上述のような冷媒加熱装置として、バーナ等の火を用いる方式の加熱ではなく、電気的な方式として電磁誘導加熱方式を採用することもできる。例えば、磁性体材料を含有する冷媒配管の周りに電磁誘導コイルを巻き、この電磁誘導加熱コイルに対して電流を流すことで生じた磁束に起因して冷媒配管を発熱させることができる。そして、この冷媒配管における発熱を用いて、冷媒を加熱することができる。
しかし、冷媒配管の目的の位置を加熱することができるように冷媒加熱ユニットの位置を定める場合に、冷媒加熱ユニットが冷媒配管の周囲を覆うように接触して配置される場合がある。冷媒配管表面に水が存在する場合には、この水が、冷媒加熱ユニットと冷媒配管とが接触する部分で滞留してしまうおそれがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、冷媒配管に対して位置を定める場合であっても水の滞留が生じにくい電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置を提供することにある。
第1発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、冷媒配管側に力が作用していることで、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定めている。ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルと冷媒配管との相対位置を定めるために、位置決め部と冷媒配管とが互いに力を作用させ合っていることで、固定をより強固にしている場合であっても、互いに力を作用させていない部分において連続空間が確保されている。これにより、固定を強固にしつつ、水の滞留を抑えることが可能になる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、位置決め部は、冷媒配管側に力が作用する部分が面形状となるように形成されている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部のうち、冷媒配管側に力が作用する部分が面形状に形成されているため、位置決め部は冷媒配管側に対して力を作用させることが可能な面積を広く確保することができる。このため、コイルと冷媒配管との相対位置をより強固に定めることが可能になる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明または第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、位置決め部のうち、冷媒配管側に力が作用している部分は、冷媒配管側の回りを一周するようには設けられていない。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部が存在している部分によって冷媒配管との相対位置を定めるための力を作用させることができる。そして、位置決め部のうち冷媒配管の回りに存在している部分のうち、途切れている部分によって、連続空間を確保することができる。これにより、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明または第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、位置決め部のうち、冷媒配管側に力が作用している部分はつらなり続くように形成されている。つらなり続いている部分の端部である一端側と、一端側以外のつらなり続いている部分の端部である他端側とは、つながっていない。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部がある部分によって冷媒配管との相対位置を定めるための力を作用させることができる。そして、位置決め部のうちの周方向における連続性が途切れている部分によって連続空間を確保することができる。これにより、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明または第2発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、冷媒配管のうち、位置決め部からの力の作用を受ける部分は、冷媒配管側の回りを一周していない。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部がある部分によって冷媒配管との相対位置を定めるための力を作用させることができる。そして、冷媒配管のうち位置決め部からの力の作用を受けていない部分によって連続空間を確保することができる。これにより、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
第6発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部と介在部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。介在部は、冷媒配管と位置決め部との間の少なくとも一部に位置している。位置決め部は、介在部を介して冷媒配管との相対位置が定まっている。連続空間は、介在部と冷媒配管と間において、冷媒配管が延びている向きの一方側から他方側まで連続して設けられている。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。なお、介在部は、1つだけであってもよいし、径方向に重なるように複数設けられていてもよい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、介在部を設けることで冷媒配管の外側と位置決め部の内側との距離に合うように介在部の大きさや形状を選択することができるようになる。例えば、種々のサイズおよび形状の介在部が用意されている場合には、これらの介在部の中から適当なものを選択して使用することで、種々のサイズの冷媒配管に対して電磁誘導加熱ユニットを固定することができる。
第7発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部と介在部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。介在部は、冷媒配管と位置決め部との間の少なくとも一部に位置している。位置決め部は、介在部を介して冷媒配管との相対位置が定まっている。連続空間は、介在部と位置決め部との間において、冷媒配管が延びている向きの一方側から他方側まで連続して設けられている。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。なお、介在部は、1つだけであってもよいし、径方向に重なるように複数設けられていてもよい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、介在部を設けることで冷媒配管の外側と位置決め部の内側との距離に合うように介在部の大きさや形状を選択することができるようになる。例えば、種々のサイズおよび形状の介在部が用意されている場合には、これらの介在部の中から適当なものを選択して使用することで、種々のサイズの冷媒配管に対して電磁誘導加熱ユニットを固定することができる。
第8発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部の冷媒配管側である内側から内側とは反対側の外側までの厚みが5mm以上である。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、仮に、位置決め部の内側から外側までの幅が5mm以上である場合には、そこに水が滞留したままで氷になってしまい、さらにその氷が成長してしまうおそれがある。これに対して、この電磁誘導加熱ユニットでは、このように冷媒配管とその周囲に存在する部材等との間の隙間が1mm以上に設計してある場合であっても、この電磁誘導加熱ユニットには連続空間が形成されているために、機器の信頼性を向上させることが可能になる。
第9発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、冷媒配管を回りから囲む形状を有している。位置決め部は、冷媒配管が伸びている一方側の端部であって冷媒配管側である内側部分の少なくとも一部が、内側に近づくにつれて一方側とは反対側である他方側に向かうように傾斜した形状を有している。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の外表面において生じた水を、連続空間に導くことができるようになる。
