JP2003270999A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置

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JP2003270999A
JP2003270999A JP2002070546A JP2002070546A JP2003270999A JP 2003270999 A JP2003270999 A JP 2003270999A JP 2002070546 A JP2002070546 A JP 2002070546A JP 2002070546 A JP2002070546 A JP 2002070546A JP 2003270999 A JP2003270999 A JP 2003270999A
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transfer material
roller
pressure
fixing device
curl
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JP2002070546A
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English (en)
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Yoshie Iwakura
良恵 岩倉
Yoshinori Shiraishi
嘉儀 白石
Susumu Murakami
進 村上
Tomohiko Okada
知彦 岡田
Tatsuya Shinkawa
達也 新川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転写材の種類や材質の如何を問わず、転写材に
発生したカールを効果的に除去することができる構成が
簡易でコンパクトな定着装置および画像形成装置を提供
する。 【解決手段】ヒートローラ2と加圧ローラと3を備え、
かつ、両ローラ2,3間の圧力を調整する付勢手段10
を有し、前記ヒートローラを加熱して転写材に転写され
たトナーを溶融・定着させるようにした画像形成装置に
おいて、前記付勢手段10により、定着ニップ部を通過
する際の一枚の転写材5にかかる線圧力を、前記定着ニ
ップ部通過中に変化させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンターや複写
機等の画像形成装置に設けられる定着装置および画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンターや複写機などの画像形成装置
においては、感光ドラムに形成された静電潜像にトナー
を付着させ、それを転写材に転写して印刷を行う。そし
て、転写材は画像形成装置に備えられた定着装置に搬送
され、定着装置においてトナーを溶融させることにより
転写材にトナーを定着させるように構成されている。
【0003】例えば、図12に示すように、複写機に備
えられた定着装置201は、ヒートローラ202と加圧
ローラ203とを備え、ヒートローラ202は、トナー
を溶融させるためのヒーターを内部に有し、加圧ローラ
203は、転写材205をヒートローラ202に対して
圧接し、そのヒートローラ202または加圧ローラ20
3が図示しない駆動手段から駆動力を得て矢印方向に回
転駆動され、転写材205を介して、他方のローラが従
動回転する。
【0004】図示の転写材205は、図12には示され
ない複写機の給紙カセットから搬送されたものであり、
その給紙カセットには、例えば、500枚または100
0枚毎に防湿包装されたカット紙が所定枚数(例えば、
100枚〜 200枚程度)ずつセットされるようにな
っている。そして、転写材205は、複写が行われる度
に給紙カセットから1枚ずつ繰り出されて搬送され、感
光ドラムに形成されたトナー像を転写された後に、定着
装置201に搬送される。
【0005】その定着装置201では、ヒートローラ2
02と加圧ローラ203との間に転写材205を挟み、
ヒートローラ202が圧接している部分で熱を与えるこ
とによって、転写材205にトナーを定着させる。そし
て、加圧ローラ203が回転することによって、転写材
205を矢印方向に進行させつつ、転写材205全体に
わたってトナーを定着させるようになっている。
【0006】しかしながら、上記構成の定着装置201
は、ヒートローラ202が高温であるため、転写材20
5に含まれていた水分が表裏両面でそれぞれ異なった量
だけ蒸発し転写材205にカールを生じさせる。転写材
205がカールすると、定着装置201から不図示の排
紙トレーに至るまでの間での転写材205の搬送にトラ
ブルが生じやすくなり、また、排紙トレーに排紙された
時に、転写材205の積載性が損なわれるという問題も
ある。
【0007】そこで、このような問題の解消を図るため
に、従来では、定着装置201よりも転写材205の搬
送方向の下流側において、カールした転写材205をさ
らに逆方向にカールさせることによって、定着装置20
1で発生したカールを打ち消すような方法が採られてい
た。
【0008】このようなカール消去法を採用した定着装
置201を備えた複写機200の一例を図13に示す。
この複写機200は、定着装置201と、その下流側に
カール除去装置100と、を備えている。定着装置20
1によってトナーが定着され、カールを生じた転写材2
05Aは、カール除去装置100に搬送される。そし
て、カール除去装置100によってカールを取り除かれ
た転写材205Aが排出されるようになっている。
【0009】ここで、図14(a)にカール除去装置1
00の概略正面図を、また、図14(b)にはカール除
去装置100の概略断面図を示す。カール除去装置10
0は、排紙ローラ101と、排紙コロ102と、駆動ギ
ア104とを備えている。排紙ローラ101は、回転す
ることによって転写材205Aを搬送するためのもので
ある。排紙コロ102は、排紙ローラ101の回転に伴
って回転する従動ローラであり、排紙ローラ101の周
上に配置されている。駆動ギア104は、排紙ローラ1
01を回転させるためのものであり、不図示のベルトに
よって駆動される。
【0010】このカール除去装置100は、排紙ローラ
101と2つの排紙コロ102との間に、転写材205
Aを挟み込み、排紙ローラ101が回転することによっ
て、転写材205Aを排紙ローラ101に巻き付けるよ
うな状態とし、図13に示す定着装置201によって形
成されたカールとは逆の方向に転写材205Aをカール
させることにより、カールを打ち消した後に、転写材2
05Aを搬出するように構成されている。
【0011】すなわち、従来の複写機200は、定着装
置201と、その下流側のカール除去装置100とを備
えており、カール除去装置100が転写材205Aに逆
カールを与えて、定着装置201によって発生したカー
ルを打ち消すように構成されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
定着装置201によって生じるカールの大きさ、向きな
どの状態は、転写材205Aの種類、厚み、サイズ等に
よって様々である。従って、上記構成のカール除去装置
100のように、排紙ローラ101への転写材205A
の巻き付き角が一定であり、常に同一の逆カールしか付
けることができない構成では、十分に対応できない場合
があった。
【0013】また、排紙ローラへの転写材の巻き付き角
を調節する調節機構を備えたカール除去装置は、調節機
構の構成が複雑になり、実現が難しいという問題があっ
た。また、さらに調節機構を必要とすることにより、余
分なスペースを要するという問題もあった。そして、カ
ールの除去効果を上げるために、排紙コロの排紙ローラ
への押圧力を上げると、転写材にコロ跡がつき、画像品
質が低下するという問題があった。
【0014】さらに、上記構成においては、転写材は、
