JP2010149431A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画素電極を有する像保持体を用いて画像形成を行うに際し、画素電極を用いない方式に比べ良好な画質を得ると共に像保持体上の清浄化を図り更に向上した画質を得る。
【解決手段】表面が移動可能な支持体2と、この支持体2表面に支持される複数の画素電極3と、これらの画素電極3を絶縁被覆する保護層4と、を有する像保持体1と、像保持体1表面に接触して残留トナーTを清掃する導電性清掃部材6と、この清掃部材6と画素電極3との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、像保持体1の移動方向に沿って配列された画素電極3を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極3と清掃部材6との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加し、清掃部材6と像保持体1との間の接触領域m内に少なくとも極性の異なる清掃電界が形成される領域を並存させる清掃電圧印加手段7と、を有する清掃装置5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
一般に、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる画像形成方式として電子写真方式が知られている。これは、コロナ放電器や帯電ロール等の帯電器を用いて帯電された感光体に対して、レーザやLEDアレイを用いて光イメージを照射することで静電潜像を形成し、この形成された静電潜像に対し帯電されたトナーで現像することで可視像化するようにしたものである。そして、このように電子写真方式を利用した画像形成装置は、オンデマンド性に優れ、普通紙への画像形成が容易なことから、オフィスを中心に広く普及している。
一方、電子写真方式での環境影響への配慮などから、マトリクス状に電極を配列し、帯電器を使用しない方式の画像形成装置が提案されている(特許文献1〜5参照)。特許文献1や特許文献2には、薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に形成すると共に蓄積容量を夫々のTFTに設け、蓄積容量での電荷蓄積効果により安定した現像を行うようにした方式の画像形成装置が提案されている。また、特許文献3には、現像後の像保持体表面のトナー濃度を検出し、検出されたトナー濃度に基づいてスイッチング素子に印加する電圧を設定する方式が提案されている。更に、特許文献4には、マトリクス状に配列したスイッチング素子毎に二層分割された蓄積容量を持たせ、画像部/非画像部の電位を調整する構成が提案されている。そして、特許文献5では、マトリクス状に配列したスイッチング素子を使って画素毎の潜像を形成すると共に転写時にも画素電極を使用する方式が提案されている。
一方、像保持体上の残留トナーを清掃する清掃装置として、静電的に清掃する方式が知られている。特許文献6には、磁気ブラシを用いる方式が提案され、特許文献7には静電ブラシを用いる方式が提案されている。
特許第3233463号公報(実施例、図4) 特開2005−331955号公報(発明を実施するための最良の形態、図4) 特許第3826013号公報(実施の形態8、図9) 特開2003−32440号公報(発明の実施の形態、図1) 特開2004−219635号公報(実施の形態1、図1) 特開昭58−59479号公報(第3頁、第3図) 実開昭63−24570号公報(実施例、第1図)
本発明の技術的課題は、画素単位で二次元状に配列された画素電極を有する像保持体を用いて画像形成を行うに際し、画素電極を用いない方式に比べ良好な画質を得ると共に、像保持体上の清浄化を図り更に向上した画質を得ることにある。
請求項1に係る発明は、表面が移動可能な支持体と、この支持体表面に支持され、支持体表面の移動方向及びこれに交差する交差方向に二次元状に配列され且つ画素毎に画像情報に応じたトナー像を形成するための潜像電圧が印加可能な複数の画素電極と、これらの画素電極を絶縁被覆する保護層と、を有する像保持体と、この像保持体に対向配置され且つ像保持体表面に接触して残留トナーを清掃する回転可能な導電性清掃部材と、この清掃部材と前記画素電極との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、前記像保持体の移動方向に沿って配列された画素電極を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極と清掃部材との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加し、清掃部材と像保持体との間の接触領域内に少なくとも極性の異なる清掃電界が形成される領域を並存させる清掃電圧印加手段と、を有する清掃装置と、を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記清掃電圧印加手段は、更に、前記像保持体の前記交差方向に沿って清掃部材と前記画素電極との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、前記交差方向に沿って配列された画素電極を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極と清掃部材との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加するようにした画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記清掃部材はブラシ部材である画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る画像形成装置において、前記清掃部材は、像保持体との対向部位にて像保持体の前記移動方向と同方向に回転する画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記清掃部材の回転速度は、像保持体の移動速度より大きく設定されている画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに係る画像形成装置において、前記清掃装置は、像保持体と離間した位置にて前記清掃部材に対向配置されるトナー回収部材を有し、このトナー回収部材と前記清掃部材との間にトナー回収電界を作用させて清掃部材に付着したトナーをトナー回収部材にて回収するトナー回収手段を更に備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る画像形成装置のうち作用電界により抵抗が変化するトナーを使用する態様において、トナー回収手段は、清掃電界よりも大きなトナー回収電界を前記トナー回収部材と前記清掃部材との間に印加するものであり、トナー回収電界におけるトナー抵抗を清掃電界における抵抗よりも低抵抗に変化させるものである画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、画素単位で二次元状に配列された画素電極を有する像保持体を用いて画像形成を行うに際し、画素電極を用いない方式に比べ良好な画質を得ると共に、本構成を有しないものに比べ、像保持体上の清浄化を図り更に向上した画質を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、清掃部材による良好な清掃がなされるようになる。清掃部材に付着したトナーの像保持体への再付着を抑えつつ、残留トナーの清掃をより効果的に行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、清掃部材に付着したトナーの像保持体への再付着を抑えつつ、残留トナーの清掃をより効果的に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、像保持体に与える負荷を軽減し像保持体並びに清掃部材を長期に亘って使用することができるようになる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、像保持体上の残留トナーが接触領域に導かれると共に清掃性能を向上することができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、清掃部材による清掃性能をより長期的に維持することができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有しないものに比べ、清掃部材に付着したトナーがトナー回収部材側へより良好に回収されるようになる。
先ず、本発明が適用される実施の形態モデルの概要を説明する。
◎実施の形態モデルの概要
図1は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要を示すものであり、(a)はその構成を示し、(b)は作用を示す。同図において、画像形成装置は、表面が移動可能な支持体2と、この支持体2表面に支持され、支持体2表面の移動方向及びこれに交差する交差方向に二次元状に配列され且つ画素毎に画像情報に応じたトナー像を形成するための潜像電圧が印加可能な複数の画素電極3と、これらの画素電極3を絶縁被覆する保護層4と、を有する像保持体1と、この像保持体1に対向配置され且つ像保持体1表面に接触して残留トナーTを清掃する回転可能な導電性清掃部材6と、この清掃部材6と画素電極3との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、像保持体1の移動方向に沿って配列された画素電極3を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極3と清掃部材6との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加し、清掃部材6と像保持体1との間の接触領域m内に少なくとも極性の異なる清掃電界が形成される領域を並存させる清掃電圧印加手段7と、を有する清掃装置5と、を備えている。
ここで、画像情報とは代表的には形成するトナー像に対応した画像信号を意味する。また、清掃部材6と像保持体1との間の接触領域m内に形成される極性が異なる清掃電界が形成される領域としては、二つ以上の領域が形成されるようになっていればよく、例えば一画素電極3毎に清掃電界の極性が異なるように清掃電圧が印加されるようになっていてもよいし、一以上の画素電極3毎に極性が異なるように清掃電圧が印加されるようになっていてもよい。このときの一以上の画素電極3とは固定された数量ではなく、像保持体1の表面移動方向に沿って画素電極3と清掃部材6との間に作用する清掃電界にて極性の異なる領域が交互に形成されるようになっていれば、各領域の画素電極数は幾つであっても差し支えない。
