JP2010152402A5 - - Google Patents

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定着装置およびそれを備えた画像形成装置
この発明は、転写紙上に形成された未定着のトナー画像を定着させる定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
従来より、複写機またはプリンタ等において、転写紙上に静電転写されたトナー画像を定着させる定着装置として、図10に示すようなものがある。この図10に示す定着装置は、所謂2ローラ式定着装置であり、用紙1におけるトナー画像が静電転写された側(以下、トナー定着面側と言う)に在って熱源4を有する定着ローラ2と、用紙1に対して上記トナー定着面側とは反対側(以下、反対面側と言う)に定着ローラ2と平行に配置された加圧ローラ3との2つのローラによって、トナー5が静電転写されている用紙1を加圧して、熱と圧力とでトナー5を用紙1上に定着させるように構成されている。
上記定着ローラ2は、定着性確保のためにニップ部を広く形成する必要がある。そのために、定着ローラ2は金属で形成された円筒状の芯金6の表面を、厚肉のゴム材料7で円筒状に覆って構成されている。そして、熱源4は、芯金6の中心軸に沿って配置されている。加圧ローラ3も同様に、加圧性およびニップ性確保のために、金属で形成された円筒状の芯金8の表面を、厚肉のゴム材料9で円筒状に覆って構成されている。
上述のように、厚肉で熱容量の大きい定着ローラ2を使用した場合、熱源4用の電源がオンされてからゴム材料7の表面が所定の温度に至ってコピー可能になるまでの時間(以下、ウォームアップタイム(WUT)と言う)として6分〜7分程度が必要であり、電源投入時の待ち時間が長いという欠点がある。
このような上記ウォームアップタイムが長いという欠点を解消して、上記ウォームアップタイムの短縮を図るために、所謂3ローラ式定着装置が出現している。図11は、特開2002‐244484号公報(特許文献1)に開示された3ローラ式の定着装置を示す。
図11に示すように、上記特許文献1に開示された定着装置101においては、定着ローラ102と、加熱ローラ103と、定着ローラ102と加熱ローラ103との間に張架された定着ベルト104と、定着ローラ102に対向して配置され、定着ベルト104を挟んで定着ローラ102に圧接された加圧ローラ105と、を有して構成されている。
上記加熱ローラ103は、薄肉の金属で円筒形に形成されており、その回転中心部には熱源としてハロゲンヒータ106を有している。また、定着ローラ102は、上記トナー定着面側に加熱ローラ103と平行に配置され、金属によって円筒形に形成された芯金102aと、この芯金102aの外周面に形成されたシリコーンゴム層102bとを有している。また、加圧ローラ105は、上記反対面側に定着ローラ102に対向して配置され、定着ローラ102と同様に、金属によって円筒形に形成された芯金105aと、この芯金105aの外周面に形成されたシリコーンゴム層105bとを有している。尚、加圧ローラ105も、回転中心部には熱源としてハロゲンヒータ107を有している。また、定着ベルト104は、加熱ローラ103と定着ローラ102とによって駆動されると共に、加熱ローラ103によって、回転時も加熱ローラ103と略同程度に加熱される。
上記特許文献1に開示された定着装置101の場合には、ハロゲンヒータ106を有する加熱ローラ103は、薄肉の金属で円筒形に形成されているため熱容量が小さく、加熱ローラ103上に位置する定着ベルト104の熱容量も、その体積が小さいため小さい。そのために、定着ベルト104は急激な温度上昇が可能であり、回転状態においても加熱ローラ103に接触すると急激に温度が上昇することになる。こうして、温度上昇した定着ベルト104は、回転されて加圧ローラ105とのニップ部に到達して定着可能状態となる。
すなわち、この3ローラ式定着装置の場合には、上記ウォームアップタイムは30秒〜45秒程度であり、電源投入時の待ち時間が短いという利点がある。
しかしながら、上記各従来の定着装置には、以下のような問題がある。
すなわち、上記2ローラ式定着装置および上記3ローラ式定着装置の両者に共通していることであるが、両定着装置で用いられる加圧ローラ3および加圧ローラ105は、ニップ幅確保のために、金属製の円筒状の芯金8および芯金105aの表面に、熱容量の大きい中肉乃至厚肉のゴム材料9およびシリコーンゴム層105bで被覆されて構成されている。したがって、加圧ローラ3および加圧ローラ105も、定着ローラ2および定着ローラ102の場合と同様に、電源投入時における温度上昇が緩やかであり、図4に示す定着装置における加圧ローラ3のごとく内側に熱源としてのヒータが設置されていない定着装置の場合には、なおさら加圧ローラ3の表面温度の立ち上がりが遅い。
一方において、上記定着装置を搭載した複写機等において、電源オンの直後(例えば、朝一番等)における定着性能は、主に定着ローラの表面温度(上記3ローラ定着装置の場合には上記定着ベルトの表面温度)が支配的であり、この定着ローラの表面温度(定着ベルトの表面温度)が所定温度(一般には180℃〜200℃程度)に達するまでの時間で、朝一番等における上記ウォームアップタイムが決定されることになる。
その理由は、トナーを用紙に定着させる側に在る定着ローラの温度の方が、用紙におけるトナー定着側とは反対側の裏面側から上記用紙に圧接される加圧ローラの温度よりも、定着性能を良好にするための影響が大きいからである。したがって、朝一番の定着性能を良好にするには、上記定着ローラの温度を支配的に温める必要がある。
そこで、一般的に、定着装置においては、総ワッテイジ(1000W程度)のうちの8割〜10割(800W〜1000W)を、上記定着ローラ内のヒータ加熱用として使用し、残りの0割〜2割(0W〜200W)を上記加圧ローラ内のヒータ加熱用として使用するようにしている。そのため、図12に示すように、定着装置における朝一番では、定着ローラの温度は急激に上昇する一方、加圧ローラの温度は緩やかに上昇する。但し、図12においては、3ローラ式の定着装置の場合であって、定着用の総ワッテイジの全てが定着ローラ側のヒータ加熱に使用されており、加圧ローラにはヒータが内蔵されていない場合である。
