JP2010152067A - 極端紫外光による薄膜の吸収係数を測定する支持膜形成組成物及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂、極端紫外光感応性化合物、感応性色素、及び溶剤を含む極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物。極端紫外光感応性化合物が、極端紫外光の照射によりラジカル、酸、又は塩基成分を発生する化合物である。感応性色素が、ラジカル、酸、又は塩基の作用により193〜800nmの波長域で吸収変化を起こす化合物である。基板上に極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成する工程、上記支持膜上に被測定膜形成組成物を塗布し被測定膜を形成した被覆支持膜を得る工程、極端紫外線で被覆支持膜を露光する工程、及び被覆支持膜の露光前後の光吸収スペクトル変化を計測する工程を含む被測定膜の極端紫外光の吸収係数の測定方法。
【選択図】 図1
Description
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハー基板等の半導体基板上にフォトレジストの薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もKrFエキシマレーザー(248nm)からArFエキシマレーザー(193nm)へと短波長化される傾向にある。ArFエキシマレーザー(193nm)を用いる半導体デバイスの微細化が加速しており、超解像技術、液浸2重露光技術を用いてもフォトリソグラフィー技術の限界に近づいている。そこで、この問題を解決すべく、より短波長である高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光などの活性光線又は放射線を含む極端紫外光を用いたリソグラフィープロセス技術による微細加工の研究が活発に行われてきている。これに伴い、極端紫外光を用いたリソグラフィープロセス技術で使用するレジスト、レジスト下層膜、レジスト上層膜、ハードマスク材料、及び耐電防止材料等の極端紫外光の吸収係数や吸収率を評価することが、これらの材料開発やリソグラフィープロセス技術の構築に欠かすことのできない測定になっている。
しかしながら、極端紫外光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近いため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィーのような屈折光学系を使用することができない。また、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが用いられる光学系はS/N比の減少が大きく、途中で吸収される場合もある。高精度で極端紫外光の吸収係数や吸収率を観測できる方法が無いため、極端紫外光感応性分子を含む測定支持材料を用いた本発明の測定方法は工業上極めて有用である。
特殊なX線反射測定による入射角と反射率の関係と試料密度を用いて、極端紫外光のひとつであるEUV光(波長13.5nm)の吸収係数が報告されている(非特許文献1を参照)。
キセノンガスジェットにより発生したレーザープラズマを用いた極端紫外光のひとつであるEUV光(波長13.5nm)の吸収係数が報告されている(非特許文献3を参照)。
理論計算式に基づいた極端紫外光のひとつであるEUV光(波長13.5nm)の吸収係数が報告されている(非特許文献4を参照)。
レジスト材料に酸感応色素を添加後、レジスト膜厚を変えた複数のサンプルを作製し、極端紫外光を照射、酸に感応した色素の吸収変化を測定することにより、レジスト膜の吸収係数を求められることが報告されている。(非特許文献5を参照)。
しかし、これらの方法では、レジストが実際に使用される状態で吸収係数を測定することは困難である。特に、EUVリソグラフィーでは、レジスト膜厚は30〜70nmが想定されており、この膜厚ではレジスト界面の影響がレジスト膜密度に影響し、吸収係数に影響を与えるため、この膜厚範囲で、実際に使用される下地膜あるいはそれに近い膜上に形成されたレジスト膜の吸収係数を測定することが要求される。これまでに提案されている方法で、この要求をみたす測定法はない。
また、これらの方法では、レジストが実際に使用される状態で吸収係数を測定することは困難である。特に、EUVリソグラフィーでは、レジスト膜厚は30〜70nmが想定されており、この膜厚ではレジスト界面の影響がレジスト膜密度に影響し、吸収係数に影響を与えるため、この膜厚範囲で実際に使用される下地膜あるいはそれに近い膜厚に形成されたレジスト膜の吸収係数を測定する方法が要求される。これまでに提案されている方法で、この要求をみなす測定法はない。
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は従来の高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光(13.5nm)などの活性光線又は放射線を含む極端紫外光の測定方法が有する問題点を解消し、極端紫外光を用いた先端リソグラフィープロセス技術で使用するレジスト、レジスト下層膜、レジスト上層膜、ハードマスク材料、及び耐電防止材料等の極端紫外光の吸収係数や吸収率を測定することにより、レジスト関連材料の開発、リソグラフィープロセス技術、及び半導体デバイス作製に適用できる。また、好適な電子薄膜材料中の吸収係数を精度良く求めることができ、従来の吸収係数の測定システムや取扱を簡単化し得る新規な測定方法を提供しようとするものである。
第2観点として、極端紫外光が、波長2〜192nmの極端紫外光である第1観点に記載の支持膜形成組成物、
第3観点として、極端紫外光が、波長13〜14nmの極端紫外光である第1観点に記載の支持膜形成組成物、
