JP2008095537A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デリバリパイプの燃圧脈動を低燃圧時〜高燃圧時にわたって減衰可能な燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料供給装置は、燃料タンク11から燃料を送り出すフィードポンプ12、フィードポンプ12により送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプ13、高圧燃料ポンプ13から吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプ16、デリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰させるアキュームレータ60を備えている。アキュームレータ60は、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動にともなって伸縮するベローズ63と、ベローズ63の伸張を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室64と、ベローズ63の伸張を抑制する方向に弾性力を付与するスプリング65とを備えている。ベローズ63が伸張していない状態では、スプリング65の一端と背圧室64の壁面との間には隙間が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、詳細には、燃料供給装置に用いられるデリバリパイプ内の燃圧脈動を減衰させる技術に関する。
例えば、筒内直噴型の内燃機関(以下、エンジンともいう)のようにインジェクタへ供給する燃料に高い圧力が要求されるエンジンにおいては、燃料タンクから送られてきた燃料を高圧燃料ポンプで加圧してインジェクタに向けて供給するようにしている。具体的には、この種のエンジンにおける燃料供給装置の構成としては、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプ、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプを備えている。そして、この高圧燃料ポンプによって加圧された燃料を、複数のインジェクタが接続されたデリバリパイプに吐出して貯溜するようにしている。これにより、インジェクタの開弁動作にともなって、デリバリパイプに貯溜されている高圧燃料が、その開弁されたインジェクタから燃焼室に向けて噴射されることになる。
上述のような燃料供給装置においては、高圧燃料ポンプによる燃料の吐出と、インジェクタによる燃料の噴射とが断続的に行われるため、デリバリパイプ内の燃料圧力が変動し、脈動が発生する。つまり、デリバリパイプ内の燃料圧力が不安定となり、その結果、インジェクタの1噴射当たりの燃料噴射量が変動し、エミッションやドライバビリティの悪化を招いたり、デリバリパイプおよび燃料供給配管に振動や異音を生じたりするという不具合がある。
従来では、金属製のベローズを備えたアキュームレータ(蓄圧器)を用いて、デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させるようにした燃料供給装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これらの燃料供給装置では、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動に応じて金属製のベローズが伸縮することによって、デリバリパイプの内容積が変化し、これにより、デリバリパイプで所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させるようにしている。
特開平9−303231号公報 特開平9−310661号公報
ところで、高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することによりデリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能な可変燃圧制御の燃料供給装置では、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧〜高燃圧の広範囲にわたる可能性がある。また、エンジン始動時等には、フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧で、つまり、高圧燃料ポンプによる加圧を行わない状態で、デリバリパイプ内に燃料を導入することも行われており、この場合、デリバリパイプ内の燃料圧力が、フィード圧程度の低燃圧〜高燃圧の広範囲にわたる可能性がある。
しかし、上述したような従来の燃料供給装置に用いられるアキュームレータは、デリバリパイプ内に貯溜される高圧燃料の脈動を考慮したものとなっていた。例えば、アキュームレータのスプリングにデリバリパイプ内の高燃圧料の燃料圧力に応じたばね定数のものを用いたり、アキュームレータの背圧室にデリバリパイプ内の高燃圧料の燃料圧力に応じた高圧のガスを封入するようにしていた。このため、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧である場合、高燃圧である場合に比べ、ベローズの伸縮量が少なくなり、デリバリパイプの内容積の変化量が少なくなっていた。その結果、低燃圧である場合、デリバリパイプで発生する燃圧脈動を減衰させにくくなっていた。このように、従来のアキュームレータは、高燃圧時における燃圧脈動を減衰させるのに適したものとなっていたが、低燃圧時における燃圧脈動を減衰させるのに適したものとはなっていなかった。
逆に、アキュームレータを低燃圧時における燃圧脈動を減衰させるのに適したものにしようとすると、例えば、高燃圧時にベローズに大きな応力がかかり、ベローズが破損してしまう等の問題点が発生する可能性がある。