JP2010151015A - チューブユニット、制御ユニット、マイクロポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロポンプの薄型化を実現する。
【解決手段】マイクロポンプ10は、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブ50と、チューブ50の円弧形状の中心方向から放射状に配設されるフィンガー40〜46と、を有するチューブユニット11と、カム20と、カム20に回転力を与えるローター140と、ローター140に当接する振動体130を含む振動体機構部160と、制御回路部30と、を有する制御ユニット12と、が備えられ、チューブユニット11が、制御ユニット12にカム20の回転面に対して略水平方向に着脱可能である。振動体機構部160は、振動体130を支持する振動体支持部材161と、振動体130をローター140に付勢する振動体付勢部材166と、振動体付勢部材166を揺動する位置調整部としての調整軸215とを有し、調整軸215を回動して振動体130のローター140との位置調整を行う。
【選択図】図1
【解決手段】マイクロポンプ10は、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブ50と、チューブ50の円弧形状の中心方向から放射状に配設されるフィンガー40〜46と、を有するチューブユニット11と、カム20と、カム20に回転力を与えるローター140と、ローター140に当接する振動体130を含む振動体機構部160と、制御回路部30と、を有する制御ユニット12と、が備えられ、チューブユニット11が、制御ユニット12にカム20の回転面に対して略水平方向に着脱可能である。振動体機構部160は、振動体130を支持する振動体支持部材161と、振動体130をローター140に付勢する振動体付勢部材166と、振動体付勢部材166を揺動する位置調整部としての調整軸215とを有し、調整軸215を回動して振動体130のローター140との位置調整を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、チューブユニット、制御ユニット、及びこれらから構成され、チューブユニットと制御ユニットとが着脱可能なマイクロポンプに関する。
液体を低速で輸送する装置として蠕動駆動方式のポンプがある。蠕動駆動方式のポンプとしては、ステップモーターを駆動源とし、複数のローラーを備えたローターを回転させ、ローターが複数のローラーを転動させながら柔軟なチューブに沿って回転して液体の吸い込み及び吐出をする構造がある(例えば、特許文献1)。
また、振動体をばねの付勢力によってローターの回転側面に当接し、振動体の振動により円盤状のローターを回転し、複数のボールをチューブに沿って駆動しチューブを圧閉して液体を輸送するポンプが知られている(例えば、特許文献2参照)。
上述した特許文献1によるポンプは、モーターモジュールと、ポンプモジュールとを積重ねて構成しているため、薄型化が困難である。
また、ステップモーターを小型化すると駆動トルクが小さくなるため、減速比が大きい減速機構(減速ギヤ機構)を用いてローターの回転トルクを大きくする必要性がある。従って、多段の減速ギヤ機構を用いることになりサイズが大きくなる他、減速に伴う損失が大きくなるという課題を有する。
また、ステップモーターは電磁ノイズを発生することが知られており、周囲の機器に悪影響を与えることが考えられる他、ステップモーター自身が周囲の機器の電磁ノイズの影響を受けることも考えられる。
また、特許文献2によるポンプは、振動体をローターに付勢する力の変動によってローターの回転速度が変動する。従って、ローター駆動に関る構成部品の寸法ばらつきを排除し、所望の回転速度を得るためには、上述の付勢力を調整できる構造とすることが望ましい。
これらのポンプを生体に装着して薬液等を注入する場合には、直接薬液、血液、体液に接触するチューブは交換して使用することが求められる。しかしながら、特許文献2によるポンプは、構成要素の一つ一つを積重ねる構成のため、医療現場等においてチューブを単独で交換することは困難である。
従って、チューブ交換は、ポンプ全体を交換することになり、ランニングコストが高くなるということが考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るマイクロポンプは、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブと、前記チューブの円弧形状の円弧中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、前記チューブと前記複数のフィンガーとを保持するチューブ案内枠と、を有するチューブユニットと、前記複数のフィンガーを前記チューブの流体流入側から流出側に順次押圧するカムと、前記カムに回転力を与えるローターと、振動体を有し、前記振動体を前記ローターに付勢する位置から前記ローターと離間する位置までの範囲の任意位置に調整可能な位置調整部を有する振動体機構部と、を有する制御ユニットと、前記チューブの流入口部が連通するリザーバーと、前記振動体に駆動信号を入力する制御回路部と、前記制御回路部に電力を供給する電源と、が備えられ、前記チューブユニットが、前記制御ユニットに前記カムの回転平面に対して略水平方向に着脱可能であって、前記振動体に交流電圧を印加することにより前記振動体が振動し、前記ローターに回転力を繰り返し加え、前記カムが前記複数のフィンガーを流体の流入側から流出側へ順次押圧し、前記チューブの圧閉と開放を繰り返して流体を輸送することを特徴とする。
本適用例によるマイクロポンプは、振動体を用いてローター及びカムを回転する構造である。詳しくは実施の形態で説明するが、振動体で駆動されるローターは回転トルクが大きいことから、特許文献1のように減速ギヤ機構を必要とせず、また、モーターモジュールとポンプモジュールとの連結機構も不要となり構造を簡単にすることができる。
また、チューブユニットと、制御ユニットとをカムの回転面に対して略水平方向に装着して構成することにより、特許文献1のポンプのような積重ね構造に比べ薄型化が可能である。
マイクロポンプを生体に装着して薬液等を注入する場合には、直接薬液、血液、体液に接触するチューブは交換して使用することが求められる。しかしながら、特許文献2によるポンプは、構成要素一つ一つを積重ねて組み立てる構成のため、医療現場等においてチューブを単独で交換することは困難である。
本適用例によれば、チューブユニットと制御ユニットとは着脱可能な構成のため、医療現場において、チューブユニットと制御ユニットとを容易に組立てること、または分離が可能である。このことから、薬液等に直接接触するチューブを含み低コストのチューブユニットを使い捨て使用とし、高コストの制御ユニットを繰り返し使用すれば、ランニングコストを低減することができる。
さらに、チューブユニット及び制御ユニットをそれぞれユニット化しており、チューブユニットを制御ユニットに対して水平方向に装着すれば、複数のフィンガーをチューブ押圧状態にすることができる。従って、特許文献1のようにモーターモジュールとポンプモジュールとの間に連結機構を必要とせず、構造を簡素化でき、組立性を向上させることができ医療現場においても、容易に分解及び組立を行うことができる。
また、チューブは、一般に外径(内径を含む)寸法のばらつきが大きいことが知られている。チューブの外径寸法がばらつくと、流体の単位時間当りの流動量もばらつく。
そこで、フィンガーの長さをチューブの外径寸法に合わせてチューブユニットとしてユニット化すれば、チューブの外径寸法のばらつきをフィンガーの長さで吸収し、流体の単位時間当りの流動量を一定にすることができる。
また、振動体機構部が振動体の位置調整部を有し、この位置調整部により振動体のローターへの付勢力を任意に調整できることから、ローター(カムを含む)を所望の回転速度で回転させることができる。
さらに、振動体をローターと離間する位置に調整しておけば、振動体機構部を組立てる際に、お互いが干渉しないので組立性を向上させる他、組立時において干渉による破壊を防止することができるという効果がある。
さらに、振動体は圧電素子に交流電圧を印加することで振動し、ローターを回転させることから電磁ノイズを発生せず、周囲の機器に悪影響を与えることがない。また、周囲の機器が発生する電磁ノイズの影響も受けない。従って、特に医療現場における電磁ノイズのリスクを回避することができる。
[適用例2]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記チューブユニットが、前記制御ユニットに設けられる空間に挿着されていることが好ましい。
このような構成にすれば、制御ユニットの外郭がケースの機能を有するため、チューブユニットと制御ユニットとを収容する専用のケースが不要となり、構造が簡素化でき、一層、薄型化を実現できる。
[適用例3]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターが円盤形状を有し、前記振動体の突起部が、前記ローターの外周側面に当接するよう配設されていることが好ましい。
本適用例は、振動体の突起部をローターの外周面に当接することによりローターを回転させる構造である。詳しくは実施形態で説明するがこのような構成によれば、振動体の振動を高効率で回転に変換でき、直径の大きなローターに当接させることで、同じ振動体を同じ条件で振動させたときにローターの回転トルクを大きくすることができるので安定駆動を継続できる。
[適用例4]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記制御回路部と前記振動体機構部と前記ローターと前記複数のフィンガーと前記チューブとが、互いに平面的に重ならない位置に分散配設されていることが望ましい。
このような構成にすれば、上記主要構成要素を重ならないように分散配設することで、より一層薄型化を実現できる。また、主要構成部品を一方向から組立可能なため、組立性を向上させることができる。
[適用例5]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターがリング形状を有し、前記振動体の突起部が、前記ローターのリング形状内周側面に当接するよう配設されていることが好ましい。
このようにすれば、振動体をローターの外径よりも内側に配設することから、マイクロポンプの小型化を実現できる。
[適用例6]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターが、前記カムの一方の平面に穿設されたリング形状の凹部の内部に形成され、前記振動体の突起部が、前記凹部の内周側面に当接するよう配設されていることが好ましい。
このような構成にすれば、ローターとカムとを一体形成することができる。従って、構造をより簡単にすることができ、また、小型化することができる。
[適用例7]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記チューブユニットを前記制御ユニットに装着する際、前記チューブの円弧形状の中心と前記カムの回転中心とを略一致させる案内部が、前記チューブユニット及び前記制御ユニットの互いに対向する壁面に設けられていることが好ましい。
本適用例のマイクロポンプは、カムの回転により複数のフィンガーを押圧してチューブを圧閉する構成である。従って、チューブの円弧形状の円弧中心とカムの回転中心とを一致させることが必要である。
このことから、チューブユニットを制御ユニットの双方に案内部を設けることにより、チューブユニットを制御ユニットに装着すればチューブの円弧形状の中心とカムの回転中心とを一致させることができ、専用の位置規制部材を設けなくても、複数のフィンガーの全てがチューブ圧閉を確実に行うことができる。
[適用例8]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターと前記カムとの間に、減速機構または増速機構が設けられていることが望ましい。