第4観点として、極端紫外光感応性化合物が、極端紫外光の照射によりラジカル、酸、又は塩基成分を発生する化合物である第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第5観点として、極端紫外光感応性化合物が、イミダゾール化合物、ビスイミダゾール化合物、ジアゾ化合物、N−アリールグリシン化合物、有機アジド化合物、チタノセン化合物、アルミナート化合物、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩化合物、及びチオキサントン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の光ラジカル発生剤である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第6観点として、極端紫外光感応性化合物が、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、スルホネート、及びN−スルホニルオキシジカルボキシイミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の光酸発生剤である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第7観点として、極端紫外光感応性化合物が、ニトロベンジルカルバメート化合物、及びウレタン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の光塩基発生剤である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第8観点として、感応性色素が、ラジカル、酸、又は塩基の作用により193〜800nmの波長域で吸収変化を起こす化合物である第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第9観点として、感応性色素が、メチルオレンジ、メチルレッド、チモールブルー、ブロモチモールブルー、ブロムクレゾールパープル、フェノールフタレイン、又はクマリン6[3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチル)クマリン]である第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第10観点として、樹脂が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はエポキシ基を有する熱硬化性樹脂である第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第11観点として、更に架橋剤を含む第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の支持膜形成組成物、
第12観点として、基板上に第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成する第1工程、上記支持膜上に被測定膜形成組成物を塗布し被測定膜を形成し被覆支持膜を得る第2工程、被覆支持膜の光吸収スペクトルを測定する第2’工程、極端紫外線で被覆支持膜を露光する第3工程、及び第2’工程と第3工程の被覆支持膜の光吸収スペクトル変化を計測する第4工程を含む被測定膜の極端紫外光の吸収係数の測定方法、
第13観点として、基板上に第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成する第1工程、上記支持膜上に被測定膜形成組成物を塗布し被測定膜を形成し被覆支持膜を得る第2工程、極端紫外線で第2工程で得られた被覆支持膜を露光する第3工程、別途、基板上に請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成し極端紫外線で露光する第3’工程、及び第3工程と第3’工程の被覆支持膜と支持膜の光吸収スペクトル変化を計測する第4’工程を含む被測定膜の極端紫外光の吸収係数の測定方法、及び
第14観点として、被測定膜が半導体装置製造のリソグラフィー工程に用いられるレジスト膜、レジスト下層膜、又はレジスト上層膜である第12観点又は第13観点に記載の測定方法である。
とりわけ、先端リソグラフィープロセスで適用される半導体基板上に形成される極端紫外光を用いるレジスト、レジスト下層膜、レジスト上層膜、ハードマスク材料、及び耐電防止材料等のレジスト関連材料、リソグラフィープロセス技術、及び半導体デバイスの開発を行うことができる。極端紫外光に関しては、本願の吸収係数測定用支持膜中で99%以上の入射光を吸収できるため、本願の吸収係数測定用支持膜上に形成された被測定膜の吸収係数を精度良く測定することが可能である。
本願発明に用いられる吸収係数測定用支持膜形成組成物は、極端紫外光感応性化合物、感応性色素、及び溶剤を含む。これらを加熱し硬化することによって吸収係数測定用支持膜が得られる。そして必要に応じて吸光性化合物や添加剤成分を含有することができる。更に任意成分として架橋剤、架橋触媒、レオロジー調整剤、及び界面活性剤等の成分を含むことができる。
本願発明に用いられる吸収係数測定用支持膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が溶剤に均一に溶解している限りは特に限定はないが、例えば1〜50質量%であり、または、10〜50質量%であり、または10〜40質量%である。ここで固形分とは、吸収係数測定用支持膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウム、ビス(4−tet−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、トリス(フェニルメチル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル−2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソプロピルチアシクロペンタニウム、2−オキソブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−3,3ジメチルブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられる。
スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(4−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(4−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(4−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フルオログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
好適な光酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
本発明の吸収係数測定用支持膜形成組成物において極端紫外光感応性化合物は、一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
