JP2010153202A - 電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁誘導によって加熱された冷媒配管の内部を通過する冷媒の加熱効率を向上させることが可能な電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供する。
【解決手段】冷媒配管50を流れる冷媒と熱的接触をする部材である磁性体管52を対象として、誘導加熱を行う電磁誘導加熱ユニット6であって、コイル68および配管内ガイド81を備えている。コイル68は、磁性体管52の周りを取り巻いている。配管内ガイド81は、磁性体管52側の第1通過箇所S1を所定距離流れた冷媒を、冷媒配管50内であって第1通過箇所S1よりも磁性体管52から離れた第2通過箇所S2に導く。
【選択図】図9

Description

本発明は、電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置に関する。
冷凍サイクルには、冷媒の熱を放出させる放熱器や、冷媒に対して熱を与える加熱器等が備えられている。冷凍サイクルを循環する冷媒は、例えば、冷房運転サイクルにおいては室内の空気との間で熱交換を行って熱を得ており、暖房運転サイクルにおいては屋外の空気との間で熱交換を行って熱を得ている。
以下に示す特許文献1に記載の空気調和機の冷凍サイクルによると、上述のような室内の空気や屋外の空気から熱を得るだけでなく、別個に冷媒加熱装置によって冷媒が熱を得るシステムが提案されている。この冷媒加熱装置では、冷媒の流れる熱交換器をバーナで加熱させることにより、熱交換器内部を流れる冷媒に熱を与えている。このように、この空気調和機では冷媒加熱装置を採用しているため、冷媒が熱を必要とする場合において、室内や屋外の気温等の制約を受けることなく、冷媒を加熱することを可能にしている。
特開平8−210720号公報
上述のような冷媒加熱装置として、バーナ等の火を用いる方式の加熱ではなく、電気的な方式として電磁誘導加熱方式を採用することもできる。例えば、磁性体材料を含む冷媒配管の周りに電磁誘導コイルを巻き、この電磁誘導加熱コイルに対して電流を流すことで生じた磁束に起因して冷媒配管を発熱させることができる。そして、この冷媒配管における発熱を用いて、冷媒を加熱することができる。
しかし、配管内側表面近傍を通過して加熱された冷媒は、配管内側表面から離れた部分を通過してあまり加熱されていない冷媒と比べて、比体積が増大しがちになっている。このように、配管表面近傍において熱を伝達させる対象である冷媒の比体積よりも小さな比体積を有する冷媒が配管内側表面から離れた部分を通過しているため、配管内側表面近傍を通過している比体積の大きな冷媒を主に加熱してしまっている場合には、配管内側表面から離れた部分を通過している比体積の小さい冷媒を直接加熱する場合と比較して、配管内を流れる冷媒全体に対する熱伝達率を良好にすることができていない。
特に、電磁誘導加熱を行った場合の配管等の発熱は、磁束が供給されている表面近傍の発熱効率が優れているだけあり(表皮効果)、配管表面から離れた配管内部の発熱効率は、配管表面に比べて劣っている。このため、配管内のうち配管内側表面近傍で生じた熱が、配管内部を通じて冷媒が流れている部分とは反対側に向けて伝わってしまって熱が逃げてしまう前に、冷媒に効率的に熱を伝えることが求められる。
しかも、従来のように単に熱交換に有効な表面積を増大させる目的で作成される内面溝付き加工等では、比体積の大きな冷媒が配管内側表面を流れているという上述した問題を十分に解決することが困難である。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、電磁誘導によって加熱された冷媒配管の内部を通過する冷媒の加熱効率を向上させることが可能な電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供することにある。
第1発明に係る電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材である加熱対象部材を対象として、誘導加熱を行う電磁誘導加熱ユニットであって、コイルおよび第1加熱抑制ガイドを備えている。コイルは、加熱対象部材の近傍に配置されている。加熱乖離ガイドは、加熱対象部材側の第1通過箇所を所定距離流れた冷媒を、冷媒配管内であって第1通過箇所よりも加熱対象部材から離れた第2通過箇所に導く。なお、ここでの電磁誘導加熱ユニットによる加熱としては、例えば、冷媒配管と熱的接触をしている加熱対象部材を電磁誘導加熱する場合、冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をしている加熱対象部材を電磁誘導加熱する場合、および、冷媒配管の少なくとも一部を構成する加熱対象部材を電磁誘導加熱する場合、が少なくとも含まれる。
この電磁誘導加熱ユニットでは、電磁誘導加熱を行った場合には、表皮効果によって加熱対象部材の表面近傍が優先的に発熱する。そして、加熱対象部材側の第1通過箇所を流れて加熱された冷媒は、所定距離流れた後に加熱対象部材から離れた第2通過箇所に向けて第1加熱抑制ガイドによって導かれる。このため、比較的比体積が大きな冷媒が、誘導加熱によって優先的な発熱が生じている加熱対象部材側の第1通過箇所に滞在し続けることを防止することが可能になる。よって、空いたスペースとなる加熱対象部材側の第1通過箇所には、第2通過箇所を流れていた比較的比体積の小さな冷媒が流れ込むことになる。このようにして、誘導加熱の表皮効果によって優先的に発熱している加熱対象部材の表面近傍に向けて、より比体積の小さな冷媒を積極的に供給することができる。