このように、減速機構または増速機構を設けることにより、ローターの回転速度を一定にしてカムの回転速度を変えることができる。つまり、流体の流動量を適宜調整することができる。
また、減速機構を設ける構造では、カムの回転トルクを大きくすることが可能で、チューブ押圧に伴う負荷が大きくなっても安定して駆動させることができる。
[適用例9]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記振動体機構部が、前記振動体を保持する振動体支持部材と、先端部が前記振動体支持部材に係合する係合部を有する梁状のばね部と前記ばね部の元部に連続する略馬蹄形の調整部とを有する振動体付勢部材と、回転軸部と前記回転軸部の回転中心に対して偏心し前記調整部と嵌着する調整軸部とを有する調整軸と、からなる位置調整部と、を備え、前記振動体付勢部材が、前記調整軸の回動により、前記ばね部と前記調整軸の間に配設される案内軸を中心に揺動され、前記振動体付勢部材の揺動に伴い前記振動体の位置を前記ローターの位置に対して調整することが好ましい。
振動体の位置調整とは、振動体をローターに付勢する付勢力の適切な調整と、振動体をローターと離間する位置に調整することを含む。従って、本適用例のような構成にすれば、簡単な構造で振動体の位置調整をすることができる。
また、調整軸は、回転軸部と回転軸部の回転中心に対して偏心した調整軸部とを有する偏心軸構造のため、偏心量の増減で調整量の増減が可能であり、調整軸の回動量で微調整を容易に行うことができる。
[適用例10]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記振動体機構部が、前記振動体を保持する振動体支持部材と、先端部が前記振動体支持部材に係合する係合部を有する梁状のばね部と前記ばね部の元部に連続する略円形状の固定部の外周に沿って形成される複数の突起部を有する振動体付勢部材と、外周部に前記振動体の突起部に係合する突起部を有する調整車からなる位置調整部と、を備え、前記振動体付勢部材が、前記調整車の回動により、前記固定部を軸支する固定軸を中心に揺動され、前記振動体付勢部材の揺動に伴い前記振動体の位置を前記ローターの位置に対して調整することが好ましい。
ここで、振動体付勢部材に設けられる突起部と、調整車に設けられる突起部とは、例えば、互いに噛合する歯車を採用することができる。
このような構成であっても、簡単な構造で振動体の位置調整をすることができる。また、振動体付勢部材の歯車と調整車の歯車の歯数比を変えることで、振動体の位置調整可能量の増減を容易に行うことができる。
[適用例11]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記調整軸または前記調整車の回動軌跡に沿って回動量を表すマーカーが設けられていることが望ましい。
マーカーを設けることで、調整軸または調整車の回動量の目安とすることができる。特に、振動体のローター付勢量は、組み立てられた状態では直接確認できないことから、マーカーにより、調整軸または調整車の回動量を付勢量として判断し、適切な設定とすることができる。
[適用例12]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記振動体機構部が、前記振動体を支持する振動体支持部と前記振動体支持部に連続する梁状のばね部と前記ばね部の先端に設けられる位置決め軸とを備える振動体付勢部材と、前記位置決め軸と係合する複数の凹部を有する切換部材からなる位置調整部と、を備え、前記凹部は、前記振動体を前記ローターから離間する位置と前記ローターを付勢する位置に規制するよう配設されていることが好ましい。
このようにすれば、少なくとも振動体をローターに適切な付勢力で付勢する状態と、離間する状態の2状態に簡単な構造で、しかも容易に切換えることができる。なお、凹部を3個以上設ければ、付勢力の設定を複数段階に切換えることができる。
[適用例13]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記振動体機構部の位置調整部を外部から覗く貫通孔が設けられていることが望ましい。
このように、調整軸または調整車または複数の凹部等の位置調整部を外部から覗く貫通孔を設けることによって、制御ユニットの状態またはマイクロポンプの状態で、振動体のローターに対する位置調整や位置の確認を行うことができる。
なお、マーカーを付加する場合には、マーカーも含めて覗くことが可能な貫通孔とすれば、より的確に振動体のローターに対する位置調整や位置の確認を行うことができる。
[適用例14]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記貫通孔を封止する封止部材が設けられていることが望ましい。
このように、位置調整部を外部から覗く貫通孔を封止部材により封止すれば、マイクロポンプの内部を密閉し、防塵性や防水性を高めることができ、生体内または生体表面に装着する薬液輸送装置として好適である。
なお、防塵性や防水性が必要とされない場合には、封止部材はなくてもよい。
なお、防塵性や防水性が必要とされない場合には、封止部材はなくてもよい。
[適用例15]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターがリング形状を有し、前記振動体が、前記ローターのリング形状内周側面に当接するよう配設され、前記位置調整部が前記ローターと平面的に離間した位置に配設されていることが好ましい。
このようにすれば、振動体をローターの外径よりも内側に配設することから、マイクロポンプの小型化を実現できる。
また、位置調整部をローターと平面的に重ならない位置に配設すれば、ローターと振動体機構部を組み立てた状態で、振動体のローターに対する位置調整を行うことができる。
[適用例16]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記ローターが、前記カムの一方の平面に穿設されたリング形状の凹部の内部に形成され、前記振動体が、前記凹部の内周側面に当接するよう配設され、前記位置調整部が前記ローターと平面的に離間した位置に配設されていることが好ましい。
このような構成にすれば、ローターとカムとを一体形成することができる。従って、構造をより簡単にすることができ、また、小型化することができる。
また、位置調整部をローターと平面的に重ならない位置に配設すれば、ローターと振動体機構部を組み立てた状態で、振動体のローターに対する位置調整を行うことができる。
[適用例17]上記適用例に係るマイクロポンプにおいて、前記電源と前記リザーバーのいずれか一方、または両方が、前記チューブユニットに収容されていることが好ましい。
電源及びリザーバーの両方をチューブユニットに備えることにより、マイクロポンプの駆動に必要な実質機能が全て収容されていることになり小型化できると共に、外郭から突設する要素がないので取り扱いが容易になるので生体内に装着して使用する場合に好適である。
さらに、リザーバーの交換時、またはチューブの交換時に合わせて電池の交換をチューブユニットとしてできることから、信頼性をより一層高めることができる。
電池をマイクロポンプの外部に備える場合には、電池と制御回路部との接続のための長いリードや電池ケースが必要になるが、本適用例によれば、それらは必要なくなるという利点もある。
なお、チューブは、長期間にわたって圧閉と開放を繰り返すと劣化することが考えられる。従って、一定の期間駆動した場合にはチューブを交換することが望ましい。また、電源として小型ボタン電池等を採用する場合には、使用途中で電池容量が不足することも考えられる。そこで、長期間使用してチューブを交換する場合に、チューブユニットとしてチューブと共に電池を交換すれば、使用期間途中で電池容量が不足することを防止することができる。
また、マイクロポンプ使用時にリザーバーの収容薬液が不足することが考えられる。そこで、リザーバーをチューブと着脱可能にすれば、薬液が収容されたリザーバーをチューブに接続すれば、長期間にわたってマイクロポンプを使用することができる。
[適用例18]本適用例に係る制御ユニットは、上記適用例のいずれかに記載のチューブユニットと着脱可能であって、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブの円弧形状の中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、カムと、前記カムに回転力を与えるローターと、振動体を有し、前記振動体を前記ローターに付勢する位置から前記ローターと離間する位置までの範囲の任意位置に調整可能な位置調整部を有する振動体機構部と、を有することを特徴とする。
制御ユニットは振動体、ローター、カム、制御回路部等の駆動に関る要素を含んで構成されている。従って、制御ユニットの状態で駆動確認(駆動に関る検査等)を行うことができる。また、チューブユニットをスライド装着することでマイクロポンプを即使用状態にすることができる。
[適用例19]本適用例に係るチューブユニットは、上記適用例のいずれかに記載の制御ユニットと着脱可能であって、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブと、前記チューブの円弧形状の円弧中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、前記チューブと前記複数のフィンガーとを保持するチューブ案内枠と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、チューブユニットの状態では、チューブは開放された状態が維持されるため、チューブ圧閉状態で保持することに伴う復元力の劣化による吐出精度の低下を防止することができる。
また、チューブユニットには、チューブと複数のフィンガーを有している。チューブの外径(内径)は、寸法のばらつきが発生しやすく、ばらつきによって、流体の単位時間当りの流動量が変化する。そこで、チューブと、チューブの外径に合わせたフィンガーの長さを調整したものをチューブユニットに組み込んでおけば、ばらつきが小さい所望の流量を確保できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るマイクロポンプを示す概観平面図、図2は概観正面図である。図1、図2において、マイクロポンプ10は、チューブユニット11を制御ユニット12の図示左側側面の開口部からスライド挿入すると共に、蓋部材としての固定枠13によりチューブユニット11を制御ユニット12に固定螺子90により固定し、一体に構成されている。
チューブユニット11は、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブ50と、チューブ50を保持するチューブ案内枠としての第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18と、チューブ50の流入口部52が連通すると共に流体を収容するリザーバー14と、チューブ50の円弧形状の円弧中心方向から放射状に配設されるフィンガー40〜46と、から構成されている。なお、以降、流体を薬液等の液体として表し説明する。
制御ユニット12は、カム20と、カム20と同軸に軸止されるローター140と、ローター140に回転力を与える振動体機構部160と、振動体機構部160に駆動信号を入力し駆動制御を行う制御回路部30と、を有して構成されている。
振動体機構部160は、振動体130と、振動体130を保持する振動体支持部材161と、振動体支持部材161に係合し振動体130をローター140に付勢する振動体付勢部材166とから構成されている。
カム20と振動体機構部160と制御回路部30とは、機枠としての第1機枠15と第2機枠16とによって形成される空間100内に支持されている。
また、チューブ50の一端は流出口部53であって、固定枠13を貫通して外部に突設され、リザーバー14から液体を外部に吐出する。
