JP2010151106A - エンジンの冷却水回路 - Google Patents

エンジンの冷却水回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2010151106A
JP2010151106A JP2008333057A JP2008333057A JP2010151106A JP 2010151106 A JP2010151106 A JP 2010151106A JP 2008333057 A JP2008333057 A JP 2008333057A JP 2008333057 A JP2008333057 A JP 2008333057A JP 2010151106 A JP2010151106 A JP 2010151106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
circuit
turbocharger
water
cooling water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008333057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5276975B2 (ja
Inventor
Takashi Kato
隆志 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP2008333057A priority Critical patent/JP5276975B2/ja
Publication of JP2010151106A publication Critical patent/JP2010151106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5276975B2 publication Critical patent/JP5276975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ターボ過給機で生じた水蒸気の滞留を防止できるとともに、構造を簡素化でき、かつエンジンの冷却および暖機を良好にできるエンジンの冷却水回路を提供すること。
【解決手段】エンジン1の冷却水回路10を、ウォータポンプ6から圧送された冷却水をエンジン1の内部、サーモスタットバルブ9、およびラジエータ30の順で循環させる主回路11と、この主回路11中のウォータポンプ6およびサーモスタットバルブ9との間の位置から分岐したターボ過給機3冷却用の分岐回路12とで構成し、この分岐回路12を、主回路11およびターボ過給機3を連通させるターボ流入流路22と、当該ターボ過給機3およびラジエータ30のアッパータンク31を連通させるアッパータンク戻し流路23とで構成し、ターボ流入流路22には絞り230を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却水回路に関する。
従来、水冷式のターボ過給機を搭載したエンジンにおいて、エンジンの冷却水により該ターボ過給機を冷却することが知られている(特許文献1)。
冷却水回路中の冷却水は、ウォータポンプにて加圧されてシリンダブロック内のウォータジャケットに流入し、各シリンダのライナ周りを冷却した後にシリンダヘッドに流入する。シリンダヘッド内でインジェクタ周りを冷却した冷却水は、サーモスタットバルブを介してラジエータのアッパータンクに流入し、冷却空気との熱交換により冷却される。冷却された冷却水は、ロアータンクから流出してウォータポンプに戻る。
また、シリンダヘッドから流出した冷却水は、その一部が分岐してターボ過給機のウォータジャケットに流入し、ターボ過給機を冷却した後にウォータポンプの吸込側に戻る。
ところで、エンジンが停止した場合には、ウォータポンプも停止するために冷却水の流れも止まる。この際、高負荷運転後であれば、ターボ過給機は高温になっており、ターボ過給機のウォータジャケット内では、滞留した冷却水が熱によって水蒸気となる。発生した水蒸気(含む気泡)は、ターボ過給機内に残留したままにしておくと、ターボ過給機での放熱を阻害するため、ターボ過給機での潤滑オイルを劣化させ、場合によってはシャフトを回転支持するベアリングが焼き付いてしまう。
そこで、上記特許文献1では、そのような水蒸気を速やかにラジエータのアッパータンクに逃がすバイパス流路が設けられている。このバイパス流路は、冷却水回路でのターボ過給機の流入側とラジエータのアッパータンクの流入側とを、サーモスタットバルブを介さずに連通させる流路であり、途中に絞りを有するとともに、ターボ過給機からアッパータンクに向かって登り勾配となるように設置されている。
