JP2018026914A - 膜構造体を備えるアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエータにCNTの優れた特性を付与するために、より大きな比表面積を備えるCNTを含む膜構造体を提供する。【解決手段】アクチュエータは、カーボンナノチューブ集合体を備える複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルを備え、且つ窒素吸着等温線から求めたBET比表面積が600m2/g以上を備える膜構造体であり、前記カーボンナノチューブバンドルは、窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を400cm3/g(STP)以上備える膜構造体とイオン液体を含む導電性層と、イオン伝導層と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブを含む膜構造体を備える導電性層とイオン伝導層の積層体を有するアクチュエータに関する。ここでアクチュエータ素子は、電気化学反応や電気二重層の充放電などの電気化学プロセスを駆動力とするアクチュエータに用いる素子である。
空中、あるいは真空中で作動可能なアクチュエータ素子として、カーボンナノチューブ(以下、CNTとも称す。)とイオン液体とのゲルを導電性の伸縮性のある活性層として用いるアクチュエータが提案されている(特許文献1)。
従来のアクチュエータ素子用導電性層として、CNTを溶媒に分散した懸濁液を作製し、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、塗布、印刷、押し出し、キャスト、または射出などの方法により、基板となる支持部材上に懸濁液を配置した後、溶媒を乾燥・除去することにより成膜することが考えられる。
例えば、本発明者等による特許文献1〜3には、CNTあるいは、CNTとカーボンナノホーン、カーボンブラックなどのナノカーボン混合物とイオン液体、ベースポリマーから構成される分散液を用いることにより、CNTの優れた電気特性、機械的性質を維持しつつ、分散性が高い、安定したCNT分散液を得ること、その分散液を用いたCNTの導電性層が開示されている。
CNTを成膜してアクチュエータ素子に応用する場合、CNTを含む膜構造体が、より大きな比表面積を備えることが好ましい。この課題を解決するために、径の小さい細孔を高密度に備えたカーボンナノチューブバンドルが、高密度に分布することで大きな比表面積を有する膜構造体を備えたアクチュエータを提供する。
本発明は、より大きな比表面積を備えるCNTを含む膜構造体を備え、CNTの優れた特性を有するアクチュエータを提供する。
本発明の一実施形態によると、カーボンナノチューブ集合体を備える複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルを備え、且つ窒素吸着等温線から求めたBET比表面積が600m2/g以上を備える膜構造体であり、前記カーボンナノチューブバンドルは、窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を400cm3/g(STP)以上備える膜構造体と、イオン液体を含む導電性層と、イオン伝導層と、を備えるアクチュエータが提供される。
また、本発明の一実施形態によると、カーボンナノチューブ集合体を備える複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルを備え、且つ窒素吸着等温線から求めたBET比表面積が600m2/g以上を備える膜構造体であり、前記膜構造体は、前記カーボンナノチューブ集合体からなる複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルと、前記カーボンナノチューブバンドルが絡み合って形成された空隙とを備え、前記カーボンナノチューブバンドルは、窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を400cm3/g(STP)以上備える膜構造体と、イオン液体を含む導電性層と、イオン伝導層と、を備えるアクチュエータが提供される。
前記アクチュエータにおいて、前記カーボンナノチューブバンドルは、ねじれた構造を備えてもよい。
前記アクチュエータにおいて、前記空隙は、サイズ分布が10nm以上10μm以下の範囲に分布極大を備え、測定は水銀圧入法によってもよい。
前記アクチュエータにおいて、前記膜構造体は、前記膜構造体の表面の凹凸の段差が、前記膜構造体の膜厚の50%以下であり、且つ前記膜構造体の表面の算術平均粗さRaが前記膜構造体の膜厚の20%以下を備えてもよい。
前記アクチュエータにおいて、前記カーボンナノチューブ集合体が備えるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであってもよい。
前記アクチュエータにおいて、多価アルコール類、または環状構造を有するアルコール類、およびそれらの誘導体の中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製してもよい。
前記アクチュエータにおいて、分散方法は、超音波ホモジナイザー、循環式ホモジナイザー、ジェットミル、ナノマイザー、ビーズミル、ウルトラタラックスから選択されてもよい。
前記アクチュエータにおいて、カーボンナノチューブの分散には、極性のある官能基を有し、粘度が高い溶媒を用いてもよい。
前記アクチュエータにおいて、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリンの中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製してもよい。
前記アクチュエータにおいて、シクロヘキサノール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、4−(1’−アセトキシ−1’−メチルエチル)−シクロヘキサノールアセテートの中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製しもよい。
前記アクチュエータにおいて、環状構造を有するアルコール類の誘導体は、4−(1’−アセトキシ−1’−メチルエチル)−シクロヘキサノールアセテートであってもよい。
前記アクチュエータにおいて、前記カーボンナノチューブを分散する溶媒の粘度は、10mPa・s以上300mPa・s以下であってもよい。
本発明によると、より大きな比表面積を備えるCNTを含む膜構造体を備え、CNTの優れた特性を有するアクチュエータを提供することができる。径の小さい細孔を高密度に備えたCNTバンドルが、高密度に分布することで大きな比表面積を備えた膜構造体が提供される。
以下、図面を参照して本発明に係るアクチュエータについて説明する。なお、本発明のアクチュエータは、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び後述する実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ1の模式図である。図1(a)は屈曲変位前のアクチュエータ1を示し、(b)は屈曲変位した状態のアクチュエータ1を示す。アクチュエータ1は、導電性層3とイオン伝導層4を有する。2枚の導電性層3がイオン伝導層4の両面に対向して配置され、アクチュエータ素子2を構成する。また、それぞれの導電性層3には、電極5がそれぞれ配置され、それぞれの電極5には配線7がそれぞれ接続する。配線7は、スイッチ9に接続する。
