JP2010149151A - 金属溶湯保持炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属溶湯保持炉に用いられる燃焼筒部材に付着する金属酸化物の除去を容易とすることにより、金属溶湯を所定温度で保持するに際して、メタルロスの発生を抑制して燃焼効率を向上させるとともに、不純物の混入を抑制し、さらに燃焼筒部材の利便性を高めた作業効率のよい金属溶湯保持炉を提案する。
【解決手段】溶解した金属溶湯M内に燃焼筒部材20を浸漬し該燃焼筒部材内で保持バーナー15を燃焼することにより金属溶湯を加熱保温するようにした溶湯保持炉10において、燃焼筒部材の上部にフランジ部28を形成し、燃焼筒部材のフランジ部と炉体11の間に回転球部材40を配し、燃焼筒部材を炉体上部から交換可能に吊下げ配置する。
【選択図】図6

Description

この発明は、溶解した金属溶湯を保持バーナーによって加熱保温する金属溶湯保持炉に関し、特に燃焼筒部材を介して金属溶湯を加熱保温する金属溶湯保持炉に関する。
アルミニウム鋳造に際し、金属材料を加熱溶解して得られた金属溶湯は、例えば図7及び図8に示すような金属溶湯保持炉100において保温され蓄積される。金属溶湯保持炉100には、金属溶湯Mを加熱して所定温度に保温する保持バーナー115が備えられている(特許文献1等参照)。この金属溶湯保持炉100にあっては、金属溶湯Mの加熱保温性能を向上させるため、保持バーナー115の直下に火炎放出窓部125を形成した燃焼筒部材120が配置される。図示から把握されるように、燃焼筒部材120の下方側が金属溶湯の内に浸漬されている。
保持バーナー115の火炎の熱は燃焼筒部材120の内壁部124を通じて金属溶湯Mに伝導される。さらに、保持バーナー115の火炎は火炎放出窓部125から金属溶湯Mの液面Sにも噴出される。そこで、金属溶湯は内部側及び上面側から加熱保温されるため、当該金属溶湯保持炉100は極めて熱伝導効率のよい構造である。同時に金属溶湯保持炉100は、火炎の直撃に伴う金属溶湯の酸化も生じにくく、メタルロスを抑制できる点で優れている。図中、符号111は炉体、112は溶湯汲出部、113は溶湯投入部、114は金属溶湯保持炉と溶湯汲出部の連通口、116は金属溶湯保持炉と溶湯投入部の練通口、117は作業扉口、118は作業扉、119は炉壁、129は排ガス孔である。
しかしながら、この種の金属溶湯保持炉であっても、金属溶湯の液面に金属酸化物は生じる。燃焼筒部材120の構造上、火炎放出窓部125から噴出する火炎により燃焼筒部材120の周囲の金属溶湯液面Sは酸化されやすい。そのため、燃焼筒部材の周囲では金属酸化物は生成しやすく、その成長も速い。酸化物を放置すると金属溶湯保持炉の熱伝導効率を低下させてしまう。また、酸化物が混入すると純度が低下するため、不純物の混入を極力避ける必要がある。さらに、燃焼筒部材の周囲に金属酸化物が付着すると燃焼筒部材自体を傷めてしまう。燃焼筒部材を交換する際、燃焼筒部材を炉内部から抜きにくくなるおそれもある。
そこで、この種の金属溶湯保持炉に用いられる燃焼筒部材に付着する金属酸化物の除去をより容易とすることが求められてきた。
特開2008−272815号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、金属溶湯保持炉に用いられる燃焼筒部材に付着する金属酸化物の除去を容易とすることにより、金属溶湯を所定温度で保持するに際して、メタルロスの発生を抑制して燃焼効率を向上させるとともに、不純物の混入を抑制し、さらに燃焼筒部材の利便性を高めた作業効率のよい金属溶湯保持炉を提案するものである。
すなわち、請求項1の発明は、溶解した金属溶湯内に燃焼筒部材を浸漬し該燃焼筒部材内で保持バーナーを燃焼することにより前記金属溶湯を加熱保温するようにした溶湯保持炉において、前記燃焼筒部材が前記金属溶湯内で回転可能に吊下保持されていることを特徴とする金属溶湯保持炉に係る。
請求項2の発明は、前記燃焼筒部材の上部にフランジ部が形成されており、前記フランジ部を介して炉体に回転可能に吊下保持されている請求項1に記載の金属溶湯保持炉に係る。
