JP2010073447A - 電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁誘導を生じさせるための電流が流れるコイルがほどけにくいようにすることができる電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供する。
【解決手段】SUS管Fによって外表面が構成されている冷媒配管Fの加熱を行う電磁誘導加熱ユニット6であって、ボビン本体65とコイル68とを備えている。コイル68は、ボビン本体65の近傍に配置されている。ボビン本体65は、コイル68のうち電源の供給を受けるためにボビン本体65から離れる方向に延びる部分68b、68cの少なくとも一部を保持する第1コイル保持部65bを有している。
【選択図】図35

Description

本発明は、電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置に関する。
冷凍サイクルには、冷媒の熱を放出させる放熱器や、冷媒に対して熱を与える加熱器等が備えられている。冷凍サイクルを循環する冷媒は、例えば、冷房運転サイクルにおいては室内の空気との間で熱交換を行って熱を得ており、暖房運転サイクルにおいては屋外の空気との間で熱交換を行って熱を得ている。
以下に示す特許文献1に記載の空気調和機の冷凍サイクルによると、上述のような室内の空気や屋外の空気から熱を得るだけでなく、別個に冷媒加熱装置によって冷媒が熱を得るシステムが提案されている。この冷媒加熱装置では、冷媒の流れる熱交換器をバーナで加熱させることにより、熱交換器内部を流れる冷媒に熱を与えている。このように、この空気調和機では冷媒加熱装置を採用しているため、冷媒が熱を必要とする場合において、室内や屋外の気温等の制約を受けることなく、冷媒を加熱することを可能にしている。
特開平8−210720号公報
上述のような冷媒加熱装置として、バーナ等の火を用いる方式の加熱ではなく、電気的な方式として電磁誘導加熱方式を採用することもできる。例えば、磁性体材料を含む冷媒配管の周りに電磁誘導コイルを巻き、この電磁誘導加熱コイルに対して電流を流すことで生じた磁束に起因して冷媒配管を発熱させることができる。そして、この冷媒配管における発熱を用いて、冷媒を加熱することができる。
しかし、冷媒配管の回りのボビンに巻き付けられたコイルがほどけてしまう場合には、冷媒配管の所望の位置に電磁誘導を生じさせることが困難になるおそれがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、電磁誘導を生じさせるための電流が流れるコイルがほどけにくいようにすることができる電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供することにある。
第1発明に係る電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、ボビンとコイルとを備えている。コイルは、ボビンの近傍に配置されている。ボビンは、コイルのうち電源の供給を受けるためにボビンから離れる方向に延びる部分の少なくとも一部を保持する保持部を有している。ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルのうち、電源の供給を受けるためにボビンから離れる方向に延びる部分の少なくとも一部は、コイルに設けられた保持部によって保持されている。このため、コイルがほどけることを防止できる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、コイルは、冷媒配管の少なくとも一部の回りを取り巻いている巻き付け部分を有している。ボビンは、コイルのうち巻き付け部分以外の部分の少なくとも一部を保持する保持部を有している。
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流を流すことで生じる磁束の一部を、冷媒配管が伸びている方向に沿わせることができる。これにより、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明または第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、コイルは、巻き付け部分よりも一端側である第1コイル部分と、巻き付け部分よりも他端側である第2コイル部分と、を有している。保持部は、第1コイル部分と第2コイル部分とをまとめて保持している。
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1コイル部分と第2コイル部分とがまとめられている。このため、コイルを電源まで接続させる際に、配線が複雑になりにくい。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットは、第3発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、第1コイル部分と巻き付け部分との境界である第1境界部と、第2コイル部分と巻き付け部分との境界である第2境界部とは、コイルの巻軸方向に離れて位置している。コイルのうち、第1境界部および第2境界部のうち保持部からの距離が遠い方から保持部まで伸びている保持部連絡部分と、巻き付け部分と、の間の少なくとも一部に配置されるスペーサをさらに備えている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、巻き付け部分と保持部連絡部分との間にスペーサが位置している。これにより、巻き付け部分と保持部連絡部分とが接触することによるコイルの損傷を防止できるようになる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットは、第4発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、スペーサは、保持部連絡部分の少なくとも一部に巻き付けられた部材である。
この電磁誘導加熱ユニットでは、スペーサが保持部連絡部分に巻き付いた形状であるため、保持部連絡部分が多少動いたとしても、スペーサは、保持部連結部分を軸として回転するだけで、外れにくい。これにより、保持部連絡部分と巻き付け部分との間により確実にスペーサを配置させることができるようになる。
第6発明の電磁誘導加熱ユニットは、第5発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、スペーサは、保持部連結部分から保持部によって保持されている被保持部分を超える部分への移動が規制され、保持部連絡部分から巻き付け部分への移動が規制されている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、スペーサは、被保持部を超えることができないように規制されつつ、巻き付け部分への移動もできないように規制されている。これにより、保持部連絡部分と巻き付け部分との間に位置するスペーサが外れてしまわないようにすることができる。
第7発明の電磁誘導加熱ユニットは、第3発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、第1コイル部分と巻き付け部分との境界である第1境界部と、第2コイル部分と巻き付け部分との境界である第2境界部とは、コイルの巻軸方向に離れて位置している。コイルのうち、第1境界部および第2境界部のうち保持部からの距離が遠い方から保持部まで伸びている保持部連絡部分に巻き付けられた絶縁部をさらに備えている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、保持部連結部分と巻き付け部分との絶縁を確保することができるようになる。
第8発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第7発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、ボビンに対してコイルが巻き付けられた状態における表面に設けられているワニス層をさらに備えている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、ワニス層によってコイル同士およびコイルとボビンとが固定され、コイルがよりほどけにくくなる。
