JP2010154620A - 保護継電器、その制御方法及び制御プログラム - Google Patents

保護継電器、その制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Toshio Tanaka
年男 田中
Mitsugi Kosugi
貢 小杉
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Abstract

【課題】入力電流、電圧の周波数の変動範囲が大きい場合であっても、正常に系統事故の有無を検出することが可能な保護継電器、その制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】差分算出手段44は、現時点の最大値データ(DMAX)と最小値データ(DMIN)との差分データを算出する。事故検出/復帰判定手段45Aは、差分データが、事故に相当する予め整定した整定値データ(DSET)より大きいものか((DMAXーDMIN)=DSETも含む)を判定する。大きいと判定した場合に、電力系統に事故が生じていることを検出し、事故状態から復帰するに際し復帰時間(回数)を計数する復帰カウンタ(TOF)を初期化する。現状の最大値データ及び最小値データをリセットし、初期値を未設定の状態に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統からの電流、電圧の大きさに基づいて系統事故を検出する保護継電器に係り、特に、入力される電流、電圧の周波数に変動が生じる場合であっても所定の演算処理により系統事故を検出可能な技術に関する。
保護継電器は、電流、電圧の変化に基づいて電力系統の故障を検出し、この故障区間を電力系統から切り離すことで事故を抑制し、故障の波及を防止する、いわゆる保護リレー装置である。
従来から、このような保護継電器に入力される電流及び電圧の周波数は、定格のものであり、当該保護継電器では、定格周波数に同期したサンプリングデータを元に所定の演算処理により振幅量を算出し、この振幅量の変化を検出することで系統事故の有無を検出する。
特開昭62−16016号公報
ところで、上記のような従来の保護継電器では、入力される電流、電圧の周波数は定格であることから、この周波数に変動が生じるケースまで想定していない。そのため、当該周波数の変動が小さい場合では正常に駆動するが、保護継電器に入力される電流、電圧の周波数の変動が大きい場合には、電力系統の故障箇所を適切に検出することができないでいた。
また、周波数の変動が生じた場合であっても、極性の不揃いを検出することで電流の変化分を算出する方法(特許文献1参照)が提案されているが、あくまで極性を検出することで誤出力等の不要応動を防止するものであり、周波数の変動が大きくなった場合に、適切に電流の変化分を検出し、正常に電力系統の故障箇所を検出できるものではない。
本発明は、上記のような課題を解消するために提案されたものであって、その目的は、入力電流、電圧の周波数の変動範囲が大きい場合であっても、正常に系統事故の有無を検出することが可能な保護継電器、その制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明は、電力系統から入力されたアナログ電気量をサンプリングし、これをディジタル変換したサンプリングデータに基づいて演算処理回路により演算処理を行い系統事故を検出する保護継電器であって、前記演算処理回路は、前記サンプリングデータの入力波形の最大値及び最小値を検出する手段と、検出された前記最大値と前記最小値との差を算出する手段と、算出された前記差が系統事故に相当する所定の閾値以上であるかを判定する手段と、前記差が前記所定の閾値以上であると判定された場合に系統事故の発生を検出する手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記差が前記所定の閾値以上であると判定された回数を計数する手段を備え、前記系統事故の発生を検出する手段は、計数した前記回数が系統事故に相当する所定の回数以上であると判断する場合に、系統事故の発生を検出することを特徴とする点も本発明の一態様である。
以上のような本発明によれば、入力電流、電圧の周波数の変動が大きい場合であっても、電流の入力波形の最大値と最小値を対比し、その差を算出することにより、適切に系統事故を検出可能な保護継電器、その制御方法及び制御プログラムを提供することができる。また、最大値と最小値の差を算出することで系統事故を検出しているので、アナログ変換回路において生じる直流オフセット分の影響をキャンセルすることが可能となり、入力波形のピーク値を正確に検出することができる。
さらに、最大値と最小値との差が事故に相当する閾値よりも大きくなるケースを複数回連続確認する機能を備えることにより、一過性のノイズの影響による誤動作を防止することが可能となる。加えて、サンプリングデータの補正機能を設けたことにより、ゲイン誤差を補正することができるので、電力系統から入力される電流、電圧に基づく入力波形のピーク値をより正確に検出することが可能となる。
