JP2010150950A - デリバリパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】低燃圧時および高燃圧時の脈動をともに吸収し、コンパクト化を図ることが可能なデリバリパイプを提供する。
【解決手段】デリバリパイプ1は、複数の燃料噴射弁2が取り付けられる外管10と、外管10の内側に設けられる中空の内管20とを備え、外管10と内管20との間の燃料通路C1に供給された燃料を各燃料噴射弁2に分配供給し、内管20が変形することにより燃圧脈動を吸収するように構成されている。そして、内管20の内部には、内管20の左右の側壁21,22の変形方向と同じ方向に伸縮可能なコイルスプリング30が設けられている。内管20が変形していない元の状態では、左右の側壁21,22とコイルスプリング30との間には、間隔L1,L2が設けられており、間隔L1,L2は、左右の側壁21,22の最大変形可能量よりも小さく設定されている。
【選択図】図3
【解決手段】デリバリパイプ1は、複数の燃料噴射弁2が取り付けられる外管10と、外管10の内側に設けられる中空の内管20とを備え、外管10と内管20との間の燃料通路C1に供給された燃料を各燃料噴射弁2に分配供給し、内管20が変形することにより燃圧脈動を吸収するように構成されている。そして、内管20の内部には、内管20の左右の側壁21,22の変形方向と同じ方向に伸縮可能なコイルスプリング30が設けられている。内管20が変形していない元の状態では、左右の側壁21,22とコイルスプリング30との間には、間隔L1,L2が設けられており、間隔L1,L2は、左右の側壁21,22の最大変形可能量よりも小さく設定されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の燃料供給装置に用いられるデリバリパイプに関する。
自動車等の車両に搭載される多気筒内燃機関の燃料供給装置として、複数の燃料噴射弁(インジェクタ)を設け、各インジェクタから対応する吸気通路あるいは気筒へ燃料を噴射するようにしたものがある。このような燃料噴射装置では、燃料ポンプから圧送される燃料を各インジェクタに分配して供給するために、デリバリパイプが用いられる。デリバリパイプ内の燃料は、コントロールユニットにより各インジェクタ内部の電磁弁を開閉制御することによって、所定の圧力で各吸気通路あるいは各気筒に噴射供給されるようになっている。
上述のような燃料噴射装置においては、インジェクタ内部の電磁弁の開閉による燃料噴射が断続的に行われるため、デリバリパイプ内の燃料圧力に脈動(燃圧脈動)が発生することが懸念される。そして、このような脈動がデリバリパイプに燃料を供給する燃料供給管などを介してデリバリパイプの外部へ伝えられると、車両の振動や騒音などが発生する可能性がある。
従来では、パルセーションダンパ等を用いて脈動を吸収していたが、例えば、特許文献1に示されるように、パルセーションダンパを用いずに脈動を吸収する技術も提案されている。特許文献1には、デリバリパイプを外管と内管との2重管構造とし、内管の壁面が弾性変形することにより脈動を吸収することが開示されている。そして、内管の断面形状を工夫して内管の壁面の剛性を場所によって変更することで、低燃圧時および高燃圧時の脈動をともに吸収することが示されている。具体的には、内管は、低燃圧時の脈動を吸収する第1の平坦部分と、高燃圧時の脈動を吸収する第2の平坦部分と、高燃圧時に第1の平坦部分の塑性変形を防止する変形規制部分とを備えた構成となっている。
特開2008−95575号公報
ところで、上述したような2重管構造のデリバリパイプでは、内管は外管の内部に挿入されるものであることから、内管のサイズはできるだけコンパクトなほうが好ましい。しかし、上記特許文献1に記載のデリバリパイプでは、内管は、少なくとも第1,第2の平坦部分および変形規制部分を備えている必要があるため、内管のサイズが大きくなることが懸念される。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、低燃圧時および高燃圧時の脈動をともに吸収することが可能であり、しかも、コンパクト化を図ることが可能なデリバリパイプを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、内燃機関の燃料供給装置に用いられるデリバリパイプであって、複数の燃料噴射弁が取り付けられる外管と、上記外管の内側に設けられる中空の内管とを備え、上記外管と内管との間の燃料通路に供給された燃料を各燃料噴射弁に分配供給し、上記内管が変形することにより燃圧脈動を吸収するように構成されている。そして、上記内管の内部には、上記内管の脈動吸収部分の変形方向と同じ方向に伸縮可能な弾性体が設けられ、上記脈動吸収部分が変形していない元の状態では、上記脈動吸収部分と上記弾性体との間には間隔があいており、上記間隔が、上記脈動吸収部分の最大変形可能量よりも小さく設定されていることを特徴としている。
