JP2010152269A - 液晶表示装置及びプロジェクター - Google Patents

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JP2010152269A
JP2010152269A JP2008332978A JP2008332978A JP2010152269A JP 2010152269 A JP2010152269 A JP 2010152269A JP 2008332978 A JP2008332978 A JP 2008332978A JP 2008332978 A JP2008332978 A JP 2008332978A JP 2010152269 A JP2010152269 A JP 2010152269A
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隆史 遠藤
Yoshitake Tateno
善丈 立野
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Abstract

【課題】防塵ガラスを水晶板等の結晶材料に置き換えた場合にも、表示画像のコントラス
トのばらつきを抑えることができる液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】入射側の偏光フィルター25eの吸収軸の方向と、正の一軸性の結晶材料で
形成された入射側防塵板74aの光学軸の方向とが平行であるので、システム光軸SAに
平行な状態で入射する光束だけでなく、システム光軸SAに対して傾斜した状態で入射す
る光束も、偏光フィルター25eや入射側防塵板74aの通過に際して入射側防塵板74
a等で複屈折作用を受けにくくなると考えられる。よって、入射側防塵板74aによって
冷却効率を高めつつ、入射側防塵板74aの屈折率異方性によって変調量がずれた変調光
が射出される現象を抑えることができる。これにより、コントラスト比に関する視野角特
性が安定した比較的良好な液晶ライトバルブ25aを提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成用の液晶表示装置、及び、かかる液晶表示装置を組み込んだプロジ
ェクターに関する。
プロジェクター等に組み込まれる液晶表示装置として、液晶パネルと入射偏光板と射出
偏光板とで構成されるものが存在する。このような液晶表示装置において、例えば光入射
側に配置される防塵ガラスと光射出側に配置される防塵ガラスとを水晶板からなるものと
し、水晶板の光学軸を入射面に垂直な方向に設定することが開示されている(特許文献1
参照)。同様に、光入射側に配置される防塵ガラスと光射出側に配置される防塵ガラスと
を水晶板からなるものとし、水晶板の光学軸(c軸)を送風ファンによる空気の流れ方向
に沿ったものとすることも開示されている(特許文献2参照)。
特開2006−350291号公報 特開2004−117580号公報
しかしながら、本願発明者による検討の結果、防塵ガラスを水晶板等の結晶材料に置き
換える場合、これに対向する偏光板との配置関係を考慮しなければ、表示画像のコントラ
ストが製品ごとにばらついて視野角特性が安定しない場合があることが分かった。
そこで、本発明は、防塵ガラスを水晶板等の結晶材料に置き換えた場合にも、表示画像
のコントラストのばらつきを抑えることができる液晶表示装置を提供することを目的とす
る。
また、本発明は、上記のような液晶表示装置を組み込んだプロジェクターを提供するこ
とを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る液晶表示装置は、液晶デバイスと、液晶デバイ
スの光入射側及び光射出側の少なくとも一方に配置される防塵板を有する液晶パネルと、
防塵板を挟んで液晶パネルに対向して配置される偏光フィルターと、を備える液晶表示装
置であって、防塵板は、結晶材料で形成され、偏光フィルターの吸収軸の方向と防塵板の
光学軸の方向とは平行である。なお、防塵板の材料は、例えば正の一軸性結晶や負の一軸
性結晶とすることができる。
上記液晶表示装置では、偏光フィルターの吸収軸の方向と結晶材料で形成された防塵板
の光学軸の方向とが平行であるので、システム光軸に平行な状態で入射する光束だけでな
く、システム光軸に対して傾斜した状態で入射する光束も、偏光フィルターや防塵板の通
過に際して防塵板等で複屈折作用を受けにくくなると考えられる。よって、結晶材料で形
成された防塵板によって冷却効率を高めつつ、防塵板が厚み誤差を有していても防塵板の
屈折率異方性によって変調量がずれた変調光が射出される現象を抑えることができると考
えられる。これにより、様々な入射角の光束に対して劣化の少ない変調が行われた変調光
を得ることができるので、コントラスト比に関する視野角特性が安定した比較的良好な液
晶表示装置を提供することができる。
また、本発明の具体的な態様又は側面によれば、上記液晶表示装置において、防塵板が
、水晶及びサファイアのいずれか一方で形成される。この場合、防塵板による光量損失を
抑えつつ液晶デバイスを確実に冷却することができる。
また、本発明の別の態様では、液晶デバイスが、液晶層を挟持する一対の基板と、一対
の基板のうち一方の基板上に形成される表示用電極とを有する。
また、本発明のさらに別の態様では、液晶パネルを挟んで偏光フィルターの反対側に配
置される偏光フィルターをさらに備える。この場合、液晶パネルは、透過型の光変調装置
であり、光入射側の偏光フィルターによって、液晶パネルに入射する照明光の偏光方向が
調整されるとともに、光射出側の偏光フィルターによって、液晶パネルから射出される光
から所定の偏光方向の変調光が取り出される。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターは、照明用の光束を射出する照
明装置と、照明装置から射出された光束から複数の色光を分離して、複数の色光を各色の
光路にそれぞれ導く色分離光学系と、各色の光路上に配置される上述の液晶表示装置を有
