JP2008095575A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008095575A
JP2008095575A JP2006276506A JP2006276506A JP2008095575A JP 2008095575 A JP2008095575 A JP 2008095575A JP 2006276506 A JP2006276506 A JP 2006276506A JP 2006276506 A JP2006276506 A JP 2006276506A JP 2008095575 A JP2008095575 A JP 2008095575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
delivery pipe
pressure
pulsation
fuel pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006276506A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kurata
尚季 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006276506A priority Critical patent/JP2008095575A/ja
Publication of JP2008095575A publication Critical patent/JP2008095575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】デリバリパイプの燃圧脈動を低燃圧時〜高燃圧時にわたって減衰可能な燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料供給装置10は、燃料タンク11から燃料を送り出すフィードポンプ12、フィードポンプ12により送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプ13、高圧燃料ポンプ13から吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプ16、デリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰させる脈動減衰用パイプ60を備える。脈動減衰用パイプ60は、長手方向に直交する面で切断した断面が「凹」字形状の中空部材であり、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さい底壁61と、底壁61の変形量を規制するための中央の上壁68と、底壁61の変形量が中央の上壁68によって規制されているとき、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さい左右一対の上壁64,65とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、詳細には、燃料供給装置に用いられるデリバリパイプ内の燃圧脈動を減衰させる技術に関する。
例えば、筒内直噴型の内燃機関(以下、エンジンともいう)のようにインジェクタへ供給する燃料に高い圧力が要求されるエンジンにおいては、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給するようにしている。具体的には、この種のエンジンにおける燃料供給装置の構成としては、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプ、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプを備えている。そして、この高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を、複数のインジェクタが接続されたデリバリパイプに吐出して貯溜するようにしている。これにより、インジェクタの開弁動作にともなって、デリバリパイプに貯溜されている高圧燃料が、その開弁されたインジェクタから燃焼室に向けて噴射されることになる。
上述のような燃料供給装置においては、高圧燃料ポンプによる燃料の吐出と、インジェクタによる燃料の噴射とが断続的に行われるため、デリバリパイプ内の燃料圧力が変動し、脈動が発生する。つまり、デリバリパイプ内の燃料圧力が不安定となり、その結果、インジェクタの1噴射当たりの燃料噴射量が変動し、エミッションやドライバビリティの悪化を招いたり、デリバリパイプおよび燃料供給配管に振動や異音を生じたりするという不具合がある。
従来では、デリバリパイプの内側に配置され、少なくとも1つの可撓性のダンピング面が設けられた筒状の減衰部材を用いて、デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させるようにした燃料供給装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これらの燃料供給装置では、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動に応じて筒状の減衰部材のダンピング面が弾性変形することで、デリバリパイプで発生する脈動を減衰させるようにしている。
特開2000−291508号公報 特開2000−320421号公報
ところで、高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することによりデリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能な可変燃圧制御の燃料供給装置では、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧〜高燃圧の広範囲にわたる可能性がある。また、エンジン始動時等には、フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧でデリバリパイプ内に燃料を導入することも行われており、この場合、デリバリパイプ内の燃料圧力が、フィード圧のような低燃圧〜高燃圧の広範囲にわたる可能性がある。
しかし、上述したような従来の燃料供給装置に用いられる筒状減衰部材は、デリバリパイプ内の燃料圧力が高燃圧の場合の燃圧脈動を減衰させるのに適したものとなっていたが、低燃圧の場合の燃圧脈動を減衰させるのに適したものとはなっていなかった。具体的には、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧である場合、高燃圧である場合に比べ、筒状減衰部材のダンピング面の変形量が少なくなり、その結果、低燃圧である場合、デリバリパイプで発生する燃圧脈動を減衰させにくくなっていた。
