JP2010150101A - 耐熱性黒色部材およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性黒色部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱部材として高温での揮発分が少なく、不純物の混入が少なく、機械部品としての寸法精度を確保出来、高温での半導体製造装置に好適な部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上、且つ波長1μmにおける放射率が80%以上のSiC−BN複合焼結体を用いる合成装置用耐熱性黒色部材。相対密度98%以上かつSiC粒子の最大粒子径が4.0μm以下であることが好ましい。SiCが60.0質量%以上83.5質量%以下、BNが15.0質量%以上35.0質量%以下、BCが0.5質量%以上2.0質量%以下、カーボンが1.0質量%以上4.0質量%以下の原料組成を2000〜2200℃、圧力15〜40MPaでホットプレス焼結する合成装置用耐熱性黒色部材の製造方法。
【選択図】 なし

Description


本発明は、高温で気相合成する半導体、例えばAlN層を含むGaN系材料やSiCを合成する際に必要な部材に関し、特に、ホットウォール及びその周辺に好適な部材に関するものである。
これまで非シリコン系の半導体材料としては、InPやGaAs等が実用化されてきたが、近年では、GaN系がLED等の発光素子材料等として、SiCが高温、高出力用の素子として注目されている。これらは、主に気相成長法で作られているが、InPやGaAsに比べると合成温度は高温である。例えば、GaN系では1000〜1200℃で、サファイアの基板上にエピタキシャル成長させることが多い。その際、緩衝層としてAlNを主成分とする層が形成された後、製膜する場合もある。AlN膜の形成は、より高温で行われ、1300〜1400℃に達する。SiC半導体の場合は、更に高温の1600〜1800℃が必要とされ、特に「種付け昇華法」と称するSiC単結晶の成長方法は、2000℃以上、これを更に改良して実用的に使用されている「改良Lely法」では、最高2400℃程度の高温が用いられている。
高温での合成にあたって、問題となるのが部品の材質である。不活性又は真空雰囲気では、黒鉛の使用が可能であるが、MOVPE(Metal Organized Vaper Phase Epitaxy)法では、アンモニアをプロセスガスとして有機金属ガスを使用する。また、塩化物を形成してこれらを反応させるHydride Vapor Phase Epitaxy(HVPE)法では塩酸ガスを用いる。この様な雰囲気下では、黒鉛の耐熱温度は合成温度より低いため、表面に耐食性のコーティング膜を形成して用いている。コーティングは、SiCの10μm程度の膜を用いられることが多いが、1300℃以上では、長時間の使用が難しく、1400℃以上では、TaC等特殊なコーティング膜が用いられる。コーティング膜の場合は、より厚くした方が耐食性は向上し、長時間の使用に耐えるようになるが、厚くするとカーボンとの熱膨張差等によって剥離し易くなり、機械部品として寸法精度が低下する問題もある。TaCのような特殊なコーティングはコスト、デリバリーに難点があってあまり普及していない。また、コーティングの場合、複雑形状では均一な厚さの膜を得るのが難しく、薄い部分やピンホールを生じ易いが、一部でもコーティングが不十分であるとその部分から腐食されて使用出来なくなる。
これらの問題に対して、耐熱、耐食性に優れたセラミックスを用いる試みは、以前から行われてきた。代表的な素材としては、石英ガラスが挙げられる。石英ガラスは、高純度、低熱膨張で比較的入手が容易であるため、非Si系に限らず、半導体製造装置に汎用的に用いられてきたが、数百時間以上の長時間では1100℃、数時間以下の短時間でも1200℃程度が使用温度の限界である。アルミナもセラミックス部品としては、広範な使用実績があるが、高温ではクリープ変形するため、部品としては、1000〜1100℃程度が使用温度の限界である。SiやAlN等の窒化物、SiCの様な炭化物は、もっと高温まで使用可能であるが、加工が難しい材料であるため、高精度、複雑形状の加工には不向きである。また、SiやAlNは、1500℃以上では分解蒸気圧が比較的高くなり、長時間の使用には耐えられない。BNは加工が容易で、耐熱性もSiやAlNより優れるが、摺動性を持つ柔らかい材料で、ダストフリーとは言い難く、他の部品との接触部から発塵して汚染源となる可能性がある。