[第1の実施形態]
[1.構成]
[1.1.全体構成]
まず、第1の実施形態に係る保護継電器の全体構成について図1を参照して以下に説明する。なお、図1は、本発明の第1の実施形態の保護継電器の全体構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、1は、電力系統からの電流、電圧が入力される入力変成器であり、当該入力電流、電圧を絶縁すると共に、同相で混入した外部からのノイズ等を除去する。2は、入力変成器1の2次側から入力される交流信号を所定のアナログ信号に変換するアナログ変換回路であり、3は、アナログ変換回路2より出力されるアナログ信号を所定のディジタル信号に変換するA/D変換回路である。
4は、演算処理回路であり、具体的な処理は後述するが、A/D変換回路3からのディジタル信号が入力されると所定の演算処理を実施する。5は、演算処理回路4の演算処理結果に基づいて外部に接点出力を出すリレー出力回路であり、6は、出力接点である。
7は、電源入力より保護継電器内部の電源電圧として安定化された電圧を各回路に供給する電源回路である。8は、保護継電器の動作レベル等を外部より設定可能とする設定スイッチであり、複数のスイッチ状態を読み込む場合は、スイッチ選択信号を受けて選択されたスイッチの状態信号が当該設定スイッチ8から出力される。
[1.2.演算処理回路の具体的な構成]
次に、内蔵するソフトウェアにより、A/D変換回路3から入力されるディジタル信号をサンプリングデータとして、当該サンプリングデータから最大値、最小値を検出し、所定時間記憶し、この最大値、最小値に基づいて電力系統の事故の有無を判定する上記演算処理回路4の具体的な構成について、図2を参照して以下に詳述する。なお、図2は、第1の実施形態に係る演算処理回路の具体的な構成を示す機能ブロック図である。
図2に示す通り、41は、A/D変換回路3から入力される一定周期のディジタル信号の入力波形の最大値及び最小値の初期値が設定されていない場合に、このディジタル信号であるサンプリングデータを当該最大値及び最小値として設定する初期値設定手段である。
42は、A/D変換回路3から入力されるサンプリングデータを、初期値設定手段41により設定された最大値であるデータ(以下、最大値データと称する)、あるいは更新された最大値データと対比し、当該サンプリングデータが最大値データより大きい場合に、このサンプリングデータを最大値データとして更新する最大値検出/記憶手段である。最大値検出/記憶手段42の具体的な処理については[2.作用]で詳述する。
43は、A/D変換回路3から入力されるサンプリングデータを、初期値設定手段41により設定された最小値のデータ(以下、最小値データと称する)、あるいは更新された最小値データと対比し、当該サンプリングデータが最小値データより小さい場合に、このサンプリングデータを最小値データとして更新する最小値検出/記憶手段である。最小値検出/記憶手段43の具体的な処理については[2.作用]で詳述する。
44は、最大値検出/記憶手段42により更新された、あるいは初期値設定手段41により設定された最大値データと、最小値検出/記憶手段43により更新された、あるいは初期値設定手段41により設定された最小値データと、の差分データを算出する差分算出手段である。
45Aは、差分算出手段44により算出された差分データを、予め整定されている整定値データと対比し、その対比結果に基づいて系統事故の有無を検出する事故検出/復帰判定手段である。この事故検出/復帰判定手段45Aは、後述するが、電力系統の事故状態を検出するだけでなく、当該事故状態からの復帰判定も行う。
[2.作用]
[2.1.全体作用]
次に、上記のような構成を有する保護継電器の作用について以下に説明する。
なお、電源回路7により、電源入力より保護継電器内部の電源電圧として安定化された電圧が各回路に供給されているものとする。
まず、保護継電器に電力系統からの電流、電圧が入力されると、入力変成器1において、当該入力電流、電圧を絶縁すると共に、同相で混入した外部からのノイズ等を除去する。そして、アナログ変換回路2は、入力変成器1の2次側から入力される交流信号を所定のアナログ信号に変換し、当該アナログ変換回路2より出力されるアナログ信号をA/D変換回路3がディジタル信号に変換する。
A/D変換回路3からのディジタル信号が演算処理回路4に入力されると、当該演算処理回路4は、後述する事故検出処理を実施し、この演算処理結果をリレー出力回路5に出力する。そして、リレー出力回路5は、演算処理回路4の演算処理結果に基づいて外部に出力接点6を出す。
[2.2.演算処理回路の動作手順]
次に、上記のような構成を有する保護継電器の演算処理回路4における、最大値、最小値の初期値設定、最大値、最小値の検出手順、事故検出手順について、図3〜6を参照して以下に説明する。
[2.2.1.初期値設定手順]
まず、演算処理回路4の初期値設定手段41による最大値、最小値の初期値の設定手順について、図3を参照して、以下に説明する。
