JP2003295675A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003295675A
JP2003295675A JP2002095261A JP2002095261A JP2003295675A JP 2003295675 A JP2003295675 A JP 2003295675A JP 2002095261 A JP2002095261 A JP 2002095261A JP 2002095261 A JP2002095261 A JP 2002095261A JP 2003295675 A JP2003295675 A JP 2003295675A
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recording medium
fixing device
speed
fixing
sheet
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JP2002095261A
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English (en)
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Junji Nakai
順二 中井
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着装置での搬送速度がこれ以前に記録媒体
が通過する位置での搬送速度と異ならせた場合において
画像の倍率変化による異常画像の発生を未然に防止する
ことができる構成を備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 定着装置9の搬送速度をこれ以前にシー
トが通過する位置での搬送速度よりも速くしてシートに
テンションを付与する際に、シート後端が挟持搬送部8
Fから抜けてテンションが弱まる時期を割り出して定着
装置9と感光体に対する転写位置での搬送速度を一致さ
せて画像倍率誤差が生じるのを防止する構成15を備え
ていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、ファクシミ
リ、プリンタ等の画像形成装置に関し、さらに詳しく
は、記録媒体の搬送制御に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画
像形成装置においては、潜像担持体として用いられる感
光体上にトナー像を形成し、そのトナー像を紙やOHP
シートあるいはトレーシングペーパなどの記録媒体に静
電転写するが、この感光体から記録媒体に静電転写され
たトナーは単に静電力により付着しているだけで簡単に
記録媒体から剥がれ落ちるので、トナーを加熱又は加圧
することによりシートなどの記録媒体に永久的に固着さ
せることが必要になる。このトナーを記録媒体に永久的
に固着させる工程は定着プロセスと呼ばれている。
【0003】定着プロセスに用いられる構成としては、
一対のローラを対向当接させ、一方のローラが熱源を内
蔵させてトナーと接触する定着ローラとされ、他方のロ
ーラが加圧ローラとされた熱ローラ定着方式を用いる構
成あるいは、定着ローラの代わりに加圧ローラと対峙す
る位置とは別の位置で加熱されるベルトをトナーに接触
させるベルト定着方式を用いる構成がある。熱ローラ定
着方式は熱効率が高く安全である等の理由で最も広く使
われており、また、ベルト定着方式はベルトと加圧ロー
ラとの間に形成されるニップ幅を大きく採れる利点があ
る。
【0004】定着装置に搬送される記録媒体は、搬送方
向と直角な方向、つまり、記録媒体幅方向での寄りが原
因するスキュー(斜行)がない状態で搬送されることが
皺の発生や画像の偏倚、いわゆる、ずれの発生などを防
止する上で重要となる。このようなスキュー(斜行)の
発生原因としては、記録媒体を搬送する部材からの繰り
出し不良、つまり、幅方向での繰り出し量が異なる状態
のままで搬送されてしまうことや搬送装置の位置決め誤
差による搬送力の不均一な付与あるいは定着装置での温
度分布の違いによる外径変化に起因する圧力分布の不均
一性等が挙げられる。このような原因により記録媒体が
スキューを起こすと皺が発生し、感光体と転写装置とが
対向する転写位置での密着不良が発生して画像の一部が
抜けてしまう白抜け現象等による異常画像が得られてし
まう。
【0005】従来、定着装置において記録媒体との接触
不均一による弛みや画像の擦れを防止するために、定着
装置に装備されている一対のローラの一方を相対するロ
ーラの軸線に対して傾動できるように設け、ローラの軸
方向での当接圧力を変更したり定着装置での記録媒体の
搬送速度を変更するようにした構成が提案されている
(例えば、特開平5−341675号公報)。この公報
に開示された構成では、定着装置での記録媒体の張力を
一定にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】画像形成装置には、定
着装置の他に記録媒体を挟持搬送できる装置として、潜
像担持体である感光体とこれに対向して配置されている
ローラあるいはベルトを用いた転写装置、そしてこれら
両者により形成されている転写位置に向けてレジストタ
イミングを設定して繰り出すことができるレジストロー
ラと、これらの各装置に向けておよび転写位置から定着
装置に向けて記録媒体を搬送する給送装置が備えられて
いる。
【0007】上記各装置を用いた記録媒体の搬送経路に
おいて記録媒体のスキューを防止する方法として、定着
装置での搬送速度をこれ以前に記録媒体が通過する位置
での搬送速度よりも速くなるように設定して記録媒体に
テンションを付与する方法がある。記録媒体の搬送速度
を記録媒体が通過する位置によって変化させる場合に
は、記録媒体の先端が定着装置に到達した時点で後端が
他の搬送部において挟持されていることがテンションを
付与するための前提となる。しかし、記録媒体の搬送方
向長さによっては、後端が搬送部から外れてしまうこと
があり、この場合には先端が挟持される定着装置での搬
送速度、つまり線速が感光体と転写装置とが対峙する転
写位置での搬送速度よりも速いことから記録媒体に伸び
が発生し、感光体上の画像と記録媒体に転写される画像
との倍率が変化してしまう虞がある。このような現象
は、上記公報のように、定着装置を対象とした記録媒体
の張力、いわゆる、テンションの付与だけでは解決でき
ない。この理由としては、定着装置での搬送速度のみを
対象としてテンション付与のための速度に切り換えた場
合、これ以前の搬送部での搬送速度が変化しないままで