上記の問題に対し、BNと酸化物や窒化物セラミックスの複合系素材を用いる技術が提案されている(特許文献1)。複合化によって高密度になると、ダストは抑制されるが、ここで用いられているSiやAlN、Al、CaO、SiO等はいずれもBNより耐熱性が低く、実施例の中でも1100℃で既に質量変化が始まっていることが示されている。
高温のMOVPEで製膜する場合、安定した均熱帯が得られるように、ホットウォールと称される被加熱部を作ってその内部で結晶成長させる方法が取られている。例えば、前述のようにSiCの結晶成長は高温で実施されており、ホットウォールの材質としては、少なくとも1700℃で長時間使用しても、質量変化が殆どなく、且つダストフリーであると共に、精密機械部品として適用出来るように加工性が良好であることが必要である。当然、ヒーターやその周辺では、更に高い耐熱性を持つ材料であることが望まれる。
高温を必要とする結晶成長部やその周辺の部材で重要なもう一つの特性は、高い放射率を有することである。放射率は、黒体に比した値で評価され、0〜1(0〜100%)の値を取り、表面粗度の影響も受けるが、黒っぽい色ほど高い値を示す。BNやその複合系の材料は通常、白っぽい色を呈し、放射率は低い。これらを部材に用いると、より高いヒーター出力が必要となって負荷が大きくなり、温度分布も生じ易い。1400℃以上の炉内では、熱伝導より熱輻射の影響が大きく、放射率の低い材料は遮熱材の役割を果たしてしまうためである。
特開2001−44128号公報
本発明の目的は、高温での半導体製造装置に好適な部材およびその製造方法を提供することである。すなわち、不純物の混入が少なく、機械部品としての寸法精度を確保出来、かつ放射率が高い耐熱部材である。
本発明は、1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上、且つ波長1μmにおける放射率が80%以上のSiC−BN複合焼結体を用いることを特徴とする合成装置用耐熱性黒色部材である。SiC−BN複合焼結体の相対密度98%以上かつSiC粒子の最大粒子径が4.0μm以下であることが好ましい。本願を達成するための手段として、SiCが60.0質量%以上83.5質量%以下、BNが15.0質量%以上35.0質量%以下、BCが0.5質量%以上2.0質量%以下、カーボンが1.0質量%以上4.0質量%以下の原料組成を2000〜2200℃、圧力15〜40MPaでホットプレス焼結するものである。ホウ酸とシリカの混合物を含む出発物質から還元法によってBN粉およびSiC粉を作製する工程を経由することが好ましい。
本発明におけるSiC−BNを主成分とする複合焼結体は、以下の実施態様を有していることが好ましい。
(1)相対密度98%以上であること。
(2)SiCの最大粒子径が4.0μm以下
本発明によれば、十分な耐熱性・耐摩耗性・加工性を有すると共に放射率が高いことより、高温での半導体合成装置用に好適な耐熱性黒色部材を得ることが出来る。
本発明の耐熱性黒色部材は、SiC−BN系複合体である。従来の技術と根本的に異なるのは、使用温度、即ち1700℃、窒素ガス中で12時間加熱した後の減量が0.1%以下である点である。そのためには、不可避的な混入を除いて、焼結助剤を含む酸化物系の添加物を含まないことが重要で、1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上のSiC−BN複合焼結体である。BNは代表的な難焼結性材料であるため、通常、HP(熱間加圧焼成)やHIP(熱間等方圧加圧焼成)など特殊な方法を用い、更には焼結助剤を添加して焼成する。本発明においては、焼結助剤は特定量のBCとカーボンを用いる。