A/D変換回路3からのディジタル信号がサンプリングデータとして、演算処理回路4に入力されると、図3に示す通り、初期値設定手段41は、そのサンプリングデータ(DO)を読み込み(S301)、当該サンプリングデータの波形の最大値及び最小値の初期値が未設定であるかを判定する(S302)。
最大値及び最小値の初期値が未設定であると判定する場合には(S302のYES)、S301で読み込んだサンプリングデータを最新の最大値データ(DMAX)として設定し(S303)、最大値データが記憶されていた最大値記憶カウンタ(TMAX)を初期化する(S304)。これにより、読み込んだサンプリングデータが最新の最大値データとして記憶される。
さらに、S301で読み込んだサンプリングデータを最新の最小値データ(DMIN)として設定し(S305)、最小値データが記憶されていた最小値記憶カウンタ(TMIN)を初期化する(S306)。これにより、読み込んだサンプリングデータが最新の最小値データとして記憶される。
一方、S302において、最大値及び最小値の初期値が設定されていると判定された場合には(S302のNO)、上記S303〜306の処理は行われず、初期値の設定処理は終了する。なお、最大値データと最小値データの設定順序は任意であり、上記のような順序に限定するものではない。
[2.2.2.最大値検出及び記憶手順]
次に、演算処理回路4の最大値検出/記憶手段42による最大値の検出及び記憶手順について、図4を参照して、以下に説明する。
まず、最大値検出/記憶手段42は、図4に示す通り、A/D変換回路3からサンプリングデータが入力されると、このサンプリングデータ(DO)が、初期値設定手段41により設定された最大値データ(DMAX)より大きいか(DO=DMAXの場合も含む)を判定する(S401)。
当該サンプリングデータが最大値データよりも大きいと判定した場合には(S401のYES)、このサンプリングデータを最新の最大値データとして更新し(S402)、これまでの最大値データをリセットするよう最大値記憶カウンタ(TMAX)を初期化する(S403)。
一方、サンプリングデータが最大値データよりも小さいと判定した場合には(S401のNO)、最大値データは現状のままであるため、最大値データの記憶時間(回数)を更新するよう最大値記憶カウンタを更新する(S404)。
そして、最大値検出/記憶手段42は、最大値記憶カウンタが更新されると、この更新した最大値記憶カウンタ、すなわち最大値記憶時間が所定の規定時間(T1)内であるかを判定する(S405)。なお、この規定時間とは、最大値データの保持時間であり、製品仕様として規定する入力周波数の変動範囲の最下限値の周波数における1サイクル分以上の時間とする。
最大値記憶時間が所定の規定時間内であると判定した場合には(S405のYES)、最大値データは現状のままであり、最大値の検出及び記憶処理は終了する。
一方、最大値記憶時間が所定の規定時間内にない、すなわち、当該最大値記憶時間が所定の規定時間を超えると判定した場合には(S405のNO)、現状の最大値データの保持時間は経過しているので、入力されたサンプリングデータを最大値データとして設定し(S402)、これまでの最大値データをリセットするよう最大値記憶カウンタを初期化する(S403)。
[2.2.3.最小値検出及び記憶手順]
次に、演算処理回路4の最小値検出/記憶手段43による最小値の検出及び記憶手順について、図5を参照して、以下に説明する。
まず、最小値検出/記憶手段43は、図5に示す通り、A/D変換回路3からサンプリングデータが入力されると、このサンプリングデータ(DO)が、初期値設定手段41により設定された最小値データ(DMIN)より小さいか(DO=DMINも含む)を判定する(S501)。
当該サンプリングデータが最小値データよりも小さいと判定した場合には(S501のYES)、このサンプリングデータを最新の最小値データとして更新し(S502)、これまでの最小値データをリセットするよう最小値記憶カウンタ(TMIN)を初期化する(S503)。
一方、サンプリングデータが最小値データよりも大きいと判定した場合には(S501のNO)、最小値データは現状のままであるため、最小値データの記憶時間(回数)を更新するよう最小値記憶カウンタを更新する(S504)。
そして、最小値検出/記憶手段43は、最小値記憶カウンタが更新されると、この更新した最小値記憶カウンタ、すなわち最小値記憶時間が所定の規定時間(T1)内であるかを判定する(S505)。なお、この規定時間とは、最小値データの保持時間であり、製品仕様として規定する入力周波数の変動範囲の最下限値の周波数における1サイクル分以上の時間とする。
最小値記憶時間が所定の規定時間内であると判定した場合には(S505のYES)、最小値データは現状のままであり、最小値の検出及び記憶処理は終了する。