感応性色素は、極端紫外光感応性化合物から発生するラジカル、酸、塩基の化学作用により部分的な吸収変化に伴う物理量変化を有する色素であれば制限はない。即ち、極端紫外光感応性化合物からの発生するラジカル、酸、塩基によって紫外光〜可視光の吸収ピークの位置が変化する化合物を用いることが好ましい。
酸発生剤との組み合わせで使用する場合には、酸性域で色が変化する化合物であればよく、光塩基発生剤とともに使用する場合には、アルカリ域で色が変化する化合物であればよい。更に好ましくは、測定支持材料形成組成物で用いる溶剤に溶解し、かつ193〜800nmの波長域で吸収変化を発する化合物がよい。
例えば、本発明の感応性色素においては、メチルバイオレット、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、リトマス、ブロモチモールブルー、クレゾールパープル、アゾブルー、クマリン化合物、ピクリン酸、メチルバイオレット、o−クレゾールレッド、チモールブルー、2,4−ジニトロフェノール、コンゴーレッド、メチルオレンジ、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、p−ニトロフェノール、ニュートラルレッド、フェノールレッド、p−ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、チモールブルー、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエローR、1,3,5-トリニトロベンゼン、フェノサフラニン、インジゴテトラスルホン酸、メチレンブルー、ジフェニルアミン、ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミンスルホン酸、エリオグラウシンAが挙げられる。
感応性色素の含有量は固形分中で20質量%以下であり、例えば0.01〜20質量%であり、また例えば0.1〜20質量%である。
固形分中の熱硬化性化合物の含有量は30〜99質量%、また35〜98質量%、また80〜97質量%とすることができる。
熱硬化性化合物は架橋反応基を少なくとも1つ有する熱硬化性モノマー、又は熱硬化性樹脂を含み、これを熱硬化して硬化膜が得られる。
本発明に用いられる熱硬化性化合物は、熱硬化性樹脂が好適に用いられ、架橋反応基であるヒドロキシル基、カルボキシル基、又はエポキシ基を繰り返し単位に1つ以上含有する樹脂が挙げられる。
例えば、アクリル酸類、ヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシアルキルメタクリレート類、スチレン類、セルロース類、クロトン酸、保護されたカルボキシル基を有する化合物、カルボキシル基と反応可能な基を有する化合物などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物を重合して得られる熱可塑性ポリマー、または熱硬化性フェノール樹脂等が挙げられる。
以下に、アクリル酸類、ヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシアルキルメタクリレート類、スチレン類、セルロース類、クロトン酸類、及びフェノール樹脂などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物を重合して得られる樹脂が挙げられる。
アクリル酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアクリレート類としては、炭素数1から10個の側鎖アルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが挙げられる。例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、及びヒドロキシブチルアクリレート等である。
スチレン類としては、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシブロモスチレン、及びカルボキシスチレン等が挙げられる。
セルロース類としては、セルロース、セルロースアセテート、セルロースナイトレート、チトサン等が挙げられる。
クロトン酸類としては、炭素数1から10個のアルキル基を有するクロトン酸が挙げられる。例えば、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート、及びブリルクロトネートである。
式(1)で表される単位構造を含む化合物の樹脂は、付加重合性不飽和結合を有するアクリルモノマーの重合と、その後にビニルエーテル化合物との反応によって製造することができる。また、アクリルモノマーとビニルエーテル化合物との反応によって得られたモノマーを重合することによっても得られる。
反応に使用される有機溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、及びジメチルホルムアミド等が、連鎖移動剤としてはドデカンチオール、ドデシルチオール等が、重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が、そして、重合停止剤としては4−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度としては60〜90℃、反応時間としては6〜24時間から適宜選択される。
本発明の熱硬化性樹脂は、上記樹脂以外に非架橋性のモノマーを共重合することも可能であり、これにより透過率、ぬれ性に関する表面エネルギー等の微調整が行える。このような共重合モノマーとしては以下のものが挙げられる。例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
メタクリル酸エステル類としては、例えばアルキル基の炭素原子数が1〜10のアルキルメタクリレートが挙げられる。
アクリルアミド類としては、アクリルアミドや、N−アルキルアクリルアミド、N−アリールアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−アリールアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなどが挙げられる。
メタクリルアミド類としては、例えばメタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−アリールメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N,N−ジアリールメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えばアルキルビニルエーテル、ビニルアリールエーテル等が挙げられる。