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、低燃圧時〜高燃圧時にわたって、デリバリパイプの燃圧脈動を減衰可能な燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、複数のインジェクタが接続され、前記高圧燃料ポンプを介して吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプとを備え、前記高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することにより前記デリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能に構成されており、前記デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させる脈動減衰手段が設けられた内燃機関の燃料供給装置において、前記脈動減衰手段は、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材と、この伸縮部材の伸張を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室と、この伸縮部材の伸張を抑制する方向に弾性力を付与するスプリングとを備え、前記スプリングは、互いに対向する前記伸縮部材の端面と前記背圧室の壁面との間に配置されており、前記伸縮部材が伸張していない状態では、このスプリングの一端と、前記伸縮部材の端面または前記背圧室の壁面との間には、隙間が設けられており、前記伸縮部材の伸張していない状態からの伸張量が前記隙間の大きさを超えると、そのスプリングの弾性力が伸張した伸縮部材に対し作用することを特徴としている。ここで、そのような伸縮部材としては、例えば、蛇腹形状に形成された金属製のベローズ等が挙げられる。
上記構成によれば、デリバリパイプ内の燃料圧力に応じて伸縮部材が伸張していない元の状態から伸張する。このとき、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさ以下であれば、伸張した伸縮部材に対し、その伸張を抑制する方向に伸縮部材自体の復元力と背圧室のガスの圧力とが作用する。一方、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさを超えていれば、その隙間の大きさを超えた分についてはスプリングが圧縮されることになる。このため、伸張した伸縮部材に対し、その伸張を抑制する方向に伸縮部材自体の復元力と背圧室のガスの圧力とに加え、スプリングの弾性力が作用する。
そして、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさ以下の場合、伸縮部材は、デリバリパイプ内の燃料圧力と、伸縮部材自体の復元力および背圧室のガスの圧力の和とが釣り合う位置まで伸張する。この釣り合いの状態からデリバリパイプ内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に伸縮部材が伸縮する。これにより、デリバリパイプで所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさ以下となる低燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。
これに対し、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさを超えている場合、伸縮部材は、デリバリパイプ内の燃料圧力と、伸縮部材自体の復元力、背圧室のガスの圧力、および、スプリングの弾性力の和とが釣り合う位置まで伸張する。この釣り合いの状態からデリバリパイプ内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向に伸縮部材が伸縮する。これにより、デリバリパイプで所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、伸縮部材の元の状態からの伸張量が上記隙間の大きさを超える高燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。
以上より、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧の場合の脈動、および、高燃圧の場合の脈動をともに減衰させることができる。
ここで、上記構成の脈動減衰手段に替えて、次のような構成の脈動減衰手段を採用することも可能である。すなわち、脈動減衰手段は、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材と、この伸縮部材の収縮を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室と、この伸縮部材の収縮を抑制する方向に弾性力を付与するスプリングとを備え、前記スプリングは、互いに対向する前記伸縮部材の端面と前記背圧室の壁面との間に配置されており、前記伸縮部材が収縮していない状態では、このスプリングの一端と、前記伸縮部材の端面または前記背圧室の壁面との間には、隙間が設けられており、前記伸縮部材の収縮していない状態からの収縮量が前記隙間の大きさを超えると、そのスプリングの弾性力が収縮した伸縮部材に対し作用するように構成されている。このような脈動減衰手段を備えた燃料供給装置においても、デリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧の場合の脈動、および、高燃圧の場合の脈動をともに減衰させることができる。
そして、前記背圧室のガスの圧力を、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が前記フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧になるとき、その燃料圧力と、前記脈動減衰手段の伸縮部材の復元力および当該背圧室のガスの圧力の和とが、第1の釣り合いの位置で釣り合うように設定することが可能である。
これにより、伸縮部材が第1の釣り合いの位置を中心に伸縮することで、デリバリパイプで上記フィード圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。なお、第1の釣り合いの位置での釣り合いが、伸縮部材の元の状態からの伸張量または収縮量が上記隙間の大きさの1/2付近であるときに発生していれば、伸縮部材の伸縮可能な距離を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
また、前記スプリングのばね定数を、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が予め設定された目標燃圧になるとき、その燃料圧力と、前記脈動減衰手段の伸縮部材の復元力、前記背圧室のガスの圧力、および、当該スプリングの弾性力の和とが、第2の釣り合いの位置で釣り合うように設定することが可能である。
これにより、伸縮部材が第2の釣り合いの位置を中心に伸縮することで、デリバリパイプで上記目標燃圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。なお、第2の釣り合いの位置での釣り合いが、スプリングの圧縮量がその最大圧縮量の1/2付近であるときに発生していれば、伸縮部材の伸縮可能な距離を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