上記構成によれば、燃料通路の燃圧が内管に作用すると、その燃圧に応じて内管の脈動吸収部分が変形する。この場合、燃料通路の燃圧が大きくなるほど、内管の脈動吸収部分が内方へ凹み、内管の脈動吸収部分と弾性体との間隔が小さくなる。燃料通路の燃圧が所定の圧力(ここでは、この圧力を「境界燃圧」と呼ぶ。)に達すると、上記間隔が「0」になり、内管の脈動吸収部分が弾性体に接する。この状態では、弾性体は変形していない。この状態から、内管の脈動吸収部分に上記境界燃圧よりも高い燃圧がかかると、内管の脈動吸収部分が内方へさらに凹むとともに、弾性体が圧縮され始める。
そして、燃料通路の燃圧が上記境界燃圧よりも低い低燃圧時には、弾性体は伸縮変形しないので、内管の脈動吸収部分だけによって脈動が吸収される。その低燃圧時の脈動吸収特性は、内管の脈動吸収部分の燃料通路の燃圧に対する剛性、言い換えれば、内管の脈動吸収部分のばね定数によって設定される。
次に、燃料通路の燃圧が上記境界燃圧よりも高い高燃圧時には、弾性体が伸縮変形するので、上述した低燃圧時に比べると、内管の脈動吸収部分が変形しにくくなる。そして、この高燃圧時には、内管の脈動吸収部分と弾性体とによっても脈動が吸収される。その高燃圧時の脈動吸収特性は、内管の脈動吸収部分のばね定数、および、弾性体のばね定数によって設定される。
以上より、低燃圧時と高燃圧時とで、異なる脈動吸収特性を備えたデリバリパイプが得られる。したがって、低燃圧時の脈動(内管の脈動吸収部分が弾性体と接していないときの脈動)、および、高燃圧時の脈動(内管の脈動吸収部分が弾性体と接しているときの脈動)をともに吸収することができる。
これにより、内管の内部に弾性体を配置するといった簡単な構成でありながら、可変燃圧の燃料供給装置への対応が可能となる。この場合、内管の脈動吸収部分のばね定数、弾性体のばね定数、および、上記間隔を適宜に設定することで、可変燃圧の燃料供給装置における低燃圧設定時の脈動および高燃圧設定時の脈動をともに吸収することが可能となる。
また、内管には、燃料通路の燃圧に応じて変形する脈動吸収部分を少なくとも1つ設けておけばよいので、内管を単純な構造とすることができるので、上述した従来の構成に比べて、内管のコンパクト化を図ることができ、その結果、デリバリパイプのコンパクト化に貢献できる。
本発明において、上記弾性体として、例えば、コイルスプリングを用いることが可能である。また、上記内管の断面形状を、例えば、ほぼ矩形に形成することが可能であり、この場合、上記脈動吸収部分を内管の対向する一対の壁とすることが可能である。
本発明によれば、デリバリパイプにおいて、低燃圧時および高燃圧時の脈動をともに吸収することができ、しかも、コンパクト化を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
本発明を適用するデリバリパイプは、多気筒エンジンにおける燃料噴射装置の一部を構成するものであって、燃料ポンプから圧送される燃料を複数の燃料噴射弁(インジェクタ)に分配供給するものである。以下では、本発明を、自動車に搭載される直列4気筒ガソリンエンジンの燃料噴射装置に備えられるデリバリパイプに適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るデリバリパイプの概略構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、実施形態に係るデリバリパイプを示す側面図、図2は、図1のデリバリパイプの内管の内部構造を示す図、図3は、図1のデリバリパイプの内管および弾性体の燃圧による変形を示す作用説明図である。図2、図3では、デリバリパイプの外管の図示を省略している。
図1に示すように、デリバリパイプ1は、外管10と内管20とを備えた2重管構造となっている。詳細には、デリバリパイプ1は、複数(この例では4つ)のインジェクタ2が取り付けられる外管10と、この外管10の内側に配置される中空の内管20とを備えている。
外管10は、金属製または樹脂製の筒状のハウジングである。この外管10の軸線方向(長手方向)の両端は閉塞されている。外管10の底部には複数のインジェクタ2が所定の間隔で取り付けられる。また、外管10の長手方向のほぼ中央には、燃料供給口が開口されており、この燃料供給口には、燃料供給管3が接続されている。なお、外管10の長手方向の一方の端部において燃料供給管3を接続する構成としてもよい。