定着装置の熱によってカールが生じた後、カール除去装
置まで搬送され、その間に温度が低下してカールが固定
された後で、カールを除去されるようになっている。こ
のため、上記構成においては、わざわざカールが固定さ
れた後でカール除去を行うという点で、十分な効果が得
られなかった。
【0015】また、例えば、特開平5−333740号
公報には、シートの温度を検知して、その検出温度に対
応して、定着条件を自動的に調整することにより、環境
条件の如何にかかわらず、常に、最適な定着をおこなえ
るようにした画像定着装置の一例が開示されている。
【0016】しかし、この場合においても、シート温度
に応じて、定着温度やニップ幅、定着速度を可変に調整
するのみであり、種々の異なる条件下で転写材に発生す
るカールを効果的に除去するための手段、方法等につい
ては何ら言及されていなかった。
【0017】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、転写材の種類や材質の如何を問わず、転写材に発生
したカールを効果的に除去することができる構成が簡易
でコンパクトな定着装置および画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための手段を以下のように構成している。
【0019】(1)ヒートローラと加圧ローラとを備
え、前記ヒートローラと加圧ローラ間の圧力を調整する
圧力調整機構を有し、前記ヒートローラを加熱して転写
材に転写されたトナーを溶融・定着させるようにした画
像形成装置において、前記圧力調整機構により、定着ニ
ップ部を通過する際の一枚の転写材にかかる線圧力を、
前記定着ニップ部通過中に変化させることを特徴とす
る。
【0020】定着過程では、ヒートローラの熱によって
転写材に含まれている水分が蒸発するが、このとき、ヒ
ートローラと加圧ローラ間で温度差があれば、転写材か
ら蒸発する水分量が表面側と裏面側とで異なるため、転
写材にカールが生じるという問題があった。
【0021】特に、転写材が定着ローラーを通過する時
には、トナーや転写材に熱が奪われるため、転写材の先
端と後端とでは、ヒートローラと加圧ローラ間の温度差
が大きくなり、つまり、後端に近づく程、加圧ローラの
温度が低下するため、用紙後端でのカールが発生しやす
かった。
【0022】このようなカールを発生させる原因となる
両ローラ間の温度差は、ヒートローラに対する加圧ロー
ラの付勢圧と密接な関係があり、その付勢圧を大にする
と、温度差は小さくなり、カールが発生しにくくなる。
【0023】この構成においては、圧力調整機構によ
り、転写材の先端と後端でヒートローラと加圧ローラ間
の温度差を少なくできるように、定着過程において転写
材にかかる線圧力(ヒートローラに対する加圧ローラの
付勢圧)を調整することで、カールの発生を効果的に防
止することができ、定着済みの転写材の排出後の平面
性、積載性を向上し、搬送障害の発生を効果的に抑制す
ることができる。
【0024】(2)前記定着ニップ部を通過中の1枚の
転写材の線圧力は、前記転写材の用紙搬送方向先端から
後端にかけて順次高くなるように設定されることを特徴
とする。
【0025】この構成においては、圧力調整機構によ
り、転写材の後端になるほど線圧力が高くなるように調
整するので、転写材通過中に加圧ローラの温度が低下す
るのを抑制することができ、転写材の先端と後端でヒー
トローラと加圧ローラ間の温度差を少なくすることがで
き、転写材にカールが発生するのを効果的に防止するこ
とができる。
【0026】(3)前記圧力調整機構は、前記ヒートロ
ーラに対する前記加圧ローラの付勢圧を可変的に調整可
能な付勢手段と、前記付勢手段を駆動する付勢手段駆動
モータと、前記ヒートローラに対する前記加圧ローラの
付勢圧を変化させるために前記付勢手段駆動モータに制
御信号を出力する制御手段と、を具備することを特徴と
する。
【0027】この構成においては、制御手段から付勢手
段駆動モータに制御信号を出力して付勢手段を制御駆動
させることにより、例えば、転写材の用紙搬送方向先端
から後端にかけて、ヒートローラに対する加圧ローラの
付勢圧を順次高くなるように設定することができる。
【0028】これにより、転写材通過中に加圧ローラの
温度が低下するのを抑制することができ、転写材の先端
と後端でヒートローラと加圧ローラ間の温度差を少なく
して、転写材にカールが生じるのを効果的に防止するこ
とができる。
【0029】(4)前記付勢手段は、回転することによ
り、前記ヒートローラに対する前記加圧ローラの付勢力
を可変的に調整する偏心板ばねであることを特徴とす
る。
【0030】この構成においては、付勢手段として偏心
板ばねを採用することで、その偏心板ばねを付勢手段駆
動モータで回転させれば、ヒートローラに対する加圧ロ
ーラの付勢圧を可変的に調整することができ、付勢力調
整のための構成が簡易となり、その制御も容易・確実と
なる。
【0031】(5)前記画像形成装置は、装置内の温湿
度を検出する温湿度検出手段を備え、前記温湿度検出手
段の検出した温湿度に基づいて、前記転写材通過中にお
ける前記ヒートローラに対する前記加圧ローラの加圧力
の勾配を可変的に調整することを特徴とする。
【0032】温湿度検出手段によって検出された値に基
づいて、ヒートローラおよび加圧ローラ間の圧力を調整
することにより、転写材の先端と後端で最適な温度勾配
を設定することができ、定着過程で生じる転写材後端の
カールの量を低減することができる。
【0033】この構成においては、制御手段が、温湿度
検出手段の検出した装置内の温湿度に基づいて、転写材
通過中のヒートローラに対する加圧ローラの加圧力の勾
配を可変に調整することで、転写材の先端と後端で最適
な温度勾配を設定することができ、カールの発生を効果
的に防止することができる。
【0034】(6)前記ヒートローラと加圧ローラの回
転速度を制御するための制御部を備え、前記温湿度検出
手段の出力に応じて、前記制御部が、転写材の搬送速度
を可変的に調整することを特徴とする。
【0035】転写材にカールを発生させる原因となる両
ローラ間の温度差は、転写材の搬送速度と密接な関係が
あり、搬送速度を遅くすると、温度差は小さくなり、カ
ールが発生しにくくなる。
【0036】この構成においては、温湿度検出手段から
得た情報により、定着ローラーの圧力に加えて、転写材
の搬送速度をも調整することにより、転写紙の先端から
後端にかけてヒートローラと加圧ローラ間の温度差を少
なくし、転写材にカールが生じるのを効果的に防止する
ことができる。
【0037】(7)定着装置本体と、像担持体に形成さ
れたトナー画像を転写材に転写する画像転写装置との間
の距離を、最大用紙送り長さより長く設定したことを特
徴とする。
【0038】この構成においては、最大用紙送り長さよ
り定着装置本体と転写装置との間の距離が長いことによ
り、像担持体から転写材へのトナー画像形成プロセス速
度と定着速度を独立に可変に調整可能となり、転写過程
のプロセス速度に定着速度が影響を受けないため、転写
材後端がカールしない最適速度に調整可能となる。
【0039】また、カールの矯正と同様にトナーの定着
性も確保しなければならないが、速度を転写プロセスか
ら独立させているため、カールの矯正と定着性の両面を
維持する速度及び定着装置圧を設定することも可能とな
る。
【0040】(8)ヒートローラと加圧ローラとを備
え、転写材に転写されたトナー画像を前記ヒートローラ
を加熱することにより溶融・定着させるようにした定着
装置において、前記ヒートローラと前記加圧ローラとを
それぞれ独立に回転させる駆動部と、前記ヒートローラ
の周速度と前記加圧ローラの周速度との周速度差を設定
する設定部と、前記設定部によって設定された前記周速
度差を満たす回転数で前記駆動部を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする。
【0041】定着装置は、前記ヒートローラが転写材の
トナーを溶融し、さらに、前記設定部の設定に基づく前