図12において、室温が20℃程度において、上記定着装置の電源がオンされると、定着ローラは、30秒程度で200℃まで昇温される。一方、加圧ローラは、ヒータが内蔵されていないので30秒程度では50℃程度までしか上昇しない。そして、定着ローラ内のヒータは、定着ローラの温度が温調温度である200℃に達した時点でオフとなり、その後は200℃(温調温度)未満でオンとなり、200℃以上でオフとなる温調制御を繰り返す。この温調制御間に、加圧ローラは定着ローラによって加熱されて昇温されるのであるが、加圧ローラの飽和温度である120℃程度まで昇温されるには、120秒程度の時間が掛かることになる。
ところで、図12に示すような上記定着装置の立ち上がり時における上記定着ローラ温度と上記加圧ローラ温度との温度差(つまり、定着ローラ温度が200℃であり、加圧ローラ温度が50℃であるから、150℃(200℃−50℃))においては、用紙のカール性が悪化するという問題が発生する。
図13に、用紙カールのメカニズムを示す。未定着トナー(図示せず)が付着した用紙111が定着装置に搬送されて来ると、定着ローラ112と加圧ローラ113とのニップ部114において、熱と圧力とによって未定着トナーが用紙に定着される。その際に、上記立ち上がり時のように、定着ローラ112の表面温度の方が加圧ローラ113の表面温度よりも高い場合は、図13(a)に示すように、用紙111内に存在する水分115はニップ部114における定着ローラ112側からより多く蒸発し、温度の低い加圧ローラ113側からはあまり蒸発されない。その結果、用紙111における定着ローラ112側は水分が少なくなる一方、加圧ローラ113側は水分が多くなり、非平衡状態が形成される。そして次に、用紙111の縦断面における中央部の水分も含めて加圧ローラ113側の水分が、一気に定着ローラ112側へ移動する。
その結果、図13(b)に示すように、上記用紙111は、定着ローラ112側で水分が多く、加圧ローラ113側で水分が少ない状態になり、用紙111の定着ローラ112側は集まった水分によって膨張する一方、加圧ローラ113側は逃げた水分によって収縮する。この一側の膨張と他側の収縮とが用紙111のカールのメカニズムであり、図13の場合、用紙111は加圧ローラ側に折れ曲がった様なバックカールになる。
用紙カールはこのようなメカニズムであるために、用紙111のカールは、定着ローラ112の温度と加圧ローラ113の温度との温度差が大きければ大きい程悪化する。そのため、用紙111内に水分が多く存在する高温高湿環境(HH環境)においてはその程度は大きく不利であり、低温低湿環境(LL環境)においてはその程度は小さく有利である。一方において、定着性能は、熱と圧力とでトナーを溶解して定着させる能力であるため、高温高湿環境(HH環境)において有利であり、低温低湿環境(LL環境)においては不利となる。したがって、定着性能とカール性との有利/不利は、環境条件に対してトレードオフの関係になっている。
ところで、上記定着ローラの表面温度と上記加圧ローラの表面温度との温度差は、定着ローラと加圧ローラとのニップ荷重である定着圧接力によって制御することができる。そして、近年、定着圧接力のモードとして、圧接力の強い重圧接と圧接力の弱い軽圧接との二つのモードを有する定着装置が出現している。このような重圧接モードと軽圧接モードとを有する装置として、特開昭61‐294475号公報(特許文献2)に開示された静電記録装置がある。
上記特許文献2に開示された静電記録装置においては、図14に示すように、定着器121は、内部にヒータ122を有する定着ローラ123と、この定着ローラ123に圧接する加圧ローラ124とを備えている。定着ローラ123は装置本体(図示せず)に軸支されており、加圧ローラ124はその両端をレバー125によって支持されている。また、レバー125の一端は上記装置本体に固定されたピンで揺動自在に支持され、他端は圧縮バネ126の一端によって定着ローラ123を押圧する方向に付勢されている。尚、圧縮バネ126の他端は、上記装置本体の底部に固定された支点127の周りに揺動するレバー128の一端に支持されたスプリング受け129で支持されている。
転写材モードとして封筒モードが選択され、センサSにより封筒先端が検知されると、ステッピングモータ130,ウォーム131,ウォームホイール132を介してカム133を回転させ、カム133とレバー128の他端との係合点の位置を上げる。こうして、加圧ローラ124と定着ローラ123との定着圧接力を普通紙よりも低下させるようになっている。
以上のごとく、封筒のように紙しわ等の異常が出易い用紙の場合には、軽圧接モードに設定することによって、紙しわの発生を防ぐことができる。その際に、上記重圧接モードと上記軽圧接モードとに切り換えることによって、定着ローラと加圧ローラとの間の熱伝達度が変わり、定着ローラの表面温度と加圧ローラの表面温度との温度差を制御可能になるのである。
図15に、定着圧接力のモードによる温度差制御のメカニズムを示す。図15(a)に示す重圧接モードの場合には、定着ローラ123と加圧ローラ124とが強く圧接される。これに対し、図15(b)に示す軽圧接モードの場合には、定着ローラ123と加圧ローラ124とが弱く圧接される。定着ローラ123および加圧ローラ124は、ニップ部を確保するために、表面材として弾性体であるゴムが用いられている。そのため、重圧接モードの場合にはニップ幅が広くなり、軽圧接モードの場合にはニップ幅が狭くなる。そうすると、定着ローラ123と加圧ローラ124との間の熱移動は、ニップ幅(接触面積)が広い上記重圧接モードで盛んになり、上記軽圧接モードでは不活発になる。したがって、上記重圧接モードの方が、高温である定着ローラ123の熱が、低温である加圧ローラ124に活発に移動するのである。
一例として、上記3ローラ式定着装置による朝一番での定着ローラおよび加圧ローラの温度上昇の様子を図16に示す。図16において、室温が20℃程度において、定着装置の電源がオンされ、定着ローラ用のヒータがオンされると、上記重圧接モードおよび上記軽圧接モードの何れの場合にも、ヒータワッテイジの大きい定着ローラが急激に温度上昇し、ヒータワッテイジの少ない(あるいは無い)加圧ローラは緩やかに温度上昇する。その際に、熱移動の盛んな重圧接モードの場合には、急激に温度上昇している定着ローラの熱が活発に加圧ローラ側へ移動するために、加圧ローラ温度の立ち上がりが速くなる。その結果、加圧ローラに熱を奪われる定着ローラ温度の立ち上がりが遅くなる。これに対し、熱移動の不活発な軽圧接モードの場合には、重圧接モードに比べて、加圧ローラ温度の立ち上がりが遅くなる。その結果、加圧ローラに熱を奪われ難い定着ローラ温度の立ち上がりが、重圧接モードに比べて速くなる。
図16に示す例の場合には、定着ローラ用のヒータがオンされた後に30秒が経過した時点において、定着ローラ温度/加圧ローラ温度は、重圧接モードの場合には170℃/80℃であり、軽圧接モードの場合には200℃/50℃である。