内管20は、外管10の長手方向に沿って延びている。内管20は、金属製または樹脂製の筒状の部材であって、デリバリパイプ1の燃圧脈動を吸収するためのダンパー部材として設けられている。内管20を金属製とする場合、例えば、ステンレス、アルミニウム等が用いられ、樹脂製とする場合、耐燃料透過性を有する樹脂が用いられる。この内管20の肉厚は、上述した外管10の肉厚よりも薄く形成されている。
図1、図2に示すように、内管20は、外管10の一端側から他端側にわたって設けられており、この内管20の両端部は、外管10の両端部から外部へ突出されている。そして、内管20は、その両端部において、外管10にシール性を確保した状態で固定されている。内管20の両端は、外部(大気)に開放された開放端となっている。なお、内管20を、一端だけが開放された構成としてもよいし、あるいは、両端が閉塞された構成としてもよい。また、閉塞端を有する構成では、その閉塞端は外管10の端部から外部へ突出していなくてもよい。
詳細には、図3に示すように、内管20は、四隅にアールが設けられた断面ほぼ矩形の筒状に形成されている。内管20の左右の側壁21,22および上下の壁23,24は、平坦に形成されている。この実施形態では、左右の側壁21,22の面積が上下の壁23,24の面積よりも大きく形成されている。このため、左右の側壁21,22は、燃料通路C1の燃圧に対する剛性が上下の壁23,24よりも低くなっており、デリバリパイプ1で発生した脈動を吸収する脈動吸収部分となっている。ここでは、左右の側壁21,22は、ほぼ同じ面積になっており、燃料通路C1の燃圧に対する剛性もほぼ同じになっている。左右の側壁21,22による脈動の吸収については後述する。
そして、図2、図3に示すように、内管20の内部には、弾性体としてのコイルスプリング30が配設されている。コイルスプリング30は、デリバリパイプ1で発生した脈動を吸収する脈動吸収部材として機能する。コイルスプリング30による脈動の吸収については後述する。
コイルスプリング30は、内管20の長手方向のほぼ中央に配置されている。コイルスプリング30は、棒状の支持部材33を介して内管20に支持されている。支持部材33は、その両端部において、内管20に固定されている。なお、コイルスプリング30を他の手段によって内管20に支持する構成としてもよい。
外管10および内管20の間の空間は、燃料が貯溜される燃料通路(燃料貯溜空間)C1となっている。この燃料通路C1は、内管20の内部空間とは遮断されているので、内管20の内部空間には燃料が入り込まないようになっている。
上記構成のデリバリパイプ1が備えられた燃料噴射装置においては、燃料ポンプにより圧送される燃料が、燃料供給管3を介して上記燃料通路C1に供給され、各インジェクタ2に分配供給されるようになっている。そして、各インジェクタ2内部の電磁弁の開閉にともなって対応する吸気通路あるいは気筒へ燃料が噴射されるようになっている。
そして、上記構成のデリバリパイプ1においては、内管20は、上述したように、比較的薄肉に形成されているため、燃料通路C1の燃料圧力(燃圧)が作用することによって長手方向と直交する方向に変形しやすくなっている。また、内管20の左右の側壁21,22が上下の壁23,24よりも低剛性となっているため、左右の側壁21,22が燃料通路C1の燃圧の作用により変形しやすくなっている。
左右の側壁21,22は、例えば、図3に示すように、燃料通路C1の燃圧に応じて元の平らな状態から弓状に内方に凹むように変形し、燃圧が大きくなるとその変形量(凹み量)が大きくなり、逆に、燃料圧力が小さくなるとその変形量が小さくなる。このように、内管20が燃圧の変動に応じて弾性変形することによって、燃料通路C1の内容積が変化する。これにより、インジェクタ2内部の電磁弁の開閉等によって生じるデリバリパイプ1の脈動が吸収・緩和される。そして、脈動による燃料噴射量の誤差が減少して燃料消費率が向上し、また、外管10、燃料供給管3等の振動や異音が抑制される。
この実施形態では、上記構成のデリバリパイプ1において、内管20の脈動吸収部分となる左右の側壁21,22が変形していない元の状態では、左右の側壁21,22とコイルスプリング30との間には、間隔L1、L2があいている。そして、この元の状態では、この間隔L1、L2が、左右の側壁21,22の最大変形可能量よりも小さく設定されていることを特徴としている。