請求項3の発明は、前記燃焼筒部材のフランジ部と炉体の間に回転球部材が配されている請求項2に記載の金属溶湯保持炉に係る。
請求項4の発明は、前記燃焼筒部材に炉体の作業扉口からの回転作業を可能にする係合部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属溶湯保持炉に係る。
請求項5の発明は、前記係合部が燃焼筒部材に形成された火炎放出窓部である請求項4に記載の金属溶湯保持炉に係る。
請求項6の発明は、前記燃焼筒部材が炉体上部から交換可能に吊下げ配置されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属溶湯保持炉に係る。
請求項1の発明に係る金属溶湯保持炉によると、溶解した金属溶湯内に燃焼筒部材を浸漬し該燃焼筒部材内で保持バーナーを燃焼することにより前記金属溶湯を加熱保温するようにした溶湯保持炉において、前記燃焼筒部材が前記金属溶湯内で回転可能に吊下保持されているため、金属溶湯保持炉に用いられる燃焼筒部材に付着する金属酸化物の除去を容易とすることにより、金属溶湯を所定温度で保持するに際し、メタルロスの発生を抑制して加熱保温の燃焼効率を向上させるとともに、不純物の混入を抑制し、さらに燃焼筒部材の保守点検の利便性を高めることができる。
請求項2の発明に係る金属溶湯保持炉によると、請求項1の発明において、前記燃焼筒部材の上部にフランジ部が形成されており、前記フランジ部を介して炉体に回転可能に吊下保持されているため、燃焼筒部材自体の設計、加工を容易とすることができる。また、単純な構造により燃焼筒部材を金属溶湯内へ浸漬させることができる。
請求項3の発明に係る金属溶湯保持炉によると、請求項2の発明において、前記燃焼筒部材のフランジ部と炉体の間に回転球部材が配されているため、燃焼筒部材の回転を極めて簡単に行うことができる。
請求項4の発明に係る金属溶湯保持炉によると、請求項1ないし3のいずれか1項の発明において、前記燃焼筒部材に炉体の作業扉口からの回転作業を可能にする係合部を有するため、保守点検時の燃焼筒部材の回転は容易になる。
請求項5の発明に係る金属溶湯保持炉によると、請求項4の発明において、前記係合部が燃焼筒部材に形成された火炎放出窓部であるため、燃焼筒部材を回転させるための部材との引っかかりを良くするとともに、金属溶湯表面の加熱保温効率を向上させることができる。
請求項6の発明に係る金属溶湯保持炉によると、請求項1ないし5のいずれか1項の発明において、前記燃焼筒部材が炉体上部から交換可能に吊下げ配置されているため、燃焼筒部材の溶湯保持炉の炉体内への取り付けや交換等の作業をとすることができる。
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明の溶湯保持炉を用いた金属溶解炉の全体概略横断面図、図2は図1の金属溶解炉の全体概略縦断面図、図3は溶湯保持炉の主要縦断面図、図4は燃焼筒部材の開口部付近の拡大縦断面図、図5は回転球部材に関する概略図、図6は図1の金属溶湯保持炉の要部縦断面図である。
図1の横断面図及び図2の縦断面図は金属溶解炉50の実施例を開示する。実施例の金属溶解炉50は、溶湯保持炉10及び溶解部60を一体に接続してなる。はじめに溶湯保持炉10に基づいて本発明を説明する。なお、溶解部60の詳細については追って説明する。
請求項1の発明に規定するように、溶湯保持炉10において、溶解部60で溶解されたアルミニウム等の金属溶湯M内に燃焼筒部材20が浸漬される。金属溶湯Mは燃焼筒部材20で保持バーナー15を燃焼することにより加熱保温される。さらに図2から把握されるように、保持バーナー15の直下に燃焼筒部材20が備えられ、同時に燃焼筒部材20は炉体11の金属溶湯M内で回転可能に吊り下げられて保持されている。