記制御部の制御により、前記駆動部が前記ヒートローラ
と前記加圧ローラとを回転させ、転写材全面に渡ってト
ナーを溶融・定着させるように構成されている。
【0042】この構成においては、ヒートローラと加圧
ローラの周速度差を適切に設定することによって、定着
動作によって生じるカールとは逆向きのカールを転写材
に与え、転写材にカールが生じるのを防止することがで
きる。
【0043】(9)前記ヒートローラの温度および前記
加圧ローラの温度を検出する温度検出手段を備え、前記
設定部は、前記温度検出手段で検出した温度に基づい
て、前記ヒートローラと加圧ローラの周速度差を設定す
ることを特徴とする。
【0044】定着装置は、温度検出手段がヒートローラ
および加圧ローラの温度を検出し、設定部がその温度に
基づいて周速度差を設定するように構成されている。こ
のため、各ローラの温度情報を用いて、上記定着動作に
よって生じるシート材のカールの量をより正確に予測す
ることができる。また、設定部は、予測したカールの量
を打ち消すように周速度差を設定するようになってい
る。したがって、この構成においては、より確実に、カ
ールの発生を防止することができる。
【0045】(10)前記制御部は、前記ヒートローラ
の周速度を固定し、前記加圧ローラの周速度を変更する
ことにより、前記周速度差を満たす回転数で前記駆動部
を制御することを特徴とする。
【0046】この構成においては、ヒートローラの周速
度を固定して両ローラの周速度差を調整するので、定着
性能を低下させることがなく、例えば定着温度または定
着圧力を変更することによってカール除去を行う方法よ
りも、定着性能を安定に維持することができ、かつ別部
材の追加を必要とせず、構成が簡易で、制御も容易とな
る。
【0047】(11)請求項8ないし10のいずれかに
記載の定着装置と、環境条件を検出する環境検出手段
と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記環境検
出手段で検出した環境条件に基づいて前記設定部の設定
を行うことを特徴とする。
【0048】画像形成装置は、環境検出手段の検出した
環境条件に基づいて、定着動作によって生じる転写材の
カールを予測し、制御手段はそのカールを打ち消すよう
に定着装置の設定部の設定を行い、定着装置はその設定
に基づき各ローラを駆動させて転写材にカールを与え
る。
【0049】ここで、上記環境条件とは、例えば画像形
成装置周辺の湿度(環境条件が転写材に含まれる水分量
に影響を及ぼす)である。したがって、この構成におい
ては、環境条件をも勘案して、定着動作によって生じる
カールを予測するので、より確実にカールの発生を防止
できる。
【0050】この構成においては、温度検出手段がヒー
トローラおよび加圧ローラの温度を検出し、設定部がそ
の温度に基づいて周速度差を設定する。このため、各ロ
ーラの温度情報を用いて、上記定着動作によって生じる
転写材のカールの量を、より正確に予測することができ
る。また、設定部は、予測したカールの量を打ち消すよ
うに周速度差を設定するので、より確実に、カールの発
生を防止できる。
【0051】(12)請求項8ないし10のいずれかに
記載の定着装置と、前記転写材の種類を検出する転写材
検出手段と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前
記転写材検出手段で検出した前記転写材の種類に基づい
て前記定着装置の前記設定部の設定を行うことを特徴と
する。
【0052】画像形成装置は、転写材検出手段の検出し
た転写材の種類に基づいて、定着動作によって生じる転
写材のカールを予測し、制御手段はそのカールを打ち消
すように定着装置の設定部の設定を行い、定着装置はそ
の設定に基づき各ローラを駆動させて転写材にカール矯
正のためのカールを与える。
【0053】ここで、上記転写材の種類とは、例えば転
写材の材質または厚みなどである。従って、この構成に
おいては、転写材の種類をも勘案して、定着過程で発生
するであろうカールを予測するので、より正確に予測す
ることができ、かつ、その予測したカールを打ち消すよ
うに周速度差を設定するので、より確実に、カールの発
生を防止できる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態に係る
定着装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。図
2は、電子写真方式の複写機(画像形成装置)1100
の構成を示し、この複写機1100は、プラテン110
1、光学手段1102、レンズ1103、CCD110
4、ポリゴンスキャナ1105、感光ドラム1106、
現像器ユニット1107、クリーナユニット1108、
カセット1110、カセット1111、ピックアップロ
ーラ1112、搬送ローラ1114、レジストローラ1
115、搬送ベルト1120、定着器(定着装置)1、
および排紙トレイ1122を備えている。
【0055】このような構成により、以下のように、不
図示の転写材(記録用紙)に画像を形成する。まず、プ
ラテン1101上にセットされた原稿の画像情報を、光
学手段1102を用いて、レンズ1103を介してCC
D1104上に結像する。CCD1104上の画像情報
は電気信号に変換されポリゴンスキャナ1105に送ら
れ、レーザ光を用いて感光ドラム1106上に画像(潜
像)が結像される。
【0056】そして、感光ドラム1106上の潜像を、
現像器ユニット1107がトナーにより現像し、トナー
を感光ドラム1106に当接転写する。このように、ポ
リゴンスキャナ1105,感光ドラム1106,感光ド
ラム1106のまわりに配設された現像器ユニット11
07,クリーナユニット1108等によって画像形成手
段が構成されている。
【0057】一方、転写材は、カセット1110または
カセット1111から、ピックアップローラ1112に
より給紙される。そして、転写材は搬送ローラ1114
によりレジストローラ1115まで送られる。次に、レ
ジストローラ1115によって、転写材は、感光ドラム
1106上の潜像と転写材上に像を形成する位置とを合
わせるタイミングで感光ドラム1106に送りこまれ、
感光ドラム1106上のトナーが転写される。像が転写
された転写材は、搬送ベルト1120によって定着器1
へ搬送される。定着器1によって、転写材上のトナー画
像が定着される。その後、転写材は排紙トレイ1122
上に排出される。
【0058】図3は、定着器1の斜視図で、この定着器
1は、トナー(図示省略)を転写材5に定着させるため
のものであり、ヒートローラ2と加圧ローラ3とを備え
ている。ヒートローラ2は、トナーを溶融させるための
ヒーター(図示省略)を内部に有し、駆動部(図示省
略)によって(矢印の向き)回転駆動され、加圧ローラ
3は、ヒートローラ2を圧接する弾性体よりなり、ヒー
トローラ2からの連結駆動によって回転する。
【0059】上記したように、転写材5は、画像形成の
度に給紙カセット1110または1111(図2参照)
から1枚ずつ取り出されて搬送され、感光ドラム110
6においてトナー像が転写された後に、定着器1に搬送
され、図4に示すように、ヒートローラ2と加圧ローラ
3との間にトナー像(Ta)を有する転写材5を挟み、
ヒートローラ2が圧接している部分で熱を与えることに
よって、転写材5にトナー(Tb)を定着させつつ、両
ローラ2,3の回転によって転写材5を送り移動させ、
転写材5全体にわたってトナー像(Ta)を定着させ
る。
【0060】次に、カール発生のメカニズムについて説
明すると、単に、上記のような定着動作を行うと、ヒー
トローラ2が高温であるため、例えば転写材5のヒート
ローラ2側と加圧ローラ側3で通紙初期には、両ローラ
2,3共ほぼ同じ温度で定着が行われるが、用紙が進行
するに従って、加圧ローラ3側の温度が低下してくる。
そのため、図5に示すように、転写材5の後端になるほ
ど表面側の水分蒸発量が裏面側より大となり、ヒートロ
ーラ2側に転写材5がカールする。