次に、図1(b)を下に、清掃電圧印加手段7にて像保持体1と清掃部材6との接触領域m内で清掃部材6と画素電極3との間に作用する清掃電界の極性を変化させることによる両極性トナーの清掃作用について説明する。
ここでは、仮に、清掃部材6を接地し、接触領域m内には正電圧(V(+))が印加された画素電極3の領域(A領域)と、負電圧(V(−))が印加された画素電極3の領域(B領域)とがあるものとすると、像保持体1上の残留トナーTとして正極性のトナーT(+)と、負極性のトナーT(−)とが混在し、A領域では画素電極3から清掃部材6に向かう清掃電界E(+)が作用することで正極性トナーT(+)が清掃部材6に静電吸引され、B領域では清掃部材6から画素電極3に向かう清掃電界E(−)が作用することで負極性トナーT(−)が清掃部材6に静電吸引されるようになる。尚、ここでは極性の異なる清掃電界となる領域の数量は接触領域mに対し二つ以上の領域(例えばA領域及びB領域)であればよく、またA領域及びB領域の画素電極3の数量は特に限定されず、共に一以上の数量であれば同一数量であってもよいし、異なる数量であってもよい。
そして、このような清掃電界ではA領域にある負極性トナーT(−)は清掃部材6に静電吸引されないが、清掃部材6の回転作用によって近隣の領域に移動されるようになり、例えばB領域に移動することで移動した負極性トナーT(−)は清掃部材6に静電吸引されるようになる。また、B領域にある正極性トナーT(+)も同様にA領域で清掃部材6に静電吸引される。そのため、トナーTの極性によらず、清掃部材6に吸引されるようになる。尚、清掃部材6に静電吸引されたトナーは、清掃部材6のトナー保持力によって清掃部材6にそのまま残るが、仮に、清掃部材6から離脱しても同様の作用を繰り返すことで像保持体1上の残留トナーTの清掃がなされるようになる。
このように、接触領域mに対し清掃電界の極性が異なる領域を形成することで、回転する清掃部材6によってトナーTがいずれの方向に押しやられてもトナーTの極性に拘わらず清掃部材6側に静電吸引することができるようになる。そのため、清掃部材6による像保持体1への負荷を軽減するために、清掃部材6の回転方向を像保持体1との対向部位で互いに同じ移動方向となるように回転させる際、清掃部材6の回転速度を像保持体1より大きくすることも可能になり、像保持体1への負荷が一層軽減されると共に清掃効果も兼ね備えた清掃装置の実現も可能になる。
そして、支持体2としては、画素電極3等を支持でき且つ表面が移動可能なものであればその形状は特に限定されないが、装置を小型化する観点からすれば回転体の態様が好適である。更に、画素電極3は画素単位で像保持体1の移動方向及び交差方向に沿って二次元状に配列されていればよく、画素電極3の数量は特に限定されないが、通常の画像が形成できる解像度を実現できる程度になっていることが好ましい。更にまた、使用されるトナーTの極性はいずれであっても差し支えない。また、保護層4としては像保持体1表面を機械的に保護するものであり、画素電極3に印加される電圧に悪影響を及ぼさないように絶縁性の層が適用される。
更に、清掃電圧印加手段7によって画素電極3に清掃電圧が印加される位置は、清掃部材6との対向領域にて清掃部材6との間に清掃電界が作用できるようになっていれば、何れの位置であっても差し支えないが、通常、清掃部材6との対向領域より像保持体1の移動方向上流側近傍位置が選択される。また、清掃電圧印加手段7にて画素電極3に電圧印加を行う手段は専用に設けるようにしてもよいが、画素電極3を有効に作用させるには、例えば画素電極3にて潜像を形成する手段を利用する方が好適である。
また、像保持体1の交差方向へのトナーTの広がりを抑える観点からすれば、清掃電圧印加手段7は、更に、像保持体1の前記交差方向に沿って清掃部材6と画素電極3との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、前記交差方向に沿って配列された画素電極3を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極3と清掃部材6との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加することが好ましい。このように、交差方向への画素電極3に対しても清掃電界の極性が異なる領域を設けることで、交差方向へのトナーTの広がりが抑えられるようになり、清掃部材6へトナーTがより多く吸引されるようになる。このとき、極性の異なる領域としてトナーTの広がりをより効果的に抑える観点からすれば、一〜数個程度の画素電極3毎に極性を異ならせる方が好ましい。
このような清掃部材6の導電性とは、像保持体1との間で有効な清掃電界を作用させ且つトナーが静電吸引される程度の導電性を有するものであればよく、導電性、半導電性を含む趣旨である。また、清掃部材6としては、画素電極3との間に清掃電界を作用させ回転可能な構成のものであれば特に限定されず、例えば弾性ロール状のものでもよいし、ブラシ状のものであっても差し支えないが、像保持体1上の残留トナーTを効果的に清掃し、かつ、像保持体1への損傷も低減する観点からすれば、清掃部材6を回転可能なブラシ部材とすることが好ましい。ブラシ部材を用いることで、一旦吸引したトナーTをブラシ繊維に保持させることも容易になり、清掃効率が一層高まるようにもなる。尚、ブラシ部材の導電性の程度としてはブラシ繊維の体積抵抗率がおよそ1010Ω・cm以下であればよい。
また、清掃部材6としてブラシ部材を用いる場合、特に、像保持体1及び清掃部材6の劣化を低減する観点から、清掃部材6は、像保持体1との対向部位(接触領域mに相当)にて像保持体1の前記移動方向と同方向に回転することが好ましい。このように像保持体1と清掃部材6とを対向部位で互いに同方向に移動させることで清掃部材6と像保持体1との間の負荷が軽減されるようになる。
更に、清掃部材6の回転速度は像保持体1の移動速度より大きく設定されていることが好ましい。清掃部材6の回転速度を大きくすることで、清掃部材6による像保持体1上のトナーに対する摺擦力を維持することができ、像保持体1上で清掃部材6に吸引されずに残ったトナーを接触領域m内で移動させることができるようになり、清掃性が向上されるようになる。尚、このような清掃部材6の回転速度が像保持体1上の残留トナーを清掃できる程度の速度であることは言うまでもない。
また、清掃部材6での清掃効率を維持する観点から、清掃装置5は、像保持体1と離間した位置にて清掃部材6に対向配置されるトナー回収部材9を有し、このトナー回収部材9と清掃部材6との間にトナー回収電界を作用させて清掃部材6に付着したトナーTをトナー回収部材9にて回収するトナー回収手段8を更に備えることが好ましい。
そして、このようなトナー回収手段8をより一層機能させる観点から、作用電界により抵抗が変化するトナーTを使用する態様において、トナー回収手段8は、清掃電界よりも大きなトナー回収電界をトナー回収部材9と清掃部材6との間に印加するものであり、トナー回収電界におけるトナー抵抗を清掃電界における抵抗よりも低抵抗に変化させるものとすることが好ましい。つまり、トナーTとして、清掃電界において高抵抗に変化し、かつ、清掃電界より大きい電界強度を有するトナー回収電界にて清掃電界における抵抗に比して低抵抗に変化する抵抗可変部を有するものを用いる方が好ましい。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図2は、上述の実施の形態モデルが適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、本実施の形態の画像形成装置は、所謂タンデム型のカラー画像形成装置であり、装置筐体15内に例えば電子写真方式にて各色成分(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の各色トナー像が形成される像保持体20(20a〜20d)を略垂直方向に順次並べて配置すると共に、これらの像保持体20に対向して循環回転する中間転写ベルト50を略垂直方向に掛け渡し、この中間転写ベルト50上で像保持体20上の各色トナー像を多重化するようにしたものである。
像保持体20の周囲には、像保持体20上に形成された静電潜像をトナーにて現像して可視像化する現像装置41(100)や、像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃装置42(200)が設けられ、また、像保持体20と中間転写ベルト50を挟んで対向する位置には、現像された像保持体20上のトナー像を中間転写ベルト50に転写する転写装置43が設けられている。
一方、中間転写ベルト50は、複数の張架ロール51〜53(本例では三個)に張架され、例えば張架ロール51を駆動ロールとして循環回転するようになっており、また、中間転写ベルト50の表面側には、張架ロール53と中間転写ベルト50を挟んで対向する位置に二次転写装置60を設け、中間転写ベルト50上で多重化された多重トナー像を後述する記録材供給部70から供給された記録材に一括転写するようになっている。尚、このとき、二次転写装置60は張架ロール53を対向部材として、両者の間に所定の二次転写バイアスが印加されるようになっている。
そして、装置筐体15内の下方には記録材を供給する記録材供給部70が設けられ、例えば供給容器71内に収容された記録材が、供給ロール72及び捌き機構73にて一枚毎に下流側の記録材搬送路74に向かって供給されるようになっている。
また、本実施の形態における記録材搬送系は次のようになっている。すなわち、記録材供給部70から記録材搬送路74に供給された記録材は記録材搬送路74に配置されたレジストロール75にて一旦位置決めされた後、所定のタイミングで下流側の二次転写装置60側に搬送される。その後、二次転写装置60と張架ロール53との対向部位である二次転写部位にて中間転写ベルト50上の多重トナー像が記録材に一括転写され、定着装置76にてトナー像が定着された後、排出ロール77から装置筐体15の一部で構成される記録材排出部16に排出されるようになる。尚、記録材搬送路74には、記録材を搬送するための搬送部材(例えば搬送ロールや案内部材等)が適宜設けられ記録材の良好な搬送がなされるようになっている。
−像保持体の構成−