しかしながら、上記特許文献2に開示された従来の静電記録装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、上記静電記録装置の立ち上げ時に、定着性能を良くするために、定着圧接力のモードとして軽圧接モードを設定し、定着性能に支配的である定着ローラの表面温度をより高くしようとすると、図16から分かるように、加圧ローラの表面温度が低くなってしまう。そのために、定着ローラの表面温度と加圧ローラの表面温度との差が大きくなり(図16に示す例の場合には150℃(=200℃−50℃))、上述したように、用紙のカール性能が悪化してしまうという問題がある。
そこで、逆に、用紙のカール性能を良くしようとして、定着ローラと加圧ローラとの表面温度差が小さい重圧接モードに設定すれば、定着ローラと加圧ローラとの温度差は小さくなるが、定着ローラ温度の立ち上がりが遅くなるため、朝一番における定着性能が悪くなるか、あるいは、ウォームアップタイムが長くなるという問題がある。
特開2002‐244484号公報 特開昭61‐294475号公報
そこで、この発明の課題は、電源投入直後において特に良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることができる定着装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
熱源と、
上記熱源から供給される熱によって加熱されると共に、回動可能な定着ローラと、
上記定着ローラの表面に回転可能に圧接されてニップ部を形成すると共に、上記ニップ部によって、記録媒体の表面に形成されている未定着のトナー画像を上記記録媒体に定着させる加圧ローラと、
上記定着ローラの表面温度を検知する第1温度検知部と上記加圧ローラの表面温度を検知する第2温度検知部とのうちの少なくとも何れかと、
上記第1温度検知部による検知温度と上記第2温度検知部による検知温度とのうちの少なくとも何れかに基づいて、上記定着ローラと上記加圧ローラとの上記ニップ部のニップ圧力を調整する圧力調整部と
を備え
上記圧力調整部は、上記熱源オン時における上記第1温度検知部による検知温度あるいは上記第2温度検知部による検知温度が高いほど、上記ニップ部のニップ圧力を高くする一方、上記熱源オン時における上記第1温度検知部による検知温度あるいは上記第2温度検知部による検知温度が低いほど、上記ニップ部のニップ圧力を低くする
ことを特徴としている。
上記熱源をオンする際には、上記定着ローラおよび上記加圧ローラの表面温度は、環境温度と略同じ温度を呈している。したがって、上記熱源オン時に、上記定着ローラおよび上記加圧ローラの少なくとも何れかの表面温度を検知することによって、環境温湿度を検知することが可能になる。
また、上記定着ローラと上記加圧ローラとの上記ニップ部のニップ圧力を変化させることによって、上記定着ローラから上記加圧ローラへの熱移動が変化し、延いては上記定着ローラの表面温度および上記定着ローラと上記加圧ローラとの表面温度差を変えることが可能になる。
上記構成によれば、上記圧力調整部は、上記第1温度検知部による上記定着ローラの検知温度と、上記第2温度検知部による上記加圧ローラの検知温度との少なくとも何れかに基づいて、上記定着ローラと上記加圧ローラとの上記ニップ部のニップ圧力を調整するので、上記環境温湿度に応じて上記定着ローラの表面温度および上記定着ローラと上記加圧ローラとの温度差を調整して、良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることが可能になる。特に電源投入直後において有効である。
また、この発明の画像形成装置は、
記録媒体の表面に、帯電したトナーによって未定着のトナー画像を形成する画像形成部と、
上記この発明の定着装置と
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、定着ローラと加圧ローラとのニップ圧力を調整して、上記定着ローラの表面温度および上記定着ローラと上記加圧ローラとの温度差を調整することにより、電源投入直後において良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることを可能にする定着装置を備えている。したがって、朝一番等の電源投入直後におけるウォームアップタイムを長引かせることなく、良好な定着を行うことができる。
以上より明らかなように、この発明の定着装置は、圧力調整部によって、第1温度検知部による定着ローラの検知温度と、第2温度検知部による加圧ローラの検知温度との少なくとも何れかに基づいて、上記定着ローラと上記加圧ローラとの上記ニップ部のニップ圧力を調整するので、上記環境温湿度に応じて上記定着ローラの表面温度および上記定着ローラと上記加圧ローラとの温度差を調整して、電源投入直後において良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることが可能になる。
また、この発明の画像形成装置は、定着ローラと加圧ローラとのニップ部のニップ圧力を調整して、上記定着ローラの表面温度および上記定着ローラと上記加圧ローラとの温度差を調整することにより、電源投入直後において良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることを可能にする定着装置を備えているので、朝一番等の電源投入直後におけるウォームアップタイムを長引かせることなく、良好な定着を行うことができる。
この発明の画像形成装置における全体の構成を示す図である。 図1における定着部の構成を示す概略断面図である。 図2に示す定着部の概略平面図である。 モータの回転時間と加圧ローラの移動方向とニップ幅との関係を示す図である。 モータの回転角度と加圧ローラの移動方向とニップ幅との関係を示す図である。 モータの入力パルス数とニップ幅との関係を示す図である。 駆動トルクとニップ幅との関係を示す図である。 HH環境とLL環境とにおける定着ローラおよび加圧ローラの表面温度の変化を示す図である。 厚紙時と薄紙時とにおける定着ローラおよび加圧ローラの表面温度の変化を示す〜図である。 従来の2ローラ式定着装置の構成を示す概略断面図である。 従来の3ローラ式定着装置の構成を示す概略断面図である。 図10および図11に示す従来の定着装置における電源投入直後のヒ−タ温度と定着ローラおよび加圧ローラの表面温度との経時変化を示す図である。 用紙カールのメカニズムを示す図である。 用紙種に応じて定着圧接力のモードを変更する従来の静電記録装置における定着器の概略構成を示す断面図である 定着圧接力のモードによる温度差制御のメカニズムを示す図である。 図14に示す従来の定着器における重圧接モードと軽圧接モードとにおける定着ローラおよび加圧ローラの表面温度の変化を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の画像形成装置における全体の構成を示す図である。以下、図1に従って、本実施の形態における画像形成装置の全体構成について、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う)を例に挙げて説明する。