これにより、表皮効果によって優先的に発熱している加熱対象部材の表面近傍の熱が、冷媒側とは反対側に伝導してしまう程度を抑えて、冷媒側に伝達される程度を増大させ、冷媒の加熱効率を向上させることができるようになる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、冷媒流れを加熱対象部材に近づく方向に向ける流れ変更部をさらに備えている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部材の近傍を通過することなく十分に加熱されていない冷媒は、流れ変更部によって流れ方向が変更され、加熱対象部材に近づけられることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部材近傍に導くことが可能になる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットは、第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、第2加熱抑制ガイドをさらに備えている。第2加熱抑制ガイドは、第1加熱抑制ガイドに対して冷媒流れ方向上流側に配置され、第1通過箇所を所定距離流れた冷媒を、第2通過箇所に導く。流れ変更部は、冷媒流れ方向において、第1加熱抑制ガイドと第2加熱抑制ガイドとの間に配置されている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部材側である第1通過箇所を通過することなく加熱対象部材から離れた第2通過箇所を通過することで十分に加熱されていない冷媒は、流れ変更部によって流れ方向が変更され、加熱対象部材側である第1通過箇所に向けて供給されることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い第1通過箇所に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している第1通過箇所に停滞している冷媒を第2通過箇所に押し向けることが可能になる。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第3発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、加熱対象部材は、少なくとも冷媒配管の外側に配置されている。第1加熱抑制ガイドは、冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍から径方向内側に向けて、冷媒配管の軸に達しない程度まで延びている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍を通過することで、加熱されて比体積が大きくなった冷媒を、冷媒配管の内側表面の他の部分もしくは冷媒配管の内側表面近傍の他の部分に導くのではなく、一旦冷媒配管の内側表面から離れた位置に導くことができる。これにより、冷媒配管の内側表面もしくはその近傍を通過して加熱されることで比体積が大きくなった冷媒が、冷媒配管の内側表面の他の部分もしくは冷媒配管の内側表面近傍の他の部分を通過し続けて加熱され続けることを防止することができる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットは、第4発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、流れ変更部は、少なくとも冷媒配管の軸部分から径方向外側に向けて、冷媒配管の内側表面に達しない程度まで拡がっている部分を有している内側流れ変更部である。
この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍を通過することなく冷媒配管の中央近傍を通過することで十分に加熱されていない冷媒は、内側流れ変更部によって流れ方向が変更され、冷媒配管の内側表面近傍に向けて供給されることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い冷媒配管の内側表面近傍に導くことが可能になる。
第6発明の電磁誘導加熱ユニットは、第5発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、第2加熱抑制ガイドは、冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍から径方向内側に向けて、冷媒配管の軸に達しない程度まで延びている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍を通過することなく冷媒配管の中央近傍を通過することで十分に加熱されていない冷媒は、内側流れ変更部によって流れ方向が変更され、冷媒配管の内側表面近傍に向けて供給されることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い冷媒配管の内側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している冷媒配管の内側表面近傍に停滞している冷媒を冷媒配管の内側に押し向けることが可能になる。
第7発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第3発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、加熱対象部材は、少なくとも冷媒配管の内側に配置されている。第1加熱抑制ガイドは、加熱対象部材の外側表面もしくは加熱対象部材の外側表面近傍から冷媒配管の内側表面に向けて、冷媒配管の内側表面に達しない程度まで延びている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部材の外側表面もしくは加熱対象部材の外側表面近傍を通過することで、加熱されて比体積が大きくなった冷媒を、加熱対象部材の外側表面の他の部分もしくは加熱対象部材の外側表面近傍の他の部分に導くのではなく、一旦加熱対象部材の外側表面から離れた位置に導くことができる。これにより、加熱対象部材の外側表面もしくはその近傍を通過して加熱されることで比体積が大きくなった冷媒が、加熱対象部材の外側表面の他の部分もしくは加熱対象部材の外側近傍の他の部分を通過し続けて加熱され続けることを防止することができる。
第8発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、流れ変更部は、少なくとも冷媒配管の内側表面もしくは冷媒配管の内側表面近傍から径方向内側に向けて、加熱対象部材の外側表面に達しない程度まで拡がっている部分を有している外側流れ変更部である。