スチレン類としては、例えばスチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲンスチレン等が挙げられる。
クロトン酸エステル類としては、例えばクロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネート等のクロトン酸アルキルが挙げられる。
また、イタコン酸ジアルキル類、マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。その他、一般的には、架橋反応基であるヒドロキシル基を少なくとも繰り返し単位当たり1つ以上含有するポリマーと共重合可能である付加重合性不飽和化合物であれば用いる事が出来る。
本発明に用いられるエポキシ基を繰り返し単位に1つ以上含有するポリマーとしては、特に制限はなく、エポキシ基を有する種々のポリマーを使用することができる。そのようなポリマーとしては、例えば、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを使用して製造することができるポリマーが挙げられる。エポキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。また、2,2−ビス(ヒドロキシメチル) −1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物は樹脂と架橋剤を兼ねることもできる。
本発明におけるポリマーは、ランダム重合体、ブロック重合体あるいはグラフト重合体のいずれであってもよい。本発明の反射防止膜を形成するポリマーは、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの方法により合成することができる。その形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合など種々の方法が可能である。
本発明の吸収係数測定用支持膜形成組成物には架橋剤を含むことができる。そのため、例えば吸収係数測定用支持膜形成組成物が基板上に塗布され、測定用支持膜を形成するために焼成する時に架橋反応が起こる。そして、この架橋反応のために、形成された吸収係数測定用支持膜は強固になり、被測定膜形成組成物に一般的に使用されている有機溶剤、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ピルビン酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等に対する溶解性が低いものとなる。そのため、本発明の吸収係数測定用支持膜形成組成物より形成される測定用支持膜は、その上層に塗布、形成される被測定膜形成組成物とインターミキシングを起こさないものとなる。
また、架橋剤としてはエポキシ基を有する化合物を用いることができ、例えばエポキシ基を有する化合物としては、二個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限はない。エポキシ基を二個以上有する低分子量の化合物(分子量が2000程度以下のポリマーでない化合物)、及びエポキシ基を二個以上有するポリマーが挙げられる。
架橋剤の含有量は固形分中で65質量%以下であり、例えば0.01〜63質量%であり、また例えば0.5〜60質量%、20〜60質量%とすることができる。
基板上に吸収係数測定用支持膜形成組成物をスピナー、コーター等の適当な塗布方法により吸収係数測定用支持膜形成組成物が塗布され、その後、加熱することにより硬化し吸収係数測定用支持膜が形成される。加熱する条件としては、加熱温度80℃〜200℃、加熱時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、加熱温度80℃〜150℃、加熱時間0.5〜10分間である。
界面活性剤を添加することによって、ピンホールやストレーション等の発生を抑え、また、吸収係数測定用支持膜形成組成物の塗布性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル化合物、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー化合物、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート及びソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物が挙げられる。また、商品名エフトップEF301,EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を上げることができる。界面活性剤が使用される場合、その添加量としては、吸収係数測定用支持膜形成組成物の固形分中、通常1質量%未満の割合で添加される。
プロピレングリコールモノメチルエーテル80.0gに、アクリル酸(東京化成工業株式会社)20.0gを溶解させ、反応液中に窒素を5分流した後、70℃に昇温した。反応溶液を70℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル0.26gと1−ドデカンチオール0.26gを添加した。窒素雰囲気下、75℃で7.5時間撹拌後、4−メトキシフェノール0.10gを添加し、ポリアクリル酸の溶液を得た。反応終了後、再沈殿法により精製し、更にエバポレータによる固形回収の方法で所望のポリマーを回収した。
実施例1
合成例1で得たポリアクリル酸8.4gに、架橋剤として2,2−ビス(ヒドロキシメチル) −1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物12.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル36.8g、及びシクロヘキサノン36.8gを加え、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過した。その後、上記混合溶液中に、感応性色素としてクマリン6(アルドリッチ(株)製、商品名Courmarin6)0.235g、極端紫外光感応性化合物としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(みどり化学(株)製、商品名TPS−105)1.88gを混合し吸収係数測定用支持膜形成組成物の溶液を調製した。