本発明によれば、燃料供給装置のデリバリパイプ内の燃料圧力が低燃圧の場合の脈動、および、高燃圧の場合の脈動をともに減衰させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、自動車に搭載される筒内直噴型多気筒(例えば、4気筒)ガソリンエンジンに、本発明を適用した場合について説明する。
図1は、この実施形態における燃料供給装置10を模式的に示す図である。この図1に示すように、燃料供給装置10は、燃料タンク11から燃料を送り出すフィードポンプ12と、そのフィードポンプ12によって送り出された燃料を加圧して各気筒(4気筒)のインジェクタ(燃料噴射弁)17,17,・・・に向けて吐出する高圧燃料ポンプ13とを備えている。
高圧燃料ポンプ13は、シリンダ30、プランジャ31、加圧室32、および、電磁スピル弁33を備えている。プランジャ31は、エンジンの排気カムシャフト21に取り付けられた駆動カム22の回転によって駆動され、シリンダ30内を往復移動する。このプランジャ31の往復移動により加圧室32の容積が拡大または縮小する。
この実施形態では、排気カムシャフト21の回転軸回りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)22a,22aが駆動カム22に形成されている。そして、カムノーズ22a,22aによってプランジャ31が押し上げられて、このプランジャ31がシリンダ30内で移動するようになっている。なお、この実施形態に係るエンジンは4気筒型であるため、エンジンの1サイクル中、つまり、クランクシャフトが2回転する間に、気筒毎に設けられたインジェクタ17から各1回ずつ、合計4回の燃料噴射が行われるようになっている。また、このエンジンでは、クランクシャフトが2回転する度に排気カムシャフト21は1回転する。よって、インジェクタ17からの燃料噴射は4回ずつ、高圧燃料ポンプ13からの吐出動作は2回ずつ、エンジンの1サイクル毎に行われるようになっている。
加圧室32は、プランジャ31およびシリンダ30によって区画されている。この加圧室32は、低圧燃料配管14を介してフィードポンプ12に連通しており、また、高圧燃料配管15を介してデリバリパイプ16内に連通している。
デリバリパイプ16には、インジェクタ17,17,・・・が接続されているとともに、デリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ71が配設されている。また、デリバリパイプ16には、リリーフバルブ72を介してリターン配管73が接続されている。このリリーフバルブ72は、デリバリパイプ16内の燃料圧力が所定圧(例えば、15MPa)を超えたときに開弁する。この開弁により、デリバリパイプ16に蓄えられた燃料の一部がリターン配管73を介して燃料タンク11に戻されるようになっている。これにより、デリバリパイプ16内の燃料圧力の過上昇が防止される。そして、デリバリパイプ16には、このデリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰するためのアキュームレータ60が設けられている。アキュームレータ60は、デリバリパイプ16の一端側に設けられている。アキュームレータ60の構成、および、アキュームレータ60による脈動の減衰の詳細については後述する。
また、リターン配管73と高圧燃料ポンプ13とは、燃料排出配管18(図1では破線で示している)によって接続されており、プランジャ31とシリンダ30との間隙から漏出した燃料がシールユニット34の上部の燃料収容室35に蓄積され、その後、この燃料収容室35に接続された燃料排出配管18に戻されるようになっている。
低圧燃料配管14には、フィルタ41およびプレッシャレギュレータ42が設けられている。プレッシャレギュレータ42は、低圧燃料配管14内の燃料圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を超えたときに、低圧燃料配管14内の燃料を燃料タンク11に戻すことによって、この低圧燃料配管14内の燃料圧力を所定圧以下に維持している。また、低圧燃料配管14には、パルセーションダンパ43が備えられており、このパルセーションダンパ43によって高圧燃料ポンプ13の作動時における低圧燃料配管14内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。
高圧燃料配管15には、高圧燃料ポンプ13から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁51が設けられている。
このような燃料供給装置10においては、ECU100は、エンジン回転数、負荷率等に基づき、インジェクタ17から噴射される燃料の量を制御するのに用いられる最終燃料噴射量を算出している。そして、ECU100は、算出された最終燃料噴射量に基づいてインジェクタ17を駆動制御し、インジェクタ17から噴射される燃料の量を制御している。ここで、インジェクタ17から噴射される燃料の量(燃料噴射量)は、デリバリパイプ16内の燃料圧力と燃料噴射時間によって定まるため、燃料噴射量を適正にするには、デリバリパイプ16内の燃料圧力を適正な値に維持する必要がある。これを達成するために、ECU100は、燃圧センサ71の検出信号から求められるデリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)がエンジン運転状態に応じて設定される目標燃圧に近づくように、高圧燃料ポンプ13からの燃料吐出量をフィードバック制御してデリバリパイプ16内の燃料圧力を適正値に維持している。以下、これについて説明する。
高圧燃料ポンプ13には、低圧燃料配管14と加圧室32との間を連通または遮断するための電磁スピル弁33が設けられている。この電磁スピル弁33は、電磁ソレノイド33aを備えており、その電磁ソレノイド33aへの通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁33は、電磁ソレノイド33aへの通電が停止されているときには、コイルスプリング33bの弾性力によって開弁する。
まず、電磁ソレノイド33aに対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁33がコイルスプリング33bの弾性力によって開弁し、低圧燃料配管14と加圧室32とが連通した状態になる。この状態において、加圧室32の容積が増大する方向にプランジャ31が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ12から送り出された燃料が低圧燃料配管14を経て加圧室32内に吸入される。