リザーバー14の一部には、リザーバー14の内部に液体を注入、または封止するためのポートとしてのセプタム95が設けられている。セプタム95は、固定枠13から突出しない程度にリザーバー14から突設されている。
続いて、チューブユニット11、制御ユニット12、及び固定枠13の構成と、組立方法について説明する。
図3は、マイクロポンプの分解平面図、図4は分解正面図である。なお、図3,4において、(a)は固定枠13、(b)はチューブユニット11、(c)は制御ユニット12を示している。
図3は、マイクロポンプの分解平面図、図4は分解正面図である。なお、図3,4において、(a)は固定枠13、(b)はチューブユニット11、(c)は制御ユニット12を示している。
図3、図4に示すように、制御ユニット12には、第1機枠15と第2機枠16とによって空間100,110が構成されている。空間100にはカム20(ローター140を含む)と、振動体130を含む振動体機構部160と、制御回路部30が配設されている。また、一方に開口部を有する空間110はチューブユニット11が挿着される空間である。
チューブユニット11は、チューブ50とリザーバー14とが連通されて、第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とで保持されている。また、フィンガー40〜46が、第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とによって構成されるフィンガー案内孔85に装着された状態で制御ユニット12の空間110に、図示左側からスライド挿着される。
なお、フィンガー40〜46の一方の端部は、制御ユニット12側に突設され、チューブユニット11が制御ユニット12に挿着されたときにカム20の外周側面に当接する。そして、チューブユニット11が挿着されたときにチューブ50を圧閉する。
なお、カム20は、回転中心Pを軸として回転する。従って、チューブユニット11は、カム20の回転平面に対して平行に制御ユニット12に挿着される。
また、チューブユニット11の固定枠13側近傍には、外周面に沿ってパッキン97が嵌着されており、チューブユニット11が制御ユニット12に挿着された状態で、空間110が密閉される。
チューブユニット11は、円弧形状(凹形状)の壁面18aが制御ユニット12の円弧形状に突設された壁面16aに当接するまで制御ユニット12(空間110)に押し込まれる。互いに対向する壁面18a,16aは共にカム20の回転中心Pを中心とする同心円で形成されている。
ここで、壁面18aと壁面16aが当接した状態で、チューブユニット11の制御ユニット側方向端部18c,18dは、制御ユニット12の内側側壁16b,16cとの間に隙間ができるよう寸法設定されている(図5も参照する)。
これは、壁面18aと壁面16aを確実に当接させ、チューブ50の円弧形状(少なくともフィンガー40〜46で押圧される範囲)の円弧中心をカム20の回転中心Pと一致させるためである。
チューブユニット11を制御ユニット12に挿着した後、固定枠13をチューブユニット11の尾部方向から装着する。具体的には、固定枠13に開設された貫通孔13d,13eに固定螺子90を挿入して、制御ユニット12の第1機枠15に設けられる螺子孔(図示せず)に螺着固定する。
チューブ50の流出口部53と、リザーバー14に設けられるセプタム95とは、チューブユニット11から突設され、固定枠13を固定したときに、チューブ50をチューブ挿通孔13a、セプタム95をセプタム挿通孔13bに挿通させる。流出口部53は固定枠13の外部に延在される。
また、固定枠13には、板ばね99が装着されている。固定枠13が単体の場合には、この板ばね99は撓められていない初期状態にある。そして、固定枠13を制御ユニット12に固定したときに、板ばね99によって、チューブユニット11を制御ユニット12に押圧する。
続いて、上述したように組み立てられたマイクロポンプ10の各要素の構成、及び作用について図面を参照して説明する。
図5は実施形態1に係るマイクロポンプを示す平面図、図6(a)は図5のA−P−A切断面を示す断面図、図6(b)は(a)のF−F切断面を示す断面図である。なお、図5は、第2機枠16及び第2チューブ案内枠18を透視して図示している。
制御ユニット12は、チューブユニット11が挿着された状態において、チューブユニット11に一部が平面視して円弧形状に配設されるチューブ50の円弧形状の中心と回転中心Pが略一致するカム20を有している。
そして、カム20に回転力を伝達する円盤形状のローター140と、ローター140の外周側面に突起部133aが当接するよう配設される振動体130と、制御回路部30とから構成されている。
カム20とローター140とはカム軸75に軸止されている。従って、カム20とローター140とは回転中心Pを共通の回転軸として一体で回転するよう構成されている。
振動体130は、振動体支持部材161によって保持され、振動体支持部材161は振動体付勢部材166によって振動体130がローター140の外周に当接するまで付勢されている。
なお、図5に示すように、制御回路部30と振動体機構部160とローター140とフィンガー40〜46とチューブ50とは、互いに平面的に重ならない位置に分散配設されている。
カム20は、外周方向に凹凸を有し、最外周部にフィンガー押圧面21a〜21dが形成されている。フィンガー押圧面21a〜21dは、回転中心Pから等距離の同心円上に形成される。
また、フィンガー押圧面21aとフィンガー押圧面21b、フィンガー押圧面21bとフィンガー押圧面21c、フィンガー押圧面21cとフィンガー押圧面21d、及びフィンガー押圧面21dとフィンガー押圧面21a、の周方向ピッチと外形形状は等しく形成されている。また、各フィンガー押圧面間のピッチは等しい。
フィンガー押圧面21a〜21dそれぞれは、フィンガー押圧斜面22と回転中心Pとを中心とする同心円上の円弧部23とが連続して形成されている。この円弧部23は、フィンガー40〜46を押圧しない位置に設けられる。
また、フィンガー押圧面21a,21b,21c,21dそれぞれの一方の端部と円弧部23とは、回転中心Pから延長した直線部24で結ばれている。
なお、図5,6に示す状態において、フィンガー40〜46は、フィンガーの一つ一つに対応して設けられるフィンガー案内孔85に沿って進退可能であり、カム20によってチューブ50方向に押圧され、チューブ50を圧閉して液体流動部51を圧閉する。なお、フィンガー40〜46の断面方向の中心位置は、チューブ50の中心とほぼ一致している。
次に、図6を参照して制御ユニット12の断面構成について説明する。第1機枠15と第2機枠16は、互いに積重ねられて空間100の周縁部を複数の固定螺子91(図5、参照)によって密着固定されている。
第1機枠15と第2機枠16とが固定された状態で、内部に空間100が形成され、この空間100内にカム20、ローター140、振動体機構部160、制御回路部30が配設されている。
カム軸75は第2機枠16に設けられる軸受114と、第1機枠15に設けられる軸受115によって軸支されている。なお、第1機枠15と第2機枠16それぞれの軸受114,115の挿着穴は貫通していない。
ローター140の外周部側面には回転方向に沿って溝141が形成されており、溝141の内部側面が、振動体130の突起部133aとの当接面142である。
振動体130は、ローター140の溝141の断面方向のほぼ中央に配設されると共に、振動体支持部材161に固定螺子211によって補強板133の端部が固定されている。なお、振動体130を含む振動体機構部160の構成及び作用については、図9〜図15を参照して後述する。
第1機枠15の内面(空間100の底面)には回路基板150が設けられており、その表面には接続パターン(図示せず)が形成されている。回路基板150の上面には制御回路部30が接続固定されている。
制御回路部30には電源回路や発振回路等(共に図示せず)が含まれる。接続パターンを介して、電源回路は電源としての電池(図示せず)の電極と接続され、また、発振回路は振動体130の複数の電極と接続されている。
続いて、チューブユニット11の構成について図5,6,7を参照して説明する。
チューブユニット11は、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブ50と、チューブ50を保持するチューブ案内枠としての第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18と、チューブ50の流入口部52が連通し液体を収容するリザーバー14とから構成されている。
チューブユニット11は、一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブ50と、チューブ50を保持するチューブ案内枠としての第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18と、チューブ50の流入口部52が連通し液体を収容するリザーバー14とから構成されている。
チューブ50は、第1チューブ案内枠17に形成されるチューブ案内溝17c内に装着されている。
チューブ50の流入口部52はリザーバー14に連通し、他端は固定枠13のチューブ挿通孔13aを通って延在される流出口部53である。
チューブ50は、ほぼ全体をチューブ案内溝17c内に装着することで平面形状と平面位置が規制されると共に、チューブ案内溝17cの内側側壁の一部にチューブ保持部としての突起部を形成して上方への浮き上がりを規制する。
図7は、上述の突起部の一部を示す部分断面図である。なお、図7では、フィンガー40〜46の互いに隣り合うフィンガーの間の突起部のうちフィンガー45とフィンガー46の間の突起部を例示して説明する(図5も参照する)。
チューブ案内溝17cは、フィンガー45,46が進退するために、フィンガー45とフィンガー46との間にフィンガーの進退を妨げない幅の突起部としてのチューブ案内側壁17fが設けられ、チューブ案内側壁17fの上部にチューブ50の上方一部にせり出すような突起部17eが形成されている。
このように、各フィンガーの間にチューブ案内側壁17fと突起部17eを設けることで、フィンガー40〜46が配設される範囲において、チューブの平面方向の位置規制と浮き上がり抑制を行う。
なお、本実施形態では、図5に示すようにチューブ50の流出口部53に近い位置、及び流入口部52に近い位置にも突起部17eと同様な突起部17hを設け、第2チューブ案内枠18を装着するまでの間、円弧形状部分以外の場所におけるチューブ50の浮き上がりを規制している。
フィンガー40〜46は、カム20の回転中心P方向から放射状に等間隔に貫通するフィンガー案内孔85に装着されている。フィンガー40〜46は同じ形状で形成されているのでフィンガー43を例示して説明する。
フィンガー43は図6(a)に示すように、円柱状の軸部43aと、軸部43aの一方の端部に設けられる鍔形状のチューブ押圧部43cと、他方の端部が半球状に丸められたカム当接部43bと、から構成されている。フィンガー40〜46は、フィンガー案内孔85に沿って軸方向に進退可能である。
フィンガー案内孔85は図6(b)に示すように、第1チューブ案内枠17に略U字形状の溝17aを形成し、図示上方の開口部を第2チューブ案内枠18で封止することにより構成される。
フィンガー43は、軸部43aを溝17aに開口部上方から装着した後、第2チューブ案内枠18を上方より第1チューブ案内枠17に装着することで、断面方向の位置が規制される。
また、図6(a)に示すように、チューブ押圧部43cがチューブ案内溝17cとチューブ50との間に配設されることにより、軸方向の移動位置が規制される。
チューブ50及びリザーバー14とフィンガー40〜46を第1チューブ案内枠17に装着した状態で、第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とを、互いの接合面を密接させ、固定螺子92を用いて固定する(図5、参照)。