次に、本実施の形態の像保持体20について詳述する。本実施の形態における像保持体20は、図3に示すように、回転可能な支持体である剛体ドラム21上に、多数の画素が所謂マトリクス状に形成されたマトリクスパネル30を巻き付けて固定支持したものとなっている。マトリクスパネル30は、例えば耐熱性フィルムに対し、所謂IC製造プロセス等で用いられる薄膜技術を利用して作製されたもので、画素がマトリクス状に配列されたものとなっている。そして、このようにマトリクス状に配列された画素は、例えば剛体ドラム21の回転方向に沿った方向にデータラインが設けられ、回転軸方向に沿った方向に走査ラインが設けられている。そのため、マトリクスパネル30のデータライン及び走査ラインには、各画素に接続される複数のデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32が適宜数設けられ、これらのドライバ31,32への入力線は更にまとめられて本数を少なくした段階でマトリクスパネル30を通して、剛体ドラム21の内面側にまで配線されるようになっている。
剛体ドラム21は、その外周面の一部に回転軸方向に沿った溝21aが設けられる一方、剛体ドラム21の軸中心部には、マトリクスパネル30と外部との電気的接続を行うための所謂スリップリング24が設けられ、剛体ドラム21は固定されたスリップリング24の周りを回転するようになっている。
そして、剛体ドラム21の内周面側には、図4(a)及び(b)に示すように、適宜数の端子22が剛体ドラム21の回転軸方向に沿うように設けられ、これらの端子22は夫々マトリクスパネル30のデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32へと接続されている。更に、これらの端子22には、回転軸中心方向で且つ夫々の端部が互いに離間する方向に延びるスライダ23が端子22に接続される形で設けられ、このスライダ23の凹部にスリップリング24の集電環24aが装着されるようになっている。尚、スリップリング24の集電環24a部位は、両側の絶縁環24bより径が小さくなっており、剛体ドラム21の回転によってもスライダ23がその対向する集電環24aに常時接触した状態を保つようになっている。尚、剛体ドラム21の溝21aは、例えばシールテープにて塞がれており、像保持体20が回転する際の気流の抵抗が低減されると共に、現像時のトナーの影響も防ぐようになっている。
そのため、マトリクスパネル30と外部との信号の伝達は、スリップリング24の集電環24aに対応してスリップリング24内に配線されたリード線25から、集電環24a及びスライダ23を介してマトリクスパネル30との間で行われるようになり、剛体ドラム21が回転しても、マトリクスパネル30との信号の伝達が適切に行えるようになっている。尚、剛体ドラム21の回転方法は、特に限定されず、例えば剛体ドラム21の外周面端部側を回転ロールに圧接させて回転させるようにしてもよいし、スリップリング24の挿入側とは異なる側で剛体ドラム21自体を回転させる回転軸を備えるようにしても差し支えない。
−マトリクスパネルの構成−
次に、マトリクスパネル30の構成について説明する。
本実施の形態のマトリクスパネル30は、図5(a)に示すように、二次元状に画素が配列されており、各画素は、(b)に示すように、所謂アクティブマトリクス方式で構成され、スイッチング素子として例えばTFT(Thin Film Transistor)33を用い、その他画素電極34、蓄積容量35及び配線(ソース線、ゲート線等)が夫々形成されている。各画素及び画素間の結線は、像保持体20の回転方向に沿って各TFT33のソースが結線されるソース線(データライン)、像保持体20の回転軸方向に沿って各TFT33のゲートが結線されるゲート線(走査ライン)としてまとめられている。また、TFT33のドレインには画素電極34と蓄積容量35が並列に接続され、蓄積容量35の一方は走査ライン毎にまとめられ(図示せず)、結果的に(c)のような等価回路を呈するように構成されている。そして、マトリクスパネル30の表面には、TFT33、画素電極34、蓄積容量35を覆うように全面に保護層36(図示せず)が設けられている。
マトリクスパネル30は、このように各画素を多数並べた構成のため、そのドライブ方式は次のように行われる。
つまり、マトリクスパネル30は、図6に示すように、データライン及び走査ライン毎に所定数の画素がまとめられ、TFT33のソース側がデータライン毎に夫々データ用ドライバ31へ接続される一方、TFT33のゲート側が走査ライン毎に夫々走査用ドライバ32に接続されており、データ用ドライバ31及び走査用ドライバ32は、画像形成装置内に設けられた画素電極駆動装置80によって駆動されるようになっている。そのため、これらのデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32を駆動することで、所定の画素に所定の電圧が印加できるようになる。データ用ドライバ31としては、例えばサンプルホールド付きのシフトレジスタ、ラッチ、バッファ等で構成され、走査用ドライバ32としては、例えばカウンタ、ラッチ、バッファ等で構成される。尚、図6では、画素電極34は省略しているが、TFT33と蓄積容量35との間に接続された画素電極34が設けられていることは云うまでもない。
−画素電極駆動方式−
画素電極駆動装置80は、図7に示すように、画像信号に基づく電圧信号や制御信号からマトリクスパネル30のデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32を駆動するようになっている。画素電極駆動装置80内には、画素電極34による潜像パターンを形成するためのデータ用ドライバ31に印加する潜像電圧を形成する潜像電圧形成部81、画素電極34上の残留トナーを清掃装置42で清掃する際の画素電極34側に印加する清掃電圧を形成する清掃電圧形成部85、画像信号を一旦記憶するメモリ部88、潜像電圧形成部81及び清掃電圧形成部85にて形成された潜像電圧及び清掃電圧のうち、データ用ドライバ31に伝達する電圧を切り替える切替部89、例えば像保持体20の回転位置等の制御信号等との同期を図るため各種タイミング制御を行うタイミング制御部90等が設けられている。つまり、本例では潜像形成と清掃電圧とをマトリクスパネル30の異なるデータラインに時分割して印加することで、共通の画素電極34を潜像パターンの形成並びに清掃パターンの形成に適用するようにしている。
そして、潜像電圧形成部81は、潜像パターンとして画像信号から各画素電極34に対応する画像濃度を複数段階に選定するために階調変換を行う階調変換部82と、階調変換部82にて変換された値に応じて画素電極34に印加する潜像電圧を設定する潜像電圧設定部83と、この潜像電圧設定部83にて各種潜像電圧を選択するための潜像電圧用電源84等で構成されている。また、清掃電圧形成部85は、一画素電極34毎に清掃電界(後述する清掃装置内の清掃部材との間に作用する電界)の極性が反転するように画素電極34に印加する清掃電圧を設定する清掃電圧設定部86と、この清掃電圧設定部86にて各種清掃電圧を選択するための清掃電圧用電源87等で構成されている。つまり、本実施の形態では、清掃電圧形成手段や清掃電圧印加手段は、後述する清掃装置42内に専用に設けるのではなく、潜像形成用のものと共用するようにしている。
画素電極駆動装置80で形成された潜像電圧あるいは清掃電圧は、データ用ドライバ31に供給される一方、データ用ドライバ31に供給した電圧の供給タイミングに合わせて、対応する走査ラインを起動するように走査用ドライバ32にも信号が供給される。尚、ここでは、潜像電圧と清掃電圧とをデータ用ドライバ31に切り替えて供給する方式を示したが、例えば清掃時には潜像電圧を形成しないようにして、走査ラインを連続して選択しながら清掃電圧を印加することも可能である。
ここで、本実施の形態における画素電極34夫々の駆動方式について図5(c)を用いて説明する。つまり、画素電極34を動作させるには、TFT33の走査ライン側に接続されたゲートにON電圧を印加すると、TFT33のソース−ドレイン間が導通状態となり、ソース電圧と等価になるまで蓄積容量35が充電される。この充電により画素電極34に作用する電圧は、その状態でゲートにOFF電圧が印加され、ソース−ドレイン間が遮断されても蓄積容量35によってそのまま保持されるため、以降にソース電圧が変化してもゲートにON電圧が印加されない限り画素電極34の電圧はそのまま保持されるようになる。
そのため、各画素のTFT33のソース側へ潜像電圧あるいは清掃電圧を印加すると共に、ゲート側へON電圧を印加することにより、走査ライン1ライン分の潜像パターンあるいは清掃パターンが形成されるようになる。そして、ON電圧を印加するゲートを像保持体20の回転方向と逆方向に順次移動させ(選択する走査ラインを移動)、データラインに新たな信号電圧を印加することにより、二次元の潜像パターンや清掃パターンが形成されるようになる。
−現像装置−
本実施の形態の現像装置41(100)は、図8に示すように、トナーとして導電性トナーを用い、導電性トナーに電荷注入を行うタイプのものとなっている。
同図において、現像装置100は、導電性トナー(以降適宜トナーと称す)が収容される現像容器101を有し、この現像容器101には像保持体20に対向して現像用開口102を開設すると共に、この現像用開口102に面して像保持体20と離間配置し且つ対向部位で互いに異なる方向に回転する現像ロール103を配設している。
そして、現像ロール103の像保持体20と異なる側には、現像ロール103に対向して、帯電されたトナーを保持して搬送する中間ロール104が設けられている。中間ロール104は、現像ロール103との対向部位にて互いに異なる方向に移動するように回転し、その周速が現像ロール103の周速の1.2〜2倍の大きさになるように設定されている。また、中間ロール104と現像ロール103との間にバイアス電源112によって所定の移動バイアスを印加することで、中間ロール104と現像ロール103とが対向する領域に移動電界を作用させ、中間ロール104上のトナーが現像ロール103に移動し易くなるようにしている。
更に、中間ロール104の略上方位置には未帯電のトナーに電荷を注入する電荷注入ロール105が対向配置されている。電荷注入ロール105は、例えばアルミニウム合金製のロール部材にて構成され、中間ロール104との間にバイアス電源113によって所定の電荷注入バイアスを印加することで、電荷注入ロール105と中間ロール104とが対向する領域に電荷注入電界を作用させるようになっている。また、電荷注入ロール105は中間ロール104との対向部位で互いに同方向に回転するようになっており、その周速は中間ロール104の周速の1.5〜2.5倍となっている。