し、複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調部と、各色の光路上に配置される各色
の液晶表示装置からの各色の変調光を合成して射出する光合成光学系と、光合成光学系を
経て合成された変調光を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクターでは、上述した本願の液晶表示装置を有する光変調部を備えており
、液晶表示装置の温度上昇を抑えつつコントラスト比についての視野角特性を良好なもの
とできるので、高品位の画像を投射することができる。
また、本発明の具体的な態様では、上記プロジェクターにおいて、照明装置は、偏光方
向を所定方向に揃えた照明光を射出し、各色の液晶表示装置は、偏光方向が共通の色光を
変調し、光合成光学系は、システム光軸を通ってシステム光軸に垂直な軸のまわりに傾斜
した少なくとも1つのダイクロイックミラーを有し、各色の像光を少なくとも1つのダイ
クロイックミラーの波長特性を利用して合成し、光変調部は、各色の液晶表示装置として
、上記少なくとも1つのダイクロイックミラーで反射される変調光を射出する第1タイプ
の液晶表示装置と、上記少なくとも1つのダイクロイックミラーを透過させる変調光を射
出する第2タイプの液晶表示装置とを有し、第1タイプの液晶表示装置と第2タイプの液
晶表示装置とのいずれか一方と、光合成光学系との間に、偏光方向を90°切り換える波
長板を有する。この場合、各色の液晶表示装置に入射させる偏光を揃えることで、すべて
の光路で偏光フィルター、防塵板等の特性の共通化を図ることができるとともに、特定色
の光路に選択的に配置される波長板によってダイクロイックミラーを利用した変調光の合
成を効率的なものとできる。
また、本発明の別の態様によれば、色分離光学系が、複数の色光として青色光、緑色光
、及び赤色光を分離して、緑色、赤色、及び青色の光路にそれぞれ導き、光変調部が、赤
色及び青色の光路上に第1タイプの液晶表示装置をそれぞれ有し、緑色の光路上に第2タ
イプの液晶表示装置を有し、光合成光学系が、少なくとも1つのダイクロイックミラーと
して、青色光を反射する第1ダイクロイックミラーと、赤色光を反射する第2ダイクロイ
ックミラーとを有し、波長板が、緑色用の第2タイプの液晶表示装置と光合成光学系との
間に配置される。この場合、緑色光を第1及び第2ダイクロイックミラーを通過させ、赤
色光及び青色光を第1及び第2ダイクロイックミラーで反射させることになり、効率のよ
い光合成が可能になる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る第1実施形態の液晶表示装置を組み込んだプロジェクターの光学
系の構成を説明する概念図である。
本プロジェクター10は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源
光を青緑赤の3色に分離する色分離光学系23と、色分離光学系23から射出された各色
の照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25から射出された各色の像光を
合成するクロスダイクロイックプリズム27と、クロスダイクロイックプリズム27を経
た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ29とを備える。
以上のプロジェクター10において、光源装置21は、光源ランプ21aと、凹レンズ
21bと、一対のレンズアレイ21d,21eと、偏光変換部材21gと、重畳レンズ2
1iとを備える。このうち、光源ランプ21aは、例えば高圧水銀ランプ等であるランプ
本体22aと、光源光を回収して前方に射出させる凹面鏡22bとを備える。凹レンズ2
1bは、光源ランプ21aからの光源光を平行化する役割を有するが、例えば凹面鏡22
bが放物面鏡である場合には、省略することもできる。一対のレンズアレイ21d,21
eは、マトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによっ
て凹レンズ21bを経た光源ランプ21aからの光源光を分割して個別に集光・発散させ
る。偏光変換部材21gは、詳細は省略するが、PBS及びミラーを組み込んだプリズム
アレイと、当該プリズムアレイに設けた射出面上にストライプ状に貼り付けられる波長板
アレイとを備える。この偏光変換部材21gは、レンズアレイ21eから射出した光源光
を例えば図1の紙面に水平(より具体的には、後述するクロスダイクロイックプリズム2
7の第1ダイクロミラー27aと第2ダイクロミラー27bの交線に垂直)な第1偏光方
向の直線偏光のみに変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ21iは、偏光変換部材
21gを経た照明光を全体として適宜収束させることにより、光変調部25に設けた各色
の液晶ライトバルブ25a,25b,25cに対する重畳照明を可能にする。つまり、両
レンズアレイ21d,21eと重畳レンズ21iとを経た照明光は、以下に詳述する色分
離光学系23を通って、光変調部25に設けられた各色の液晶パネル26a,26b,2
6cを均一に重畳照明する。
色分離光学系23は、第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bと、フィール
ドレンズ23f,23g,23hと、反射ミラー23j,23m,23n,23oとを備
え、光源装置21とともに照明装置を構成する。ここで、第1ダイクロイックミラー23
aは、青緑赤の3色のうち例えば青(B)色を透過させ、緑(G)及び赤(R)色を反射
する。また、第2ダイクロイックミラー23bは、入射した緑赤の2色のうち例えば緑(
G)色を反射し、赤(R)色を透過させる。これにより、光源光を構成するB光、G光、
及びR光は、第1、第2、及び第3光路OP1,OP2,OP3にそれぞれ導かれ、異な
る照明対象にそれぞれ入射する。具体的に説明すると、光源装置21からの光源光は、反
射ミラー23jで光路を折り曲げられて第1ダイクロイックミラー23aに入射する。こ