従って、ターボ過給機で生じた水蒸気は、バイパス流路を上方側に移動してアッパータンクに導かれるため、ターボ過給機内で残留するのを阻止できる。
さらに、バイパス流路に絞りが設けられていることで、冷却回路中を冷却水が流れる時には、バイパス流路側への流れを実質的に制限するようになっている。このことにより、暖機運転時にターボ過給機側へ流入した冷却水は、サーモスタットをバイパスしてラジエータに流入することがなく、暖機運転を良好に行える。
実開昭60−116034号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷却水回路では、バイパス流路を専用に設ける必要があるうえ、バイパス流路に勾配を付与する必要があるなど、構造が煩雑になるという問題がある。
また、ターボ過給機を冷却した冷却水は常時、ラジエータで熱交換されることなくウォータポンプの吸込側に戻るため、ラジエータで十分に冷却されない冷却水がエンジンに流入することになり、冷却効率が悪いという問題がある。
本発明の目的は、ターボ過給機で生じた水蒸気の滞留を防止できるとともに、構造を簡素化でき、かつエンジンの冷却および暖機運転を良好にできるエンジンの冷却水回路を提供することにある。
本発明のエンジンの冷却水回路は、ウォータポンプから圧送された冷却水を前記エンジンの内部、サーモスタットバルブ、およびラジエータの順で循環させる主回路と、この主回路中の前記ウォータポンプおよび前記サーモスタットバルブとの間の位置から分岐したターボ過給機冷却用の分岐回路とを備え、この分岐回路は、前記主回路および前記ターボ過給機を連通させるターボ流入流路と、当該ターボ過給機および前記ラジエータのアッパータンクを連通させるアッパータンク戻し流路とを備え、前記ターボ流入流路には絞りが設けられていることを特徴とする。
本発明のエンジンの冷却水回路において、前記エンジン内部での前記主回路の冷却水は、シリンダブロックのシリンダライナ周りを通ってシリンダヘッドに流入した後、前記シリンダブロックの水マニホールドを通過して前記サーモスタットバルブに至るようになっており、前記ターボ流入流路は、前記水マニホールドよりも上流側で前記主回路から分岐していることを特徴とする
本発明のエンジンの冷却水回路において、前記絞りは、前記ターボ流入流路の流路部材を前記主回路側に接続するための継手部材に設けられていることを特徴とする。
本発明のエンジンの冷却水回路において、配置位置の低い方から前記ウォータポンプ、前記サーモスタットバルブ、前記ターボ過給機、前記アッパータンクの順で配置されていることを特徴とする。
本発明のエンジンの冷却水回路において、前記エンジンには、排気ガス浄化装置に燃料を供給するドージング燃料噴射装置が搭載されているとともに、前記主回路中の前記ウォータポンプおよび前記サーモスタットバルブとの間の位置から分岐した噴射装置冷却用の別の分岐回路を備え、この別の分岐回路は、前記主回路および前記噴射装置を連通させる噴射装置流入流路と、当該噴射装置および前記ラジエータのアッパータンクを連通させる連通流路とを備え、前記噴射装置流入流路には別の絞りが設けられていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、絞りをターボ過給機の冷却水入口側であるターボ流入流路に設けるので、運転停止直後にターボ過給機にて生じる水蒸気は、絞りに影響されることなくアッパータンク戻し流路を通してアッパータンクへと導かれるようになり、水蒸気によるターボ過給機での過度の温度上昇が抑制され、ベアリング等が焼き付くといった不具合を防止できる。
また、絞りは、水蒸気通過専用の従来のバイパス流路に設ける訳ではないので、そのようなバイパス流路を不要にでき、構造を簡素化できる。
さらに、エンジンの暖機運転中において、主回路中の冷却水は、前記の絞りによってターボ過給機側に殆ど流れることがなく、ターボ過給機を介してラジエータ側に流れる心配がない。従って、ラジエータにて冷却された冷却水が暖機運転中にエンジンに流入することがなく、エンジンが冷えすぎるのを防止でき、暖機運転を良好にできる。
しかも、ターボ過給機の冷却に用いられた冷却水は、アッパータンク戻し流路を通してラジエータに流入し、ラジエータによって冷却された後にポンプに戻るため、ラジエータを介さずにポンプに戻していた従来と比較し、冷却水の温度を低下させることができ、エンジンの冷却効率を向上させることができる。