導電性層3は、カーボンナノチューブを含む膜構造体(以下、膜構造体とも称す。)と、イオン液体を含む。アクチュエータ1は、スイッチ9がOFFの状態(図1(a))では、屈曲変位をしない。アクチュエータ1は、スイッチ9がONになると(図1(b))、屈曲変位する。
図2は、本発明の一実施形態に係る本発明に係るカーボンナノチューブ集合体(以下、CNT集合体とも称する。)を備えるカーボンナノチューブバンドル(以下、CNTバンドルとも称す。)10を備える膜構造体100の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。膜構造体100において、CNTバンドル10が網目状に分散して構成される。また、膜構造体100は、複数本のCNTバンドル10が絡み合って形成される空隙60(一点鎖線で示す。)を備える。
膜構造体100は、CNTバンドル10が空隙を持って絡み合うことで形成するネットワーク構造を備える。ここでの空隙とは、CNTバンドル10が絡み合って形成するネットワークにおいて、CNTバンドル間の隙間にあたる空間を、空隙であると定義する。
膜構造体100が備えるCNTバンドル10は、CNTバンドル自身が細孔を備える。ここでの細孔とは、CNTバンドルが備える細孔と定義する。
[膜構造体の比表面積]
一実施形態において、膜構造体100のBET比表面積は、細孔及び又は空隙の比表面積を備える。膜構造体100は、600m2/g以上1500m2/g以下、好ましくは800m2/g以上1500m2/g以下、より好ましくは1000m2/g以上1500m2/g以下のBET比表面積を備える。ここでBET比表面積とは、液体窒素温度(77K)での窒素分子の吸着等温線からBrunauer-Emmett-Teller(BET)の方法で求めた比表面積である。
一実施形態において、膜構造体100のBET比表面積は、細孔及び又は空隙の比表面積を備える。膜構造体100は、600m2/g以上1500m2/g以下、好ましくは800m2/g以上1500m2/g以下、より好ましくは1000m2/g以上1500m2/g以下のBET比表面積を備える。ここでBET比表面積とは、液体窒素温度(77K)での窒素分子の吸着等温線からBrunauer-Emmett-Teller(BET)の方法で求めた比表面積である。
[CNTバンドルの細孔]
一実施形態において、膜構造体が備える細孔はCNTバンドル10が備える細孔及び/又は空隙の細孔を備える。CNTバンドル10及び/又は空隙60を備える膜構造体は、液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を備える。CNTバンドル10及び/又は空隙60を備える膜構造体は、相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を、400cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下、好ましくは600cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下、より好ましくは800cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下備える。
一実施形態において、膜構造体が備える細孔はCNTバンドル10が備える細孔及び/又は空隙の細孔を備える。CNTバンドル10及び/又は空隙60を備える膜構造体は、液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を備える。CNTバンドル10及び/又は空隙60を備える膜構造体は、相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を、400cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下、好ましくは600cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下、より好ましくは800cm3/g(STP)以上1200cm3/g(STP)以下備える。
窒素吸脱着等温線は、CNTバンドル10が備える細孔での窒素分子の吸脱着及び/又はCNTバンドル10が絡み合うことで形成される空隙60での窒素分子の吸脱着が含まれ、これらを区別することはできない。このため膜構造体が備える細孔は相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を備える。
膜構造体100のこのような大きな比表面積と細孔は、膜構造体100において、CNTバンドルが網目状に分散しているとともに、CNTバンドル10同士が絡み合って形成された空隙60を備えることにより実現される。このような大きな膜構造体100の比表面積と細孔を備える本発明に係る膜構造体100は、新規で優れた膜構造体である。
本発明に係る膜構造体100は、CNTバンドル10が網目状に分散し、CNTバンドル10が絡み合って形成されことにより、連続ネットワークを形成することができる。
このような膜構造体は、多価アルコール類、または環状構造を有するアルコール類、およびそれらの誘導体の中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒にCNTを入れてよく分散させることにより得られる。これらの溶媒は、ヒドロキシル基のような極性のある官能基を有し、粘度が高く、CNTを効率的に分散するのに適している。本発明に係る膜構造体100の製造に用いることのできる多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール(イソプレングリコール)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール及び3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールからなる群から選択することができる。特に、プロピレングリコール及び3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリンからなる群から選択した溶媒を用いることが好ましい。また、多価アルコールの誘導体としては、例えば、3−ヒドロキシ−2−メチルブチルアセテート(イソプレングリコールモノアセテート)がある。
また、環状アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、ターピネオール、ジヒドロターピネオールがあり、特にシクロヘキサノール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、4−(1’−アセトキシ−1’−メチルエチル)−シクロヘキサノールアセテートからなる群から選択した溶媒を用いることが望ましい。環状構造を有するアルコール類の誘導体としては、例えば、4−(1’−アセトキシ−1’−メチルエチル)−シクロヘキサノールアセテートがある。
溶媒中でカーボンナノチューブの解繊が進むことにより、CNT集合体が網目状に分散する。高粘度の溶媒を用いることが、細孔を備えるCNTバンドル10の形成に好適である。
CNTバンドル10が備える細孔のうち、2nm以下の細孔分布は、窒素吸脱着等温線を、Horvath-Kawazoe法(以下、HK法とも称す。)若しくはSaito-Foley法(以下、SF法とも称す。)で解析することで求めることができる。一実施形態において、HK法もしくはSF法から解析される、CNTバンドル10が備える細孔及び/又は空隙60の窒素吸着量は、0.1cm3/g以上0.6cm3/g以下、好ましくは0.2cm3/g以上0.6cm3/g以下であり、より好ましくは0.3cm3/g以上0.5cm3/g以下であり、さらに好ましくは0.4cm3/g以上0.6cm3/g以下である。