あると、記録媒体が定着装置により駆動されることによ
り定着装置に達する以前の搬送部との間に速度差が発生
し、この速度差が転写画像の伸びとなって現れてしまう
ことが考えられる。
【0008】本発明の目的は、上記従来の画像形成装置
における問題に鑑み、特に、定着装置での搬送速度がこ
れ以前に記録媒体が通過する位置での搬送速度と異なら
せた場合において画像の倍率変化による異常画像の発生
を未然に防止することができる構成を備えた画像形成装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
潜像担持体に担持されたトナー画像を転写される記録媒
体を転写位置に向けて繰り出し、転写後の記録媒体上に
担持された未定着画像を定着した後に排出する構成を備
え、上記記録媒体を上記トナー像の転写位置に向け繰り
出すレジストローラ、上記転写位置に配置されている潜
像担持体および転写装置、上記定着に用いられる定着装
置に設けられている駆動装置の速度を変更することによ
り上記転写位置での上記記録媒体の搬送速度と上記定着
装置での搬送速度を異ならせることが可能な画像形成装
置において、上記レジストローラから上記定着装置に至
る搬送距離以上の長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記
録媒体の搬送方向先端が上記定着装置を通過後、上記定
着装置を通過する記録媒体の搬送速度を上記転写位置を
通過する記録媒体の搬送速度と異ならせると共に上記定
着装置での上記記録媒体の挟持圧力に応じて上記搬送過
程にある記録媒体の搬送速度を切り換える構成を備えて
いることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、潜像担持体に担持
されたトナー画像を転写される記録媒体を転写位置に向
けて繰り出し、転写後の記録媒体上に担持された未定着
画像を定着した後に排出する構成を備え、上記記録媒体
を上記トナー像の転写位置に向け繰り出すレジストロー
ラ、上記転写位置に配置されている潜像担持体および転
写装置、上記定着に用いられる定着装置に設けられてい
る駆動装置の速度を変更することにより上記転写位置で
の上記記録媒体の搬送速度と上記定着装置での搬送速度
を異ならせることが可能な画像形成装置において、上記
レジストローラから上記定着装置に至る搬送距離以上の
長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記録媒体の搬送方向
先端が上記定着装置を通過後、上記定着装置を通過する
記録媒体の搬送速度を上記転写位置を通過する記録媒体
の搬送速度と異ならせると共に上記定着装置での定着温
度に応じて上記搬送過程にある記録媒体の搬送速度を切
り換える構成を備えていることを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明は、潜像担持体に担持
されたトナー画像を転写される記録媒体を転写位置に向
けて繰り出し、転写後の記録媒体上に担持された未定着
画像を定着した後に排出する構成を備え、上記記録媒体
を上記トナー像の転写位置に向け繰り出すレジストロー
ラ、上記転写位置に配置されている潜像担持体および転
写装置、上記定着に用いられる定着装置に設けられてい
る駆動装置の速度を変更することにより上記転写位置で
の上記記録媒体の搬送速度と上記定着装置での搬送速度
を異ならせることが可能な画像形成装置において、上記
レジストローラから上記定着装置に至る搬送距離以上の
長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記録媒体の搬送方向
先端が上記定着装置を通過後、上記定着装置を通過する
記録媒体の搬送速度を上記転写位置を通過する記録媒体
の搬送速度と異ならせると共に上記定着装置での定着温
度の分布状態に応じて上記搬送過程にある記録媒体の搬
送速度を切り換える構成を備えていることを特徴として
いる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
うちの一つに記載の画像形成装置において、上記記録媒
体の搬送速度を切り換える構成は、上記記録媒体の搬送
方向先端が上記定着装置を通過した時点で上記転写位置
を通過する記録媒体の搬送速度を上記定着装置での搬送
速度に一致させる制御を行うことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態を説明する。以下、図面により本発明の実施の形態
を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシート状
媒体の給送装置が適用される画像形成装置の一例を示す
図であり、同図に示されている画像形成装置はレーザー
光による書き込みが可能な複写機である。なお、本発明
における画像形成装置には、図1に示す複写機に限ら
ず、プリンタ、ファクシミリ装置および印刷機なども含
まれる。また、図1に示す複写機は、後述する原稿走査
部Bにおいて得られる原稿情報あるいは転送されてくる
画像情報に応じて2色画像が形成可能な構成を備えてい
る。
【0014】図1において複写機1は、画像形成処理部
Aを縦方向の中央に位置させ、画像形成処理部Aを境に
して上部には原稿走査部B、下部には給紙部Cがそれぞ
れ配置されている。画像形成処理部Aには、円筒状の潜
像担持体をなす感光体2が備えられており、感光体2の
周辺には、図1において時計方向に回転する感光体2の
回転方向に沿って画像形成処理を実行するための帯電装
置3,第1書き込み装置4,第1現像装置5,第1書込
装置4とは異なる色に分解された画像情報に応じた書き
込みが可能な第2書込装置4’,第1現像装置5とは異
なる色のトナーを供給可能な第2現像装置5’、転写装
置6およびクリーニング装置7が配置されている。
【0015】感光体2は、回転過程において帯電装置3
によって一様帯電された後、色分解毎の画像情報に応じ
て書き込み装置4,第2書込装置4’により静電潜像が
形成され、静電潜像が第1現像装置5,第2現像装置
5’によって可視像処理されてトナー像とされると、そ
のトナー像が転写装置6によって給紙部Cに装備されて
いる給紙装置57から給送される記録媒体の一例である
シート(以下、記録媒体をシートとして説明する)に対
して転写される。転写後の感光体2は、クリーニング装
置7によって残留トナーや残留電荷を除去され、帯電装
置3による一様帯電が施されて次回の画像形成に備えら
れる。
【0016】トナー像転写のためにシートを給送する給
紙部Cは、画像形成処理部A内に配置されている一つを
含む複数の給紙カセット8A、8B、8C、8Dを備え