第10発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、内径が冷媒配管の外径より大きく、ネジ溝が設けられた第1部材と、ネジ溝に作用して螺着可能であって、螺着した状態で冷媒配管との相対位置を定める第2部材と、を有している。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管と位置決め部との相対位置の決定を、螺着作業によって容易に行うことができる。
第11発明の電磁誘導加熱ユニットは、第10発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、位置決め部は、第1部材と第2部材とが螺着するにしたがって、弾性変形することにより冷媒配管側に作用する力が増大する第3部材をさらに有している。
この電磁誘導加熱ユニットでは、螺着させる程度に応じて位置決めの強さを調節することができる。また、第3部材を用いて固定することで、冷媒配管に電磁誘導加熱ユニットが固定された状態を確実に維持させることができるようになる。
第12発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、内径が冷媒配管の外径よりも大きい第1固定部材と、径方向において第1固定部材の外縁よりも大きな外縁を有している第2固定部材と、を有している。第2固定部材は、冷媒配管の伸びる方向に貫通した開口が形成されている。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管において生じた水が、冷媒配管から離れて第2固定部材の上に移動してきた場合であっても、第2固定部材に設けられた開口を介して、水をさらに移動させることができる。これにより、第2固定部材の上で水が滞留して氷になってしまうことを抑えることができる。
第13発明の電磁誘導加熱ユニットは、第12発明の電磁誘導加熱ユニットにおいて、冷媒配管とコイルとの間に空間を確保しつつ、コイルを保持している中間部をさらに備えている。冷媒配管の伸びる方向から見た場合に、第2固定部材の開口は、中間部と冷媒配管との間に位置している。
この電磁誘導加熱ユニットでは、第1固定部材よりも外側に水が流れて行くことがあっても、第2固定部材の開口を介して、水を移動させることができる。そして、第2固定材の開口を介して移動する水は、中間部と冷媒配管との間を通じて排水される。これにより、第1固定部材よりも外側に水が流れていくことがあっても、確実に排水させることができる。また、コイルに水が伝わることを抑制することが可能になる。
第14発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、冷媒配管が伸びている一方側と、一方側とは反対側である他方側と、の少なくとも2箇所で、冷媒配管側に力が作用している。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、複数箇所での位置決めを行うことができるため、位置決め部と冷媒配管との相対位置をより確実に定めることができるようになる。
第15発明の電磁誘導加熱ユニットは、冷媒配管および/または冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材を加熱する電磁誘導加熱ユニットであって、コイルと位置決め部とを備えている。コイルは、冷媒配管の近傍に配置されている。位置決め部は、コイルと冷媒配管との相対位置関係を定める。位置決め部と冷媒配管との間には、位置決め部に対して冷媒配管が伸びている一方側から、位置決め部に対して一方側とは反対側である他方側までの間、連続している連続空間がある。位置決め部は、冷媒配管の外部を一周しつつ輪になっている部分を有している。
ここで、「冷媒配管」には、内側表面を構成している部分、外側表面を構成している部分および内側表面と外側表面との間に位置している部分のいずれについても含まれるものとする。すなわち、電磁誘導によって渦電流が発生する部材が、冷媒配管の外表面を構成していてもよく、冷媒配管の内側表面を構成していてもよく、冷媒配管の外表面と内側表面との間に位置していてもよい。また、「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」には、例えば、配管内の冷媒通路上に配置されて冷媒に直接接触する部材や、冷媒配管の外側に配置されて冷媒配管を加熱する部材等が含まれる。また、「冷媒配管」および「冷媒配管中を流れる冷媒と熱的接触をする部材」は、少なくとも1部に磁性体を含有しているものもしくはその合金であることが好ましい。なお、消費電力に対する効率的な加熱を行う観点からは、磁性体は強磁性体であることが好ましい。
この電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部によって、コイルの冷媒配管に対する位置が決められる場合において、冷媒配管の位置決め部近傍における表面に水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、水の滞留を抑えることができる。
また、この電磁誘導加熱ユニットでは、一周して輪になっている部分を有しているため、位置決め部は、冷媒配管に対する位置決めをより強固に行うことができるようになる。
第16発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第15発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、コイルは、冷媒配管の少なくとも一部の回りを取り巻いている。
この電磁誘導加熱ユニットでは、コイルに電流を流すことで生じる磁束の一部を、冷媒配管が伸びている方向に沿わせることができる。このため、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
第17発明の電磁誘導加熱ユニットは、第1発明から第16発明のいずれかの電磁誘導加熱ユニットにおいて、連続空間の冷媒配管側である内側から外側までの距離は、1mm以上である。
仮に、冷媒配管とその周囲に存在する部材等との間の隙間が1mm以上に設計してある場合には、そこに水が滞留したままで氷になった際に、冷媒配管および周囲の部材等に大きな負担がかかり、破損してしまうおそれがある。
このように冷媒配管とその周囲に存在する部材等との間の隙間が1mm以上に設計してある場合であっても、この電磁誘導加熱ユニットには連続空間が形成されているために、排水を促すことができ、機器の信頼性を向上させることが可能になる。
第18発明の空気調和装置は、第1発明から第17発明のいずれか1つの電磁誘導加熱ユニットを備える空気調和装置であって、空気調和装置の設置状態において、冷媒配管が略鉛直方向に延びている。
この空気調和装置では、冷媒配管が略鉛直方向に設けられている場合には、電磁誘導加熱ユニットの上方において水が生じ、冷媒配管と位置決め部との間に水が流れ込むことがある。このように、冷媒配管と位置決め部との間に水が流れ込んだとしても、連続空間を通じてこの水を移動させることができる。これにより、冷媒配管が略鉛直方向に伸びて配置されている場合であっても、水の滞留を抑えることができる。
第19発明の空気調和装置は、第1発明から第17発明のいずれか1つの電磁誘導加熱ユニットと、圧縮機構、冷媒冷却器、膨張機構および冷媒加熱器を有しており冷媒配管に冷媒を流す部分を含む冷凍サイクルと、を備える空気調和装置であって、電磁誘導加熱ユニットは、圧縮機構の吸入側に伸びている吸入側の冷媒配管に設けられている。
この空気調和装置では、圧縮機構の吸入側にのびる冷媒配管の温度が周囲の温度よりもさがることで、外表面が着霜する場合であっても、電磁誘導加熱を開始させることによって氷を解凍させることができる。これによって水が生じることがあっても、連続空間を通じてこの水を移動させることができ、水の滞留を抑えることができる。
第1、6−10、12、14、15発明の電磁誘導加熱ユニットでは、水の滞留を抑えることができる。
また、第1発明の電磁誘導加熱ユニットでは、固定を強固にしつつ、水の滞留を抑えることが可能になる。
第2発明の電磁誘導加熱ユニットでは、コイルと冷媒配管との相対位置をより強固に定めることが可能になる。
第3発明の電磁誘導加熱ユニットでは、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
第4発明の電磁誘導加熱ユニットでは、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
第5発明の電磁誘導加熱ユニットでは、位置決めのための力の作用と連続空間の確保とを確実に両立させることができる。
また、第6発明の電磁誘導加熱ユニットでは、介在部の大きさや形状を選択することができるようになる。
また、第7発明の電磁誘導加熱ユニットでは、介在部の大きさや形状を選択することができるようになる。