実施例の溶湯保持炉10の炉体11は縦約500mm、横約1000mmの底面部12と高さ約650mmの炉壁13より構成される。保持バーナー15は当該保持炉10の炉壁13上部の略中央部分に配置される。図中、符号16は溶湯保持炉10の炉体11に形成された作業扉口、17は作業扉、25は係合部、26は火炎放出窓部、30は溶湯汲出部、31は当該金属溶湯保持炉10と溶湯汲出部との連通口、32は溶湯汲出部の遮断板である。棒状部材90は作業扉17から作業扉口16を通じて炉体11に挿入される。
図2に加え図3の主要縦断面図を用い、溶湯保持炉10の燃焼筒部材20付近を説明する。燃焼筒部材20は逆円錐台形状からなり、半球形内底面23を有する先端部22を含み金属溶湯M内に浸漬される浸漬部24と、溶湯最上面Sの位置よりも上方に本体胴部27と開口部29から形成される。
燃焼筒部材20上部の開口部29の周縁にフランジ部28が形成されており、請求項2の発明に規定するように、このフランジ部28を介して炉体11に回転可能に吊下保持される。フランジ部の形成位置からわかるように、燃焼筒部材の設計、加工は容易である。また、簡単な構造により燃焼筒部材を金属溶湯内へ浸漬させることができる。回転可能とする機構は、請求項3の発明に規定するように、燃焼筒部材20のフランジ部28と炉体11との間の配された回転球部材40となる。後記のとおり、玉軸受による回転機構である。符号11uは炉体上部である。回転球部材を採用することにより、少ない負荷で燃焼筒部材の回転を極めて簡単に行うことができる。
フランジ部28は、炉体11の炉壁13の筒部材配置部14に形成された開口縁部14eに回転球部材40を介して同開口縁部14eを覆うようにして配置される。保持バーナー15は、バーナー保持部材18によってその火炎を燃焼筒部材20の内部側に向けた配置で保持される。また、開口部29は、燃焼筒部材20が回転可能な隙間を設けてバーナー保持部材18により覆われる。燃焼筒部材20の先端部22は、炉体11の底面部12から約100mm離れた位置に配置される。
実施例の燃焼筒部材20は、厚さ30〜40mmの熱伝導率の高い窒化硅素(Si34)、あるいは炭化珪素(SiC)と黒鉛(C)を主成分とする耐火物により形成される。窒化硅素(Si34)を主成分とすれば燃焼筒部材の耐久性は極めて高くなる。炭化珪素(SiC)と黒鉛(C)を主成分とすれば燃焼筒部材の熱伝導率は高まり、しかも燃焼筒部材を安価に形成することができ経済的である。
また、請求項4の発明に規定するように、燃焼筒部材20には凸状もしくは凹状等の適宜形状の係合部25が配される。係合部25が備えられるため、作業扉口16(作業扉17)から炉体11内に挿入された棒状部材90(図1参照)が燃焼筒部材20に接触しやすく、燃焼筒部材20の回転は容易になる。特にこの実施例の係合部25は、請求項5の発明に規定するように、燃焼筒部材20に形成された火炎放出窓部26である。
火炎放出窓部26は燃焼筒部材20の先端部22から約330mm上方の本体胴部27に長穴形状として等間隔で3箇所にわたり開口形成されている。係合部を穴状としているため、加工は容易となる。また、後述するように棒状部材との引っかかりも良くなる。溶湯保持炉10の上部11uから吊下げ配置した際、各火炎放出窓部26は溶湯最上面Sの位置よりも約50mm上方に位置するように構成される。溶湯最上面S位置は、保持炉10の大きさ等に応じて適宜決定される。この例の各火炎放出窓部26は底面部12から約400mmの高さに位置する。
図示からも理解されるように、燃焼筒部材20の内部で保持バーナー15は燃焼される。その燃焼熱は浸漬部24を介して金属溶湯Mに伝導され、金属溶湯の内側から同溶湯は加熱保温される。加えて、金属溶湯Mは係合部25である火炎放出窓部26により上面Sからも加熱保温される。実施例によると、燃焼筒部材20の開口部29の略中心部分に配置された保持バーナー15から放出されるバーナーフレームは燃焼筒部材20の先端部22に向かい、同先端部22の半球形内底面23によって燃焼筒部材20の浸漬部24の内壁部分24iに沿って跳ね返る。そこで、バーナーフレームに伴う燃焼熱は内壁部分24iを加熱しながら火炎放出窓部26から炉体11内部に放出される。