【0061】[第1の実施形態]本実施形態では、カー
ルを除去するために、以下のように対処している。すな
わち、図1は、カールを除去するための構成を示し、図
示の定着器1は、ヒートローラ2と加圧ローラ3との間
に転写材5を挟む。転写材5の上面S2はトナーが転写
された画像面であり、反対側の下面S3は画像のない裏
面である。
【0062】ヒートローラ2は、不図示の駆動部によっ
て回転駆動され、加圧ローラ3はヒートローラ2に従動
回転する。従って、その両ローラ2,3間に挟まれた転
写材5の上面S2はヒートローラ2から力を受け、下面
S3は加圧ローラ3から力を受けつつ、所定の速度で搬
送される。
【0063】その加圧ローラ3を支持している板金11
には、偏心板バネ(付勢手段)10が設けられており、
機内に設置された温湿度センサー(温湿度検出手段)か
らの出力値に応じて、偏心板バネ10が回転操作される
ことで、加圧ローラ3のヒートローラ2に対する付勢力
を調整できるように構成されている。
【0064】次に、図5の制御系統ブロック図を参照し
つつ、上記定着器1の制御について説明する。同図に
は、定着器1の他に、制御装置(制御部)30、駆動部
39、センサ装置(温湿度検出手段、転写材(シート)
検出手段)34、入力ボタン45が示されている。
【0065】制御装置30は、CPU31、ROM32
a、RAM32b、入力部33、出力部38を備えてお
り、駆動部39は、モータドライバ40、ヒートローラ
駆動モータ41a、偏心板バネ駆動モータ(付勢手段駆
動モータ)41bとを備え、センサ装置34は、ヒート
ローラ温度センサ34a、加圧ローラ温度センサー34
b、温湿度センサ35、および、セットボタン36を備
えている。
【0066】このような構成において、前記入力部33
には、ヒートローラ2に設けた温度センサ34a及び加
圧ローラ3に設けた温度センサ34bからの温度情報
と、機内に設けられた温湿度センサ35からの温湿度情
報と、コントロールパネル上に設けたセットボタン37
からの紙厚、紙質、紙サイズの情報が、それぞれ入力さ
れる。また、コントロールパネルに設けた補正用入力ボ
タン45は、制御装置30に記憶されているデータの補
正を行うためのものであり、メモリに対するデータ補正
信号を入力することができる。
【0067】制御装置30においては、入力部33から
の情報により、定着器1に対するカール補正のための情
報を出力部38を介して駆動部39に送信する。この制
御装置30において、温度、湿度、用紙の厚さやサイズ
に応じて、定着器1の定着動作によって発生するカール
を無くすことができるように定着ローラ対間の圧力(定
着圧)や転写材搬送速度を決定する。
【0068】そして、出力部38から、モータドライバ
40を介して、圧力を調整するモータ41(ヒートロー
ラ駆動モータ41aおよび偏心バネ駆動モータ41b)
に対する駆動信号を出力する。なお、この制御装置(制
御手段)30、偏心板バネ10、および偏心バネ駆動モ
ータ41bで、圧力調整機構を構成している。
【0069】以下に、定着過程でカールを発生させない
ための具体的な方法について説明する。 (その1)図7は、定着器1の圧力(定着圧)を調整し
てカールを無くす方法の説明図であり、まず、前述のよ
うに、転写材5のサイズや機内の温湿度を検知する。こ
れにより、転写材5の水分量と転写材5の用紙サイズが
分かる。これに基づいて、転写材5が定着器1内のロー
ラ対2,3を通過する時の圧力の変動(転写材先端圧F
a、転写材後端圧Fb)勾配を決定する。転写材5が定
着器1を通過すると、ヒートローラ2側の温度低下はほ
とんどないが、加圧ローラ3側は転写材5に熱を奪われ
温度が低下する。このため、転写材5の後端でカールが
発生しやすくなる。
【0070】そこで、転写材5の後端になるほど、偏心
板バネ10を図示反時計まわりに回転させることによ
り、徐々に加圧ローラ3をヒートローラ2に強く押し当
てるようにする。これにより、転写材5が通過中に定着
ニップ圧が増大し、転写材後端ほど、ヒートローラ2か
ら加圧ローラ3への熱供給量が増加し、加圧ローラ3の
温度低下が少なくなり、転写材5からの水分蒸発量も表
裏で一定となるため、カールが発生しにくくなる。
【0071】例えば、機内の温度が30℃〜35℃かつ
湿度が75%〜90%で、転写材5の送りサイズがA3
場合、加圧ローラ3の片側の加圧を6KgとしてFaを
設定すると、A3後端部では7.0KgのFbを設定
し、転写材搬送の先端から後端にかけて、速度に合わせ
てリニアに圧力を増加させる。
【0072】また、例えば、機内の温度が20℃〜30
℃、かつ、湿度が40%〜75%で、転写材5の送りサ
イズがA3場合、加圧ローラ3の片側の加圧を6Kgと
してFaを設定すると、A3後端部では6.5KgのF
bを設定し、転写材搬送の先端から後端にかけて、速度
に合わせてリニアに圧力を増加させる。
【0073】さらに、機内の温湿度が20℃〜40%未
満で、転写材5の送りサイズがA3の場合、加圧ローラ
3の片側の加圧を6KgとしてFaを設定すると、A3
後端部では6.2KgのFbを設定し、転写材搬送の先
端から後端にかけて、速度に合わせてリニアに圧力を増
していく。
【0074】以上のような対応により、転写材5の後端
における、ヒートローラ2側と加圧ローラ側3の水分の
蒸発量差が少なくなり、排出後の転写材5の後端にカー
ルは発生しなくなり、スタック性能も向上し、ユーザー
に対して、カールのない印刷物を提供することができ
る。
【0075】このときのヒートローラ2の温度出力値は
190℃±10℃を維持する様にする。上記圧力の設定
値では、後端カールが生じず、定着性も維持することが
できる。ここで、圧力を上げすぎると加圧ローラ3の押
し当て力が強くなりすぎて表裏均一な水分量の蒸発があ
っても、加圧ローラ3からヒートローラ2側にコシが付
くため、転写材後端がカールすることが懸念される(加
圧ローラ3が弾性体であるため)。
【0076】従って、転写材後端にかけてコシの付かな
い、均一な水分量の蒸発になるように、圧力が設定され
る。ただし、圧力Fa、Fbの値や、ヒートローラ2の
温度出力値は、使用するトナーの特性に依存するため、
使用されるトナーの最も定着性が良く、熱吸収特性を考
慮した値に設定しなくてはならない。
【0077】また、紙サイズもA3の場合は先端と後端
で各ローラ間の温度差が大きいが、A4や小サイズの場
合は温度差が小さいため、A3ほどFbの圧力を上げる
必要はない。しかし、ユーザーによりセットボタン36
によりA4厚紙が設定された場合は、加圧ローラ3の温
度低下が著しいため、Fbの値はA3サイズ程度まで上
げる必要がある。
【0078】さらに、上記環境条件に入らない温湿度も
実際は特異環境として稀に存在する(例えば、5℃,8
0%等)。従って、このような多様な条件に対処するた
めには、電子写真プロセスにおける入力部33からの信
号に応じて、Fa、Fbの値を適切な設定する必要があ
る。また、使用する転写材5の種類によっては、Faか
らFbまでリニアに変化させるのではなく非線形に変化
させるのが好ましいこともある。
【0079】(その2)次に、別の方法を用いた場合の
カール発生防止方法を説明する。上記例では、一枚の転
写材5の先端と後端でヒートローラ2と加圧ローラ3間
の圧力を調整した。しかし、後端の圧力を上げると表裏
の水分の蒸発量は一定となるが、転写材5の種類によっ
ては、ローラ2,3間の圧力が上がるため、後端が若干
カールすることもある。そこで、より精度よく後端カー
ルを無くすために、前記圧力制御に加えて転写材5の速
度も可変とするのが好ましい。
【0080】この場合のカール発生防止方法について図
8により説明する。一般的には、像担持体1106上の
トナーが転写材5に転写される速度と等速で定着が行わ
れるが、像担持体1106と転写手段1122間の転写
ニップ部から定着手段1の定着ニップ部までの距離Dp
が、転写材5の送りサイズの最大長さより長い場合(D
p>最大転写材送りサイズ)は、定着器独自の速度を設
定することが可能となる。