逆に、筒状減衰部材を低燃圧時における燃圧脈動を減衰させるのに適したものにしようとすると、高燃圧時には、筒状減衰部材のダンピング面が塑性変形する可能性があり、筒状減衰部材が破損してしまう等の問題点が発生する可能性がある。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、低燃圧時〜高燃圧時にわたって、デリバリパイプの燃圧脈動を減衰可能な燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、複数のインジェクタが接続され、前記高圧燃料ポンプを介して吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプとを備え、前記高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することにより前記デリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能に構成されており、前記デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させる脈動減衰手段が設けられた内燃機関の燃料供給装置において、前記脈動減衰手段は、前記デリバリパイプの燃料貯溜空間とは遮断された内部空間を有し、前記デリバリパイプ内の燃料圧力に応じて断面形状が変形するように構成されており、この脈動減衰手段には、前記デリバリパイプ内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第1の脈動減衰部分と、この第1の脈動減衰部分の変形量を規制してその塑性変形を防止する変形規制部分と、その第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されているときに前記デリバリパイプ内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第2の脈動減衰部分とがそれぞれ少なくとも1つずつ設けられていることを特徴としている。
このような脈動減衰手段としては、例えば、その長手方向に直交する面で切断した断面が、「凹」字形状の中空の部材が挙げられる。この場合、その「凹」字の底辺部分に設けられた底壁が第1の脈動減衰部分となり、その底壁と平行に設けられた一対の上壁が第2の脈動減衰部分となり、その底壁と平行に設けられ、前記一対の上壁間に設けられた中央の上壁が変形規制部分となる。
上記構成によれば、デリバリパイプ内に燃料が貯溜されると、このデリバリパイプ内の燃料圧力に応じて脈動減衰手段の断面形状が変形する。これにより、デリバリパイプの燃料貯溜空間の内容積が変化する。そして、脈動減衰手段においては、第1の脈動減衰部分が最初に変形し始める。第1の脈動減衰部分は、デリバリパイプ内の燃料圧力に応じて元の平らな状態から弓状に内側に窪むように変形する。このとき、脈動減衰手段の第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されていなければ、第1の脈動減衰部分は、デリバリパイプ内の燃料圧力と、第1の脈動減衰部分の元の平らな状態に戻ろうとする復元力とが釣り合う位置まで変形する。この釣り合いの状態からデリバリパイプ内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に第1の脈動減衰部分が変形する。これにより、デリバリパイプで所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、脈動減衰手段の第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されていない低燃圧時の脈動を減衰させることができる。
一方、脈動減衰手段の第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されている場合、脈動減衰手段の第2の脈動減衰部分がデリバリパイプ内の燃料圧力に応じて元の平らな状態から弓状に内側に窪むように変形する。このとき、脈動減衰手段の第2の脈動減衰部分は、デリバリパイプ内の燃料圧力と、第2の脈動減衰部分の元の平らな状態に戻ろうとする復元力とが釣り合う位置まで変形する。この釣り合いの状態からデリバリパイプ内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に第2の脈動減衰部分が変形する。これにより、デリバリパイプで所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、脈動減衰手段の第2の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されている高燃圧時の脈動を減衰させることができる。
以上より、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧の場合の脈動、および、高燃圧の場合の脈動をともに減衰させることができる。
そして、前記第1の脈動減衰部分の剛性を、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が前記フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧になるとき、その燃料圧力と当該第1の脈動減衰部分の復元力とが、第1の釣り合いの位置で釣り合うように設定することが可能である。これにより、第1の脈動減衰部分が第1の釣り合いの位置を中心に弾性変形することで、デリバリパイプで上記フィード圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。
また、前記第2の脈動減衰部分の剛性を、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が予め設定された目標燃圧になるとき、その燃料圧力と当該第2の脈動減衰部分の復元力とが、第2の釣り合いの位置で釣り合うように設定することが可能である。これにより、第2の脈動減衰部分が第2の釣り合いの位置を中心に弾性変形することで、デリバリパイプで上記目標燃圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。
本発明によれば、燃料供給装置のデリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧の場合の脈動、および、高燃圧の場合の脈動をともに減衰させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、自動車に搭載される筒内直噴型多気筒(例えば、4気筒)ガソリンエンジンに、本発明を適用した場合について説明する。
図1は、この実施形態における燃料供給装置10を模式的に示す図である。この図1に示すように、燃料供給装置10は、燃料タンク11から燃料を送り出すフィードポンプ12と、そのフィードポンプ12によって送り出された燃料を加圧して各気筒(4気筒)のインジェクタ(燃料噴射弁)17,17,・・・に向けて吐出する高圧燃料ポンプ13とを備えている。
高圧燃料ポンプ13は、シリンダ30、プランジャ31、加圧室32、および、電磁スピル弁33を備えている。プランジャ31は、エンジンの排気カムシャフト21に取り付けられた駆動カム22の回転によって駆動され、シリンダ30内を往復移動する。このプランジャ31の往復移動により加圧室32の容積が拡大または縮小する。