この結果、金属溶湯Mはその内側と溶湯最上面S側の両方から加熱保温される。金属溶湯Mの内部及び液面の双方からの加熱保温とするため、金属溶湯Mの受熱面積を拡大することができる。しかも、保持バーナー15のバーナーフレームは火炎放出窓部26から放出されるため、バーナーフレームを金属溶湯Mに直撃させることなく加熱することが可能となる。そのため、金属溶湯Mの溶湯最上面Sの酸化膜が破られて新たな酸化膜が生成されることはなくなり、メタルロスの発生を大幅に減少させることができる。併せて、燃費も低減することができる。実施例では従来に比してメタルロスは約20〜30%減少し、燃費も約20〜30%減少した。
さらに、当該保持炉10の構造では、保持バーナー15が燃焼筒部材20内部に配置されるため、フラックス処理等を行った場合でも、金属溶湯Mが保持バーナー15や炉壁13内の天井部分等に付着することを防止することができ、保持バーナー15の正常な燃焼や炉体11内の清掃等の作業効率を向上させることができる。
すなわち、火炎放出窓部は、燃焼筒部材20を回転させるための棒状部材との引っかかりを良くし、かつ、金属溶湯の加熱保温効率を向上させることができる。しかしながら、既に背景技術において述べているように、火炎放出窓部を有する燃焼筒部材の構造上、溶湯最上面の金属溶湯は空気と多く接触する。火炎放出窓部26から噴出する火炎による酸化を完全に抑制することはできない。そのため、図3に示すように、金属溶湯最上面S付近(金属溶湯液面)の燃焼筒部材20の周囲では金属酸化物Moxは生成しやすく、その成長も速い。そこで、できる限り速やかに燃焼筒部材20の周囲に成長した金属酸化物Moxの除去が望まれる。旧来の溶湯保持炉に備えられた燃焼筒部材によると、金属酸化物の除去のたびに燃焼筒部材を抜き取る必要がある。また、燃焼筒部材を抜き取らないまでも、図7参照のように、作業扉118を開けて炉体111の内部に棒状部材を挿入したとしても、燃焼筒部材の周囲の金属酸化物を隈無く除去することは容易ではない。
この問題点に鑑み、発明者は溶湯保持炉10に燃焼筒部材20の回転を補助する回転球部材40の採用に至った。これより回転球部材40の構造に関し、図4の主要部縦断面図並びに図5の部分横断面図も含めて説明する。図4では燃焼筒部材20の開口部29より保持バーナー15とバーナー保持部材18を取り外した状態である。図示から自明なとおり、回転球部材40は、硬球45と、枠部材41と、台板部43と、上部回転環42とから構成される玉軸受(ボールベアリング)の構造である。
環状の台板部43は筒部材配置部14に形成された開口縁部14eに設置される。台部43上には、硬球45の周囲を内側と外側から囲み硬球の回転方向を規制する枠部材41(内レール41p,外レール41q)が形成される。硬球45の上に上部回転環42が被せられる。燃焼筒部材20のフランジ部28は燃焼筒部材の開口部29の外周縁に設けられていることから、同フランジ部28は上部回転環42に当接する。そこで、燃焼筒部材20は極めて少ない摩擦力で回転できる。図示並びに請求項6の発明に規定するように、燃焼筒部材20は炉体11の上部11uから吊下げ配置されている。このため、燃焼筒部材20を溶湯保持炉10の炉体11内への取り付けや交換等の作業が容易となる。また、回転球部材40に含まれる硬球45等の交換も容易である。
図5からもよくわかるように、硬球45は台部43上の枠部材41(内レール41p,外レール41q)に収容される。特に硬球45は燃焼筒部材20等の重量物を支え、各所部材に加わる圧力を分散させて不用意な変形を回避する必要がある。そのため、硬球45は台部43上に50個ないし100個配置される。実施例の溶湯保持炉10では83個の硬球45を台部43上に配置した。なお、図5では図示を容易にするため、上部回転環42を省略して表した。
硬球45は、少なくとも800℃前後あるいはそれ以上の耐熱性材料から形成される。具体的には、アルミナ、ステンレス鋼等である。ちなみに、燃焼筒部材20を炉体11に回転可能に吊下保持する機構には、レールと車輪の組み合わせ等も用いることができる。