一方、加圧室32の容積が収縮する方向にプランジャ31が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド33aへの通電により電磁スピル弁33がコイルスプリング33bの弾性力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管14と加圧室32との間が遮断され、加圧室32内の燃料が高圧燃料配管15を通じてデリバリパイプ16に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ13における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁33の閉弁期間を制御することによって行われる。すなわち、電磁スピル弁33の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、逆に、電磁スピル弁33の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量を調整することにより、デリバリパイプ16内の燃料圧力が制御される。こうして、デリバリパイプ16内の燃料圧力(実燃圧)が予め設定された目標燃圧に近づくように、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量をフィードバック制御することで、デリバリパイプ16内の燃料圧力を適正値に維持するようにしている。
なお、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量(電磁スピル弁33の閉弁開始時期)の調整は、ポンプデューティDTに基づいて行われるようになっている。ポンプデューティDTは、0〜100%という値の間で変化するものであって、電磁スピル弁33の閉弁期間に対応する排気カムシャフト21の駆動カム22のカム角度に関係した値となっている。具体的には、駆動カム22のカム角度に関して、図2に示すように、電磁スピル弁33の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)をθ0とし、その最大閉弁期間の目標燃圧に対応するカム角度(目標カム角度)をθとすると、ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0に対する目標カム角度θの割合(DT=θ/θ0)で表される。したがって、ポンプデューティDTは、目標とする電磁スピル弁33の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値となり、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値となる。
そして、ポンプデューティDTが100%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁33の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁33の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量が増加して実燃圧が上昇するようになる。逆に、ポンプデューティDTが0%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁33の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁33の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ13の燃料吐出量が減少して実燃圧が低下するようになる。
このように、燃料供給装置10は、高圧燃料ポンプ13からの燃料吐出量を変更することによりデリバリパイプ16内の燃料圧力が変更可能な燃料供給装置として構成されている。そして、エンジン運転状態に応じて複数の目標燃圧(制御圧)が設定されている可変燃圧制御の燃料供給装置として構成されている。例えば、目標燃圧が、アイドリング時には4MPa、低回転時には6MPa、中回転時には10MPa、高回転時には12MPaのようにそれぞれ設定されている。また、エンジン始動時等には、フィードポンプ12によって燃料を送り出すフィード圧(例えば0.4MPa)で、つまり、高圧燃料ポンプ13による加圧を行わないで、デリバリパイプ16内に燃料が導入されるようになっている。したがって、燃料供給装置10では、デリバリパイプ16内の燃料圧力が、上記フィード圧程度の低燃圧から、上記高回転時の目標燃圧程度の高燃圧までの広範囲にわたることになる。
次に、燃料供給装置10のデリバリパイプ16に設けられるアキュームレータ60について、図1、図3、図4を用いて詳しく説明する。アキュームレータ60は、デリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰するための脈動減衰手段として設けられる。
アキュームレータ60は、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材である金属製のベローズ63と、このベローズ63の伸張を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室64と、このベローズ63の伸張を抑制する方向に弾性力を付与するスプリング65とを備えて構成されている。
この実施形態では、ベローズ63は、ボディ61内に収容されており、ベローズ63内には、燃料が貯溜される。背圧室64は、ボディ61とベローズ63との間の空間であり、背圧室64内には、例えば、窒素、アルゴン等のガスが所定の圧力で封入されている。スプリング65は、背圧室64内に配置され、互いに対向するベローズの端面と背圧室の壁面との間に配置される。
ボディ61は、例えば、ステンレスからなり、一端が開口された有底円筒状に形成されている。このボディ61の開口側の一端部が溶接等によって連結部材62に接合されている。ここで、背圧室64内のガスが外部へ漏れないように両者が接合されている。また、ボディ61の底部には背圧室64内にガスを導入するガス導入口61aが設けられており、このガス導入口61aには栓61cが取り付けられている。連結部材62は、デリバリパイプ16の一端側に連結され、内部にデリバリパイプ16内に連通する燃料通路62aを有する中空の部材である。なお、連結部材62を介さずにボディ61を直接デリバリパイプ16に連結する構成としてもよい。