更に、本実施の形態の現像装置100には、中間ロール104に導電性トナーを供給するために、例えばポリウレタン樹脂等からなる導電性フォームロール構成のトナー供給ロール106が電荷注入ロール105より中間ロール104の回転方向上流側位置にて中間ロール104に対向配置され、中間ロール104との対向部位で互いに異なる方向に回転するようになっている。また、トナー供給ロール106は中間ロール104の周速の0.3〜1.0倍の周速で回転するように設定されている。そして、このトナー供給ロール106と中間ロール104とは電気的に短絡されているため、電荷注入ロール105と中間ロール104との間で中間ロール104表面が帯電されてもトナー供給ロール106と中間ロール104の電位を均一にする作用が働き、中間ロール104表面の帯電を抑える効果、すなわち、除電効果が作用するようになると共に、中間ロール104上に付着した導電性トナーを清掃することができるようになり、結果的にトナー供給ロール106が中間ロール104のリフレッシュ機能を果たすようになっている。
また、トナー供給ロール106の後方には、トナー供給ロール106へトナーを撹拌供給するアジテータ111が設けられ、この部位に収容されているトナーをトナー供給ロール106側へ供給できるようになっている。
更に、中間ロール104のトナー供給ロール106と電荷注入ロール105との間には、中間ロール104へトナー供給ロール106から供給されたトナーを規制して層状にする層形成ブレード107が設けられている。この層形成ブレード107は例えば0.05〜0.2mm厚のステンレスやりん青銅等の板状ばね部材からなるもので、現像容器101にその一端側が固定された支持部材107aの自由端側に固定支持されるようになっている。そして、特に、層形成ブレード107は自由端側の面が中間ロール104側に所定の押圧力で圧接するように設けられており、中間ロール104上のトナーを余分に掻き落とすことなく、層状に並べる効果がより一層発揮できるようになっている。尚、層形成ブレード107としては、トナーを層状にできるものであれば特に限定されず、板状ばね部材表面に弾性体を設けるようにしても差し支えない。
一方、現像ロール103の現像領域より下流側で中間ロール104との間にて現像ロール103に対向する位置には、現像ロール103に接触するように例えばアルミニウム合金製の金属ロールからなるリフレッシュロール108が設けられ、このリフレッシュロール108を接地することで、現像ロール103上の残留トナーを静電的に除去すると共に、現像ロール103表面の除電機能を果たすようになっている。また、このリフレッシュロール108には図示外の金属製ブレードが設けられ、リフレッシュロール108に付着したトナーを回収するようになっている。尚、リフレッシュロール108としては金属ロールに限られず、例えば導電性繊維を用いたブラシ部材を用いるようにしてもよい。
そして、現像ロール103には、像保持体20(具体的には画素電極34)との間でバイアスが印加できるようにバイアス電源114が接続され、画素電極34の潜像電位に付加した現像電界が適宜供給できるようになっている。
−使用トナー−
このような現像装置100に用いられるトナー(導電性トナー)は、例えば図9(a)に示すように、導電性を有する材料からなる導電性トナー基体(導電性コア)130を有し、この導電性コア130の周囲を絶縁性被覆層(例えば絶縁性樹脂層)140で被覆すると共に、導電性コア130の一部が表面に露出するように絶縁性被覆層140に適宜数の凹部150を設けたものが用いられる。導電性トナーは、重合法や各種公知のカプセル化技術で作製することができ、導電性コア130としては、ポリエステル系樹脂やスチレン−アクリル系樹脂に導電性カーボンやITO等の透明導電粉などの導電剤を分散させたり、ポリエステル系樹脂やスチレン−アクリル系樹脂からなる粒子表面を前記導電剤により被覆することによって作製される。
このような導電性トナーに対し高電界を作用させると、高抵抗であったものが低抵抗化する傾向を示す。このように低抵抗化する電界の大きさについては、導電性トナーの主として凹部150の占有割合、あるいは、絶縁性被覆層140の厚さなどに依存する。このようなメカニズムは、導電性コア130が絶縁性被覆層140にて被覆されているため、導電性コア130自体がコア同士接触することや電界を作用させる電極部材等に直接接触することがなく、絶縁性被覆層140を介して一定の微小間隙を保つことになり、この結果、例えば高電界が印加された時、トンネル効果等により導通することによるものと推測される。
また、導電性トナーの他の態様としては、例えば図9(b)に示すように、導電性コア130を絶縁性若しくは半導電性の被覆層160にて被覆し、被覆層160の厚さhを適宜調整することにより、導電性トナーの抵抗を調整可能としたものが挙げられる。このとき、半導電性の被覆層160については、それ自体半導電性の材料を用いるようにしてもよいし、例えば絶縁性樹脂に、酸化チタンや酸化すず等の金属酸化物や導電性カーボン等の導電剤を微量含有させた半導電性樹脂を用いるようにしてもよい。そして、導電性コア130としては、例えば通常の絶縁性トナーからなる絶縁性トナー基体(絶縁性コア)の外表面近傍に導電性微粒子を付着させる態様や、絶縁性コアの内部に導電性微粒子を混入させるものなど適宜選定して差し支えない。
−転写装置−
本実施の形態の転写装置43は、図2に示すように、例えば転写ロールが中間転写ベルト50を挟んだ状態で像保持体20に対向配置させ、この転写ロールと像保持体20との間に像保持体20上のトナー像が中間転写ベルト50上に転写される方向の転写電界が作用するように転写バイアスが印加されるようになっている。また、このような転写装置43としてコロナ帯電器を使用することも可能であるが、放電生成物の生成を抑える意味からすれば、コロナ帯電器より転写ロールの方が好適である。更には、転写装置43として転写部位にある画素電極34に対し、例えば画像信号に応じた電圧を印加し、画素電極34上に付着したトナー量に合った転写電界を作用させるようにしても差し支えない。
−清掃装置−
本実施の形態の清掃装置42(200)は、図10に示すように、清掃容器201内に像保持体20に対向配置される清掃部材としての静電ブラシ202を有し、更に、この静電ブラシ202に付着したトナーを回収するためのトナー回収部材として一つの回収ロール204が静電ブラシ202に接触するように設けられたものとなっている。また、本実施の形態では、回収ロール204によって回収されたトナーを回収ロール204から掻き落とすブレード206が設けられると共に、ブレード206によって掻き落とされた廃トナーを清掃容器201外に搬送する撹拌搬送部材207が設けられている。尚、図中符号30aはマトリクスパネル30の基材であるフィルムを示し、符号36は保護層を示している。
そして、像保持体20と静電ブラシ202とが接触する接触領域mに対して、例えば四つの画素電極34が配置されるようになっており、これらの画素電極34と静電ブラシ202との間の清掃電界が隣接する画素電極34間で極性の異なるものとなるようになっている。図11は、清掃装置200における清掃電圧の印加状態を示す模式図であり、ここでは、分かり易くするため、図10の清掃装置200の像保持体20を下方にし、静電ブラシ202と画素電極34との関係を示すようにしている。
同図において、静電ブラシ202にはバイアス電源203からVCの電圧が印加される一方、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域mに位置する画素電極34(具体的にはP〜P位置にある画素電極)には、清掃電圧形成部85(図7参照)によって形成された清掃電圧によって、P位置及びP位置にVA、P位置及びP位置にVBが印加されるようになっている。本実施の形態では、例えばVA=50V、VB=0V、VC=25Vとし、(VA+VB)/2=VCとなるように設定されている。また、画素電極34に印加される電圧は、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域mに至る前に該当する画素電極34にVA若しくはVBの電圧が印加されるようになっている。
本実施の形態では、一つの画素電極34毎に極性を変化させる態様を示したが、これに限定されず、一つの領域が複数の画素電極34によって構成されるようにしても差し支えない。また、接触領域mにて四つの画素電極34を備える態様を示したが、これに限られず、接触領域mにて極性の異なる清掃電界の領域が複数設けられるようになっていればよい。
静電ブラシ202は、例えばアルミニウム合金製のシャフトへ布を巻き付け起毛させたもので、外径20〜60mm、パイル高さ3〜20mm、レーヨン、アクリル、ナイロン樹脂等に導電性カーボンブラックを分散させ、体積抵抗率を10〜1010Ω・cmに調整したもので、密度を2万〜10万本/in、繊維径を3〜10デニール(約12〜20μm)のものとした。また、静電ブラシ202の回転方向は像保持体20への負荷をより軽減するために像保持体20との対向部位で同方向に回転し、その周速(回転速度)vが像保持体20の移動速度(回転速度)vの1.5〜3倍になるように設定されている。尚、ここでは静電ブラシ202の回転方向を像保持体20との対向部位で互いに同一方向に回転するようにしたが、静電ブラシ202の回転方向は像保持体20との対向部位で互いに異なる方向に回転するようになっていても差し支えない。
また、回収ロール204は、例えばアルミニウム合金製のシャフトの表面に、シリコーンゴム、EPDM、SBR、ウレタン系エラストマー等の樹脂に導電化剤を練り込んだ弾性層を注型成形した後に硬化処理を施し、更に、この弾性層表面に、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等に導電化剤を加えて抵抗調整を行った塗布液を塗布し、硬化処理を施すようにして高抵抗層を積層形成するようにしたものとなっている。尚、導電化剤としては、カーボンブラック、グラファイト、イオン導電剤等が挙げられる。
そして、回収ロール204は静電ブラシ202との対向部位で例えば互いに異なる方向に回転し、回収ロール204には静電ブラシ202との間にトナー回収電界が作用するようにバイアス電源205が接続され、例えば+250Vが回収ロール204に印加されるようになっている。
このような構成における回収ロール204に要求される機能としては、低電位性、自己放電性、非電荷注入性等が挙げられる。低電位性とは、十分なトナー回収電界を得るためには、回収ロール204での電気容量的な電圧損失を小さくすることが必要であることに基づく。そのために、回収ロール204の高抵抗層は薄層ほど良いが、作製時のピンホールの発生を防ぐこと等を考慮して数十μm程度の厚さに設定される。また、自己放電性とは、回収ロール204に電荷が蓄積しないように抵抗を設定することで、回収ロール204が一回転する時間である数100ms以下の放電時定数が得られるようにすることに基づき、体積抵抗率が1011Ω・cm以下に設定される。更に、非電荷注入性とは、回収ロール204から回収されたトナーに対し逆電荷が注入されると、静電ブラシ202側にトナーが逆戻りすることから、これを抑えるために必要となるものである。つまり、トナー回収電界でトナーに余分な電荷注入をさせないようにするには、トナー回収電界が作用している時間内で電荷移動や減衰が起こらないようにすることが必要で、時定数で約0.1秒以上であることが好ましく、そのため、体積抵抗率が1011Ω・cm以上であることが理想的である。