本発明において、ターボ流入流路を水マニホールドよりも上流側で主回路から分岐させることにより、ウォータポンプから圧送された冷却水を水圧の高い状態でターボ過給機側に分流させることができ、ターボ過給機を効率的に冷却できる。
本発明において、絞りを継手部材の一部として一体に設けることにより、絞り専用の部品を省略でき、部品点数の低減を促進できる。
本発明において、アッパータンクを各構成部材の中で最も高い位置に配置することで、気泡が生じた場合でも、その気泡を確実にアッパータンクに導くことができ、アッパータンク内の空気溜まり等に合流させることができる。このため、気泡が途中の構成部材に滞留して冷却水の流れを阻害する心配がない。
本発明において、エンジンにドージング燃料噴射装置が搭載されている場合では、この噴射装置の冷却水入口側の噴射装置流入流路にも絞りを設けることで、噴射装置を構成する部品を熱から良好に保護でき、噴射装置の信頼性を向上させることができる。その他、エンジンの暖機性能や冷却効率に関しても、ターボ過給機の場合と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る冷却水回路10を示す回路図である。冷却水回路10は、エンジン1を冷却水にて冷却するとともに、該冷却水を用いてエンジン1に搭載されたオイルクーラ2、排気ターボ過給機3、EGRクーラ4、および図示しない排気ガス浄化装置用のドージング燃料噴射装置5を冷却するものである。
なお、本発明は、排気ターボ過給機3を冷却する冷却水回路であればよく、オイルクーラ2、EGRクーラ4、およびドージング燃料噴射装置5は必要に応じて設けられればよい。さらに、ドージング燃料噴射装置5などは、エンジン1に搭載されたものに限らず、エンジン1が搭載されるフレームや、エンジン1の排気管等に取り付けられていてもよい。
また、本実施形態において、エンジン1の下部側には、冷却水を圧送するウォータポンプ6が設けられており、このウォータポンプ6がシリンダブロック7内の図示略のクランクシャフト等により駆動されるようになっている。オイルクーラ2は、シリンダブロック7の側面に取り付けられ、ウォータポンプ6よりも高い位置に配置されている。EGRクーラ4は、オイルクーラ2と略同程度の高さ位置で、シリンダブロック7から側方にわずかに離間して配置されている。排気タービン過給機3およびドージング燃料噴射装置5は、シリンダヘッド8の上部に位置している。
具体的に冷却水回路10は、ウォータポンプ6から圧送される冷却水を、図中の太線矢印で示すように循環させる主回路11を備えるとともに、主回路11から分岐してそれぞれターボ過給機3を冷却する第1分岐回路(分岐回路)12、EGRクーラ4を冷却する第2分岐回路13、および噴射装置5を冷却する第3分岐回路(別の分岐回路)14を備えている。
主回路11は、ウォータポンプ6およびオイルクーラ2を連通させる第1外部流路15と、シリンダブロック7内のシリンダライナ周りを冷却する内部流路、すなわち図示略のウォータジャケットで形成された第1内部流路16と、シリンダヘッド8内に形成された第2内部流路17と、シリンダブロック7内に設けられてシリンダヘッド8からの冷却水が集まる図示略の水マニホールドと外部のサーモスタットバルブ9と連通させる第3内部流路18と、サーモスタットバルブ9およびラジエータ30のアッパータンク31を連通させる第2外部流路19と、ラジエータ30のロアータンク32およびウォータポンプ6を連通させる第3外部流路20とを備えて構成されている。
ここで、シリンダブロック7内のウォータジャケットとシリンダヘッド8内との連通、シリンダヘッド8内と水マニホールドとの連通は、シリンダブロック7およびシリンダヘッド8相互に設けられたきり穴により行われている。これらのきり穴により、第1内部流路16、第2内部流路17、および第3内部流路18がエンジン1内で連通することになる。また、第2内部流路17と第2外部流路19とは、気泡除去用の排出流路21によって連通している。サーモスタットバルブ9の取付位置は、ウォータポンプ6の取付位置と、第2外部流路19への排出流路21の接続位置との間が好ましく、より好ましくは第3内部流路18の出口位置である。
ターボ過給機3冷却用の第1分岐回路12は、シリンダブロック7内のウォータジャケットとターボ過給機3のハウジング内に設けられたウォータジャケットとを連通させるターボ流入流路22と、ターボ過給機3のウォータジャケットとラジエータ30のアッパータンク31とを連通させるアッパータンク戻し流路23とを備えている。