上記プリンタ10は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、図1に示すように、画像プロセス部11と、給送部12と、定着部13と、制御部14とを含み、例えばLAN(Local Area Network)等で成るネットワークに接続されて、外部の端末装置(図示せず)からのプリントジョブの実行指示を受けると、その実行指示に従って、イエロー,マゼンタ,シアンおよびブラック色からなるカラーの画像を形成する。以下、イエロー,マゼンタ,シアンおよびブラックの各再現色をY,M,CおよびKと表し、各再現色に関連する部材番号にこのY,M,C,Kを添字として付加する。
上記画像形成部としての画像プロセス部11は、各再現色Y,M,C,K夫々に対応する作像部15Y,15M,15C,15Kおよび中間転写ベルト16等を含んで構成されている。
上記作像部15Y〜15Kは、感光体ドラム17Y〜17K、感光体ドラム17Y〜17Kの周囲に配設された帯電器18Y〜18K、露光部19Y〜19K、現像器20Y〜20K、一次転写ローラ21Y〜21K、感光体ドラム17Y〜17Kを清掃するためのクリーナ22Y〜22K等を含んでおり、感光体ドラム17Y〜17K上に再現色Y,M,C,Kのトナー像を作像する。尚、露光部19Yは、その内部に、レーザダイオードと、このレーザダイオードから出射されるレーザビームを偏向して感光体ドラム17Yの表面を主走査方向に露光走査させるためのポリゴンミラーと、走査レンズ等を備えている。他の露光部19M〜19Kも同様の構成を有している。
また、上記画像プロセス部11を構成する中間転写ベルト16は、無端状のベルトであり、駆動ローラ23と従動ローラ24とによって張架されて、ベルト駆動モータ25によって矢印方向に回転駆動される。
上記給送部12は、記録用のシートとしての用紙Sを収容する絵紙カセット26と、絵紙カセット26内の用紙Sを搬送路27上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ28と、繰り出された用紙Sを搬送する搬送ローラ対29と、用紙Sを二次転写位置30に送り出すタイミングを取るタイミングローラ対31と、二次転写位置30において中間転写ベルト16を挟んで駆動ローラ23に圧接される二次転写ローラ32と、を含んで構成されている。
上記二次転写ローラ32は、例えばNBR(ニトリルゴム)にイオン導電性物質を添加して発泡させた導電性の弾性ローラであり、二次転写ローラ駆動モータ33によって駆動されて、矢印方向に回転駆動される。また、二次転写ローラ32には、二次転写電圧出力部34から出力される二次転写電圧が印加される。これにより、二次転写ローラ32と駆動ローラ23と間に、二次転写のための静電力が作用する。
上記定着部13は、後に詳述するように定着ローラと加圧ローラとを有し、所定の定着温度で用紙Sを加熱加圧してトナー像を定着させる。
上記構成を有する本画像形成装置における画像形成動作(トナー像形成、用紙給送、トナー像の用紙への転写、トナー像の定着、および用紙排出)について以下に説明する。
上記制御部14は、上記外部の端末装置からの画像信号を各再現色Y,M,C,K用のデジタル信号に変換して、露光部19Y〜19Kの上記レーザダイオードを駆動させるための駆動信号を生成する。そして、この生成された駆動信号によって露光部19Y〜19Kの上記レーザダイオードが駆動されてレーザビームLが出射され、感光体ドラム17Y〜17Kが露光走査される。
ここで、上記感光体ドラム17Y〜17Kは、露光部19Y〜19Kによる露光走査が行われる前に、予め帯電器18Y〜18Kによって一様に帯電されている。そして、露光部19Y〜19KからのレーザビームLによる露光走査によって、感光体ドラム17Y〜17Kに静電潜像が形成されるのである。
そして、各静電潜像は、上記現像器20Y〜20Kによってトナーで現像される。こうして得られた感光体ドラム17Y〜17K上のトナー像は、一次転写ローラ21Y〜21Kと感光体ドラム17Y〜17Kとの間に作用する静電力によって中間転写ベルト16上に一次転写される。その際に、各色のトナー像が中間転写ベルト16上の同じ位置に重ね合わせて転写されるように、各色の作像動作はタイミングをずらして実行される。こうして、中間転写ベルト16上に重ね合わせて一次転写された各色トナー像は、中間転写ベルト16の回動によって二次転写位置30に移動する。
上述した上記中間転写ベルト16上に対する各色の作像動作にタイミングを合わせて、給送部12からタイミングローラ対31によって用紙Sが給送されており、用紙Sは中間転写ベルト16と二次転写ローラ32との間に挟まれて搬送され、上記転写ローラとしての二次転写ローラ32と駆動ローラ23との間に作用する静電力によって、中間転写ベルト16上のトナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
こうして、上記二次転写位置30を通過した用紙Sは定着部13に搬送され、定着部13でトナー像が加熱・加圧されて用紙Sに定着された後、排出ローラ35によって排出され、収容トレイ36に収容される。
以下、上記定着部13の構成とその動作について、詳細に説明する。
図2は、上記定着部13の構成を示す概略断面図である。図2において、本実施の形態における定着部13は、所謂3ローラ式定着装置である。そして、温湿度環境に応じて、定着圧接力のモードを切り換え設定するようになっている。
図2に示すように、上記定着部13は、定着ローラ41と、加熱ローラ42と、定着ローラ41と加熱ローラ42との間に張架された定着ベルト43と、定着ローラ41に対向して配置され、定着ベルト43を挟んで圧接ばね57によって定着ローラ41に圧接された加圧ローラ44と、を有して構成されている。