CNTバンドル10が備える細孔と空隙60のうち、2nmを超えて50nm以下の細孔分布は、窒素吸脱着等温線を、Barrett-Joyner-Hallender法(以下、BJH法とも称す。)若しくはINNES法で解析することで求めることができる。一実施形態において、BJH法若しくはINNES法で解析される、CNTバンドル10が備える細孔と空隙60の窒素吸着量は、0.1cm3/g以上1.2cm3/g以下、好ましくは0.3cm3/g以上1.2cm3/g以下、好ましくは0.6cm3/g以上1.2cm3/g以下、より好ましくは.0.9cm3/g以上1.2cm3/g以下である。
本発明に係る膜構造体100は、CNTバンドル10が細孔を備えることで、膜構造体100が高いBET比表面積を備えることができる。このようなCNTバンドル10が備える細孔は、CNTバンドル10の一部が、ねじれた構造50(破線で示す。)に設けられることが好ましい。CNTバンドル10の形状は、SEMの二次電子像により特定することができる。図1に示したように、本実施形態に係る膜構造体100は、CNTバンドル10がねじれた構造50を備える。
[CNTバンドルが備える細孔]
膜構造体100が高い比表面積を備えるためには、CNTバンドル10が備える細孔の細孔径が小さいことが好ましく、さらには細孔径が小さい細孔を高密度に備えることが好適である。CNTバンドル10が備える細孔の全体積が同じ場合、構成する細孔径の小さいCNTバンドル10が、細孔径の大きいものよりも高い表面積を備えることになる。本発明の膜構造体は、CNTバンドル10が細孔径の小さい細孔を備えることが特徴であるために、高比表面積を備えるのに好適である。
膜構造体100が高い比表面積を備えるためには、CNTバンドル10が備える細孔の細孔径が小さいことが好ましく、さらには細孔径が小さい細孔を高密度に備えることが好適である。CNTバンドル10が備える細孔の全体積が同じ場合、構成する細孔径の小さいCNTバンドル10が、細孔径の大きいものよりも高い表面積を備えることになる。本発明の膜構造体は、CNTバンドル10が細孔径の小さい細孔を備えることが特徴であるために、高比表面積を備えるのに好適である。
[CNTバンドルが備える細孔形状]
CNTバンドル10が備える細孔は、細孔径が規則的なスリット状もしくはシリンダー状であることが好ましく、局所的に細孔容積や細孔径が不規則な個所を備えていないことが好ましい。例えばボトルネック状の構造は備えていないことが好ましい。
CNTバンドル10が備える細孔は、細孔径が規則的なスリット状もしくはシリンダー状であることが好ましく、局所的に細孔容積や細孔径が不規則な個所を備えていないことが好ましい。例えばボトルネック状の構造は備えていないことが好ましい。
[CNTバンドル密度]
細孔を備えるCNTバンドル10が高密度に分布することが、膜構造体100が高い比表面積を備えるために好適である。例えばCNTバンドル10が備える網目サイズを小さくすることは、CNTバンドル10を緻密、高密度に分布することに適しているため、高い比表面積を備える膜構造体に適している。
細孔を備えるCNTバンドル10が高密度に分布することが、膜構造体100が高い比表面積を備えるために好適である。例えばCNTバンドル10が備える網目サイズを小さくすることは、CNTバンドル10を緻密、高密度に分布することに適しているため、高い比表面積を備える膜構造体に適している。
細孔径の小さい細孔を高密度に備えるCNTバンドル10を備え、そのCNTバンドル10が膜構造体中に高密度に分布することが、高比表面積の膜構造体100を得るために適している。
[窒素ガスを吸着ガスとして用いた膜構造体の吸脱着等温線]
窒素ガスを吸着ガスとして用いた膜構造体100の吸脱着等温線は、IUPACの等温線分類のI型もしくはIV型もしくはV型のいずれか、もしくはその中間的な形状を示し、吸着等温線と脱着等温線が一致しないヒステリシスを示す。膜構造体100は、IUPACのヒステリシスパターンの分類で、H2型もしくはH3型もしくはH4型いずれかの形状を示す。H3型ならびH4型は、細孔容積や細孔径が規則的なスリット状の細孔の存在可能性を示し、H2型は、局所的に細孔容積や細孔径が不規則な箇所を備え、細孔径や細孔形状の特定が困難な、例えばボトルネック状の構造を備える細孔構造の存在可能性を示す。膜構造体100が高比表面積を備えるには、H2型よりもH3型ならびにH4型がより好適である。
窒素ガスを吸着ガスとして用いた膜構造体100の吸脱着等温線は、IUPACの等温線分類のI型もしくはIV型もしくはV型のいずれか、もしくはその中間的な形状を示し、吸着等温線と脱着等温線が一致しないヒステリシスを示す。膜構造体100は、IUPACのヒステリシスパターンの分類で、H2型もしくはH3型もしくはH4型いずれかの形状を示す。H3型ならびH4型は、細孔容積や細孔径が規則的なスリット状の細孔の存在可能性を示し、H2型は、局所的に細孔容積や細孔径が不規則な箇所を備え、細孔径や細孔形状の特定が困難な、例えばボトルネック状の構造を備える細孔構造の存在可能性を示す。膜構造体100が高比表面積を備えるには、H2型よりもH3型ならびにH4型がより好適である。
窒素吸脱着等温線には吸着ガスとして、窒素以外のガスを用いることも可能であり、試料と反応を起こしにくいガス、例えばアルゴン、ヘリウム、クリプトンなどを用いることができる。
[ガス吸着法の測定精度]
液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を用いた場合、全表面積10m2に対して±0.4%の精度で、全表面積0.1m2に対して±8%の精度で再現性が得られる。吸着ガスとしてKrを用いた場合が最も測定精度が高く、全表面積0.1m2に対して±1%の精度で、全表面積5cm2に対して±8%の精度で再現性が得られる。市販の汎用装置では全表面積が5cm2以上の試料量を用いた測定が可能である。
液体窒素温度(77K)での窒素吸着等温線を用いた場合、全表面積10m2に対して±0.4%の精度で、全表面積0.1m2に対して±8%の精度で再現性が得られる。吸着ガスとしてKrを用いた場合が最も測定精度が高く、全表面積0.1m2に対して±1%の精度で、全表面積5cm2に対して±8%の精度で再現性が得られる。市販の汎用装置では全表面積が5cm2以上の試料量を用いた測定が可能である。
細孔分布の解析に用いる窒素吸脱着等温線は、例えば、マイクロトラックベル製BELSOR seriesで測定することができる。
[水銀圧入法による空隙]
一実施形態において、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔は、10nm以上1000nm以下の範囲に分布極大を備える。空隙60とCNTバンドル10が備える細孔のサイズ分布は、水銀圧入式のポロシメーターを用いた水銀圧入法により測定することができる。水銀圧入法により、水銀の表面張力が大きいことを利用して、水銀にかけた圧力と細孔の大きさを理論的に計算することで、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔の細孔分布を求めることができる。水銀圧入法では、膜構造体全体に水銀が圧入されるため、CNTバンドル10が備える細孔に圧入される水銀と、空隙60に圧入される水銀を区別することはできない。このため水銀圧入法で求める細孔分布は、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔を含む。