第9発明の電磁誘導加熱ユニットは、第7発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、コイルのうち保持部から離れる方向に延びている部分であってワニス層が形成されていない部分の少なくとも一部は、ガラス繊維で覆われている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、ガラス繊維によってワニスが剥がされてしまうことを防止しつつ、コイルの耐熱性を向上させることができる。
第10発明の空気調和装置は、第1発明から第9発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットと、冷媒配管に冷媒を流す部分を含む冷凍サイクルと、を備えている。
この空気調和装置では、空気調和装置に電磁誘導加熱ユニットを備えさせた場合であっても、コイルの巻き付け部分がほどけることを防止することができる。
第1発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コイルがほどけることを防止できる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コイルを電源まで接続させる際に、配線が複雑になりにくい。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットでは、巻き付け部分と保持部連絡部分とが接触することによるコイルの損傷を防止できるようになる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットでは、保持部連絡部分と巻き付け部分との間により確実にスペーサを配置させることができるようになる。
第6発明の電磁誘導加熱ユニットでは、保持部連絡部分と巻き付け部分との間に位置するスペーサが外れてしまわないようにすることができる。
第7発明の電磁誘導加熱ユニットでは、保持部連結部分と巻き付け部分との絶縁を確保することができるようになる。
第8発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コイルがよりほどけにくくなる。
第9発明の電磁誘導加熱ユニットでは、ガラス繊維によってワニスが剥がされてしまうことを防止しつつ、コイルの耐熱性を向上させることができる。
第10発明の空気調和装置では、電磁誘導加熱ユニットを備えさせた場合であっても、コイルの巻き付け部分がほどけることを防止することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6およびこれを備えた空気調和装置1について、例に挙げて説明する。
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものであって、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、ホットガスバイパス回路H、分岐配管Kおよび合流配管Jを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。
室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。
室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。
室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。
室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続されている。
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fのうち、少なくとも電磁誘導加熱ユニット6によって覆われている被加熱部分は、銅管F1の周囲をSUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)管F2が覆って構成されている(図7参照)。冷媒回路10を構成する配管のうちSUS管以外の部分は、銅管で構成されている。なお、上記銅管の周囲を覆う管の材質はSUSに限定されるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等とすることができる。また、SUSとしては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系の3種およびこれらの種類を組み合わせたものが例として挙げられる。また、ここでのアキューム管Fは、磁性体および磁性体を含有する材料を備えていなくてもよく、誘導加熱が行われる対象となる材質を含有するものであればよい。なお、磁性体材料は、例えば、アキューム管Fのすべてを構成していてもよいし、アキューム管Fの内側表面のみに形成されていてもよく、アキューム管F配管を構成する材料中に含有されることで存在していてもよい。このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。
分岐配管Kは、室外熱交換器23の一部を構成しており、熱交換を行うための有効表面積を増大させるために、室外熱交換器23のガス側出入口23eから伸びる冷媒配管が後述する分岐合流点23kで複数本に分岐した配管である。この分岐配管Kは、分岐合流点23kから合流分岐点23jまで伸びており、合流分岐点23jで合流している。
合流配管Jは、室外熱交換器23の一部を構成しており、合流分岐点23jから室外熱交換器23の液側出入口23dまで伸びている配管である。合流配管Jは、冷房運転時に室外熱交換器23から流れ出る冷媒の過冷却度を統一させることができるとともに、暖房運転時に室外熱交換器23の下端近傍に着霜した氷を解凍させることができる。
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
室外熱交換器23は、ガス側出入口23e、液側出入口23d、分岐合流点23k、合流分岐点23j、分岐配管K、合流配管Jおよび熱交フィン23zを有している。ガス側出入口23eは、室外熱交換器23の室外側ガス管E側の端部に位置しており、室外側ガス管Eと接続される。液側出入口23dは、室外熱交換器23の室外側液管D側の端部に位置しており、室外側液管Dと接続される。分岐合流点23kは、ガス側出入口23eから伸びる配管を分岐させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を分岐もしくは合流させることができる。分岐配管Kは、分岐合流点23kにおける各分岐部分から複数本伸びている。合流分岐点23jは、分岐配管Kを合流させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を合流もしくは分岐させることができる。合流配管Jは、合流分岐点23jから液側出入口23dまで伸びている。熱交フィン23zは、板状のアルミフィンが板厚方向に複数枚並んで、所定の間隔で配置されて構成されている。分岐配管Kおよび合流配管Jは、いずれも、熱交フィン23zを共通の貫通対象としている。具体的には、分岐配管Kおよび合流配管Jは、共通の熱交フィン23zの異なる部分で板圧方向に貫通して配置されている。
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外機2の背面側の外観斜視図を示す。図4に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図5に、室外熱交換器23および底板2bとの位置関係についての斜視図を示す。
