JP2010149514A - 印刷版胴及びオフセット印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷条件(印刷状況)に応じて要求される様々な特性を満たすことが可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフセット印刷装置を提供する。
【解決手段】軸線Lに沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴40であって、印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔51を有するコア部材50と、このコア部材50の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材60と、を備え、コア部材50とスリーブ部材60とが異なる材質で構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】軸線Lに沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴40であって、印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔51を有するコア部材50と、このコア部材50の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材60と、を備え、コア部材50とスリーブ部材60とが異なる材質で構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、印刷装置の回転シャフトに支持されるとともに円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着されて使用される印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフセット印刷装置に関するものである。
一般に、清涼飲料水等の容器として使用される2ピース缶は、缶蓋と円筒体の缶胴とからなり、缶胴は、DI(深絞り、しごき)加工及び洗浄がなされた後、その外面に印刷が施される。缶胴のような円筒物を印刷する際には、例えば特許文献1に示すような、オフセット印刷を用いたオフセット印刷装置が使用されている。
このようなオフセット印刷装置は、略円柱状又は略円筒状をなしその円筒面に凸版等からなる印刷版を備えた複数の印刷版胴と、これら印刷版胴に同期して回転し外周面にゴム製のブランケットを配設したブランケット胴とを備えており、これら印刷版胴の印刷版とブランケット胴のブランケットとが接触するようになっている。そして、印刷版胴の印刷版にインキが塗布され、このインキがブランケットへと転写され、このブランケットが缶胴の外周面に接触することで、缶胴の外周面に印刷が施されるようになっている。
このような印刷版胴においては、円筒面に印刷版を精度良く配置する必要があるため外径寸法の安定性が求められる。また、印刷装置の回転シャフトに着脱されることから回転シャフトが嵌合される部分の形状精度が求められる。このため、従来の印刷版胴は、一般的に、比較的剛性が高く、かつ、加工性に優れた炭素鋼によって構成されている。
ところで、炭素鋼で構成された印刷版胴においては、使用時に錆が発生する可能性がある。特に、円筒面に錆が発生すると印刷版を精度良く配置することができなくなってしまうため、従来の炭素鋼からなる印刷版胴においては、円筒面にメッキ処理を行っていた。このため、特に大形の印刷版胴においては、メッキ処理を省略しても錆が発生しないものが求められている。
また、炭素鋼で構成された印刷版胴は、重量が比較的重くなってしまう。このため、印刷版胴を頻繁に交換して使用する場合や印刷装置の回転シャフトの剛性が低い場合には、には、印刷版胴の軽量化が求められる。
また、炭素鋼で構成された印刷版胴は、重量が比較的重くなってしまう。このため、印刷版胴を頻繁に交換して使用する場合や印刷装置の回転シャフトの剛性が低い場合には、には、印刷版胴の軽量化が求められる。
さらに、炭素鋼は熱伝導が良いため、印刷装置の駆動部から発生する熱が回転シャフトを通じて伝達され、印刷版胴の円筒面温度が上昇しやすい。すると、前記円筒面に配設された印刷版の温度も上昇し、この印刷版に付着したインクの粘性が印刷過程で変化してしまい、印刷品質が大幅に低下してしまうおそれがある。このため、特に長時間の印刷作業を行う必要が有る場合には、熱の伝達を抑えることができる印刷版胴が求められることになる。
このように、印刷版胴に要求される特性は、印刷条件(印刷状況)に応じて様々であり、炭素鋼で構成された従来の印刷版胴では、これらの要求を満たすことはできなかった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、印刷条件(印刷状況)に応じて要求される様々な特性を満たすことが可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフセット印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、印刷条件(印刷状況)に応じて要求される様々な特性を満たすことが可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフセット印刷装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係る印刷版胴は、軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴であって、印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔を有するコア部材と、このコア部材の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材と、を備え、前記コア部材と前記スリーブ部材とが異なる材質で構成されていることを特徴としている。