ており、各給紙カセット8A〜8Dには、重送状態にあ
るシートを分離可能なFRR方式の給紙装置57A、5
7B、57C、57Dが備えられている。なお、符号8
Eは、両面への画像形成対象となるシートを反転させて
一旦収容可能な再給紙カセットを示し、符号8Fはシー
トのレジストタイミングを設定するレジストローラを示
している。給紙装置57A〜57Dからは一点鎖線で示
す方向にシートが繰り出され、レジストローラ8Fの位
置に達するようになっている。
【0017】各給紙カセット8A〜8Dは、いずれも収
容されたシートのサイズおよび向きを指示することがで
きる構成を備えており、その構成は図5に示されてい
る。図5において、給紙カセット8A〜8Dには、端壁
上部において摺動可能なサイズレバー(便宜上、給紙カ
セット8Aを対象として、符号8A1で示す)が設けら
れており、サイズレバー8A1の摺動面である端壁8
A’に記入されているシートサイズおよびシートの繰り
出し方向(縦長あるいは横長)の位置にサイズレバー8
A1を位置決めすることにより、給紙カセットの装填位
置に配置されているプッシュスイッチ8A2のアクチュ
エータ8A3のいずれかと対応することによりサイズデ
ータおよび方向データを判別できるようになっている。
【0018】転写装置6は、誘電体からなるベルトが用
いられ、転写バイアスの印加によるトナー像の静電転写
とシートの静電吸着を行い、吸着されたシートを定着装
置9に向けて搬送する機能も備えている。
【0019】定着装置9は、定着ローラ9Aおよび加圧
ローラ9Bを備えた熱ローラ方式が採用された構成を備
えており、定着ローラ9Aに内蔵されている熱源を介し
た加熱と加圧ローラによる加圧圧力とによりシート上に
担持されているトナーを融着させてシートに浸透させる
ようになっている。
【0020】定着装置9は、その構成が図6に示されて
いる。図6において定着装置9は、内部にハロゲンラン
プや赤外線ヒータなどの熱源9A1を備えた定着ローラ
9Aと、定着ローラに対向当接している加圧ローラ9B
とを備えており、定着ローラ9Aは、芯金の表面にPF
A、PTFEなどの耐熱性離型層が設けられ、加圧ロー
ラ9Bは芯金表面にシリコンゴムなどの耐熱ゴム層が設
けられて構成されている。定着ローラ9Aおよび加圧ロ
ーラ9Bの表面には温度検知が可能な定着温度センサ9
Cおよび加圧温度検知センサ9Dがそれぞれ設けられて
おり、定着に必要な温度管理が行われるようになってい
る。つまり、定着温度センサ9Cおよび加圧温度検知セ
ンサ9Dにより検知される温度に応じて熱源9A1の出
力制御が行われる。各温度検知センサ9Cおよび9Dか
らの温度検知信号は後で詳しく説明する画像形成のため
の制御部15(図7参照)に出力され、制御部15にお
いて熱源9A1に対する制御形態が設定されるようにな
っている。
【0021】加圧ローラ9Bは回転軸の両端が回転自在
に支持され、さらに図6において符号11で示す加圧機
構により定着ローラ9Aに対する当接圧力を制御される
ようになっている。図6において加圧機構11は、加圧
ローラ9Bの回転軸9B1における軸方向両端にそれぞ
れ設けられており、回転軸9B1を定着ローラ9A側に
向けて揺動可能な押圧部材11Aと、押圧部材11Aに
おける揺動端の一方に係合している一端を有し、押圧部
材11Aと直角な方向に揺動可能な駆動レバー11B
と、駆動レバー11Bの他端に長手方向一端が掛け止め
られているバネなどの弾性体11Cの長手方向他端が連
結され、駆動レバー11Bを揺動させる方向に往復動可
能なアンカー部材11Dと、アンカー部材11Dに形成
されている折曲片11D1に噛み合うネジロッド11E
を支軸とする従動歯車11Fと、従動歯車11Fに噛み
合うアイドラ11Gと、正逆回転可能な駆動モータ11
Hの出力軸に取り付けられている駆動歯車11Jとを備
えている。
【0022】加圧機構11では、駆動モータ11Hの回
転が従動歯車11Fに伝達されると、従動歯車11Fの
回転方向に応じてネジロッド11Eに噛み合っているア
ンカー部材11Dの移動方向が設定され、アンカー部材
11Dの移動方向に応じて弾性体11Cを介して駆動レ
バー11Bが揺動する。駆動レバー11Bの揺動量は駆
動モータ11Hの回転量によって変化し、押圧部材11
Aによる加圧ローラ9Bの回転軸9B1が定着ローラ9
A側に変位する量が変化するようになっている。これに
より、加圧ローラ9Bは定着ローラ9Aに対する押圧
力、換言すれば、定着ローラ9Aおよび加圧ローラ9B
との対向当接部で構成されるニップ部を通過するシート
の挟持圧力を変化させることになる。
【0023】駆動レバー11Bに長手方向一端が掛け止
められている弾性体11Cは、予め設定されている上記
ニップ部での定着ローラ9Aに対する当接圧力を維持す
るようになっており、このため、アンカー部材11Dに
は、これの復動位置を検知可能なポジションセンサ11
Kが設けられている。ポジションセンサ11Kは、駆動
モータ11Hの回転方向によってアンカー部材11Dが
復動する位置を検知することができ、加圧ローラ9Bが
定着ローラ9Aに対して圧力を弱める方向に変位された
際に定着ローラ9Aに対する加圧ローラ9Bの初期当接
圧力が得られる位置でアンカー部材11Dを停止させる
ように駆動モータ11Hの回転を制御することができる
部材である。
【0024】定着後のシートは排紙トレイ10Cに向け
て排出される場合と、頁順あるいは画像毎などに応じて
仕分けされる場合があり、仕分けされたシートは複数の
排紙トレイ10Aおよびステープラ10Bをそれぞれ備
えた後処理装置10に向けて排出される。また定着後の
シートは、上述した後処理装置10に至る場合の他に、
両面への画像形成に供される場合もあり、この場合に
は、定着装置9における排紙部から分岐する反転搬送路
(便宜上、符号RPで示す)に向けて排出される。
【0025】反転搬送路RPは、再給紙カセット8Eを
経由してレジストローラ8Fの位置に達しており、反転
されたシートが再度、感光体2の転写位置に向けて繰り
出されるようになっている。このため、反転搬送路RP
には、定着装置9から排出されたシートの搬送方向を切
り換える切換爪P1,給送コロP2および繰り出しロー
ラP3Aと繰り出しローラP3Aに当接して回転方向が
シートを押し戻す方向に回転する分離ローラP3Bとを
備えたシート分離機構P3がそれぞれ設けられており、
定着装置9から排出されて反転されたシートがレジスト
ローラ9Fに向けて繰り出せるようになっている。な
お、図1においては、排紙トレイ10Cが後処理装置1
0の上位に配置された状態が示されているが、後処理装
置10を装備しない場合には、定着装置9におけるシー
トの搬送方向延長線上に排紙トレイ10Cが位置決めさ