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に図示しない仕切り板を介して区切られている。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。合流配管Jは、室外熱交換器23の熱交フィン23zのうち最も下の部分において、熱交フィン23zを厚み方向に貫通することで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図6に、電磁誘導加熱ユニット6の概略斜視図を示す。図7に、電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。図8に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち被加熱部分を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって被加熱部分を加熱する。このアキューム管Fの被加熱部分は、内側の銅管F1と外側のSUS管F2とを有する二重管構造となっている。なお、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fへ固定する前に、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して位置決めさせるため、図11に示すようなビィンディング97が用いられる。これにより、電磁誘導加熱ユニット6のアキューム管Fに対する位置が定まったままで、固定作業を行うことができ、作業性がよい。
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、C型リング62、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15を備えている。
第1六角ナット61は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して上端近傍で固定する。第2六角ナット66は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して下端近傍で固定する。
C型リング62は、樹脂製であって、第1六角ナット61および第1ボビン蓋63と協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。なお、図示しないが、第2六角ナット66および第2ボビン蓋64とも協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。
第1ボビン蓋63は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6においてアキューム管Fとコイル68との相対位置を決める部材の1つであり、電磁誘導加熱ユニット6の上方でアキューム管Fを周囲から覆う。第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、第1ボビン蓋63と同一形状であって、電磁誘導加熱ユニット6の下方でアキューム管Fを周囲から覆う。図13に、第1ボビン蓋63の上面図を示す。図14に、第1ボビン蓋63の下面図を示す。第1ボビン蓋63は、アキューム管Fを貫通させつつ、第1六角ナット61およびC型リング62と協同してアキューム管Fと電磁誘導加熱ユニット6とを固定させるための配管用筒状部63cを有している。第1ボビン蓋63は、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cを通過させつつ保持するために、外周部分から内側に向けて形成された略T字形状のフック形状部63aを有している。第1ボビン蓋63は、ボビン本体65とSUS管F2との間に滞留している熱を外部に放出させるために上下方向に貫通した放熱開口65bを複数有している。第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔63dを4つ有している。さらに、第1ボビン蓋63は、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fを有している。このヒューズ差し込み開口63dは、図16に示すヒューズ15を取り付ける際の開口であって、ヒューズ15の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。サーミスタ差し込み開口63fは、図15に示すサーミスタ14を取り付ける際の開口であって、サーミスタ14の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。なお、サーミスタ14およびヒューズ15は、電磁誘導加熱ユニット6の下方から取り付けられるため、第1ボビン蓋63のサーミスタ差し込み開口63fおよびヒューズ差し込み開口63dは、放熱開口63bと同様の放熱機能を発揮することになる。ここで、放熱しようとする暖かい空気はボビン本体65内の上方の空間に溜まるため、上方の放熱開口を下方よりも多く設けておくことで効率的な放熱を行うことが可能となっている。そして、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fにはサーミスタ14が挿入され、第2ボビン蓋64のヒューズ差し込み開口63dにはヒューズ15が挿入され、それぞれ取り付けられる。図14に示すように、第1ボビン蓋63の下面側には、ボビン本体65の上端円筒部(後述する)の内側に位置することでボビン本体65と嵌り合うボビン用筒上部65gが下方に延びている。このボビン用筒上部65gは、上述した放熱開口63b、螺着孔63d、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fの貫通状態を閉ざすことないように、各開口の外縁に沿った部分から貫通方向に延びて形成されている。なお、第1ボビン蓋63が有している開口や形状は、第2ボビン蓋64についても同様であり、第1ボビン蓋63における63番台の各部材番号は第2ボビン蓋64における64番台の部材番号にそれぞれ対応させて示し、説明は省略する。なお、第2ボビン蓋64についても、第1ボビン蓋63と同様に、配管用筒上部64cを有しており(図7参照)、ボビン本体65の下端円筒部(後述する)に対して嵌り合う。
ボビン本体65は、図9の概略斜視図に示すように、コイル68が巻き付けられる。ボビン本体65は、図10に示すように、円筒状の形状である円筒部65aを有している。ボビン本体65は、上端からわずかに下がった部分で径方向に突出して形成される第1巻き止め部65sと、下端からわずかに上がった部分で径方向に突出して形成される第2巻き止め部65tと、を有している。第1巻き止め部65sより上方には、上端円筒部65xが延びている。第2巻き止め部65tより下方には、下端円筒部65yが延びている。第1巻き止め部65sは、径方向外側にさらに突出した第1コイル保持部65bを有している。この第1コイル保持部65bは、コイル第1部分68bを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65cと、コイル第2部分68cを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65dと、を有している。第2巻き止め部65tは、第1巻き止め部65sと同様に、コイル保持溝65f、65gが形成された第2コイル保持部65eを有している。図12の電磁誘導加熱ユニット6の下面図に示すように、ボビン本体65に形成されているコイル保持溝65f、65gは、アキューム管Fが延びる方向からみた場合に、第2ボビン蓋64のフック形状部64aによって外側が覆われることで、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cをより確実に保持することができている。また、コイル保持溝65f、65gと、フック形状部64aとは、アキューム管Fが延びている方向にずれて配置されるため、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cが延びている方向の複数箇所において保持することができるため、コイル68に対して局所的な負荷が生じにくいようにすることができている。ボビン本体65には、アキューム管F側の内側において、アキューム管Fとの間に空間が形成されており、コイル68に電流が流れた際に生じる磁束がより効率的にアキューム管FのSUS管F2を通過するように距離をとっている。
第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込む。また、第1フェライトケース71は、後述する第1フェライト98および第2フェライト99を収容する部分を有している。第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74についても、第1フェライトケース71と同様であって、これらは、ボビン本体65、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64を外側4方向から覆う位置に配置される。図6、図8および図12に示すように、第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74それぞれと、金属製のネジ69を介して螺着され、固定される。