この実施形態では、排気カムシャフト21の回転軸回りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)22a,22aが駆動カム22に形成されている。そして、カムノーズ22a,22aによってプランジャ31が押し上げられて、このプランジャ31がシリンダ30内で移動するようになっている。なお、この実施形態に係るエンジンは4気筒型であるため、エンジンの1サイクル中、つまり、クランクシャフトが2回転する間に、気筒毎に設けられたインジェクタ17から各1回ずつ、合計4回の燃料噴射が行われるようになっている。また、このエンジンでは、クランクシャフトが2回転する度に排気カムシャフト21は1回転する。よって、インジェクタ17からの燃料噴射は4回ずつ、高圧燃料ポンプ13からの吐出動作は2回ずつ、エンジンの1サイクル毎に行われるようになっている。
加圧室32は、プランジャ31およびシリンダ30によって区画されている。この加圧室32は、低圧燃料配管14を介してフィードポンプ12に連通しており、また、高圧燃料配管15を介してデリバリパイプ16内に連通している。
デリバリパイプ16には、インジェクタ17,17,・・・が接続されているとともに、デリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ71が配設されている。また、デリバリパイプ16には、リリーフバルブ72を介してリターン配管73が接続されている。このリリーフバルブ72は、デリバリパイプ16内の燃料圧力が所定圧(例えば、15MPa)を超えたときに開弁する。この開弁により、デリバリパイプ16に蓄えられた燃料の一部がリターン配管73を介して燃料タンク11に戻されるようになっている。これにより、デリバリパイプ16内の燃料圧力の過上昇が防止される。そして、デリバリパイプ16には、このデリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰するための脈動減衰用パイプ60が設けられている。脈動減衰用パイプ60の構成、および、脈動減衰用パイプ60による脈動の減衰の詳細については後述する。
また、リターン配管73と高圧燃料ポンプ13とは、燃料排出配管18(図1では破線で示している)によって接続されており、プランジャ31とシリンダ30との間隙から漏出した燃料がシールユニット34の上部の燃料収容室35に蓄積され、その後、この燃料収容室35に接続された燃料排出配管18に戻されるようになっている。
低圧燃料配管14には、フィルタ41およびプレッシャレギュレータ42が設けられている。プレッシャレギュレータ42は、低圧燃料配管14内の燃料圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を超えたときに、低圧燃料配管14内の燃料を燃料タンク11に戻すことによって、この低圧燃料配管14内の燃料圧力を所定圧以下に維持している。また、低圧燃料配管14には、パルセーションダンパ43が備えられており、このパルセーションダンパ43によって高圧燃料ポンプ13の作動時における低圧燃料配管14内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。
高圧燃料配管15には、高圧燃料ポンプ13から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁51が設けられている。
このような燃料供給装置10においては、ECU100は、エンジン回転数、負荷率等に基づき、インジェクタ17から噴射される燃料の量を制御するのに用いられる最終燃料噴射量を算出している。そして、ECU100は、算出された最終燃料噴射量に基づいてインジェクタ17を駆動制御し、インジェクタ17から噴射される燃料の量を制御している。ここで、インジェクタ17から噴射される燃料の量(燃料噴射量)は、デリバリパイプ16内の燃料圧力と燃料噴射時間によって定まるため、燃料噴射量を適正にするには、デリバリパイプ16内の燃料圧力を適正な値に維持する必要がある。これを達成するために、ECU100は、燃圧センサ71の検出信号から求められるデリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)がエンジン運転状態に応じて設定される目標燃圧に近づくように、高圧燃料ポンプ13からの燃料吐出量をフィードバック制御してデリバリパイプ16内の燃料圧力を適正値に維持している。以下、これについて説明する。
高圧燃料ポンプ13には、低圧燃料配管14と加圧室32との間を連通または遮断するための電磁スピル弁33が設けられている。この電磁スピル弁33は、電磁ソレノイド33aを備えており、その電磁ソレノイド33aへの通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁33は、電磁ソレノイド33aへの通電が停止されているときには、コイルスプリング33bの弾性力によって開弁する。
まず、電磁ソレノイド33aに対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁33がコイルスプリング33bの弾性力によって開弁し、低圧燃料配管14と加圧室32とが連通した状態になる。この状態において、加圧室32の容積が増大する方向にプランジャ31が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ12から送り出された燃料が低圧燃料配管14を経て加圧室32内に吸入される。
一方、加圧室32の容積が収縮する方向にプランジャ31が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド33aへの通電により電磁スピル弁33がコイルスプリング33bの弾性力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管14と加圧室32との間が遮断され、加圧室32内の燃料が高圧燃料配管15を通じてデリバリパイプ16に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ13における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁33の閉弁期間を制御することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁33の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、逆に、電磁スピル弁33の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ16内の燃料圧力が制御される。こうして、デリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)が予め設定された目標燃圧に近づくように、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量をフィードバック制御することで、デリバリパイプ16内の燃料圧力を適正値に維持するようにしている。