しかしながら、現実的には一部に電荷注入が発生して回収ロール204のトナーが静電ブラシ202側に戻っても清掃装置200としての実使用は可能であり、体積抵抗率が10Ω・cmであっても実用上の問題はない。このことに加え、更に自己放電性も考慮することで、回収ロール204の体積抵抗率としては10〜1011Ω・cmの範囲内に調整される。
以下に、本実施の形態における画像形成装置での作用について説明する。
−潜像形成−
図7に示したように、画素電極34に印加する潜像電圧としては、画像信号の信号波形を階調変換部82にて階調変換し、階調変換されたデータに応じた潜像電圧が画素電極34に印加されるようになる。
つまり、図12に示すように、画像信号に対し、予め決められた閾値α、β、γを設け、この閾値によって階調変換し、例えばα以下の部分に対してV0、αを超えβ以下の部分に対してV1、βを超えγ以下の部分に対してV2、γを超える部分に対してV3の潜像電圧を印加設定することで、四階調の変換がなされるようになる。そのため、この階調変換に応じて潜像電圧が印加されることで、画素電極34夫々には四階調に応じた電位ポテンシャルが形成されるようになる。
−現像のメカニズム−
図8に示すように、アジテータ111により撹拌されたトナー(導電性トナー)がトナー供給ロール106側に供給された後、トナー供給ロール106の回転によって中間ロール104との対向部位に運ばれ、対向部位で異なる方向に回転する中間ロール104に供給される。中間ロール104上に供給されたトナーは層形成ブレード107によってその層厚が規制され、中間ロール104上に略均一なトナー層が形成される。この均一に形成された中間ロール104上のトナー層は、中間ロール104と電荷注入ロール105との対向部位にて、両者間に挟持され摺擦されながら、バイアス電源113によりもたらされる電荷注入電界によって電荷注入される。
このような状態において、両者間に挟持されたトナー層は単層以下に揃えられることから、トナーと電荷注入ロール105との接触確率が高められ、しかも、トナーの接触抵抗を小さくすることが可能になり、その分、トナーの見かけ上の抵抗が小さくなり、トナーは低抵抗な状態で電荷注入されるようになる。そのため、電荷注入電界としては比較的低電界であってもトナーには効率的に電荷注入が行われるようになる。特に、本実施の形態では電荷注入ロール105がトナーへの電荷注入機能を専用に行うことができるため、電荷注入作用を安定して行うことができるという特長がある。
このように、単層以下になったトナー層に対して電荷注入を行うことで、トナーに対する電荷注入が効果的になされ、逆極性トナーの発生を抑えることができるようになる。また、中間ロール104と電荷注入ロール105との間にトナーが挟持され、摺擦されながら電荷注入がなされることから、トナー層間にせん断力が与えられるため、トナーが分極状態で重なることを防止でき、電荷注入電界が仮に高電界の場合であっても逆極性トナーの発生が防止されるようになる。そして、電荷注入ロール105との対向部位を経た中間ロール104上には、略均一な電荷注入がなされた単層以下のトナー層が形成され、中間ロール104に保持されてそのまま搬送されるようになる。
次に、電荷注入によって帯電されたトナーは中間ロール104と現像ロール103との対向部位に搬送される。ここでは、中間ロール104と現像ロール103とを互いに異なる方向に回転させ、バイアス電源112により移動電界を作用させるようにしているので、トナーは中間ロール104と現像ロール103とのニップを通過することなく、静電的に現像ロール103へ移動するようになり、トナー帯電量の変化が抑えられるようになる。更に、現像ロール103の周速に対し中間ロール104の周速を1.2〜2倍に増加させているため、中間ロール104から現像ロール103へ移動するトナー量をより多くすることができ、結果的に現像ロール103上のトナー量密度を中間ロール104上のトナー量密度の略1.2〜2倍にすることができるようになり、現像ロール103上のトナー量密度を上昇させることができるようになる。尚、このとき、中間ロール104と現像ロール103とは、必ずしも対向部位で異なる方向に回転する必要はなく、対向部位で同じ方向に回転させるようにしてもよい。このことは、移動電界が電荷注入電界に比べ小さく設定されているため、この移動時にトナーの帯電状態が変化する虞が少ないことによる。
そして、現像ロール103上に移動したトナーは、そのまま現像ロール103上を搬送されて現像ロール103と像保持体20との対向部位に進み、像保持体20上の画素電極34(図示せず)の潜像電位による潜像パターンに対応して現像がなされるようになる。このとき、現像ロール103上のトナー量密度が高くなっていることから、潜像に合わせた画像濃度をより精細に実現できるようになる。また、現像ロール103の周速を徒に速める必要もないことから、細線再現性や粒状性等の画質劣化も抑えられ、十分な画像濃度を得ることができるようになる。つまり、図13(a)に示すように、潜像電圧形成部81(図7参照)にて形成された潜像電圧V0〜V3が印加された画素電極34に対しては、潜像電圧に応じたトナー付着がより忠実な形でなされるようになる。尚、バイアス電源114を接地するようにしても差し支えない。
更に、マトリクスパネル30の保護層36として、光導電層を用い、現像部位に対応して光照射を行うようにすれば、図13(b)のように保護層36の誘電厚さが小さくなり、その分、現像時の保護層36による電圧降下を少なく抑えることができ、潜像電位が小さい場合でも十分大きな電位ポテンシャルが得られ、画素電極34に(a)と同様の潜像電圧を印加した場合には、より多くのトナーを付着させることができるようになり、その分、潜像電圧自体を小さくすることも可能になる。
−転写−
図14(a)に示すように、転写時には、像保持体20の剛体ドラム21と転写装置43との間に像保持体20上のトナーを中間転写ベルト50側に転写させるために、例えばバイアス電源43aにて転写電圧VTを印加することで転写電界を作用させるようにしている。このような転写電界によって、画素電極34上に付着したトナーは画素電極34毎に略同量の転写がなされることから、転写像のより忠実な再現性を図るには画素電極34毎に付着したトナー量に応じた電界強度を有する転写電界を作用させる方がよい。本実施の形態では、画素電極34を使用していることから、図14(b)に示すように、例えば画素電極駆動装置80(図7参照)内に転写電圧形成部43cを設け、この転写電圧形成部43cにて形成された画像信号に応じた転写電圧(例えば−V1’、−V2’ −V3’)を画素電極34に印加するようにすれば、付着トナー量に応じた転写電界を画素電極34毎に変化させることも可能になり、付着トナー量の略全量を中間転写ベルト50に転写させることで転写像の再現性を向上させることも可能になる。尚、このとき、転写装置43はバイアス電源43bから例えばVT’の電圧が供給されるようになっていればよく、VT’の値としては適宜選定すればよい。
−両極性トナーの清掃メカニズム−
次に、本実施の形態における像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃メカニズムについて説明する。
一般的に突発的な故障を防止し、像保持体20の摩耗や損傷を防止するためには、静電力を利用した清掃方式が好適である。このような静電力を利用した清掃方式としては、像保持体として感光体を用い、この感光体に対して静電ブラシや磁気ブラシを用いる方式が知られている。そして、このような静電力を利用する際の清掃電界は、清掃部材である静電ブラシあるいは磁気ブラシと感光体との間の電位関係によって一義的に決定される。これに対し、本実施の形態では、図11に示すように、静電ブラシ202及び画素電極34へ所望の電圧を印加することにより、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域m内に極性の異なる清掃電界の領域を形成することで、両極性トナーを一つの静電ブラシ202にて清掃しようとするものである。
本実施の形態では、像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位にて互いに同一方向に移動するように回転させ、更に、静電ブラシ202の回転速度vを像保持体20の回転速度vより大きくしていることから、静電ブラシ202に吸引されなかったトナーは前方に移動されるようになる。
図15はこのことを分かり易く説明したもので、今、(a)のように、静電ブラシ202と像保持体20との対向部位(接触領域m)にて画素電極34の一部(P位置及びP位置)に対しVAの電圧(画素電極34側が正となる方向の清掃電界E(+)が作用する領域)、残り(P位置及びP位置)に対しVBの電圧(画素電極34側が負となる方向の清掃電界E(−)が作用する領域)が作用するように、清掃電圧形成部85(図7参照)にて形成された電圧が印加されるようになっており、静電ブラシ202にはバイアス電源203によってVCの電圧が接続されている。そのため、清掃電界E(+)の電界強度は(VA−VC)に比例し、清掃電界E(−)の電界強度は(VC−VB)に比例する。
ここで、例えば画素電極34のP位置に正極性及び負極性のトナーがある場合、このP位置では画素電極34と静電ブラシ202との間に画素電極34側が負となる方向の清掃電界E(−)が作用することで、静電ブラシ202側に像保持体20上の負極性トナーが吸引される。このとき、像保持体20上の正極性トナーは静電ブラシ202に吸引されることなく、静電ブラシ202の摺擦力によってその回転方向に沿って移動するようになる。このとき、画素電極34のP位置では(b)に示すように、画素電極34と静電ブラシ202との間に画素電極34側が正となる方向の清掃電界E(+)が作用することから、移動した正極性トナーがP位置で静電ブラシ202側に吸引されるようになる。また、静電ブラシ202に先に吸引された負極性トナーは静電ブラシ202のトナー保持力によってP位置での清掃電界E(+)が作用するようになっても像保持体20側へ戻ることは殆どない。一部が像保持体20に再付着したとしても、上述の作用を繰り返すことで像保持体20上の残留トナーが清掃されるようになる。
また、図16(a)及び(b)は図15(a)(b)の要部拡大図であり、静電ブラシ202として具体的なブラシ繊維を示したものである。つまり、P位置での清掃電界E(−)によって負極性トナーは静電ブラシ202(ブラシ繊維)に吸引され、P位置での清掃電界E(+)によって正極性トナーが静電ブラシ202に吸引されるようになる。