この電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部の外側表面もしくは加熱対象部の外側表面近傍を通過することなく加熱対象部から離れた部分を通過することで十分に加熱されていない冷媒は、外側流れ変更部によって流れ方向が変更され、加熱対象部の外側表面近傍に向けて供給されることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部の外側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している加熱対象部の外側表面近傍に停滞している冷媒を加熱対象部から離れた場所に押し向けることが可能になる。
第9発明の電磁誘導加熱ユニットは、第8発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、第2加熱抑制ガイドをさらに備えている。第2加熱抑制ガイドは、加熱対象部材の外側表面もしくは加熱対象部材の外側表面近傍から冷媒配管の内側表面に向けて、冷媒配管の内側表面に達しない程度まで延びている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部材の外側表面もしくは加熱対象部材の外側表面近傍を通過することなく冷媒配管の内側表面近傍を通過することで十分に加熱されていない冷媒は、外側遮断部によって流れ方向が変更され、加熱対象部材の外側表面近傍に向けて供給されることになる。これにより、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部材の外側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している加熱対象部材の外側表面近傍に停滞している冷媒を冷媒配管の内側表面に押し向けることが可能になる。
第10発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第9発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、第1加熱抑制ガイドは、径方向の長さ成分よりも、加熱対象部材近傍における円弧長さ成分の方が長い。
この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面近傍を沿い続けるような冷媒流れを抑制しつつ、第1加熱抑制ガイドによって十分に加熱されていない冷媒を冷媒配管の内側表面近傍に確実に導くことが可能になる。
第11発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第10発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、第1加熱抑制ガイドは、冷媒配管に対して直接固定されることなく冷媒配管の内側に存在している。冷媒配管の冷媒の流れ方向において第1加熱抑制ガイドに対する相対位置を定めつつ、第1加熱抑制ガイドは通過させないが冷媒は通過させる位置決め部をさらに備えている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1加熱抑制ガイドは、流れてくる冷媒に対して抵抗を与えつつ、自らも冷媒の流れによって移動する。これによって、ランダムに冷媒を攪拌させることができる。また、位置決め部は、冷媒配管に対して相対位置が定められつつ第1加熱抑制ガイドを通過させないため、第1加熱抑制ガイドが移動してしまうことを防止して、ランダムな冷媒の攪拌を継続させることができる。
第12発明の空気調和装置は、第1発明から第11発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットと、冷媒配管を含む冷凍サイクルと、を備えている。
この空気調和装置では、電磁誘導加熱ユニットが空気調和装置に備えられた場合においても冷媒の加熱効率を向上させることが可能になる。
第1発明の電磁誘導加熱ユニットでは、表皮効果によって優先的に発熱している加熱対象部材の表面近傍の熱が、冷媒側とは反対側に伝導してしまう程度を抑えて、冷媒側に伝達される程度を増大させ、冷媒の加熱効率を向上させることができるようになる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部材近傍に導くことが可能になる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い第1通過箇所に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している第1通過箇所に停滞している冷媒を第2通過箇所に押し向けることが可能になる。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面もしくはその近傍を通過して加熱されることで比体積が大きくなった冷媒が、冷媒配管の内側表面の他の部分もしくは冷媒配管の内側表面近傍の他の部分を通過し続けて加熱され続けることを防止することができる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い冷媒配管の内側表面近傍に導くことが可能になる。
第6発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い冷媒配管の内側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している冷媒配管の内側表面近傍に停滞している冷媒を冷媒配管の内側に押し向けることが可能になる。
第7発明の電磁誘導加熱ユニットでは、加熱対象部材の外側表面もしくはその近傍を通過して加熱されることで比体積が大きくなった冷媒が、加熱対象部材の外側表面の他の部分もしくは加熱対象部材の外側近傍の他の部分を通過し続けて加熱され続けることを防止することができる。
第8発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部の外側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している加熱対象部の外側表面近傍に停滞している冷媒を加熱対象部から離れた場所に押し向けることが可能になる。