上述したように構成されたチューブユニット11は、制御ユニット12に形成される空間110(図4、参照)内にスライド挿着されている。
チューブ50の流出口部53の近傍は、第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とを固定した状態で、パッキン等のシール材を用いてチューブ50との間を密閉される。このようにすることで、チューブユニット11内が密閉構造となる。
また、チューブユニット11の固定枠13近傍の外周には、パッキン97が嵌着されており、チューブユニット11を制御ユニット12に挿着した状態で、内部を密閉空間とし、マイクロポンプ10を防水構造及び防塵構造としている。
なお、マイクロポンプ10が非防水でよい場合には、パッキン97は不要である。
なお、マイクロポンプ10が非防水でよい場合には、パッキン97は不要である。
さらに、図5〜図7に示すように、チューブ案内溝17cのうち、少なくともフィンガー40〜46がチューブ50を押圧する範囲には、チューブ案内溝17cに沿った凹部により形成されたチューブ規制壁17dが形成されている。
この凹部内には、弾性部材60が設けられている。つまり、弾性部材60は、チューブ50とチューブ規制壁17dとの間に設けられる。弾性部材60は、チューブ50がフィンガー40〜46によって圧閉される際にダンパーとなりチューブ50が劣化しないように設けられている。なお、弾性部材60は、チューブ圧閉に必要な弾性力を有している。また、チューブ50との摩擦係数を小さくしておくことがより好ましい。
チューブ50とリザーバー14との連通部には互いの連通部材としてのエアベントフィルター65が備えられている。エアベントフィルター65の内部には、親液性を有し微細な孔が形成されるフィルターが備えられている。このフィルターは、液体は通過し、気泡の通過を遮断する。
フィルターに形成される孔は0.1〜1μmの範囲であって、液体を通過させ、リザーバー14内に発生する0.1μm以上または1μm以上の気泡のチューブ50への浸入を抑制する。
なお、チューブユニット11の外郭を構成する第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18、制御ユニット12の外郭の構成する第1機枠15、第2機枠16の一部または全部を透明にしている。
このようにすれば、内部の構成部品または各構成部品の係合関係、駆動状態を視認することができ、各構成部品が正常な状態であるか、どこに不具合があるか等を視認し、検出することができる。さらに、リザーバー14を透明にすれば、リザーバー14内の液量を視認することができる。従って、透明にする範囲は、視認したい部分の範囲のみとしてもよい。
なお、図5,6に示すように、第1チューブ案内枠17の元部(固定枠13側)の外側表面には突起部17b、先端部の外側表面には突起部17nが形成されている。さらに、第2チューブ案内枠18の元部及び先端部の外側表面にも突起部18b,18eが形成されている。
第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とを接合した状態で、突起部17b,18bが連続したリング状の突起部となり、突起部17n,18eとが連続したリング状の突起部となる。
チューブユニット11は、制御ユニット12にスライド挿着されるが、この際、突起部17b,17n,18b,18eを設けることで、制御ユニット12とチューブユニット11の位置精度を高めると共に、挿着時または抜き取り時の抵抗を減じている。
なお、本実施形態では、チューブユニット11を制御ユニット12に付勢する弾性部材を設けている。図5,6を参照して説明する。
チューブユニット11と固定枠13の間には、弾性部材としての板ばね99が備えられている。板ばね99は、固定枠13のチューブユニット11側に設けられた凹形状の板ばね固定部13fに固定される。
板ばね99の力点は中心線A−P上にあって、チューブユニット11をカム20の回転中心Pに向かって付勢している。そのことによって、チューブユニット11の壁面18aと制御ユニット12の壁面16aとが、中心線A−P上で密接される。
板ばね99の固定は、固定枠13の板ばね固定部13fに突設された案内軸13gを熱溶着等の固定手段で行われる。なお、板ばね99の弾性を損なわなければ、固定枠13を固定した状態で脱落しなければよいので必ずしも固定しなくてもよい。
チューブユニット11を制御ユニット12に固定枠13により固定する場合、チューブユニット11、制御ユニット12、固定枠13の構成部品の寸法ばらつきにより、チューブユニット11と制御ユニット12との間に水平方向(平面方向)の隙間が発生し、チューブ50をフィンガー40〜46により圧閉できなくなることが考えられる。
そこで、板ばね99によりチューブユニット11を制御ユニット12の方向に付勢することにより、互いの壁面18a,16aを当接させて、チューブ50の円弧形状の中心とカム20の回転中心Pとを略一致させ、フィンガー40〜46がチューブ50を確実に圧閉させることができる。
なお、板ばね99の弾性力は、フィンガー40〜46のチューブ押圧力よりも大きくなるよう設定される。
このようにすれば、フィンガー40〜46がチューブ50を圧閉する際に、チューブユニット11(つまり、チューブ50)がフィンガー40〜46から遠ざかる方向に移動しないので、確実にチューブを圧閉することができる。
なお、本実施形態では、弾性部材として板ばね99を例示したが、板ばねに限らず、コイルバネ、厚さ方向に弾性を有する平板でもよく、また、これらを複数用いる構造としてもよい。
また、本実施形態では、チューブユニット11が制御ユニット12に対して正確な位置に挿着されているかを検出する接続端子と検出端子とからなる検出部をチューブユニット11と制御ユニット12との間に備えている。
図8は、マイクロポンプの検出部を示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のM−M切断面を示す断面図である。図8(a),(b)において、チューブユニット11の円弧状に形成される壁面18aの両側の半島状端部17k、17mに、第1接続端子66と第2接続端子67とが植立されている。
第1接続端子66と第2接続端子67とは、一方の端部が接続リード94によって電気的に接続されている。また、他方の端部は制御ユニット12の内部まで入り込むようにチューブユニット11の半島状端部17k,17mから突設されている。
制御ユニット12(第1機枠15)には、略U字バネ形状の第1検出端子68、第2検出端子69とが備えられている。第1検出端子68、第2検出端子69とは同じ形状のため、第2検出端子69を例示して説明する。
第2検出端子69は、第1機枠15に設けられる凹部15e内に撓められて装着される。ここで第2検出端子69の腕部69a,69bは、凹部15e内の対向する側壁を押圧する。
従って、腕部69aは、凹部内の側壁15gによって位置規制される。側壁15gの位置は、カム20の回転中心Pの位置に対して正確に位置規制されている。また、第1接続端子66と第2接続端子67の先端部位置も、カム20の回転中心P位置に対して正確に位置規制されている。
チューブユニット11の円弧状の壁面18aと制御ユニット12の円弧状の壁面16aとが当接するまでチューブユニット11を制御ユニット12に挿入したとき、第2接続端子67が第2検出端子69に電気的に接続される。同時に第1接続端子66も第1検出端子68に電気的に接続される。
第2検出端子69にはリード64が接続され、リード64は制御回路部30の検出端子A(図示せず)に接続されている。一方、第1検出端子68にはリード63が接続され、リード63は制御回路部30の検出端子B(図示せず)に接続されている。
ここで、第2接続端子67と第2検出端子69、及び第1接続端子66と第1検出端子68の両方が、電気的に接続されたことを検出端子Aと検出端子Bで検出したとき、チューブユニット11の円弧状の壁面18aと制御ユニット12の円弧状の壁面16aとが当接したと判定する。
このような状態のとき、チューブ50の円弧形状の中心とカム20の回転中心Pとが一致していると判定し、制御回路部30により振動体130(図5、参照)を駆動可能な状態にする。
また、第2接続端子67と第2検出端子69、及び第1接続端子66と第1検出端子68の両方が、電気的に接続されていない場合には、駆動できない状態と判定し、チューブユニット11の制御ユニット12への挿着をやり直す。
なお、本実施形態では検出部として接点方式を例示したが、光検出や磁気検出構造を採用することができる。
このような構成にすれば、チューブ50の円弧形状の中心とカム20の回転中心Pとを一致したことを検出した場合に振動体130を駆動することにより、設定通りのチューブ50の圧閉と開放ができるため、液体を所望の単位時間当り流動量で輸送することができる。
続いて、振動体機構部160の構造と作用について図面を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る振動体機構部の構成を示す平面図、図10は図9のB−B切断面を示す断面図、図11は図9のD−D切断面を示す断面図、図12は図11のE−E切断面を示す部分断面図である。図9,10において、振動体130は、補強板の両端の腕部133bを固定螺子211によって螺合され振動体支持部材161に固定されている。
図9は、本実施形態に係る振動体機構部の構成を示す平面図、図10は図9のB−B切断面を示す断面図、図11は図9のD−D切断面を示す断面図、図12は図11のE−E切断面を示す部分断面図である。図9,10において、振動体130は、補強板の両端の腕部133bを固定螺子211によって螺合され振動体支持部材161に固定されている。
固定螺子211と補強板133の間には座金212が設けられている。補強板133は0.1mm程度の薄板のため、固定螺子211を締結する際に補強板133を変形させないために設けられている。
振動体支持部材161は、振動体130を固定支持した状態で固定軸138に固定されている。固定軸138は第1機枠15に植立され、且つ案内軸部138aが形成されている。振動体支持部材161は、穿設された孔を案内軸部138aに挿通し、案内軸部138aを回動軸として回動可能に固定螺子213によって固定されている。
振動体支持部材161は、固定螺子213の鍔部と、第2機枠16によって浮き上がりが抑制されている。また、振動体支持部材161には、直線部を有する長孔形状の振動体付勢部材挿入孔162が穿設されている。
次に、振動体付勢部材について説明する。図9,11において、振動体付勢部材166は、先端部が振動体支持部材161に係合する係合部169を有する梁状のばね部167と、ばね部167の元部に連続する略馬蹄形の調整部168とを有している。
また、第1機枠15には、調整軸215が植立されている。調整軸215には、第1機枠15に回動可能に植立される回転軸部215dと、回転軸部215dの回転中心P3に対して回転中心P4が偏心量hだけ偏心している調整軸部215cと、鍔部215aと、が形成されている。そして、鍔部215aの上部にはドライバー等が挿入可能な調整溝215bが形成されている。
振動体付勢部材166は、振動体支持部材161の振動体付勢部材挿入孔162に係合部169を挿入し、ばね部167と調整軸215の間に配設される案内軸214に回動可能に嵌着される。この際、振動体付勢部材166の調整部168と調整軸215の調整軸部215cが係合されている。
調整部168と調整軸部215cは、調整軸215が回転可能な範囲で隙間を少なく設定されている。また、回転軸部215dは、第1機枠15に対して回動可能な回転トルクとなるような寸法設定とする。
なお、第2機枠16の位置調整部としての調整軸215の上部には、貫通孔250が開設されている(図11参照)。貫通孔250は、調整軸215とマーカー216a〜216gを覗くことが可能な大きさとし、外部から調整軸215を回動可能にしている。
また、この貫通孔250を封止する封止部材251を設けることがより好ましい。封止部材251は、貫通孔250に対して着脱可能な構造とする。