なお、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量(電磁スピル弁33の閉弁開始時期)の調整は、ポンプデューティDTに基づいて行われるようになっている。ポンプデューティDTは、0〜100%という値の間で変化するものであって、電磁スピル弁33の閉弁期間に対応する排気カムシャフト21の駆動カム22のカム角度に関係した値となっている。具体的には、駆動カム22のカム角度に関して、図2に示すように、電磁スピル弁33の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)をθ0とし、その最大閉弁期間の目標燃圧に対応するカム角度(目標カム角度)をθとすると、ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0に対する目標カム角度θの割合(DT=θ/θ0)で表される。したがって、ポンプデューティDTは、目標とする電磁スピル弁33の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値となり、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値となる。
そして、ポンプデューティDTが100%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁33の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁33の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量が増加して実燃圧が上昇するようになる。逆に、ポンプデューティDTが0%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁33の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁33の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量が減少して実燃圧が低下するようになる。
このように、燃料供給装置10は、高圧燃料ポンプ13からの燃料吐出量を変更することによりデリバリパイプ16内の燃料圧力が変更可能な燃料供給装置として構成されている。そして、エンジン運転状態に応じて複数の目標燃圧(制御圧)が設定されている可変燃圧制御の燃料供給装置として構成されている。例えば、目標燃圧が、アイドリング時には4MPa、低回転時には6MPa、中回転時には10MPa、高回転時には12MPaのようにそれぞれ設定されている。また、エンジン始動時等には、フィードポンプ12によって燃料を送り出すフィード圧(例えば0.4MPa)で、つまり、高圧燃料ポンプ13による加圧を行わないで、デリバリパイプ16内に燃料が導入されるようになっている。したがって、燃料供給装置10では、デリバリパイプ16内の燃料圧力が、上記フィード圧程度の低燃圧から、上記高回転時の目標燃圧程度の高燃圧までの広範囲にわたることになる。
次に、燃料供給装置10のデリバリパイプ16に設けられる脈動減衰用パイプ60について、図1、図3〜図5を用いて詳しく説明する。脈動減衰用パイプ60は、デリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰するための脈動減衰手段として設けられる。
脈動減衰用パイプ60は、デリバリパイプ16の内側に設けられており、デリバリパイプ16の長手方向(以下、単に「長手方向」という。)に沿って配置されている。また、断面視(図3)で、脈動減衰用パイプ60は、デリバリパイプ16内のほぼ中央に配置されている。脈動減衰用パイプ60は、例えば、ステンレスからなり、長尺で中空の筒状に形成されている。そして、脈動減衰用パイプ60は、長手方向に沿って互いに平行に延びる平板状の8つの壁61〜68により構成されており、長手方向に直交する面で切断した断面が、「凹」字形状で、左右対称な形状になっている。
脈動減衰用パイプ60の8つの壁は、具体的には、「凹」字の底辺部分に水平に設けられた底壁61、この底壁61の両端から上方に向けて垂直に立ち上がった左右一対の外側壁62,63、左右の外側壁62,63の上端から内方に向けて底壁61と平行に設けられた左右一対の上壁64,65、左右の上壁64,65の内側端から下方に向けて外側壁62,63と平行に設けられた左右一対の内側壁66,67、左右の内側壁66,67の下端同士をつなぎ、底壁61と平行に設けられた中央の上壁68となっている。
脈動減衰用パイプ60の長手方向の両端部は、デリバリパイプ16の長手方向の両端部から外部へ突出されている。そして、脈動減衰用パイプ60の長手方向の両端部が、例えば、ろう付け等によってデリバリパイプ16の長手方向の両端部にシール性を確保した状態で固着されている。また、脈動減衰用パイプ60の長手方向の両端が外部(大気)に開放された開放端となっている。脈動減衰用パイプ60の内部空間は、デリバリパイプ16と脈動減衰用パイプ60との間の空間と遮断されている。なお、脈動減衰用パイプを長手方向の一端だけが開放された構成としてもよいし、長手方向の両端が密封された構成としてもよい。また、密封された閉塞端を有する場合、その閉塞端はデリバリパイプ16の端部から外部へ突出していなくてもよい。
デリバリパイプ16と脈動減衰用パイプ60との間の空間は、燃料が貯溜されるデリバリパイプ16の燃料貯溜空間となっている。一方、脈動減衰用パイプ60の内部空間は、その燃料貯溜空間には連通されていないため、燃料は貯溜されない。
脈動減衰用パイプ60の肉厚は、デリバリパイプ16の肉厚よりも薄くなっている。このため、脈動減衰用パイプ60の8つの壁61〜68が方向に変形しやすくなっている。そして、デリバリパイプ16内に燃料が貯溜されると、このデリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて脈動減衰用パイプ60の断面形状が元の「凹」字形状から変形する。これにより、デリバリパイプ16の燃料貯溜空間の内容積が変化する。
次に、脈動減衰用パイプ60の動作について説明する。
上述した脈動減衰用パイプ60の8つの壁のうち、底壁61が最も面積が大きくなっており、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さくなっている。このため、デリバリパイプ16内に燃料が貯溜されると、この底壁61が最初に変形し始める。底壁61は、デリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて元の平らな状態から弓状に内側に窪むように変形する。底壁61の変形量(底壁61の左右方向中央位置における内側への窪み量)は、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇するほど大きくなる。
そして、デリバリパイプ16内の燃料圧力が所定の燃圧に達すると、図5(b)に示すように、底壁61が中央の上壁68に突き当たって、デリバリパイプ16内の燃料圧力がさらに上昇しても、底壁61の内側へのそれ以上の変形量が規制されるようになる。このように、脈動減衰用パイプ60では、中央の上壁68が底壁61の変形規制部分となっている。この中央の上壁68で底壁61の変形量が規制されることで、高燃圧時においても底壁61の塑性変形が防止されるようになっている。