一実施形態において、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔は、10nm以上1000nm以下の範囲に分布極大を備える。空隙60とCNTバンドル10が備える細孔のサイズ分布は、水銀圧入式のポロシメーターを用いた水銀圧入法により測定することができる。水銀圧入法により、水銀の表面張力が大きいことを利用して、水銀にかけた圧力と細孔の大きさを理論的に計算することで、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔の細孔分布を求めることができる。水銀圧入法では、膜構造体全体に水銀が圧入されるため、CNTバンドル10が備える細孔に圧入される水銀と、空隙60に圧入される水銀を区別することはできない。このため水銀圧入法で求める細孔分布は、空隙60とCNTバンドル10が備える細孔を含む。
一実施形態において、水銀圧入法で測定した空隙60とCNTバンドル10が備える細孔は、細孔分布が10nm以上100nm以下で分布極大を備え、好ましくは10nm以上500nm以下の範囲で分布極大を備え、より好ましくは100nm以上2μm以下の範囲で分布極大を備え、さらに好ましくは1nm以上10μm以下の範囲で分布極大を備える。
[CNT]
本発明に係る膜構造体100を構成するCNTとしては、単層、二層又は多層のCNTを用いることができる。膜構造体100においては、これらのCNTが構成するCNT集合体が網目状に分散して構成される。
本発明に係る膜構造体100を構成するCNTとしては、単層、二層又は多層のCNTを用いることができる。膜構造体100においては、これらのCNTが構成するCNT集合体が網目状に分散して構成される。
高比表面積を有するCNTほど、比表面積の高い膜構造体100を得るのに好適である。CNT自身の比表面積は、CNTの層数や結晶性に依存し、単層CNTが最も比表面積が高く、層数が多くなるほど比表面積は低くなる。単層CNTであっても、合成方法やCNTの結晶性、長さによってCNT膜構造体100の比表面積は異なる。
単層CNTの比表面積は、600m2/g以上1500m2/g以下、好ましくは800m2/g以上1500m2/g以下、より好ましくは1000m2/g以上1500m2/g以下である。
[CNT長さ]
CNTの長さは、0.1μm以上500μm以下、より好ましくは0.5μm以上1mm以下、さらに好ましくは1μm以上10mm以下である。このようなCNTは優れた変形能を有し、CNTがたわみやすいために、CNT同士の結合よる比表面積のロスが起こりにくいため、高比表面積の膜構造体を得るのに好適である。
CNTの長さは、0.1μm以上500μm以下、より好ましくは0.5μm以上1mm以下、さらに好ましくは1μm以上10mm以下である。このようなCNTは優れた変形能を有し、CNTがたわみやすいために、CNT同士の結合よる比表面積のロスが起こりにくいため、高比表面積の膜構造体を得るのに好適である。
[ナノカーボン材料]
本発明で使用されるナノカーボン材料は、CNTへの添加物として、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバーがあり、これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の膜構造体には、ナノカーボン材料に加えて、導電添加剤を添加することができる。導電添加剤としては、カーボンブラック、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性高分子が挙げられ、これらの導電添加剤を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。ナノカーボン材料は、ナノサイズの炭素を含有する導電性材料を意味し、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバーの場合には、平均短径がナノサイズ(例えば平均短径が500nm以下、或いは300nm以下、特に100nm以下)であればよい。長径は、特に限定されず平均でサブミクロンから数mm或いはそれ以上長くてもよい。導電添加剤はナノサイズであることが好ましい。カーボンブラック、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどのナノサイズの導電添加剤の微粒子(以下、導電性微粒子と称することがある)は、平均粒径が1μm未満、例えば500nm以下、或いは300nm以下、特に100nm以下のものが好ましく使用できる。
本発明で使用されるナノカーボン材料は、CNTへの添加物として、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバーがあり、これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の膜構造体には、ナノカーボン材料に加えて、導電添加剤を添加することができる。導電添加剤としては、カーボンブラック、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性高分子が挙げられ、これらの導電添加剤を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。ナノカーボン材料は、ナノサイズの炭素を含有する導電性材料を意味し、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバーの場合には、平均短径がナノサイズ(例えば平均短径が500nm以下、或いは300nm以下、特に100nm以下)であればよい。長径は、特に限定されず平均でサブミクロンから数mm或いはそれ以上長くてもよい。導電添加剤はナノサイズであることが好ましい。カーボンブラック、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどのナノサイズの導電添加剤の微粒子(以下、導電性微粒子と称することがある)は、平均粒径が1μm未満、例えば500nm以下、或いは300nm以下、特に100nm以下のものが好ましく使用できる。
本発明に用いられるイオン液体(ionic liquid)とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば0℃、好ましくは−20℃、さらに好ましくは−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、本発明で使用するイオン液体はイオン導電性が高いものが好ましい。
本発明においては、各種公知のイオン液体を使用することができるが、常温(室温)または常温に近い温度において液体状態を呈する安定なものが好ましい。本発明において用いられる好適なイオン液体としては、下記の一般式(I)〜(IV)で表わされるカチオン(好ましくは、イミダゾリウムイオン、第4級アンモニウムイオン)と、アニオン(X−)より成るものが挙げられる。
上記の式(I)〜(IV)において、Rは直鎖又は分枝を有するC1〜C12のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基を示し、式(I)においてR1は直鎖又は分枝を有するC1〜C4アルキル基または水素原子を示す。式(I)において、RとR1は同一ではないことが好ましい。式(III)および(IV)において、xはそれぞれ1〜4の整数である。