第1フェライト98は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成されており、コイル68に電流を流した際に、SUS管F2以外の部分にも生じる磁束を集めて磁束の通り道を形成する。この第1フェライト98は、特に、電磁誘導加熱ユニット6の上端近傍および下端近傍の第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部に収容される。第2フェライト99についても、配置位置および形状以外は上記第1フェライト98と同様であり、第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部のうちボビン本体65の外側近傍の位置に配置される。ここで、第1フェライト98および第2フェライト99が設けられていない場合には、例えば、図17に示すように、周囲に磁束が漏れ出してしまうことになる。これに対して、本実施形態の電磁誘導加熱ユニット6では、コイル68の外側に第1フェライト98および第2フェライト99が設けられているために、図18に示すように磁束が流れ、漏れ磁束を低減させることができている。
コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられているコイル巻き付け部分68a、コイル巻き付け部分68aに対してコイル68の一端側に延びているコイル第1部分68bと、コイル68の一端側とは反対側である他端側に延びているコイル第2部分68cと、を有している。このコイル68は、第1〜第4フェライトケース71〜74の内側に位置している。コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、図11に示すように、制御用プリント基板18と接続されている。そして、コイル68は、この制御用プリント基板18から高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板18は、制御部11によって制御されている。高周波電流の供給を受けると、コイル巻き付け部分68aが磁束を生じさせる。具体的には、図18において点線で示すように、SUS管F2のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、第1フェライト98、第2フェライト99および遮蔽カバー75のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、をアキューム管Fに対する径方向であってかつ軸方向に広がっている面上において略楕円形状となるように磁束が生じる。このようにして生じた磁束によって、SUS管F2は、電磁誘導によって電流(渦電流)が生じる。ここでSUS管F2を電流が流れる際に電気抵抗となる部分で発熱が生じることになる。このように、コイル68は、ボビン本体65の外側に巻き付けるだけで、軸方向がアキューム管Fの軸方向と略共通となるようにコイル68を配置させることができる。そして、コイル68が略筒状形状に配置されることで、アキューム管FのSUS管F2に対してより多くの磁束を供給することができ、加熱効率を向上させることができている。なお、ここでは、コイル68の材料として、効率よく磁束を生じさせる観点から、良導体である銅線を用いている。なお、コイル68の材料としては、電気を流せるものであれば特に限定されるものではない。
遮蔽カバー75は、図6と図8を比較すると分かるように、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。図6に示すように、遮蔽カバー75は、第1フェライトケース71に対して、ネジ70a、70b、70c、70dを介して螺着されることで固定されている。これにより、電磁誘導加熱ユニット6においては、この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
サーミスタ14は、図15に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、サーミスタ検知部14a、外側突起14b、側面突起14cおよびサーミスタ配線14dを有している。サーミスタ検知部14aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うような形状を有しており、実質的な接触面積を有している。外側突起14bは、サーミスタ14の取り付け状態において、アキューム管Fから離れる方向に突出した状態となる突起であって、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっている。側面突起14cも、外側突起14bと同様に第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっており、外側突起14bから離れる向きに延びている。サーミスタ配線14dは、サーミスタ検知部14aの検知結果を信号にして制御部11まで伝える。なお、サーミスタ14は、図15において上方に向けて挿入されるが、外側突起14bおよび側面突起14cを有しているため、サーミスタ差し込み開口63fと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、サーミスタ14の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
ヒューズ15は、図16に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、ヒューズ検知部15a、非対称形状15bおよびヒューズ配線15dを有している。ヒューズ検知部15aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うように湾曲した窪み形状を有しており、実質的な接触面積を有している。非対称形状15bは、上述したサーミスタ14と同様に、図16において上方に向けて挿入されるが、ヒューズ差し込み開口63dと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、ヒューズ15の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。ヒューズ配線15dについても、制御部11にタイして接続されている。そして、ヒューズ15が所定温度を超える温度を検知した場合に、コイル68への電力供給を停止させる制御を、制御部11に開始させる。
<1−4>ボビン本体65
以下、ボビン本体65の詳細を説明する。
図19に、コイル68が巻き付けられた状態のボビン本体65の側面図を示す。図20に、コイル68が巻き付けられた状態のボビン本体65の上面図を示す。
ボビン本体65には、軸方向の第1巻き止め部65sと第2巻き止め部65tの間に位置する円筒形状部分の円筒部65aに対して、コイル68が巻き付けられている。そして、コイル68のうち、コイル巻き付け部分68a以外の部分であるコイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cが第1コイル保持部65bに保持されて、ボビン本体65から離れる方向に伸びている。そして、図20に示すように、第1コイル保持部65bでは、コイル第1部分68bをコイル保持溝65cが保持しており、コイル第2部分68cをコイル保持溝65dが保持している。
ボビン本体65は、図20の上面図に示すように、円筒部65aの内側のボビン本体65の上方からさらに内側に伸びている複数の突起、および、円筒部65aの内側のボビン本体65の下方からさらに内側に伸びている複数の突起、を有している。
ボビン本体65は、具体的には、上方の突起である第1本体上突起65j、第2本体上突起65k、第3本体上突起65mと、下方の突起であるサーミスタ突起65n、ヒューズ突起65p、第1本体下突起65q、第2本体下突起65rと、を有している。
図21に、ボビン本体65の上方からの外観斜視図を示す。図22に、ボビン本体65の下方からの外観斜視図を示す。ここで、図23に、ボビン本体65の上面図において、各切断面を示す。図24は、A−A切断面である。図25は、B−B切断面である。図26は、C−C切断面である。図27は、D−D切断面である。