上記加熱ローラ42は、薄肉の金属で円筒形に形成されており、その回転中心部には熱源としてハロゲンヒータ45を有している。尚、上記熱源は、ハロゲンヒータに限定するものではなく、ニクロム線ヒータ、セラミックヒータ、キセノンヒータ等によって構成することも可能であり、また、IH加熱方式、サーフ加熱方式を採用することもできる。
また、上記定着ローラ41は、用紙Sにおけるトナー画像が静電転写されている側(以下、トナー定着面側と言う)に加熱ローラ42と平行に配置され、鉄やアルミニウム等の金属によって円筒形に形成された芯金41aと、この芯金41aの外周面に形成されたシリコン等のゴム層41bとを有している。尚、ゴム層41bは、上記シリコンに限らず、ウレタン,NBRまたはEPDM(エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム)等を用いることも可能である。
また、上記加圧ローラ44は、用紙Sに対して上記トナー定着面側とは反対側(以下、反対面側と言う)に定着ローラ41に対向して配置され、定着ローラ41と同様に、鉄やアルミニウム等の金属によって円筒形に形成された芯金44aと、この芯金44aの外周面に形成されたシリコン等のゴム層44bとを有している。尚、ゴム層44bは、上記シリコンに限らず、ウレタン,NBRあるいは上記EPDM等を用いることも可能である。加圧ローラ44は、上述したように圧接ばね57によって500N(ニュートン)程度の圧力で定着ローラ41に圧接されている。この加圧ローラ44は、加圧ローラ駆動モータ46によって矢印方向に回転駆動される。それに連れて、定着ローラ41,定着ベルト43および加熱ローラ42も矢印方向に回転駆動される。さらに、回転中心部には熱源としてハロゲンヒータ47を有している。この熱源は、ハロゲンヒータに限定するものではなく、ニクロム線ヒータ、セラミックヒータ、キセノンヒータ等によって構成することも可能であり、IH加熱方式、サーフ加熱方式を採用することもできる。尚、ハロゲンヒータ47は無くとも構わない。
また、上記定着ベルト43は、定着ローラ41によって回転駆動されると共に、加熱ローラ42によって、回転時も加熱ローラ42と略同程度に加熱されるようになっている。
上述したように、上記定着部13は、温湿度環境に応じて定着圧接力のモードを切り換え設定するのであるが、以下、定着圧接力の変更機構について説明する。
上記定着ローラ41および加熱ローラ42を軸支している定着フレーム48に、加圧ローラ44を軸支している加圧レバー49が、支点軸50によって、揺動自在に連結されている。そして、定着フレーム48には、圧接調整レバー51が軸52によって回動可能に支持されている。圧接調整レバー51の一端側に設けられた穴53にはシャフト54の先端が係合しており、シャフト54に設けられたばね座55と加圧レバー49に設けられた受圧部56との間には、圧接ばね57が縮装されている。そのため、加圧レバー49は、圧接ばね57のばね力によって、常時定着フレーム48から離間するように付勢されている。
また、上記圧接調整レバー51の他端は軸52を中心とする円弧の一部をなしており、この他端にはセクタギヤ58が形成されている。そして、このセクタギヤ58には駆動ギヤ59が歯合し、駆動ギヤ59は減速機構60を介してモータ61によって駆動されるようになっている。
こうして、上記圧接調整レバー51の回動位置を、その他端のセクタギヤ58に歯合する駆動ギヤ59を介してモータ61により無段階に変位させることによって、圧接ばね57が加圧ローラ44を定着ローラ41に圧接させるばね力を無段階に調整し、圧接ばね57のばね力の変更によってニップ部62のニップ幅Bを無段階に変更できるのである。すなわち、具体的には、モータ61の回転位置を制御部14で制御することによって、ニップ部62のニップ幅Bを無段階に変更するのである。
図3は、図2に示す定着部13の概略平面図である。図3に示すように、圧接調整レバー51の側部に、水平に突出して圧接調整レバー51と共に移動する移動部63を設けている。また、定着フレーム48の側方には、圧接調整レバー51側の移動部63を検知するフォトインタラプタ64等のセンサを設けている。そして、圧接調整レバー51が定着ローラ41と加圧ローラ44との基準圧接位置に対応した回動位置にあるか否かを、移動部63とフォトインタラプタ64との組合わせによって検出して判定する。そして、この判定結果に応じて、制御部1は、圧接調整レバー51の位置がノーマルな基準圧接状態になるようにモータ61を駆動する。そうした後、これを基準として、後に詳述するように温湿度環境に応じて、加圧ローラ44が定着ローラ41に対して加圧側あるいは減圧側に移動するように、モータ61によって圧接調整レバー51を駆動する。こうして、種々の圧接状態を無段階に設定するのである。
また、本実施の形態の定着部13においては、上記定着ローラ41および上記加熱ローラ42の加圧負荷が大きいのに対応して、定着フレーム48の左右両側に圧接調整レバー51を軸52で支持して設け、両圧接調整レバー51のセクタギヤ58に歯合する一対の駆動ギヤ59を駆動シャフト65と一対の軸受66とによって定着フレーム48に設けている。こうして、左右一対の圧接調整レバー51と、それに対応して加圧レバー49の左右両側に設けられた一対の圧接ばね57とで、加圧ローラ44を定着ローラ41に対し左右均等に安定して圧接するようにしている。尚、モータ61からの駆動力は、図2に示すように、一方の駆動ギヤ59に減速ギア60等の減速機構を介して伝達すればよい。
上記構成において、上記基準圧接位置におけるニップ部62の幅である基準ニップ幅B0からのニップ幅Bの調整は、例えば、図4に示すように、上記基準圧接位置からのモータ61の回転時間と、そのときの圧接調整レバー51の駆動方向(加圧ローラ44の移動方向)と、ニップ幅Bとの関係を予め求めて、制御部14内のメモリ等に格納しておく。そして、制御部14は、温湿度センサ67(図2参照)によって検知された温湿度に応じて目標とするニップ幅Bを求め、図4に示す関係に従って、目標ニップ幅Bと基準ニップ幅B0との差に応じた時間と方向にモータ61を駆動することによって行うのである。
尚、その場合におけるモータ61の駆動方向は、モータ61の正逆方向を選択するのが簡単であるが、駆動方向切り換え機構を用いて行ってもよい。
また、基準ニップ幅B0からのニップ幅Bの調整は、図5に示すように、モータ61あるいはモータ61で駆動される圧接調整レバー51の回転角度と、そのときのモータ61あるいは圧接調整レバー51の駆動方向(加圧ローラ44の移動方向)と、ニップ幅Bとの関係を予め求めて制御部14内のメモリ等に格納しておく。そして、制御部14は、温湿度センサ67によって検知された温湿度に応じて目標とするニップ幅Bを求め、図5に示す関係に従って、目標ニップ幅Bと基準ニップ幅B0との差に応じた回転角度と回転方向とに基づいてモータ61を駆動することによっても行うことができる。