なお、本実施形態でのターボ過給機3としては、排気タービン側のノズル開度を調整できるようにした可変ターボ過給機が採用されている。
EGRクーラ4冷却用の第2分岐回路13は、第1外部流路15から分岐してEGRクーラ4の水流入口に接続されたクーラ流入流路24と、EGRクーラ4の水流出口に接続されてウォータポンプ6の吸込側(上流側)で第3外部流路20に合流したポンプ戻し流路25とを備えている。
噴射装置5冷却用の第3分岐回路14は、シリンダブロック7に接続されて内部のウォータジャケットと噴射装置5のハウジング内に設けられたウォータジャケットとを連通させる噴射装置流入流路26と、噴射装置5のウォータジャケットとアッパータンク戻し流路23とを連通させる連通流路27とを備えている。
なお、噴射装置5からのドージング燃料は、排気ガス浄化装置が排気ガス中のパーティキュレート・マターを捕捉するスーツフィルタと、その上流に配置された酸化触媒とを備えて構成されている場合に、排気ガス中に噴射された状態で当該酸化触媒に供給され、これによって酸化、加熱されて排気ガス温度をスーツフィルタの再生温度まで上昇させる。
一方、スーツフィルタで捕捉されたパーティキュレート・マターは、再生温度まで高温となった排気ガスの熱により燃焼除去され、無害化されて排気ガスと共に外部に排出される。このことによりスーツフィルタが再生され、パーティキュレート・マターによるスーツフィルタの目詰まりを防止できる。
以上に加えて、サーモスタットバルブ9とウォータポンプ6とは暖機用流路28にて連通している(図中の点線矢印)。冷却水が所定温度に達していない低い状態では、サーモスタットバルブ9によって冷却水がラジエータ30を介さずにウォータポンプ6に戻り、エンジン1の暖機運転を良好に行えるようになっている。なお、サーモスタットバルブ9は、その全体がハウジング9Aにて覆われた構成になっている。
また、図1において、エンジン1でのサーモスタットバルブ9に対するターボ過給機3および噴射装置5の高さ位置関係は、略図示されている通りであり、ターボ過給機3および噴射装置5の方がサーモスタットバルブ9よりも高位置に配置されている。さらに、気泡除去用の排出流路21や、この排出流路21の合流先である第2外部流路19、ターボ過給機3からのアッパータンク戻し流路23、連通流路27は、内部を流れる気泡が途中で滞留せずに、確実にアッパータンク31に到達する形状とされている。このため、例えば排出流路21は、好ましくはシリンダヘッド8の上面よりも高位置に配置されるのがよく、アッパータンク31は、図1に示す部材の中では最も高い位置に配置されている。
以下には、ターボ過給機3を冷却するための第1分岐回路12において、特にターボ流入流路22について詳説する。ターボ流入流路22は、図2に示すように、樹脂製耐熱ホースあるいは金属製管体等からなる流路部材221と、流路部材221の基端側をシリンダブロック7に接続するための継手部材222と、流路部材221の先端側をターボ過給機3のハウジングに接続するための図示しない継手部材とを含んで構成されている。
図2において、継手部材222は、シリンダブロック7の水流出口71に螺合される継手本体223と、継手本体223に回転自在に貫挿された回転部材224とで構成され、スイベルジョイントとして機能する。
すなわち、継手本体223には、軸線方向に沿った水流入孔225と、径方向に貫通しかつ水流入孔225に連通した複数の連通孔226とが設けられている。回転部材224には、回転時軸に沿った貫挿孔227と、回転軸に対して直交した水流出孔228とが設けられ、貫挿孔227に継手本体223が貫挿され、貫挿された状態で連通孔226と水流出孔228とが連通している。
また、継手本体223の外周には、複数のシール溝229が設けられているとともに、これらのシール溝229には、図示しないシールリングが配置され、これらのシールリングによって継手本体223および回転部材224の間がシールされるようになっている。
従って、シリンダブロック7内のウォータジャケットからの冷却水は、水流出口71から継手本体223の水流入孔225に入り込み、連通孔226を通して回転部材224の水流出孔228に導かれ、水流出孔228の開口端側に取り付けられる流路部材221に流出する。
ところで、継手本体223の水流入孔225は、水流出口71から離れた奥側の内径が大きく、水流出口71に近い開口端側の内径が小さい。つまり、水流入孔225の開口端側には、奥側に比較して小径とされた絞り230が設けられている。この絞り230は、主回路11(具体的にはウォータジャケット)から必要流量以上の冷却水がターボ過給機3側に分岐して流れるのを抑制する機能を有している。