一方、最小値記憶時間が所定の規定時間内にない、すなわち、当該最小値記憶時間が所定の規定時間を超えると判定した場合には(S505のNO)、現状の最小値データの保持時間は経過しているので、入力されたサンプリングデータを最小値データとして設定し(S502)、これまでの最小値データをリセットするよう最小値記憶カウンタを初期化する(S503)。
[2.2.4.事故検出、復帰判定手順]
次に、演算処理回路4の差分算出手段44及び事故検出/復帰判定手段45Aによる事故検出、復帰判定手順について、図6を参照して、以下に説明する。
まず、図6に示す通り、差分算出手段44は、現時点の最大値データ(DMAX)と最小値データ(DMIN)との差分データを算出する(S601)。
そして、事故検出/復帰判定手段45Aは、差分算出手段44により算出された差分データが、事故に相当する予め整定した整定値データ(DSET)より大きいものか((DMAXーDMIN)=DSETも含む)を判定する(S602)。
差分データが整定値データよりも大きいと判定した場合には(S602のYES)、これにより、電力系統に事故が生じていることを検出し(S603)、事故状態から復帰するに際し復帰時間(回数)を計数する復帰カウンタ(TOF)を初期化する(S604)。事故の発生を検出し、復帰カウンタが初期化されると、現状の最大値データ及び最小値データをリセットし、初期値を未設定の状態に設定する(S604、S605)。
これに対し、差分データが整定値データよりも小さいと判定した場合には(S602のNO)、現時点が事故の検出状態にあるかを判定し(S607)、事故を検出中と判定した場合に(S607のYES)、事故状態からの復帰時間(回数)を計数する復帰カウンタを更新する(S608)。言い換えれば、事故が検出された状況下において、差分データが整定値よりも小さい場合に、事故状態からの復帰時間を更新する。
復帰カウンタが更新されると、更新した復帰カウンタ、すなわち、復帰時間が所定の規定時間(TDOF)以上であるかを判定する(S609)。なお、この規定時間(TDOF)とは、事故状態から復帰に要するまでの時間であり、製品仕様として規定する入力周波数変動範囲の最下限値の周波数における1サイクル分以上の時間とする。
復帰カウンタが規定時間以上である場合には(S609のYES)、検出していた事故状態の認定を解除し(S610)、復帰カウンタを初期化する(S611)。一方、事故状態が検出されない場合(S607のNO)、又は復帰カウンタが規定時間に満たない場合には(S609のNO)、本処理は終了する。
以上のような第1の実施形態によれば、保護継電器に入力される電流、電圧の周波数の変動範囲が大きい場合であっても、演算処理回路において入力波形の最大値データと最小値データの差分データを算出することにより、適切かつ正常に系統事故を検出することが可能な保護継電器を提供することができる。また、最大値データと最小値データの差分データを算出することで系統事故を検出しているので、アナログ変換回路において生じる直流オフセット分の影響をキャンセルすることが可能となり、入力信号のピーク値を正確に検出することができる。
[第2の実施形態]
[1.演算処理回路の構成]
次に、第2の実施形態に係る保護継電器の演算処理回路4の構成について、図7を参照して、以下に詳述する。なお、保護継電器の全体構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略し符号を付すものとする。また、演算処理回路4において、第1の実施形態と共通する構成についても説明を省略し同じ符号を付すものとする。図7は、本発明の第2の実施形態に係る演算処理回路4の構成を示す機能ブロック図である。
第2の実施形態では、図7に示す通り、事故検出/復帰判定手段45Aの代わりに、最大値データと最小値データとの差分データが事故に相当する整定値データよりも大きくなるケースを複数回連続確認する機能を備えた事故検出/復帰判定手段45Bが設けられ、その他の構成は図2と同じである。
[2.作用]
次に、上記のような構成を有する保護継電器の演算処理回路4における事故検出手順について、図8を参照して以下に説明する。
まず、図8に示す通り、第1の実施形態と同様に、差分算出手段44は、現時点の最大値データ(DMAX)と最小値データ(DMIN)との差分データを算出する(S801)。そして、事故検出/復帰判定手段45Bは、差分算出手段44により算出された差分データが、事故に相当する予め整定した整定値データ(DSET)より大きいものか((DMAXーDMIN)=DSETも含む)を判定する(S802)。
差分データが整定値データよりも大きいと判定した場合には(S802のYES)、第2の実施形態では、事故を検出するにあたり、この状況を複数回確認するための動作回数を示す動作カウンタ(TON)を更新する(S803)。動作カウンタが更新されると、更新した動作カウンタ、すなわち動作回数が、事故に相当する予め設定された設定回数(TDON)以上となるかを判定する(S804)。