直鎖又は分枝を有するC1〜C12のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの基が挙げられる。炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6である。
直鎖又は分枝を有するC1〜C4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルが挙げられる。
エーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12の直鎖又は分枝を有するアルキル基としては、CH2OCH3、(CH2)p(OCH2CH2)qOR2(ここで、pは1〜4の整数、qは1〜4の整数、R2はCH3又はC2H5を表す)が挙げられる。
アニオン(X−)としては、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -)、BF3CF3 -、BF3C2F5 -、BF3C3F7 -、BF3C4F9 -、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン((CF3SO2)2N-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン(CF3SO2)3C-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、ジシアンアミドイオン((CN)2N-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、有機カルボン酸イオンおよびハロゲンイオンが例示できる。
これらのうち、イオン液体としては、例えば、カチオンが1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、[N(CH3)(CH3)(C2H5)(C2H4OC2H4OCH3)]+、アニオンがハロゲンイオン、テトラフルオロホウ酸イオンのものが、具体的に例示できる。なお、カチオン及び/又はアニオンを2種以上使用し、融点をさらに下げることも可能である。
ただし、これらの組み合わせに限らず、イオン液体であって、導電率が0.01Sm−1以上のものであれば、使用可能である。
イオン伝導層に用いられるポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]などの水素原子を有するフッ素化オレフィンとパーフッ素化オレフィンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの水素原子を有するフッ素化オレフィンのホモポリマー、パーフルオロスルホン酸(Nafion,ナフィオン)、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート(poly−HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリ(メタ)アクリレート類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。
[膜構造体の平坦性]
一実施形態において、本発明に係る膜構造体100は、膜構造体の表面の凹凸の段差が、膜構造体の膜厚の50%以下であり、且つ、膜構造体の表面の算術平均粗さRaが膜構造体の膜厚の20%以下である。ここで、膜構造体の表面の凹凸並びに表面の算術平均粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)若しくは共焦点式レーザー顕微鏡で測定することができる。
一実施形態において、本発明に係る膜構造体100は、膜構造体の表面の凹凸の段差が、膜構造体の膜厚の50%以下であり、且つ、膜構造体の表面の算術平均粗さRaが膜構造体の膜厚の20%以下である。ここで、膜構造体の表面の凹凸並びに表面の算術平均粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)若しくは共焦点式レーザー顕微鏡で測定することができる。
膜構造体100の表面の凹凸の段差は、好ましくは膜厚の30%以下であり、より好ましくは10%以下である。膜構造体100の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは膜厚の10%以下であり、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
[膜構造体の膜厚]
一実施形態において、本発明に係る膜構造体100の厚さは、触針段差計やマイクロメータを用いて測定することができる。膜構造体100の膜厚は、0.1μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上1000μm以下である。
一実施形態において、本発明に係る膜構造体100の厚さは、触針段差計やマイクロメータを用いて測定することができる。膜構造体100の膜厚は、0.1μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上1000μm以下である。
[膜構造体の導電率]
上述した構成を備える本発明に係る膜構造体100は、優れた導電性を有する。ここで、膜構造体100の導電率は、JISK7149準処の4端子4探針法を用いて測定することができる。一実施形態において、膜構造体100の導電率は、1 S/cm以上1000 S/cm以下であり、好ましくは10 S/cm以上1000 S/cm以下であり、より好ましくは50 S/cm以上1000 S/cm以下であり、さらに好ましくは100 S/cm以上1000 S/cm以上である。
上述した構成を備える本発明に係る膜構造体100は、優れた導電性を有する。ここで、膜構造体100の導電率は、JISK7149準処の4端子4探針法を用いて測定することができる。一実施形態において、膜構造体100の導電率は、1 S/cm以上1000 S/cm以下であり、好ましくは10 S/cm以上1000 S/cm以下であり、より好ましくは50 S/cm以上1000 S/cm以下であり、さらに好ましくは100 S/cm以上1000 S/cm以上である。
[膜構造体の機械特性]
上述した構成を備える本発明に係る膜構造体100は、優れた機械特性を有する。一実施形態において、膜構造体100は、引張試験で測定した膜構造体の引張強度が、1MPa以上1000MPa以下であり、好ましくは1MPa以上1000MPa以下であり、より好ましくは100MPa以上1000MPa以下である。
上述した構成を備える本発明に係る膜構造体100は、優れた機械特性を有する。一実施形態において、膜構造体100は、引張試験で測定した膜構造体の引張強度が、1MPa以上1000MPa以下であり、好ましくは1MPa以上1000MPa以下であり、より好ましくは100MPa以上1000MPa以下である。
以上説明したように、本発明に係る膜構造体100は、CNT集合体が網目状に分散しているとともに、CNTバンドル10同士が絡み合って形成された空隙60を備えることにより、大きな比表面積と細孔を備えた、従来にない優れた膜である。
[アクチュエータ素子の製造方法]
アクチュエータ素子に使用される導電性層は、膜構造体とイオン液体から構成される。イオン液体は膜構造体作製時に含ませてもよく、膜構造体作製後にイオン液体を含浸、あるいはイオン液体の揮発性の有機溶媒の溶液を含浸させることで溶媒のみを揮発させることで作製できる。