また、第8発明の電磁誘導加熱ユニットでは、機器の信頼性を向上させることが可能になる。
また、第9発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管の外表面において生じた水を、連続空間に導くことができるようになる。
また、第10発明の電磁誘導加熱ユニットでは、螺着作業によって容易に固定を行うことができる。
第11発明の電磁誘導加熱ユニットでは、螺着させる程度に応じて位置決めの強さを調節することができ、冷媒配管に電磁誘導加熱ユニットが固定された状態を確実に維持させることができるようになる。
また、第12発明の電磁誘導加熱ユニットでは、第2固定部材の上で水が滞留して氷になってしまうことを抑えることができる。
第13発明の電磁誘導加熱ユニットでは、第1固定部材よりも外側に水が流れていくことがあっても、確実に排水させることができる。
また、第14発明の電磁誘導加熱ユニットでは、位置決め部と冷媒配管との相対位置をより確実に定めることができるようになる。
また、第15発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管に対する位置決めをより強固に行うことができるようになる。
第16発明の電磁誘導加熱ユニットでは、冷媒配管に含まれている磁性体の長手方向と冷媒配管の軸方向とが略同一である場合に、電磁誘導による加熱効率を向上させることができる。
第17発明の電磁誘導加熱ユニットでは、機器の信頼性を向上させることが可能になる。
第18発明の空気調和装置では、冷媒配管が略鉛直方向に伸びて配置されている場合であっても、水の滞留を抑えることができる。
第19発明の空気調和装置では、圧縮機構の吸入側にのびる冷媒配管の温度が周囲の温度よりもさがることで、外表面が着霜する場合であっても、解凍によって生じる水を排水させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6およびこれを備えた空気調和装置1について、例に挙げて説明する。
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものであって、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、ホットガスバイパス回路H、分岐配管Kおよび合流配管Jを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。
室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。
室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。
室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。
室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続されている。
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fのうち、少なくとも電磁誘導加熱ユニット6によって覆われている被加熱部分は、銅管F1の周囲をSUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)管F2が覆って構成されている(図7参照)。冷媒回路10を構成する配管のうちSUS管以外の部分は、銅管で構成されている。なお、上記銅管の周囲を覆う管の材質はSUSに限定されるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等とすることができる。また、SUSとしては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系の3種およびこれらの種類を組み合わせたものが例として挙げられる。また、ここでのアキューム管Fは、磁性体および磁性体を含有する材料を備えていなくてもよく、誘導加熱が行われる対象となる材質を含有するものであればよい。なお、磁性体材料は、例えば、アキューム管Fのすべてを構成していてもよいし、アキューム管Fの内側表面のみに形成されていてもよく、アキューム管F配管を構成する材料中に含有されることで存在していてもよい。このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。
分岐配管Kは、室外熱交換器23の一部を構成しており、熱交換を行うための有効表面積を増大させるために、室外熱交換器23のガス側出入口23eから伸びる冷媒配管が後述する分岐合流点23kで複数本に分岐した配管である。この分岐配管Kは、分岐合流点23kから合流分岐点23jまで伸びており、合流分岐点23jで合流している。
合流配管Jは、室外熱交換器23の一部を構成しており、合流分岐点23jから室外熱交換器23の液側出入口23dまで伸びている配管である。合流配管Jは、冷房運転時に室外熱交換器23から流れ出る冷媒の過冷却度を統一させることができるとともに、暖房運転時に室外熱交換器23の下端近傍に着霜した氷を解凍させることができる。
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
室外熱交換器23は、ガス側出入口23e、液側出入口23d、分岐合流点23k、合流分岐点23j、分岐配管K、合流配管Jおよび熱交フィン23zを有している。ガス側出入口23eは、室外熱交換器23の室外側ガス管E側の端部に位置しており、室外側ガス管Eと接続される。液側出入口23dは、室外熱交換器23の室外側液管D側の端部に位置しており、室外側液管Dと接続される。分岐合流点23kは、ガス側出入口23eから伸びる配管を分岐させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を分岐もしくは合流させることができる。分岐配管Kは、分岐合流点23kにおける各分岐部分から複数本伸びている。合流分岐点23jは、分岐配管Kを合流させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を合流もしくは分岐させることができる。合流配管Jは、合流分岐点23jから液側出入口23dまで伸びている。熱交フィン23zは、板状のアルミフィンが板厚方向に複数枚並んで、所定の間隔で配置されて構成されている。分岐配管Kおよび合流配管Jは、いずれも、熱交フィン23zを共通の貫通対象としている。具体的には、分岐配管Kおよび合流配管Jは、共通の熱交フィン23zの異なる部分で板圧方向に貫通して配置されている。
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外機2の背面側の外観斜視図を示す。図4に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図5に、室外熱交換器23および底板2bとの位置関係についての斜視図を示す。
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に図示しない仕切り板を介して区切られている。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。合流配管Jは、室外熱交換器23の熱交フィン23zのうち最も下の部分において、熱交フィン23zを厚み方向に貫通することで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図6に、電磁誘導加熱ユニット6の概略斜視図を示す。図7に、電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。図8に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち被加熱部分を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって被加熱部分を加熱する。このアキューム管Fの被加熱部分は、内側の銅管F1と外側のSUS管F2とを有する二重管構造となっている。なお、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fへ固定する前に、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して位置決めさせるため、図11に示すようなビィンディング97が用いられる。これにより、電磁誘導加熱ユニット6のアキューム管Fに対する位置が定まったままで、後述する固定作業を行うことができ、作業性がよい。
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、C型リング62、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15を備えている。