の第1ダイクロイックミラー23aを通過したB光は、反射ミラー23mを経て、液晶ラ
イトバルブ25aに対向するフィールドレンズ23fに入射する。また、第1ダイクロイ
ックミラー23aで反射されて第2ダイクロイックミラー23bでさらに反射されたG光
は、液晶ライトバルブ25bに対向するフィールドレンズ23gに入射する。さらに、第
2ダイクロイックミラー23bを通過したR光は、レンズLL1,LL2及び反射ミラー
23n,23oを経て、液晶ライトバルブ25cに対向するフィールドレンズ23hに入
射する。なお、各フィールドレンズ23f,23g,23hは、各液晶ライトバルブ25
a,25b,25cに入射する照明光の入射角度を調節する機能を有する。レンズLL1
,LL2及びフィールドレンズ23hは、リレー光学系を構成している。このリレー光学
系は、第1レンズLL1の像を、第2レンズLL2を介してほぼそのままフィールドレン
ズ23hに伝達する機能を有する。
光変調部25は、上記した各色用の3つの光路OP1,OP2,OP3に対応して、3
つの液晶ライトバルブ25a,25b,25cを備える。各液晶ライトバルブ25a,2
5b,25cは、入射した照明光の強度の空間分布を変調する非発光型の光変調装置であ
る。
ここで、第1光路OP1に配置されたB色用の液晶ライトバルブ25aは、液晶表示装
置を具体化したものであり、B光によって照明される液晶パネル26aと、液晶パネル2
6aの入射側に配置される偏光フィルター25eと、液晶パネル26aの射出側に配置さ
れる偏光フィルター25hとを備える。この液晶ライトバルブ25aは、色分離光学系2
3に設けたフィールドレンズ23fの後段に配置されており、第1ダイクロイックミラー
23aを透過したB光によって均一に照明される。液晶ライトバルブ25aにおいて、偏
光フィルター25eは、入射したB光について、紙面に平行な第1偏光方向の直線偏光を
選択的に透過させて液晶パネル26aに導く。ここで、第1偏光方向は、上述のようにク
ロスダイクロイックプリズム27の第1ダイクロミラー27aと第2ダイクロミラー27
bとの交線に垂直な方向(後述するX軸方向)を意味する。液晶パネル26aは、これに
入射した第1偏光方向の直線偏光を画像信号に応じて例えば部分的に紙面に垂直な第2偏
光方向の直線偏光に変換する。ここで、第2偏光方向は、クロスダイクロイックプリズム
27の第1ダイクロミラー27aと第2ダイクロミラー27bとの交線に平行な方向(後
述するY軸方向)を意味する。偏光フィルター25hは、液晶パネル26aを経て変調さ
れた第2偏光方向の直線偏光のみを選択的に透過させる。
第2光路OP2に配置されたG色用の液晶ライトバルブ25bは、液晶表示装置を具体
化したものであり、G光によって照明される液晶パネル26bと、液晶パネル26bの入
射側に配置される偏光フィルター25fと、液晶パネル26aの射出側に配置される偏光
フィルター25iと、1/2波長板25pとを備える。この液晶ライトバルブ25bは、
色分離光学系23に設けたフィールドレンズ23gの後段に配置されており、第2ダイク
ロイックミラー23bで反射されたG光によって均一に照明される。液晶ライトバルブ2
5bにおいて、偏光フィルター25fは、入射したG光について、紙面に平行な第1偏光
方向の直線偏光を選択的に透過させて液晶パネル26bに導く。液晶パネル26bは、こ
れに入射した第1偏光方向の直線偏光を画像信号に応じて例えば部分的に紙面に垂直な第
2偏光方向の直線偏光に変換する。偏光フィルター25iは、液晶パネル26bを経て変
調された第2偏光方向の直線偏光のみを選択的に透過させる。1/2波長板25pは、偏
光フィルター25iを透過した第2偏光方向の直線偏光の偏光方向を90°回転させて紙
面に平行な第1偏光方向の直線偏光に切り換える。
第3光路OP3に配置されたR色用の液晶ライトバルブ25cは、液晶表示装置を具体
化したものであり、R光によって照明される液晶パネル26cと、液晶パネル26cの入
射側に配置される偏光フィルター25gと、液晶パネル26aの射出側に配置される偏光
フィルター25jとを備える。この液晶ライトバルブ25cは、色分離光学系23に設け
たフィールドレンズ23hの後段に配置されており、第2ダイクロイックミラー23bを
透過したR光によって均一に照明される。液晶ライトバルブ25cにおいて、偏光フィル
ター25gは、入射したR光について、紙面に平行な第1偏光方向の直線偏光を選択的に
透過させて液晶パネル26cに導く。液晶パネル26cは、これに入射した第1偏光方向
の直線偏光を画像信号に応じて例えば部分的に紙面に垂直な第2偏光方向の直線偏光に変
換する。偏光フィルター25jは、液晶パネル26cを経て変調された第2偏光方向の直
線偏光のみを選択的に透過させる。
図2は、図1に示すプロジェクター10の光変調部25を構成するB光用の液晶ライト
バルブ25aの構造を説明する拡大断面図である。なお、図2において、Z軸方向は、シ
ステム光軸SAが延びる方向に対応する。また、X軸方向は、クロスダイクロイックプリ
ズム27中の第1及び第2ダイクロミラー27a,27bの交線に垂直な方向に相当し、
Y軸方向は、第1及び第2ダイクロミラー27a,27bの交線に平行な方向に相当する
ものとする。
液晶ライトバルブ25aにおいて、入射側に設けた偏光フィルター25eは、基板S1
上に樹脂製の第1偏光フィルムPF1を接着したものであり、入出射面の法線がそれぞれ
システム光軸SAすなわちZ軸に平行になっている。偏光フィルター25eは、偏光素子
としての第1偏光フィルムPF1によって、X方向に沿った第1偏光方向のP偏光のみを
通過させる。つまり、偏光フィルター25eの吸収軸はY方向に延びている。ここで、第
1偏光フィルムPF1を支持する基板S1は、例えば石英ガラス製であり、X方向に沿っ
た第1偏光方向のP偏光をそのままシステム光軸SAに沿って射出させる。なお、偏光フ
ィルター25eの入射面と射出面とには、反射防止膜AR1が設けられており、迷光の発
生を防止している。
一方、射出側に設けた偏光フィルター25hは、基板S2上に樹脂製の第2偏光フィル