れている。
【0026】原稿走査部Bには画像形成処理部Aの上面
に配置されている原稿載置台B1に載置された原稿を読
み取るための走査光学系B2、自動原稿給送装置B3お
よび両面画像形成時に適用される反転搬送部材B4が開
閉可能な蓋部材B5内に装備されている。自動原稿給送
装置B3には、原稿載置トレイB6に積載されている原
稿を原稿載置台B1上に導入するための原稿搬送ベルト
B7も装備されている。
【0027】走査光学系B2には、原稿載置台B1上の
原稿に対して照明光を照射する光源B2Aと原稿からの
反射光の光路を切り換える第1ミラーB2Bとを備えて
往復動可能な第1走査キャリッジB20と、第1走査キ
ャリッジB20と移動速度において1:2となる関係を
設定されて往復動可能であり第1走査キャリッジB20
からの反射光の光路を反転させる第2および第3ミラー
B2C、B2Dを備えた第2走査キャリッジB21と、
原稿からの反射光を色分解可能なフルカラーCCDB2
Eに向け結像させる光学レンズB2Fとが備えられてい
る。走査光学系B2では、フルカラーCCDB2Eによ
ってR、G、Bの各色に分解された画像情報が画像形成
に用いられる制御部に出力される。
【0028】自動原稿給送装置B3は、原稿載置トレイ
B6上の原稿を原稿載置台B1に向けて繰り出す給送ロ
ーラB3A,原稿サイズ検知センサB3B,原稿長さ検
知センサB3D,反転搬送部材B4としての反転爪,排
出ローラB3Eがそれぞれ設けられており、原稿載置ト
レイB6上からの原稿が給送ローラB3Aおよび原稿搬
送ベルトB7によって原稿載置台B1に持ち来されて走
査された後、排出ローラB3Eにより排出トレイB3F
に向け搬送される場合と、両面走査のために排出ローラ
B3Eではなく、反転搬送部材B4によって反転された
上で再度原稿載置台B1上に持ち来される場合とが選択
できるようになっている。いずれの場合においても、原
稿載置トレイB6から繰り出される原稿は、給送ローラ
B3Aにより原稿搬送ベルトB7に向けて給送される過
程において原稿サイズ検知センサB3Bおよび長さ検知
センサB3Cによって幅方向および給送方向での長さが
検知される。検知された原稿サイズと向きとに関する検
知データは、各センサから画像形成に用いられる制御部
15(図7参照)に出力される。
【0029】自動原稿給送装置B3は、図2に示すよう
に、ヒンジB3Aを介して原稿載置台B1に対して開閉
自在に設けられており、一方のヒンジB3A1近傍には
原稿載置台B1が設けられている装置本体上面に配置さ
れている爪B3Bが位置している。爪B3Bは、自動原
稿給送装置B3側に形成されている穴B31に対向して
おり、自動原稿給送装置B3が閉じられると穴B31内
に入り込むことができるようになっている。穴B31内
に入り込む爪B3Bは、自動原稿給送装置B3側に設け
られているリフトアップ検知センサB3Cおよび原稿検
知タイミングセンサB3Dと対向することができるよう
になっており、リフトアップ検知センサB3Cにより入
り込んだ状態、換言すれば自動原稿給送装置B3が閉じ
られた状態を検知され、原稿検知タイミングセンサB3
Dにより原稿載置台B1上に位置する原稿のサイズ検知
を行うタイミングが設定されるようになっている。な
お、図2において符号B1A,B1Bは原稿の端面スケ
ールを示している。
【0030】原稿載置台B1の下方には、図3に示すよ
うに、原稿サイズ検知センサ12〜14が配置されてい
る。原稿サイズ検知センサ12〜14はいずれも同じ構
成が用いられ、その詳細が図4に示されている。図4に
おいて原稿サイズ検知センサ(便宜上、符号14で示す
センサを対象として説明する)は、1個の発光ダイオー
ド14Aからの光を3ビームに分散させて原稿に対して
照射し、その反射光を光学系内部に配置されている3個
の受光素子14B〜14Dで受光する反射型のセンサで
構成され、原稿載置台B1の下方から原稿載置台B1に
対して透光して原稿面からの反射光を受光することによ
り原稿の有無を検知することができるようになってい
る。原稿サイズ検知センサ12〜14は常時3ビームを
照射しており、上述した原稿検知タイミングセンサB3
Dがオンした場合の受光素子からの信号の有無により受
光した受光素子が配置されている位置に基づき原稿の有
無と共に原稿サイズを検知できるようになっている。
【0031】図1において第1書き込み装置4には、レ
ーザ光を出射可能なレーザ出力ユニット4A、レーザ光
を感光体2がドラム状である場合には軸線方向に相当す
る主走査方向に書き込み走査するための回転多面鏡4
B、fθレンズ4C、ミラー4Dが備えられており、走
査光学系B2に位置するフルカラーCCDB2Eにより
色分解された色画像の一つ、本実施形態では黒画像に対
応する画像情報に応じた静電潜像を形成するための書き
込み処理、つまり、レーザ光の出射制御が行われる。図
1において第2書き込み装置4’では、その詳細を図示
しないが、主走査方向に複数並置されたLEDを光源と
する書き込みユニットで構成されている。
【0032】一方、感光体2と転写装置6とが対峙する
転写位置に向けてシートを給送するための給紙装置57
A,57B,57C,57Dはいずれも収容するシート
のサイズおよび向きが異なるだけで給送のための構成は
同じであるので、代表して一番下の給紙装置57Dにつ
いて説明すると、該給紙装置57Dは、給紙トレイ8D
に積載されたシートを繰り出すピックアップローラ11
と、フィードローラ12と、該フィードローラ12に圧
接されたリバースローラ13と、ガイド8Gと、搬送コ
ロ8Hが配置されている。図1に示す複写機には、給紙
装置に収容されていない異質あるいは異サイズのシート
を給送可能な手差しトレイ81が設けられており、これ
に対応してFRR方式の給紙装置57Eが設けられてい
る。該給紙装置57Eも給紙装置57Dと同様の構成を
有している。
【0033】上述した構成の複写機においては、画像形
成処理が図7に示す制御部15により制御されるように
なっている。図7において制御部15は、マイクロコン
ピュータで主要部が構成されてシートの搬送速度を制御
することができる構成にも相当しているシステムコント
ローラ15Aを備えており、システムコントローラ15
Aには、操作部コントローラ15B、画像処理コントロ
ーラ15C、自動原稿給送装置B3を制御するADFコ
ントローラ15D、給紙装置を制御する給紙トレイコン
トローラ15E、FAXコントローラ15F、プリンタ
コントローラ15Gがそれぞれ接続されている。システ
ムコントローラ15Aは、画像形成処理に係るシートの
繰り出し、搬送、定着、両面印刷などを対象とするシー
ケンス制御が可能なプロセスコントローラであり、操作