なお、脈動減衰用パイプ60の底壁61以外の壁も弓状に内側に窪むように変形するが、底壁61に比べて、面積が小さく、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が大きいため、その変形量は、底壁61に比べて小さくなる。したがって、底壁61が中央の上壁68に突き当たっていない場合、つまり、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記所定の燃圧以下の場合には、底壁61が主に変形することになる。このため、以下では、脈動減衰用パイプ60の底壁61が中央の上壁68に突き当たっていない場合、底壁61だけが内側に窪むこととして説明する。
デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記所定の燃圧以下の場合、底壁61は、このデリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて元の状態から変形する。このとき、底壁61は、図5(a)に示すように、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、底壁61の元の平らな状態に戻ろうとする復元力とが釣り合う位置(第1の釣り合いの位置)X1、図5(a)では底壁61の変形量がY1の位置まで変形する。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に底壁61が変形する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、底壁61が、この底壁61の復元力に抗して、上述の第1の釣り合いの位置X1から内側にさらに窪み、底壁61の変形量が大きくなる。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、底壁61が、この底壁61の復元力によって、上述の第1の釣り合いの位置X1から外側に膨らみ、底壁61の変形量が小さくなる。これにより、デリバリパイプ16の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、脈動減衰用パイプ60の底壁61が、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じて弾性変形するので、デリバリパイプ16で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、脈動減衰用パイプ60の底壁61が中央の上壁68に突き当たっていない(底壁61の変形量が中央の上壁68によって規制されていない)低燃圧時の脈動を減衰させることができる。このように、脈動減衰用パイプ60では、底壁61が低燃圧時の脈動減衰部分(第1の脈動減衰部分)となっている。この場合、脈動が減衰可能となるデリバリパイプ16の上記所定の燃料圧力は、底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性によって設定され、具体的には、脈動減衰用パイプ60の材質や肉厚、脈動減衰用パイプ60における壁部61〜68の面積比や位置関係等によって設定される。また、減衰可能な脈動の範囲は、底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性、底壁61の上記第1の釣り合いの位置X1からの変形可能量によって設定される。このため、脈動減衰用パイプ60における第1の釣り合いの位置X1は、中央の上壁68側や、その逆側(底壁61の元の位置側)に極端に偏っていないことが好ましい。例えば、第1の釣り合いの位置X1での釣り合いが、底壁61の元の状態からの変形量が最大変形可能量の1/2程度であるときに発生していれば、底壁61の第1の釣り合いの位置X1からの変形可能量を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
続いて、脈動減衰用パイプ60の底壁61が、図5(b)に示すように、中央の上壁68に突き当たった状態から、デリバリパイプ16内の燃料圧力がさらに上昇すると、次に、左右の上壁64,65が変形し始める。左右の上壁64,65は、脈動減衰用パイプ60の8つの壁のうち、面積が底壁61の次に大きくなっている。そして、底壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が、底壁61の変形量が中央の上壁68によって規制されているときに、最も小さくなっている。左右の上壁64,65は、デリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて元の平らな状態から弓状に内側に窪むように変形する。左右の上壁64,65の変形量(左右の上壁64,65の左右方向中央位置における内側への窪み量)は、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇するほど大きくなる。
なお、左右の上壁64,65の面積は等しくなっており、底壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性も等しくなっている。また、脈動減衰用パイプ60の左右の上壁64,65以外の壁も弓状に内側に窪むように変形するが(互いに突き当たっている底壁61,中央の上壁68を除く)、左右の上壁64,65に比べて、面積が小さく、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が大きいため、その変形量は、左右の上壁64,65に比べて小さくなる。したがって、底壁61が中央の上壁68に突き当たっている場合、つまり、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記所定の燃圧を超えた場合には、左右の上壁64,65が主に変形することになる。このため、以下では、脈動減衰用パイプ60の底壁61が中央の上壁68に突き当たっている場合、左右の上壁64,65だけが内側に窪むこととして説明する。
デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記所定の燃圧を超えた場合、左右の上壁64,65は、このデリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて元の状態から変形する。このとき、左右の上壁64,65は、図5(c)に示すように、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、左右の上壁64,65の元の平らな状態に戻ろうとする復元力とが釣り合う位置(第2の釣り合いの位置)X2,X3、図5(c)では左右の上壁64,65の変形量がY2,Y3の位置まで変形する。なお、この場合、左右の上壁64,65の変形量Y2,Y3が等しくなっている。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に左右の上壁64,65が変形する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、左右の上壁64,65が、この左右の上壁64,65の復元力に抗して、上述の第2の釣り合いの位置X2,X3から内側にさらに窪み、左右の上壁64,65の変形量が大きくなる。