この構成の印刷版胴によれば、回転シャフトが嵌入されるコア部材と、印刷版が装着されるスリーブ部材とが別体とされ、これらコア部材とスリーブ部材とが異なる材質で構成されているので、コア部材及びスリーブ部材の材質を、要求される特性に応じて適宜選択することが可能となる。例えば、コア部材を加工性の良好な材質で構成することで、嵌入孔を寸法精度良く成形することが可能となり、印刷版胴と回転シャフトとの着脱を円滑に行うことができる。また、印刷版が配設されるスリーブ部材を錆が発生しにくい材料で構成することでメッキ処理を行う必要がなくなる。さらに、コア部材又はスリーブ部材のいずれか一方を熱伝導率が炭素鋼よりも低い材料で構成することで、印刷装置の駆動部から発生する熱が印刷版に伝わりにくくなり、印刷を長時間安定して行うことが可能となる。このように、要求される特性に応じて好適な印刷版胴を構成することが可能となるのである。
ここで、前記スリーブ部材と前記コア部材との間に1以上の中間層を設けてもよい。
この場合、スリーブ部材とコア部材との間に設けられた中間層の材質を選択することにより、印刷版胴にさらなる特性を付加させることが可能となる。例えば、中間層を熱伝導率が炭素鋼よりも低い材料で構成することによって、コア部材やスリーブ部材の材質を変更することなく、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
この場合、スリーブ部材とコア部材との間に設けられた中間層の材質を選択することにより、印刷版胴にさらなる特性を付加させることが可能となる。例えば、中間層を熱伝導率が炭素鋼よりも低い材料で構成することによって、コア部材やスリーブ部材の材質を変更することなく、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
また、前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていてもよい。
この場合、コア部材が加工性に優れた炭素鋼で構成されているので、回転シャフトが嵌入される嵌入孔を寸法精度良く成形することができ、印刷版胴の着脱を円滑に行うこと可能となる。また、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑えることができ、円筒面にメッキ処理を行う必要がない。よって、印刷版胴の寿命延長を図ることができる。
この場合、コア部材が加工性に優れた炭素鋼で構成されているので、回転シャフトが嵌入される嵌入孔を寸法精度良く成形することができ、印刷版胴の着脱を円滑に行うこと可能となる。また、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑えることができ、円筒面にメッキ処理を行う必要がない。よって、印刷版胴の寿命延長を図ることができる。
また、前記コア部材がステンレス鋼で構成され、前記スリーブ部材が樹脂材料で構成されていてもよい。
この場合、コア部材がステンレス鋼で構成されているので、コア部材における錆の発生を抑えることが可能となる。また、スリーブ部材が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることができるとともに円筒面への錆の発生を抑制することができる。さらに、樹脂材料は熱伝導率が低いため、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
この場合、コア部材がステンレス鋼で構成されているので、コア部材における錆の発生を抑えることが可能となる。また、スリーブ部材が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることができるとともに円筒面への錆の発生を抑制することができる。さらに、樹脂材料は熱伝導率が低いため、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
また、前記コア部材が樹脂材料で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていてもよい。
この場合、コア部材が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることが可能となる。また、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。さらに、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑えることが可能となり、メッキ処理が不要となる。また、外周側に剛性の高いステンレス鋼で構成されたスリーブ部材が配置されることから、樹脂材料からなるコア部材が熱膨張により変形しようとしてもスリーブ部材によって抑えられるので、印刷版胴の形状安定性を確保することができる。
この場合、コア部材が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることが可能となる。また、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。さらに、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑えることが可能となり、メッキ処理が不要となる。また、外周側に剛性の高いステンレス鋼で構成されたスリーブ部材が配置されることから、樹脂材料からなるコア部材が熱膨張により変形しようとしてもスリーブ部材によって抑えられるので、印刷版胴の形状安定性を確保することができる。
また、前記コア部材がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成され、前記スリーブ部材が炭素鋼で構成されていてもよい。
この場合、コア部材がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることができる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金は熱膨張率が高い材料であるが、その外側に、アルミニウム又はアルミニウム合金よりも剛性が高く熱膨張率が小さい材料である炭素鋼からなるスリーブ部材が外嵌されているので、コア部材の熱膨張が抑えられ、印刷版胴全体としての寸法安定性を確保することができる。