BNの助剤としては、酸化ホウ素や酸化カルシウム、アルミナ、シリカなど、SiCの助剤としては、イットリアをはじめとした希土類酸化物やアルミナ、シリカ、ベリリアなどがよく知られている。しかしながら、これらの酸化物は、いずれも高温で徐々に揮発する。本発明に於いては、1700℃、窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上でなければならないため、これらの酸化物は基本的に含まれない。但し、SiCとBNを原料として用いた場合に不可避的に混入する不純物はこの限りではない。例えば、非酸化物粉末は、不可避的に酸素を含有し、混合等のハンドリング操作によって増加してしまうが、0.7質量%以下であれば、十分に焼成して緻密化させることによって、1700℃、窒素ガス中で12時間加熱した際のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上となる。
本発明において、SiC−BN系複合焼結体に限るのは、他の材料では十分な特性が得られないからである。酸化物は前述の助剤成分と同様に揮発分となる。他の利用可能な非窒化物に於いても、SiCより熱的に安定なものを得ることは難しい。例えばSiは一般的には1600℃程度の耐熱性を持つとされているが、SiとNの分解蒸気圧が比較的大きいため1700℃、窒素ガス中で12時間加熱した際の減量が0.1質量%以下にはならない。また、BCのような炭化物は、窒素ガス中で徐々に窒化反応を生じるため、質量減少ではなく質量増加となるが、同様に不適当である。本願発明においては、BCとカーボンを焼結助剤として用いるが、高温で焼結した後、これらは、BCやカーボンとしては存在していない。TiBのようなホウ化物も窒化反応が生じるため好ましくない。TiBは、表面からTiNが形成される。
本願発明における部材は、波長1μmにおける放射率が80%以上でなければならない。前述のように放射率は黒体に比べた0〜100%の値をとり、0に近いほど反射率が高くなって、ヒーターからの熱を吸収し難くなり、ヒーターや合成部分、その周囲のホットウォール部などでは、温度分布が生じ易くなる。同時にヒーターは高出力を要するようになる。通常、セラミックスの放射率は波長によって異なるが、加熱の際に重要なのは、赤外線領域の波長で、低温では遠赤外域、高温では、近赤外域の放射率が高い程、前述のような問題が生じなくなる。本願発明の部材は高温で使用するため、波長1μmにおける放射率を80%以上とする。放射率は面粗度の影響も受けるが、材料そのものの影響が最も大きく、80%以上であれば差し支えない。放射率90%以上は更に好ましい。BNは本来、白色の材料であり、複合系にしても放射率は低く、単味系では10%以下の値を取り、複合系でもBNを35%以上含む場合は60%以下の値を取ることが多い。これに対し、SiCは放射率の高い材料であり、これを多量に含むと放射率は高くなる。BN−SiCの複合系では、緻密な焼結体の場合、SiC60.0質量%以上であれば、80%以上の放射率となる。
本願発明では、前述の部材を得るために、以下の製造方法を提案する。即ち、先ず焼結原料として、SiCが60.0質量%以上83.5質量%以下、BNが15.0質量%以上35.0質量%以下の組成を選び、残部は焼結助剤としてBCが0.5質量%以上2.0質量%以下、カーボンが1.0質量%以上4.0質量%以下とする。SiC60.0質量%未満では、BNが多過ぎて、放射率が低く、低強度、低硬度のため、使用時にダストを発生しやすい等の問題を生じる可能性がある。83.5質量%超では、BNが少な過ぎるため、加工性が著しく低下してしまう恐れがある。焼結助剤として用いるBCは、0.5質量%未満では効果が十分ではなく、4.0質量%以上ではBCが残留する恐れがある。カーボンも同様に1.0質量%未満では、緻密化の効果が十分ではなく、4.0質量%超では、残留炭素が多くなって、緻密化が阻害される恐れがある。