また、図12に示すように、ばね部167の先端部に設けられる係合部169の形状は、振動体付勢部材挿入孔162の幅方向に略円形である。そして、係合部169と振動体付勢部材挿入孔162の幅は、挿入可能な範囲で最小隙間となるように設定される。
なお、図9に示すように、第1機枠15には、調整軸215の回転軌跡に沿ったマーカー216a〜216gが設けられている。マーカー216a〜216gは、調整軸215または調整部168先端の回動軌跡に沿って設けられる。
次に、振動体130のローター140に対する位置調整方法について図9を参照して説明する。なお、図示した状態は、調整軸215の調整溝215bがマーカー216dを指示する位置にあって、振動体130は、突起部133aがローター140に接する位置にある場合を示している。
調整軸215を1回転分回動すると、調整軸部215cは図9に示すような回転軌跡Kを描く。ここで、調整軸215を時計回りに調整溝215bがマーカー216aを指示する位置まで回動すると、振動体付勢部材166は案内軸214を回転中心(回転中心P2)に時計回りに揺動し、ばね先端部の係合部169が図示した係合部169”位置まで移動する。
振動体付勢部材166の揺動に伴い、振動体支持部材161は、案内軸部138aを回転中心(回転中心P1)に時計回りに揺動する。すると、振動体130の突起部133aは、ローター140から距離D2だけ離間する(突起部133a”で表わす)。
一方、調整軸215を反時計回りに調整溝215bがマーカー216gを指示する位置まで回動すると、振動体付勢部材166は案内軸214を回転中心(回転中心P2)に反時計回りに揺動し、ばね先端部の係合部169が図示した係合部169’位置まで移動する。
このことによって、振動体支持部材161は、案内軸部138aを回転中心(回転中心P1)に反時計回りに揺動する。すると、振動体130の突起部133aは、ローター140と交差量D1だけ交差する位置まで移動する(突起部133a’で表わす)。しかし、突起部133aはローター140と当接するため、交差量D1が振動体130のローター付勢量となる。このローター付勢量に対応したばね部167の弾性力がローターに付勢されることになる。
図示した距離D2と交差量D1は、振動体130の移動量の最大を示している。従って、調整軸215を距離D2と交差量D1の範囲の任意位置に回動し、所望の離間距離または交差量となるようにマーカー216a〜216gの範囲に回動することで振動体130(つまり、突起部133a)のローター140に対する位置を調整することが可能となる。
続いて、本実施形態に係るマイクロポンプ10の液体輸送について説明する。まず、振動体130の構成と、作用について図13〜図15を参照して説明する。
図13は、振動体の構成を示す斜視図である。図13に示すように、振動体130は、ほぼ長方形の薄板形状をしている。振動体130は、補強板133の表面に板状の圧電素子134、圧電素子134の表面に電極131a,131b,131cが積層形成されている。
補強板133の裏面には、板状の圧電素子135が密着され、圧電素子135の表面に電極132が積層されて構成されている。電極131aは、圧電素子134の幅方向中央に長さ方向全体にわたって形成され、電極131b,131cは電極131aを挟んで対角方向に配設される。
なお、図示は省略するが、電極132は、補強板133を挟んで電極131a,131b,131cに対して面対称となるように形成されている。
圧電素子134,135の材料としては特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリ弗化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等を用いることができる。
補強板133は、圧電素子134,135に対する共通電極としての機能と、振動体130の全体を補強する機能を有しており、振動体130が過振幅または外力等によって損傷することを防止する。補強板133の材料としては特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の金属材料であることが望ましい。
圧電素子134,135は、補強板133よりも厚いものであることが好ましい。これにより、振動体130をより高い効率で振動させることができる。
圧電素子134,135は、交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴って、補強板133も長手方向に繰り返し伸縮する。
補強板133の長手方向端部には、突起部133aが一体的に形成されている。図5,6に示すように、振動体130は突起部133aがローター140の外周側面(当接面142)に当接するように配設されている。
なお、突起部133aは、補強板133の中央部(中心線G:図14、参照)からずれた位置(図示の構成では角部)に設けられている。
なお、突起部133aは、補強板133の中央部(中心線G:図14、参照)からずれた位置(図示の構成では角部)に設けられている。
また、補強板133の長さ方向の中央両側には、一対の腕部133bが突設されており、腕部133bの先端部には固定部133cが形成されている。振動体130は、この固定部133cを振動体支持部材161に固定螺子211を用いて固定される(図10、参照)。つまり、振動体130は、腕部133bによって支持されている。これにより、振動体130は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。
次に、振動体130の作用について図面を参照して説明する。
図14は振動体の作用を模式的に示す部分平面図、図15は突起部の動きを模式的に示す説明図である。図13に示すように、電極131a,131b,131cと、補強板133との間に交流電圧を印加すると、電極131aの下面範囲の圧電素子134は矢印Xで表すように長手方向に伸縮し、縦振動を行う。
図14は振動体の作用を模式的に示す部分平面図、図15は突起部の動きを模式的に示す説明図である。図13に示すように、電極131a,131b,131cと、補強板133との間に交流電圧を印加すると、電極131aの下面範囲の圧電素子134は矢印Xで表すように長手方向に伸縮し、縦振動を行う。
そして、電極131b,131cの下面範囲の圧電素子134も長手方向に伸縮するが、それぞれが圧電素子134の対角方向に配設されているため、矢印Yに示すような屈曲振動を行う。
なお、圧電素子135においても、電極132(電極131a,131b,131cと面対称で形成された)に同様の交流電圧が印加される。
従って、振動体130は、主に長手方向に縦振動するが、縦振動と屈曲振動とを共振させ、突起部133aを楕円振動させる。以下、この点について説明する。
図14に示すように、振動体130がローター140を回転駆動するとき、突起部133aは、ローター140から反力fを受ける。本実施形態では、突起部133aが振動体130の中心線Gからずれた位置に設けられている。従って、振動体130は、この反力fによって図14に示すように面内方向に屈曲するように変形、振動する。なお、図14は、振動体130の変形を誇張して表している。
印加電圧の周波数、振動体130の形状・大きさ及び突起部133aの位置等を適宜選択することで、この屈曲振動の周波数と縦振動の周波数とが共振し、振幅が大きくなると共に、突起部133aは、図15中の矢印rにて表すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)する。
これにより、振動体130の1回の振幅において、突起部133aが伸張しローター140を回転方向に送るときには、突起部133aがローター140により強い力で圧接される。また、突起部133aが収縮し戻るときには、ローター140との摩擦力を低減または消滅させることができるため、振動体130の振動をローター140の回転により高い効率で変換することができる。
なお、振動体130は、振動体付勢部材166のばね部167の弾性によって、突起部133aがローター140の外周側面の当接面142に付勢されている。
そこで、突起部133aがローター140の当接面142に当接された状態で、圧電素子134,135に交流電圧を印加して振動体130を振動させると、ローター140は、振動体130が伸張するときに突起部133aから摩擦力(押圧力)を受ける。この押圧力を繰り返し加えることでローター140が時計回り方向(矢印R)に回転する。
なお、振動体130は、ローター140と断面方向においてほぼ平行な姿勢で配設されると共に、ローター140の厚さよりも薄い。また、振動体130の厚さは、ローター140の外周面に形成される溝141の断面方向の幅よりも薄くすることがより好ましい。
圧電素子134,135に印加する周波数は特に限定されないが、振動体130の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であることが好ましい。これにより、振動体130の振幅が大きくなり、高い効率、高トルクでローター140を回転駆動することができる。
続いて、マイクロポンプ10の液体輸送に係る作用について図5を参照して説明する。カム20は、振動体130からローター140を介して回転される(図示、矢印R方向)。そして、カム20のフィンガー押圧面21dでフィンガー44を押圧する。
フィンガー45はフィンガー押圧面21dとフィンガー押圧斜面22との接合部に当接しており、チューブ50を圧閉している。また、フィンガー46はフィンガー押圧斜面22上でチューブ50を押圧しているが、フィンガー46はフィンガー44の押圧量より小さく、チューブ50を完全には圧閉していない。
フィンガー41〜43は、カム20の円弧部23の範囲にあり、押圧しない初期位置にある。また、フィンガー40はカム20のフィンガー押圧斜面22に当接しているが、この位置では、まだチューブ50を圧閉していない。
この位置から、さらにカム20を矢印R方向に回転すると、カム20のフィンガー押圧面21dによって、フィンガー45,46の順で押圧してチューブ50を圧閉していく。フィンガー44はフィンガー押圧面21dから解除されチューブ50は開放される。チューブ50のフィンガーから圧閉が開放される位置または、まだ圧閉されていない位置には、液体流動部51に液体が流入している。
カム20を振動体130によりさらに回転すると、フィンガー押圧斜面22が、フィンガー40,41,42,43の順に順次押圧していき、フィンガー押圧面21cに達したときにチューブ50を圧閉する。
このような動作を繰り返すことにより、液体を流入口部52側から流出口部53側に向けて流動し、流出口部53から吐出する。
この際、カム20のフィンガー押圧面には、複数のフィンガーのうちの2本が当接し、次のフィンガーを押圧する位置に移動するときには、フィンガーのうちの1本を押圧する。このように、フィンガーを2本押圧する状態と、1本を押圧する状態と、を繰り返すことにより、少なくとも1本のフィンガーがチューブ50を常時圧閉している状態を形成する。
このような複数のフィンガーにより、弾性を有するチューブの流体流入側から流出側へ順次押圧して、チューブの圧閉と開放を繰り返して流体を輸送するマイクロポンプの構造は蠕動駆動方式と呼ばれる。
本実施形態によるマイクロポンプ10は、振動体130を用いてローター140及びカム20を回転する構造である。前述したように、振動体130で駆動されるローター140は回転トルクが大きいことから、特許文献1のように減速ギヤ機構を必要とせず、また、モーターモジュールとポンプモジュールとの連結機構も不要となり構造を簡単にすることができる。
また、チューブユニット11と、制御ユニット12とをカム20の回転面に対して略水平方向に装着することにより、特許文献1のポンプのような積重ね構造に比べ薄型化が可能である。
また、マイクロポンプ10を生体に装着して薬液等を注入する場合には、直接薬液、血液、体液に接触するチューブは交換して使用することが求められる。しかしながら、特許文献2によるポンプは、構成要素一つ一つを積重ねて組み立てる構成のため、医療現場等においてチューブを単独で交換することは困難である。