さらに、コア部材を円筒状とし、コア部材の内周部分にフィン等を配設した場合、コア部材自体が放熱体として作用し、印刷装置の駆動部からの熱を放散することが可能となる。このとき、コア部材を熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金で構成することにより、印刷装置の駆動部からの熱を外部へと効率良く放散することが可能となる。
この場合、コア部材がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されているので、この印刷版胴の軽量化を図ることができる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金は熱膨張率が高い材料であるが、その外側に、アルミニウム又はアルミニウム合金よりも剛性が高く熱膨張率が小さい材料である炭素鋼からなるスリーブ部材が外嵌されているので、コア部材の熱膨張が抑えられ、印刷版胴全体としての寸法安定性を確保することができる。
さらに、コア部材を円筒状とし、コア部材の内周部分にフィン等を配設した場合、コア部材自体が放熱体として作用し、印刷装置の駆動部からの熱を放散することが可能となる。このとき、コア部材を熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金で構成することにより、印刷装置の駆動部からの熱を外部へと効率良く放散することが可能となる。
また、前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されており、前記コア部材と前記スリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されていてもよい。
この場合、コア部材が加工性のよい炭素鋼で構成されているので、回転シャフトが嵌入される嵌入孔を寸法精度良く成形することができる。また、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑制することができる。さらに、コア部材とスリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されているので、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
この場合、コア部材が加工性のよい炭素鋼で構成されているので、回転シャフトが嵌入される嵌入孔を寸法精度良く成形することができる。また、スリーブ部材がステンレス鋼で構成されているので、錆の発生を抑制することができる。さらに、コア部材とスリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されているので、印刷装置の駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができる。
本発明に係るオフセット印刷装置は、前述の印刷版胴と、該印刷版胴を前記軸線周りに回転可能に支持する回転シャフトと、を備えていることを特徴としている。
この構成のオフセット印刷装置によれば、印刷条件(印刷状況)に応じた特性の印刷版胴を用いることによって、印刷を安定して行うことができる。
この構成のオフセット印刷装置によれば、印刷条件(印刷状況)に応じた特性の印刷版胴を用いることによって、印刷を安定して行うことができる。
本発明によれば、印刷条件(印刷状況)に応じて要求される様々な特性を満たすことが可能な印刷版胴及びこの印刷版胴を備えたオフセット印刷装置を提供することができる。
以下、添付した図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る印刷版胴について説明する。本実施形態である印刷版胴40は、円筒状をなすスリーブ印刷版30を密着させるように支持するものである。この印刷版胴40は、図1〜3に示すように、外形が軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材50と、円筒状をなしてコア部材50の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材60と、を備えている。
コア部材50は、軸線L方向に貫通する嵌入孔51を有する内側筒部52と、この内側筒部52の外周面から間隔をおいて配される外側筒部53と、径方向に延びて内側筒部52と外側筒部53とを一体に連結する複数(図示例では3つ)のリブ54と、を備えている。
内側筒部52に設けられた嵌入孔51には、印刷装置の回転シャフト6が嵌挿され、印刷版胴40が印刷装置に着脱可能に装着される。回転シャフト6に固定された状態においては、回転シャフト6の回転力がコア部材50に伝達され、印刷版胴40が軸線L回りに回転させられるように構成されている。
内側筒部52に設けられた嵌入孔51には、印刷装置の回転シャフト6が嵌挿され、印刷版胴40が印刷装置に着脱可能に装着される。回転シャフト6に固定された状態においては、回転シャフト6の回転力がコア部材50に伝達され、印刷版胴40が軸線L回りに回転させられるように構成されている。
リブ54は、内側筒部52や外側筒部53の周方向に幅狭とされた略板状に形成されており、内側筒部52の外周面から外側筒部53の内周面まで延びるとともに軸線L方向にわたって延在するように形成されている。具体的に、各リブ54は、その径方向内側に位置する一端部が内側筒部52の外周面に一体に固定され、他端部が外側筒部53の内周面に一体に固定されている。そして、複数のリブ54は、コア部材50の周方向に均等な間隔を介して配置されている。したがって、この印刷版胴40においては、上述したリブ54と内側筒部52と外側筒部53とにより、軸線L方向の両端部から外方に開放された隙間領域Sが画成されている。
複数のリブ54のうちの1つには、軸線L方向端面(外面)から軸線L方向に延びるエア供給路55が設けられている。
また、外側筒部53の外周面53Aには、軸線L方向の一部に、径方向に凹んだ環状溝56が形成されている。この環状溝56の底部56Aには、前述のエア供給路55に連通されるとともに径方向外側に向けて延びるエア連絡路57が開口させられている。