ベローズ63は、例えば、ステンレスからなり、ほぼ円筒状に形成されている。ベローズ63は、軸方向に沿って伸縮可能なように一端側から他端側へ向けて波打つような弾力性を有する蛇腹形状に形成されている。ベローズ63は、ボディ61と同一軸心上に配置されている。このベローズ63の一端部に端板63aが取り付けられている。この端板63aによりベローズ63の一端側が閉塞されて、ベローズ63内の燃料が背圧室64内に漏れないようになっている。また、ベローズ63の他端部が溶接等によって連結部材62に接合されている。ここで、ベローズ63内の燃料が背圧室64内に漏れないように両者が接合されている。なお、ベローズ63の他端部をボディ61の内壁に接合する構成としてもよい。
ベローズ63内部の空間は、連結部材62内の燃料通路62aを介してデリバリパイプ16内に連通されている。このため、ベローズ63内には燃料が貯溜される。そして、ベローズ63内の燃料圧力は、デリバリパイプ16内の燃料圧力と等しくなっている。ベローズ63は、ベローズ63内の燃料圧力、つまり、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動にともなって軸方向に沿って伸縮する。これにより、ベローズ63内の内容積が変化し、その結果、ベローズ内の空間および燃料通路内の空間を含めたデリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が変化する。
スプリング65の一端側は、ベローズ63の端板63aの外面63b(ベローズの端面)に連結されている。一方、スプリング65の他端側は、ボディ61の閉塞された他端側の底壁の内面61bには連結されていない。ベローズ63が伸張していない元の状態(燃料が貯溜されていない状態)では、スプリング65の他端側と、背圧室64の壁面を構成するボディ61の底壁の内面61bとの間に、大きさL1の隙間が設けられている。つまり、スプリング65の他端側からボディ61の底壁の内面61bまでの軸方向の距離がL1となっている。そして、ベローズ63が伸張するにしたがって、隙間が小さくなり、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1に達したとき、スプリング65の他端側がボディ61の底壁の内面61bに接する。したがって、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1以下では、スプリング65の弾性力はベローズ63に対し作用しない。ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1を超えると、スプリング65の弾性力がベローズ63の伸張を抑制する方向にベローズ63に対し作用するようになる。
上述のような構成のアキュームレータ60では、ベローズ63内に燃料が貯溜されると、このベローズ63内の燃料圧力に応じてベローズ63が元の状態から伸張する。このとき、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1以下であれば、伸張したベローズ63に対し、その伸張を抑制する方向にベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とが作用する。そして、ベローズ63は、図4(a)に示すように、このベローズ63内の燃料圧力、つまり、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、ベローズ63自体の伸張復元力および背圧室64のガスの圧力の和とが釣り合う位置(第1の釣り合いの位置)X1まで伸張する。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向にベローズ63が伸縮する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、ベローズ63が、このベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とに抗して、上述の第1の釣り合いの位置X1から伸張する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、ベローズ63が、このベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とによって、上述の第1の釣り合いの位置X1から収縮する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、アキュームレータ60では、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1以下の場合、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じてベローズ63が伸縮するので、デリバリパイプ16で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1以下となる低燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。この場合、脈動が減衰可能となるデリバリパイプ16の上記所定の燃料圧力は、背圧室64のガスの圧力に応じて設定される。また、減衰可能な脈動の範囲は、背圧室64のガスの圧力、第1の釣り合いの位置X1からのベローズ63の伸縮可能な距離によって設定される。このため、アキュームレータ60における第1の釣り合いの位置X1は、ボディ61の底壁の内面61b側やその逆側(連結部材62側)に極端に偏っていないことが好ましい。例えば、第1の釣り合いの位置X1での釣り合いが、ベローズ63の元の状態からの伸張量が(1/2)L1付近であるときに発生していれば、ベローズ63の伸縮可能な距離を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
一方、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1を超えていれば、そのL1を超えた分についてはスプリング65が圧縮されることになる。つまり、スプリング65の圧縮量は、(ベローズ63の伸張量−L1)となる。このため、伸張したベローズ63に対し、その伸張を抑制する方向にベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とに加え、スプリング65の弾性力が作用する。そして、ベローズ63は、図4(b)に示すように、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、ベローズ63自体の伸張復元力、背圧室64のガスの圧力、および、スプリング65の弾性力の和とが釣り合う位置(第2の釣り合いの位置)X2まで伸張する。