上方の突起である第1本体上突起65j、第2本体上突起65kおよび第3本体上突起65mは、いずれも周方向における異なる位置から径方向内側に向けて伸びている。
第1本体上突起65jと第2本体上突起65kとは、図25のD−D断面に示すように、円筒部65aの上半分の内側部分から径方向内側に向かって互いに近づくようにわずかに伸びている。なお、第2本体上突起65kは、図21に示すように、第1巻き止め部65sの伸びている部分の径方向内側を上端としている。なお、第1本体上突起65j、第3本体上突起65mについても上端高さは同じである。
第3本体上突起65mは、第1本体上突起65jと第2本体上突起65kとは異なる断面に位置しており、図26のC−C断面に示すように、第1本体上突起65jおよび第2本体上突起65kと同程度に、径方向内側にわずかに伸びている。
下方の突起であるサーミスタ突起65n、ヒューズ突起65p、第1本体下突起65qおよび第2本体下突起65rが、いずれも周方向の異なる位置から径方向内側に向けて伸びている。
サーミスタ突起65nとヒューズ突起65pとは、図27のD−D断面に示すように、円筒部65aの下半分の内側部分から径方向内側に向かって互いに近づくように大きく伸びている。サーミスタ突起65nとヒューズ突起65pの突起は、他の突起と比べてより長く突出して形成されており、突出部分の先端が、アキューム管Fの外表面近傍に至まで伸びている。これにより、アキューム管Fに対してボビン本体65の位置を安定させることができている。サーミスタ突起65nは、図27および図22に示すように、突起の下面側には上下方向に凹凸している凹凸形状が形成されており、突起の先端近傍における下面側のうちアキューム管Fの径方向内側にサーミスタ14と当接するサーミスタ当接面65nsが形成されている。また、後述するサーミスタ取付バネ16を第2ボビン蓋64との間で狭持する際にサーミスタ取付バネ16と接するサーミスタバネ当接面65ntが、サーミスタ突起65nの下側の先端近傍における下面側のうちアキューム管Fの径方向外側に形成されている。
ヒューズ突起65pは、図27および図22に示すように、突起の下面側には上下方向に凹凸している凹凸形状が形成されており、突起の先端近傍における下面側にヒューズ15と当接するヒューズ当接面65psが形成されている。また、後述するヒューズ取付バネ17を第2ボビン蓋64との間で狭持する際にヒューズ取付バネ17と接するヒューズバネ当接面65ptが、ヒューズ突起65pの下側の先端近傍における下面側のうちアキューム管Fの径方向外側に形成されている。
第1本体下突起65qと第2本体下突起65rとは、図24のA−A断面に示すように、円筒部65aの下半分の内側部分から径方向内側に向かって互いに近づくようにわずかに伸びている。
なお、上述したように、ボビン本体65には、第1本体上突起65j、第2本体上突起65k、第3本体上突起65m、サーミスタ突起65n、ヒューズ突起65p、第1本体下突起65qおよび第2本体下突起65rが設けられているため、筒状の形状を強固にさせることができている。
<1−5>ボビン蓋63、64
以下、ボビン蓋63、64の詳細を説明する。図13および図14に示す断面に対応させた第1ボビン蓋63の断面図を、図28〜図33に示す。図28は、第1ボビン蓋63のA−A断面を示す断面図である。図29は、第1ボビン蓋63のB−B断面を示す断面図である。図30は、第1ボビン蓋63の矢視C方向視における側面図である。図31は、第1ボビン蓋63の矢視D方向視における側面図である。図32は、第1ボビン蓋63の矢視E方向視における側面図である。図33は、第1ボビン蓋63のF−F断面を示す断面図である。なお、第2ボビン蓋64については、第1ボビン蓋63と同様の形状であるため、説明を省略する。なお、第2ボビン蓋64の各部については、第1ボビン蓋63の各部の部材番号を64番台で置き換えたものが対応しているものとする。
図28および図29に示すように、第1ボビン蓋63は、下面側において、ボビン本体65の内側に位置することでボビン本体65に挿入されて嵌り合うために、円筒状に延びて形成されているボビン用筒上部65gを有している。
このボビン用筒上部65gには、図30の矢視C側面図に示すように、略T字形状のフック形状部63a側の近傍において、ボビン本体65の第1本体上突起65jを、第1本体上突起65jの厚み方向から挟み込んで挿入方向の所定位置まで導くガイド溝63jが形成されている。このガイド溝63jは、第1本体上突起65jの厚み方向から挟み込むために互いに向かい合って形成されているガイド側面63jsを有している。また、ガイド溝63jは、第1本体上突起65jの挿入向き先端部分と当接して挿入方向における位置関係を定める当接底部63jbを有している。
なお、ボビン用筒上部65gには、図30において、ガイド溝63jと奥行き方向に重なって示されているように、ガイド溝63jから見て略180度反時計回りした対向する位置に、ボビン本体65の第2本体上突起65kを、第2本体上突起65kの厚み方向から挟み込んで挿入方向の所定位置まで導くガイド溝63kが形成されている。このガイド溝63kは、第2本体上突起65kの厚み方向から挟み込むために互いに向かい合って形成されているガイド側面63ksを有している。また、ガイド溝63kは、第2本体上突起65kの挿入向き先端部分と当接して挿入方向における位置関係を定める当接底部63kbを有している。
また、ボビン用筒上部65gには、図31の矢視D側面図に示すように、略T字形状のフック形状部63a側の近傍に設けられたガイド溝63jから上面視において略90度反時計回りした位置に、ボビン本体65の第3本体上突起65mを、第3本体上突起65mの厚み方向から挟み込んで挿入方向の所定位置まで導くガイド溝が形成されている。このガイド溝63mは、第3本体上突起65mの厚み方向から挟み込むために互いに向かい合って形成されているガイド側面63msを有している。また、ガイド溝63mは、第3本体上突起65mの挿入向き先端部分と当接して挿入方向における位置関係を定める当接底部63mbを有している。
なお、ボビン用筒上部65gには、図32の矢視E側面図に示すように、ガイド溝63jから上面視略90度時計回りした位置に、サーミスタ取付溝63xが形成されている。このサーミスタ取付溝63xは、サーミスタ14を取り付けるための形状が設けられている。このサーミスタ取付溝63xは、サーミスタ14を略周方向から挟み込むために互いに向かい合って形成されているサーミスタ取付側面63xsを有している。また、サーミスタ取付溝63xは、サーミスタ14をアキューム管Fの外表面に押し当てるためのバネを指示するためのバネ当接底部63xbを有している。
図33の第1ボビン蓋63のF−F断面図に示すように、第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74と、ネジ69を介して螺着するための、螺着用凸部63dgが設けられている。螺着用凸部63dgは、螺着孔63dのネジ進行方向の幅を確保するために、軸方向に延びて設けられた突起である。ネジ69用の螺着孔63dは、この螺着用凸部63dgにおいて、軸方向に貫通したネジ穴である。
<1−6>ボビン本体65とボビン蓋63、64との勘合
上述した第1ボビン蓋63とボビン本体65とは、ボビン本体65の上側において勘合する。実際には、後述するように、ボビン本体65の全表面にはワニス94が塗布されているため、ワニスの膜厚分だけボビン本体65の外周は大きくなっている(図34参照)。したがって、以下に説明するボビン本体65と第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64との勘合は、いずれもボビン本体65の表面に形成されたワニス層を介して行われることになる。
ボビン本体65の第1本体上突起65jは、第1ボビン蓋63のガイド溝63jと嵌り合う。すなわち、第1本体上突起65jは、第1本体上突起65jの厚み方向からガイド側面63jsによって挟み込まれた状態で挿入されていき、第1本体上突起65jの挿入向き先端部分と当接底部63jbとがワニス94を介して当接することで挿入方向における位置関係が定められる。同様に、ボビン本体65の第2本体上突起65kは、第1ボビン蓋63のガイド溝63kとワニス94を介して嵌り合う。ボビン本体65の第3本体上突起65mは、第1ボビン蓋63のガイド溝63mとワニス94を介して嵌り合う。