また、外側筒部53の外周面53Aには、軸線L方向の一部に、径方向に凹んだ環状溝56が形成されている。この環状溝56の底部56Aには、前述のエア供給路55に連通されるとともに径方向外側に向けて延びるエア連絡路57が開口させられている。
スリーブ部材60は、コア部材50の外周側に嵌合されており、その軸線L方向の一端部には、図2及び図4に示すように、内周側に突出した係止部61が形成されている。
係止部61は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した際に、コア部材50の軸線L方向端面に当接するようになっており、コア部材50に対するスリーブ部材60の軸線L方向位置を位置決めする役割を果たしている。なお、係止部61は、その内径寸法がコア部材50の内周面の内径寸法よりも大きく設定されており、圧入状態においてコア部材50の内周面よりも内側に突出することがないように構成されている。
係止部61は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した際に、コア部材50の軸線L方向端面に当接するようになっており、コア部材50に対するスリーブ部材60の軸線L方向位置を位置決めする役割を果たしている。なお、係止部61は、その内径寸法がコア部材50の内周面の内径寸法よりも大きく設定されており、圧入状態においてコア部材50の内周面よりも内側に突出することがないように構成されている。
また、スリーブ部材60には、その肉厚方向(径方向)に貫通するエア吹出孔62が複数形成されており、複数のエア吹出孔62は、スリーブ部材60の周方向に均等な間隔を介して配列されている。
これら複数のエア吹出孔62は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した状態において、コア部材50の環状溝56上(径方向外側)に配置されることになり、環状溝56を介してエア連絡路57及びエア供給路55に連通させられている。
これら複数のエア吹出孔62は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した状態において、コア部材50の環状溝56上(径方向外側)に配置されることになり、環状溝56を介してエア連絡路57及びエア供給路55に連通させられている。
なお、図示例においては、環状溝56及び複数のエア吹出孔62が印刷版胴40の軸線L方向の一端部側に寄せて配されているが、例えば軸線L方向の中間位置に配されていてもよい。なお、図示例のように環状溝56及び複数のエア吹出孔62を軸線L方向の一端部側に寄せて配置する場合には、図4に示すように、印刷版胴40の軸線L方向の他端部側から回転シャフト6を挿入するように、印刷版胴40を構成することが好ましい。
コア部材50及びスリーブ部材60には、これらの相対的な周方向位置を位置決めするための有底孔58及び貫通孔63がそれぞれ形成されている。すなわち、コア部材50にはその外周面から凹む有底孔58が形成され、スリーブ部材60にはその肉厚方向に貫通する貫通孔63が形成されている。ここで、スリーブ部材60をコア部材50に装着した状態においては、有底孔58及び貫通孔63の軸方向位置が一致するようになっている。したがって、この状態において、有底孔58及び貫通孔63が互いに連通するようにコア部材50及びスリーブ部材60の相対的な周方向位置を調整し、これら有底孔58及び貫通孔63にわたって位置決めピン41を挿入することで、コア部材50及びスリーブ部材60の相対的な周方向位置も位置決めすることができる。
そして、本実施形態においては、コア部材50とスリーブ部材60とが互いに異なる材質によって構成されており、具体的には、コア部材50が、加工性に優れた炭素鋼で構成され、スリーブ部材60が、耐食性及び剛性に優れたステンレス鋼で構成されている。
次に、前述のような構成とされた印刷版胴40の製造方法について説明する。
本実施形態である印刷版胴40を製造する際には、はじめに、炭素鋼からなる円柱部材(図示なし)をその軸線L方向にわたってくり抜き加工することによって、内側筒部52、リブ54及び外側筒部53を一体に成形する。すなわち、この円柱部材のくり抜き部分が、嵌入孔51や隙間領域Sとなり、これによってコア部材50が製造される。なお、円柱部材のくり抜き加工は、種々の加工方法によって実施可能であるが、ワイヤカット加工や切削加工等の機械加工によって行われることがより好ましい。このとき、嵌入孔51は、印刷装置の回転シャフト6が嵌入されることから高い寸法精度が求められる。
また、円柱部材の外周面には、切削加工等によって環状溝56が形成される。さらに、リブ54にエア供給路55が穿設され、環状溝56の底部56Aにエア連絡路57が穿設され、これらエア供給路55とエア連絡路57とが連通される。
本実施形態である印刷版胴40を製造する際には、はじめに、炭素鋼からなる円柱部材(図示なし)をその軸線L方向にわたってくり抜き加工することによって、内側筒部52、リブ54及び外側筒部53を一体に成形する。すなわち、この円柱部材のくり抜き部分が、嵌入孔51や隙間領域Sとなり、これによってコア部材50が製造される。なお、円柱部材のくり抜き加工は、種々の加工方法によって実施可能であるが、ワイヤカット加工や切削加工等の機械加工によって行われることがより好ましい。このとき、嵌入孔51は、印刷装置の回転シャフト6が嵌入されることから高い寸法精度が求められる。
また、円柱部材の外周面には、切削加工等によって環状溝56が形成される。さらに、リブ54にエア供給路55が穿設され、環状溝56の底部56Aにエア連絡路57が穿設され、これらエア供給路55とエア連絡路57とが連通される。
スリーブ部材60は、ステンレス鋼からなるリング状の素材を、所定寸法に切削加工するとともに、複数のエア吹出孔62が穿設されることによって成形される。なお、スリーブ部材60の外周面には、メッキ処理を行う必要はない。