第9発明の電磁誘導加熱ユニットでは、十分に加熱されていない冷媒を加熱効率の良い加熱対象部材の外側表面近傍に導きつつ、既に加熱されて比体積が増大している加熱対象部材の外側表面近傍に停滞している冷媒を冷媒配管の内側表面に押し向けることが可能になる。
第10発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の内側表面近傍を沿い続けるような冷媒流れを抑制しつつ、第1加熱抑制ガイドによって十分に加熱されていない冷媒を冷媒配管の内側表面近傍に確実に導くことが可能になる。
第11発明の電磁誘導加熱ユニットでは、第1加熱抑制ガイドが移動してしまうことを防止して、ランダムな冷媒の攪拌を継続させることができる。
第12発明の空気調和装置では、電磁誘導加熱ユニットが空気調和装置に備えられた場合においても冷媒の加熱効率を向上させることが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6を備えた空気調和装置1を例に挙げて説明する。
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものであって、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、および、ホットガスバイパス回路Hを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続している。
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fは、少なくとも後述するコイル68によって周囲を覆われている部分において、内側に冷媒を流している銅管51と、銅管51の周囲を覆うように設けられた磁性体管52とを備えた二重管50を有している(図7参照、図7では、二重管50の内側の詳細形状は省略している。この詳細は後述する。)。銅管51は、C1220によって構成されている。磁性体管52は、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)430によって構成されている。このSUS430は、強磁性体材料であって、磁界に置かれると渦電流を生じつつ、自己の電気抵抗によって生ずるジュール熱により発熱する。冷媒回路10を構成する配管のうち磁性体管52以外の部分は、銅管51で構成されている。
このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。なお、ホットガスバイパス回路Hは、ホットガスバイバス弁27と分岐点D1との間に、通過する冷媒圧力を下げるキャピラリーチューブ28が設けられている。このキャピラリーチューブ28は、暖房運転時の室外電動膨張弁24による冷媒圧力の低下後の圧力に近づけることができるため、ホットガスバイパス回路Hを通じた室外側液管Dへのホットガスの供給による室外側液管Dの冷媒圧力上昇を抑えることができる。
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
室外熱交換器23は、熱交フィン23zを有している。
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図4に、室外機2の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図を示す。
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に仕切り板2hを介して区切られている。また、室外機2は、底板2bに対して螺着されることで固定され、室外機2の最下端部を右側と左側において構成する室外機支持台2gを有している。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
室外機2の仕切り板2hは、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されている送風機室と、電磁誘導加熱ユニット6、圧縮機21およびアキュームレータ25等が配置されている機械室と、を区切るように前方から後方に向けて上端から下端に掛けて仕切っている。圧縮機21およびアキュームレータ25は、室外機2の機械室の下方の空間に配置されている。そして、電磁誘導加熱ユニット6、四路切換弁22および室外制御部12は、室外機2の機械室の上方の空間であって、圧縮機21やアキュームレータ25等の上の空間に配置されている。室外機2を構成する機能要素であって機械室に配置されている圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、図1において示した冷媒回路10による冷凍サイクルを実行するように、吐出管A、室内側ガス管B、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、ホットガスバイパス回路H等を介してそれぞれ接続されている。
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図5に、アキューム管Fに取り付けられた電磁誘導加熱ユニット6概略斜視図を示す。図6に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。図7に、アキューム管Fに取り付けられた電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。なお、図7では、配管の内側の詳細形状は省略している。
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち発熱部分である磁性体管52を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって磁性体管52を発熱させる。このアキューム管Fの発熱部分は、内側の銅管51と外側の磁性体管52とを有する二重管構造となっている。
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15等を備えている。