このように、像保持体20に対し静電ブラシ202を同一方向に回転させ、更にその速度を速くしていることで、静電ブラシ202による像保持体20への損傷も小さく抑えられるようになり、像保持体20の長寿命化を推進することも可能になる。また、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域の上流側にトナーを飛散させることも少なくなり、トナークラウドの発生も抑えられるようになる。
ここでは、像保持体20の回転方向に沿った画素電極34に対し一画素ずつ清掃電界の極性を変える態様を示したが、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域mにおいて異なる清掃電界を有する領域が設けられるようにすればよい。
次に、本実施の形態と異なる比較の形態として、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域mに極性の異なる清掃電界を有する領域がない場合について説明する。図17は、像保持体20と静電ブラシ202とが対向する接触領域mに対し、極性の異なる清掃電界の領域を持たない画像形成装置での両極性トナーの清掃作用を示すものである。ここで、(a)は像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で同一方向に回転するものであり、(b)は像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で異なる方向に回転するものとなっている。また、ここでは、実施の形態と同様の駆動系を用いて画素電極34及び静電ブラシ202に清掃電圧形成部85’で形成された清掃電圧を印加するものとしている。そして、像保持体20と静電ブラシ202との接触領域mの画素電極34(P位置からP位置まで)は画素電極側が正となる方向の清掃電界E(+)が作用するA領域となっており、像保持体20の回転方向上流側にA領域と極性の異なる清掃電界を有するB領域があるものとして表している。尚、(b)については後述する。
図17(a)のように、像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに同一方向に回転する場合、A領域の両極性トナーのうち、正極性トナーは清掃電界E(+)によって静電ブラシ202に吸引されるが、負極性トナーは清掃電界E(+)によって像保持体20上に留まり易く、結果的に静電ブラシ202との接触領域mを抜けてそのまま下流側に送られるか、あるいは、静電ブラシ202の摺擦力によって下流側に押しやられるようになる。そのため、静電ブラシ202によって本例では正極性トナーの清掃はなされるものの、負極性トナーの清掃は良好になされず像保持体20上に残留トナーとして残るようになり、清掃効果が低下する虞がある。したがって、接触領域mに極性の異なる清掃電界の領域を設けることでの清掃効果が如何に大きいかが理解される。
次に、本実施の形態の変形の形態として像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに異なる方向に回転する場合について説明する。
図18(a)に示すように、像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに異なる方向に回転する場合、P位置にある両極性トナーのうち、P位置では静電ブラシ202に正極性トナーが吸引され、吸引されなかった負極性トナーは静電ブラシ202の摺擦力によって塞き止められる。この塞き止められた負極性トナーは、(b)に示すように、P位置の後の画素電極34の極性によって静電ブラシ202に吸引されるようになる。また、P位置で静電ブラシ202に吸引されなかった負極性トナーがP位置に塞き止められず、P位置の画素電極34に吸着されたまま移動しても、接触領域m内で静電ブラシ202の摺擦力によって前後の画素電極34側に移動し、その画素電極34の極性の異なる清掃電界E(−)によって静電ブラシ202に吸引されるようになる。そのため、このような回転方向では、通常、静電ブラシ202による像保持体20の摺擦力が対向部位で同方向に回転するものに比べ大きくなり、像保持体20に対する損傷を招き易い虞はあるが、清掃効果自体は良好になる。
ここで、比較の形態として像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに異なる方向に回転し、接触領域mで極性の異なる清掃電界の領域がない場合を想定すると、前出の図17(b)に示すように、接触領域mにあるA領域(P位置からP位置までの画素電極34に相当)の正極性トナーは静電ブラシ202に吸引されるが、負極性トナーは像保持体20上に留まり易くなる。しかしながら、静電ブラシ202の摺擦力によって像保持体20の回転方向上流側に押しやられ易く、静電ブラシ202との接触領域mの上流側端部から図中矢印で示す上流側方向に飛散され易くなる。また、飛散しない場合には、接触領域mの上流側端部に塞き止められるようになり、次のB領域が接触領域mに達することで静電ブラシ202に吸引されるようになる。しかしながら、塞き止め量が増加すると、この部位でのトナー単体に作用する清掃電界が見かけ上小さくなり、静電ブラシ202への十分な静電吸引作用を来さなくなり、良好に清掃されないばかりか、続く残留トナーが接触領域m内に侵入することも妨げるようにもなり、十分な清掃効果を発揮し難くなる虞がある。また、塞き止め量の増加によってここから飛散されるトナーも増えるようになり、トナークラウドの問題を生じる虞もある。
したがって、このように像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに異なる方向に回転する場合にも、接触領域mに対して極性の異なる清掃電界の領域を備えることがよいことが理解される。
そして、このように像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で互いに異なる方向に回転する場合での作用は、像保持体20と静電ブラシ202とが対向部位で同じ方向に回転し、静電ブラシ202の回転速度vが像保持体20の回転速度vより小さい場合にも同様になされるようになる(図17(a)参照)。つまり、静電ブラシ202の回転速度vが像保持体20の回転速度vより小さい場合には、ブラシ繊維が像保持体20に対し見かけ上逆回転する方向になり、像保持体20上のトナーを塞き止める方向に作用するようになることによる。
また、静電ブラシ202の回転速度vが像保持体20の回転速度vに等しい場合には、静電ブラシ202による摺擦力が低減するが、静電ブラシ202のブラシ繊維の先端は像保持体20との接触によって多少摺動することから、ある程度の摺擦力が得られるようになり、像保持体20上のトナーを移動させることができる。そのため、静電ブラシ202による清掃効果が発揮されるようになる。
そして、本実施の形態では像保持体20の回転方向に対してこのような清掃電界を作用させる際、像保持体20の回転軸方向の画素電極34に対しては同じ清掃電界が作用する向きに清掃電圧を印加するようにすればよいが、静電ブラシ202による摺擦方向は回転方向に交差する方向にも幾分向かうことから、トナーが像保持体20の回転軸方向に移動する虞も高く、それを抑えるように、像保持体20の回転軸方向にも極性の異なる清掃電界の領域を隣接させるべく画素電極34に印加する清掃電圧を設定する方がよい。
図19(a)(b)は、像保持体20の回転軸方向に沿っても画素電極34と静電ブラシ202との間の清掃電界の極性を変化させるようにした一例を示すもので、(a)は画素電極34毎の清掃電界の方向を像保持体20表面側から見た図であり、(b)は(a)の一つの走査ライン(ここでは例えばP位置)を横方向から見たもので、像保持体20及び静電ブラシ202はいずれも紙面の奥側に向かって移動するようになっている。
ここで、像保持体20の回転方向に沿った方向にはP位置からP位置までに一つの画素電極34毎に清掃電界の極性を変化させ、更に、像保持体20の回転軸方向のH位置からH位置までは二つの画素電極34毎に清掃電界の極性を変化させるようにしたものを表している。尚、A領域及びB領域は極性の異なる清掃電界の領域を示し、A領域は画素電極34側が正となる方向の清掃電界E(+)の領域、B領域は画素電極34側が負となる方向の清掃電界E(−)の領域を表している。
今、静電ブラシ202の一つのブラシ繊維に着目すると、画素電極34のH位置にある正極性トナーは清掃電界E(+)によって静電ブラシ202に吸引されるようになるが、負極性トナーは静電ブラシ202によって移動される。このとき、静電ブラシ202の回転によって負極性トナーが像保持体20の回転軸方向に移動されることが生じ、例えばH位置にある負極性トナーがH位置側に押しやられるようにもなる。しかしながら、図のように、H位置の画素電極34にはH位置と極性の異なる清掃電界E(−)が作用するようになっているため、負極性トナーは図中Fで示す斥力を受け、H位置側への移動が抑えられ、静電ブラシ202の回転方向下流側に移動され易くなる。その結果、下流側に移動された負極性トナーは例えばP位置にある画素電極34の作用によって静電ブラシ202側に吸引されるようになる。
このように、像保持体20の回転軸方向に対しても画素電極34と静電ブラシ202との間に極性の異なる清掃電界を作用させることで、より像保持体20上のトナーの清掃が良好になされるようになる。尚、像保持体20の回転軸方向の画素電極34に対してトナーの飛散を抑えることからすれば、一〜数個程度の画素電極34毎に対応して極性を切り替える方が好適である。
また、本実施の形態では、例えば図11に示すように、清掃時に静電ブラシ202にバイアス電源203よりVCを印加していることから、清掃時の画素電極34に対する清掃電圧として、極性の異なる清掃電界の領域を形成するためにVA及びVBを印加し、VC=(VA+VB)/2となるようにしている。そのため、例えばVBを接地するようにしても、VAとVCの二つの電源を必要とする。しかしながら、例えば静電ブラシ202を接地するようにすれば、画素電極34に対して例えばVA及びVB(=−VA)を印加するようにすればよく、この場合、いずれかの電源を一方からインバータを介して供給することもできるようになり、電源の数量が低減されたり、制御が容易になるなどの利点がある。
−両極性トナーの回収メカニズム−
次に、回収ロール204による静電ブラシ202からの両極性トナーの回収メカニズムについて図20の模式図を参照しながら説明する。