そして、コア部材50をスリーブ部材60の内周側に圧入し、スリーブ部材60の係止部61がコア部材50の端面に当接するように軸線L方向位置を調整した後に、有底孔58及び貫通孔63を穿設する。そして、この有底孔58及び貫通孔63に位置決めピン41が挿入される。このようにして、本実施形態である印刷版胴40が製出される。
そして、コア部材50をスリーブ部材60の内周側に圧入し、スリーブ部材60の係止部61がコア部材50の端面に当接するように軸線L方向位置を調整した後に、有底孔58及び貫通孔63を穿設する。そして、この有底孔58及び貫通孔63に位置決めピン41が挿入される。このようにして、本実施形態である印刷版胴40が製出される。
次に、本実施形態である印刷版胴40に装着されるスリーブ印刷版30について説明する。本実施形態で使用されるスリーブ印刷版30は、図5及び図6に示すように、軸線Lに沿って延びる円筒状をなすスリーブ支持体31と、スリーブ支持体31の外周側に配設された版材32と、を備えている。
版材32は、例えばレーザー光による彫刻が可能な感光性樹脂からなり、肉厚が0.5mm〜1.0mmの円筒状をなしている。この版材32は、スリーブ支持体31の外周面に溶融樹脂を塗布して硬化させることによってスリーブ支持体31と一体に成形されている。そして、エッチングやレーザー加工によって画像パターンを有する凸版33(版本体)が形成される。なお、本実施形態では、2つの凸版33,33が軸線Lを挟んで対向する位置に配設されている。
スリーブ支持体31は、繊維強化プラスチック(FRP)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で形成されており、その肉厚が0.1mm〜0.5mmとされている。
そして、スリーブ印刷版30全体の肉厚は、0.6mm〜1.5mmとされ、内径が印刷版胴40の外径よりも僅かに小さく設定されている。
スリーブ支持体31は、繊維強化プラスチック(FRP)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で形成されており、その肉厚が0.1mm〜0.5mmとされている。
そして、スリーブ印刷版30全体の肉厚は、0.6mm〜1.5mmとされ、内径が印刷版胴40の外径よりも僅かに小さく設定されている。
次に、この印刷版胴40に対するスリーブ印刷版30の装着方法について説明する。
印刷版胴40に対してスリーブ印刷版30を装着する際には、まず、スリーブ印刷版30の一部を印刷版胴40の一端に嵌め込む。この状態で、リブ54の軸線L方向端面に開口するエア供給路55に高圧エアを供給する。すると、エア供給路55及びエア連絡路57を通じてエアが環状溝56内に供給されて周方向に広がっていく。そして、スリーブ部材60の外周面に開口するエア吹出孔62から高圧エアが吹き出される。
印刷版胴40に対してスリーブ印刷版30を装着する際には、まず、スリーブ印刷版30の一部を印刷版胴40の一端に嵌め込む。この状態で、リブ54の軸線L方向端面に開口するエア供給路55に高圧エアを供給する。すると、エア供給路55及びエア連絡路57を通じてエアが環状溝56内に供給されて周方向に広がっていく。そして、スリーブ部材60の外周面に開口するエア吹出孔62から高圧エアが吹き出される。
エア吹出孔62から吹き出される高圧エアによってスリーブ印刷版30が拡径された状態で、スリーブ印刷版30を軸線L方向に移動させる。そして、スリーブ印刷版30の軸線L方向位置、周方向位置が調整された後に、高圧エアの供給を停止することにより、スリーブ印刷版30が元の内径に戻り、スリーブ印刷版30が印刷版胴40の円筒面に装着されることになる。
次に、本実施形態である印刷版胴40を備えたオフセット印刷装置Aについて説明する。本実施形態であるオフセット印刷装置Aは、円筒状をなす缶体の外周面に印刷を施す缶の印刷装置である。オフセット印刷装置Aの概略を図7に示す。
オフセット印刷装置Aは、複数配置されたインク付着機構Bと、缶移動機構Cとで概略構成されている。
オフセット印刷装置Aは、複数配置されたインク付着機構Bと、缶移動機構Cとで概略構成されている。
インク付着機構Bは、インクを供給するインカーユニット1と、このインカーユニット1に接触してインクを写し取った後、缶胴20の外周面に接触して該インクを印刷する(付着させる)ブランケット9を複数枚備えるブランケットホイール8とから構成される。
インカーユニット1は、インク源2と、インク源2に接触してインクを受けるダクティングロール3と、このダクティングロール3に接続して複数のローラからなる中間ローラ4と、この中間ローラ4に接続するゴムローラ5と、このゴムローラ5に接続する印刷版胴40とからなり、印刷版胴40の外周面には缶胴20に転写する画像パターンを備えた凸版33を備えたスリーブ印刷版30が配設されている。ブランケットホイール8の外周面には、ブランケット9が複数枚備えられており、このブランケット9は、印刷版胴406の外周面に配設されたスリーブ印刷版30の凸版33に接触するとともに、缶胴20に接触する構成とされている。
インカーユニット1は、インク源2と、インク源2に接触してインクを受けるダクティングロール3と、このダクティングロール3に接続して複数のローラからなる中間ローラ4と、この中間ローラ4に接続するゴムローラ5と、このゴムローラ5に接続する印刷版胴40とからなり、印刷版胴40の外周面には缶胴20に転写する画像パターンを備えた凸版33を備えたスリーブ印刷版30が配設されている。ブランケットホイール8の外周面には、ブランケット9が複数枚備えられており、このブランケット9は、印刷版胴406の外周面に配設されたスリーブ印刷版30の凸版33に接触するとともに、缶胴20に接触する構成とされている。
缶移動機構Cは、缶胴20を取り入れる缶シュータ10と、この缶シュータ10から供給された缶胴20を回転自在に保持するマンドレル11と、このマンドレル11に装着された缶胴20を、順次、インク付着機構B方向に回転移動させるマンドレルターレット12とで構成されている。
このオフセット印刷装置Aにおいては、各々のインカーユニット1のインク源2から各々異なった色のインクが、ダクティングロール3、中間ローラ4、ゴムローラ5を介して、印刷版胴40の外周面に配設された凸版33に付着させられ、これら各色のインクが、回転するブランケットホイール8上のブランケット9にパターンとして乗せられ、このパターンがマンドレル11に保持された缶胴20に接触しながら印刷される。