【0081】例えば、定着速度を可変にすれば、転写材
5の先端と後端で定着部1のローラ対2,3間の圧力
(定着圧)を変化させなくても、検出された温湿度によ
って偏心バネ駆動モーター41bに信号を送り、加圧ロ
ーラ3のヒートローラ2に対する圧力をある値に変更し
ておき、ヒートローラ駆動モータ41aに信号を送り、
定着速度を変えることによって、転写材5後端の表裏の
水分蒸発量に差がないようにすることができる。
【0082】例えば、プロセス速度(像担持体1106
から転写材5へ転写速度)が122mm/secの場
合、機内の温度が30℃〜35℃かつ湿度が75%〜9
0%で、転写材の送りサイズがA3場合、加圧ローラ3
の片側の加圧が5.5Kgとなるように偏心板バネ10
を駆動させると共に、定着部1での転写材5の速度が1
35mm/secとなるようにヒートローラ駆動モータ
ー41aを駆動させればよい。
【0083】また、20℃〜30℃かつ40%〜75%
で、転写材5の送りサイズがA3場合、加圧ローラ3の
片側の加圧を6Kgとなるように偏心板バネ10を駆動
させてもよい。さらに、定着部1での転写材5の速度が
122mm/secとなるようにヒートローラ駆動モー
ター41aを駆動させるようにする。
【0084】さらに、機内の温度20℃未満、かつ、湿
度40%未満で、転写材5の送りサイズがA3場合、加
圧ローラ3の片側の加圧を6.5Kgとなるように偏心
板バネ10を駆動させると共に、定着部1での転写材5
の速度が110mm/secとなるようにヒートローラ
駆動モーター41aを駆動させればよい。
【0085】このように、定着速度をも制御することに
より、ヒートローラ2側と加圧ローラ側3の水分の蒸発
量差がより少なくなり、排出後の転写材5の後端にカー
ルは発生しなくなり、スタック性能も向上する。このと
きのヒートローラの温度出力値は190℃±10℃を維
持するようにする。
【0086】上記のような圧力や定着速度の設定値で
は、転写材5に後端カールが発生せず、定着性も維持す
ることができる。ただし、定着速度や圧力、ヒートロー
ラ2の温度出力値は使用するトナーの特性に依存するた
め、使用されるトナーの定着性が最良であり、かつ、熱
吸収特性を考慮した値を設定しなくてはならない。ま
た、紙サイズに応じても諸設定を変える必要がある。こ
のように多様な設定条件を反映する入力部33からの信
号に応じて、速度、圧力、ヒートローラ温度の値を適切
に設定するよう制御部30で処理が行われる。
【0087】(その3)さらに、(その1)と(その
2)を合わせた制御を行うことにより,より確実に転写
材5の後端カールを無くすことができ、さらに安定した
定着画質が得られ、排紙トレイ1122上でのストック
性も向上することは言うまでもない。
【0088】[第2の実施形態]また、別の実施形態で
は、図9に示すように、ヒートローラ2と加圧ローラ3
とを、それぞれ不図示の駆動部によって、各独立に、周
速度V2と周速度V3とで回転させることにより、カー
ルを除去するようにしている。
【0089】この場合、定着器1は、断面の半径R2 の
ヒートローラ2の外周面12と、断面の半径R3 の加圧
ローラ3の外周面13との間で、転写材5を挟みつつ送
り移動する。その際に、転写材5は、その上面S2にお
いてヒートローラ2からF2の力を受け、その下面S3
において加圧ローラ3からF3 の力を受け、速度V5で
送り移動される。
【0090】図10は制御系統ブロック図を示し、セン
サ装置(温度検出手段、環境検出手段、転写材(シー
ト)検出手段)34からの検出信号と、入力ボタン45
からの入力信号が制御装置(設定部,制御部,制御手
段)30に入力され、制御装置30から、モータドライ
バ40、ヒートローラ駆動モータ41b、加圧ローラ駆
動モータ41cを具備した駆動部39に制御信号が出力
されるように構成されている。
【0091】制御装置30おいては、入力部33からの
情報により、定着器1に対するカール補正のための情報
を出力部38を介して駆動部39に送信する。すなわ
ち、制御装置30は、温度、湿度、用紙の厚さおよび画
像密度の情報に応じて、定着器1の定着動作によって生
じるカールを予測し、そのカールを打ち消すことが出来
るように定着器1のローラ対2,3間の周速度差の設定
をおこない、出力部38から、モータドライバ40を介
して、両モータ41に駆動信号を出力する。
【0092】以下、上記した制御装置30によって制御
される定着器1のカール除去の動作制御について、図9
および図11を参照しつつ説明する。図9(a)は、制
御装置30の設定部によって、ヒートローラ2の周速度
V2が加圧ローラ3の周速度V3よりも小さく設定され
た場合を示す。この場合、転写材5が搬送される速度V
5は、他のシート搬送機構の搬送速度と等しくなるよう
に設定され、設定部によって、その周速度V2,V3お
よび搬送速度V5の関係は、V3>V5≒V2を満たす
ように周速度差が設定されている。
【0093】このような条件下で、転写材5の上面とヒ
ートローラ2との間で働く摩擦力は、搬送速度V5≒周
速度V2の関係があるため、図9(a)に示す摩擦力F
2 のような静止摩擦力となっている。これに対して、転
写材5の下面と加圧ローラ3との間で働く摩擦力は、搬
送速度V5<周速度V3の関係があるため、摩擦力F3
のような動摩擦力となっている。
【0094】そのため、転写材5の上面と下面とにおい
て、それぞれ異なる方向に摩擦力が作用し、転写材5に
は剪断力が与えられることとなる。この剪断力の作用に
より、転写材5は、搬送方向とは逆方向への摩擦力を発
生するヒートローラ2へ巻き付く状態となり、上面側へ
のカールが促進される。このような記録面側へのカール
を、フェイスカールと称する。
【0095】図9(b)は、上記の制御装置30の設定
部によって、ヒートローラ2の周速度V2が加圧ローラ
3の周速度V3よりも大きく設定された場合を示す。こ
の場合、転写材5が搬送される速度V5は、他のシート
搬送機構のシート搬送速度と等しくなるように設定され
ており、設定部によって、周速度V2,V3および搬送
速度V5の関係は、V3<V2≒V5を満たすように周
速度差が設定されている。
【0096】上記条件下において、転写材5とヒートロ
ーラ2との間で働く摩擦力は、搬送速度V5≒周速度V
2の関係があるため、静止摩擦力として、図9(b)に
示す摩擦力F2 のようになっている。これに対して、転
写材5と加圧ローラ3との間で働く摩擦力は、搬送速度
V5>周速度V3の関係があるため、動摩擦力として、
摩擦力F3 のようになっている。
【0097】そのため、転写材5に対して、上面と下面
とにおいて異なる方向に摩擦力が作用し、転写材5に対
して剪断力を与えることとなる。この剪断力の作用によ
り、記録用紙5は、搬送方向とは逆方向への摩擦力を発
生する加圧ローラ3へ巻き付く状態となり、下面側への
カールが促進される。このような記録面と反対の面側へ
のカールを、バックカールと称する。
【0098】また、上述のようなカールの発生原理につ
いては、別の観点から、図11(a)(b)のように説
明することもできる(なお、図9(a)(b)の説明で
は、上下ローラ対2,3の速度差のみに着目し、加圧ロ
ーラ3の変形が考慮されていない)。
【0099】図11(a)は、図9(a)と同じ状況を
説明する図で、加圧ローラ3の方がヒートローラ2より
も進行している状態を示す。なお、この場合、ヒートロ
ーラ2の周速度V2と、転写材5の搬送速度V5との間
には、V2≒V5の関係が成立している。
【0100】カールに及ぼすニップの影響については、
ヒートローラ2の方向へ付勢された加圧ローラ3の表面
が凹状に変形していることに加えて、さらにニップ部で
転写材5をヒートローラ2の方向に押し上げるようにし
ごきながら搬送するので、ニップ形状方向に沿ってカー
ル(正カール)が強まる。そして、搬送速度が遅いほ
ど、この傾向は大となる。
【0101】カールに及ぼす摩擦力の影響については、
ヒートローラ2よりも加圧ローラ3の方が表面摩擦係数
を低く設定(例えば、PFAチューブを被覆)されてお