部コントローラ15Bは、操作パネルなどが用いられる
操作部の液晶表示部15B1、各種LED表示部を対象
とする表示制御および各種入力キー15B2の入力制御
を司る部分であり、画像処理コントローラ15Cは、画
像形成に用いられる画像情報処理、原稿および書き込み
時での走査制御を行う部分であり、FAXコントローラ
15Fは、画像形成処理として用いられる複写機1にフ
ァクシミリ装置としての機能を備えた場合の送受信管理
およびファイル管理を行う部分であり、プリンタコント
ローラ15Gは、プリンタとしての機能を備えた場合の
プリンタデータ受信管理およびファイル管理を行う部分
である。
【0034】画像処理コントローラ15Cを含むシステ
ムコントローラ15Aは、図8に示す構成とされてい
る。図8において構成と機能とを併せて説明すると、原
稿載置台B1上の原稿からの反射光が走査光学系B2に
設けられているフルカラーCCDB2Eにより読み取ら
れる。フルカラーCCDB2Eにより光電変換された色
分解後のアナログの画像信号は信号処理部16において
増幅されて光量補正され、AD変換器17によりデジタ
ル信号処理されてシェーディング補正回路18において
シェーディング補正され、画像処理部19に出力され
る。
【0035】画像処理部19では、MTF補正、γ補
正、黒画像生成、カラー画像生成、2値処理および多値
処理などの画像処理が施され、黒画像データとこれ以外
の色画像データ、つまりカラー画像データがセレクタ2
0に出力される。セレクタ20では、画像信号の送り先
を、変倍部21または画像メモリコントローラ22への
切り替えが行われる。
【0036】変倍部21を経由した画像信号は変倍率に
合せて拡大縮小され、書き込みユニット23に送られ
る。画像メモリコントローラ22とセレタタ20間は、
双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。ま
た、画像メモリコントローラ22等への設定や、読み取
り部、書き込み部の制御を行うCPU24、及びそのプ
ログラムやデータを格納するROM24A、RAM24
Bが備えられている。更にCPU24は、メモリコント
ローラ22を介して、画像メモリ22Aのデータの書き
込み、読み出しが行えるようになっている。原稿画像で
画像メモリコントローラ22Aへ送られた画像は、画像
メモリコントローラ22内にある画像圧縮装置によって
画像データを圧縮した後、画像メモリ612に送られ
る。画像圧縮を行うことにより、限られた画像メモリを
有効に利用できる。また、一度に多くの原稿画像データ
を記憶することが出来るため、貯えられた原稿画像イメ
ージデータをページ順に出力する事ができる。この場合
画像を出力する際に画像メモリ22Aのデータをメモリ
コントローラ22内の伸長装置で順吹伸長しながら出力
を行う。他方、FAX送信時にはセレクタ20により黒
データがFAX用イメージメモリ15F1に転送され
る。また、FAX受信時には、回線から受信データが復
調、伸張された後にFAX用イメージメモリ15F1に
おいて展開された後、セレクタ20により書き込みユニ
ット22に送られる。更に、プリンタデータ受信時に
は、プリンタ用イメージメモリ15G1において展開さ
れた後、セレクタ20により書き込みユニット23に送
られる。
【0037】本実施形態においては、制御部15におい
て、次に挙げる制御が実行される。 (1)レジストローラ8Fの位置から定着装置9に至る
距離よりも長いシートが搬送される場合には、この区間
でのシートの搬送速度の関係として、 V1<V2≦V3<V4 但し、V1:給紙装置からレジストローラ8Fに至る範
囲での搬送速度(線速) V2:レジストローラ8Fによる搬送速度(線速) V3:感光体2と転写装置6とで構成される転写位置で
の搬送速度(線速) V4:定着装置9での搬送速度(線速) が設定されている。このような速度関係の設定は、長尺
シートに対するテンション付与を目的とするものであ
る。 (2)(1)に挙げた関係を前提とした場合に、搬送対
象となるシートの種類、サイズに基づき各位置での搬送
速度を画像の倍率誤差が生じないように調整するととも
に、シート搬送時における定着装置9での(1)温度、
(2)温度分布および(3)シートに対する挟持圧力の
変化に対応して各位置での搬送速度を調整することによ
り、倍率誤差が生じる原因となる定着装置9での搬送速
度と転写位置での搬送速度とが異なるのを解消して搬送
速度を一致させるようになっている。この場合の条件と
しては次の項目が挙げられる。本実施形態では、上記
(1)〜(3)に挙げた項目に変化があった場合、シー
トに付与されているテンションが変化する時期を割り出
し、その時期に対応させてシートの搬送速度が定着装置
9と転写位置とで一致するように変更することを特徴と
している。
【0038】以下、制御の内容を説明すると次の通りで
ある。本実施形態では、給紙カセット8A〜8Dにおい
てユーザが指定したシートサイズおよび繰り出しの際の
向きをサイズレバー8A1(図5参照)およびプッシュ
スイッチ8A2(図5参照)において判別されたサイズ
および各種入力キー15B2を用いて操作部コントロー
ラ15Bにおいて指定された厚さそして普通紙、トレー
シングペーパあるいはフィルムなどのシートの種類に基
づき定着装置9での定着条件、つまり、定着温度や定着
圧力および定着時間が決定されると、定着装置9および
これ以前にシートが通過する位置に設けられている装置
での駆動装置によるシートの搬送速度がそれぞれ設定さ
れる。この場合の速度(線速)設定は、いま、各位置で
の初期設定速度(線速)を、レジストローラ8F〜転写
装置(転写ベルト)6での速度をVr0とし、定着装置
9での速度をVh0とし、感光体2の速度をVdとした
場合、シートへのテンション付与が行えることを条件と
して、給紙装置から繰り出されるシートの線速<Vr0
=Vd<Vh0の関係が設定される。
【0039】一方、上記速度関係の設定によりシート先
端が定着装置9に挟持されると先端以外が定着装置9以
前の位置で挟持を解除された場合にテンションが徐々に
弱まることになり、結果として、上記速度関係により定
着装置9でのシートの速度と感光体2に対する転写位置
での速度とが異なることとなる。このため、相対速度ず
れによる画像倍率誤差が発生するのを考慮して、上述し
た初期設定速度を変更することになる。本実施形態で
は、定着装置9での定着条件により予め設定されている
定着装置9でのシート搬送速度に対して、シートのテン
ションが弱まる時期(タイミング)を割り出し、その時
点で各装置でのシートの搬送速度を変更して定着装置9
側でのシート搬送速度と感光体に対する転写位置でのシ
ート搬送速度とを一致させるようにしている。