このことにより、冷却水がサーモスタットバルブ9から暖機用流路28を通して流れているような暖機運転中でも、第1分岐回路12を通してラジエータ30側に流れ過ぎることがないため、冷却水の温度が必要以上に低下するのを防止でき、暖機運転を良好に行える。
このような絞りは、例えばターボ過給機3のハウジングとアッパータンク戻し流路23(図1)の流路部材とを継ぐための継手部材に設けることも可能であるが、これでは絞りがターボ過給機3の上流側に位置することになるため、運転停止時において、ヒートソークバックにより生じた水蒸気が絞りを通過できず、アッパータンク31まで導かれない。この結果、ベアリング等の温度が温度限界を超えてしまい、焼き付く可能性が生じる。
これに対して本実施形態では、ターボ過給機3の入口側(下流側)のターボ流入流路22中に絞り230が設けられているので、ターボ過給機3で生じた水蒸気を絞り230に影響されることなく、アッパータンク戻し流路23を通してアッパータンク31に確実に逃がすことができ、ターボ過給機3が過剰に高温になるのを防いでベアリング等が焼き付くのを防止できる。
図3には、絞り230をターボ流入流路22側に設けた場合(本実施形態)の時間経過に伴うベアリングの測温A、絞り230をアッパータンク戻し流路23側に設けた場合の測温Bが示されている。温度測定は、エンジン1を高負荷運転中の状態から急ストップさせた後、所定時間経過するまでの間で行われた。測温Bの方は、温度限界を超える結果となり、ベアリングの焼付が懸念される。一方、測温Aの方は、温度限界を超えることはなく、本実施形態での有効性が認められる。
なお、絞り230を設けない場合には、測温Aよりもさらに下回る結果が得られるが、ターボ過給機3側に流れる冷却水の流量が増し、ラジエータ30側に流れ込む流量が多くなるので、暖機性能が低下する。
また、特に可変ターボ過給機を採用した本実施形態では、ノズル開度調整用の機構が設けられているが、ターボ過給機3の温度が十分に温度限界を下回るように維持されるため、そのような機構を構成する緻密な部材に対する熱影響も抑制でき、ターボ過給機3の信頼性を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、ターボ過給機3で生じる水蒸気に対しては、水蒸気通過用の専用のバイパス流路を設けたり、そのバイパス流路中に絞り230を設けたりする訳ではなく、ターボ過給機3冷却用に必然とされた第1分岐回路12中に設けるので、配管構造を簡素化できる。特に、絞り230を継手部材222に形成することで、部品点数の低減や、省スペース化を実現している。
さらに、詳細な説明を省略するが、噴射装置5を冷却するための第3分岐回路14において、噴射装置流入流路26中に設けられた絞り(別の絞り)231も、絞り230と同じように設けられている。噴射装置5についても、冷却水回路10にあっては熱源と考えられ、ターボ過給機3と同様に水蒸気を生じる可能性がある。従って、噴射装置流入流路26中に絞り231を設けることで、ターボ流入流路22に絞り230を設けた場合と同様な効果を得ることができる。
以上に説明した冷却水回路10において、エンジン1の始動開始直後の暖機運転時には、主回路11中の冷却水はサーモスタットバルブ9から暖機用流路28を通してウォータポンプ6の吸込側に戻り、暖機運転中に冷却水の温度が低下し過ぎるのを防止する。この際、第1分岐回路12および第3分岐回路14では、絞り230,231が設けられているので、前述したように、ラジエータ30側に流れる冷却水の流量が抑制され、暖機運転が阻害されずにすむ。
一方、冷却水の温度が所定温度以上の場合には、サーモスタットバルブ9が切り換わり、主回路11中の冷却水はサーモスタットバルブ9から第2外部流路19を通ってラジエータ30に流入し、冷却されてウォータポンプ6に戻る。従って、熱交換後の冷却水にてエンジン1や、オイルクーラ2、排気ターボ過給機3、EGRクーラ4、噴射装置5が効率的に冷却されることになる。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態は、ターボ過給機3を熱源とした場合を例にして説明したが、熱源としては、ドージング燃料噴射装置5であってもよく、場合によってはEGRクーラ4であってもよい。また、噴射装置5を冷却するための第3分岐回路14においては、連通流路27がアッパータンク戻し流路23に合流しており、このアッパータンク戻し流路23を介してアッパータンク31と連通していたが、連通流路27をアッパータンク31に直接合流させてもよい。