り、かつトナー付着面(静電面)がヒートローラ2の側
に面するので、転写材5の搬送はヒートローラ2が支配
的となるが、加圧ローラ3はスリップ回転(ヒートロー
ラ2の進行よりも遅れる状態)するため、転写材5に対
して摩擦力が作用し、転写材5は加圧ローラ3の側に巻
き付く(逆カール)こととなる。そして、加圧ローラ3
の従動負荷が大きいほど、ヒートローラ2の進行よりも
遅れることになるので、加圧ローラ3へ転写材5が巻き
付く効果が強くなる。
【0102】図11(b)は図9(b)と同じ状況を説
明する図で、ヒートローラ2の方が加圧ローラ3よりも
進行している状態を示し、転写材5が引き抜かれるよう
に搬送されるので、ニップ形状方向に沿うカールが弱ま
る。なお、この場合にも、ヒートローラ2の周速度V2
と、転写材5の搬送速度V5との間には、V2≒V5の
関係が成立している。
【0103】以上説明したように、周速度の異なるロー
ラ対2,3間を転写材5が通過する場合には、その転写
材5の搬送速度は周速度の速い方のローラの速度に依存
し、周速度の遅い方のローラに巻き付くこととなる。
【0104】従って、ニップ効果によって元来発生する
カールが正カールとして存在し、それに対してローラ対
2,3間の周速度差を適切に調節し、各ローラと転写材
5との間の摩擦力の関係を制御することによって、転写
材5に与える力を正カールを促進する方向の力とする
か、逆カールを促進する方向の力とするかで、元来の正
カールの傾向をさらに強めるか、または抑制する操作を
行うことができる。
【0105】これにより、定着過程で、定着動作と共
に、上記のように、転写材5に対して逆カール方向の力
(カール矯正力)を与えることが可能となり、カールの
発生を抑制・緩和することができる。
【0106】(その1)そもそも転写材5のカールは、
定着器1のヒートローラ2が高温であるため、例えば転
写材5より水分が蒸発することによって生じるものであ
る。そこで、本例においては、転写材5の含有する水分
量が多い場合と少ない場合について、上記のような構成
の定着器1により、実際にカール除去を行った。その結
果を、表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】まず、表1の左側に示すように、水分量が
少ない場合について、定着器1の上下のローラ2,3の
温度差をなくした場合にはカールは発生しないが、上下
のローラ2,3に温度差を持たせた通常の定着動作のみ
の場合には、フェイスカールが生じた。
【0109】そこで、表1の右側に示すように、さら
に、上側のヒートローラ2の周速度を固定し、下側の加
圧ローラ3の周速度を減速させることによって(周速比
K=0.9)、例えば図9(b)について説明したよう
に、ローラの周速度差によって転写材5にバックカール
を与えることができる。したがって、定着動作によるフ
ェイスカールを打ち消すことができる。
【0110】以上のように、転写材5の含有水分量が少
ない場合には、高温側に向かってカールするため、下側
の加圧ローラ3を減速することによってカール除去でき
る。なお、本例においては、ヒートローラ2を上側に位
置しているので、転写材5の上面の温度の方が下面より
も高くなっている。
【0111】次に、転写材5の含有する水分量が多い場
合についてカール除去を行った結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】この場合には、表2の左側に示すように、
水分量が多い場合でも、定着器1の上下のローラ2,3
の温度差をなくした場合にはカールは発生しないが、上
下のローラ2,3に温度差を持たせた通常の定着動作の
みの場合には、バックカールが生じた。
【0114】そこで、表2の右側に示すように、さら
に、上のヒートローラ2の周速度を固定し、下の加圧ロ
ーラ3の周速度を増速させることによって(周速比=
1.1)、例えば図9(a)について説明したように、
ローラの周速度差によって転写材5にフェイスカールを
与えることができるので、定着動作によるバックカール
を打ち消すことができる。
【0115】以上のように、転写材5の含有水分量が多
い場合には、低温側に向かってカールするため、下側の
加圧ローラ3を増速することによってカール除去でき
る。
【0116】(その2)次に、周囲の環境条件を検出し
て、環境によって生じるカールを除去する例について説
明する。この例においては、以下に示す理由によって、
単に周囲の環境条件を検出してそれを利用するだけでな
く、転写材5に含まれる水分量をも検出して勘案するよ
うにしている。
【0117】まず、実際のカール発生においては、印刷
時における周囲の環境による影響と比較して、転写材5
に含まれている水分量による影響が非常に大きくなって
いる。具体的に例を挙げれば、高温高湿環境で印字する
場合、印字前の水分量が多い転写材5の方が印字前の水
分量の少ない転写材5よりも印字後のカール量が大きい
傾向にある。
【0118】上記の条件において、例えば、転写材5が
収容されている雰囲気環境が高湿度から急激に低湿度に
変化した場合を考えると、複写機1100に備えられた
センサ装置34は、低湿度への変化を検出し、それを制
御装置30へ伝えるため、複写機1100は、低湿度に
応じたカール矯正のための制御を行う。
【0119】一方、転写材5の方は、その水分量が急激
に変化することはなく、即ち、水分が転写材5から急激
に蒸発することはなく、従って、雰囲気環境が高湿度側
から低湿度側に急激に変化しても、転写材5は、当分の
間、高湿度側におけるのと同様の物性を示すこととな
る。
【0120】つまり、センサ類は感度が良好なので、微
小な湿度変化に対しても鋭敏に反応するのに対して、転
写材5は容量性を有するので、脱湿または吸湿するのに
時間を要し、センサの示す挙動と、実際の転写材5の物
性にはタイムラグが発生することとなる。
【0121】しかも、その水分の変化は、収容されてい
る転写材5のうち、上端部のもの、中間部のもの、下端
部のものでそれぞれ状態が異なり、上端部のものに比べ
中間部、下端部のものは水分量変化が緩やかであるとい
う相違もある。
【0122】さらには、防湿包装材から開封されたばか
りの転写材5や、異なる雰囲気環境から持ち込まれた転
写材5をすぐに用いた場合にも、複写機1100側で感
知した雰囲気環境と、転写材5の状態が異なる場合が発
生する。
【0123】以上に説明したように、単に複写機110
0のおかれている雰囲気環境からカール除去の条件を設
定した場合には、センサの感度が過度に良好であるた
め、カール付加量が過度になったり、あるいはカール除
去量が少なすぎたりして、紙搬送障害、排紙積載性の不
良等が発生する虞れがある。
【0124】そのため、本例においては、以下に説明す
るように、転写材5の水分量を監視しながらカール除去
量を設定するようにしている。
【0125】本例では、図10に示す湿度センサ35
が、転写材5の水分を検出するための環境検出手段とし
て機能する。そして湿度センサ35が、転写材5の水分
を検出して、検出した情報を記憶手段、例えば、RAM
32bに送って記憶させるようにしている。このような
構成によりカール除去を行った結果を、以下の表3に示
す。
【0126】
【表3】
【0127】なお、上記の吸湿条件とは、周囲の雰囲気
に応じた記録用紙の吸湿を、上記の湿度センサ35が検
出したものである。
【0128】吸湿度が低い場合は、前記した(その1)
において水分量が低い場合として説明したのと同様に、
単に定着を行ったのみの場合には、フェイスカールが発
生する。また、吸湿度が高い場合は、(その1)におい
て水分量が高い場合として説明したのと同様に、単に定
着を行ったのみでは、バックカールが発生する。
【0129】そこで、用紙の水分量(吸湿度、含水率)
が低い場合(5%未満)には、カール発生量が小さく、
カール方向はフェイスカール(用紙中央部が下面側へ凸
の状態)となるので、加圧ローラ3の周速をヒートロー
ラ2の周速よりも遅い設定とすることによって、バック
カール方向の矯正力を強めて、カールを打ち消すことが