ムPF2を接着したものであり、入出射面の法線がそれぞれシステム光軸SAすなわちZ
軸に平行になっている。偏光フィルター25hは、偏光素子としての第2偏光フィルムP
F2によってY方向に沿った第2偏光方向のS偏光のみを通過させ、P偏光(非変調光)
を吸収等により排除する。つまり、偏光フィルター25hの吸収軸はX方向に延びている
。ここで、第2偏光フィルムPF2を支持する基板S2は、例えば石英ガラス製であり、
Y方向に沿った第2偏光方向のS偏光をそのままシステム光軸SAに沿って射出させる。
なお、偏光フィルター25hの入射面と射出面とには、反射防止膜AR2が設けられてお
り、迷光の発生を防止している。
以上では、第2偏光フィルムPF2の支持用の基板S2を石英ガラス製としたが、水晶
製とすることにより、第1偏光フィルムPF1よりも比較的加熱されやすい状態にある第
2偏光フィルムPF2を効率良く冷却することができる。
以上の説明から明らかなように、偏光フィルター25eを構成する第1偏光フィルムP
F1と、偏光フィルター25hを構成する第2偏光フィルムPF2とは、クロスニコルを
構成するように配置されている。これら第1及び第2偏光フィルムPF1,PF2の間に
挟まれた液晶パネル26aは、第1偏光フィルムPF1側から入射した入射光LIを入力
信号に応じて画素単位で部分的にP偏光からS偏光に変化させ、変化後の変調光を射出光
LOとして第2偏光フィルムPF2側に射出する。このように、液晶ライトバルブ25a
から射出される変調光は、後述するクロスダイクロイックプリズム27での光合成に適す
るS偏光状態の射出光LOとなっている。
両偏光フィルター25e,25h間の液晶パネル26aは、垂直配向モードで動作する
液晶(すなわち垂直配向型の液晶)で構成される液晶層71を挟んで、入射側に第1基板
72と、射出側に第2基板73とを備える。これらの基板72,73は、ともに平板状で
あり、偏光フィルター25e等と同様に、入出射面の法線がシステム光軸SAすなわちZ
軸に平行になるように配置されている。第1基板72の外側には、光透過性の入射側防塵
板74aが貼り付けられており、第2基板73の外側には、光透過性の射出側防塵板74
bが貼り付けられている。これらの防塵板74a,74bは、ともに平板状であり、偏光
フィルター25e等と同様に、入出射面の法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行に
なるように配置されている。この液晶パネル26aの入射側防塵板74a側の入射面と、
射出側防塵板74b側の射出面とには、反射防止膜AR3が設けられており、迷光の発生
を防止している。
入射側防塵板74aは、正の一軸性の結晶材料、具体的には水晶製の平板であり、射出
側防塵板74bは、等方性の無機材料、具体的には石英ガラス製の平板である。入射側防
塵板74aは、これを形成する水晶の光学軸がY軸方向に延びるように切り出されたもの
である。つまり、入射側防塵板74aの光学軸は、偏光フィルター25eの吸収軸に対し
て平行な状態になっている。
図3は、入射側防塵板74aの機能を説明する図である。図3(A)に示すように、入
射側防塵板74aを構成する水晶は、Y方向に延びる光学軸OAの方向に関する屈折率が
相対的に大きな正の一軸性の屈折率楕円体RIE1に対応する光学的異方性を有する。具
体的な大小関係で説明すると、図中の各方位XYZに関する屈折率をNX,NY,NZと
して、NX=NZ<NYなる関係が成り立つ。一方、偏光フィルター25eの第1偏光フ
ィルムPF1は、例えば染料を吸着させて染色したPVA(ポリビニールアルコール)を
TAC(トリアセチルセルロース)上に貼り付けた延伸フィルムであり、その延伸方向に
吸収係数を持たせている。第1偏光フィルムPF1が吸収係数を有するということは、屈
折率に虚数部分が存在するが(NX=NZ=n,NY=n+in'、ここでn,n'は屈折
率であり、透過軸方向は100%光が透過する理想的な場合を考える)、入射側防塵板7
4aと同様に屈折率楕円体として扱うことができることを意味するので、第1偏光フィル
ムPF1すなわち偏光フィルター25eは、例えば図3(B)に示すような正の一軸性の
屈折率楕円体RIE2と同様に振る舞う。よって、液晶ライトバルブ25aに入射する入
射光LIを考えた場合、この入射光LIがシステム光軸SAすなわちZ軸に平行であれば
、図3(C)に示すように、偏光フィルター25eと入射側防塵板74aとを合成しても
、Y軸方向に沿った光学軸が見かけ上維持される。つまり、入射側防塵板74aが入射光
LIの位相状態に作用を及ぼして偏光方向を変化させるといったことは起こらず、同様に
偏光フィルター25eが偏光方向を変化させるといったことも起こらない。なお、液晶ラ
イトバルブ25aに入射する入射光LIは、システム光軸SAすなわちZ軸に対して傾い
て入射する成分を有し、このような斜入射成分にとっても、偏光フィルター25eの屈折
率楕円体RIE2の光学軸OAと、入射側防塵板74aの屈折率楕円体RIE1の光学軸
OAとは、互いに平行に維持される。よって、斜入射成分に関しても、入射側防塵板74
aや偏光フィルター25eが入射光LIの位相状態に作用を及ぼして偏光方向を変化させ
るといったことは起こらず、入射側防塵板74aの屈折率異方性によって変調量がずれた
変調光が液晶ライトバルブ25aから射出される現象を抑えることができると考えられる
図2に戻って、液晶パネル26aにおいて、第1基板72の液晶層71側の面上には、
透明な共通電極75が設けられており、その上には、例えば配向膜76が形成されている
。一方、第2基板73の液晶層71側の面上には、マトリクス状に配置された表示用電極
としての複数の透明画素電極77と、各透明画素電極77に電気的に接続可能な配線(不
図示)と、透明画素電極77及び配線の間に介在する薄膜トランジスタ(不図示)とが設
けられており、その上には、例えば配向膜78が形成されている。ここで、第1及び第2
基板72,73と、これらに挟まれた液晶層71と、電極75,77とは、光能動素子、
すなわち入射光LIの偏光状態を入力信号に応じて変調するための液晶デバイス80とし