第1六角ナット61は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して上端近傍で固定する。第2六角ナット66は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して下端近傍で固定する。
C型リング62は、樹脂製であって、第1六角ナット61および第1ボビン蓋63と協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。なお、図示しないが、第2六角ナット66および第2ボビン蓋64とも協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。
第1ボビン蓋63は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6においてアキューム管Fとコイル68との相対位置を決める部材の1つであり、電磁誘導加熱ユニット6の上方でアキューム管Fを周囲から覆う。第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、第1ボビン蓋63と同一形状であって、電磁誘導加熱ユニット6の下方でアキューム管Fを周囲から覆う。図13に、第1ボビン蓋63の上面図を示す。図14に、第1ボビン蓋63の下面図を示す。第1ボビン蓋63は、アキューム管Fを貫通させつつ、第1六角ナット61およびC型リング62と協同してアキューム管Fと電磁誘導加熱ユニット6とを固定させるための配管用筒状部63cを有している。第1ボビン蓋63は、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cを通過させつつ保持するために、外周部分から内側に向けて形成された略T字形状のフック形状部63aを有している。第1ボビン蓋63は、ボビン本体65とSUS管F2との間に滞留している熱を外部に放出させるために上下方向に貫通した放熱開口65bを複数有している。第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔63dを4つ有している。さらに、第1ボビン蓋63は、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fを有している。このヒューズ差し込み開口63dは、図16に示すヒューズ15を取り付ける際の開口であって、ヒューズ15の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。サーミスタ差し込み開口63fは、図15に示すサーミスタ14を取り付ける際の開口であって、サーミスタ14の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。なお、サーミスタ14およびヒューズ15は、電磁誘導加熱ユニット6の下方から取り付けられるため、第1ボビン蓋63のサーミスタ差し込み開口63fおよびヒューズ差し込み開口63dは、放熱開口63bと同様の放熱機能を発揮することになる。ここで、放熱しようとする暖かい空気はボビン本体65内の上方の空間に溜まるため、上方の放熱開口を下方よりも多く設けておくことで効率的な放熱を行うことが可能となっている。そして、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fにはサーミスタ14が挿入され、第2ボビン蓋64のヒューズ差し込み開口63dにはヒューズ15が挿入され、それぞれ取り付けられる。図14に示すように、第1ボビン蓋63の下面側には、ボビン本体65の上端円筒部(後述する)の内側に位置することでボビン本体65と嵌り合うボビン用筒上部65gが下方に延びている。このボビン用筒上部65gは、上述した放熱開口63b、螺着孔63d、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fの貫通状態を閉ざすことないように、各開口の外縁に沿った部分から貫通方向に延びて形成されている。なお、第1ボビン蓋63が有している開口や形状は、第2ボビン蓋64についても同様であり、第1ボビン蓋63における63番台の各部材番号は第2ボビン蓋64における64番台の部材番号にそれぞれ対応させて示し、説明は省略する。
ボビン本体65は、図9に示すように、コイル68が巻き付けられる。ボビン本体65は、図10に示すように、円筒状の形状である円筒部65aを有している。ボビン本体65は、上端からわずかに下がった部分で径方向に突出して形成される第1巻き止め部65sと、下端からわずかに上がった部分で径方向に突出して形成される第2巻き止め部65tと、を有している。第1巻き止め部65sより上方には、上端円筒部65xが延びている。第2巻き止め部65tより下方には、下端円筒部65yが延びている。第1巻き止め部65sは、径方向外側にさらに突出した第1コイル保持部65bを有している。この第1コイル保持部65bは、コイル第1部分68bを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65cと、コイル第2部分68cを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65dと、を有している。第2巻き止め部65tは、第1巻き止め部65sと同様に、コイル保持溝65f、65gが形成された第2コイル保持部65eを有している。図12の電磁誘導加熱ユニット6の下面図に示すように、ボビン本体65に形成されているコイル保持溝65f、65gは、アキューム管Fが延びる方向からみた場合に、第2ボビン蓋64のフック形状部64aによって外側が覆われることで、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cをより確実に保持することができている。また、コイル保持溝65f、65gと、フック形状部64aとは、アキューム管Fが延びている方向にずれて配置されるため、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cが延びている方向の複数箇所において保持することができるたえ、コイル68に対して局所的な負荷が生じにくいようにすることができている。ボビン本体65には、アキューム管F側の内側において、アキューム管Fとの間に空間が形成されており、コイル68に電流が流れた際に生じる磁束がより効率的にアキューム管FのSUS管F2を通過するように距離をとっている。
第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込む。また、第1フェライトケース71は、後述する第1フェライト98および第2フェライト99を収容する部分を有している。第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74についても、第1フェライトケース71と同様であって、これらは、ボビン本体65、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64を外側4方向から覆う位置に配置される。図6、図8および図12に示すように、第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74それぞれと、金属製のネジ69を介して螺着され、固定される。
第1フェライト98は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成されており、コイル68に電流を流した際に、SUS管F2以外の部分にも生じる磁束を集めて磁束の通り道を形成する。この第1フェライト98は、特に、電磁誘導加熱ユニット6の上端近傍および下端近傍の第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部に収容される。第2フェライト99についても、配置位置および形状以外は上記第1フェライト98と同様であり、第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部のうちボビン本体65の外側近傍の位置に配置される。ここで、第1フェライト98および第2フェライト99が設けられていない場合には、例えば、図17に示すように、周囲に磁束が漏れ出してしまうことになる。これに対して、本実施形態の電磁誘導加熱ユニット6では、コイル68の外側に第1フェライト98および第2フェライト99が設けられているために、図18に示すように磁束が流れ、漏れ磁束を低減させることができている。
コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられているコイル巻き付け部分68a、コイル巻き付け部分68aに対してコイル68の一端側に延びているコイル第1部分68bと、コイル68の一端側とは反対側である他端側に延びているコイル第2部分68cと、を有している。このコイル68は、第1〜第4フェライトケース71〜74の内側に位置している。コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、図11に示すように、制御用プリント基板18と接続されている。そして、コイル68は、この制御用プリント基板18から高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板18は、制御部11によって制御されている。高周波電流の供給を受けると、コイル巻き付け部分68aが磁束を生じさせる。具体的には、図18において点線で示すように、SUS管F2のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、第1フェライト98、第2フェライト99および遮蔽カバー75のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、をアキューム管Fに対する径方向であってかつ軸方向に広がっている面上において略楕円形状となるように磁束が生じる。このようにして生じた磁束によって、SUS管F2は、電磁誘導によって電流(渦電流)が生じる。ここでSUS管F2を電流が流れる際に電気抵抗となる部分で発熱が生じることになる。なお、ここでは、コイル68の材料として、効率よく磁束を生じさせる観点から、良導体である銅線を用いている。なお、コイル68の材料としては、電気を流せるものであれば特に限定されるものではない。
遮蔽カバー75は、図6と図8を比較すると分かるように、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。図6に示すように、遮蔽カバー75は、第1フェライトケース71に対して、ネジ70a、70b、70c、70dを介して螺着されることで固定されている。これにより、電磁誘導加熱ユニット6においては、この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
サーミスタ14は、図15に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、サーミスタ検知部14a、外側突起14b、側面突起14cおよびサーミスタ配線14dを有している。サーミスタ検知部14aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うような形状を有しており、実質的な接触面積を有している。外側突起14bは、サーミスタ14の取り付け状態において、アキューム管Fから離れる方向に突出した状態となる突起であって、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっている。側面突起14cも、外側突起14bと同様に第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっており、外側突起14bから離れる向きに延びている。サーミスタ配線14dは、サーミスタ検知部14aの検知結果を信号にして制御部11まで伝える。なお、サーミスタ14は、図15において上方に向けて挿入されるが、外側突起14bおよび側面突起14cを有しているため、サーミスタ差し込み開口63fと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、サーミスタ14の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
ヒューズ15は、図16に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、ヒューズ検知部15a、非対称形状15bおよびヒューズ配線15dを有している。ヒューズ検知部15aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うように湾曲した窪み形状を有しており、実質的な接触面積を有している。非対称形状15bは、上述したサーミスタ14と同様に、図16において上方に向けて挿入されるが、ヒューズ差し込み開口63dと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、ヒューズ15の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
<1−4>排水固定構造
図19に、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して固定する主要部品の分解斜視図を示す。
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61の内側および第2六角ナット66の内側の2カ所でアキューム管Fに対して固定されている。第2六角ナット66の内側によつ固定は、第1六角ナット61の内側による固定と同様であるため、以下、第1六角ナット61による固定を中心に説明し、第2六角ナット66についての説明を省略する。なお、他の実施形態等の説明においても、同様である。なお、以下に述べる排水固定構造は、アキューム管Fに対する排水固定構造を例に挙げているが、これに限られず、他の部分の冷媒配管にも適用するこができる。
電磁誘導加熱ユニット6の上方部分は、主として、第1六角ナット61、C型リング62および第1ボビン蓋63が協同し合うことによって、アキューム管Fへ固定される。以下、第1六角ナット61、C型リング62および第1ボビン蓋63についてさらいに詳細に説明する。
(第1六角ナット61)
図20に、第1六角ナット61の平面図を示す。図21に、図20における第1六角ナット61のA−A断面の断面図を示す。
第1六角ナット61は、外周が六角形となるように構成されており、内側に略円筒状の貫通部分が形成されており、導水傾斜部61a、上平面部61b、上外縁傾斜部61c、側面部61d、下外縁傾斜部61e、下平面部61f、内側突起部61g、内側押付部61hおよびネジ溝部61jを有している。導水傾斜部61aは、内側の略円筒状の貫通部分の上端近傍において、径方向内側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されている。アキューム管Fの外表面に生じた結露水や、アキューム管Fの外表面に形成された氷の解凍によって生じた解凍水は、この導水傾斜部61fの内側への傾斜によって、第1六角ナット61内側へと水を導くことができる。上平面部61bは、導水傾斜部61aの外側から径方向に延びる平面である。上外縁傾斜部61cは、上面平面部61cの外側から径方向外側に向かうにつれて下方に位置するように傾斜して形成されている。これにより、導水傾斜部61aによって第1六角ナット61の内側に導かれなかった水は、この上外縁傾斜部61cによって第1六角ナット61の外側に送られる。側面部61dは、鉛直方向に広がっている面を有している。下外縁傾斜部61eは、上方から流れてきた結露水や解凍水を、下方の第1ボビン蓋63の放熱開口63bへと流し落とす。下平面部61fは、第1六角ナット61の下面を構成する水平面である。外側突起部61gは、第1六角ナット61の内側に突出した部分であり、第1六角ナット61のうちで最もアキューム管Fの外表面に近づく部分である。内側押付部61hは、アキューム管Fへ電磁誘導加熱ユニット6が固定されつつ排水可能となっている状態(以下、単に「排水固定状態」という。)で、C型リング62をアキューム管F側に押しつける部分である。ネジ溝部61jは、第1ボビン蓋63の配管用筒上部63cの外側に設けられたネジ溝部63pと螺合する。
ここで、第1六角ナット61の外側突起部61gと側面部61dとの径方向の厚みは、5mm以上に形成されている。このように第1六角ナット61の幅が5mm以上である場合には、そこに水が滞留したままで氷になってしまい、さらにその氷が成長してしまうおそれがある。しかし、ここでは、上述したように、第1六角ナット61の径方向内側に排水させつつ、径方向外側に排水させることもできるため、機器の信頼性を向上させることができている。
(C型リング62)
図22に、C型リング62の平面図を示す。図23に、C型リング62の側面図を示す。図24に、C型リング62の断面図を示す。
C型リング62は、円形状の部材が一端部62aと多端部62bとの間が接続されることなく、空間が存在しており、輪の一部を欠いた形状となっている。この一端部62aと、C型リング62の円心と、多端部62bと、を結んでなす角度が45度となっている。C型リング62は、内径が22.3mmである。
C型リング62は、外側平面部62j、外側ナット押付部62h、外側蓋押付部62kおよび内側配管押付部62mを有している。