しかし、チューブユニット11と制御ユニット12とを着脱可能な構成にすれば、医療現場において、チューブユニット11と制御ユニット12とを容易に組立て、または分離可能である。このことから、薬液等に直接接触するチューブ50を含み低コストのチューブユニット11を使い捨て使用とし、高コストの制御ユニット12を繰り返し使用すれば、ランニングコストを低減することができる。
さらに、チューブユニット11及び制御ユニット12をそれぞれユニット化しており、チューブユニット11を制御ユニット12に対して水平方向に装着すれば、フィンガー40〜46をチューブ押圧状態にすることができる。従って、特許文献1のようにモーターモジュールとポンプモジュールとの間に連結機構を必要とせず、構造を簡素化でき、組立性を向上させることができ医療現場においても、容易に分解及び組立を行うことができる。
また、チューブ50は、一般に外径(内径を含む)寸法のばらつきが大きいことが知られている。チューブ50の外径寸法がばらつくと、流体の単位時間当りの流動量もばらつく。
そこで、フィンガー40〜46の長さをチューブ50の外径寸法に合わせてチューブユニットとしてユニット化すれば、チューブ50の外径寸法のばらつきをフィンガー40〜46の長さで吸収し、流体の単位時間当りの流動量を一定にすることができる。
また、本実施形態のローター駆動は、振動体130の屈曲及び伸縮振動による突起部133aの楕円運動と、突起部133aとローター140との間の摩擦力によりローター140を回転する構成である。従って、振動体130のローター140への付勢力の大きさ(反力fに相当する)は、ローター140の回転速度、エネルギー伝達効率及び出力トルクに影響する。
そこで、本実施形態では、調整軸215を回動して振動体付勢部材166を揺動し、振動体130のローター140に対する位置調整可能な構成としている。
従って、振動体130のローター140への付勢力を任意に調整できることから、ローター140を所望の回転速度で回転させることができる。また、エネルギー伝達効率を高めると共に、適切な回転トルクに設定することができる。
さらに、振動体130をローター140と離間する位置に調整しておけば、ローター140及び振動体機構部160を組立てる際に、お互いが干渉しないので組立性を向上させる他、組立時において干渉による破壊を防止することができるという効果がある。
さらに、振動体130は圧電素子134,135に交流電圧を印加することで振動し、ローター140を回転させることから電磁ノイズを発生せず、周囲の機器に悪影響を与えることがない。また、周囲の機器が発生する電磁ノイズの影響も受けない。従って、特に医療現場における電磁ノイズのリスクを回避することができる。
また、チューブユニット11を、制御ユニット12に設けられる空間110内に挿着することにより、制御ユニット12の外郭(第1機枠15と第2機枠16に相当する)がケースの機能を有するため、チューブユニット11と制御ユニット12とを収容する専用のケースが不要となり、構造が簡素化でき、一層、薄型化を実現できる。
また、ローター140が円盤形状を有し、振動体130の突起部133aが、ローター140の外周側面(当接面142)に当接するよう配設している。前述したように、このような構成によれば、振動体130の振動を高効率で回転に変換でき、直径の大きなローター140に当接させることで、同じ振動体を同じ条件で振動させたときにローター140の回転トルクを大きくすることができるので安定駆動を継続できる。
また、制御回路部30と振動体機構部160とローター140とフィンガー40〜46とチューブ50とを、互いに平面的に重ならない位置に分散配設していることにより、より一層薄型化を実現できる。また、主要構成部品を一方向から組立可能なため、組立性を向上させることができる。
また、チューブユニット11を制御ユニット12に装着する際、チューブ50の円弧形状の中心とカム20の回転中心Pとを一致させるように、チューブユニット11及び制御ユニット12の互いに対向する壁面18a,16aを案内部として設けている。
マイクロポンプ10は、カム20の回転によりフィンガー40〜46を押圧してチューブ50を圧閉する構成である。従って、チューブ50の円弧形状の円弧中心とカム20の回転中心Pとを一致させることが必要である。
このことから、チューブユニット11を制御ユニット12に装着する際、双方に案内部としての壁面18a,16aを設けることにより、チューブ50の円弧形状の中心とカム20の回転中心Pとを一致させることができ、専用の位置規制部材を設けなくても、フィンガー40〜46の全てがチューブ圧閉を確実に行うことができる。
振動体機構部160は、振動体130を保持する振動体支持部材161と、振動体付勢部材166と、位置調整部としての調整軸215とから構成される。調整軸215を回動することで、振動体付勢部材166を揺動し、さらに振動体支持部材161を揺動して、振動体130の位置をローター140の位置に対して調整することができる。
従って、簡単な構造で振動体130のローター140に対する位置調整をすることができる。また、回転軸部215dと調整軸部215cとの偏心量hの増減で調整量の範囲の増減が可能であり、調整軸215の回動量で微調整を容易に行うことができる。
また、調整軸215の回動軌跡に沿って回動量(回動位置)を表すマーカー216a〜216gを設けている。
マーカー216a〜216gを設けることで、調整軸215の回動量の目安とすることができる。特に、振動体130のローター付勢量は、組み立てられた状態では直接確認できないことから、マーカー216a〜216gにより、付勢量を調整軸215の回動量(回動位置)で判断し、適切な設定とすることができる。
また、第1機枠15には、位置調整部としての調整軸215を外部から覗く貫通孔250を開設している。このことによって、制御ユニット12の状態またはマイクロポンプ10の状態で、振動体130のローター140に対する位置調整や位置確認を行うことができる。
なお、マーカー216a〜216gを付加する場合には、マーカー216a〜216gも含めて覗くことが可能な貫通孔250とすれば、より的確に振動体130のローター140に対する位置調整や位置の確認を行うことができる。
なお、第1機枠15、第2機枠16、第1チューブ案内枠17、第2チューブ案内枠18の全部または一部を透明部材で形成すれば、内部の構成要素及びこれらの係合状態を外部から視認することができる。
さらに、上記の貫通孔250を封止する封止部材251を設けることがより望ましい。このように、貫通孔250を封止部材251により封止すれば、マイクロポンプ10の内部を密閉し、防塵性や防水性を高めることができ、生体内または生体表面に装着する薬液輸送装置として好適である。
(実施形態2)
(実施形態2)
続いて、実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、上述した実施形態1に対して振動体機構部の構成が異なることを特徴としている。従って、実施形態1と異なる個所を中心に説明する。
図16は、本実施形態に係る振動体機構部を示す平面図、図17は図16のF−F切断面を示す部分断面図である。
図16は、本実施形態に係る振動体機構部を示す平面図、図17は図16のF−F切断面を示す部分断面図である。
図16,17において、振動体機構部160は、振動体130と、振動体130を支持する振動体支持部材161と、振動体130をローター140に付勢する振動体付勢部材166と、振動体付勢部材166と係合して振動体付勢部材166を揺動する位置調整部としての調整車219とから構成されている。
ローター140、振動体130及び振動体支持部材161の構成は、実施形態1と同じなので説明を省略する。振動体付勢部材166は、振動体支持部材161の振動体付勢部材挿入孔162に係合する係合部169と、係合部169に連続する梁状のばね部167と、ばね部167の元部に連続する略円形の固定部265とから形成されている。
そして、固定部265の外周には複数の突起部が形成されている。本実施形態では、複数の突起部として、歯車部266が形成された場合を例示している。
振動体付勢部材166は、係合部169を振動体支持部材161の振動体付勢部材挿入孔162に挿入した状態で、固定部265が第1機枠15に段付きの固定軸218によって軸支されている。
固定軸218は、第1機枠15に圧入する固定軸部218aと、鍔部218bと、から形成されており、振動体付勢部材166を揺動可能に軸止すると共に、鍔部218bで浮き上がりを抑制している。
調整車219は、突起部としての振動体付勢部材166の歯車部266に噛合する歯車部220と、第1機枠15に圧入される固定軸部219bとから形成されている。そして、歯車部220の上面には調整溝219aが形成されている。なお、固定軸部219bは、第1機枠15に対して回動可能な回転トルクとなるような寸法設定とする。
なお、第1機枠15には、調整車219の回動軌跡に沿ってマーカー216a〜216eが設けられている。
次に、振動体130のローター140に対する位置調整方法について図16を参照して説明する。なお、図示した状態は、調整車219の調整溝219aがマーカー216cを指示する位置にあって、振動体130は、突起部133aがローター140に接する位置にある場合を示している。
ここで、調整車219を時計回りに調整溝219aがマーカー216aを指示する位置まで回動したとすると、振動体付勢部材166は固定軸部218aを回転中心(回転中心P2)に反時計回りに揺動し、ばね先端部の係合部169が図示した係合部169’位置まで移動する。
このことによって、振動体支持部材161は、案内軸部138aを回転中心(回転中心P1)に反時計回りに揺動する。すると、振動体130の突起部133aは、ローター140に対して交差量D1だけ交差する(突起部133a’で表わす)。
しかし、突起部133aはローター140に当接するために、交差量D1が振動体130のローター付勢量となる。このローター付勢量に対応したばね部167の弾性力がローターに付勢されることになる。
一方、調整車219を反時計回りに調整溝219aがマーカー216eを指示する位置まで回動したとすると、振動体付勢部材166は固定軸部218aを回転中心(回転中心P2)に時計回りに揺動し、ばね先端部の係合部169が図示した係合部169”位置まで移動する。
このことによって、振動体支持部材161は、案内軸部138aを回転中心(回転中心P1)に時計回りに揺動する。すると、振動体130の突起部133aは、ローター140に対して距離D2だけ離間する(突起部133a”で表わす)。
このような構成であっても、実施形態1と同様に、簡単な構造で、ローター140と突起部133aが離間する距離D2と、ローター140と突起部133aとの交差量D1との範囲の任意位置に位置調整をすることができる。
また、振動体付勢部材166の歯車部266と調整車219の歯車部220の歯数比を変えることで、振動体130の位置調整可能範囲の増減を容易に行うことができる。
さらに、このような構造では、調整車219の回動量の微調整により、特に交差量D1(つまり、付勢力)の微調整を容易に行うことができる。
なお、本実施形態においても、調整車219及びマーカー216a〜216eを含む範囲を覗く貫通孔を第2機枠16に設けることができる。
また、本実施形態では、振動体付勢部材166と調整車219との係合部は、それぞれ噛合する歯車部266,220としたが、調整車219の回転によって振動体付勢部材166が揺動できる凹凸を有する構成であればよく、限定されない。
(実施形態3)
(実施形態3)
続いて、実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、上述した実施形態1,2に対して、振動体130のローター140に対する位置を特定の複数の位置に切換えられることを特徴としている。従って、実施形態1,2と異なる個所を中心に説明する。