て機能する部分である。この液晶デバイス80を構成する各画素部分PPは、1つの画素
電極77と、共通電極75の一部と、両配向膜76,78の一部と、液晶層71の一部と
を含む。なお、第1基板72と共通電極75との間には、各画素部分PPを区分するよう
に格子状のブラックマトリクス79が設けられている。
以上の液晶デバイス80において、配向膜76,78は、電界の存在しない状態で、液
晶層71を構成する液晶性化合物をシステム光軸SAすなわちZ軸に略平行な状態に配列
させる役割を有する。ただし、Z軸に沿った方向に適度な電界を形成した場合、液晶層7
1を構成する液晶性化合物は、システム光軸SAすなわちZ軸に略平行な状態から例えば
XY面内の所定方位に向けて傾けられた状態とされる。これにより、一対の偏光フィルム
PF1,PF2の間に挟まれた液晶層71をノーマリブラックモードで動作させることに
なり、電圧非印加のオフ状態で最大遮光状態(光オフ状態)を確保することができる。つ
まり、液晶パネル26aは、光オフ状態の黒表示時に、P偏光をそのまま変化させないで
通過させる。また、液晶パネル26aは、光オン状態の白表示時に、P偏光をS偏光に切
替えて通過させる。
図4は、液晶ライトバルブ25a中において入射側防塵板74aの厚みを変化させた場
合のコントラスト比の変化を説明するグラフである。なお、この例では、入射側防塵板7
4aを形成する水晶板の厚みtの調整範囲を1040〜1160μmとした。グラフから
も明らかなように、入射側防塵板74aの厚みを変化させても、コントラスト比はほとん
ど変化しないことがわかる。つまり、入射側防塵板74aの厚みの誤差がコントラストに
影響することを防止できるとともに、システム光軸SAに垂直入射光だけでなくこれに対
して傾いた光束に対しても劣化の少ない変調光が得られ、コントラスト比に関する視野角
特性が安定した比較的良好な液晶表示装置を提供することができることがわかる。
以上では、図2等に基づいてB光用の液晶ライトバルブ25aの構造及び機能を説明し
たが、R光用の液晶ライトバルブ25cも、B光用の液晶ライトバルブ25aと同様の構
造及び機能を有する。つまり、図2等に示すように、偏光フィルター25gのうち第1偏
光フィルムPF1によって、P偏光のみを選択的に透過させ、液晶パネル26cの変調に
よってP偏光からS偏光に変化させ、偏光フィルター25jによって、液晶ライトバルブ
25cから射出される変調光をS偏光状態の射出光LOとすることができる。
G光用の液晶ライトバルブ25bは、図5に示すように、B光用の液晶ライトバルブ2
5a等と基本的に同様の構造及び機能を有するが、光射出側に、1/2波長板25pを追
加した点が異なっている。これにより、偏光フィルター25fのうち第1偏光フィルムP
F1によって、P偏光のみを選択的に透過させ、液晶パネル26bの変調によってP偏光
からS偏光に変化させる。さらに、偏光フィルター25iによって、S偏光状態の変調光
のみを透過させ、1/2波長板25pによって、液晶ライトバルブ25bから射出される
変調光をP偏光状態の射出光LOとすることができる。
図1に戻って、クロスダイクロイックプリズム27は、光合成光学系に相当するもので
あり、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を
貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対のダイクロミラー27a,27bが形成さ
れている。両ダイクロミラー27a,27bは、特性が異なる誘電体多層膜で形成されて
いる。すなわち、一方の第1ダイクロミラー27aはB光を反射し、他方の第2ダイクロ
ミラー27bはR光を反射する。このクロスダイクロイックプリズム27は、液晶ライト
バルブ25aからの変調後のB光を第1ダイクロミラー27aで反射して進行方向右側に
射出させ、液晶ライトバルブ25bからの変調後のG光を第1及び第2ダイクロミラー2
7a,27bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ25cからの変調後のR光を第
2ダイクロミラー27bで反射して進行方向左側に射出させる。なお、既に説明したよう
に、第1及び第2ダイクロミラー27a,27bは、紙面に垂直なS偏光状態のB及びR
光を反射し、両ダイクロミラー27a,27bは、紙面に平行なP偏光状態のG光を透過
させる。これにより、クロスダイクロイックプリズム27におけるBGR光の合成効率を
高めることができ、色ムラの発生を抑えることができる。
投射レンズ29は、投射部又は投射光学系として、クロスダイクロイックプリズム27
で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(不図示)上に投射する。つまり
、各液晶パネル26a〜26cに入力された駆動信号或いは画像信号に対応する所望の倍
率のカラー動画やカラー静止画がスクリーン上に投射される。
上記プロジェクター10によれば、各色の液晶ライトバルブ25a,25b,25cに
おいて、入射側の偏光フィルター25e,25f,25gの吸収軸の方向と、正の一軸性
の結晶材料で形成された入射側防塵板74aの光学軸の方向とが平行であるので、システ
ム光軸SAに平行な状態で入射する光束だけでなく、システム光軸SAに対して傾斜した
状態で入射する光束も、偏光フィルター25e,25f,25gや入射側防塵板74aの
通過に際して入射側防塵板74a等で複屈折作用を受けにくくなると考えられる。よって
、入射側防塵板74aによって冷却効率を高めつつ、入射側防塵板74aが厚み誤差を有
していても入射側防塵板74aの屈折率異方性によって変調量がずれた変調光が射出され
る現象を抑えることができる。結果的に、様々な入射角の光束に対して劣化の少ない変調
が行われた変調光を得ることができるので、コントラスト比に関する視野角特性が安定し
た比較的良好な液晶ライトバルブ25a,25b,25cを提供することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る第2実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクターについて説