外側平面部62jは、排水固定状態において第1六角ナット61側を向いており、鉛直方向に平面が広がっている。
外側ナット押付部62hは、排水固定状態において、第1六角ナット61の内側押付部61hと押し合って接している状態となり、内側押付部61hから鉛直下向きの力を受けて、C型リング62自体の内径を小さくするように弾性変形させ、アキューム管Fの外表面と内側配管押付部62mとが押し合って接している状態にさせる。
外側蓋押付部62kは、外側ナット押付部62hと同様に、後述する第1ボビン蓋63の内側押付部63kと押し合って接している状態となり、内側押付部63kから鉛直上向きの力を受けて、C型リング62自体の内径を小さくするように弾性変形させ、アキューム管Fの外表面と内側配管押付部62mとが押し合って接している状態にする。
C型リング62は、径方向の厚みが2mmである。鉛直方向の厚みは、外側平面部62j部分が1mmであり、内側配管押付部62m部分が3.5mmである。外側ナット押付部62hと外側蓋押付部62kとがなす角度は90度である。これにより、C型リング62の内側配管押付部62mは、アキューム管Fの外表面に沿うように鉛直方向の幅が3.5mmである、接触面が確保されている。
(第1ボビン蓋63)
第1ボビン蓋63は、第1六角ナット61と螺着しつつ、第1から第4フェライトケース71〜74によってボビン本体65とも固定された状態となる、樹脂製の部材である。
第1ボビン蓋63は、配管用筒状部63c、ボビン用筒状部65g、蓋面部63q、ネジ溝部63p、上平面部63m、内側押付部63kおよび内側面部63nを有している。
配管用筒状部63cは、上述したように、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fの伸びる方向に沿うように固定するため、内径が、アキューム管Fの外径よりもわずかに大きく形成された円筒形状を有している。
ボビン用筒状部65gは、ボビン本体65と嵌り合うために、外径が、ボビン本体65の内径よりもわずかに小さくなるように形成されている。このボビン用筒状部65gは、上述した放熱開口63b、螺着孔63d、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fの縁を覆う位置から、これらの開口の貫通方向に向けて伸びている。
蓋面部63qは、ボビン本体65に対して第1ボビン蓋63が取り付けられた状態で、ボビン本体65の略円筒形状の上方のうち各開口部分を除いた部分を覆っている。
ネジ溝部63pは、上述したように、第1六角ナット61のネジ溝部61jと螺合するように形成されているネジ溝である。
上平面部63mは、配管用筒状部63cの、アキューム管Fの伸びている方向における先端部分であって、アキューム管Fの伸びている方向に対して略垂直な面を有する平面形状である。
内側押付部63kは、配管用筒状部63cの内側において、アキューム管Fの伸びている方向における先端部分から、下方にいくにつれて径方向内側に位置するように傾斜して形成された傾斜部分である。この内側押付部63kは、上述したように、固定状態において、外側蓋押付部62kと押し合って接触した状態となる。
内側面部63nは、固定状態において、配管用筒状部63cのうち、アキューム管Fの外周面と面する位置に配置され、アキューム管Fを外側から取り囲む。
(固定作用)
図27に、固定状態直前の第1六角ナット61、C型リング62および第1ボビン蓋63の断面形状における位置関係を示す。図28に、排水固定状態を示す。
図27に示すように、第1六角ナット61が第1ボビン蓋63に対してねじ込まれることで、第1六角ナット61の内側押付部61hと、第1ボビン蓋63の内側押付部63kと、の鉛直方向における距離が短くなっていく。第1六角ナット61をさらに第1ボビン蓋63に対してねじ込むと、C型リング62の外側ナット押付部62hは第1六角ナット61の内側押付部61hと押し合って接している状態となり、C型リング62の外側蓋押付部62kは、第1ボビン蓋63の内側押付部63kと押し合って接している状態となる。そして、この状態からさらに第1六角ナット61を第1ボビン蓋63に対してねじ込むと、C型リング62の外側ナット押付部62hが第1六角ナット61の内側押付部61hと押し合って接している状態を保ったままで互いにスライドし、C型リング62の外側蓋押付部62kが第1ボビン蓋63の内側押付部63kと押し合って接している状態を保ったままで互いにスライドし、C型リング62自体は、径方向内側に押し出されていく。これにより、アキューム管Fの外表面に対して、C型リング62の内側配管押付部62mが押し合って接した状態となる。続けて、第1六角ナット61を第1ボビン蓋63に対してねじ込むことで、C型リング62自体は、よりいっそう径方向内側に押し出され、アキューム管Fの外表面に対して、C型リング62の内側配管押付部62mが周囲から巻き付いて固定された状態となる。
なお、この排水固定状態において、C型リング62の内側配管押付部62mが欠落している部分における、アキューム管Fの外表面と第1六角ナット61のネジ溝部61jとは、径方向において1mm以上の隙間ができている。このように、1mm以上の隙間ができている場合には、結露水や解凍水が滞留しがちになるが、ここでは排水構造が確保されているため、このような水の滞留を防ぐことができている。
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
図29および図30に示すようなナット961、リング962、蓋963の組合せによる固定構造では、ナット961の配管側である内側に水を導く傾斜が形成されていない。このため、図29に示すように、ナット961の上面上に結露水や解凍水等の水Wが滞留し、温度の低下にともなってこれが凍結してしまうおそれがある。さらには、このようにして凍結した氷がさらに成長してしまうおそれがある。また、図30に示すように、ナット961と蓋963との間に結露水や解凍水等の水Wが滞留したままとなり、温度の低下にともなって凍結してしまうと、水から氷への相変化の際に生じる体積増大によって、ナット961および蓋963に亀裂が入る等の損傷を生じさせるおそれがある。
これに対して、上述した本実施形態の空気調和装置1では、図31に示すように、第1六角ナット61には、アキューム管F側に向かって斜め下に傾斜するように形成された導水傾斜部61aが設けられているため、第1六角ナット61上における結露水や凍結水等の水Wは、この導水傾斜部61aの斜面に沿って、第1六角ナット61とアキューム管Fとの間に流し落とされる。そして、C型リング62まで達した結露水や解凍水は、表面張力によってC型リング62の円周方向に沿うように伝っていく。これにより、結露水や解凍水は、図32に示すように、C型リング62のうちの欠落部分のスペース62sまで到達し、アキューム管Fの外表面と、第1六角ナット61の内側押付部61hと、第1ボビン蓋63の内側押付部63kと、によって囲まれた空間を通過して、より下方に導かれる。そして、結露水や解凍水は、アキューム管Fと、第1ボビン蓋63の内側面部63nと、の間を通過して、ボビン本体65の内側の空間まで導かれる。
また、電磁誘導加熱ユニット6の下方側における固定をしている第2六角ナット66についても、上述の第1六角ナット61による上方部分の固定と同様に、C型リング62と第2ボビン蓋64とが協働することで、アキューム管Fに対して固定されている。そして、この下方における固定構造も上記上方における固定構造と同様であって、C型リング62の欠落部分を介して、ボビン本体65内に流れ込んだ結露水や解凍水や、ボビン本体65内で生じた結露水や解凍水を、電磁誘導加熱ユニット6の下方に排水させる。
これによって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して固定したことによって生じうる結露水や解凍水の排水困難性の問題を解決することができる。
なお、第1六角ナット61の径方向外側に流れ出した結露水や解凍水は、第1ボビン蓋63の放熱開口63b等を通じて排水させることができる。
また、ビーディング97によって固定位置を定めつつ、第1六角ナット61および第2六角ナット66を回転させてボビン本体65に対して螺合させるだけで、C型リング62の内側配管押付部62mとアキューム管Fの外表面との接触面を広く確保することができるため、電磁誘導加熱ユニット6自体をアキューム管Fに強固に固定させることができ、容易な作業によって取付および固定を行うことができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の部材を採用可能な場合には、上記実施形態と同じ部材名、同じ部材番号もしくは百番単位で番号を増大させた部材番号によって示し、説明を省略する。
(A)