このようにして本実施形態である印刷版胴40が使用される。
このようにして本実施形態である印刷版胴40が使用される。
前述の構成とされた本実施形態である印刷版胴40によれば、回転シャフト6が嵌入される嵌入孔51を有するコア部材50と、スリーブ印刷版30が装着されるスリーブ部材60とが別体とされ、これらコア部材50とスリーブ部材60とが互いに異なる材質で構成されているので、コア部材50及びスリーブ部材60の材質を、要求される特性に応じて適宜選択することが可能となる。
本実施形態では、コア部材50が加工性に優れた炭素鋼で構成されているので、印刷装置の回転シャフト6が嵌入される嵌入孔51を寸法精度良く成形することができ、印刷版胴40の着脱を円滑に行うこと可能となる。特に、本実施形態においては、コア部材50に、隙間領域S、エア供給路55、エア連絡路57及び環状溝56が設けられていることから、加工性の良い炭素鋼を用いることでこれらを容易に、かつ、寸法精度良く成形することが可能となる。また、隙間領域Sが形成されていることから、印刷版胴40の軽量化を図ることができる。
また、スリーブ印刷版30が装着されるスリーブ部材60が耐食性、剛性に優れたステンレス鋼で構成されているので、スリーブ部材60の円筒面にメッキ処理を行うことなく、錆の発生を抑制することが可能となる。さらに、円筒面の剛性が向上することから、印刷を安定して行うことができる。
そして、この印刷版胴40を備えるオフセット印刷装置Aによれば、軽量な印刷版胴40を回転シャフト6に装着することにより回転動作が安定し、印刷時における印刷ムラの発生を抑制でき、缶の歩留まりを向上させることができる。
さらに、印刷版胴40に錆が発生することも抑制できることから、同一の印刷版胴40を交換することなく長期間にわたって使用することが可能となり、結果として、オフセット印刷装置Aのランニングコスト削減を図ることができる。
さらに、印刷版胴40に錆が発生することも抑制できることから、同一の印刷版胴40を交換することなく長期間にわたって使用することが可能となり、結果として、オフセット印刷装置Aのランニングコスト削減を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態である印刷版胴について説明する。本実施形態である印刷版胴140は、図8に示すように、外形が軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材150と、円筒状をなしてコア部材150の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材160と、を備えている。
そして、本実施形態では、コア部材150がステンレス鋼で構成され、スリーブ部材160が樹脂材料で構成されている。
そして、本実施形態では、コア部材150がステンレス鋼で構成され、スリーブ部材160が樹脂材料で構成されている。
コア部材150は、第1の実施形態と同様に、軸線L方向に貫通する嵌入孔151を有する内側筒部152と、この内側筒部152の外周面から間隔をおいて配される外側筒部153と、径方向に延びて内側筒部152と外側筒部153とを一体に連結する複数(図示例では3つ)のリブ154と、を備えている。
スリーブ部材160を構成する樹脂材料は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼と比較して低い熱伝導率を有している。
このスリーブ部材160の内径は、コア部材150を圧入しない状態において、コア部材150の外径よりも小さく設定されている。よって、コア部材150を圧入した状態においては、スリーブ部材160は拡径されていて周方向に引張応力が負荷されることになる。
このスリーブ部材160の内径は、コア部材150を圧入しない状態において、コア部材150の外径よりも小さく設定されている。よって、コア部材150を圧入した状態においては、スリーブ部材160は拡径されていて周方向に引張応力が負荷されることになる。
この構成の印刷版胴140によれば、コア部材150がステンレス鋼で構成されているので、コア部材15での錆の発生を抑えることが可能となる。つまり、嵌入孔151における錆の発生をも防止できるのである。これにより、オフセット印刷装置Aの回転シャフト6の挿抜を円滑に行うことができる。
また、スリーブ部材160が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴140の一層の軽量化を図ることができる。また、スリーブ部材160においても錆が発生するおそれがないため、印刷版胴140の円筒面に印刷版を精度良く配設することができる。さらに、スリーブ部材160の熱伝導率が低いため、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱の伝導を抑えることが可能となり、長時間にわたって安定した印刷を行うことができる。
また、スリーブ部材160が樹脂材料で構成されているので、この印刷版胴140の一層の軽量化を図ることができる。また、スリーブ部材160においても錆が発生するおそれがないため、印刷版胴140の円筒面に印刷版を精度良く配設することができる。さらに、スリーブ部材160の熱伝導率が低いため、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱の伝導を抑えることが可能となり、長時間にわたって安定した印刷を行うことができる。
次に、本発明の第3の実施形態である印刷版胴について説明する。本実施形態である印刷版胴240は、図9に示すように、外形が軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材250と、円筒状をなしてコア部材250の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材260と、を備えている。
そして、本実施形態では、コア部材250が樹脂材料で構成され、スリーブ部材260がステンレス鋼で構成されている。