カーボン及びBCは、助剤として分散混合して用いるため、微粉であることが好ましく、具体的に例示すれば、最大粒子径は少なくとも20μm以下、好ましくは10μm以下である。この条件を満たす市販のBC粉は平均径2.0μm以下、比表面積10m/g以上の微粉グレードである。また、カーボンは、各種の微粉グレードが市販されているが、アセチレンブラックのようなナノ粒子は嵩高いため、十分均一な混合状態を造ることに留意すべきである。尚、カーボンは、焼結時に助剤として作用すれば、黒鉛以外の形態で添加することも可能で、例えば、出発原料としてフェノール樹脂で添加してもよい。カーボン及びBCは、SiCの焼結助剤としては公知であり、SiCの固相焼結を促進する。前述のように、BCは高温の窒素ガス中では、窒化してBNへ変わり、カーボンはSiCに固溶すると共に、BNやSiCが持つ酸素分を還元してCOガスとして揮発する。従って、緻密な焼結体が形成されたときに、SiCとBN以外の成分はなくなる。本発明では、前述の助剤組成を採用することで、1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上となる。
本願発明においては、耐熱性の指標として、1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上と定めている。これは緻密なSiCやBNは1700℃では分解蒸気圧を殆ど持たないため、12時間加熱後の質量変化が0.1質量%以下であることに基づいている。形状、表面荒さ等の影響もある程度受けるため、
上記の定量的数値限定を行う際には、以下の如く試験条件を定める。
形状:50mmφ×3mmT
表面粗さ:Ra=0.6〜0.9μm
窒素ガス流速:150〜200mm/min
(200mmφ環状炉で、0.71〜0.94NL/min)
分圧:≦10−3Pa
Si、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上であることについては、金属不純物100ppm以下の高純度出発原料を用いた場合、BNとSiC以外の成分は、基本的に酸素及びフリーカーボンである。従って、これらの合計が0.1質量%未満であれば、Si、C、B、Nの合計含有量99.9質量%以上とする。酸素は市販のO/N分析機で、0.01質量%程度まで比較的精密に測定でき、フリーカーボンは、空気中600℃程度の強熱減量から簡便に測定出来る。
次いで、本願発明に於いては、前記組成の混合原料を2000〜2200℃、圧力15〜40MPaでホットプレス焼結する。BNもSiCも非常に焼結し難い物質であるため、高温、高圧での焼成の方が緻密な焼結体を得られ易いが、焼成温度2200℃超では粒成長して強度低下する、SiCとカーボン治具が反応する等の問題が生じる。また、設備への負荷が大きくなって、大型の部品をつくるのが困難になり、コストアップする。焼成温度2000℃、圧力15MPa未満では、相対密度98%以上の焼結体を得るのが困難である。圧力40MPa以上では、大型の装置と焼成治具が必要となるため、コストアップする。好ましい圧力は20〜30MPaである。尚、焼成中に保持時間が長くなるに従って密度は上昇し、密度がほぼ飽和するまでを焼成時間とするが、通常、直径200mmで3〜6時間程度、直径300mmで4〜8hrs程度である。
次に本願の好ましい実施態様として以下を挙げる。即ち、
(1)相対密度98%以上であること。
(2)SiCの最大粒子径が4.0μm以下である。これらによって、BNとSiCが、微細で均質かつ緻密な焼結体を形成する。SiCは60.0質量%以上を占め、焼結体のマトリクスを形成する成分であるので、先ず、SiC粒子が微細でなければならない。この場合、強度や耐熱性は、弱い部分、即ち粗大な粒子によって支配されるので、最大粒子径が重要である。(2)に示す4.0μmを超える粒子が存在すると、強度や耐熱性が低下し易くなる。好ましくは3.0μm以下である。一方、BNとSiCは、そのままでは密着し難い材料であり、微細で均質な構造でなければ、緻密な、即ち相対密度の高い焼結体は得られ難い。相対密度98%以上の焼結体は、開気孔は消滅し、粒子間隙も殆どない状態でなければ達成できない。従って、(1)に示す相対密度98%以上を達成するためには、BN粒子とSiC粒子の界面が密着し、或いはSiC粒子の中にBN粒子が取り込まれた微構造を持っていなければ達成できない。即ち、(1)、(2)の実施態様によって、本願発明のBN−SiC複合体が達成され、半導体高温合成装置用耐熱性黒色部材が得られる。