第1六角ナット61および第2六角ナット66は、樹脂製であって、図示しないC型リングを用いて、電磁誘導加熱ユニット6とアキューム管Fとの固定状態を安定させる。第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、アキューム管Fをそれぞれ上端位置および下端位置において径方向外側から覆っている。この第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔を4つ有している。さらに、第2ボビン蓋64は、サーミスタ14を差し込んで、磁性体管52の外表面に取り付けるための電磁誘導サーミスタ差し込み開口64fを有している。また、第2ボビン蓋64は、ヒューズ15を差し込んで、磁性体管52の外表面に取り付けるためのヒューズ差し込み開口を有している。サーミスタ14は、検知温度を信号にして制御部11まで伝える。ヒューズ15は、検知結果を信号にして制御部11まで伝える。ヒューズ15から所定制限温度を超えた温度検知の知らせを受けた制御部11は、コイル68への電力供給を停止させる制御を行って、機器の熱損傷を回避させる。ボビン本体65は、樹脂製であって、コイル68が巻き付けられる。コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられている。コイル68は、図示しない制御用プリント基板に接続されており、高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板は、制御部11によって出力制御される。第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込み、ネジ69によって螺着固定されている。第1フェライトケース71〜第4フェライトケース74は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成された第1フェライト98および第2フェライト99を収容している。第1フェライト98および第2フェライト99は、図8の磁束説明図(配管の内側の詳細形状は省略している。)において示すように、コイル68によって生じる磁界を取りこんで磁束の通り道を形成することで、磁界が外部に漏れ出しにくいようにしている。遮蔽カバー75は、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
<1−4>二重管50の内部詳細形状
図9に、二重管50の軸方向視平面図を示す。図10に、二重管50の軸方向に沿った断面形状を示す。図11に、図10中においてP−Pで切断した部分の断面図を示す。図12に、図10中においてQ−Qで切断した部分の断面図を示す。
銅管51は、配管内側に配管内ガイド81、内側遮断部82および内側遮断支持部83を有している。
配管内ガイド81は、銅管51の内面から径方向内側に向けて銅管51の軸に達することがない程度まで延びるように設けられた突起であり、径方向外側が銅管51の内側表面に溶接されることで固定されている。この配管内ガイド81は、図10に示すように、上流側および下流側においてなだらかに傾斜した傾斜面を有している。また、配管内ガイド81は、軸方向視において、内側遮断支持部83と重複することがないように配置されている。配管内ガイド81は、図10に示すように、誘導加熱が行われる磁性体管52の配置位置に対応する位置において、冷媒流れ方向に並んだ第1配管内ガイド81a、第2配管内ガイド81b、第3配管内ガイド81c、第4配管内ガイド81dおよび第5配管内ガイド81eを有している。
内側遮断部82は、銅管51の軸心と円心を共通にし、冷媒流れ方向Rを厚み方向としつつ、銅管51の内側表面までは達していない程度まで拡がった円盤形状部材である。この内側遮断部82は、内側遮断支持部83を介して銅管51の内側表面に溶接されることで固定されている。内側遮断部82は、図10に示すように、誘導加熱が行われる磁性体管52の配置位置に対応する位置において、冷媒流れ方向に並んだ第1内側遮断部82a、第2内側遮断部82b、第3内側遮断部82cおよび第4内側遮断部82dを有している。
なお、配管内ガイド81と、内側遮断部82とは、冷媒流れ方向の中心間距離L1の間隔で、交互に並んで配置されている。
<1−5>冷媒の加熱および流れ
図13および図14に、冷媒の流れる様子を示す冷媒配管の部分断面説明図を示す。
上述した電磁誘導加熱ユニット6のコイル68に電力が供給されることで、磁性体管52の周囲に磁界が生じる。これにより、磁性体管52には、渦電流が発生し、自らの電気抵抗によってジュール熱を発熱する。このようにして、磁性体管52が発熱する。ただし、磁性体管52は、表皮効果によって、厚み方向の内部よりも、厚み方向の表面近傍の方がより多くの渦電流が発生し、磁性体管52の表面である、内側表面と外側表面とが内部よりも発熱度合いが高くなっている。そして、磁性体管52で生じた熱は銅管51に熱伝達され、銅管51内を熱伝導することで、銅管51の内側表面の温度が上昇する。
図13および図12に示すように、銅管51の内側表面近傍の第1通過エリアS1を通過している冷媒は、このようにして温度が上昇している銅管51の内側表面を流れることで加熱される。ここで、第1通過エリアS1を通過している冷媒と、銅管51の内側の第2通過エリアS2を流れる冷媒と、のそれぞれの位置が変化しないでいると、第1通過エリアS1を流れ続けている冷媒は加熱され続けることで比体積が増大し、銅管51の内側表面からの熱伝達効率が低下する。これに対して、この二重管50では、配管内ガイド81が設けられているため、第1通過エリアS1を所定距離流れた冷媒は、図13の矢視F1に示すように、配下内ガイド81a、81b等によって、第1通過エリアS1から離れて銅管51の内側の第2通過エリアS2の方向に導かれる。これにより、第1通過エリアS1における冷媒加熱効率を改善させることができている。
図14および図11に示すように、銅管51の軸近傍の第2通過エリアS2を通過している冷媒は、銅管51の内側表面から離れているため、十分な熱を得ることができていない。このため、第1通過エリアS1を通過している冷媒と、銅管51の内側の第2通過エリアS2を流れる冷媒と、のそれぞれの位置が変化しないでいると、第2通過エリアS2を流れ続けている冷媒は十分に加熱されない。これに対して、この二重管50では、内側遮断部82が設けられているために、第2通過エリアS2を所定距離流れた冷媒は、図14の矢視F2に示すように、内側遮断部82a、82b等によって、銅管51の内側表面近傍の第1通過エリアS1へと導かれる。これにより、十分加熱されていなかった冷媒を加熱させることができる。