このニップ幅Bの調整方法は、上記モータ61の駆動時間によっては制御が安定しない場合に有効であり、具体的には、モータ61や駆動ギヤ59、圧接調整レバー51、加圧レバー49に連動して回動するパルス円盤等の回動位置を、回転検知手段(図示せず)を利用して検知することによって実現することができる。
また、上記基準ニップ幅B0からのニップ幅Bの調整は、上記モータ61が、制御部14から供給駆動パルスによって駆動制御されるステッピングモータ等である場合には、図6に示すように、モータ61に入力される駆動パルスのパルス数と、ニップ幅Bとの関係を予め求めて制御部14内のメモリ等に格納しておく。そして、制御部14は、温湿度センサ67によって検知された温湿度に応じて目標とするニップ幅Bを求め、図6に示す関係に従って、目標ニップ幅Bと基準ニップ幅B0との差に応じた入力パルス数に基づいてモータ61を駆動することによっても行うことができる。
また、上記加圧ローラ44を駆動する部材の駆動トルクを検知する駆動トルク検知手段(図示せず)を設ける。そして、上記基準ニップ幅B0からのニップ幅Bの調整は、図7に示すように、上記駆動トルク検知手段によって検知された上記駆動トルクと、ニップ幅Bとの関係を予め求めて制御部14内のメモリ等に格納しておく。そして、制御部14は、温湿度センサ67によって検知された温湿度に応じて目標とするニップ幅Bを求め、図7に示す関係に従って、目標ニップ幅Bと基準ニップ幅B0との差に応じた上記駆動トルクに基づいてモータ61を駆動することによっても行うことができる。
以下、上記温湿度センサ67によって検知された温湿度に応じて、ニップ部62のニップ幅を変更する方法について、具体的に説明する。一般に、画像形成装置においては、高温高湿環境(HH)から低温低湿環境(LL)まで、幅広い温湿度環境下において使用できるものであるのが望ましい。ここで、HH環境とは、一般に30℃/80%程度であり、LL環境とは10℃/10%程度である。
上記HH環境においては、高温であるため定着性能が良好であり、高湿であるため用紙のカール性能に不利である。したがって、朝一番等の立ち上げ時に、定着性能に支配的である定着ローラ41の表面温度は、上記LL環境の場合に比べてそれ程高い温度を必要とはしない。その代わりに、用紙のカール性能が悪いため、定着ローラ41と加圧ローラ44との表面温度差が小さいことが望ましい。
これに対し、上記LL環境においては、低温であるため定着性能が悪く、低湿であるため用紙のカール性能が良好である。したがって、定着性能に支配的である定着ローラ41の表面温度は、上記HH環境の場合に比べて高い温度である必要がある。その代わり、用紙のカール性能が良好であるため、定着ローラ41と加圧ローラ44との表面温度差は、それほど小さくなくても良い。
そこで、本実施の形態においては、上記制御部14は、温湿度センサ67によって検知された温湿度に基づいて、現在の温湿度環境が上記HH環境であるか上記LL環境であるかを判断する。この場合、上記HH環境と上記LL環境との境界温度は、例えば上記HH環境での30℃より5℃下の25℃と上記LL環境での10℃より5℃上の15℃とし、境界湿度は、例えば上記HH環境での80%より10%下の70%と上記LL環境での10%より10%上の20%とすればよい。尚、上記境界温度と境界湿度とは、状況に応じて適宜設定すればよい。
そして、上記制御部14は、現在の温湿度環境が上記HH環境であると判断した場合には、朝一番等の立ち上げ時に、用紙のカール性能不良を改善するために、上記定着圧接力のモードを、定着ローラ41と加圧ローラ44との表面温度差が小さくなる上記重圧接モードに設定する。これに対し、現在の温湿度環境が上記LL環境であると判断した場合には、朝一番等の立ち上げ時に、定着性能不良を改善するために、上記定着圧接力のモードを、定着ローラ41の表面温度が高くなる上記軽圧接モードに設定する。
その場合、上記重圧接モード時におけるニップ部62の目標ニップ幅B1と、上記軽圧接モード時における目標ニップ幅B2とを、予め設定して制御部14内の上記メモリに登録しておく。そして、制御部14は、上記重圧接モードに設定する場合には、目標ニップ幅B1と基準ニップ幅B0との差に応じて求めたモータ61の回転時間や、モータ61の回転角度や、モータ61の入力パルス数や、加圧ローラ44の駆動トルクを求める。そして、この求めた値に基づいてモータ61を駆動することによって、ニップ部62の目標ニップ幅B1が、設定された上記定着圧接力のモードに応じた所定のニップ幅Bに設定されるのである。尚、上記軽圧接モードに設定する場合も同様である。
その結果、例えば、図8に示すように、上記HH環境においては、例えば、室温が30℃程度において、ヒータ45,47がオンされると、上記定着圧接力のモードが上記重圧接モードに設定されているため、定着ローラ41から加圧ローラ44への熱の移動量がより多くなっており、定着ローラ41の表面温度は上記LL環境の場合程早くは立ち上がらないが、加圧ローラ44の表面温度の立ち上がりは早い。そのため、ヒータ45,47のオン後23秒程度で、定着ローラ41の温度は略150℃に達し、加圧ロ−ラ44の温度は略90℃に達する。その場合、定着ローラ41と加圧ロ−ラ44との温度差は60℃であり、この程度の小さな温度差であれば良好な用紙のカール性能を達成することができる。また、上記HH環境の場合には、元々定着性能が良好であるため、定着ローラ41の表面温度が150℃程度であっても十分な定着性能を確保することができるのである。
これに対して、上記LL環境においては、例えば、室温が10℃程度において、ヒータ45,47がオンされると、上記定着圧接力のモードが上記軽圧接モードに設定されているため、定着ローラ41から加圧ローラ44への熱の移動量がより少なくなっており、定着ローラ41の表面温度は上記HH環境の場合よりも早く立ち上がるが、加圧ローラ44の表面温度の立ち上がりは遅い。そのため、ヒータ45,47のオン後23秒程度で、定着ローラ41の温度は略180℃まで上昇するが、加圧ロ−ラ44の温度は略35℃までしか上昇しない。その場合、定着ローラ41と加圧ロ−ラ44との温度差は略145℃もあるが、上記LL環境の場合には、元々用紙のカール性は良好であるため、145℃程度の温度差であっても良好な用紙のカール性能を達成することができる。また、上記LL環境の場合には、定着性能が悪いのであるが、定着性能に支配的な定着ローラ41の表面温度は略180℃まで上昇しているので、良好な定着性能を達成することができるのである。