明する。第2実施形態のプロジェクターは、第1実施形態のプロジェクターを変形したも
のであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図6は、第2実施形態のプロジェクターに組み込まれるB光用の液晶ライトバルブ25
aの構造を説明する拡大断面図である。この液晶ライトバルブ25aの場合、第1基板7
2の外側には、光透過性の入射側防塵板174aが貼り付けられており、第2基板73の
外側には、光透過性の射出側防塵板174bが貼り付けられている。これらの防塵板17
4a,174bは、ともに平板状であり、偏光フィルター25e等と同様に、入出射面の
法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。ここで、入射
側防塵板174aは、等方性の無機材料、具体的には石英ガラス製の平板であり、射出側
防塵板174bは、正の一軸性の結晶材料、具体的には水晶製の平板である。射出側防塵
板174bは、これを形成する水晶の光学軸がX軸方向に延びるように切り出されたもの
である。つまり、射出側防塵板174bの光学軸は、偏光フィルター25hの吸収軸に対
して平行な状態になっている。
この液晶ライトバルブ25aにおいては、射出側の偏光フィルター25hの吸収軸の方
向と、正の一軸性の結晶材料で形成された射出側防塵板174bの光学軸の方向とが平行
であるので、液晶パネル26aを通過する光束は、射出側防塵板174b及び偏光フィル
ター25hの通過に際して射出側防塵板174b等で実質的な複屈折作用を受けない。よ
って、射出側防塵板174bによって冷却効率を高めつつ、射出側防塵板174bの屈折
率異方性によって変調量がずれた変調光が射出される現象を抑えることができる。
なお、詳細な説明を省略するが、本実施形態におけるR光用の液晶ライトバルブ25c
も、B光用の液晶ライトバルブ25aと同様の構造を有する。つまり、射出側防塵板17
4bが正の一軸性の結晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルター25jの吸
収軸に対して平行に配置される。また、本実施形態におけるG光用の液晶ライトバルブ2
5bも、B光用の液晶ライトバルブ25aと同様の構造を有する。つまり、射出側防塵板
174bが正の一軸性の結晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルター25i
の吸収軸に対して平行に配置される。ただし、偏光フィルター25iの光射出側には、1
/2波長板25pが追加される。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係る第3実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクターについて説
明する。第3実施形態のプロジェクターは、第1実施形態のプロジェクターを変形したも
のであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図7は、第3実施形態のプロジェクターに組み込まれるB光用の液晶ライトバルブ22
5aの構造を説明する拡大断面図である。この液晶ライトバルブ225aの場合、第1基
板72の外側に貼り付けられた入射側防塵板274aは、負の一軸性の結晶材料であるサ
ファイアで形成され、このサファイアの光学軸がY軸方向に延びるように切り出されたも
のである。つまり、入射側防塵板274aの光学軸は、偏光フィルター25eの吸収軸に
対して平行な状態になっている。一方、射出側防塵板274bは、等方性の無機材料、具
体的には石英ガラス製の平板である。入射側防塵板274aや射出側防塵板274bは、
入出射面の法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。
この液晶ライトバルブ225aにおいては、入射側の偏光フィルター25eの吸収軸の
方向と、負の一軸性の結晶材料で形成された入射側防塵板274aの光学軸の方向とが平
行であるので、液晶パネル26aを通過する光束は、偏光フィルター25e及び入射側防
塵板274aの通過に際して入射側防塵板274a等で実質的な複屈折作用を受けない。
よって、入射側防塵板274aによって冷却効率を高めつつ、入射側防塵板274aの屈
折率異方性によって変調量がずれた変調光が射出される現象を抑えることができる。
なお、本実施形態におけるR光用の液晶ライトバルブ225cも、B光用の液晶ライト
バルブ225aと同様の構造を有する。つまり、入射側防塵板274aが負の一軸性の結
晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルター25gの吸収軸に対して平行に配
置される(図7参照)。また、本実施形態におけるG光用の液晶ライトバルブ225bも
、B光用の液晶ライトバルブ225aと同様の構造を有する。つまり、入射側防塵板27
4aが負一軸性の結晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルター25fの吸収
軸に対して平行に配置される。ただし、偏光フィルター25iの光射出側には、1/2波
長板25pが追加される(図8参照)。
〔第4実施形態〕
以下、本発明に係る第4実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクターについて説
明する。第4実施形態のプロジェクターは、第3実施形態のプロジェクターを変形したも
のであり、特に説明しない部分は、第3実施形態と同様である。
図9は、第4実施形態のプロジェクターに組み込まれるB光用の液晶ライトバルブ22
5aの構造を説明する拡大断面図である。この液晶ライトバルブ225aの場合、第1基
板72の外側には、光透過性の入射側防塵板374aが貼り付けられており、第2基板7
3の外側には、光透過性の射出側防塵板374bが貼り付けられている。これらの防塵板