なお、配管内ガイド81は、上流側および下流側においてなだらかに傾斜した傾斜面を有しているので、銅管51の内側表面近傍を沿うように流れてきた冷媒を、通過抵抗の増大を小さく抑えつつ、なだらかに銅管51の中心側に導くことができている。これにより、過度に通過抵抗が増大してしまったり、銅管51の内側表面近傍において冷媒が滞留してしまうことがないようにしている。
さらに、配管内ガイド81は、銅管51の内面側近傍における円弧長さが、径方向の長さよりも長い形状を有している。この形状によって、銅管51の内側表面近傍を円弧に沿うように流れつつ配管内ガイド81を超えるような冷媒流れを抑えつつ、配管内ガイド81によって加熱されて比体積が増大している冷媒を銅管51の内側の第2通過エリアS2へ導くことができる。
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
空気調和装置1の電磁誘導加熱ユニット6によって磁性体管52を誘導加熱すると、表皮効果によって磁性体管52の表面近傍が内部よりも優先的に発熱する。
ここで、第1通過エリアS1を流れて銅管51の熱によって加熱された冷媒は、所定距離流れた後に、配管内ガイド81によって第1通過エリアS1である銅管51の内側表面から離れた第2通過エリアS2に導かれる。また、このようにして第1通過エリアS1が空いた状態になると、この空きスペースに第2通過エリアS2を通過していた冷媒が流れ込みやすくなる。
さらに、第2通過エリアS2を流れて十分に加熱されていない比較的冷たい冷媒は、内側遮断部82によって第1通過エリアS1である銅管51の内側表面近傍に導かれる。また、このようにして第2通過エリアS2から第1通過エリアS1に導かれるように流れる冷媒流れは、第1通過エリアS1において十分に加熱されて滞留しようとする冷媒を第2通過エリアS2側に押しのけることができる。
このようにして、誘導加熱の表皮効果によって内側表面および外側表面が優先的に発熱している磁性体管52の熱を、銅管51へ効率良く熱伝達させることができ、銅管51に伝達されて銅管51の内側表面に伝達した熱を、銅管51の内側表面に向けて供給される温度が低い冷媒に効率良く供給することができる。これにより、磁性体管52で生じた熱が磁性体管52の径方向外側に伝導したり、磁性体管52の周囲の空間に熱伝達してしまったりして熱が逃げてしまうことを抑えて、効率良く冷媒を加熱することができるようになる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上記実施形態では、銅管51の内側表面から径方向内側に延びる配管内ガイド81が設けられている場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図15および図16に示すように、銅管251、磁性体部材252、配管内ガイド281、外側遮断部282および磁性体支持部283を備えた二重管250としてもよい。
二重管250では、磁性体部材252が銅管251の内部に配置され、長手方向が銅管251の軸方向に沿うように配置されている円柱形の磁性体部材である。そして、磁性体部材252は、銅管251の内側表面に溶接されており、径方向内側に延びる磁性体支持部283によって固定されている。配管内ガイド281は、磁性体部材252の外側表面から径方向外側に向けて銅管251の内側表面に達することがない程度まで延びるようにして拡がっている。外側遮断部282は、銅管251の内側表面から径方向内側に向けて磁性体部材252の外側表面に達することがない程度まで延びるようにして拡がっている。
図17に、図16のM−M断面図を示す。図18に、図16のL―L断面図を示す。
ここでも、コイル68に電力が供給され、磁性体部材252の周囲に磁界が発生すると、磁性体部材252に渦電流が生じて発熱する。また、表皮効果によって、磁性体部材252の表面近傍が、内部よりも優先して発熱する点については、上記実施形態と同様である。ここでは、第1通過エリアT1を通過することで加熱される冷媒と、第2通過エリアT2を通過することで十分に加熱されていない冷媒とが、上記実施形態と同様にして入れ替わることで、冷媒を効率良く加熱させることができている。
(B)
上記実施形態では配管内ガイド81が銅管51の内側表面に溶接されている場合を、上記他の実施形態(A)では磁性体支持部283が銅管251の内側表面に溶接されている場合、をそれぞれ例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図19および図20に示すように、配管内ガイド81と内側遮断部82とを接続して一体化させる支持部材383(383a〜383d)と、ストッパ389とを備えた二重管350としてもよい。
ここで、配管内ガイド81と内側遮断部82と支持部材383とは、1つのユニットを形成している。ストッパ389は、冷媒流れ方向Rにおいて、このユニットの下流側に配置されており、このユニットが冷媒流れ方向の下流側に流れていかないように位置決めをすることができている。これにより、コイル68によって磁界が生じて誘導加熱が行われる部分における冷媒の加熱効率を良好にした流れを実現させることができる。
この場合には、配管内ガイド81の径方向外側を自由端にして、銅管51の内側に溶接しない構造とすることができる。
(C)
上記他の実施形態(B)では、磁性体管52を有する二重管350を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図21に示すように、ストッパ489によって下流側への流れが抑制された磁性体部材252を有しており、配管内ガイド281、支持部材483(483a〜483d)および外側遮断部282がこの磁性体部材252に一体化された二重管450としてもよい。
この場合には外側遮断部282の径方向外側を自由端にして、銅管251の内側に溶接しない構造とすることができる。
(D)