以上の制御が画像形成動作前の準備としてのウォームアップ時に行われることより、上記HH環境時および上記LL環境時の何れの場合にも、ウォームアップタイム完了のタイミングで上記定着圧接力のモードを解除して、通常の圧接モードに戻って定着動作を開始することができる。したがって、定着ローラ41を支配的に加熱するウォームアップタイム完了後における用紙カール性能が良好になるまでの待ち時間を無くして、実質的なウォームアップタイムの短縮を図ることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、朝一番等の電源投入時であっても、良好な定着性能と良好な用紙カール性能との両立を図ることができるのである。
尚、本実施の形態においては、上記温湿度センサ67によって検知された温湿度に基づいて、現在の温湿度環境が上記HH環境であるか上記LL環境であるかを検知するようにしている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではない。
例えば、朝一番等の電源投入時には、上記定着ローラ41および上記加圧ローラ44の表面温度は、環境温度と略同じ温度を呈している。したがって、定着ローラ41あるいは加圧ローラ44に、定着ローラ41の表面温度を検知する上記第1温度検知部としての第1サーミスタ(図示せず)あるいは加圧ローラ44の表面温度を検知する上記第2温度検知部としての第2サーミスタ(図示せず)を設置し、制御部14は、上記第1サーミスタによる検知温度あるいは上記第2サーミスタによる検知温度が、予め設定された比較値との比較結果によって、電源投入時における環境温湿度が上記HH環境であるか上記LL環境であるかを判断するように構成することも可能である。例えば、第1サーミスタまたは第2サーミスタによる検知温度が所定温度以下、つまり低温低湿である場合には、上記定着圧接力のモードが上記軽圧接モードに設定される。一方、第1サーミスタによる検知温度が所定温度以上、つまり高温高湿である場合には、上記定着圧接力のモードが上記重圧接モードに設定される。
勿論、上記定着ローラ41と上記加圧ローラ44との両方に表面温度を検知するサーミスタ(図示せず)を設置し、両サーミスタによる検知温度に基づいて電源投入時における環境温湿度を判定しても構わない。また、両サーミスタによる検知温度の差が第1の所定温度差を超える場合には定着圧接力を重圧説モードにし、第1の所定温度差より低い第2の所定温度差以内である場合には、軽圧接モードに設定するようにしても良い。
・第2実施の形態
本実施の形態の画像形成装置における全体の構成および定着部13の構成は、上記第1実施の形態の場合と同じであり、説明を省略する。
上記第1実施の形態においては、上記定着圧接力のモードを温湿度環境に応じて切り換え設定しているが、本実施の形態においては、上記定着圧接力のモードを用紙種に応じて切り換え設定するのである。
一般的に、プリンタは、ある一定時間以上使用されない場合には、消費電力削減のために定着ローラ41および加圧ローラ44が低い温度に温調される待機モードに設定されている。この待機モード中は、定着ローラ41の表面温度は80℃程度であり、加圧ローラ44の表面温度は50℃程度である。そして、待機モード中に、ユーザーがコピースタートを支持した場合には、「しばらくお待ち下さい」等のメッセージが操作パネル等に表示された後、加熱ローラ42のヒータ45および加圧ローラ44のヒータ47がオンされて定着ローラ41および加圧ローラ44が温められ、表面温度が所定の温度に達してからプリンタ動作やコピー動作がスタートする。
厚紙は、用紙剛性が大きいためにカール性能は良好である。その代わり、用紙体積が大きい分だけ定着性能が悪い。これに対し、薄紙は、用紙剛性が小さいためにカール性能が悪い。その代わり、用紙体積が小さいために定着性能は良好である。したがって、上記待機モード中にコピースタートが行われる場合、用紙として、定着性能が悪い厚紙が投入されると、元々コピースタート直後の定着性が悪いため、益々定着性能が悪くなってしまうことになる。
そこで、本実施の形態においては、上記待機モード中にコピースタートが指示された場合には、ウォームアップタイム中に、用紙種による上記定着圧接力のモードを制御するのである。
具体的には、上記待機モード中にコピースタートが指示された場合、用紙種が厚紙に設定された際には、上記定着圧接力のモードを軽圧接モードに設定する。これに対し、薄紙に設定された際には、上記定着圧接力のモードを重圧接モードに設定するのである。この上記定着圧接力のモードの設定は、例えばユーザが用紙種を選択する際に操作した操作パネル上の選択スイッチより、設定された用紙種を検知する。以後、上記第1実施の形態の場合と同様にして、設定された用紙種である薄紙,厚紙に応じて制御部14内のメモリから目標ニップ幅B1,B2を読み出し、この目標ニップ幅B1,B2に基づいて上記定着圧接力のモードが設定される。
図9に示すように、上記待機モード中における定着ローラ41の表面温度は略80℃であり、加圧ローラ44の表面温度は略50℃である。この状態でユーザーがコピーボタンを押すと、ヒータ45,47がオンされて、定着ローラ41および加圧ローラ44の表面温度は上昇するのであるが、本実施の形態においては、コピーされる用紙種が厚紙の場合には軽圧接モードで定着ローラ41および加圧ローラ44の温度が立ち上げられ、薄紙の場合には重圧接モードで立ち上げられる。
したがって、用紙種が厚紙の場合には、上記第1実施の形態の場合と同様に、定着ローラ41の表面温度は急激に立ち上がり、昇温開始時の略80℃から18秒程度で略185℃まで上昇する。ところが、加圧ローラ44は昇温開始時の略50℃から略65℃までにしか上昇しない。そのため、定着ローラ41と加圧ロ−ラ44との温度差は120℃と大きくなるのであるが、厚紙はその剛性が強いためカール性能は良好であり、カールは発生しない。その代わり、厚紙は、体積が大きい分だけ定着性能が悪い。しかしながら、上記定着圧接力のモードが軽圧接モードに設定されているため、定着ローラ41の表面温度が略185℃の高温まで加熱されて、良好な定着性能を達成することができるのである。