上記実施形態では、電磁誘導加熱ユニット6とアキューム管Fとの排水固定状態は、第1六角ナット61、C型リング62および第1ボビン蓋63が協同し合うことによって実現される場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
図33に示すように、例えば、排水固定構造は、第1六角ナット161、C型円筒162および第1ボビン蓋163が作用することによって実現されていてもよい。
ここで、第1六角ナット161は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋163の配管用筒状部163cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、C型円筒162は、上記実施形態におけるC型リング62を軸方向に引き延ばした略円筒形状である。C型円筒162は、円周方向の一部が欠落して軸方向に伸びた欠落部分のスペース162sを有している。このC型円筒162は、第1六角ナット161が第1ボビン蓋163に対してねじ込まれることで、第1六角ナット161の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋163の配管用筒状部163cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、第1ボビン蓋163の配管用筒状部163cが径方向内側に向けて弾性変形する。そして、図34の断面図に示すように、この径方向内側に向けて弾性変形した配管用筒状部163cの内側面が、C型円筒162の外周面と押し合って接している状態とし、C型円筒162が径方向内側に弾性変形する。これにより、C型円筒162の内側の面がアキューム管Fの外表面と押し合って接している状態にして、電磁誘導加熱ユニット6とアキューム管Fとが固定される。この状態であっても、図35の断面図に示すように、C型円筒162は、欠落部分のスペース162sが、第1六角ナット161および第1ボビン蓋163とアキューム管Fとの間で、上端から下端まで連続して設けられているため、上記実施形態と同様の排水機能を備え、排水固定状態となることができる。
なお、C型円筒162は、例えば、1つだけであってもよいし、複数枚が径方向において互いに重なるように設けられていてもよい。C方円筒162を設けることで、アキューム管Fの外側と第1六角ナット161や第1ボビン蓋163の内側との距離に合うようなC方円筒162の大きさや形状を選択することができ、設計の自由度を増大させつつ、適当な大きさおよび形状のC方円筒162を選択することでより強固な固定構造を採用することができる。
(B)
図36に示すように、例えば、排水固定構造は、第1六角ナット261および第1ボビン蓋263が作用することによって実現されていてもよい。
ここで、第1六角ナット261は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋263の配管用筒状部263cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、第1ボビン蓋263は、配管用筒状部263cの内側に排水溝263vを有している。この排水溝263vは、径方向外側に向けて切り込まれた溝が形成されており、この溝が軸方向に繋がった形状となっている。これにより、図37の断面図に示すように、第1六角ナット261が第1ボビン蓋263に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット261の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋263の配管用筒状部263cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、配管用筒上部263cの内側が径方向内側に向けて弾性変形し、アキューム管Fの外周と押し合って接している状態にして固定させる。この固定状態においても、図38の断面図に示すように、排水溝263vの部分はアキューム管Fの外表面と接触しておらず、アキューム管Fの外表面との間に隙間262sが形成されている。上述のように電磁誘導加熱ユニット6が固定された状態であっても、結露水や解凍水は、この隙間を通過して排水される。このようにして排水固定状態となることができる。
(C)
図39に示すように、例えば、第1ボビン蓋363の配管用筒状部363cの内側と、アキューム管Fの外表面と、の間に円筒弾性部材362を介在させることでよって排水固定構造を実現させてもよい。
ここで、第1六角ナット361は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋363の配管用筒状部363cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、円筒弾性部材362は、例えば、ゴム等の弾性体からなる円筒形状である。図40に示すように、第1六角ナット361が第1ボビン蓋363に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット361の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋363の配管用筒状部363cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、配管用筒上部363cの内側が径方向内側に向けて弾性変形することで、円筒弾性部材362の外表面が径方向内側に押される。これによって、円筒弾性部材362は、配管用筒上部363cの内側とアキューム管Fの外側との間に弾性変形した状態で挟まれて、固定される。この固定状態においても、図41に示すように、排水溝363vの部分はアキューム管Fの外表面と接触しておらず、アキューム管Fの外表面との間に隙間362sが形成されている。上述のように電磁誘導加熱ユニット6が固定された状態であっても、結露水や解凍水は、この隙間を通過して排水される。このようにして排水固定状態となることができる。
なお、円筒弾性部材362のような、第1六角ナット361および第1ボビン蓋363と、アキューム管Fと、の間に介在する部材は、1つに限られず、複数の部材が何重にも重なって設けられていてもよい。
(D)
図42および図43に示すように、例えば、上記他の実施形態(C)の円筒弾性部材362と同様の形状を有する円筒弾性部材469およびC型リング462を用いつつ、第1六角ナット461および第1ボビン蓋463と協働させることによって排水固定状態が実現されていてもよい。
ここで、C型リング462は、円周方向の一部が欠落している欠落部分のスペース462sを有している。円筒弾性部材469とC型リング462とが併用された場合には、例えば、図43に示すように、円筒弾性部材469の外側と、C型リング462の内側配管押付部462mとが押し合って接している状態となる。これにより、図44の断面図に示すように、第1六角ナット461が第1ボビン蓋463に対してねじ込まれた場合に、円筒弾性部材469がC型リング462によって径方向外側から内側に向けて押されて固定された状態となる。このように固定状態となっても、図45に示すように、C型リング462の欠落部分において、円筒弾性部材462の外表面と第1六角ナット461の内側押付部461hと第1ボビン蓋463の内側押付部463kとによって囲まれる部分に隙間462sが生じ、結露水や解凍水等を排水させることができる。このようにして排水固定状態となることもできる。
(E)
図46に示すように、例えば、排水固定構造は、排水溝Fvと接触面Fsとによって周囲が構成されているアキューム管200Fによって実現されていてもよい。
ここで、アキューム管200Fは、径方向外側から内側に向けて凹んだ溝である排水溝Fvが複数箇所において、軸方向に連なるように形成されている。また、この排水溝Fvの間には、電磁誘導加熱ユニット6が固定される面としての接触面Fsが設けられている。
ここで、第1六角ナット261および第1ボビン蓋263は、上記他の実施形態(B)と同様のものとすることができる。
図48に示すように、第1六角ナット261が第1ボビン蓋263に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット261の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋263の配管用筒状部263cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、配管用筒上部263cの内側が径方向内側に向けて弾性変形し、アキューム管Fの外周の接触面Fsと押し合って接している状態にして固定させる。この固定状態においても、図48の断面図に示すように、排水溝Fvの部分は第1ボビン蓋263の配管用筒状部263cの内側の面とは接触しておらず、アキューム管Fの外表面との間に隙間Fvsが形成されている。