そして、本実施形態では、コア部材250が樹脂材料で構成され、スリーブ部材260がステンレス鋼で構成されている。
コア部材250は、第1の実施形態や第2の実施形態と異なり、隙間領域Sが形成されておらず、軸線L方向に貫通する嵌入孔251のみが形成されている。コア部材250を構成する樹脂材料は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼と比較して低い熱伝導率を有している。
このコア部材250が、ステンレス鋼からなるスリーブ部材260の内周側に圧入され、本実施形態である印刷版胴240が構成される。
このコア部材250が、ステンレス鋼からなるスリーブ部材260の内周側に圧入され、本実施形態である印刷版胴240が構成される。
この構成の印刷版胴240によれば、印刷版胴240の大部分を占めるコア部材250が樹脂材料で構成されていることから、印刷版胴240の大幅な軽量化を図ることができる。また、コア部材250における錆の発生を抑えることができ、オフセット印刷装置Aの回転シャフト6の挿抜を円滑に行うことができる。さらに、コア部材250の熱伝導率が低いため、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができ、長時間にわたって安定した印刷を行うことができる。
さらに、スリーブ部材260が、耐食性に優れたステンレス鋼で構成されているので、円筒面に錆が発生するおそれがない。また、印刷版胴240の円筒面の剛性が向上することから、印刷を安定して行うことができる。さらに、スリーブ部材260の剛性が高いことから、樹脂材料からなるコア部材250が熱膨張しようとしてもスリーブ部材260によって変形が抑えられ、安定した印刷を長時間にわたって行うことができる。
次に、本発明の第4の実施形態である印刷版胴について説明する。本実施形態である印刷版胴340は、図10に示すように、外形が軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材350と、円筒状をなしてコア部材350の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材360と、コア部材350とスリーブ部材360との間に形成された中間層370と、を備えている。
そして、本実施形態では、コア部材350が炭素鋼で構成され、スリーブ部材360がステンレス鋼で構成され、中間層370が樹脂材料で構成されている。
そして、本実施形態では、コア部材350が炭素鋼で構成され、スリーブ部材360がステンレス鋼で構成され、中間層370が樹脂材料で構成されている。
コア部材350は、第1の実施形態と同様に、軸線L方向に貫通する嵌入孔351を有する内側筒部352と、この内側筒部352の外周面から間隔をおいて配される外側筒部353と、径方向に延びて内側筒部352と外側筒部353とを一体に連結する複数(図示例では3つ)のリブ354と、を備えている。
中間層370を構成する樹脂材料は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼と比較して低い熱伝導率を有している。
中間層370を構成する樹脂材料は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)からなり、軽量で、かつ、炭素鋼と比較して低い熱伝導率を有している。
この構成の印刷版胴340によれば、コア部材350が加工性に優れた炭素鋼で構成されているので、オフセット印刷装置Aの回転シャフト6が嵌入される嵌入孔351を寸法精度良く成形することができ、印刷版胴340の着脱を円滑に行うこと可能となる。また、隙間領域Sが形成されていることから、印刷版胴340の軽量化を図ることができる。
また、印刷版が装着されるスリーブ部材360が耐食性、剛性に優れたステンレス鋼で構成されているので、スリーブ部材360の円筒面にメッキ処理を行うことなく、錆の発生を抑制することが可能となる。さらに、円筒面の剛性が向上することから、印刷を安定して行うことができる。
さらに、コア部材350とスリーブ部材360との間に、熱伝導率の低い樹脂材料からなる中間層370が設けられているので、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱の伝導を抑えることができ、長時間にわたって安定した印刷を行うことができる。
次に、本発明の第5の実施形態である印刷版胴について説明する。本実施形態である印刷版胴440は、図11に示すように、外形が軸線L方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材450と、円筒状をなしてコア部材450の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材460と、を備えている。
そして、本実施形態では、コア部材450がアルミニウム又はアルミニウム合金(例えば、A7075)で構成され、スリーブ部材460が炭素鋼で構成されている。
そして、本実施形態では、コア部材450がアルミニウム又はアルミニウム合金(例えば、A7075)で構成され、スリーブ部材460が炭素鋼で構成されている。
コア部材450は、軸線L方向に貫通する嵌入孔451を有する内側筒部452と、この内側筒部452の外周面から間隔をおいて配される外側筒部453と、径方向に延びて内側筒部452と外側筒部453とを一体に連結する複数(図示例では4つ)のリブ454と、を備えている。そして、本実施形態では、内側筒部452の外周面に複数のフィン455が立設されている。このフィン455は、軸線L方向一端側から他端側に向かうに従い、回転方向R後方側に向かうようにねじれて配置されている。
この構成の印刷版胴440によれば、コア部材450がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていることから、印刷版胴440の軽量化を図ることができる。また、スリーブ部材460が、アルミニウム又はアルミニウム合金よりも剛性が高く熱膨張率が小さい材料である炭素鋼で構成されていることから、このスリーブ部材460によってコア部材450の熱膨張を抑えることができ、印刷版胴440全体としての寸法安定性を確保することができる。