これに対して、用紙種が薄紙の場合には、上記定着圧接力のモードが重圧接モードに設定される。したがって、定着ローラ41の表面温度は、昇温開始時の略80℃から略170℃まで上昇し、加圧ローラ44は略85℃まで上昇する。このように、定着ローラ41は略170℃までしか上昇せず、定着部13自体の定着性能は不利である。ところが、薄紙自体は、体積が小さいため定着性能は良好であり、結果として良好な定着性能を得ることができる。その代わり、薄紙は、剛性が無い分だけカール性能が悪い。しかしながら、上記定着圧接力のモードが重圧接モードに設定されているため定着ローラ41と加圧ロ−ラ44との温度差は85℃と小さく、定着部13自体は良好なカール性能を有している。したがって、結果としてカールは発生しないのである。
以上のことより、上記厚紙時および上記薄紙時の何れの場合にも、ウォームアップタイム完了のタイミングで上記定着圧接力のモードを解除して、通常の圧接モードに戻って定着動作を開始することができる。したがって、定着ローラ41を支配的に加熱するウォームアップタイム完了後における用紙カール性能が良好になるまでの待ち時間を無くして、実質的なウォームアップタイムの短縮を図ることができるのである。
尚、本実施の形態においては、待機モード中にコピースタートが指示された場合を例に説明しているが、電源オン時における朝一番の立ち上がりの場合でも、同様に適用することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、待機モード中や朝一番等のヒータ電源投入時であっても、良好な定着性能を良好な用紙カール性能との両立を図ることができるのである。
また、上記各実施の形態においては、上記定着圧接力のモードとして、上記重圧接モードと上記軽圧接モードとの2つのモードを例示している。しかしながら、この発明は上記2つのモードに限定されるものではなく、「やや重圧接モード」や「やや軽圧接モード」等の3つ以上のモードを有して、多段階制御を行う場合も含むものである。
また、上記各実施の形態においては、上記定着圧接力のモードを切り換え設定する条件としては、上記第1実施の形態では環境温湿度を例示し、上記第2実施の形態では用紙種を例示したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、「コピーモード」や「画像形成装置(プリンタ)の経年変化」等の、上記定着圧接力の変更を促す様々な要因に対応する条件であればよいのである。特に「画像形成装置(プリンタ)の経年変化」に関し、定着・加圧ローラの使用時間が所定時間より長くなった場合に、軽圧接モードに設定する制御を行っても良い。定着・加圧ローラが異常画像(紙しわ・ハネ)防止のためのオイル含浸されたローラである場合には、使用によりオイル量が減少する。この場合、離型性・異常画像には不利であるが、定着性には有利になる。そこで軽圧接にすることにより、定着性能を保持したまま異常画像を改善することができる。
10…プリンタ、
11…画像プロセス部、
12…給送部、
13…定着部、
14…制御部、
16…中間転写ベルト、
17Y,17M,17C,17K…感光体ドラム、
21Y,21M,21C,21K…一次転写ローラ、
23…駆動ローラ、
24…従動ローラ、
32…二次転写ローラ、
41…定着ローラ、
42…加熱ローラ、
43…定着ベルト、
44…加圧ローラ、
45,47…ハロゲンヒータ、
46…加圧ローラ駆動モータ、
48…定着フレーム、
49…加圧レバー、
51…圧接調整レバー、
54…シャフト、
57…圧接ばね、
58…セクタギヤ、
59…駆動ギヤ、
61…モータ、
62…ニップ部、
63…移動部、
64…フォトインタラプタ、
67…温湿度センサ。

Claims (3)

  1. 熱源と、
    上記熱源から供給される熱によって加熱されると共に、回動可能な定着ローラと、
    上記定着ローラの表面に回転可能に圧接されてニップ部を形成すると共に、上記ニップ部によって、記録媒体の表面に形成されている未定着のトナー画像を上記記録媒体に定着させる加圧ローラと、
    上記定着ローラの表面温度を検知する第1温度検知部と上記加圧ローラの表面温度を検知する第2温度検知部とのうちの少なくとも何れかと、
    上記第1温度検知部による検知温度と上記第2温度検知部による検知温度とのうちの少なくとも何れかに基づいて、上記定着ローラと上記加圧ローラとの上記ニップ部のニップ圧力を調整する圧力調整部と
    を備え
    上記圧力調整部は、上記熱源オン時における上記第1温度検知部による検知温度あるいは上記第2温度検知部による検知温度が高いほど、上記ニップ部のニップ圧力を高くする一方、上記熱源オン時における上記第1温度検知部による検知温度あるいは上記第2温度検知部による検知温度が低いほど、上記ニップ部のニップ圧力を低くする
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記圧力調整部は、予め設定された上記定着ローラの表面温度あるいは上記加圧ローラの表面温度の設定値に基づいて、上記ニップ部のニップ圧力を調整するようになっており、
    上記予め設定された設定値は、
    定着性能が有利である一方、上記定着時に上記記録媒体のカールが起き易い予め設定された高温高湿環境下での上記定着ローラの表面温度あるいは上記加圧ローラの表面温度の温度範囲における下限温度である第1設定値、あるいは、上記高温高湿環境の場合よりも定着性能が不利である一方、上記定着時に上記記録媒体のカールが起き難い予め設定された低温低湿環境領域下での上記定着ローラの表面温度あるいは上記加圧ローラの表面温度の温度範囲における上限温度であって、上記第1設定値より低い第2設定値であり、
    上記圧力調整部は、
    上記熱源オン時において、上記定着ローラの表面温度あるいは上記加圧ローラの表面温度が上記第1設定値以上である場合には、上記ニップ圧力を、上記定着ローラと上記加圧ローラとの表面温度差が上記記録媒体のカールを抑制することを可能にする表面温度差になるように設定された第1ニップ圧に調整する一方、上記定着ローラの表面温度あるいは上記加圧ローラの表面温度が上記第2設定値以下である場合には、上記ニップ圧力を、上記第1ニップ圧よりも小さくて、上記定着ローラから上記加圧ローラへの熱の移動量を低下させて定着不良を抑制できるように設定された第2ニップ圧に調整する
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 記録媒体の表面に、帯電したトナーによって未定着のトナー画像を形成する画像形成部と、
    請求項1あるいは請求項2に記載の定着装置と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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