【0040】上記速度変更を行う時期(タイミング:T
n)は、次式で求められる。 Tn=T01+(L0−L1)/(Vh0−Vr0) 但し、T01:レジストローラ8Fから定着装置9にお
けるニップ部にシート先端が至るまでの距離 L0:図9において実線で示すように、シート先端が感
光体2との転写位置に向けて搬送される距離 L1:図9において破線で示すように、感光体2との転
写位置と定着装置9との間の直線距離 速度変更を行う時期Tnは、レジストローラ8Fからシ
ート先端が繰り出された時点においてタイマーカウント
されることにより割り出され、その時期に達した時点で
速度変更が行われる。例えば、上述した初期速度設定に
基づく変更時期(T1)に達すると、感光体2の速度V
dを基準として、レジストローラ8F〜転写装置(転写
ベルト)6での速度がVr0からVr1に、定着装置9
での速度がVh0からVh1にそれぞれ変更され、この
ときの速度関係は、Vr1<Vd≦Vh1に設定され
る。これにより、シートは定着装置9によるテンション
付与が維持された状態で転写位置での速度が感光体2の
速度になるように設定されることになる。
【0041】一方、シートサイズにおいてシート先端側
が定着装置9に挟持されているのに対して後端側が定着
装置以前に位置する挟持部分を抜けるとシートに付与さ
れているテンションが弱まり、定着装置9の速度に依存
して移動することになる。この場合には、定着装置9と
感光体2との間の速度関係によりシートの移動速度が感
光体2の速度よりも速くなるので、このような現象が発
生する時期を割り出して各位置でのシート搬送速度を変
更する。このような現象が発生する機会としては、シー
ト後端がレジストローラ8Fを通過し終わる時点も含ま
れる。
【0042】本実施形態では、バックテンションが弱ま
る時期に合わせて、シート後端が給紙装置での挟持部か
ら抜ける時期をT2とし、レジストローラ8Fからシー
ト後端が抜ける時期をT3とした場合、タイマカウント
がT2に達するとレジストローラ8F〜転写位置での速
度をVr2に、また、定着装置9での速度をVh2にそ
れぞれ変更する。さらに、タイマカウントがT3に達す
ると、レジストローラ8F〜転写位置での速度をVr3
に、また、定着装置9での速度をVh3にそれぞれ変更
する。
【0043】テンションが弱まる時期に合わせて変更さ
れる速度は、次の関係に設定される。給紙位置での線速
<Vr1<Vr2<Vr3≦Vd≦Vh3<Vh2<V
h1なお、タイマカウントは、上述したようにレジスト
ローラ8Fからシート先端が繰り出される時期と基準と
することに限らず、給紙装置からのシート繰り出しが開
始された時期、定着後の排紙センサ(図示されず)のオ
ン信号から統計してシートの先端が定着装置に達して後
端が他の挟持部から抜ける時期を想定することも可能で
ある。
【0044】上記速度変更時期の割り出しおよび速度の
変更処理は、図10に示すフローチャートにおいて説明
すると次の手順で実行される。図10において、予め、
ユーザにより指定されたシートサイズおよび種類に関す
るデータチェックが行われ(ST1)、この指定データ
の内容に応じて定着条件(定着温度、定着圧力、定着時
間)が設定される(ST2)。定着条件のうちで、シー
トの搬送速度に影響するのが定着時間である。
【0045】指定されたサイズおよび向きのシートを収
容している給紙カセットの選択が行われると(ST
3)、その給紙カセットから繰り出される際の速度を含
めて上述した各装置での初期速度が設定され(ST
4)、シートの繰り出しが開始される(図10では給紙
スタートと表示してある:ST5)。シートが繰り出さ
れてレジストローラ8Fに達したことがセンサにより検
知されると(ST6)、レジストローラ8Fからシート
先端が繰り出される時期を開始時期としてタイマカウン
トが開始される(ST7)。このときのシートの速度
は、前述したように、レジストローラ8F〜転写位置で
の速度がVr0,定着装置9での速度がVh0に設定さ
れる(ST8)。タイマカウントの計時が判別され(S
T9)、変更時期(T1)に達したと判断すると、初期
設定されていた速度が次段の速度に変更される(ST1
0)。以降、タイマカウントの計時が変更時期に達する
毎に速度が変更される(ST11〜ST14)。
【0046】タイマカウントがシートのテンションが弱
まる時期に設定され、その時期毎に速度を変更してテン
ション付与によるシートの移動速度が感光体2との転写
位置と定着装置9とで異なるのを抑制することができる
ので、転写位置での転写画像と感光体2に担持されてい
る画像との倍率誤差をなくすことができる。
【0047】一方、搬送されるシートの材質によって挟
持搬送部でのスリップ率が異なることも考慮する必要が
ある。本実施形態では、スキューの原因の一つであるス
リップ率に関して、普通紙に比べてトレーシングペーパ
では先端部のカールが発生しやすいことが原因してスキ
ューが起きやすい。このため、トレーシングペーパの場
合には、他のシートと違ってバックテンションを強めて
搬送を安定させる必要がある。そこで、シートの材質に
よって図11に示すように、上述した変更時期での速度
(Vr0,Vr1,Vr2,Vr3,Vh0,Vh1,
Vh3,Vh3)をそれぞれ異ならせるように設定して
いる。本実施形態では、シート材質に応じて予め設定さ
れている紙種係数αにより上記速度が算出できるように
なっている。紙種係数αは、普通紙の場合がαp、トレ
ーシングペーパ(図11ではトレペと表示してある)の
場合がαt、フィルムの場合がαfであるとすると、初
期の設定は、1≦αf≦αp≦αt≦1.0005の関
係となるようにされている。紙種係数は、変更時期(T
n)を変更したり速度を変更するために用いられる。こ
の結果、シート材質により異なるスリップ率であっても
速度変更によりシート搬送時でのテンション付与効率を
高く維持することができる。
【0048】本実施形態は以上のような前提に基づき、
定着装置9での温度変化、温度分布および加圧圧力、つ
まりシートに対する挟持圧力に対応して速度変更が行わ
れるようになっている。以下、速度変更に関する実施例
を各請求項毎に説明する。 第1の実施例(請求項1記載の発明) 本実施例では、定着装置9での定着圧力、つまり、シー
トを挟持するために用いられる加圧圧力の変化に基づき
速度の変更を行う。定着圧力は初期条件において予め設
定されているが、画像形成回数が多くなるに従い定着ロ
ーラ9Aに装備されている熱源9A1からの熱供給が追
いつかなくなることがある。このため、定着ローラ9A
の表面温度が低下し、外径変化によるニップ部での圧力
低下を引き起こすことがある。本実施例では、定着ロー