できる。
【0130】また、転写材5の水分量が高くなる(5%
を越える)と、カール発生量が増加し、カール方向はバ
ックカール(用紙中央部が上面側へ凸の状態)となるの
で、加圧ローラ3の周速をヒートローラ2の周速よりも
速い設定とすることによって、フェイスカール方向の矯
正力を強めて、カールを打ち消すことができる。
【0131】なお、転写材5の水分量の検知手段として
の環境検出手段は、短時間で検知可能なもの、すなわ
ち、転写材5に含まれる水分による電気抵抗値の変化
や、赤外線やマイクロ波等の吸収(用紙を通過する際
に、含水率に応じて減衰するので、減衰量を検出)を検
知するものなどが望ましい。
【0132】環境検出手段としての湿度センサ35の配
置位置は、本例では、転写材5の給紙搬送部分とした。
すなわち、レジストローラ1115のローラ対を導電性
部材で形成し、環境検出手段を構成する回路の一部とし
た。そして、通過する転写材5の水分量を測定した。し
かし、本発明は上記の構成に限るものではなく、例え
ば、転写材の収容されているカセットや、給紙トレー部
分の近傍にこれを設置し、積載されている状態の転写材
の水分量を測定しても良い。
【0133】(その3)以下に、定着を行う転写材5の
種類または厚みを検出するシート検出手段を用いた場合
について説明する。本例においては、図10に示すセッ
トボタン37をシート検出手段として機能させ、給紙搬
送される転写材5の厚さを検知するようにしている。
【0134】セットボタン37についてより詳細に説明
すると、軸支されたレジストローラ1115のローラ対
においては、上部からばね弾性体等の付勢手段を介して
下側レジストローラへ付勢された、上下に移動可能な上
側レジストローラを有しており、このローラ対間を転写
材5が通過すると、上側レジストローラの位置が変化し
クラッチ機構によってポテンシオメータに伝わり転写材
5の厚さが検知されるように構成されている。
【0135】一般に転写材のコシは、厚手の方が強くな
る。そもそもカールはトナーの凝集力や転写材の吸湿に
よる繊維伸縮の表裏差によって発生する。しかし、転写
材が厚手の場合は、これらのカールを発生させる力が大
きい場合でも、転写材のコシの方が強く、カールは発生
しない。
【0136】よって、転写材の厚さを検知することによ
り、特に薄手の転写材の場合には、すでに水分量検知に
より決定されたカール除去量をより大きくするようカー
ル除去の制御を行う。逆に、非常に厚さの厚い転写材の
場合には、カール除去の制御を弱めるようにする。この
様に制御することにより、厚さの異なる記録材の場合に
おいても、転写材のカールを防止することができる。
【0137】通常使用される紙厚(用紙厚が普通)の用
紙のカール特性は、バックカール方向であり、含水率増
加とともにカール量が増加する。すなわち、バックカー
ルの度合が強まる。
【0138】一方、紙厚の厚い用紙のカール特性は、フ
ェイスカール方向であり、バックカールは発生し難い。
含水率増加とともにフェイスカール量は減少する。ここ
で、フェイスカールの度合は弱まるが、バックカールに
転じることはない。また、含水率減少とともにフェイス
カール量は増加する。すなわち、フェイスカールの度合
が強まる。このように、用紙のカール特性は紙厚によっ
ても異なってくる。
【0139】上記したシート検出手段としてのセットボ
タン37の機能を用いた実験結果を以下の表4に示す。
【0140】
【表4】
【0141】上記したように、用紙厚が普通の転写材
は、単に定着動作を行うとバックカールする。したがっ
て、上記のようにヒートローラ2の周速度を固定し、加
圧ローラ3の周速度を増速すれば、転写材にフェイスカ
ール方向の変形を与えることができ、カールを防止でき
る。また、厚手の転写材の場合には、そもそもカールが
あまり生じない。したがって、周速度差による変形は与
えないようにしている。
【0142】なお、紙厚検知方法として、厚紙専用カセ
ット等、選択されている給紙装置の紙送りカセットの種
類によって転写材の種類が判別可能な場合には、紙送り
カセットの種類を検知することによって紙厚を検知する
こともできる。また、シート検出手段は上記構成に限定
されるものではなく、任意の好適な手段を選択できる。
例えば、用紙搬送路を挟む状態で一対の受発光素子を対
向配置し、光透過率で用紙厚を検知するなどとしてもよ
い。
【0143】さらに、上記構成のような検知手段による
と、正確な判断が不十分か又は不可能な場合には、上記
構成の検知手段に代えて、又は補充手段として、操作者
が手動で紙厚を設定するようにしてもよい。
【0144】なお、本発明は、画像形成装置を図2に示
すものに限定するのではなく、少なくとも、ヒートロー
ラと加圧ローラとを備え、転写材に転写されたトナー画
像を前記ヒートローラを加熱することにより溶融・定着
させるようにした定着装置を具備する画像形成装置であ
れば、その構成や形式の如何を問わず、本発明を適用す
ることができるのは言うまでもない。
【0145】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、以下の効果を奏する。
【0146】(1)圧力調整機構により、転写材の先端
と後端でヒートローラと加圧ローラ間の温度差を少なく
できるように、定着過程において転写材にかかる線圧力
を調整することで、カールの発生を効果的に防止するこ
とができ、定着済みの転写材の排出後の平面性、積載性
を向上し、搬送障害の発生を効果的に抑制することがで
きる。
【0147】(2)圧力調整機構により、転写材の後端
になるほど線圧力が高くなるように調整するので、転写
材通過中に加圧ローラの温度が低下するのを抑制するこ
とができ、転写材の先端と後端でヒートローラと加圧ロ
ーラ間の温度差を少なくすることができ、転写材にカー
ルが発生するのを効果的に防止することができる。
【0148】(3)制御手段から付勢手段駆動モータに
制御信号を出力して付勢手段を制御駆動させることによ
り、例えば、転写材の用紙搬送方向先端から後端にかけ
て、ヒートローラに対する加圧ローラの付勢圧を順次高
くなるように設定することができるので、転写材通過中
に加圧ローラの温度が低下するのを抑制することがで
き、転写材の先端と後端でヒートローラと加圧ローラ間
の温度差を少なくして、転写材にカールが生じるのを効
果的に防止することができる。
【0149】(4)付勢手段としての偏心板ばねを付勢
手段駆動モータで回転させれば、ヒートローラに対する
加圧ローラの付勢圧を可変的に調整することができ、付
勢力調整のための構成が簡易となり、その制御も容易・
確実となる。
【0150】(5)制御手段が、温湿度検出手段の検出
した装置内の温湿度に基づいて、転写材通過中のヒート
ローラに対する加圧ローラの加圧力の勾配を可変に調整
するので、転写材の先端と後端で最適な温度勾配を設定
することができ、カールの発生を効果的に防止すること
ができる。
【0151】(6)温湿度検出手段から得た情報によ
り、定着ローラーの圧力に加えて、転写材の搬送速度を
も調整することにより、転写紙の先端から後端にかけて
ヒートローラと加圧ローラ間の温度差を少なくし、転写
材にカールが生じるのを効果的に防止することができ
る。
【0152】(7)最大用紙送り長さより定着装置本体
と転写装置との間の距離を長く設定したので、像担持体
から転写材へのトナー画像形成プロセス速度と定着速度
を独立に可変に調整可能となり、転写過程のプロセス速
度に定着速度が影響を受けないため、転写材後端がカー
ルしない最適速度に調整可能となる。
【0153】また、カールの矯正と同様にトナーの定着
性も確保しなければならないが、速度を転写プロセスか
ら独立させているため、カールの矯正と定着性の両面を
維持する速度及び定着装置圧を設定することも可能とな
る。
【0154】(8)ヒートローラと加圧ローラの周速度
差を適切に設定することによって、定着動作によって生
じるカールとは逆向きのカールを転写材に与え、転写材
にカールが生じるのを防止することができる。
【0155】(9)各ローラの温度情報を用いて、定着