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向にベローズ63が伸縮する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、ベローズ63が、このベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とスプリング65の弾性力とに抗して上述の第2の釣り合いの位置X2から伸張する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、ベローズ63が、このベローズ63自体の伸張復元力と背圧室64のガスの圧力とスプリング65の弾性力とによって上述の第2の釣り合いの位置X2から収縮する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、アキュームレータ60では、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1を超えている場合、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じてベローズ63が伸縮するので、デリバリパイプ16内で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1を超える高燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。この場合、脈動が減衰可能となるデリバリパイプ16の上記所定の燃料圧力は、背圧室64のガスの圧力およびスプリング65のばね定数に応じて設定される。また、減衰可能な脈動の範囲は、背圧室64のガスの圧力、スプリング65のばね定数、第2の釣り合いの位置X2からのベローズ63の伸縮可能な距離によって設定される。このため、アキュームレータ60における第2の釣り合いの位置X2は、ボディ61の底壁の内面61b側やその逆側(連結部材62側)に極端に偏っていないことが好ましい。例えば、第2の釣り合いの位置X2での釣り合いが、スプリング65の圧縮量がその最大圧縮量の1/2付近であるときに発生していれば、ベローズ63の伸縮可能な距離を大きく確保できるので、効率的な脈動の減衰が可能になり、好ましい。
したがって、この実施形態のアキュームレータ60によって、デリバリパイプ16内の燃料圧力が低燃圧の場合(ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1以下の場合)の脈動、および、高燃圧の場合(ベローズ63の元の状態からの伸張量がL1を超えている場合)の脈動をともに減衰させることができる。言い換えれば、アキュームレータ60は、デリバリパイプ16で低燃圧付近で発生する脈動の減衰と高燃圧付近で発生する脈動の減衰の双方に適したものになっている。
この実施形態では、上述したように、燃料供給装置10が可変燃圧制御の燃料供給装置として構成されているが、アキュームレータ60の背圧室64のガスの圧力およびスプリング65のばね定数を適宜に設定することで、上記フィード圧(例えば0.4MPa)程度の低燃圧から上記高回転時の目標燃圧(例えば12MPa)程度の高燃圧までの広範囲にわたって、デリバリパイプ16の脈動を減衰させることができるようになる。
具体的には、背圧室64のガスの圧力が次のように設定されている。デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記フィード圧になるとき、その燃料圧力と、アキュームレータ60のベローズ63の伸張復元力および背圧室64のガスの圧力の和とが、例えば、上記第1の釣り合いの位置X1で釣り合うように、背圧室64のガスの圧力が設定されている。これにより、アキュームレータ60のベローズ63がその第1の釣り合いの位置X1を中心に伸縮することで、デリバリパイプ16でフィード圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。ここで、燃料圧力の変化率が低燃圧時ほど大きく、フィード圧付近では最も大きくなり、燃圧脈動のインジェクタ17の燃料噴射量への影響も大きくなるが、上述のように、フィード圧付近で発生する燃圧脈動が効果的に減衰されるため、インジェクタ17の燃料噴射量への影響も抑制される。
また、スプリング65のばね定数が次のように設定されている。デリバリパイプ16内の燃料圧力が上記複数の目標燃圧のうち最も高い高回転時の目標燃圧になるとき、その燃料圧力と、アキュームレータ60のベローズ63の伸張復元力、背圧室64のガスの圧力、および、スプリング65の弾性力の和とが、例えば、上記第2の釣り合いの位置X2で釣り合うように、スプリング65のばね定数が設定されている。これにより、アキュームレータ60のベローズ63がその第2の釣り合いの位置X2を中心に伸縮することで、デリバリパイプ16で上記高回転時の目標燃圧付近で発生する脈動を減衰させることができるようになる。この場合、上記高回転時の目標燃圧付近で発生する脈動だけでなく、高回転時の目標燃圧よりも低い上記アイドリング時、低・中回転時の目標燃圧付近で発生する脈動も減衰させることができる。ただし、アイドリング時、低・中回転時の場合、高回転時の場合に比べて、ベローズ63の元の状態からの伸張量が小さくなり、第2の釣り合いの位置がX2よりも連結部材62側に位置するようになる。そのようなアイドリング時の目標燃圧付近で発生する脈動を確実に減衰させるには、ベローズ63が収縮するとき、スプリング65の他端側がボディ61の底壁の内面61bから離れないように、上記第2の釣り合いの位置X2を設定する必要がある。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。
上記実施形態では、アキュームレータ60において、ベローズ63が伸張していない状態では、スプリング65の一端側がベローズ63の端板63aの外面63bに連結されており、スプリング65の他端側と、背圧室64の壁面であるボディ61の底壁の内面61bとの間に、隙間が設けられている場合について説明したが、この場合とは逆に、図5に示すように、スプリング65の他端側がボディ61の底壁の内面61bに連結されており、スプリング65の一端側と、ベローズ63の端板63aの外面63bとの間に、隙間が設けられる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、アキュームレータ60において、ベローズ63内に燃料が貯溜され、ボディ61とベローズ63との間の空間が背圧室64になっている場合について説明したが、この場合とは逆に、図6、図7に示すように、ボディ161とベローズ163との間の空間に燃料が貯溜され、ベローズ163内の空間が背圧室164になっている構成としてもよい。この場合、上記実施形態とは逆に、ボディ161とベローズ163との間の空間に燃料が貯溜されると、デリバリパイプ16内の燃料圧力に応じて、ベローズ163が収縮していない元の状態から収縮することになる。