図18は、本実施形態に係る振動体機構部の1例を示す平面図、図19は部分断面図である。
図18は、本実施形態に係る振動体機構部の1例を示す平面図、図19は部分断面図である。
図18,19において、振動体機構部160は、振動体130と、振動体130を支持する振動体支持部材161と、振動体支持部材161の揺動位置を切換える切換部材230と、から構成されている。
ローター140及び振動体130の支持構造は実施形態1(図6,12、参照)と同じため説明を省略する。振動体支持部材161は、振動体130を支持する剛体部161aと、剛体部に連続する梁状のばね部163とから構成される。ばね部163の先端部には位置決め軸241が植立されている。
振動体支持部材161は、振動体130と位置決め軸241とが固定された状態で、第1機枠15に植立された固定軸240に装着され、固定螺子213で固定されている。固定軸240は、振動体支持部材161を揺動可能に軸支する案内軸部240aを有している。
切換部材230は、固定部231と、位置決め軸241と係合する切換部233と、固定部231と切換部233とを連続する梁状のばね部232とから形成されている。
切換部233には、位置決め軸241と係合する凹部233a,233bが形成され、凹部233aと凹部233bとの間には凸部233cが設けられている。
切換部材230は、振動体支持部材161の位置決め軸241に、凹部233aまたは凹部233bのいずれかを係合させ、第1機枠15に植立された案内軸244と固定軸242によって位置決めして固定螺子243によって固定される。
次に、本実施形態に係る振動体130のローター140に対する位置調整方法について図18を参照して説明する。まず、振動体支持部材161は、位置決め軸241を切換部材230の凹部233bに係合させておく。この状態は、振動体130の突起部133aがローター140と距離D2だけ離間した位置にある(突起部133a”で表わす)。
そして、振動体支持部材161を案内軸部240aを回転軸に反時計回りに回動し、位置決め軸241が凸部233cを乗り越えて凹部233aに係合する位置に切換える。位置決め軸241が凸部233cを乗り越える際、切換部材230のばね部232が撓んで切換え操作を容易にしている。
位置決め軸241が凹部233aに係合している場合、振動体130の突起部133aは、ローター140に当接する。ここで、ローター140がない場合には、突起部133aはローター140の外周に交差する位置(交差量D1、突起部133a’で表わす)まで移動可能である。
この際、振動体支持部材161のばね部163が撓み、この弾性力で振動体130を交差量D1に相当する付勢力で押圧する。この付勢力は、ローター140の回転速度、エネルギー伝達効率、出力トルク等が適切になるように設定されている。
また、位置決め軸241が凹部233a,233bに係合している状態で、振動体支持部材161がふらつかない程度に、切換部材230のばね部232の弾性力で振動体支持部材161を付勢している。
また、切換部材230の凸部233cは、通常使用時には位置決め軸241が乗り越えない程度に突設されている。
このようにすれば、振動体130をローター140に適切な付勢力で付勢する状態と、離間する状態と、の2状態に簡単な構造で、しかも容易に切換えることができる。
なお、本実施形態では、凹部を2箇所に設け、振動体130の位置を2状態に切換える構造を例示したが、2状態以上に切換える構造とすることができる。
例えば、凸部233cと凹部233aとの間に、さらに一つの凹部と凸部とを設ける構造とすれば、振動体130の突起部133aとローター140との交差量D1を中間の値に設定することができる。つまり、付勢力を2段階に切換えることができる。
また、本実施形態においても、前述した実施形態1,2と同様に、位置決め軸241と切換部材230の切換部233との係合部(つまり、位置調整部)を覗く貫通孔を第2機枠16に開設することがより好ましい。
また、位置決め軸241を第1機枠15に植立し、振動体支持部材161のばね部163の先端部に、切換部材230に形成した凹部233a,233bと凸部233cと同様な凹凸部を設ける構造としてもよい。
(実施形態4)
(実施形態4)
続いて、実施形態4に係るマイクロポンプについて図面を参照して説明する。実施形態4は、ローターをリング形状とし、振動体の突起部がローターのリング形状内周側面に当接するよう配設されていることに特徴を有している。従って、実施形態1との相違個所を中心に説明する。
図20は、実施形態4に係るローター及び振動体機構制御を示す平面図、図21は制御ユニットの一部を示す部分断面図である。図20,21において、ローター170は、図示下面方向にリング形状に凹部が形成されている。そして、この凹部の内部に振動体130を含む振動体機構部160の大部分が配設されている。
ローター170のリング形状内周側面には、ローター170の回転方向に沿って溝171が形成されている。この溝171の内周側面は、振動体130に設けられる突起部133aが当接する当接面172である。
ローター170は、実施形態1と同様にカム20と共にカム軸75に重ねて軸止され一体で回転するよう構成されている。
なお、振動体機構部160は、前述した実施形態1〜実施形態3のそれぞれで説明した構造が採用可能であるが、本実施形態では実施形態1(図9〜図12、参照)と同じ構造を例示している。ただし、振動体130は、振動体支持部材161の上方(第2機枠16側)に支持されている。
また、振動体130の構成及び駆動作用は実施形態1(図13〜図15、参照)と同じであるが、突起部133aはローター170のリング形状内周側面の当接面172に当接し、ローター170を時計回り方向(図中、矢印R方向)に回転させる。
ここで、振動体機構部160のうち、振動体付勢部材166の調整部168と位置調整部としての調整軸215は、ローター170と平面的に離間した位置に配設されている。従って、ローター170と振動体機構部160を組み立てた状態で調整軸215を回動して、振動体130のローター170に対する位置を調整することができる。
なお、調整軸215の回動軌跡に沿って、図示は省略するが、図9に示すようなマーカー216a〜216gが形成されている。
このようにすれば、振動体130及び振動体支持部材161をローター170の外径よりも内側に配設することから、マイクロポンプ10の小型化を実現できる。
また、位置調整部としての調整軸215をローター170と平面的に重ならない位置に配設することで、ローター170と振動体130とが重なる構造であっても、振動体130のローター170に対する位置調整を行うことができる。
なお、本実施形態においても、前述した実施形態1,2と同様に、調整軸215とマーカー(つまり、位置調整部)を覗く貫通孔を第2機枠16に開設すれば、制御ユニット12の状態またはマイクロポンプ10の状態で位置調整をすることができる。
(実施形態5)
(実施形態5)
続いて、実施形態5に係るマイクロポンプについて図面を参照して説明する。実施形態5は、前述した実施形態4の構造をさらに簡素化するもので、ローターが、カムの一方の平面に穿設された円形凹部の内部に形成され、振動体に設けられる突起部が、凹部の内周側面に当接するよう配設されていることに特徴を有している。従って、実施形態4との相違個所を中心に説明する。
図22は、実施形態5に係る制御ユニットの一部を示す部分断面図である。図22において、カム20の下面(第1機枠15方向の面)にはリング形状の凹部が穿設され、この凹部の内部に振動体130と振動体支持部材161が配設されている。従って、カム20に穿設されるこの凹部がローター170に相当する。
ローター170の内周側面には溝171が形成され、この溝171の内側側面には、振動体130に設けられる突起部133aが当接する当接面172が形成される。つまり、ローター機能がカム20と一体で形成されている。
なお、振動体機構部160は、前述した実施形態1〜実施形態3のそれぞれで説明した構造を採用可能であるが、本実施形態では実施形態1(図9〜図12、参照)と同じ構造を例示している。ただし、振動体130は、振動体支持部材161の上方(第2機枠16側)に支持されている。
また、振動体130の構成及び駆動作用は実施形態1(図13〜図15、参照)と同じであるが、実施形態4(図20,21、参照)と同様に、突起部133aはローター170のリング形状内周側面の当接面172に当接し、ローター170を時計回り方向に回転させる。
ここで、実施形態4(図20、参照)と同様に、振動体機構部160のうち、振動体付勢部材166の調整部168と位置調整部としての調整軸215は、ローター170と平面的に離間した位置に配設されている。従って、ローター170と振動体機構部160を組み立てた状態で調整軸215を回動して、振動体130のローター170に対する位置を調整することができる。
なお、調整軸215の回動軌跡に沿って、図示は省略するが、図9に示すようなマーカー216a〜216gが形成されている。
このような構成にすれば、ローター170とカム20とを一体形成することができる。従って、構造をより簡単にすることができ、また、薄型化することができる。
また、位置調整部(調整軸215)をローター170と平面的に重ならない位置に配設することで、ローター170と振動体機構部160を組み立てた状態で調整軸215を回動して、振動体130のローター170に対する位置を調整することができる。
(実施形態6)
(実施形態6)
続いて、実施形態6に係るマイクロポンプについて図面を参照して説明する。実施形態6は、電源とリザーバーとがチューブユニットに収容されていることを特徴としている。従って、実施形態1との相違個所を中心に説明する。
図23は、実施形態6に係るマイクロポンプを示し、(a)は部分平面図、(b)は(a)のH−H切断面を示す断面図である。図23(a),(b)において、電源としての小型ボタン型電池120(以降、単に電池120と表す)がチューブユニット11の内部に収容されている。
電池120はリザーバー14と共に、第1チューブ案内枠17に形成される凹部内に装着されて、上部を第2チューブ案内枠18によって封鎖されている。ここで、電池120の図示下方面をマイナス極、上面及び側面をプラス極とするとき、下面はマイナス端子121に接続され、側面がプラス端子122に接続される。
マイナス端子121及びプラス端子122は、図示しないリードによって第1チューブ案内枠17の制御ユニット側方向端部に植立される接続端子123,124に接続されている。
接続端子123,124は、第1チューブ案内枠17から突設されて、制御ユニット12の内部にまで延在されている。制御ユニット12には、接続端子123,124に電気的に独立して接続する接続端子(図示せず)が設けられ、これら接続端子は制御回路部30(図5、参照)に接続される。
チューブユニット11を制御ユニット12に装着することで、電池120から制御回路部30に電力が供給され、マイクロポンプ10が駆動可能な状態となる。
なお、電池120をチューブユニット11の内部に収容し、リザーバー14をチューブユニット11の外部に備える構造としてもよい。
このようにすれば、使用する薬液を変更する場合、または長期間使用してチューブ50を交換する場合に、チューブユニット11としてチューブ50と共に電池120を交換することで、使用途中で電池容量が不足することを防止することができる。
また、電池120は、チューブユニット11に対して着脱可能である。図23に示す構成では、第1チューブ案内枠17と第2チューブ案内枠18とを接合する固定螺子92(図5、参照)を外して、電池120を着脱する構造を例示している。
ここで、電池120の着脱構造としては、第2チューブ案内枠18に電池蓋を設ける構造としてもよく、また、電池120をチューブユニット11の尾部(固定枠13側)からスライド挿入する構造として、固定枠13を外して電池120の着脱をする構造としてもよい。
なお、本実施形態では、電池として小型ボタン型電池を例示したが、他にシート電池、リチウムイオン電池等の二次電池を採用することができる。シート電池を用いる場合はリザーバーと重ねて配設することができ、チューブユニット内に収容する構成としても、リザーバーの容量を大きくできるという利点がある。