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、左右の上壁64,65が、この左右の上壁64,65の復元力によって、上述の第2の釣り合いの位置X2,X3から外側に膨らみ、左右の上壁64,65の変形量が小さくなる。これにより、デリバリパイプ16の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、脈動減衰用パイプ60の左右の上壁64,65が、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じて弾性変形するので、デリバリパイプ16で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、脈動減衰用パイプ60の底壁61が中央の上壁68に突き当たっている(底壁61の変形量が中央の上壁68によって規制されている)高燃圧時の脈動を減衰させることができる。このように、脈動減衰用パイプ60では、左右の上壁64,65が高燃圧時の脈動減衰部分(第2の脈動減衰部分)となっている。この場合、脈動が減衰可能となるデリバリパイプ16の上記所定の燃料圧力は、左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性によって設定され、具体的には、脈動減衰用パイプ60の材質や肉厚、脈動減衰用パイプ60における壁部61〜68の面積比や位置関係等によって設定される。また、減衰可能な脈動の範囲は、左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性、左右の上壁64,65の上記第2の釣り合いの位置X2,X3からの変形可能量によって設定される。このため、脈動減衰用パイプ60における第2の釣り合いの位置X2,X3は、底壁61側や、その逆側(左右の上壁64,65の元の位置側)に極端に偏っていないことが好ましい。例えば、第2の釣り合いの位置X2,X3での釣り合いが、左右の上壁64,65の元の状態からの変形量がその最大の弾性変形可能量の1/2程度であるときに発生していれば、左右の上壁64,65の第2の釣り合いの位置X2,X3からの変形可能量を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
したがって、この実施形態の脈動減衰パイプ60によれば、デリバリパイプ16内の燃料圧力が低燃圧の場合(底壁61が中央の上壁68に突き当たっていない場合)の脈動、および、高燃圧の場合(底壁61が中央の上壁68に突き当たっている場合)の脈動をともに減衰させることができる。言い換えれば、脈動減衰パイプ60は、デリバリパイプ16で低燃圧付近で発生する脈動の減衰と高燃圧付近で発生する脈動の減衰の双方に適したものになっている。
この実施形態では、上述したように、燃料供給装置10が可変燃圧制御の燃料供給装置として構成されているが、脈動減衰パイプ60の底壁61および左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性を適宜に設定することで、上記フィード圧(例えば0.4MPa)程度の低燃圧から上記高回転時の目標燃圧(例えば12MPa)程度の高燃圧までの広範囲にわたって、デリバリパイプ16の脈動を減衰させることができるようになる。
具体的には、脈動減衰パイプ60の底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が次のように設定されている。デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記フィード圧になるとき、その燃料圧力と、脈動減衰パイプ60の底壁61の復元力とが、例えば、上記第1の釣り合いの位置X1で釣り合うように、底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が設定されている。これにより、脈動減衰パイプ60の底壁61がその第1の釣り合いの位置X1を中心に弾性変形することで、デリバリパイプ16でフィード圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。ここで、燃料圧力の変化率が低燃圧時ほど大きく、フィード圧付近では最も大きくなり、燃圧脈動のインジェクタ17の燃料噴射量への影響も大きくなるが、上述のように、フィード圧付近で発生する燃圧脈動が効果的に減衰されるため、インジェクタ17の燃料噴射量への影響も抑制される。
また、脈動減衰パイプ60の左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が次のように設定されている。デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記複数の目標燃圧のうち最も高い高回転時の目標燃圧になるとき、その燃料圧力と、脈動減衰パイプ60の左右の上壁64,65の復元力とが、例えば、上記第2の釣り合いの位置X2,X3でそれぞれ釣り合うように、左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が設定されている。そして、左右の上壁64,65が上記高回転時の目標燃圧程度の高燃圧時に塑性変形しないように、左右の上壁64,65のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が設定されている。これにより、脈動減衰パイプ60の左右の上壁64,65がその第2の釣り合いの位置X2,X3を中心に弾性変形することで、デリバリパイプ16で上記高回転時の目標燃圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。この場合、上記高回転時の目標燃圧付近で発生する脈動だけでなく、高回転時の目標燃圧よりも低い上記アイドリング時、低・中回転時の目標燃圧付近で発生する脈動も減衰させることができる。なお、上記高回転時の目標燃圧程度の高燃圧時、底壁61の塑性変形は、中央の上壁68によって防止されるようになっている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。
上記実施形態では、脈動減衰手段としての脈動減衰パイプ60が、長手方向に直交する面で切断した断面が「凹」字形状の中空の部材となっている場合について説明したが、脈動減衰手段の構成はそれ以外であってもよい。脈動減衰手段は、デリバリパイプ16の燃料貯溜空間とは遮断された内部空間を有し、デリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて断面形状が変形するように構成され、さらに、デリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第1の脈動減衰部分と、この第1の脈動減衰部分の変形量を規制してその塑性変形を防止する変形規制部分と、その第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されているときにデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第2の脈動減衰部分とをそれぞれ少なくとも1つずつ備える構成であればよい。