本実施の形態では、トナーとして導電性トナーを用い、導電性トナーが自身に作用する電界の大きさによって電気抵抗を大きく変化させる(スイッチング)機能を有することから、静電ブラシ202からトナーを回収する際にトナーに高い電界を作用させて低抵抗へスイッチングさせ、所望の電荷注入を容易にさせることで、静電ブラシ202に吸引された両極性トナーの帯電極性を揃えるようにして回収する方式が採られている。つまり、像保持体20(具体的には画素電極34に印加される清掃電圧によって決まる)と静電ブラシ202との間の清掃電界によって像保持体20上の両極性トナーは静電ブラシ202に吸引され、更に、静電ブラシ202に保持されるようになる。静電ブラシ202に保持された両極性トナーに対しては、静電ブラシ202と回収ロール204との対向部位にて清掃電界より大きなトナー回収電界を作用させることで、両極性トナーのうち、例えば正極性トナーがトナー回収電界によって電荷注入されて負極性化する。これにより、両極性トナーが一つの回収ロール204に回収されるようになる。尚、清掃時には、トナーが低抵抗であると清掃されたトナーに電荷が注入され、電荷注入されたトナーが像保持体20に再付着するようになるため、静電ブラシ202側に清掃時に作用させる清掃電界をトナー回収電界より低電界で行うことで清掃時にはトナーは高抵抗に保たれ、効率的な清掃がなされるようになる。
すなわち、本実施の形態では、トナーに作用する電界強度が予め決められた値(規定値)より大きくなれば抵抗が大きく低下する導電性トナーを使用し、像保持体20上の残留トナーを静電ブラシ202に吸引する清掃時の清掃電界の電界強度を前記規定値より小さくする一方、静電ブラシ202から回収ロール204にトナーを吸引する回収時のトナー回収電界の電界強度を前記規定値より大きくすることで、像保持体20から清掃されて静電ブラシ202に付着したトナーに電荷注入が行われて、トナーの極性が揃えられ、静電ブラシ202に付着した両極性トナーの回収ロール204への回収が容易になされるようになる。
尚、静電ブラシ202に付着したトナーを回収するため、回収ロール204を用いる代わりに、例えばフリッカバーを用い静電ブラシ202から機械的に掻き落とすようにしてもよいし、エアー吸引によって静電ブラシ202に付着したトナーを除去するようにしてもよいが、前者では静電ブラシ202の繊維に絡まったトナーの除去性が低く、除去効果が低下する虞があり、後者では装置自体が大型化し易いことに配慮する必要がある。
そして、本実施の形態では、現像装置100として図8に示す構成のものを用いたが、変形の形態として図21に示す現像装置100を用いるようにしてもよく、導電性トナーへの電界注入が有効になされるようになる。この現像装置100は、図8の現像装置100と略同様に構成されるが、電荷注入ロール105が独立に設けられるものではなく、中間ロール104とトナー供給ロール106との間に設けられる一方、層形成ブレード107が電荷注入ロール105上のトナーを規制するように設けられている点が図8の現像装置100と異なる。そのため、トナーはトナー供給ロール106から電荷注入ロール105に供給され、電荷注入ロール105から中間ロール104を経て現像ロール103に搬送されるようになる。尚、符号109は、中間ロール104上の残留トナーを静電的に除去すると共にその表面の除電機能を果たすリフレッシュロールである。
このような構成の現像装置100での作用について説明する。アジテータ111によって撹拌されたトナーは、トナー供給ロール106側に供給される。トナー供給ロール106に供給されたトナーは電荷注入ロール105との対向部位で電荷注入ロール105側へ供給され、電荷注入ロール105上で層形成ブレード107によって層厚規制され、所定のトナー層が形成される。
層形成ブレード107によって形成されたトナー層は、電荷注入ロール105と中間ロール104との対向部位にて、この間に作用する電荷注入電界により電荷が注入されて帯電される。このとき、トナーは電荷注入ロール105と中間ロール104との間に挟持され、かつ、両者間の周速差によって摺擦されながら単層以下の層になって電荷注入されることになり、トナーと電荷注入ロール105との接触確率が高められ、しかも、トナーの接触抵抗を小さくすることが可能になり、その分、トナーの見かけ上の抵抗が小さくなり、トナーは低抵抗な状態で電荷注入される。
電荷が注入され帯電されたトナーは、中間ロール104上に単層以下のトナー層として保持されてそのまま搬送されるようになり、中間ロール104と現像ロール103との対向部位に達する。ここでは、両者間にトナーの移動を容易にする方向の移動電界を作用させると共に、更に、互いに異なる方向に回転し、中間ロール104の周速が現像ロール103の周速より速くなっているため、現像ロール103上には中間ロール104上のトナー量密度より高いトナー量密度のトナー層が形成され、現像ロール103上に保持されて搬送される。現像ロール103によって搬送されたトナーは、像保持体20との対向部位である現像領域にて像保持体20上の潜像パターンを可視像化する。
以上のように、本実施の形態における現像装置100としては中間ロール104を用いる態様を示したが、例えば中間ロール104を用いずに現像ロール103に電荷注入ロール105を直接対向配置させ、現像ロール103と電荷注入ロール105との間でトナーに電荷注入を行うようにしても差し支えない。
◎実施の形態2
本実施の形態の画像形成装置は実施の形態1の画像形成装置(例えば図2参照)と略同様に構成されるが、使用するトナーとして例えば電子写真方式の画像形成装置に通常使用されるトナーを用いており、現像装置41及び清掃装置42が実施の形態1と異なるものとなっている。以下にそれらの概要を説明する。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
−現像装置−
本実施の形態の現像装置41は、潜像パターンが形成された画素電極34に対して通常のトナーによる現像を行うようにしたもので、像保持体20に対向配置される現像ロールに対して所定のトナー量が供給され、像保持体20と現像ロールとの対向部位である現像部位にて現像ロールと画素電極34との間の電界作用により、現像ロール上のトナーが像保持体20側に飛散するようになる。尚、このような現像装置41としては、公知の一成分現像方式あるいは二成分現像方式のいずれを用いても差し支えない。
−清掃装置−
本実施の形態の清掃装置42(200)は、図22に示すように、清掃容器201内に像保持体20に対向配置される静電ブラシ202を有し、静電ブラシ202に付着した両極性トナーを静電ブラシ202から回収するために二つの回収ロール208,210が設けられている。これらの回収ロール208,210は静電ブラシ202と例えば対向部位で異なる方向に回転し、一方の回収ロール208には静電ブラシ202との間に例えば回収ロール208側が正となるトナー回収電界が作用するようにバイアス電源209が接続され、もう一方の回収ロール210には静電ブラシ202との間に例えば回収ロール210側が負となるトナー回収電界が作用するようにバイアス電源211が接続されている。また、夫々の回収ロール208,210には、回収ロール208,210からトナーを掻き落とすブレード212,213が設けられている。
静電ブラシ202や回収ロール208,210は実施の形態1と同様の構成であり、静電ブラシ202にはバイアス電源203によって例えばVCが印加される一方、回収ロール208にはバイアス電源209によって例えばVDが印加され、回収ロール210にはバイアス電源によってVEが印加されるようになっている。
−両極性トナーの回収メカニズム−
このような清掃装置200での静電ブラシ202による像保持体20上の両極性トナーの清掃メカニズムは実施の形態1と同様のため、ここでは、回収ロール208,210による両極性トナーの回収メカニズムについて説明する。
本実施の形態で用いられるトナーは通常のトナーであることから、実施の形態1のようにトナーに電荷注入を行うことをせず、トナーの極性毎に夫々一方の回収ロール208又は210にて回収するようになっている。つまり、静電ブラシ202に保持されたトナーのうち、負極性トナーは回収ロール208によるトナー回収電界によって回収ロール208に回収される一方、正極性トナーは回収ロール210によるトナー回収電界によって回収ロール210に回収される。そのため、静電ブラシ202に付着したトナーの極性がいずれであっても良好な回収がなされ、静電ブラシ202によるその後の清掃効果の維持がなされるようになる。
上述した実施の形態1及び実施の形態2では、画像形成装置として像保持体20を複数備えるカラー用画像形成装置の態様を示したが、一つの像保持体20を用いるモノクロ用画像形成装置であっても差し支えない。
◎実施の形態3
図23は、実施の形態3の画像形成装置の概略を示すものであり、本実施の形態の画像形成装置は実施の形態1の画像形成装置(図2参照)と異なり、一つの像保持体20の周りに複数(本例では四つ)の現像装置410を設けたものとなっている。
本実施の形態の像保持体20は、実施の形態1と略同様に構成され、マトリクス状に構成された画素電極が設けられている。この像保持体20の周囲には、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した現像装置410(410a〜410d)が配置され、像保持体20に形成された潜像パターンを各現像装置410で現像してトナー像を形成するようになっている。また、像保持体20の周囲には、現像装置410dと現像装置410aとの間に像保持体20上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写装置430が設けられ、更に、この転写装置430と現像装置410aとの間には清掃装置200が設けられている。
本実施の形態における現像装置410としては、実施の形態1のように導電性トナーを用いるタイプの現像装置100(例えば図8参照)を用いてもよいし、通常のトナーを使用する場合の現像装置(実施の形態2参照)を用いるようにしてもよく、また、清掃装置200としては、導電性トナーを用いた場合には実施の形態1で用いたような清掃装置200(図10参照)を使用したり、実施の形態2で用いたような清掃装置200(図22参照)を使用するようにしてもよい。
本実施の形態の画像形成装置では、先ず、所定の画素位置(走査ライン)が現像装置410aの現像領域に達するまでの間に、像保持体20のこの画素位置に対して例えばイエローの画像信号に応じた潜像電圧をデータラインに供給することで潜像が形成され、以降の走査ライン上の画素電極(図示せず)に順次イエローの画像信号に応じた潜像が形成される。像保持体20上のこれらの潜像を現像装置410aにて現像しながら、所定の画素位置が次の現像装置410bの現像領域に達するまでの間に、この所定の画素位置に対してマゼンタの画像信号に対応した潜像が形成され、以降の走査ライン上の画素電極に順次マゼンタの画像信号に応じた潜像が形成されて、現像装置410bにて現像される。同様にして、シアン及びブラックの潜像が形成されて現像され、結果的に、現像装置410dを通過した像保持体20上には、各色トナー像が多重化されたトナー像が形成されるようになる。つまり、時分割駆動により夫々の現像装置410に対応する潜像を順次形成することで、像保持体20上に各色トナー像が順次多重化されるようになる。