以下、この特徴部分について、図3を参照して詳しく説明する。図3(a)は、内管20の左右の側壁21,22が変形していない元の状態を示し、図3(b)は、内管20の左右の側壁21,22がコイルスプリング30に接するまで変形した状態を示し、図3(c)は、内管20の左右の側壁21,22およびコイルスプリング30がともに変形した状態を示している。
図3に示すように、コイルスプリング30は、内管20の左右の側壁21,22の変形方向と同じ方向に伸縮するように配置されている。そして、図3(a)に示す元の状態(左右の側壁21,22に燃料通路C1の燃圧が作用していない状態)では、コイルスプリング30は圧縮されておらず、コイルスプリング30の左右両端31,32と、左右の側壁21,22と間には、間隔L1、L2が設けられている。この場合、コイルスプリング30は、内管20の左右方向のほぼ中央に配置されており、コイルスプリング30の左端31と側壁21との間隔L1と、コイルスプリング30の右端32と側壁22との間隔L2とは、ほぼ同じになっている。また、元の状態では、間隔L1、L2は、内管20の左右の側壁21,22の最大変形可能量よりも小さくなっている。左右の側壁21,22の最大変形可能量は、左右の側壁21,22が、図3(c)に示す状態に変形したときの変形量よりも大きくなっている。
次に、燃料通路C1の燃圧が内管20の左右の側壁21,22に作用したときの内管20およびコイルスプリング30の動作について説明する。
図3(b)、(c)に示すように、燃料通路C1の燃圧が内管20の左右の側壁21,22に作用すると、その燃圧に応じて左右の側壁21,22が変形する。この場合、燃料通路C1の燃圧が大きくなるほど、左右の側壁21,22が内方へ凹み、上記間隔L1、L2が小さくなる。燃料通路C1の燃圧が所定の圧力(この圧力を「境界燃圧P1」と呼ぶ。)に達すると、図3(b)に示すように、上記間隔L1、L2が「0」になり、左右の側壁21,22がコイルスプリング30の左右両端31,32に接する。この図3(b)に示す状態では、コイルスプリング30は圧縮されていない。この状態、つまり、左右の側壁21,22がコイルスプリング30の左右両端31,32に接した状態から、左右の側壁21,22に上記境界燃圧P1よりも高い燃圧がかかると、図3(c)に示すように、左右の側壁21,22が内方へさらに凹むとともに、コイルスプリング30が圧縮され始める。なお、図3(c)では、左右の側壁21,22の変形量が、図3(b)に示す場合に比べて2倍になっている。
以下では、燃料通路C1の燃圧が境界燃圧P1よりも低い場合と高い場合との2つの場合に分けて説明する。
まず、燃料通路C1の燃圧が境界燃圧P1よりも低い比較的低燃圧の場合、内管20の左右の側壁21,22の変形量(元の状態からの変形量)は、図3(b)に示す状態よりも小さくなる。この低燃圧時には、上記間隔L1、L2が「0」よりも大きくなるので、コイルスプリング30は伸縮変形しない。そして、この低燃圧時には、内管20の左右の側壁21,22だけによって脈動が吸収される。その低燃圧時の脈動吸収特性は、左右の側壁21,22の燃料通路C1の燃圧に対する剛性、言い換えれば、左右の側壁21,22のばね定数によって設定される。
詳細には、左右の側壁21,22は、燃料通路C1の燃圧に応じて元の状態から変形する。このとき、左右の側壁21,22は、燃料通路C1の燃圧と、左右の側壁21,22の元の状態に戻ろうとする復元力とが釣り合う位置(第1の釣り合いの位置)まで変形する。この釣り合いの状態からインジェクタ2内部の電磁弁の開閉等によって燃料通路C1の燃圧が変動すると、その燃圧の変動を抑制する方向に左右の側壁21,22が変形する。具体的には、燃料通路C1の燃圧が上昇した場合、左右の側壁21,22が、左右の側壁21,22の復元力に抗して、上記第1の釣り合いの位置から内方にさらに凹み、左右の側壁21,22の変形量が大きくなる。これにより、燃料通路C1の内容積が増大して、燃圧の上昇が抑えられる。逆に、燃料通路C1の燃圧が下降した場合、左右の側壁21,22が、左右の側壁21,22の復元力によって、上記第1の釣り合いの位置から外方に膨らみ、左右の側壁21,22の変形量が小さくなる。これにより、燃料通路C1の内容積が減少して、燃圧の下降が抑えられる。
このように、内管20の左右の側壁21,22が、燃料通路C1の燃圧の変動に応じて弾性変形するので、デリバリパイプ1において所定の燃料圧力付近で発生する脈動を吸収することができる。つまり、燃料通路C1の燃圧が上記境界燃圧P1よりも低い低燃圧時の脈動(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接していない場合の脈動)を吸収することができる。この場合、脈動を吸収可能な燃料通路C1の上記所定の燃料圧力は、左右の側壁21,22のばね定数によって設定される。具体的には、内管20の材質や肉厚、内管20における左右の側壁21,22の占める面積等によって設定することが可能である。