動作回数が設定回数以上になると判定された場合には(S804のYES)、事故が未検出状態にあるかが判断され(S805)、未検出状態にある場合に(S805のYES)、新たに電力系統に事故が生じていることを検出する(S806)。事故が検出されると、動作回数を計数する動作カウンタと、事故状態から復帰するに際し復帰時間(回数)を計数する復帰カウンタ(TOF)を初期化し(S807、S808))、現状の最大値データ及び最小値データをリセットし、初期値を未設定の状態に設定する(S809、S810)。
なお、S804において、更新した動作カウンタが設定回数に満たないと判定された場合には(S804のNO)、動作カウンタを初期化せずに復帰カウンタを初期化し(S808)、現状の最大値データ及び最小値データをリセットし、初期値を未設定状態として(S809、S810)、動作カウンタが設定回数を超えるまで動作カウント中とされる。また、S805において、事故が検出された場合(S805のNO)、改めて事故を検出せずに、動作カウンタを初期化する(S807)。
一方、S802において、差分データが整定値データよりも小さいと判定した場合には(S802のNO)、現時点が事故の検出状態にあるかを判定し(S811)、事故を検出中と判定した場合に(S811のYES)、事故状態からの復帰時間(回数)を計数する復帰カウンタを更新する(S812)。なお、S811では、事故の検出状態を判定する代わりに、動作カウント中であるかを判定することも可能である。すなわち、動作カウント中にあると判定された場合に(S811のYES)、復帰カウンタを更新する。
復帰カウンタが更新されると、更新した復帰カウンタ、すなわち、復帰時間が所定の規定時間(TDOF)以上であるかを判定する(S813)。なお、この規定時間(TDOF)とは、事故状態から復帰に要するまでの時間であり、製品仕様として規定する入力周波数変動範囲の最下限値の周波数における1サイクル分以上の時間とする。
復帰カウンタが規定時間以上である場合には(S813のYES)、検出していた事故状態の認定を解除し(S814)、動作カウンタ及び復帰カウンタを初期化する(S815、S816)。一方、事故状態やが検出されない場合(S811のNO)、又は復帰カウンタが規定時間に満たない場合には(S813のNO)、本処理は終了する。もちろん、S811において、動作カウント中にないと判定された場合も本処理は終了する。
以上のような第2の実施形態によれば、最大値データと最小値データとの差分データが、事故に相当する整定値データよりも大きくなるケースを複数回連続確認することができるので、一過性のノイズの影響による誤動作を防止することが可能となる。
[第3の実施形態]
[1.演算処理回路の構成]
次に、第3の実施形態に係る保護継電器の演算処理回路4の構成について、図9を参照して、以下に詳述する。なお、保護継電器の全体構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略し符号を付すものとする。また、演算処理回路4において、第1の実施形態と共通する構成についても説明を省略し同じ符号を付すものとする。図9は、本発明の第3の実施形態に係る演算処理回路4の構成を示す機能ブロック図である。
図9に示す通り、第3の実施形態に係る演算処理回路4では、入力変成器1及びアナログ変換回路2により発生するゲイン誤差を補正するデータ補正手段46が設けられ、その他の構成は図2と同じである。
[2.作用]
次に、上記のような構成を有する演算処理回路4のデータ補正手段46によるゲイン誤差の補正手順を、図10を参照して以下に説明する。
図10に示すように、まず、データ補正手段46は、A/D変換回路3から入力されたディジタル信号であるサンプリングデータを読み込む(S1001)。そして、読み込んだサンプリングデータに対して、予め設定されたゲイン補正用データを乗算することで、当該サンプリングデータを補正する(S1002)。
以降は、この補正後のサンプリングデータを使用して、最大値、最小値の初期値設定、最大値、最小値の検出処理、事故検出処理が行われる。なお、このゲイン補正用データとは、予め決められた入力信号が入力された状態において、所定の演算処理により算出された振幅値の理論値に対する比である。
[3.他の実施形態]
なお、第3の実施形態では、図9に示した通り、第1の実施形態に係る演算処理回路4の構成にデータ補正手段46を設けているが、これに限定するものではなく、図11に示すように、第2の実施形態に係る演算処理回路4の構成にデータ補正手段46を設ける実施形態も包含する。
以上のような実施形態によれば、演算処理回路内にデータ補正手段を設けたことにより、入力変成器及びアナログ変換回路で発生するゲイン誤差を補正することができるので、電力系統から入力される電流、電圧に基づく入力波形のピーク値をより正確に検出することが可能となる。