374a,374bは、ともに平板状であり、偏光フィルター25e等と同様に、入出射
面の法線がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。ここで、
入射側防塵板374aは、等方性の無機材料、具体的には石英ガラス製の平板であり、射
出側防塵板374bは、負の一軸性の結晶材料、具体的にはサファイア製の平板である。
射出側防塵板374bは、これを形成するサファイアの光学軸がX軸方向に延びるように
切り出されたものである。つまり、射出側防塵板374bの光学軸は、偏光フィルター2
5hの吸収軸に対して平行な状態になっている。
なお、詳細な説明を省略するが、本実施形態におけるR光用の液晶ライトバルブ225
cも、B光用の液晶ライトバルブ225aと同様の構造を有する。つまり、射出側防塵板
374bが負の一軸性の結晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルター25j
の吸収軸に対して平行に配置される。また、本実施形態におけるG光用の液晶ライトバル
ブ225bも、B光用の液晶ライトバルブ225aと同様の構造を有する。つまり、射出
側防塵板374bが負の一軸性の結晶材料で形成されており、その光学軸が偏光フィルタ
ー25iの吸収軸に対して平行に配置される。ただし、偏光フィルター25iの光射出側
には、1/2波長板25pが追加される。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクターについて説明する。第5
実施形態のプロジェクターは、第1〜第4実施形態のプロジェクターを変形したものであ
り、特に説明しない部分は、第1実施形態等と同様である。
第5実施形態のプロジェクターに組み込まれる液晶ライトバルブ25a,25b,25
c,225a,225b,225cは、ツイストネマティックモードで動作する液晶(す
なわちツイストネマティック型の液晶)で構成される液晶層71を備える。この場合、液
晶層71中の液晶性化合物の光学軸は、第1基板72から第2基板73にかけて徐々にね
じれるように配置される。つまり、第1及び第2基板72,73の内側すなわち配向膜7
6,78に隣接して液晶層71の両端側に配置される一組の液晶性化合物の光学軸は、X
Y平面上に投影した場合、互いに例えば90°のツイスト角をなす。これにより、一対の
偏光フィルムPF1,PF2の間に挟まれた液晶層71をノーマリホワイトモードで動作
させることになり、電圧非印加のオフ状態で最大透過状態(光オン状態)を確保すること
ができる。つまり、液晶パネル26aは、光オン状態の白表示時に、S偏光をP偏光に切
替えて通過させるとともに、光オフ状態の黒表示時に、P偏光をそのまま変化させないで
通過させる。
なお、例えば第1実施形態のプロジェクター10を変更したものでは、偏光フィルター
25e,25f,25gの吸収軸の方向と、正の一軸性の結晶材料である入射側防塵板7
4aの光学軸の方向とが平行である点に変更はない。また、第2実施形態のプロジェクタ
ー10を変更したものでは、偏光フィルター25h,25i,25jの吸収軸の方向と、
正の一軸性の結晶である射出側防塵板174bの光学軸の方向とが平行である点に変更は
ない。同様に、第3実施形態のプロジェクター10を変更したものでは、偏光フィルター
25e,25f,25gの吸収軸の方向と、負の一軸性の結晶材料である入射側防塵板2
74aの光学軸の方向とが平行である点に変更はない。また、第4実施形態のプロジェク
ター10を変更したものでは、偏光フィルター25h,25i,25jの吸収軸の方向と
、負の一軸性の結晶である射出側防塵板374bの光学軸の方向とが平行である点に変更
はない。
図10は、第1実施形態をツイストネマティック型に変更した液晶ライトバルブ25a
中において入射側防塵板74aの厚みを変化させた場合のコントラスト比の変化を説明す
るグラフである。グラフからも明らかなように、入射側防塵板74aの厚みを変化させて
も、コントラスト比はほとんど変化しないことがわかる。つまり、入射側防塵板74aの
厚みの誤差がコントラストに影響することを防止できるとともに、システム光軸SAに垂
直入射光だけでなくこれに対して傾いた光束に対しても劣化の少ない変調光が得られ、コ
ントラスト比に関する視野角特性が安定した比較的良好な液晶表示装置を提供することが
できることがわかる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能で
あり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、上記第1及び第3実施形態では、入射側防塵板74aを正又は負の一軸性結
晶とし、上記第2及び第4実施形態では、射出側防塵板74bを正又は負の一軸性結晶と
したが、入射側防塵板及び射出側防塵板の双方を正又は負の一軸性結晶とすることができ
る。
また、上記第1〜第5実施形態では、光学補償板を組み込んでいないが、液晶ライトバ
ルブ25a,25b,25cにおいて、例えば偏光フィルター25e,25f,25gと
、液晶パネル26a,26b,26cとの間に結晶材料からなり位相差を付与することが
できる光学補償板を挿入することができる。
また、上記実施形態のプロジェクター10では、光源装置21を、光源ランプ21a、
一対のレンズアレイ21d,21e、偏光変換部材21g、及び重畳レンズ21iで構成
したが、レンズアレイ21d,21e等については省略することができ、光源ランプ21
aも、LED等の別光源に置き換えることができる。
上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブ25a〜25cを用いたプロジェクター1
0の例のみを挙げたが、本発明は、2つの液晶ライトバルブを用いたプロジェクター、或
いは、4つ以上の液晶ライトバルブを用いたプロジェクターにも適用可能である。
上記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロ
ジェクターの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投
射を行なうリアタイプのプロジェクターにも適用可能である。
第1実施形態の液晶表示装置を組み込んだプロジェクターの光学系を説明する図である。 図1のプロジェクターを構成するB光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 (A)〜(C)は、液晶ライトバルブに組み込まれた防塵板の働きを説明する図である。 入射側防塵板の厚みを変化させた場合のコントラスト比の変化を説明するグラフである。 図1のプロジェクターを構成するG光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第2実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第3実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第3実施形態におけるG光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第4実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第5実施形態において、入射側防塵板の厚みとコントラスト比との関係を説明するグラフである。
符号の説明
LI…入射光、 LO…射出光、 OA…光学軸、 OP1,OP2,OP3…光路、
PF1,PF2…偏光フィルム、 S1…基板、 S2…基板、 SA…システム光軸、
10…プロジェクター、 21…光源装置、 21g…偏光変換部材、 21i…重畳
レンズ、 23…色分離光学系、 23a,23b…ダイクロイックミラー、 25…光
変調部、 25a,25b,25c…液晶ライトバルブ、 25e,25f,25g…偏
光フィルター、 25h,25i,25j…偏光フィルター、 25p…波長板、 26
a,26b,26c…液晶パネル、 27…クロスダイクロイックプリズム、 27a,
27b…ダイクロミラー、 29…投射レンズ、 71…液晶層、 72,73…基板、
74a…入射側防塵板、 74b…射出側防塵板、 75,77…電極、 76,78
…配向膜、 77…透明画素電極、 80…液晶デバイス

Claims (7)

  1. 液晶デバイスと、前記液晶デバイスの光入射側及び光射出側の少なくとも一方に配置さ
    れる防塵板を有する液晶パネルと、
    前記防塵板を挟んで前記液晶パネルに対向して配置される偏光フィルターと、を備える
    液晶表示装置であって、
    前記防塵板は、結晶材料で形成され、
    前記偏光フィルターの吸収軸の方向と前記防塵板の光学軸の方向とは平行である、液晶
    表示装置。
  2. 前記防塵板は、水晶及びサファイアのいずれか一方で形成される、請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  3. 前記液晶デバイスは、液晶層を挟持する一対の基板と、前記一対の基板のうち一方の基
    板上に形成される表示用電極とを有する、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の
    液晶表示装置。
  4. 前記液晶パネルを挟んで前記偏光フィルターの反対側に配置される偏光フィルターをさ
    らに備える、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  5. 照明用の光束を射出する照明装置と、
    前記照明装置から射出された光束から複数の色光を分離して、前記複数の色光を各色の
    光路にそれぞれ導く色分離光学系と、
    前記各色の光路上に配置される請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の液晶
    表示装置を有し、前記複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調部と、
    前記各色の光路上に配置される各色の液晶表示装置からの各色の変調光を合成して射出
    する光合成光学系と、
    前記光合成光学系を経て合成された変調光を投射する投射光学系と、
    を備えるプロジェクター。
  6. 前記照明装置は、偏光方向を所定方向に揃えた照明光を射出し、
    前記各色の液晶表示装置は、偏光方向が共通の色光を変調し、
    前記光合成光学系は、システム光軸を通ってシステム光軸に垂直な軸のまわりに傾斜し
    た少なくとも1つのダイクロイックミラーを有し、各色の像光を前記少なくとも1つのダ
    イクロイックミラーの波長特性を利用して合成し、
    前記光変調部は、前記各色の液晶表示装置として、前記少なくとも1つのダイクロイッ
    クミラーで反射される変調光を射出する第1タイプの液晶表示装置と、前記少なくとも1
    つのダイクロイックミラーを透過させる変調光を射出する第2タイプの液晶表示装置とを
    有し、前記第1タイプの液晶表示装置と前記第2タイプの液晶表示装置とのいずれか一方
    と、前記光合成光学系との間に、偏光方向を90°切り換える波長板を有する、請求項5
    に記載のプロジェクター。
  7. 前記色分離光学系は、前記複数の色光として青色光、緑色光、及び赤色光を分離して、
    緑色、赤色、及び青色の光路にそれぞれ導き、
    前記光変調部は、赤色及び青色の光路上に前記第1タイプの液晶表示装置をそれぞれ有
    し、緑色の光路上に前記第2タイプの液晶表示装置を有し、
    前記光合成光学系は、前記少なくとも1つのダイクロイックミラーとして、青色光を反
    射する第1ダイクロイックミラーと、赤色光を反射する第2ダイクロイックミラーとを有
    し、
    前記波長板は、緑色用の前記第2タイプの液晶表示装置と前記光合成光学系との間に配
    置される、請求項6に記載のプロジェクター。
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