前記実施形態は、ターボ過給機3として可変ターボ過給機を採用した例であったが、ターボ過給機としてはノズル開度が可変でない場合でも、本発明を適用できることは勿論である。ただし、可変ターボ過給機に本発明を適用することで、メインシャフト用のベアリングの他、ノズル開度調整機構の構成部品をも熱から確実に保護でき、より有効である。
前記実施形態では、本発明の絞りとして、継手部材222に一体に設けた例について説明したが、ターボ流入流路22の流路部材221において、流路部材221の内径よりも小径部分を有する絞りをその途中に一体成形あるいは別部材で設けた場合や、アッパータンク戻し流路23を形成する流路部材の内径よりも、より小さい内径を有した流路部材221を採用することで、流路部材221自身全体を絞りとして機能させてもよく、その実施にあたって任意の部材や形状を適用できる。
ただし、絞りを前記実施形態のように継手部材222に設けることにより、ターボ流入流路22での流路部材221、およびアッパータンク戻し流路23での流路部材において、それらの配管径を同じにできて配管の種類が増えるのを防止できるうえ、配管の誤組みも防止できるという効果があるので、好ましい。また、絞りを継手部材222に設けることで、内径をより小さくした流路部材221自身によって絞りを形成した場合に比し、エンジン1の上部に配置されたターボ過給機3の振動の影響を受け難くでき、振動による破損等を防止できて耐久性を向上させることができる。
前記実施形態では、各流路15〜20をシリンダブロック7およびシリンダヘッド8の内部に形成されるものを内部流路、外部の金属管やホース等で形成されるものを外部流路として説明したが、各流路15〜20をそれらの内外いずれに形成するか、あるいはどのような部材を用いて形成するかは任意であり、その実施にあたって適宜決められてよい。
前記実施形態では、第1、第2分岐回路12,14は、ウォータジャケット等で形成される第1内部流路16から分岐していたが、第1外部流路15あるいは第3内部流路18から分岐させてもよい。ただし、よりウォータポンプ6に流路から分岐させた方が大きな水圧で冷却水を効率よく供給できるため、第3内部流路8から分岐させるよりは、第1外部流路15や第1内部流路16から分岐させた方がよい。
本発明は、ターボ過給機付きエンジンを搭載した建設機械、輸送車両、土木車両、発電設備等に利用できる。
本発明の一実施形態に係る冷却水回路を示す回路図。 前記実施形態の要部を示す断面図。 前記実施形態の有効性を示す図。
符号の説明
1…エンジン、3…ターボ過給機、5…ドージング燃料噴射装置、6…ウォータポンプ、7…シリンダブロック、9…サーモスタットバルブ、10…冷却水回路、11…主回路、12…第1分岐回路、14…第3分岐回路、22…ターボ流入流路、23…アッパータンク戻し流路、26…噴射装置流入流路、27…連通流路、30…ラジエータ、31…アッパータンク、222…継手部材、230,231…絞り。

Claims (5)

  1. エンジンの冷却水回路において、
    ウォータポンプから圧送された冷却水を前記エンジンの内部、サーモスタットバルブ、およびラジエータの順で循環させる主回路と、
    この主回路中の前記ウォータポンプおよび前記サーモスタットバルブとの間の位置から分岐したターボ過給機冷却用の分岐回路とを備え、
    この分岐回路は、前記主回路および前記ターボ過給機を連通させるターボ流入流路と、当該ターボ過給機および前記ラジエータのアッパータンクを連通させるアッパータンク戻し流路とを備え、
    前記ターボ流入流路には絞りが設けられている
    ことを特徴とするエンジンの冷却水回路。
  2. 請求項1に記載のエンジンの冷却水回路において、
    前記エンジン内部での前記主回路の冷却水は、シリンダブロックのシリンダライナ周りを通ってシリンダヘッドに流入した後、前記シリンダブロックの水マニホールドを通過して前記サーモスタットバルブに至るようになっており、
    前記ターボ流入流路は、前記水マニホールドよりも上流側で前記主回路から分岐している
    ことを特徴とするエンジンの冷却水回路。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエンジンの冷却水回路において、
    前記絞りは、前記ターボ流入流路の流路部材を前記主回路側に接続するための継手部材に設けられている