本発明の全体構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係る演算処理回路の具体的な構成を示す機能ブロック図 本発明の第1の実施形態に係る最大値及び最小値の初期値設定手順を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態に係る最大値の検出、記憶順を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態に係る最小値の検出、記憶順を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態に係る事故検出手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る演算処理回路の具体的な構成を示す機能ブロック図 本発明の第2の実施形態に係る事故検出手順を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る演算処理回路の具体的な構成を示す機能ブロック図(A) 本発明の第3の実施形態に係るゲイン誤差の補正手順を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る演算処理回路の具体的な構成を示す機能ブロック図(B)
符号の説明
1…入力変成器
2…アナログ変換回路
3…A/D変換回路
4…演算処理回路
5…リレー出力回路
6…出力接点
7…電源回路
8…設定スイッチ
41…初期値設定手段
42…最大値検出/記憶手段
43…最小値検出/記憶手段
44…差分算出手段
45A、B…事故検出/復帰判定手段
46…データ補正手段

Claims (8)

  1. 電力系統から入力されたアナログ電気量をサンプリングし、これをディジタル変換したサンプリングデータに基づいて演算処理回路により演算処理を行い系統事故を検出する保護継電器であって、
    前記演算処理回路は、
    前記サンプリングデータの入力波形の最大値及び最小値を検出する手段と、
    検出された前記最大値と前記最小値との差を算出する手段と、
    算出された前記差が系統事故に相当する所定の閾値以上であるかを判定する手段と、
    前記差が前記所定の閾値以上であると判定された場合に系統事故の発生を検出する手段と、
    を備えることを特徴とする保護継電器。
  2. 検出された前記最大値と前記最小値を記憶する記憶手段を備え、
    前記差は、前記記憶手段により記憶された最大値と最小値により算出されることを特徴とする請求項1に記載の保護継電器。
  3. 前記差が前記所定の閾値以上であると判定された回数を計数する手段を備え、
    前記系統事故の発生を検出する手段は、計数した前記回数が系統事故に相当する所定の回数以上であると判断する場合に、系統事故の発生を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護継電器。
  4. 前記サンプリングデータに所定のゲイン補正用データを乗算することでゲイン誤差を補正する手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護継電器。
  5. 電力系統から入力されたアナログ電気量をサンプリングし、これをディジタル変換したサンプリングデータに基づいてコンピュータにより演算ステップを行い系統事故を検出する保護継電器の制御方法であって、
    前記コンピュータは、
    前記サンプリングデータの入力波形の最大値及び最小値を検出するステップと、
    検出された前記最大値と前記最小値との差を算出するステップと、
    算出された前記差が系統事故に相当する所定の閾値以上であるかを判定するステップと、
    前記差が前記所定の閾値以上であると判定された場合に系統事故の発生を検出するステップと、
    を実行することを特徴とする保護継電器の制御方法。
  6. 前記コンピュータは、
    前記差が前記所定の閾値以上であると判定された回数を計数し、計数した前記回数が系統事故に相当する所定の回数以上であると判断する場合に、系統事故の発生を検出するステップを実行することを特徴とする請求項5に記載の保護継電器の制御方法。
  7. 前記コンピュータは、前記サンプリングデータに所定のゲイン補正用データを乗算することでゲイン誤差を補正するステップを実行することを特徴とする請求項5又は6に記載の保護継電器の制御方法。
  8. 電力系統から入力されたアナログ電気量をサンプリングし、これをディジタル変換したサンプリングデータに基づいてコンピュータにより演算処理を行わせ系統事故を検出する保護継電器の制御プログラムであって、
    前記プログラムは前記コンピュータに、
    前記サンプリングデータの入力波形の最大値及び最小値を検出する処理と、
    検出された前記最大値と前記最小値との差を算出する処理と、
    算出された前記差が系統事故に相当する所定の閾値以上であるかを判定する処理と、
    前記差が前記所定の閾値以上であると判定された場合に系統事故の発生を検出する処理と、
    を実行させることを特徴とする保護継電器の制御プログラム。
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