ここで、第1本体上突起65jがガイド溝63jと、第2本体上突起65kがガイド溝63kと、第3本体上突起65mがガイド溝63mと、それぞれ嵌り合っているという第1ボビン蓋63とボビン本体65との相対位置および相対角度の状態において、両者はワニス94を介して嵌り合うことができる。この相対位置および相対角度からずれた状態では、第1〜第3本体上突起65j、65k、65mがガイド溝63j、63k、63mに導かれず、周囲の他の部分に当接してしまう。このため、第1ボビン蓋63とボビン本体65とは、所定の相対位置および相対角度においてのみ、勘合することができるようになっている。
上述した第2ボビン蓋64とボビン本体65とは、ボビン本体65の下側においてワニス94を介して勘合する。
ここで、サーミスタ突起65nがサーミスタ取付溝64xと、ヒューズ突起65pがガイド溝64jと、第1本体下突起65qがガイド溝63jと、第2本体下突起65rがガイド溝63kと、それぞれ嵌り合っているという第2ボビン蓋64とボビン本体65との相対位置および相対角度の状態において、両者はワニス94を介して嵌り合うことができる。この相対位置および相対角度からずれた状態では、サーミスタ突起65n、ヒューズ突起65p、第1本体下突起65qおよび第2本体下突起65rは、サーミスタ取付溝64x、ガイド溝64j、64k、64mに導かれず、周囲の他の部分に当接してしまう。このため、第2ボビン蓋64とボビン本体65とは、所定の相対位置および相対角度においてのみ、勘合することができるようになっている。
上述のように、ボビン本体65と第1ボビン蓋63とは、ワニス94を介して勘合している。また、ボビン本体65と第2ボビン蓋64とは、ワニス94を介して勘合している。そして、このようにボビン本体65の外表面にワニス94が塗布されることから、上述したボビン本体65の上端円筒部65xの径方向内側の円周面と、第1ボビン蓋63のボビン用筒上部65gにおける径方向外側の略円周面と、の間は、余分な隙間が残るように設計されている。このため、ボビン本体65と第1ボビン蓋63とだけでは、互いの位置を固定するように勘合することはできず、不安定な状態のままである。そして、ボビン本体65と第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とが勘合している状態において、アキューム管Fの軸方向における長さは、ワニス94の膜厚分だけ増大していることになる。以上を考慮して、第1〜第4フェライトケース71〜74の長手方向の長さは、ワニス94の膜厚分だけ長く設計されており、軸方向の上方と下方から第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64とを挟み込むことができる。そして、ネジ69を介して第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64を螺着させることができ、安定した固定状態を実現している。
<1−7>サーミスタ14およびヒューズ15の取付
図34の、電磁誘導加熱ユニット6の下方端部近傍の概略断面図を示す。
サーミスタ14およびヒューズ15は、第2ボビン蓋64とボビン本体65とが勘合している状態において、下方からアキューム管Fの軸方向上向きに向けて取り付けられる。
ボビン本体65のサーミスタ突起65nは、サーミスタ取付溝64xに対して嵌り合うことで、ボビン本体65と第2ボビン蓋64との相対角度を規定している。そして、ボビン本体65のヒューズ突起65pについても、ガイド溝64jに対して嵌り合うことで、ボビン本体65と第2ボビン蓋64との相対角度を規定している。
このように、第2ボビン蓋64とボビン本体65とが勘合している状態で、サーミスタ14は、サーミスタ差し込み開口64fを通じてアキューム管Fの軸方向における下から上に向けて挿入され、取り付けられる。また、ヒューズ15も、ヒューズ差し込み開口64eを通じてアキューム管Fの軸方向における下から上に向けて挿入され、取り付けられる。
<1−8>コイル68の保持
ボビン本体65と第1ボビン蓋63とが勘合している状態では、ボビン本体65の第1コイル保持部65bと、第1ボビン蓋63の略T字形状のフック形状部63aとが、アキューム管Fの周方向において同一方向に位置する。
これにより、上面視において、ボビン本体65の第1コイル保持部65bのコイル保持溝65cとコイル保持溝65dを、第1ボビン蓋63のフック形状部63aが径方向外側から覆うように位置することになる。これにより、上面視において、コイル保持溝65cとフック形状部63aとによって囲まれた空間と、コイル保持溝65dとフック形状部63aとによって囲まれた空間が、アキューム管Fの軸方向に延びるように設けられることになる。
そして、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、各空間をそれぞれ通過するようにして保持される。ここでは、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cともに、コイル保持溝65cもしくはコイル保持溝65dと、フック形状部63aと、の2カ所において保持される。このため、一カ所においてコイル68を保持する場合よりも、コイル68にかかる張力を分散させることができるようになっている。これにより、コイル68の摩擦による切断等を防止し、機器の信頼性を向上させることができている。
なお、保持されたコイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、いずれもアキューム管Fの軸方向上方に向けて延びるように配線されている。
<1−9>サーミスタ配線14dおよびヒューズ配線15dの結束バンドによる保持
ボビン本体65と第2ボビン蓋64とが勘合している状態では、ボビン本体65の第2コイル保持部65eと、第2ボビン蓋64の略T字形状のフック形状部64aとが、アキューム管Fの周方向において同一方向に位置する。
これにより、上面視において、ボビン本体65の第2コイル保持部65eのコイル保持溝65fとコイル保持溝65gを、第2ボビン蓋64のフック形状部64aが径方向外側から覆うように位置することになる。これにより、上面視において、コイル保持溝65fとフック形状部64aとによって囲まれた空間と、コイル保持溝65gとフック形状部64aとによって囲まれた空間が、アキューム管Fの軸方向に延びるように設けられることになる。
そして、この空間をアキューム管Fの軸方向に通過するように結束バンド(図示せず)の一部を通過させ、サーミスタ配線14dおよびヒューズ配線15dを結束させるようにしてもよい。
これにより、サーミスタ配線14dおよびヒューズ配線15dにかかる張力を低減させることができ、サーミスタ配線14dおよびヒューズ配線15dの抜けを防止することができ、機器の信頼性を向上させることができている。
なお、保持されたサーミスタ配線14dおよびヒューズ配線15dは、いずれも、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cの配線が延びる向きとは反対側である、アキューム管Fの軸方向下方に向けて延びるように配線されている。
<1−10>コイル68とスペーサ95
図35に、ボビン本体65に対してコイル68が巻き付けられ、コイル第1部分68bについて未だボビン本体65のコイル保持溝65dに保持されていない段階の状態を示す。図36に、ワニス94に付けられた後の状態におけるボビン本体65およびコイル68の概略斜視図を示す。
コイル第1部分68bは、コイル巻き付け部分68aのうちボビン本体65の第2巻き止め部65t近傍まで巻き付けられた第1境界部分68abから延びている保持部連絡部分68xを有している。コイル第2部分68cは、コイル巻き付け部分68aのうちボビン本体65の第1巻き止め部65s近傍まで巻き付けられた第2境界部分68acが、コイル保持溝65dに保持されてボビン本体65から離れる方向に延びている。
保持部連絡部分68xには、図35に示すように、スペーサ95が巻き付けられており、外表面が覆われている。スペーサ95は、樹脂等によって構成されている。このスペーサ95は、絶縁機能を有しているため、図36に示すようにコイル第2部分68cが第1巻き止め部65sに保持された状態においても、保持連絡部分68xとコイル巻き付け部分68aとの絶縁状態が保たれるようになっている。また、スペーサ95は、断熱機能をも有しているため、保持連絡部分68xとコイル巻き付け部分68aとの間の熱の移動を抑えつつ、電磁誘導加熱されたSUS管F2から漏れ出した熱の保持部連絡部分68xへの影響を抑えることもできている。