    ことを特徴とするエンジンの冷却水回路。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエンジンの冷却水回路において、
    配置位置の低い方から前記ウォータポンプ、前記サーモスタットバルブ、前記ターボ過給機、前記アッパータンクの順で配置されている
    ことを特徴とするエンジンの冷却水回路。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエンジンの冷却水回路において、
    前記エンジンには、排気ガス浄化装置に燃料を供給するドージング燃料噴射装置が搭載されているとともに、
    前記主回路中の前記ウォータポンプおよび前記サーモスタットバルブとの間の位置から分岐した噴射装置冷却用の別の分岐回路を備え、
    この別の分岐回路は、前記主回路および前記噴射装置を連通させる噴射装置流入流路と、当該噴射装置および前記ラジエータのアッパータンクを連通させる連通流路とを備え、
    前記噴射装置流入流路には別の絞りが設けられている
    ことを特徴とするエンジンの冷却水回路。
JP2008333057A 2008-12-26 2008-12-26 エンジンの冷却水回路 Active JP5276975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333057A JP5276975B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 エンジンの冷却水回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333057A JP5276975B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 エンジンの冷却水回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010151106A true JP2010151106A (ja) 2010-07-08
JP5276975B2 JP5276975B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=42570457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008333057A Active JP5276975B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 エンジンの冷却水回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5276975B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111828156A (zh) * 2019-04-16 2020-10-27 标致雪铁龙汽车股份有限公司 一种冷却发动机的系统及方法、车辆
JP2022056954A (ja) * 2020-09-30 2022-04-11 トヨタ自動車株式会社 冷却装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS597231U (ja) * 1982-07-06 1984-01-18 トヨタ自動車株式会社 タ−ボチヤ−ジヤ
JPS60116034U (ja) * 1984-01-17 1985-08-06 トヨタ自動車株式会社 水冷式タ−ボチヤ−ジヤの冷却装置
JPS61178522A (ja) * 1985-02-01 1986-08-11 Nissan Motor Co Ltd 過給機付内燃機関の冷却装置
JPS63235623A (ja) * 1987-03-24 1988-09-30 Honda Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤの冷却構造
JPH0224045U (ja) * 1988-08-03 1990-02-16
JPH02259237A (ja) * 1989-02-17 1990-10-22 Adam Opel Ag 過給機付き内燃機関用液体冷却機構
JPH0421724U (ja) * 1990-06-13 1992-02-24
JPH0536039U (ja) * 1991-10-22 1993-05-18 ダイハツ工業株式会社 エンジン冷却装置