アクチュエータ素子に使用される導電性層は、膜構造体とイオン液体から構成される。イオン液体は膜構造体作製時に含ませてもよく、膜構造体作製後にイオン液体を含浸、あるいはイオン液体の揮発性の有機溶媒の溶液を含浸させることで溶媒のみを揮発させることで作製できる。
導電性層中のこれらの成分の好ましい配合割合は、CNTが、5重量%以上80重量%以下、好ましくは8重量%以上70重量%以下、より好ましくは10重量%以上60重量%以下であり、ナノカーボン材料及び/又は導電添加物(ナノカーボン材料及び導電添加物を含む場合は配合割合の合計として)が、0重量%以上70重量%以下、好ましくは0重量%以上60重量%以下、より好ましくは0重量%以上50重量%以下であり、イオン液体が、20重量%以上95重量%以下、好ましくは30重量%以上92重量%以下、より好ましくは40重量%以上90重量%以下である。
本発明のアクチュエータ素子としては、例えば、イオン伝導層を、その両側から、膜構造体とイオン液体から構成される導電性層で挟んだ3層構造のものが挙げられる。
イオン伝導層の表面に導電性層を形成してアクチュエータ素子を得るには、導電性層膜を熱圧着することにより得ることが出来る。
また、イオン伝導層膜は、イオンゲル溶液をキャスト法により製膜し、溶媒を蒸発、乾燥させることによって得ることができる。
イオン伝導層を構成するゲル状組成物は、ポリマーとイオン液体から構成される。好ましいイオン伝導層は、このゲル状組成物を得る際のイオン液体とポリマーの配合比(重量比)が、イオン液体:ポリマー=1:4〜4:1であるのが好ましく、イオン液体:ポリマー=1:2〜2:1であるのがより好ましい。この配合の際は、親水性溶媒と疎水性溶媒とを任意の割合で混合した溶媒を用いるのが好ましい。
2つ以上の導電性層を分離するセパレーターの役割を果たすイオン伝導層は、ポリマーを溶媒に溶解し、塗布、印刷、押し出し、キャスト、射出などの常法に従い形成することができる。イオン伝導層は、実質的にポリマーのみで形成してもよく、イオン液体をポリマーに加えて形成してもよい。
電解質膜の厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。導電性層の厚さは、10〜500μmであるのが好ましく、50〜300μmであるのがより好ましい。また、各層の製膜にあたっては、スピンコート、印刷、スプレー等も用いることができる。さらに、押し出し法、射出法等も用いることができる。
このようにして得られたアクチュエータ素子は、電極間(電極は導電性層に接続されている)に0.5〜4Vの直流電圧を加えると、数秒以内に素子長の0.05〜1倍程度の変位を得ることができる。また、このアクチュエータ素子は、空気中あるいは真空中で、柔軟に作動することができる。
上記の方法で得ることのできるアクチュエータ素子によれば、CNTとナノカーボン材料とイオン液体とのゲルの界面有効面積が極めて大きくなることから、界面電気二重層におけるインピーダンスが小さくなり、ナノカーボン材料の電気伸縮効果が有効に利用される効果に寄与する。また、機械的には、界面の接合の密着性が良好となり、素子の耐久性が大きくなる。その結果、空気中、真空中で、応答性がよく変位量の大きい、且つ耐久性のある素子を得ることができる。しかも、構造が簡単で、小型化が容易であり、小電力で作動することができる。さらに、CNTとナノカーボン材料に導電性の添加剤を加えることにより、電極膜の導電性および充填率が向上し、従来の同様の素子より、効率的に力の発生が起こる。
本発明のアクチュエータ素子は、空気中、真空中で耐久性良く作動し、しかも低電圧で柔軟に作動することから、安全性が必要な人と接するロボットのアクチュエータ(例えば、ホームロボット、ペットロボット、アミューズメントロボットなどのパーソナルロボットのアクチュエータ)、また、宇宙環境用、真空チェンバー内用、レスキュー用などの特殊環境下で働くロボット、また、手術デバイスやマッスルスーツ、床ずれ防止用などの医療、福祉用ロボット、ブレーキ、さらにはマイクロマシーンなどのためのアクチュエータとして最適である。
特に、純度の高い製品を得るために、真空環境下、超クリーンな環境下での材料製造において、純度の高い製品を得るために、試料の運搬や位置決め等のためのアクチュエータの要求が高まっており、全く蒸発しないイオン液体を用いた本発明のアクチュエータ素子は、汚染の心配のないアクチュエータとして、真空環境下でのプロセス用アクチュエータとして有効に用いることができる。
なお、電解質膜表面への導電性層の形成は少なくとも2層必要であるが、平面状の電解質膜の表面に多数の導電性層を配置することにより、複雑な動きをさせることも可能である。このような素子により、蠕動運動による運搬や、マイクロマニピュレータなどを実現可能である。また、本発明のアクチュエータ素子の形状は、平面状とは限らず、任意の形状の素子が容易に製造可能である。例えば、径が1mm程度の電解質膜のロッドの周囲に4本の導電性層を形成したものが挙げられる。この素子により、細管内に挿入できるようなアクチュエータが実現可能である。
以下、図面を参照して本発明に係るCNTバンドルを含む膜構造体及びアクチュエータの実施例について説明する。なお、本発明のCNTバンドルを含む膜構造体及びアクチュエータは、以下の実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
実施例1の膜構造体は、SEM像で観察し示される(図2)。図2から明らかなように、CNT集合体からなる複数のCNTバンドル10が網目状に分散した構造が観察された。実施例1の膜構造体では、CNTバンドル10が絡み合って形成された空隙も多く存在した。更に、実施例1の膜構造体では、CNTバンドル10のねじれた構造が確認された。これらの構造から、実施例1の膜構造体では大きな比表面積が得られることが裏付けられた。
実施例1の膜構造体は、SEM像で観察し示される(図2)。図2から明らかなように、CNT集合体からなる複数のCNTバンドル10が網目状に分散した構造が観察された。実施例1の膜構造体では、CNTバンドル10が絡み合って形成された空隙も多く存在した。更に、実施例1の膜構造体では、CNTバンドル10のねじれた構造が確認された。これらの構造から、実施例1の膜構造体では大きな比表面積が得られることが裏付けられた。
[膜構造体の製造方法]
上述した本発明に係る膜構造体の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は一例であって、本発明に係る膜構造体100の製造方法は、これらに限定されるものではない。
上述した本発明に係る膜構造体の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は一例であって、本発明に係る膜構造体100の製造方法は、これらに限定されるものではない。
(プレ分散工程)
実施例1に用いた単層CNTを用いた。CNTを大きい凝集塊のまま分散機に投入すると詰まりの原因となるため、乾燥させたCNTに有機溶媒を加え、CNTを10μm程度以下のバンドルまで解繊することにより、分散工程における歩留まりを改善することができる。プレ分散工程は、例えば、有機溶媒に添加した約0.2重量%のCNTをスターラーで300 rpm以上、18h以上攪拌することで実施することができる。
実施例1に用いた単層CNTを用いた。CNTを大きい凝集塊のまま分散機に投入すると詰まりの原因となるため、乾燥させたCNTに有機溶媒を加え、CNTを10μm程度以下のバンドルまで解繊することにより、分散工程における歩留まりを改善することができる。プレ分散工程は、例えば、有機溶媒に添加した約0.2重量%のCNTをスターラーで300 rpm以上、18h以上攪拌することで実施することができる。