さらに、コア部材450に、フィン455が配設されているので、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱を、コア部材450のフィン455を用いて外部へと放散させることができる。そして、本実施形態では、コア部材450が熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていることから、オフセット印刷装置Aの駆動部から発生する熱を効率良く放散させることができ、印刷作業を安定して行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、スリーブ印刷版を装着する印刷版胴として説明したが、これに限定されることはなく、プレート状の印刷版を装着するものであってもよい。
例えば、本実施形態では、スリーブ印刷版を装着する印刷版胴として説明したが、これに限定されることはなく、プレート状の印刷版を装着するものであってもよい。
また、第4の実施形態において1つの中間層を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、2以上の中間層が形成されていてもよい。
さらに、樹脂材料をポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)として説明したが、これに限定されることはなく、他の樹脂材料を選択してもよい。
また、コア部材、スリーブ部材、中間層のそれぞれの材質は、実施形態に限定されることはなく、適宜選択することができる。
さらに、コア部材の形状(リブの配置、本数、形状)は、本実施形態に限定されることはなく、適宜設計することができる。
さらに、樹脂材料をポリエーテルエーテルケトン樹脂(いわゆるPEEK樹脂)として説明したが、これに限定されることはなく、他の樹脂材料を選択してもよい。
また、コア部材、スリーブ部材、中間層のそれぞれの材質は、実施形態に限定されることはなく、適宜選択することができる。
さらに、コア部材の形状(リブの配置、本数、形状)は、本実施形態に限定されることはなく、適宜設計することができる。
また、第5の実施形態において、フィンを内側筒部の外周面に立設させたものとして説明したが、これに限定されることはなく、フィンを外側筒部の内周面に立設させたものとしてもよいし、内側筒部と外周筒部とを連結するリブをフィンとして用いても良い。
6 回転シャフト
40、140、240、340、440 印刷版胴
50、150、250、350、450 コア部材
51、151、251、351、451 嵌入孔
60.160、260、360、460 スリーブ部材
A オフセット印刷装置
40、140、240、340、440 印刷版胴
50、150、250、350、450 コア部材
51、151、251、351、451 嵌入孔
60.160、260、360、460 スリーブ部材
A オフセット印刷装置
Claims (8)
- 軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に画像パターンを有する印刷版が装着される印刷版胴であって、
印刷装置の回転シャフトが嵌入される嵌入孔を有するコア部材と、このコア部材の外周側に配置されて前記円筒面を有するスリーブ部材と、を備え、
前記コア部材と前記スリーブ部材とが異なる材質で構成されていることを特徴とする印刷版胴。 - 前記コア部材と前記スリーブ部材との間に1以上の中間層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印刷版胴。
- 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷版胴。
- 前記コア部材がステンレス鋼で構成され、前記スリーブ部材が樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷版胴。
- 前記コア部材が樹脂材料で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷版胴。
- 前記コア部材がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成され、前記スリーブ部材が炭素鋼で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷版胴。
- 前記コア部材が炭素鋼で構成され、前記スリーブ部材がステンレス鋼で構成されており、前記コア部材と前記スリーブ部材との間に、樹脂材料からなる中間層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷版胴。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷版胴と、該印刷版胴を前記軸線周りに回転可能に支持する回転シャフトと、を備えていることを特徴とするオフセット印刷装置。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH05193097A (ja) * | 1992-01-21 | 1993-08-03 | Nitto Denko Corp | グラビア用印刷ロール |
JPH091774A (ja) * | 1995-03-14 | 1997-01-07 | Erminio Rossini Spa | 回転式印刷胴用同心二重版円筒 |
JP2007044987A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Universal Seikan Kk | 缶の印刷装置及び版の取付方法 |
-
2009
- 2009-11-24 JP JP2009266673A patent/JP2010149514A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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