このように、アキューム管200Fに電磁誘導加熱ユニット6が固定されたとしても、排水溝Fvの部分の隙間Fvsを通じた排水を行うことができる。このようにして排水固定状態となることもできる。
(F)
図49に示すように、例えば、排水固定構造は、第1六角ナット561、スペーサ562および第1ボビン蓋563が作用することによって実現されていてもよい。
ここで、第1六角ナット561は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋563の配管用筒状部563cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、スペーサ562は、アキューム管Fよりも径が小さい棒状部材である。図50に示すように、アキューム管Fの外表面と第1六角ナット561の内側との間に位置して固定を行う。すなわち、図51の断面図に示すように、第1六角ナット561が第1ボビン蓋563に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット561の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋563の配管用筒状部563cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、配管用筒上部563cの内側のうちスペーサ562と接触している部分近傍が径方向外側に向けて弾性変形し、配管用筒上部563cの内側のうちスペーサ562と接触している部分近傍以外の部分が径方向内側に向けて弾性変形することで、スペーサ562がアキューム管Fの外周面に対して押し付けられた状態で固定させることができる。この固定状態においても、図52の断面図に示すように、スペーサ562の周囲には、アキューム管Fの外表面と第1ボビン蓋563の配管用筒状部563cの内側の面との間に隙間562sが形成されている。上述のように電磁誘導加熱ユニット6が固定された状態であっても、結露水や解凍水は、この隙間を通過して排水される。このようにして排水固定状態となることができる。
(G)
図53に示すように、例えば、排水固定構造は、第1六角ナット661、螺旋部材662および第1ボビン蓋663が作用することによって実現されていてもよい。
ここで、第1六角ナット661は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋663の配管用筒状部663cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、螺旋部材662は、上述したC型円筒162における欠落部分が螺旋状に繋がっている部材として捕らえることができる。したがって、C型円筒162を採用した場合と近似した排水固定状態をとることができる。すなわち、図54に示すように、螺旋部材662は、アキューム管Fの外表面と第1六角ナット561および第1ボビン蓋663の配管用筒上部663cの内側との間に位置している。そして、第1六角ナット661が第1ボビン蓋663に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット661の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋663の配管用筒状部663cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、螺旋部材662と接触している部分近傍の配管用筒上部663cの内側が径方向内側に押された状態で径方向外側に向けて弾性変形し、螺旋部材662がアキューム管Fの外周面に押し付けられている状態で固定される。上述のように電磁誘導加熱ユニット6が固定された状態であっても、螺旋部材662の螺旋状のスペース662sを介して、結露水や解凍水を排水することができる。このようにして排水固定状態となることができる。
(H)
図55および図56に示すように、例えば、排水固定構造は、第1六角ナット761および第1ボビン蓋763が作用することによって実現されていてもよい。
ここで、第1六角ナット761は、上方に向かうにつれて内側の内径が小さくなるように形成されている。第1ボビン蓋763の配管用筒状部763cについても、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。また、第1ボビン蓋763は、配管用筒上部763cの内側上端近傍に、径方向内側に向けて膨出した膨出部763xを有している。この膨出部763xは、互いに離れた位置に4カ所設けられている。図56に示すように、第1六角ナット761が第1ボビン蓋763に対してねじ込まれた場合に、第1六角ナット761の上方に向かうにつれて内側の内径が小さく形成されている形状と、第1ボビン蓋763の配管用筒状部763cの上方に向かうにつれて外径が小さく形成されている形状と、が採用されているために、配管用筒上部763cの内側が径方向内側に向けて弾性変形することで、4カ所の膨出部763xが、アキューム管Fの外側に押しつけられて固定される。この固定状態においても、図57に示すように、配管用筒上部763cの内側上端のうち、膨出部763xが設けられていない部分と、アキューム管Fの外表面との間に、隙間763sが形成されている。上述のように電磁誘導加熱ユニット6が固定された状態であっても、結露水や解凍水は、この隙間を通過して排水される。このようにして排水固定状態となることができる。
(I)
上記実施形態では、冷媒回路10のうち、アキューム管Fに対して電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられる場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、アキューム管F以外の他の冷媒配管に設けられていてもよい。この場合には、電磁誘導加熱ユニット6を設ける冷媒配管部分にSUS管F2等の磁性体を設ける。
(J)
上記実施形態では、アキューム管Fは、銅管F1とSUS管F2との二重管として構成されている場合を挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
図58に示すように、例えば、被加熱部材F2aと、2つのストッパーF1aと、がアキューム管Fや加熱対象となる冷媒配管の内部に配置されていてもよい。ここで、被加熱部材F2aは、磁性体材料を含有しており、上記実施形態における電磁誘導加熱によって発熱を生じる部材である。ストッパーF1aは、銅管F1の内側二カ所において、冷媒の通過を常時許容するが、被加熱部材F2aの通過は許容しない。これにより、被加熱部材F2aは、冷媒が流れても移動しない。このため、アキューム管F等の目的の加熱位置を加熱させることができる。さらに、発熱する被加熱部材F2aと冷媒とが直接接触するため、熱伝達効率を向上させることができる。
(K)
上記他の実施形態(I)で説明した被加熱部材F2aは、ストッパーF1aを用いることなく配管に対して位置が定まるようにしてもよい。
図59に示すように、例えば、銅管F1に二カ所で曲げ部分FWを設け、当該二カ所の曲げ部分FWの間の銅管F1の内側に被加熱部材F2aを配置させてもよい。このようにしても、冷媒を通過させつつ、被加熱部材F2aの移動を抑制させることができる。
(L)
上記実施形態では、コイル68がアキューム管Fに対して螺旋状に巻き付けられている場合について説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図60に示すように、ボビン本体165に巻き付けられたコイル168が、アキューム管Fに巻き付くことなく、アキューム管Fの周囲に配置されていてもよい。ここでは、ボビン本体165は、軸方向がアキューム管Fの軸方向に対して略垂直となるように配置されている。また、ボビン本体165およびコイル168は、アキューム管Fを挟むように2つに別れて配置されている。
この場合には、例えば、図61に示すように、アキューム管Fを貫通させている第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、ボビン本体165に対して勘合した状態で配置されていてもよい。
さらに、図62に示すように、第1ボビン蓋163および第2ボビン蓋164が、第1フェライトケース171および第2フェライトケース172によって挟み込まれて固定されていてもよい。図62では、2つのフェライトケースがアキューム管Fを挟み込むように配置されている場合を例にあげたが、上記実施形態と同様に、4方向に配置されていてもよい。また、上記実施形態とどうように、フェライトを収容させていてもよい。