実施例1では、CNTを分散させる有機溶媒として、プロピレングリコール用いた。プレ分散工程を行うことにより、次工程である解繊工程において、より解繊が容易に進むようになる。解繊が進むことにより、CNT集合体が網目状に分散する。
(CNT解繊工程)
CNTの分散には、既存の分散方法を採用できるが、分散工程にはプローブ式超音波ホモジナイザーを用いた。カーボンナノチューブ網目凝集体サイズが30μm以下になるまで解繊することで、比表面積が高い膜構造体を作製した。
CNTの分散には、既存の分散方法を採用できるが、分散工程にはプローブ式超音波ホモジナイザーを用いた。カーボンナノチューブ網目凝集体サイズが30μm以下になるまで解繊することで、比表面積が高い膜構造体を作製した。
(成膜工程)
塗布液を用いて、スプレーコート、キャスト、塗工、スピンコート、バーコート等の公知の方法により膜構造体を成膜することができる。これらの成膜方法は、幅広い膜厚に適用可能で、大面積化も可能である。実施例1では、塗工法により製膜した。塗工における、塗工厚は2mmであり、塗工速度は100mm/sで行った。
塗布液を用いて、スプレーコート、キャスト、塗工、スピンコート、バーコート等の公知の方法により膜構造体を成膜することができる。これらの成膜方法は、幅広い膜厚に適用可能で、大面積化も可能である。実施例1では、塗工法により製膜した。塗工における、塗工厚は2mmであり、塗工速度は100mm/sで行った。
(有機溶媒除去工程)
有機溶媒除去工程では、室温〜80℃の雰囲気下に成膜した基材を保持し、有機溶媒をある程度除去した。さらに真空オーブンで真空下200℃の温度に18時間以上保持することにより、有機溶媒を完全に除去した。
有機溶媒除去工程では、室温〜80℃の雰囲気下に成膜した基材を保持し、有機溶媒をある程度除去した。さらに真空オーブンで真空下200℃の温度に18時間以上保持することにより、有機溶媒を完全に除去した。
(実施例2)
実施例2においては、CNT分散液の重量濃度を0.4重量%とした。実施例2のCNT分散液を、塗工厚は1mmで塗工したこと以外は、実施例1と同様の手法で、実施例2の膜構造体を得た。
実施例2においては、CNT分散液の重量濃度を0.4重量%とした。実施例2のCNT分散液を、塗工厚は1mmで塗工したこと以外は、実施例1と同様の手法で、実施例2の膜構造体を得た。
(比較例1)
比較例1として、Nメチルピロリドンを有機溶媒に用いてCNT分散液を得たこと以外は実施例2と同様の手法を用いて、比較例1の膜構造体を得た。
比較例1として、Nメチルピロリドンを有機溶媒に用いてCNT分散液を得たこと以外は実施例2と同様の手法を用いて、比較例1の膜構造体を得た。
(比較例2)
比較例2として、有機溶媒を水に替えて、界面活性剤(SDOC)を用いたこと以外は実施例2と同様の手法を用いて、比較例2の膜構造体を得た。図3(a)に比較例1の膜構造体のSEM像を示し、図3(b)に比較例2の膜構造体のSEM像を示す。
比較例2として、有機溶媒を水に替えて、界面活性剤(SDOC)を用いたこと以外は実施例2と同様の手法を用いて、比較例2の膜構造体を得た。図3(a)に比較例1の膜構造体のSEM像を示し、図3(b)に比較例2の膜構造体のSEM像を示す。
[膜厚測定]
触針段差計、共焦点方式レーザ顕微鏡を用いて、成膜後の実施例及び比較例の膜構造体の膜厚を測定した。実施例及び比較例の膜構造体の膜厚は何れも5μmであった。
触針段差計、共焦点方式レーザ顕微鏡を用いて、成膜後の実施例及び比較例の膜構造体の膜厚を測定した。実施例及び比較例の膜構造体の膜厚は何れも5μmであった。
[比表面積測定]
BELSORP-MAX(マイクロトラックベル株式会社)を用いて液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。図4に実施例1及び2の膜構造体の窒素吸脱着等温線を示す。この吸脱着等温線からBrunauer, Emmett, Tellerの方法で比表面積を計測したところ、実施例1及び2の膜構造体の比表面積は、それぞれ、1186m2/g、1115m2/gであった。
BELSORP-MAX(マイクロトラックベル株式会社)を用いて液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を計測した(吸着平衡時間は600秒とした)。図4に実施例1及び2の膜構造体の窒素吸脱着等温線を示す。この吸脱着等温線からBrunauer, Emmett, Tellerの方法で比表面積を計測したところ、実施例1及び2の膜構造体の比表面積は、それぞれ、1186m2/g、1115m2/gであった。
図5に実施例1及び2と同様の方法で測定した、比較例1及び2の膜構造体の液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を示す。この吸脱着等温線からBETの方法で比表面積を計測したところ、比較例1の膜構造体の比表面積は778m2/gであり、比較例2の膜構造体の比表面積は595m2/gであった。これら結果から、本発明の実施例に係る膜構造体は、比較例に比して大きな比表面積を備えることが示された。
(実施例3)
実施例3として本発明による膜構造体を導電性層とするアクチュエータを作製した。プロピレングリコール(和光純薬株式会社製)にスーパーグロース法で作製した単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を0.25重量%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレート(Ionic Liquids Technologies社製)を1.5重量%になるよう添加し、ナノヴェイタNVC−ES008(吉田機械興業株式会社製)を用いて100MPaの吐出圧力により分散処理を行い、実施例3のCNT分散液を得た。
実施例3として本発明による膜構造体を導電性層とするアクチュエータを作製した。プロピレングリコール(和光純薬株式会社製)にスーパーグロース法で作製した単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を0.25重量%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレート(Ionic Liquids Technologies社製)を1.5重量%になるよう添加し、ナノヴェイタNVC−ES008(吉田機械興業株式会社製)を用いて100MPaの吐出圧力により分散処理を行い、実施例3のCNT分散液を得た。
得られたCNT分散液をブレードコート法により5mmの厚みで、ガラス板上に塗工した。塗工後、ホットプレートにより80℃で乾燥を行うことによりプロプレングリコールを蒸発させ、実施例3の膜構造体を得た。実施例3の膜構造体の厚みは56μm、導電率は42.2S/cmであった。
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(Arkema社製、商品名KYNAR2801)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレートの重量比1:1混合物から成る膜厚15μmのイオン伝導層を、上記方法で作製した2枚の膜構造体の間に挟み、70℃、0.5N/mm2、10分の条件で加熱圧着を行い、実施例3のアクチュエータ素子を得た。得られた実施例3のアクチュエータ素子の厚みは125μmであった。これを2mm×10mmの大きさに切り出した。