そして、図6に示すアキュームレータ160は、デリバリパイプ16の燃圧脈動を減衰するための脈動減衰手段として設けられており、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材である金属製のベローズ163と、このベローズ163の収縮を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室164と、このベローズ163の収縮を抑制する方向に弾性力を付与するスプリング165とを備えて構成されている。この図6に示すアキュームレータ160では、ベローズ163は、ボディ161内に収容されており、ボディ161とベローズ163との間の空間に燃料が貯溜される。背圧室164は、ベローズ163内の空間であり、この背圧室164内にスプリング165が配置されている。スプリング165の一端側は、ベローズ163の端板163aの内面163c(ベローズの端面)に連結されている。一方、スプリング165の他端側は、ボディ161の閉塞された他端側の底壁の内面161b(背圧室の壁面)には連結されていない。ベローズ163が収縮していない元の状態では、スプリング165の他端側と、ボディ161の底壁の内面161bとの間に、大きさL2の隙間が設けられている。
ここで、図6に示すアキュームレータ160では、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2以下であれば、収縮したベローズ163に対し、その収縮を抑制する方向にベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とが作用する。そして、ベローズ163は、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、ベローズ163自体の収縮復元力および背圧室164のガスの圧力の和とが釣り合う位置まで収縮する。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向にベローズ163が伸縮する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、ベローズ163が、このベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とに抗して、上述の釣り合いの位置から収縮する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、ベローズ163が、このベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とによって、上述の釣り合いの位置から伸張する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、アキュームレータ160では、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2以下の場合、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じてベローズ163が伸縮するので、デリバリパイプ16で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2以下となる低燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。
一方、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2を超えていれば、そのL2を超えた分についてはスプリング165が圧縮されることになる。つまり、スプリング165の圧縮量は、(ベローズ163の収縮量−L2)となる。このため、収縮したベローズ163に対し、その収縮を抑制する方向にベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とに加え、スプリング165の弾性力が作用する。そして、ベローズ163は、デリバリパイプ16内の燃料圧力と、ベローズ163自体の収縮復元力、背圧室164のガスの圧力、および、スプリング165の弾性力の和とが釣り合う位置まで収縮する。
この釣り合いの状態からデリバリパイプ16内の燃料圧力が変動すると、その燃料圧力の変動を抑制する方向にベローズ163が伸縮する。具体的には、デリバリパイプ16内の燃料圧力が上昇した場合、ベローズ163が、このベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とスプリング165の弾性力とに抗して上述の釣り合いの位置から収縮する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が増大して、燃料圧力の上昇が抑えられる。逆に、デリバリパイプ16内の燃料圧力が下降した場合、ベローズ163が、このベローズ163自体の収縮復元力と背圧室164のガスの圧力とスプリング165の弾性力とによって上述の釣り合いの位置から伸張する。これにより、デリバリパイプ16内の燃料貯溜空間の内容積が減少して、燃料圧力の下降が抑えられる。
このように、アキュームレータ160では、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2を超えている場合、デリバリパイプ16内の燃料圧力の変動に応じてベローズ163が伸縮するので、デリバリパイプ16内で所定の燃料圧力付近で発生する脈動を減衰させることができる。つまり、ベローズ163の元の状態からの収縮量がL2を超える高燃圧の場合の脈動を減衰させることができる。
そして、上記実施形態の場合と同様に、アキュームレータ160の背圧室164のガスの圧力およびスプリング165のばね定数を適宜に設定することで、上記フィード圧程度の低燃圧から上記複数の目標燃圧のうち最も高い高回転時の目標燃圧程度の高燃圧までの広範囲にわたって、デリバリパイプ16の脈動を減衰させることができるようになる。
また、図7に示すアキュームレータ160’では、図6に示すアキュームレータ160の場合とは逆に、スプリング165の他端側がボディ161の底壁に連結されており、スプリング165の一端側と、ベローズ163の1端板63aとの間に、隙間が設けられている。具体的には、ベローズ163の端板163aの内面163cが背圧室164の壁面になっており、ベローズ163が収縮していない状態で、この端板163aの内面163cにスプリング165の一端側が連結されていないようになっている。