上記他の実施形態(B)では、銅管51、251の内側表面には何も溶接されていない構造を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図22に示すように、銅管51の曲げ部分が有る場合には、曲げ部分の一方と他方との間の曲げ中間部分に、配管内ガイド81と内側遮断部82とを接続して一体化させる支持部材383(383a〜383d)を配置した二重管550としてもよい。この場合には、上述したようなストッパが不要になる。
(E)
上記実施形態では、銅管51の内側表面が平滑である場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図23に示すように、銅管651の内側に径方向に凹凸した形状が採用された内面溝付き管を採用した二重管650としてもよい。この場合には、第1通過エリアS1を通過している冷媒の加熱有効表面積を増大させることにより、加熱効率を上げることができる。
(F)
上記実施形態では、磁性体管52と銅管51とが別々に構成された二重管50を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図24に示すように、上記実施形態で説明した銅管51の形状を維持しつつ材料を磁性体に代えた一重磁性体管752を有する配管750としてもよい。
(G)
上記実施形態では、磁性体管52と銅管51とが別々に構成されて互いに密着している二重管50を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、図25に示すように、銅管51と磁性体管52との間に他の部材850Bが介在した二重管850であってもよい。この他の部材850Bとしては、熱伝導率がよく、柔軟性が良好である材料が好ましく、例えば、シリコーンもしくはシリコン樹脂等の合成樹脂が好ましい。銅管51の外側表面と磁性体管52の内側表面との接触状態を良好に維持することが難しい場合であっても、シリコーンもしくはシリコン樹脂等の合成樹脂等が介在することで熱伝達効率を向上させることができるようになる。
(H)
上記実施形態では、二重管50の軸方向とコイル68の軸方向とが共通している場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図26に示すように、磁性体管52の周辺に磁界を生じさせることができるのであれば、コイル68の配置は特に限定されるものではなく、例えば、コイル168のように、二重管50の軸方向に垂直な軸をもつように配置してもよい。
(I)
上記実施形態では、冷媒回路10のうち、アキューム管Fに対して電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられる場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、アキューム管F以外の他の冷媒配管に設けられていてもよい。この場合には、電磁誘導加熱ユニット6を設ける冷媒配管部分に磁性体管52等の磁性体を設ける。
(J)
上記実施形態では、磁性体管52としてSUS430を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等としてもよい。磁性体材料としては、例えば、強磁性体であって電気抵抗が比較的高いものであり使用温度範囲よりもキュリー温度が高い材料が好ましい。
(K)
上記実施形態では、配管内ガイド81が、円周方向に一周していない形状について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、配管内ガイド81、281は、円弧方向に一周するように設けられていても良い。
<その他>
以上、本発明の実施形態について、いくつかの例を挙げて説明したが、本発明はこれらに限られない。例えば、上記記載から当業者が実施可能な範囲で、上述の実施形態の異なる部分を適宜組み合わせて得られる組合せ実施形態も、本発明に含まれる。
本発明を利用すれば、電磁誘導によって加熱された冷媒配管の内部を通過する冷媒の加熱効率を向上させることが可能なため、電磁誘導加熱方式によって冷媒を加熱する電磁誘導加熱ユニットや空気調和装置等に適用した場合に特に有用である。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷媒回路図である。 室外機の正面側を含む外観斜視図である。 室外機の内部配置構成斜視図である。 室外機の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図である。 アキューム管に取り付けられた電磁誘導加熱ユニットの概略斜視図である。 電磁誘導加熱ユニットから遮蔽カバーを取り除いた状態の外観斜視図である。 アキューム管に取り付けられた電磁誘導加熱ユニットの断面図である。 電磁誘導加熱ユニットの周囲に磁束が生じている状態の説明図である。 二重管の軸方向視平面図である。 二重管の断面図である。 図10のP−P断面についての断面図である。 図10のQ−Q断面についての断面図である。 冷媒の流れる様子を示す冷媒配管の部分断面説明図である。 冷媒の流れる様子を示す冷媒配管の部分断面説明図である。 他の実施形態(A)に係る二重管の軸方向視平面図である。 他の実施形態(A)に係る二重管の断面図である。 他の実施形態(A)に係る図16のM−M断面についての断面図である。 他の実施形態(A)に係る図16のL−L断面についての断面図である。 他の実施形態(B)に係る二重管の軸方向視平面図である。 他の実施形態(B)に係る二重管の断面図である。 他の実施形態(C)に係る二重管の断面図である。 他の実施形態(D)に係る二重管の断面図である。 他の実施形態(E)に係る内面溝付き管の軸方向視平面図である。 他の実施形態(F)に係る一重冷媒配管の軸方向視平面図である。 他の実施形態(G)に係る二重管の軸方向視平面図である。 他の実施形態(H)に係るコイルの配置例を示す図である。
符号の説明
1 空気調和装置
6 電磁誘導加熱ユニット
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器
24 電動膨張弁
41 室内熱交換器
50 二重管(冷媒配管)
51 銅管
52 磁性体管(加熱対象部材)
68 コイル