次に、燃料通路C1の燃圧が境界燃圧P1よりも高い比較的高燃圧の場合、内管20の左右の側壁21,22の変形量(元の状態からの変形量)は、図3(b)に示す状態よりも大きくなる。この高燃圧時には、上記間隔L1、L2が「0」となるので、コイルスプリング30が伸縮変形する。このため、高燃圧時には、上述した低燃圧時に比べると、左右の側壁21,22が変形しにくくなる。そして、この高燃圧時には、内管20の左右の側壁21,22とコイルスプリング30とによっても脈動が吸収される。その高燃圧時の脈動吸収特性は、左右の側壁21,22の燃料通路C1の燃圧に対する剛性(言い換えれば、左右の側壁21,22のばね定数)、および、コイルスプリング30のばね定数によって設定される。
詳細には、左右の側壁21,22は、燃料通路C1の燃圧に応じて元の状態から変形する。このとき、左右の側壁21,22は、燃料通路C1の燃圧と、左右の側壁21,22の元の状態に戻ろうとする復元力およびコイルスプリング30の弾性力の合成力とが、釣り合う位置(第2の釣り合いの位置)まで変形する。この釣り合いの状態からインジェクタ2内部の電磁弁の開閉等によって燃料通路C1の燃圧が変動すると、その燃圧の変動を抑制する方向に、左右の側壁21,22が変形するとともにコイルスプリング30が伸縮する。具体的には、燃料通路C1の燃圧が上昇した場合、上記合成力に抗して、上記第2の釣り合いの位置から、左右の側壁21,22が内方にさらに凹み、コイルスプリング30が圧縮される。これにより、燃料通路C1の内容積が増大して、燃圧の上昇が抑えられる。逆に、燃料通路C1の燃圧が下降した場合、上記合成力によって、上記第2の釣り合いの位置から、左右の側壁21,22が外方に膨らみ、コイルスプリング30が伸張する。これにより、燃料通路C1の内容積が減少して、燃圧の下降が抑えられる。
このように、内管20の左右の側壁21,22およびコイルスプリング30が、燃料通路C1の燃圧の変動に応じて弾性変形するので、デリバリパイプ1において所定の燃料圧力付近で発生する脈動を吸収することができる。つまり、燃料通路C1の燃圧が上記境界燃圧P1よりも高い高燃圧時の脈動(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接している場合の脈動)を吸収することができる。この場合、脈動を吸収可能となる燃料通路C1の上記所定の燃料圧力は、左右の側壁21,22のばね定数およびコイルスプリング30のばね定数によって設定される。具体的には、内管20の材質や肉厚、内管20における左右の側壁21,22の占める面積、コイルスプリング30の材質等によって設定することが可能である。
以上より、この実施形態によれば、燃料通路C1の燃圧が上記境界燃圧P1よりも低い低燃圧時(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接していないとき)と、燃料通路C1の燃圧が上記境界燃圧P1よりも高い高燃圧時(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接しているとき)とで、異なる脈動吸収特性を備えたデリバリパイプ1が得られる。したがって、低燃圧時の脈動(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接していないときの脈動)、および、高燃圧時の脈動(左右の側壁21,22がコイルスプリング30と接しているときの脈動)をともに吸収することができる。
これにより、内管20の内部にコイルスプリング30を配置するといった簡単な構成でありながら、可変燃圧の燃料供給装置への対応が可能となる。可変燃圧の燃料供給装置は、エンジンの運転状態等に応じてデリバリパイプ1の燃料通路C1の燃圧を変更可能とするもので、例えば、低負荷時には低燃圧に設定され、高負荷時、高回転時には高燃圧に設定される。この場合、内管20の左右の側壁21,22のばね定数、コイルスプリング30のばね定数、および、上記間隔L1,L2を適宜に設定することで、可変燃圧の燃料供給装置における低燃圧設定時の脈動および高燃圧設定時の脈動をともに吸収することが可能となる。
しかも、内管20を単純な構造とすることができるので、上述した従来の構成に比べて、内管20のコンパクト化を図ることができ、その結果、デリバリパイプ1のコンパクト化に貢献できる。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