(1)相対密度は、密度の絶対値の理論値に対する比率である。理論値は各成分の理論密度の加重平均で求められる。密度の絶対値は、測定容易な形状に加工して体積と重量を求め、体積を密度で割って求める簡易的な方法もあるが、JIS R 2250に準拠して、試片を空気中と水中に浸かっている状態で秤量し、空気中の質量を浮力(体積に相当)で除することにより求められる(アルキメデス法)。(2)SiCの最大粒子径は、破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで求められる。破断面は、粗大粒子が存在する確率が高い面で、十分多数の粒子から最大粒子をカウントする。具体的には、4.0μm以下でも粒径が十分確認できるような倍率(2000から10000倍)を選び、1000ケの粒子を測定して、その中の最大のものを最大粒子径とする。粒子径の測定方法には各種の方法が提案されているが、本願発明では、インタセプト法を取る。直径法とも言い、SEM写真上で各粒子の同一方向における最大長さを測る方法である。比較的簡便で、本願発明のように異方性が殆ど出ない粒子の場合は、分布を正確に測定することが出来る。
高密度の焼結体を得るためには、高温、長時間、高圧力などの厳しい焼成条件が必要となり、コストアップの原因となる。また、高温、長時間、高圧での焼成条件は、粒成長を促進して、均一、微細な微構造が取れなくなってしまうことがあるので、以下に述べる方法が好ましい。即ち、ナノコンポジットと呼ばれる複合材においては、前述の(1)、(2)の条件を満たすSiC−BN複合焼結体が比較的容易に得られる。これは、既に公知の技術であって、以下に文献の例を挙げることが出来る。

文献1 Takafumi KUSUNOSE,Journal of Ceramic Society of Japan 114[2]167−173(2006)
文献2 楠瀬尚史、坂柳伸彰、関野徹、セラミックス基礎科学討論会講演要旨集vol.45、pp502−503 (2007)

特に好ましい実施態様は、ホウ酸とシリカの混合物を含む出発物質から、還元法によってBNおよびSiC粉を作製する工程を経由することである。具体的にはシリカのマイクロビーズとホウ酸ガラスとカーボン粉末を混合後、窒素ガス中で加熱してホウケイ酸ガラスを生成し、更に1650℃まで加熱してナノ複合粉を得る方法である。これをホットプレス焼結して得られたナノコンポジット焼結体は、精密加工が容易で、緻密かつ高強度の黒色焼結体が得られ、半導体製造装置用耐熱黒色部材には好適である。
以下実施例により、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。先ず原料粉末は以下の方法で調整した。ホウ酸(試薬)と市販のシリカビーズ(純度99質量%以上、平均粒径0.3μm)及び市販のカーボン粉末(比表面積70m/g、平均粒径0.03μm)、BC粉末(比表面積15m/g、平均径0.8μm)を所定の比率で加え、特級エタノール試薬を溶媒としてアルミナ製のボールを混合媒体とするボールミルで12hrs混合し、濾過、真空乾燥した。次に窒素ガス雰囲気下の1650℃で加熱後冷却して取り出し、SiC−BNナノ複合粉末とした。一部の原料は、市販の六方晶窒化ホウ素粉末A(比表面積35m/g、平均粒径4.0μm)及び市販のSiC粉末(純度99質量%以上、平均粒径1.5μm)を、表1に示す所定の割合に混合した。比較例の原料も同様に作製し、組成は表1に示す。尚、Y、Alは市販の高純度微粉グレードを使用した。
