリジニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の導電性高分子構造体。
  4. 前記アニオン成分が、ハロゲン化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、有機硫酸イオン、および有機スルホン酸イオンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性高分子構造体。
  5. 前記カチオン成分が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンであり、前記アニオン成分がテトラフルオロホウ酸イオンである、請求項4に記載の導電性高分子構造体。
  6. 形状がフィルム状である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性高分子構造体。
  7. 導電性高分子および親水性イオン液体を溶媒に加え攪拌および混合し、混合物を得る第1の工程と、
    前記第1の工程で得られた混合物中の溶媒を乾燥させ、導電性高分子構造体を得る第2の工程と、
    を含む、導電性高分子構造体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性高分子構造体、または請求項7に記載の製造方法により得られる導電性高分子構造体を用いた車両用部品。
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