上記実施形態では、内管20の断面形状をほぼ矩形としたが、内管20に少なくとも1つの脈動吸収部分が設けられていれば、内管20の断面形状は特に限定されない。
上記実施形態では、内管20の左右方向のほぼ中央にコイルスプリング30を配置したが、内管20が変形していない元の状態で、内管20の少なくとも1つの脈動吸収部分とスプリング30との間に間隔があいていれば、コイルスプリング30の左右方向の位置は特に限定されない。例えば、図4に示すように、コイルスプリング30を内管20の左側に片寄った位置に配置してもよい。
具体的には、内管20が変形していない元の状態では、図4(a)に示すように、コイルスプリング30の左端31が内管20の左側の側壁21と接しており、コイルスプリング30の右端32と内管20の右側の側壁22との間には間隔L3があいている。そして、この元の状態では、間隔L3は、図4(b)、(c)に示すように、左側の側壁21の最大変形可能量よりも小さく設定されている。この場合、元の状態の間隔L3を、上記実施形態の元の状態の間隔L1、L2の合計と同じに設定することによって、上記実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。また、図4に示す例では、左側の側壁21にコイルスプリング30の左端を連結してコイルスプリング30を内管20に支持することによって、上記実施形態の支持部材33のような部材が不要になる。
上記実施形態では、内管20の内部にコイルスプリング30を配置したが、例えば、ゴムなどの他の弾性体を内管20の内部に配置する構成としてもよい。また、内管20の内部に配置する弾性体の数や位置などは、高燃圧時の脈動吸収特性に応じて適宜変更可能である。
上記実施形態では、本発明を自動車に搭載された4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、例えば、6気筒ガソリンエンジン等のような他の任意の気筒数のガソリンエンジンに適用可能である。なお、本発明のデリバリパイプを備える燃料噴射装置は、ポート噴射のタイプであってもよいし、筒内直噴のタイプであってもよい。
また、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関にも本発明を適用可能である。さらに、本発明を適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
1 デリバリパイプ
2 燃料噴射弁
10 外管
20 内管
21,22 左右の側壁
30 コイルスプリング
C1 燃料通路
L1、L2 間隔
2 燃料噴射弁
10 外管
20 内管
21,22 左右の側壁
30 コイルスプリング
C1 燃料通路
L1、L2 間隔
Claims (3)
- 複数の燃料噴射弁が取り付けられる外管と、上記外管の内側に設けられる中空の内管とを備え、上記外管と内管との間の燃料通路に供給された燃料を各燃料噴射弁に分配供給し、上記内管が変形することにより燃圧脈動を吸収するように構成されたデリバリパイプにおいて、
上記内管の内部には、上記内管の脈動吸収部分の変形方向と同じ方向に伸縮可能な弾性体が設けられ、
上記脈動吸収部分が変形していない元の状態では、上記脈動吸収部分と上記弾性体との間には間隔があいており、上記間隔が、上記脈動吸収部分の最大変形可能量よりも小さく設定されていることを特徴とするデリバリパイプ。 - 請求項1に記載のデリバリパイプにおいて、
上記弾性体は、コイルスプリングであることを特徴とするデリバリパイプ。 - 請求項1または請求項2に記載のデリバリパイプにおいて、
上記内管の断面形状がほぼ矩形に形成されており、対向する一対の壁が上記脈動吸収部分となっていることを特徴とするデリバリパイプ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012197732A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Denso Corp | パルセーションダンパおよびこれを備えた高圧ポンプ |
-
2008
- 2008-12-24 JP JP2008327680A patent/JP2010150950A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012197732A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Denso Corp | パルセーションダンパおよびこれを備えた高圧ポンプ |
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