次に各原料を内径100mmの黒鉛製のダイスにセットしてHP焼結した。焼結条件も表1に示す。現行材の比較例として、市販のSiCコーティングカーボンも採用した。焼結体は取り出した後、外形を約1mm研削し、水中重量を測定してアルキメデス法で密度を算出した。次に2cmW×4cmL×0.2cmTのサンプルに加工して、以下の方法で加工性を調べた。即ち、マシニングセンターで直径100μmのマイクロエンドミルの穴加工を乾式で行った。穴センターで150μmピッチ(穴−穴の隔壁設定値50μm)の穴を連続30穴開けて、表面の最大穴径と裏面のセンター位置の最大ズレを、CNC光学測定器を用いて測定した。加工条件は、回転数10000rpm、加工速度5mm/min.である。また、同じ形状のサンプルを窒素ガス中、1700℃、12hrs加熱して前後の質量変化から耐熱性を求めた。また、赤外分光放射率測定装置で0.5〜10μmの波長範囲で放射率を測定し、波長1μmの放射率を求めた。測定に使用したのはバイオ・ラッド社のFTS6000でフーリエ変換赤外吸収方式により測定した。更に破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で微構造観察した。各々2000倍または5000倍で1000ケのSiC粒子を観察し、SEM写真上で各粒子の同一方向における最大長さを測り、その中の最大値を求めた。
最後に、加熱処理後のB、N、Si以外の不純物を分析した。酸素(O)はLECO社の酸素窒素同時分析計を用い、それ以外は加圧・加熱酸分解法で得られた溶液の化学分析による。Cは、空気中、600℃、1hrの加熱後の質量減から測定した。結果を表2に示す。不純物は、B、N、Si以外で100ppm以上の元素を示す。
Figure 2010150101
Figure 2010150101
表2から明らかなように、本発明の実施例では、いずれも窒素ガス中、1700℃、12hrsの加熱処理後は不純物が少なく、B、N、Si以外の不純物は0.1質量%未満であり、いずれも高温での減量は0.1質量%未満であった。加工性も良好であったのでサセプタのような精密加工部品に好適であった。これに対して比較例ではいずれにも先ず耐熱性に劣り、BNの添加量が少ない比較例2やY−Al系助剤を用いた比較例3、焼成温度が高温過ぎる比較例9、更には現行品のSiCコーティング黒鉛の比較例12では、エンドミルが折れ、著しく加工性に劣ることが判った。また、比較例1、4、5、6、7、10、11も精密加工には不向きであった。更に、比較例1、2、4、5、6、7、8、10、11は波長1μmの放射率が80%未満で、半導体の高温合成装置の耐熱部材には不適当と言わざるを得ない。
本発明によって得られた半導体の合成装置用耐熱性黒色部材は、コーティング等によらず安定的に使用することができるため、熱履歴を気にせずに昇降温速度が決定でき、バッチ毎のピンホールやマイクロクラックのチェックも不要である。1700℃での加熱処理に耐えられ、サセプタやファイアフォール、ヒーター及びその周辺に用いられる部材に適用出来る。更にはSiCに比べて比較的容易に機械加工出来るため、精密部品への適用が可能となる。これによって冷却、断熱機構や部品が省略できるようになり、非常に効率的に設備運用が可能となる。

Claims (4)

  1. 1700℃の窒素ガス中で12時間加熱した後のSi、C、B、Nの合計含有量が99.9質量%以上、且つ波長1μmにおける放射率が80%以上のSiC−BN複合焼結体を用いることを特徴とする合成装置用耐熱性黒色部材。
  2. 相対密度98%以上かつSiC粒子の最大粒子径が4.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の合成装置用耐熱性黒色部材。
  3. SiCが60.0質量%以上83.5質量%以下、BNが15.0質量%以上35.0質量%以下、BCが0.5質量%以上2.0質量%以下、カーボンが1.0質量%以上4.0質量%以下の原料組成を2000〜2200℃、圧力15〜40MPaでホットプレス焼結することを特徴とする請求項1又は2に記載の合成装置用耐熱性黒色部材の製造方法。
  4. ホウ酸とシリカの混合物を含む出発物質から還元法によってBN粉およびSiC粉を作製する工程を経由することを特徴とする請求項3に記載の合成装置用耐熱性黒色部材の製造方法。
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