ラの温度低下に応じて定着圧力を増加させ、シートに対
する接触圧力を均一化してシートへの供給熱量を一定化
させるようになっている。このため、制御部15では、
図12に示すように、定着温度と加圧力(片側加圧力)
との関係を予めマップとして登録しており、定着ローラ
9Aの表面温度を検知した結果に応じて、図6に示した
加圧機構11での駆動モータ11Hの駆動量および駆動
方向を制御する。これにより、定着圧力が変化すること
になるので、この変化に応じてシートの搬送速度を変更
するようになっている。このときの速度は、図13に示
すマップから選択される。
【0049】本実施例は以上のような構成により、図1
4に示すフローチャートに示した手順が実行される。図
14において、定着ローラ9Aの表面温度が検知される
間、レジストローラ8Fの駆動が待機され(ST1
5)、定着温度の検知データが出力されるとその温度変
化に応じて定着圧力が変更される(ST16,17)。
この場合の変更値は、図12,13に示したマップに基
づく。定着温度、定着圧力(加圧力)および定着温度に
よる各位置でのシートの搬送速度(線速)が決定される
と、レジストローラ8Fからシートの先端が繰り出さ
れ、以降は、図10において説明した変更時期の監視が
行われる。
【0050】第2の実施例(請求項2記載の発明) 本実施例では、定着装置9での定着温度の変化に基づき
速度の変更を行う。定着ローラ9Aは熱源9A1による
加熱により表面の温度が所定の定着温度に維持される
が、温度が変化すると外径の変化により周速が一定でな
くなる。このため、所定の搬送速度を定着装置9におい
て設定した場合でも実際の搬送速度が変化してしまうこ
とがある。そこで、本実施例では、定着ローラの表面温
度の検知結果に応じて定着装置9での搬送速度を補正す
ることを特徴としている。この場合の補正量は、図15
に示すマップに基づく。
【0051】第3の実施例(請求項3記載の発明) 本実施例では、定着装置9におけるシートのニップ部を
構成するローラの軸方向での温度分布の変化に基づきシ
ートの搬送速度を変更する。定着装置9において定着さ
れるシートは種々のサイズがあり、その中で詳細図のも
のが連続的に定着に供されると、シートと対向当接しな
いローラ表面と連続的に当接している表面との温度分布
が異なってくる。詳細図のシートが連続的に大量に定着
された場合には、ローラの軸方向中央部に比べて端部側
での温度低下が少なく、外径の違いが大きくなることに
より軸方向での形状が鼓状となり、軸方向端部での周速
が速くなる。このため、ニップ部を通過するシートの幅
方向で偏倚が発生しやすくなり、画像ブレや皺が発生し
てしまう。そこで、本実施例では、定着装置9でのロー
ラ表面における温度分布ヲ検知するための温度検知セン
サ(図示されず)を定着ローラ9Aの表面において軸方
向に複数設け、表面で小野温度分布の検知結果に応じ
て、図16に示すマップに基づき各位置でのシート搬送
速度をに影響する各装置の速度(線速)を変更する。こ
の場合の温度分布は、ローラ表面での最小サイズと最大
サイズとの通過位置にそれぞれ温度検知センサを設け、
それら温度検知センサ間での温度差を割り出して温度分
布の変化を判別する。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、定着装置
とこれ以前に記録媒体が搬送される箇所での搬送速度を
異ならせて記録媒体にテンションを付与した場合、定着
装置での記録媒体の挟持圧力に応じて搬送過程にある記
録媒体の搬送速度を切り換えるようになっているので、
挟持圧力の変化により記録媒体と挟持部との間に生じて
いるスリップ率の違いに拘わらず、転写位置と定着装置
との間での搬送速度の違いをなくして画像の倍率変化が
生じてしまうのを防止することができる。
【0053】請求項2記載の発明によれば、定着装置と
これ以前に記録媒体が搬送される箇所での搬送速度を異
ならせて記録媒体にテンションを付与した場合、定着装
置での記録媒体の定着温度に応じて搬送過程にある記録
媒体の搬送速度を切り換えるようになっているので、定
着温度の違いにより発生する外径変化による周速変化に
拘わらず定着装置での挟持状態を一定化して記録媒体へ
のテンション付与を一定化することができるとともに転
写位置と定着装置での記録媒体の搬送速度の違いをなく
して、皺や幅方向での偏倚を防止できることによる画像
の白抜けを確実の防止するとともに速度の違いによる画
像倍率変化を確実の防止することが可能となる。
【0054】請求項3記載の発明によれば、定着装置と
これ以前に記録媒体が搬送される箇所での搬送速度を異
ならせて記録媒体にテンションを付与した場合、定着装
置での記録媒体の定着温度分布状態に応じて搬送過程に
ある記録媒体の搬送速度を切り換えるようになっている
ので、温度分布の違いによる周速変化を解消して記録媒
体の幅方向での偏倚による皺の発生を防止して白抜け画
像ができるのを未然に解消できると共に転写位置と定着
装置での速度変化が原因する画像倍率変化をも解消して
異常画像の発生を防止することが可能となる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、定着装置を
通過して時点での記録媒体の搬送速度が定着装置と転写
位置とで一致させることにより転写位置での画像倍率の
変化を防止して異常画像が発生するのを確実に防ぐこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像形成装置の一例を
示す模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置である複写機に用い
られる自動原稿給送装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示した原稿走査部に用いられる原稿載置
台に設けられた原稿サイズ検知センサの配置構成を示す
斜視図である。
【図4】図3に示した原稿サイズ検知センサの構成を示
す図である。
【図5】給紙装置に用いられる給紙カセットに設けられ
ているシートサイズおよび向きの指定構造を示す斜視図
である。
【図6】図1に示した画像形成装置に用いられる定着装
置の構成を示す部分的な斜視図である。
【図7】図1に示した画像形成装置においてシートの速
度変更を行う構成に相当する制御部の構成を説明するた
めのブロック図である。
【図8】図7に示した制御部に用いられるシステムコン
トローラおよび画像処理コントローラの構成および機能
を説明するためのブロック図である。
【図9】シートの搬送過程における定着装置と転写位置
との間の距離関係を説明するための模式図である。
【図10】図7に示した制御部の作用の一つを説明する