そして、コイル第1部分68bは、図36に示すように、第1境界部分68abから延びる保持部連絡部分68xをスペーサ95によって覆った状態を保ちつつ、コイル保持溝65cにおいて保持される。これにより、スペーサ95は、コイル第1部分68bのうち、第1境界部分68abからコイル保持溝65cによって保持されている部分の間に位置することになる。したがって、スペーサ95は、保持部連絡部分68xが多少動いたとしても、保持部連結部分68xを軸として回転するだけである。このため、コイル保持溝65cによる保持部分を超えてしまうことがないように規制されており、コイル巻き付け部分68aへの移動もできないように規制されているため、スペーサ95は、保持部連絡部分68xとコイル巻き付け部分68aとの間に必ず位置して、両者の絶縁を保ち、両者の摩擦および損傷を抑えることができるようになっている。
<1−11>ワニス94による保護および固着
上述したように、コイル第1部分68bをコイル保持溝65cが保持しており、コイル第2部分68cをコイル保持溝65dが保持している状態で、ボビン本体65およびコイル68の両方をワニス94に浸け、図36に示すように、外表面にワニス94の層を形成させる。これにより、コイル68の接触部分同士を固着させること、保持部連絡部分68xとコイル巻き付け部分68aとを固着させること、コイル68とボビン本体65を固着させること、および、コイル68の外表面を絶縁させることが可能になる。これにより、コイル68自体が水にさらされることがあっても、漏電等が生じにくくなっている。また、コイル68とボビン本体65とが固着されているため、コイル68がほどけにくくなっている。
<1−12>ガラス繊維93
コイル第1部分68bのうち、第1コイル保持部65bの保持部分からボビン本体65から離れる方向に延びている部分と、コイル第2部分68cの第1コイル保持部65bの保持部分からボビン本体65から離れる方向に延びている部分は、ガラス繊維93によって覆われている。これにより、コイル第1部分68bとコイル第2部分68cとを互いに絶縁状態に保つことができる。また、コイル68の耐熱性を付与させることができる。なお、ガラス繊維93は、ワニス94と接触しない位置に設けられているため、ガラス繊維93によってワニス94が剥がされることがないようになっている。
<1−13>ハーネス92
上述したコイル68は、1本が0.3〜0.4mmの銅線が30〜40本束ねられ、さらに縒り線状態となっている。このコイル第1部分68bの端部およびコイル第2部分68cの各端部は、ハーネス92が取り付けられている。そして、コイル68へ電流を供給するための配線接続は、このハーネス92を介して行われている。ハーネス92は、細い銅線を束ねるように圧接しており、銅線とハーネス92との間にはハンダが流し込まれて固定される。これにより、曲げに弱い銅線は、ハーネス92がまとめて圧接することで強固にすることができ、配線接続作業時においてコイル68の損傷を抑えることができている。
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
本実施形態の空気調和装置1の電磁誘導加熱ユニット6では、コイル68のコイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cの両方が、ボビン本体65の第1コイル保持部65bの一カ所においてまとめられている。このため、コイル68を電源まで接続させる際に、配線が複雑になりにくくなっている。
さらに、コイル68は、ワニス94によってボビン本体65に固着しているため、よりいっそうほどけにくくなっている。なお、ワニス94に浸ける前段階であっても、コイル68のコイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cのいずれもが第1コイル保持部65bにおいて保持されているため、ワニス94に浸ける段階でほどけてしまうことによる生産性の悪化を防止することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上記実施形態では、コイル68が1本の連続した配線によって構成されている場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図37に示すように、コイル巻き付け部分168a、コイル第1部分168b、コイル第2部分168cを有するコイル168をさらに備えることで、コイルが複数本によって構成されていてもよい。
このような場合には、コイル68と、コイル168に対する高周波電流の供給を制御部11が個別に制御して、誘導加熱の度合いを単に1本のコイルに流す電力を調整するだけでなく、複数本のコイルに流す電力を段階的に制御することが可能になる。
(B)
上記実施形態では、冷媒回路10のうち、アキューム管Fに対して電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられる場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、アキューム管F以外の他の冷媒配管に設けられていてもよい。この場合には、電磁誘導加熱ユニット6を設ける冷媒配管部分にSUS管F2等の磁性体を設ける。
(C)
上記実施形態では、アキューム管Fは、銅管F1とSUS管F2との二重管として構成されている場合を挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
図38に示すように、例えば、被加熱部材F2aと、2つのストッパーF1aと、がアキューム管Fや加熱対象となる冷媒配管の内部に配置されていてもよい。ここで、被加熱部材F2aは、磁性体材料を含有しており、上記実施形態における電磁誘導加熱によって発熱を生じる部材である。ストッパーF1aは、銅管F1の内側二カ所において、冷媒の通過を常時許容するが、被加熱部材F2aの通過は許容しない。これにより、被加熱部材F2aは、冷媒が流れても移動しない。このため、アキューム管F等の目的の加熱位置を加熱させることができる。さらに、発熱する被加熱部材F2aと冷媒とが直接接触するため、熱伝達効率を向上させることができる。
(D)
上記他の実施形態(C)で説明した被加熱部材F2aは、ストッパーF1aを用いることなく配管に対して位置が定まるようにしてもよい。
図39に示すように、例えば、銅管F1に二カ所で曲げ部分FWを設け、当該二カ所の曲げ部分FWの間の銅管F1の内側に被加熱部材F2aを配置させてもよい。このようにしても、冷媒を通過させつつ、被加熱部材F2aの移動を抑制させることができる。
(E)
上記実施形態では、コイル68がアキューム管Fに対して螺旋状に巻き付けられている場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図40に示すように、ボビン本体165に巻き付けられたコイル168が、アキューム管Fに巻き付くことなく、アキューム管Fの周囲に配置されていてもよい。ここでは、ボビン本体165は、軸方向がアキューム管Fの軸方向に対して略垂直となるように配置されている。また、ボビン本体165およびコイル168は、アキューム管Fを挟むように2つに別れて配置されている。
この場合には、例えば、図41に示すように、アキューム管Fを貫通させている第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、ボビン本体165に対して勘合した状態で配置されていてもよい。
さらに、図42に示すように、第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、第1フェライトケース171および第2フェライトケース172によって挟み込まれて固定されていてもよい。図42では、2つのフェライトケースがアキューム管Fを挟み込むように配置されている場合を例にあげたが、上記実施形態と同様に、4方向に配置されていてもよい。また、上記実施形態と同様に、フェライトを収容させていてもよい。