本発明の実施例1に係る試料作製手順は図1に示される。石英基板上に吸収係数測定用支持膜形成組成物をスピンコート後、ホットプレート上で加熱し、吸収係数測定用支持膜を形成した。さらに作製した吸収係数測定用支持膜上に、被測定膜[本実施例ではポリ(4−ヒドロキシスチレン)を含む被測定膜形成組成物を使用]をスピンコートにより作製した。
(b)は(a)でスピンコートした吸収係数測定用支持膜形成組成物をホットプレート上で加熱硬化させ吸収係数測定用支持膜を得る場面である。
(c)は吸収係数測定用支持膜上に被測定膜形成組成物をスポイドを用いてスピンコートする場面である。
(d)は(c)でスピンコートした被測定膜形成組成物をホットプレート上で加熱硬化させて被測定膜を得る場面である。
(1)は石英基板である。
(2)は吸収係数測定用支持膜形成組成物が入ったスポイドである。
(3)はホットプレートである。
(4)は吸収係数測定用支持膜である
(5)は被測定膜形成組成物が入ったスポイドである。
(6)は被測定膜である。
(7)はEUV光源である。
(8)はターボポンプである。
(9)はジルコニウムフィルターである。
(10)はフォトダイオードである。
(11)はEUVミラーである。
(12)はEUV光である。
(13)は回転試料台である。
(14)クマリン6のEUV照射前の吸収スペクトルを示した破線である。
(15)クマリン6のEUV照射後の吸収スペクトルを示した実線である。
(16)被測定膜を置かずにEUVを直接に吸収係数測定用支持膜に照射した場合の533nm付近に現れたクマリン6のプロトン付加体の露光量と吸収強度の変化を示す図である。
(17)EUVを被測定膜に照射し被測定膜を通過し吸収係数測定用支持膜に達した場合の533nm付近に現れたクマリン6のプロトン付加体の露光量と吸収強度の変化を示す図である。
Claims (14)
- 樹脂、極端紫外光感応性化合物、感応性色素、及び溶剤を含む極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物。
- 極端紫外光が、波長2〜192nmの極端紫外光である請求項1に記載の支持膜形成組成物。
- 極端紫外光が、波長13〜14nmの極端紫外光である請求項1に記載の支持膜形成組成物。
- 極端紫外光感応性化合物が、極端紫外光の照射によりラジカル、酸、又は塩基成分を発生する化合物である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 極端紫外光感応性化合物が、イミダゾール化合物、ビスイミダゾール化合物、ジアゾ化合物、N−アリールグリシン化合物、有機アジド化合物、チタノセン化合物、アルミナート化合物、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩化合物、及びチオキサントン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の光ラジカル発生剤である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 極端紫外光感応性化合物が、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、スルホネート、及びN−スルホニルオキシジカルボキシイミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の光酸発生剤である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 極端紫外光感応性化合物が、ニトロベンジルカルバメート化合物、及びウレタン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の光塩基発生剤である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 感応性色素が、ラジカル、酸、又は塩基の作用により193〜800nmの波長域で吸収変化を起こす化合物である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 感応性色素が、メチルオレンジ、メチルレッド、チモールブルー、ブロモチモールブルー、ブロムクレゾールパープル、フェノールフタレイン、又はクマリン6[3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチル)クマリン]である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 樹脂が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はエポキシ基を有する熱硬化性樹脂である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 更に架橋剤を含む請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の支持膜形成組成物。
- 基板上に請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成する第1工程、上記支持膜上に被測定膜形成組成物を塗布し被測定膜を形成し被覆支持膜を得る第2工程、被覆支持膜の光吸収スペクトルを測定する第2’工程、極端紫外線で被覆支持膜を露光する第3工程、及び第2’工程と第3工程の被覆支持膜の光吸収スペクトル変化を計測する第4工程を含む被測定膜の極端紫外光の吸収係数の測定方法。
- 基板上に請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成する第1工程、上記支持膜上に被測定膜形成組成物を塗布し被測定膜を形成し被覆支持膜を得る第2工程、極端紫外線で第2工程で得られた被覆支持膜を露光する第3工程、別途、基板上に請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の極端紫外光の吸収係数測定用支持膜形成組成物を塗布し吸収係数測定用支持膜を形成し極端紫外線で露光する第3’工程、及び第3工程と第3’工程の被覆支持膜と支持膜の光吸収スペクトル変化を計測する第4’工程を含む被測定膜の極端紫外光の吸収係数の測定方法。
- 被測定膜が半導体装置製造のリソグラフィー工程に用いられるレジスト膜、レジスト下層膜、又はレジスト上層膜である請求項12又は請求項13に記載の測定方法。
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