ためのフローチャートである。
【図11】シートの材質と変更速度との関係を説明する
ための表図である。
【図12】シートの材質と定着温度とか圧力との関係を
説明するための表図である。
【図13】シートの挟持に用いられる定着圧力と変更速
度との関係を説明するための表図である。
【図14】図13に示した定着圧力と変更速度との関係
に基づく制御を説明するためのフローチャートである。
【図15】定着温度と変更速度との関係を説明するため
の表図である。
【図16】定着温度差による温度分布と変更速度との関
係を説明するための表図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置である複写機 2 潜像担持体である感光体 6 転写装置 8A〜8D 給紙カセット 8F レジストローラ 9 定着装置 9A 定着ローラ 9B 加圧ローラ 9C 定着温度検知センサ 9D 加圧温度検知センサ 15 速度変更のための構成をなす制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/00 518 G03G 15/00 518 21/00 370 21/00 370 Fターム(参考) 2H027 DA12 DA19 DA50 DE03 DE07 DE10 ED16 EE03 EE04 EE07 2H033 AA01 BA11 BB34 BB37 CA07 CA12 CA13 CA22 CA30 CA36 CA39 2H072 AB07 AB09 JA02 JA08 3F049 DA11 DA12 EA10 EA13 LA02 LB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像担持体に担持されたトナー画像を転写
    される記録媒体を転写位置に向けて繰り出し、転写後の
    記録媒体上に担持された未定着画像を定着した後に排出
    する構成を備え、上記記録媒体を上記トナー像の転写位
    置に向け繰り出すレジストローラ、上記転写位置に配置
    されている潜像担持体および転写装置、上記定着に用い
    られる定着装置に設けられている駆動装置の速度を変更
    することにより上記転写位置での上記記録媒体の搬送速
    度と上記定着装置での搬送速度を異ならせることが可能
    な画像形成装置において、 上記レジストローラから上記定着装置に至る搬送距離以
    上の長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記録媒体の搬送
    方向先端が上記定着装置を通過後、上記定着装置を通過
    する記録媒体の搬送速度を上記転写位置を通過する記録
    媒体の搬送速度と異ならせると共に上記定着装置での上
    記記録媒体の挟持圧力に応じて上記搬送過程にある記録
    媒体の搬送速度を切り換える構成を備えていることを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】潜像担持体に担持されたトナー画像を転写
    される記録媒体を転写位置に向けて繰り出し、転写後の
    記録媒体上に担持された未定着画像を定着した後に排出
    する構成を備え、上記記録媒体を上記トナー像の転写位
    置に向け繰り出すレジストローラ、上記転写位置に配置
    されている潜像担持体および転写装置、上記定着に用い
    られる定着装置に設けられている駆動装置の速度を変更
    することにより上記転写位置での上記記録媒体の搬送速
    度と上記定着装置での搬送速度を異ならせることが可能
    な画像形成装置において、 上記レジストローラから上記定着装置に至る搬送距離以
    上の長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記録媒体の搬送
    方向先端が上記定着装置を通過後、上記定着装置を通過
    する記録媒体の搬送速度を上記転写位置を通過する記録
    媒体の搬送速度と異ならせると共に上記定着装置での定
    着温度に応じて上記搬送過程にある記録媒体の搬送速度
    を切り換える構成を備えていることを特徴とする画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】潜像担持体に担持されたトナー画像を転写
    される記録媒体を転写位置に向けて繰り出し、転写後の
    記録媒体上に担持された未定着画像を定着した後に排出
    する構成を備え、上記記録媒体を上記トナー像の転写位
    置に向け繰り出すレジストローラ、上記転写位置に配置
    されている潜像担持体および転写装置、上記定着に用い
    られる定着装置に設けられている駆動装置の速度を変更
    することにより上記転写位置での上記記録媒体の搬送速
    度と上記定着装置での搬送速度を異ならせることが可能
    な画像形成装置において、 上記レジストローラから上記定着装置に至る搬送距離以
    上の長さを持つ記録媒体の搬送時に上記記録媒体の搬送
    方向先端が上記定着装置を通過後、上記定着装置を通過
    する記録媒体の搬送速度を上記転写位置を通過する記録
    媒体の搬送速度と異ならせると共に上記定着装置での定
    着温度の分布状態に応じて上記搬送過程にある記録媒体
    の搬送速度を切り換える構成を備えていることを特徴と
    する画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像
    形成装置において、 上記記録媒体の搬送速度を切り換える構成は、上記記録
    媒体の搬送方向先端が上記定着装置を通過した時点で上
    記転写位置を通過する記録媒体の搬送速度を上記定着装
    置での搬送速度に一致させる制御を行うことを特徴とす
    る画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010152402A (ja) * 2010-03-31 2010-07-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置およびそれを備えた画像形成装置
US8705994B2 (en) 2008-09-16 2014-04-22 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Fixing device and image forming apparatus including the same

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