81 配管内ガイド
81a 第1配管内ガイド(第2加熱抑制ガイド)
81b 第2配管内ガイド(第1加熱抑制ガイド)
82 内側遮断部(流れ変更部、内側流れ変更部)
250、350、450、550、650、750 二重管
252、752 磁性体管(加熱対象部材)
281 配管内ガイド
281a 第1配管内ガイド(第2加熱抑制ガイド)
281b 第2配管内ガイド(第1加熱抑制ガイド)
282 外側遮断部(流れ変更部、外側流れ変更部)
389、489 ストッパ(位置決め部)
F アキューム管、冷媒配管
S1、T1 第1通過エリア(第1通過箇所)
S2、T2 第2通過エリア(第2通過箇所)

Claims (12)

  1. 冷媒配管(50、250、350、450、550、650、750、850)および/または前記冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材である加熱対象部材(52、252、752)を対象として、誘導加熱を行う電磁誘導加熱ユニット(6)であって、
    前記加熱対象部材(52、252、752)の近傍に配置されたコイル(68、168)と、
    前記加熱対象部材(52、252、752)側の第1通過箇所(S1、T1)を所定距離流れた冷媒を、前記冷媒配管内であって前記第1通過箇所(S1、T1)よりも前記加熱対象部材(52、252、752)から離れた第2通過箇所(S2、T2)に導く第1加熱抑制ガイド(81、281)と、
    を備えた電磁誘導加熱ユニット(6)。
  2. 前記冷媒流れを前記加熱対象部材(52、252、752)に近づく方向に向ける流れ変更部(82、282)をさらに備えた、
    請求項1に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  3. 前記第1加熱抑制ガイド(81、81b、281、281b)に対して冷媒流れ方向上流側に配置され、前記第1通過箇所(S1、T1)を所定距離流れた冷媒を、前記第2通過箇所(S2、T2)に導く第2加熱抑制ガイド(81、81a、281、281a)をさらに備え、
    前記流れ変更部(82、282)は、前記冷媒流れ方向において、前記第1加熱抑制ガイド(81、81b、281、281b)と前記第2加熱抑制ガイド(81、81a、281、281a)との間に配置されている、
    請求項2に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  4. 前記加熱対象部材(52)は、少なくとも前記冷媒配管(50)の外側に配置されており、
    前記第1加熱抑制ガイド(81、81b)は、前記冷媒配管(50)の内側表面もしくは前記冷媒配管(50)の内側表面近傍から径方向内側に向けて、前記冷媒配管(50)の軸に達しない程度まで延びている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  5. 前記流れ変更部(82)は、少なくとも前記冷媒配管(50)の軸部分から径方向外側に向けて、前記冷媒配管(50)の内側表面に達しない程度まで拡がっている部分を有している内側流れ変更部(82)である、
    請求項4に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  6. 前記第2加熱抑制ガイド(81、81a)は、前記冷媒配管(50)の内側表面もしくは前記冷媒配管(50)の内側表面近傍から径方向内側に向けて、前記冷媒配管(50)の軸に達しない程度まで延びている、
    請求項5に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  7. 前記加熱対象部材(252)は、少なくとも前記冷媒配管(250)の内側に配置されており、
    前記第1加熱抑制ガイド(281、281b)は、前記加熱対象部材(252)の外側表面もしくは前記加熱対象部材(252)の外側表面近傍から前記冷媒配管(250)の内側表面に向けて、前記冷媒配管(250)の内側表面に達しない程度まで延びている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  8. 前記流れ変更部(282)は、少なくとも前記冷媒配管(250)の内側表面もしくは前記冷媒配管(250)の内側表面近傍から径方向内側に向けて、前記加熱対象部材(252)の外側表面に達しない程度まで拡がっている部分を有している外側流れ変更部(282)である、
    請求項7に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  9. 前記第2加熱抑制ガイド(281、281a)は、前記加熱対象部材(252)の外側表面もしくは前記加熱対象部材(252)の外側表面近傍から前記冷媒配管(250)の内側表面に向けて、前記冷媒配管(250)の内側表面に達しない程度まで延びている、
    請求項8に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  10. 前記第1加熱抑制ガイド(81、281)は、径方向の長さ成分よりも、前記加熱対象部材(52、252)近傍における円弧長さ成分の方が長い、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  11. 前記第1加熱抑制ガイド(81、281)は、前記冷媒配管(350、450)に対して直接固定されることなく前記冷媒配管(350、450)の内側に存在し、
    前記冷媒配管(350、450)の冷媒の流れ方向において前記第1加熱抑制ガイド(81、281)に対する相対位置を定めつつ、前記第1加熱抑制ガイド(81、281)は通過させないが冷媒は通過させる位置決め部(389、489)をさらに備えている、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)と、
    前記冷媒配管(50、250、350、450、550、650、750、850)を含む冷凍サイクル(10)と、
    を備えた空気調和装置(1)。
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