上記実施形態では、アキュームレータ60の背圧室64のガスの圧力が上記フィード圧に対応させて設定されていたが、燃料供給装置が、エンジン始動時等に、上記フィード圧でデリバリパイプ16内に燃料を導入するようになっていない場合、アキュームレータの背圧室のガスの圧力を、複数の目標燃圧のうち最も低い目標燃圧(例えば、上記アイドリング時の目標燃圧)に対応させて設定する構成としてもよい。こうすると、複数の目標燃圧のうち最も低い目標燃圧程度の低燃圧から最も高い目標燃圧程度の高燃圧までの広範囲にわたって、デリバリパイプ16の脈動を減衰させることができるようになる。
上記実施形態では、アキュームレータ60がデリバリパイプ16の一端側に連結されていたが、アキュームレータの配置箇所はこれ以外であってもよい。例えば、デリバリパイプ16の他端側や中間部にアキュームレータを配置する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、排気カムシャフト21に取り付けられた駆動カム22の回転によって高圧燃料ポンプ13のプランジャ31が駆動される構成としたが、吸気カムシャフトに取り付けられた駆動カムの回転によってプランジャ31を駆動する構成としてもよい。
上記実施形態では、本発明を自動車に搭載された筒内直噴型4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、例えば、筒内直噴型6気筒ガソリンエンジン等のような他の任意の気筒数のガソリンエンジンに適用可能である。また、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン等の他の内燃機関にも本発明を適用可能である。さらには、本発明を適用可能なエンジンは、自動車用のエンジンに限るものでもない。
実施形態に係る燃料供給システムを模式的に示す図である。 高圧燃料ポンプの電磁スピル弁の開閉動作を説明するための図である。 アキュームレータの内部構造を示す断面図である。 デリバリパイプの低燃圧時および高燃圧時のアキュームレータの動作を説明するための図である。 アキュームレータの変形例1を示す断面図である。 アキュームレータの変形例2を示す断面図である。 アキュームレータの変形例3を示す断面図である。
符号の説明
10 燃料供給装置
11 燃料タンク
12 フィードポンプ
13 高圧燃料ポンプ
14 低圧燃料配管
15 高圧燃料配管
16 デリバリパイプ
17 インジェクタ
30 シリンダ
31 プランジャ
32 加圧室
33 電磁スピル弁
60 アキュームレータ
63 ベローズ
64 背圧室
65 スプリング
L1 隙間の大きさ
X1 第1の釣り合いの位置
X2 第2の釣り合いの位置

Claims (4)

  1. 燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、複数のインジェクタが接続され、前記高圧燃料ポンプを介して吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプとを備え、
    前記高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することにより前記デリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能に構成されており、前記デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させる脈動減衰手段が設けられた内燃機関の燃料供給装置において、
    前記脈動減衰手段は、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材と、この伸縮部材の伸張を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室と、この伸縮部材の伸張を抑制する方向に弾性力を付与するスプリングとを備え、
    前記スプリングは、互いに対向する前記伸縮部材の端面と前記背圧室の壁面との間に配置されており、
    前記伸縮部材が伸張していない状態では、このスプリングの一端と、前記伸縮部材の端面または前記背圧室の壁面との間には、隙間が設けられており、前記伸縮部材の伸張していない状態からの伸張量が前記隙間の大きさを超えると、そのスプリングの弾性力が伸張した伸縮部材に対し作用することを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 燃料タンクから燃料を送り出すフィードポンプと、このフィードポンプによって送り出された燃料を加圧する高圧燃料ポンプと、複数のインジェクタが接続され、前記高圧燃料ポンプを介して吐出される燃料を貯溜するデリバリパイプとを備え、
    前記高圧燃料ポンプからの燃料吐出量を変更することにより前記デリバリパイプ内の燃料圧力が変更可能に構成されており、前記デリバリパイプの燃圧脈動を減衰させる脈動減衰手段が設けられた内燃機関の燃料供給装置において、
    前記脈動減衰手段は、デリバリパイプ内の燃料圧力の変動にともなって伸縮する伸縮部材と、この伸縮部材の収縮を抑制する方向に圧力を付与するガスが封入される背圧室と、この伸縮部材の収縮を抑制する方向に弾性力を付与するスプリングとを備え、
    前記スプリングは、互いに対向する前記伸縮部材の端面と前記背圧室の壁面との間に配置されており、
    前記伸縮部材が収縮していない状態では、このスプリングの一端と、前記伸縮部材の端面または前記背圧室の壁面との間には、隙間が設けられており、前記伸縮部材の収縮していない状態からの収縮量が前記隙間の大きさを超えると、そのスプリングの弾性力が収縮した伸縮部材に対し作用することを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記背圧室のガスの圧力が、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が前記フィードポンプによって燃料を送り出すフィード圧になるとき、その燃料圧力と、前記脈動減衰手段の伸縮部材の復元力および当該背圧室のガスの圧力の和とが、第1の釣り合いの位置で釣り合うように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記スプリングのばね定数が、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が予め設定された目標燃圧になるとき、その燃料圧力と、前記脈動減衰手段の伸縮部材の復元力、前記背圧室のガスの圧力、および、当該スプリングの弾性力の和とが、第2の釣り合いの位置で釣り合うように設定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、または、請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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