JP2004044483A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Hino Motors Ltd 排気浄化装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS597231U (ja) * 1982-07-06 1984-01-18 トヨタ自動車株式会社 タ−ボチヤ−ジヤ
JPS60116034U (ja) * 1984-01-17 1985-08-06 トヨタ自動車株式会社 水冷式タ−ボチヤ−ジヤの冷却装置
JPS61178522A (ja) * 1985-02-01 1986-08-11 Nissan Motor Co Ltd 過給機付内燃機関の冷却装置
JPS63235623A (ja) * 1987-03-24 1988-09-30 Honda Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤの冷却構造
JPH0224045U (ja) * 1988-08-03 1990-02-16
JPH02259237A (ja) * 1989-02-17 1990-10-22 Adam Opel Ag 過給機付き内燃機関用液体冷却機構
JPH0421724U (ja) * 1990-06-13 1992-02-24
JPH0536039U (ja) * 1991-10-22 1993-05-18 ダイハツ工業株式会社 エンジン冷却装置
JP2004044483A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Hino Motors Ltd 排気浄化装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111828156A (zh) * 2019-04-16 2020-10-27 标致雪铁龙汽车股份有限公司 一种冷却发动机的系统及方法、车辆
JP2022056954A (ja) * 2020-09-30 2022-04-11 トヨタ自動車株式会社 冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5276975B2 (ja) 2013-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2589556C2 (ru) Система двигателя и способ снижения стоимости ее производства
JP2014181654A (ja) エンジンの冷却装置
JP2008274900A (ja) 内燃機関の冷却系装置
CN107559073B (zh) 用于内燃机的排气控制系统
WO2017170162A1 (ja) 冷却装置
JP2008285997A (ja) エンジンの排気ガス処理装置
JP5276975B2 (ja) エンジンの冷却水回路
JP5475517B2 (ja) エンジン
JP6477615B2 (ja) 排気浄化システムの冷却装置
JP2009047001A (ja) シリンダヘッド及びヒータ配管構造
JP2013249922A (ja) 変速機の暖機装置
JP2009052868A (ja) 熱交換器および内燃機関の排気再循環装置
JP2009197664A (ja) エンジンの冷却装置
KR101363970B1 (ko) 엔진오일 히팅 시스템
KR101405667B1 (ko) 엔진 냉각계
JP2009144624A (ja) エンジンの冷却装置及びサーモスタット弁
JP2005351194A (ja) Egr装置
JPS60224939A (ja) タ−ボ過給機付エンジン
KR101189377B1 (ko) 디젤엔진의 통합형 다기능 냉각모듈구조
JP2010133313A (ja) 内燃機関
JPS60222526A (ja) タ−ボ過給機付エンジン
KR101313459B1 (ko) 배기가스 재순환 회로를 연계한 오일 신속 웜 업 시스템
JP2007192175A (ja) 車両の冷却系の構造
JP2006274888A (ja) 軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジン
JP2007321637A (ja) エンジンの冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5276975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150