例えば、図6に示すようなほぼ「L」字形状の内部空間を有する中空の部材とすることができる。図6に示す脈動減衰パイプ160は、長手方向に沿って互いに平行に延びる平板状の6つの壁161〜166により構成されている。
脈動減衰用パイプ160の6つの壁は、具体的には、「L」字の内部空間の底辺部分に水平に設けられた底壁161、この底壁161の両端から上方に向けて垂直に立ち上がった左右の外側壁162,163、左右の外側壁162,163の上端から内方に向けて底壁161と平行に設けられた左右段違いの上壁164,165、上方に設けられた左方の上壁164の内端(右端)と下方に設けられた右方の上壁165の内端(左端)とをつなぎ、外側壁162,163と平行に設けられた中央の側壁166となっている。
そして、脈動減衰パイプ160の底壁161がデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さい第1の脈動減衰部分となっており、右方の上壁165が底壁161の変形量を規制してその塑性変形を防止する変形規制部分となっており、左方の壁164が底壁161の変形量が右方の上壁165によって規制されているときにデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が最も小さい第2の脈動減衰部分となっている。
変形規制部分は、上記実施形態の場合と同様に、脈動減衰パイプの一部を利用したものであってもよいが、それ以外にも、脈動減衰パイプに一体的に設けられた別部材であってもよい。また、第1の脈動減衰部分および第2の脈動減衰部分のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性は、上記実施形態の場合と同様に、脈動減衰用パイプにおける各壁部の面積比や位置関係に応じて設定されるようにしてもよいが、それ以外にも、脈動減衰用パイプにおける各壁部の厚さを異ならせて設定するものであってもよい。
上記実施形態では、脈動減衰パイプ60の底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性が、上記フィード圧に対応させて設定されていたが、燃料供給装置が、エンジン始動時等に、上記フィード圧でデリバリパイプ16内に燃料を導入するようになっていない場合、底壁61のデリバリパイプ16内の燃料圧力に対する剛性を、複数の目標燃圧のうち最も低い目標燃圧(例えば、上記アイドリング時の目標燃圧)に対応させて設定する構成としてもよい。こうすると、複数の目標燃圧のうち最も低い目標燃圧程度の低燃圧から最も高い目標燃圧程度の高燃圧までの広範囲にわたって、デリバリパイプ16の脈動を減衰させることができるようになる。
また、上記実施形態では、排気カムシャフト21に取り付けられた駆動カム22の回転によって高圧燃料ポンプ13のプランジャ31が駆動される構成としたが、吸気カムシャフトに取り付けられた駆動カムの回転によってプランジャ31を駆動する構成としてもよい。
上記実施形態では、本発明を自動車に搭載された筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、例えば、筒内直噴型6気筒ガソリンエンジン等のような他の任意の気筒数のガソリンエンジンに適用可能である。また、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関にも本発明を適用可能である。さらには、本発明を適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
実施形態に係る燃料供給システムを模式的に示す図である。 高圧燃料ポンプの電磁スピル弁の開閉動作を説明するための図である。 デリバリパイプの内側に配置される脈動減衰用パイプを示す斜視図である。 脈動減衰用パイプの長手方向に直交する面で切断した断面を示す図である。 脈動減衰用パイプの動作を説明するための図である。 脈動減衰用パイプの変形例を示す図である。
符号の説明
10 燃料供給装置
11 燃料タンク
12 フィードポンプ
13 高圧燃料ポンプ
14 低圧燃料配管
15 高圧燃料配管
16 デリバリパイプ
17 インジェクタ
30 シリンダ
31 プランジャ
32 加圧室
33 電磁スピル弁
60 脈動減衰用パイプ
61 底壁
64,65,68 上壁
X1 第1の釣り合いの位置
X2,X3 第2の釣り合いの位置

Claims (4)

  1. 燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、複数のインジェクタが接続され、前記高圧燃料ポンプを介して吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプとを備え、
    前記高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することにより前記デリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能に構成されており、前記デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させる脈動減衰手段が設けられた内燃機関の燃料供給装置において、
    前記脈動減衰手段は、前記デリバリパイプの燃料貯溜空間とは遮断された内部空間を有し、前記デリバリパイプ内の燃料圧力に応じて断面形状が変形するように構成されており、この脈動減衰手段には、前記デリバリパイプ内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第1の脈動減衰部分と、この第1の脈動減衰部分の変形量を規制してその塑性変形を防止する変形規制部分と、その第1の脈動減衰部分の変形量が変形規制部分によって規制されているときに前記デリバリパイプ内の燃料圧力に対する剛性が最も小さく平らな第2の脈動減衰部分とがそれぞれ少なくとも1つずつ設けられていることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記第1の脈動減衰部分の剛性が、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が前記フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧になるとき、その燃料圧力と当該第1の脈動減衰部分の復元力とが、第1の釣り合いの位置で釣り合うように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記第2の脈動減衰部分の剛性が、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が予め設定された目標燃圧になるとき、その燃料圧力と当該第2の脈動減衰部分の復元力とが、第2の釣り合いの位置で釣り合うように設定されていることを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記脈動減衰手段が、その長手方向に直交する面で切断した断面が、「凹」字形状の中空の部材であり、