(実施形態7)
(実施形態7)
続いて、実施形態7に係るマイクロポンプについて図面を参照して説明する。実施形態7は、ローターとカムの間に駆動力伝達機構として減速機構または増速機構を備えていることを特徴とする。なお、減速機構の1例を例示して説明する。
図24は、実施形態7に係る制御ユニットを示す平面図、図25は図24のL−L切断面を示す部分断面図である。図24,25において、本実施形態の減速機構は、カム20に設けられるカム歯車180と、ローター140に設けられるローター歯車144と、カム歯車180とローター歯車144とに歯合する中間車190とから構成されている。
カム歯車180は、カム20と共にカム軸75に軸止されると共に、軸受114,115により軸支されている。また、中間車190は中間歯車191を有し、第1機枠15に設けられる軸受112と、中間車受210によって軸支されている。なお、中間車受210は、第1機枠15に固定螺子等で固定されている。
一方、ローター歯車144は、ローター140を軸止するローター軸143に形成され、第1機枠15に設けられる軸受113と、第2機枠16に設けられる軸受116とによって軸支される。
なお、軸受112〜116に設けられる軸穴は貫通していないので、第1機枠15と第2機枠16によって形成される空間100は、チューブユニット11が制御ユニット12に挿着された状態で密閉される。
また、振動体機構部160は、前述した実施形態1〜実施形態3のそれぞれで説明した構造を採用可能であるが、本実施形態では実施形態1(図9〜図12、参照)と同じ構造を例示している。
ローター140の形状は前述した実施形態1(図6、参照)と同じ場合を例示しており、ローター140の外周部には回転方向に沿って溝141が形成されており、溝141の内部側面が突起部133aとの当接面142である。
なお、振動体130の構成及び作用は実施形態1(図13〜図15、参照)と同じであり、振動体130とローター140との当接関係も実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
振動体130の振動によってローター140が回転され、このローター140の回転は、ローター歯車144、中間歯車191、カム歯車180を介してカム20に伝達される。中間車190を設けることにより、カム20は、実施形態1(図5、参照)と同じ方向に回転する。
ここで、ローター歯車144とカム歯車180との歯数比は減速比であって、減速比はローター歯車144とカム歯車180との歯数比により適宜変更することができる。また、中間車190を大歯車と小歯車の構成にすれば減速比をさらに大きくすることが可能となる。なお、増速する場合は、各歯車の歯数比を増速ギヤ機構とすればよい。
このように、カム20とローター140との間に、減速機構または増速機構を設けることにより、ローター140の回転速度を一定にしてカム20の回転速度を変えることができる。つまり、液体の流動量を適宜調整することができる。
また、振動体130、ローター140、減速機構、カム20などの可動機構を制御ユニット12に設けることにより、制御ユニット12とチューブユニット11の間で、連結機構を必要とせず組立性が向上する。
なお、本実施形態では、ローター140の外周側面の当接面142に振動体130の突起部133aを当接する構造を例示して説明したが、前述した実施形態4,5(図20〜22、参照)に示すローター170の内周側面の当接面172に突起部133aを当接する構成にも適合可能である。
以上前述した実施形態1〜実施形態7によるマイクロポンプ10は、小型化、薄型化が可能で、微量流量を安定して連続的に流動することができるため、生体内または生体表面に装着し、新薬の開発やドラッグデリバリーなどの医療用に好適である。また、様々な機械装置において、装置内、または装置外に搭載し、水や食塩水、薬液、油類、芳香液、インク、気体等の流体の輸送に利用することができる。さらに、マイクロポンプ単独で、流体の流動、供給に利用することができる。
10…マイクロポンプ、11…チューブユニット、12…制御ユニット、20…カム、30…制御回路部、40〜46…フィンガー、50…チューブ、130…振動体、140…ローター、160…振動体機構部、161…振動体支持部材、166…振動体付勢部材、215…調整軸。
Claims (19)
- 一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブと、前記チューブの円弧形状の円弧中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、前記チューブと前記複数のフィンガーとを保持するチューブ案内枠と、を有するチューブユニットと、
前記複数のフィンガーを前記チューブの流体流入側から流出側に順次押圧するカムと、
前記カムに回転力を与えるローターと、振動体を有し、前記振動体を前記ローターに付勢する位置から前記ローターと離間する位置までの範囲の任意位置に調整可能な位置調整部を有する振動体機構部と、を有する制御ユニットと、
前記チューブの流入口部が連通するリザーバーと、
前記振動体に駆動信号を入力する制御回路部と、
前記制御回路部に電力を供給する電源と、
が備えられ、
前記チューブユニットが、前記制御ユニットに前記カムの回転平面に対して略水平方向に着脱可能であって、
前記振動体に交流電圧を印加することにより前記振動体が振動し、前記ローターに回転力を繰り返し加え、前記カムが前記複数のフィンガーを流体の流入側から流出側へ順次押圧し、前記チューブの圧閉と開放を繰り返して流体を輸送することを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記チューブユニットが、前記制御ユニットに設けられる空間に挿着されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターが円盤形状を有し、
前記振動体の突起部が、前記ローターの外周側面に当接するよう配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のマイクロポンプにおいて、
前記制御回路部と前記振動体機構部と前記ローターと前記複数のフィンガーと前記チューブとが、互いに平面的に重ならない位置に分散配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターがリング形状を有し、
前記振動体の突起部が、前記ローターのリング形状内周側面に当接するよう配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターが、前記カムの一方の平面に穿設されたリング形状の凹部の内部に形成され、
前記振動体の突起部が、前記凹部の内周側面に当接するよう配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のマイクロポンプにおいて、
前記チューブユニットを前記制御ユニットに装着する際、前記チューブの円弧形状の中心と前記カムの回転中心とを略一致させる案内部が、前記チューブユニット及び前記制御ユニットの互いに対向する壁面に設けられていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターと前記カムとの間に、減速機構または増速機構が設けられていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記振動体機構部が、前記振動体を保持する振動体支持部材と、先端部が前記振動体支持部材に係合する係合部を有する梁状のばね部と前記ばね部の元部に連続する略馬蹄形の調整部とを有する振動体付勢部材と、回転軸部と前記回転軸部の回転中心に対して偏心し前記調整部と嵌着する調整軸部とを有する調整軸と、からなる位置調整部と、を備え、
前記振動体付勢部材が、前記調整軸の回動により、前記ばね部と前記調整軸の間に配設される案内軸を中心に揺動され、前記振動体付勢部材の揺動に伴い前記振動体の位置を前記ローターの位置に対して調整することを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記振動体機構部が、前記振動体を保持する振動体支持部材と、先端部が前記振動体支持部材に係合する係合部を有する梁状のばね部と前記ばね部の元部に連続する略円形状の固定部の外周に沿って形成される複数の突起部を有する振動体付勢部材と、外周部に前記振動体の突起部に係合する突起部を有する調整車からなる位置調整部と、を備え、
前記振動体付勢部材が、前記調整車の回動により、前記固定部を軸支する固定軸を中心に揺動され、前記振動体付勢部材の揺動に伴い前記振動体の位置を前記ローターの位置に対して調整することを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項9または請求項10に記載のマイクロポンプにおいて、
前記調整軸または前記調整車の回動軌跡に沿って回動量を表すマーカーが設けられていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記振動体機構部が、前記振動体を支持する振動体支持部と前記振動体支持部に連続する梁状のばね部と前記ばね部の先端に設けられる位置決め軸とを備える振動体付勢部材と、前記位置決め軸と係合する複数の凹部を有する切換部材からなる位置調整部と、を備え、
前記凹部は、前記振動体を前記ローターから離間する位置と前記ローターを付勢する位置に規制するよう配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載のマイクロポンプにおいて、
前記振動体機構部の位置調整部を外部から覗く貫通孔が設けられていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項13に記載のマイクロポンプにおいて、
前記貫通孔を封止する封止部材が設けられていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターがリング形状を有し、
前記振動体が、前記ローターのリング形状内周側面に当接するよう配設され、前記位置調整部が前記ローターと平面的に離間した位置に配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1または請求項2に記載のマイクロポンプにおいて、
前記ローターが、前記カムの一方の平面に穿設されたリング形状の凹部の内部に形成され、
前記振動体が、前記凹部の内周側面に当接するよう配設され、前記位置調整部が前記ローターと平面的に離間した位置に配設されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のマイクロポンプにおいて、
前記電源と前記リザーバーのいずれか一方、または両方が、前記チューブユニットに収容されていることを特徴とするマイクロポンプ。 - 請求項1に記載のチューブユニットと着脱可能であって、
一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブの円弧形状の中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、カムと、前記カムに回転力を与えるローターと、振動体を有し、前記振動体を前記ローターに付勢する位置から前記ローターと離間する位置までの範囲の任意位置に調整可能な位置調整部を有する振動体機構部と、を有することを特徴とする制御ユニット。 - 請求項1に記載の制御ユニットと着脱可能であって、
一部が円弧形状に配設され弾性を有するチューブと、前記チューブの円弧形状の円弧中心方向から放射状に配設される複数のフィンガーと、
前記チューブと前記複数のフィンガーとを保持するチューブ案内枠と、
を有することを特徴とするチューブユニット。
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