実施例3のアクチュエータ素子を電極治具にはさみ込み、電極治具間に様々な周波数の±2Vの矩形波電圧を印加した際の実施例3のアクチュエータの変形量について、電極治具から5mmの位置にレーザを照射し、レーザ変位計(キーエンス株式会社製、LC2100)を用いて測定した。
得られた変形量から図7の計算式を用い伸縮率を算出した。図8に実施例3のアクチュエータの伸縮率について示す。
また、電極治具間に走査速度400mV/sの三角波電圧を印加した際の実施例3のアクチュエータのサイクリックボルタンメトリーを測定した。図9に実施例3のアクチュエータのサイクリックボルタンメトリー波形(C−V特性)を示す。
(比較例3)
比較例3として、N−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学株式会社製)にSGCNTを0.25重量%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレートを1.5重量%になるよう添加し、ナノヴェイタを用いて100MPaの吐出圧力により分散処理を行い、比較例3のCNT分散液を得た。
比較例3として、N−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学株式会社製)にSGCNTを0.25重量%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレートを1.5重量%になるよう添加し、ナノヴェイタを用いて100MPaの吐出圧力により分散処理を行い、比較例3のCNT分散液を得た。
得られた比較例3のCNT分散液をブレードコート法により5mmの厚みで、ガラス板上に塗工した。ホットプレートにより80℃で乾燥を行うことによりN−メチル−2−ピロリドンを蒸発させ、比較例3の膜構造体を得た。乾燥後の比較例3の膜構造体の厚みは55μm、導電率は34.7S/cmであった。N−メチル−2−ピロリドンを用いて作製した比較例3の膜構造体の導電率は、プロピレングリコールを用いて作製した実施例3の膜構造体の導電率と比較して18%低かった。
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレートの重量比1:1混合物から成る膜厚15μmのイオン伝導層を、2枚の比較例3の膜構造体の間に挟み、70℃、0.5N/mm2、10分の条件で加熱圧着を行い、比較例3のアクチュエータ素子を得た。得られた比較例3のアクチュエータ素子の厚みは124μmであった。これを2mm×10mmの大きさに切り出した。
比較例3のアクチュエータ素子を電極治具にはさみ込み、電極治具間に様々な周波数の±2Vの矩形波電圧を印加した際の比較例3のアクチュエータの変形量について、レーザ変位計を用いて測定した。
得られた変形量から図7の計算式を用いて伸縮率を算出した。図3に比較例3のアクチュエータの伸縮率について示す。
また、電極治具間に走査速度400mV/sの三角波電圧を印加した際の比較例3のアクチュエータのサイクリックボルタンメトリーを測定した。図9に比較例3のアクチュエータのサイクリックボルタンメトリー波形(C−V特性)を示す。
図8の伸縮率の結果から、0.1Hz以下の低周波数域において、プロピレングリコールを用いて作製した実施例3のアクチュエータは、N−メチル−2−ピロリドンを用いて作製した比較例3のアクチュエータに比べて1.5倍伸縮率が高いことがわかった。
図9のサイクリックボルタンメトリー特性(C−V特性)の測定結果からプロピレングリコールを用いて作製した実施例3のアクチュエータは、N−メチル−2−ピロリドンを用いて作製した比較例3のアクチュエータに比べ、キャパシタンスが1.5倍大きいことがわかった。
1:アクチュエータ、2:アクチュエータ素子、3:導電性層、4:イオン伝導層、5:電極、7:配線、9:スイッチ、10:CNTバンドル、50:ねじれた構造、60:空隙、100:膜構造体
Claims (9)
- カーボンナノチューブ集合体を備える複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルを備え、且つ窒素吸着等温線から求めたBET比表面積が600m2/g以上を備える膜構造体であり、
前記カーボンナノチューブバンドルは、窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を400cm3/g(STP)以上備える膜構造体と、イオン液体を含む導電性層と、
イオン伝導層と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - カーボンナノチューブ集合体を備える複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルを備え、且つ窒素吸着等温線から求めたBET比表面積が600m2/g以上を備える膜構造体であり、
前記膜構造体は、前記カーボンナノチューブ集合体からなる複数本の網目状のカーボンナノチューブバンドルと、前記カーボンナノチューブバンドルが絡み合って形成された空隙とを備え、
前記カーボンナノチューブバンドルは、窒素吸脱着等温線の相対圧(平衡圧力/飽和蒸気圧)が0.2以上0.9以下に相当するサイズの細孔を400cm3/g(STP)以上備える膜構造体と、イオン液体を含む導電性層と、
イオン伝導層と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記カーボンナノチューブバンドルは、ねじれた構造を備えることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記空隙は、サイズ分布が10nm以上10μm以下の範囲に分布極大を備え、測定は水銀圧入法によることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記膜構造体は、前記膜構造体の表面の凹凸の段差が、前記膜構造体の膜厚の50%以下であり、且つ前記膜構造体の表面の算術平均粗さRaが前記膜構造体の膜厚の20%以下を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ。
- 前記カーボンナノチューブ集合体が備えるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ。
- 多価アルコール類、または環状構造を有するアルコール類、およびそれらの誘導体の中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製した請求項1乃至請求項6の何れか一に記載の構造体とイオン液体を含む導電性層と、イオン伝導層を備えるアクチュエータ。
- プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリンの中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製した請求項1乃至請求項6の何れか一に記載の構造体とイオン液体からなる導電性層と、イオン伝導層を備えるアクチュエータ。
- シクロヘキサノール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、4−(1’−アセトキシ−1’−メチルエチル)−シクロヘキサノールアセテートの中の1種の溶媒あるいは複数種の混合溶媒を用いたカーボンナノチューブ分散液から作製した請求項1乃至請求項6の何れか一に記載の構造体とイオン液体からなる導電性層と、イオン伝導層を備えるアクチュエータ。
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