像保持体20上で多重化されたトナー像は、像保持体20と転写装置430とが対向する転写部位にて記録材上に転写される。このように転写された後の像保持体20上の残留トナーには、逆極性トナーも含まれるため、清掃装置100との対向部位にある画素電極に予め決められた清掃電界が作用するように清掃電圧を印加することで、像保持体20上の残留トナーは良好に清掃されるようになる。尚、清掃電圧を印加するタイミングは、潜像形成時に時分割数を増やして行うようにすればよいが、例えば像保持体20上の多重化されたトナー像が転写された後に、潜像形成を中断して例えば像保持体20の一回転分に対して清掃電圧のみを印加するようにしても差し支えない。
このように、像保持体20上で形成した各色トナー像をそのまま像保持体20上で多重化する方式は、複数の像保持体20上で各色トナー像を形成し、夫々の像保持体20から転写されたトナー像を多重化する方式のものに比べ、構成部品を少なくすることができると共に小型化や低コスト化にとっても有利なものとなる。
◎参考の形態
次に、画素電極に対して清掃電圧を印加する場合の効果を確認するため、画素電極を用いない場合の像保持体(ここでは感光体)上の両極性トナーの清掃作用について説明する。
図24は、参考の形態として画素電極を用いない場合の静電ブラシ方式の清掃装置600の概要を示すもので、像保持体としての感光体500上の両極性残留トナーを二つの静電ブラシ602,603で清掃しようとしたものである。この清掃装置600は、清掃容器601内に感光体500の移動方向との対向部位で同方向に回転する二つの静電ブラシ602,603を設け、夫々バイアス電源604,605により感光体500との間に互いに異なる電界が作用するようにして感光体500上の両極性トナーを夫々の静電ブラシ602,603で吸引しようとするものである。
更に、静電ブラシ602,603には夫々の付着トナーを回収する回収ロール606,607が静電ブラシ602,603と互いに異なる方向に回転するように設けられ、夫々バイアス電源608,609によって回収時の電界が作用するようになっている。尚、符号610,611は、回収ロール606,607上の回収トナーを掻き落とすブレードであり、また、符号612,613は掻き落とされたトナーを清掃容器601外に搬送する撹拌搬送部材となっている。
このような構成において、感光体500上の残留トナーのうち、負極性トナーは静電ブラシ602に吸引されて静電ブラシ602に付着する。更に、バイアス電源608をバイアス電源604より大きくしていることから、回収ロール606と静電ブラシ602との間の電界作用によって静電ブラシ602に付着した負極性トナーは回収ロール606側に回収されるようになる。同様に、正極性トナーは静電ブラシ605を経由して回収ロール607に回収されるようになる。
このような清掃装置600を用いることによっても両極性トナーの清掃がなされるが、静電ブラシ602,603を二つ要することから、装置構成が大型化し易く、また複雑にもなり易いものとなっている。
本実施例は、実施の形態1で用いた清掃装置(図10参照)でのトナー回収の有効性を確認するため、導電性トナーの抵抗変化について評価確認したものである。
導電性トナーは、次のように作製した。一般的なカラートナー用の絶縁性トナー(平均粒径6.5μm)に、例えばITO粒子(住友金属鉱山社製)を15wt%加え、サンプルミル(SK−M10型:協立理工社製)により混合し、絶縁性トナー表面にITO粒子を付着させた。このときの抵抗測定結果は10Ω・cmであり、十分な導電化が可能であることが判明した。
そして、このITO粒子を付着させた絶縁性トナーに、更に、ポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂などからなる絶縁性微粒子を加え、混合することにより、表面に絶縁層を形成した。この絶縁層の表面被覆率を調整することで所定の電気抵抗を得ることができることが判明した。尚、表面被覆率の調整は、例えば混合時間などを調整することで行われる。
このようにして作製した導電性トナーの体積抵抗率と印加電界との関係を測定すると、図25に示す結果が得られた。印加電界が1×10V/cm付近に体積抵抗率が急変する領域が確認され、その前後では、印加電界が約5×10V/cmで体積抵抗率は1×1013Ω・cmであるのに対し、印加電界が約2×10V/cmでは1×10Ω・cmを下回る値が得られた。
このことから、静電ブラシが不定形であるため、実際に導電性トナーに印加されている電界を特定することは難しいが、清掃電界が3×10V/cm付近、トナー回収電界が1〜3×10V/cm付近であれば、良好なトナー回収がなされ、像保持体の清掃性が維持されるものと予想される。尚、実用的には、像保持体上、静電ブラシ上、回収ロール上の導電性トナーの帯電量の変化を測定し、電荷注入の有無を測定することによって導電性トナーの電気抵抗が有効にスイッチングを行っていることが確認できた。
(a)は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要を示し、(b)は清掃時の作用を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 実施の形態1の像保持体を示す斜視図である。 (a)(b)は実施の形態1の像保持体の内部構造を示す説明図である。 実施の形態1の画素構造を示す説明図であり、(a)は画素群、(b)は一つの画素、(c)は画素間の接続の様子を示す。 実施の形態1の像保持体のマトリクスパネルの構成を示す説明図である。 実施の形態1の画素電極駆動装置を示すブロック図である。 実施の形態1の現像装置の概要を示す説明図である。 (a)及び(b)は実施の形態1で用いられる導電性トナーの概要を示す説明図である。 実施の形態1の清掃装置の概要を示す説明図である。 清掃装置の清掃電圧の印加状況を示す説明図である。 潜像電圧の階調変換を示す説明図である。 (a)は実施の形態1の現像時の作用を示す説明図であり、(b)は実施の形態1の変形の形態として保護層に光導電層を用いて光照射を行った場合の現像時の作用を示す説明図である。 (a)は実施の形態1の転写時の作用を示す説明図であり、(b)は実施の形態1の変形の形態として転写時に画素電極を利用した場合の作用を示す説明図である。 (a)(b)は本実施の形態における清掃装置での両極性トナーの清掃作用を示す説明図である。 (a)(b)は図15の要部拡大図である。 (a)(b)は実施の形態1の比較の形態として接触領域に極性の異なる清掃電界の領域を持たない場合の作用を示す説明図である。 (a)(b)は実施の形態1の変形の形態として静電ブラシの回転方向を変えた場合の両極性トナーの清掃作用を示す説明図である。 (a)(b)は像保持体の回転軸方向に対しても極性の異なる清掃電界を作用させたときのトナーの清掃作用を示す説明図である。 実施の形態1での両極性トナーの回収作用を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置の変形の形態を示す説明図である。 実施の形態2に係る清掃装置の概要を示す説明図である。 実施の形態3に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 参考の形態の清掃装置の概要を示す説明図である。 実施例の結果を示す説明図である。
符号の説明
1…像保持体,2…支持体,3…画素電極,4…保護層,5…清掃装置,6…清掃部材,7…清掃電圧印加手段,8…トナー回収手段,9…トナー回収部材,T…トナー,m…接触領域

Claims (7)

  1. 表面が移動可能な支持体と、
    この支持体表面に支持され、支持体表面の移動方向及びこれに交差する交差方向に二次元状に配列され且つ画素毎に画像情報に応じたトナー像を形成するための潜像電圧が印加可能な複数の画素電極と、
    これらの画素電極を絶縁被覆する保護層と、を有する像保持体と、
    この像保持体に対向配置され且つ像保持体表面に接触して残留トナーを清掃する回転可能な導電性清掃部材と、
    この清掃部材と前記画素電極との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、前記像保持体の移動方向に沿って配列された画素電極を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極と清掃部材との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加し、清掃部材と像保持体との間の接触領域内に少なくとも極性の異なる清掃電界が形成される領域を並存させる清掃電圧印加手段と、を有する清掃装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記清掃電圧印加手段は、更に、前記像保持体の前記交差方向に沿って清掃部材と前記画素電極との間に極性が変化する清掃電界を形成するように、前記交差方向に沿って配列された画素電極を複数の領域に分け且つ隣接する領域の画素電極と清掃部材との間に形成される清掃電界に対し互いに極性の異なる清掃電界となる清掃電圧を印加するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記清掃部材はブラシ部材であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    前記清掃部材は、像保持体との対向部位にて像保持体の前記移動方向と同方向に回転するものであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4記載の画像形成装置において、
    前記清掃部材の回転速度は、像保持体の移動速度より大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記清掃装置は、像保持体と離間した位置にて前記清掃部材に対向配置されるトナー回収部材を有し、このトナー回収部材と前記清掃部材との間にトナー回収電界を作用させて清掃部材に付着したトナーをトナー回収部材にて回収するトナー回収手段を更に備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置のうち作用電界により抵抗が変化するトナーを使用する態様において、
    トナー回収手段は、清掃電界よりも大きなトナー回収電界を前記トナー回収部材と前記清掃部材との間に印加するものであり、トナー回収電界におけるトナー抵抗を清掃電界における抵抗よりも低抵抗に変化させるものであることを特徴とする画像形成装置。
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