本発明を利用すれば、電磁誘導加熱において冷媒配管の温度が急激に変化する場合であっても、温度検知の応答性を向上させることが可能なため、電磁誘導を用いて冷媒を加熱させる電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置において特に有用である。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷媒回路図である。 室外機の正面側を含む外観斜視図である。 室外機の内部配置構成斜視図である。 室外機の底板と室外熱交換器との位置関係等を示す斜視図である。 室外機の背面側を含む外観斜視図である。 電磁誘導加熱ユニットの外観斜視図である。 電磁誘導加熱ユニットの断面構成図である。 電磁誘導加熱ユニットから遮蔽カバーを取り除いた状態を示す外観斜視図である。 コイルが巻き付けられたボビン本体の外観斜視図である。 ボビン本体の正面図である。 電磁誘導加熱ユニットへの電力供給を示す概念図である。 電磁誘導加熱ユニットの遮蔽カバーが取り外された状態での下面図である。 第1ボビン蓋の外側に位置する部分を示す上面図である。 第1ボビン蓋の内側に位置する部分を示す下面図である。 サーミスタの外観斜視図である。 ヒューズの外観斜視図である。 遮蔽カバーが無い状態で生じる磁束の様子を示す図である。 遮蔽カバーを設けた状態で生じる磁束の様子を示す図である。 コイルが巻き付けられたボビン本体の側面図である。 コイルが巻き付けられたボビン本体の上面図である。 ボビン本体の第1斜視図である。 ボビン本体の第2斜視図である。 ボビン本体の上面図である。 ボビン本体のA−A断面図である。 ボビン本体のB−B断面図である。 ボビン本体のC−C断面図である。 ボビン本体のD−D断面図である。 第1ボビン蓋のA−A断面図である。 第1ボビン蓋のB−B断面図である。 第1ボビン蓋の矢視C方向視における側面図である。 第1ボビン蓋の矢視D方向視における側面図である。 第1ボビン蓋の矢視E方向視における側面図である。 第1ボビン蓋のF−F断面図である。 電磁誘導加熱ユニットの下方端部近傍の概略断面図である。 コイル第1部分について未だボビン本体のコイル保持溝に保持されていない状態の概略斜視図を示す。 ワニスに付けられた後の状態におけるボビン本体およびコイルの概略斜視図である。 他の実施形態(A)のボビン本体およびコイルを示す外観斜視図である。 他の実施形態(B)の冷媒配管の説明図である。 他の実施形態(C)の冷媒配管の説明図である。 他の実施形態(E)のコイルと冷媒配管との配置例を示す図である。 他の実施形態(E)のボビン蓋の配置例を示す図である。 他の実施形態(E)のフェライトケースの配置例を示す図である。
符号の説明
1 空気調和装置
6 電磁誘導加熱ユニット
10 冷媒回路
21 圧縮機
22 四路切換弁
23 室外熱交換器
24 電動膨張弁
25 アキュームレータ
41 室内熱交換器
61 第1六角ナット(位置決め部)
62 C型リング(位置決め部)
63 第1ボビン蓋(位置決め部)
64 第2ボビン蓋
65 ボビン本体
66 第2六角ナット
68 コイル
71 第1フェライトケース
72 第2フェライトケース
73 第3フェライトケース
74 第4フェライトケース
75 遮蔽カバー
98 第1フェライト
99 第2フェライト
A 吐出管、冷媒配管
B 室内側ガス管、冷媒配管
C 室内側液管
D 室外側液管
E 室外側ガス管、冷媒配管
F アキューム管、冷媒配管
G 吸入管、冷媒配管
H ホットガスバイパス回路
J 過冷却回路

Claims (10)

  1. 冷媒配管(F)および/または前記冷媒配管(F)中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニット(6)であって、
    ボビン(65、63、64)と、
    前記ボビン(65、63、64)の近傍に配置されたコイル(68)と、
    を備え、
    前記ボビン(65、63、64)は、前記コイル(68)のうち電源の供給を受けるために前記ボビン(65、63、64)から離れる方向に延びる部分の少なくとも一部を保持する保持部(65b、65c、65d、63a)を有している、
    電磁誘導加熱ユニット(6)。
  2. 前記コイル(68)は、前記冷媒配管(F)の少なくとも一部の回りを取り巻いている巻き付け部分(68a)を有しており、
    前記ボビン(63、64、65)は、前記コイル(68)のうち前記巻き付け部分(68a)以外の部分(68b、68c)の少なくとも一部を保持する保持部(65b、65c、65d、63a)を有している、
    請求項1に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  3. 前記コイル(68)は、前記巻き付け部分(68a)よりも一端側である第1コイル部分(68b)と、前記巻き付け部分(68a)よりも他端側である第2コイル部分(68c)と、を有しており、
    前記保持部(65b、65c、65d、63a)は、前記第1コイル部分(68b)と前記第2コイル部分(68c)とをまとめて保持している、
    請求項1または2に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  4. 前記第1コイル部分(68b)と前記巻き付け部分(68a)との境界である第1境界部(68ab)と、前記第2コイル部分(68c)と前記巻き付け部分(68a)との境界である第2境界部(68ac)とは、前記コイル(68)の巻軸方向に離れて位置しており、
    前記コイル(68)のうち、前記第1境界部(68ab)および前記第2境界部(68ac)のうち前記保持部(65b、65c、65d、63a)からの距離が遠い方から前記保持部(65b、65c、65d、63a)まで伸びている保持部連絡部分(68x)と、前記巻き付け部分(68a)と、の間の少なくとも一部に配置されるスペーサ(95)をさらに備えた、
    請求項3に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  5. 前記スペーサ(95)は、前記保持部連絡部分(68x)の少なくとも一部に巻き付けられた部材である、
    請求項4に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  6. 前記スペーサ(95)は、前記保持部連結部分(68x)から前記保持部(65b、65c、65d、63a)によって保持されている被保持部分(68y)を超える部分への移動が規制され、前記保持部連絡部分(68x)から前記巻き付け部分(68a)への移動が規制されている、
    請求項5項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  7. 前記第1コイル部分(68b)と前記巻き付け部分(68a)との境界である第1境界部(68ab)と、前記第2コイル部分(68c)と前記巻き付け部分(68a)との境界である第2境界部(68ac)とは、前記コイル(68)の巻軸方向に離れて位置しており、
    前記コイル(68)のうち、前記第1境界部(68ab)および前記第2境界部(68ac)のうち前記保持部(65b、65c、65d、63a)からの距離が遠い方から前記保持部(65b、65c、65d、63a)まで伸びている保持部連絡部分(68x)に巻き付けられた絶縁部(95)をさらに備えた、
    請求項3に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  8. 前記ボビン(65、63、64)に対して前記コイル(68)が巻き付けられた状態における表面に設けられているワニス層(94)をさらに備えた、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  9. 前記コイル(68)のうち前記保持部(65b、65c、65d、63a)から離れる方向に延びている部分であって前記ワニス層(94)が形成されていない部分の少なくとも一部は、ガラス繊維(93)で覆われている、
    請求項8に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱ユニット(6)と、
    前記冷媒配管(F)に冷媒を流す部分を含む冷凍サイクル(10)と、
    を備えた空気調和装置(1)。
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