動作によって生じるシート材のカールの量をより正確に
予測し、その予測したカールの量を打ち消すように周速
度差を設定するので、より確実に、カールの発生を防止
することができる。
【0156】(10)ヒートローラの周速度を固定して
両ローラの周速度差を調整するので、定着性能を低下さ
せることがなく、例えば定着温度または定着圧力を変更
することによってカール除去を行う方法よりも、定着性
能を安定に維持することができ、かつ別部材の追加を必
要とせず、構成が簡易で、制御も容易となる。
【0157】(11)温度検出手段がヒートローラおよ
び加圧ローラの温度を検出し、設定部が、その温度に基
づいて周速度差を設定するので、各ローラの温度情報を
用いて、上記定着動作によって生じる転写材のカールの
量を、より正確に予測することができ、かつ、その予測
したカールの量を打ち消すように周速度差を設定するの
で、カールの発生を効果的に防止できる。
【0158】(12)転写材の種類をも勘案して、定着
過程で発生するであろうカールを予測するので、より正
確に予測することができ、かつ、その予測したカールを
打ち消すように周速度差を設定するので、カールの発生
を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカール矯正機構の説明
図である。
【図2】同画像形成装置の構成説明図である。
【図3】同定着装置の斜視図である。
【図4】同トナー画像の定着原理の説明図である。
【図5】同カール発生の説明図である。
【図6】同制御系統ブロック図である。
【図7】同カール矯正方法の説明図である。
【図8】同別の実施形態に係るカール矯正機構の説明図
である。
【図9】同カール発生原理の説明図である。
【図10】同制御系統ブロック図である。
【図11】同別の観点からのカール発生原理の説明図で
ある。
【図12】従来の定着装置の斜視図である。
【図13】同画像形成装置の構成の一例を示す説明図で
ある。
【図14】同要部構成説明図である。
【符号の説明】
1−定着装置 2−ヒートローラ 3−加圧ローラ 5−転写材 10−付勢手段 30−制御手段,設定部,制御部(制御装置) 34a,34b−温度検出手段 35−温湿度検出手段,環境検出手段 37−転写材検出手段 41−駆動部 41b−付勢手段駆動モータ 10,30,41b−圧力調整機構 Ta−トナー Dp−距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 進 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岡田 知彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 新川 達也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA15 BA02 BA32 BB33 BB34 CA07 CA08 CA16 CA17 CA22 CA30 CA36 CA39 CA40

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートローラと加圧ローラとを備え、前
    記ヒートローラと加圧ローラ間の圧力を調整する圧力調
    整機構を有し、前記ヒートローラを加熱して転写材に転
    写されたトナーを溶融・定着させるようにした画像形成
    装置において、 前記圧力調整機構により、 定着ニップ部を通過する際の一枚の転写材にかかる線圧
    力を、前記定着ニップ部通過中に変化させることを特徴
    とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ニップ部を通過中の1枚の転写
    材の線圧力は、前記転写材の用紙搬送方向先端から後端
    にかけて順次高くなるように設定されることを特徴とす
    る請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力調整機構は、 前記ヒートローラに対する前記加圧ローラの付勢圧を可
    変的に調整可能な付勢手段と、 前記付勢手段を駆動する付勢手段駆動モータと、 前記ヒートローラに対する前記加圧ローラの付勢圧を変
    化させるために前記付勢手段駆動モータに制御信号を出
    力する制御手段と、を具備することを特徴とする請求項
    1または2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段は、 回転することにより、前記ヒートローラに対する前記加
    圧ローラの付勢力を可変的に調整する偏心板ばねである
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    定着装置。
  5. 【請求項5】 前記画像形成装置は、装置内の温湿度を
    検出する温湿度検出手段を備え、 前記温湿度検出手段の検出した温湿度に基づいて、前記
    転写材通過中における前記ヒートローラに対する前記加
    圧ローラの加圧力の勾配を可変的に調整することを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記ヒートローラと加圧ローラの回転速
    度を制御するための制御部を備え、前記温湿度検出手段
    の出力に応じて、前記制御部が、転写材の搬送速度を可
    変的に調整することを特徴とする請求項5に記載の定着
    装置。
  7. 【請求項7】 定着装置本体と、像担持体に形成された
    トナー画像を転写材に転写する画像転写装置との間の距
    離を、最大用紙送り長さより長く設定したことを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 ヒートローラと加圧ローラとを備え、転
    写材に転写されたトナー画像を前記ヒートローラを加熱
    することにより溶融・定着させるようにした定着装置に
    おいて、 前記ヒートローラと前記加圧ローラとをそれぞれ独立に
    回転させる駆動部と、 前記ヒートローラの周速度と前記加圧ローラの周速度と
    の周速度差を設定する設定部と、 前記設定部によって設定された前記周速度差を満たす回
    転数で前記駆動部を制御する制御部と、を備えているこ
    とを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 前記ヒートローラの温度および前記加圧
    ローラの温度を検出する温度検出手段を備え、 前記設定部は、前記温度検出手段で検出した温度に基づ
    いて、前記ヒートローラと加圧ローラの周速度差を設定
    することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記制御部は、前記ヒートローラの周
    速度を固定し、前記加圧ローラの周速度を変更すること
    により、前記周速度差を満たす回転数で前記駆動部を制
    御することを特徴とする請求項8または9に記載の定着
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし10のいずれかに記載
    の定着装置と、 環境条件を検出する環境検出手段と、 制御手段と、を備え、 前記制御手段は、前記環境検出手段で検出した環境条件
    に基づいて前記設定部の設定を行うことを特徴とする画
    像形成装置。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし10のいずれかに記載
    の定着装置と、 前記転写材の種類を検出する転写材検出手段と、 制御手段と、を備え、 前記制御手段は、前記転写材検出手段で検出した前記転
    写材の種類に基づいて前記定着装置の前記設定部の設定
    を行うことを特徴とする画像形成装置。
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