    その「凹」字の底辺部分に設けられた底壁が前記第1の脈動減衰部分となり、
    その底壁と平行に設けられた一対の上壁が前記第2の脈動減衰部分となり、
    その底壁と平行に設けられ、前記一対の上壁間に設けられた中央の上壁が前記変形規制部分となることを特徴とする請求項1、請求項2、または、請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置。
JP2006276506A 2006-10-10 2006-10-10 内燃機関の燃料供給装置 Pending JP2008095575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006276506A JP2008095575A (ja) 2006-10-10 2006-10-10 内燃機関の燃料供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006276506A JP2008095575A (ja) 2006-10-10 2006-10-10 内燃機関の燃料供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008095575A true JP2008095575A (ja) 2008-04-24

Family

ID=39378686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006276506A Pending JP2008095575A (ja) 2006-10-10 2006-10-10 内燃機関の燃料供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008095575A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157104A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 新日鐵住金ステンレス株式会社 ろう付け性に優れたフェライト系ステンレス鋼板、熱交換器、熱交換器用フェライト系ステンレス鋼板、フェライト系ステンレス鋼、燃料供給系部材用フェライト系ステンレス鋼、及び燃料供給系部品
JP2021173245A (ja) * 2020-04-28 2021-11-01 愛三工業株式会社 燃料供給装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157104A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 新日鐵住金ステンレス株式会社 ろう付け性に優れたフェライト系ステンレス鋼板、熱交換器、熱交換器用フェライト系ステンレス鋼板、フェライト系ステンレス鋼、燃料供給系部材用フェライト系ステンレス鋼、及び燃料供給系部品
KR20150110800A (ko) 2013-03-29 2015-10-02 닛폰 스틸 앤드 스미킨 스테인레스 스틸 코포레이션 브레이징성이 우수한 페라이트계 스테인리스 강판, 열 교환기, 열 교환기용 페라이트계 스테인리스 강판, 페라이트계 스테인리스강, 연료 공급계 부재용 페라이트계 스테인리스강 및 연료 공급계 부품
US10131977B2 (en) 2013-03-29 2018-11-20 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Ferritic stainless steel sheet having excellent brazability, heat exchanger, ferritic stainless steel sheet for heat exchangers, ferritic stainless steel, ferritic stainless steel for members of fuel supply systems, and member of fuel supply system
JP2021173245A (ja) * 2020-04-28 2021-11-01 愛三工業株式会社 燃料供給装置
JP7354052B2 (ja) 2020-04-28 2023-10-02 愛三工業株式会社 燃料供給装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4407731B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4297160B2 (ja) 内燃機関
US6209525B1 (en) Fuel supply system for direct injection gasoline engine
JP3885888B2 (ja) コモンレールシステム
JP2009052414A (ja) 燃料噴射制御装置
JP2006207451A (ja) 燃料ポンプ及びその燃料ポンプに備えられる吐出弁
JP4600399B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014190186A (ja) 燃料供給制御装置
US20160090955A1 (en) Fuel supply apparatus for internal combustion engine
US20140121943A1 (en) Control system and control method of gasoline direct injection engine
JP5482717B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2011231649A (ja) パルセーションダンパ
JP2008095575A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP5353831B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2009002262A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2007224785A (ja) 燃料供給装置
JP2009085165A (ja) 内燃機関の制御装置、及び圧力制御システム
JP2006046169A (ja) 内燃機関の燃料圧力制御装置
JP4552834B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2008095537A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2009103008A (ja) 燃料ポンプ
JP2011256726A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008014159A (ja) 内燃機関
CN108350819B (zh) 内燃机的控制装置
JP2009257451A (ja) ローラリフタ構造