図1に加え図6の縦断面図を用い、燃焼筒部材20を回転させる様子を説明する。図示の溶湯保持炉10内の金属溶湯Mに浸漬された燃焼筒部材20では、溶湯最上面S付近の浸漬部24や本体胴部27に金属酸化物Moxが付着している。燃焼筒部材20を回転させる場合、作業扉17を開けてから作業扉口16より炉体11内部に棒状部材90が挿入される。棒状部材90の先端にはU字状等に分岐した鉤部91が備えられる。燃焼筒部材20の係合部25、つまり火炎放出窓部26に棒状部材90の鉤部91が引っかかるようにして差し込まれる。そこで、例えば紙面手前側に棒状部材90を動かすと、回転球部材40の滑らかな回動に乗じて燃焼筒部材20は左回り(反時計回り)に動き始める。図示からも理解されるように、燃焼筒部材20は金属溶湯Mに浸漬されているため、金属溶湯に浸漬されている燃焼筒部材の体積分は浮力が生じる。金属溶湯の比重(例えば、アルミニウム等)を加味すると、回転に要する負荷は軽減される。
はじめに、作業扉口16側から届く範囲において、燃焼筒部材20の浸漬部24や本体胴部27に付着した金属酸化物Moxが除去される。続いて、棒状部材90を用い燃焼筒部材20を適当に回すことによって、燃焼筒部材20の別の場所に付着した金属酸化物Moxも作業扉口16側から届く範囲に現れる。そして、同様に付着した金属酸化物Moxが除去される。従って、燃焼筒部材20の裏側に隠れて作業扉口16側から届かない位置に付着した金属酸化物Moxも極めて簡便に除去することができる。この作業を繰り返すことにより、金属酸化物除去に当たり燃焼筒部材20を溶湯保持炉10の炉体11から引き上げることなく、燃焼筒部材20の側面1周分に付着した金属酸化物Moxの除去を容易に行うことができる。
これまでに図示し詳述した溶湯保持炉10が備えられている金属溶解炉50(図1,図2参照)は、アルミニウム鋳造用のアルミニウム地金(アルミニウムインゴット)を溶解して保持するいわゆる手許溶解炉である。溶解部60上部に材料投入口(兼排気口)61及び煙道62を有するとともに下部に傾斜炉床63が形成される。材料投入口61に溶解材料は挿入され、溶解部60下部に向けて配設された溶解バーナー55により前記の溶解材料は金属溶湯Mとして加熱溶解される。そこで、金属溶湯Mは傾斜炉床63から金属溶湯保持炉10内へ導入される。このような溶解炉のタイプは一般に乾燥炉床溶解炉(dry hearth furnace)と称される。図1,2において、符号53は溶解部60を構成する炉壁、54は金属溶湯保持炉と溶解部との連通開口、56は炉壁に形成された作業点検口、57は作業点検口の扉である。
この金属溶解炉50では、煙道62から溶解部60内に向けて下部が開放された溶解材料保持部材65が配置される。溶解材料保持部材65は炉壁53と接触しないように溶解部60の略中央位置に配設される。溶解材料保持部材65を配設することにより、溶解部60内に残留付着する未溶解材料の除去、清掃という煩雑かつ困難な作業は軽減される。また、未溶解材料が炉壁53に固着したことによる該炉壁の損傷も防止され、金属溶解炉自体の耐久性も高めることができる。さらに、溶解材料保持部材65内に収容された溶解材料全体は保持部材65の内部と外部の両側から加熱される。よって予熱効率は向上し、生産性を高めることができる。
溶解材料保持部材65の形状構成は、少なくとも金属材料を内部に保持できる構成であればよく、例えば、筒状スリーブ体より構成してもよい。さらに、図示のように、溶解バーナー55側の下端に切欠部66を形成することもできる。金属材料に溶解バーナー55のバーナーフレームを直撃させるとともに、溶解材料保持部材65をバーナーフレームの直撃から保護して耐久力を高めるようにしてもよい。そして、図示のように、上端部に保持フランジ部67を設けて材料投入口61の開口端縁を覆うようにすれば、材料投入は容易となり、しかも材料投入時に溶解材料との接触や損傷から投入口61を保護することができる。実施例の溶解材料保持部材65は、吊下取付あるいは交換も簡単であり、溶解部60の材料投入口61と溶解材料保持部材65の開口との間に生ずる隙間の管理も容易となる。
溶解材料保持部材65は、900℃以上の高温に晒され、金属材料が投入される部分である。このため、溶解材料保持部材の材質として、熱伝導率がよく耐熱性に優れるとともに耐衝撃性が求められる。実施例では、外面側に酸化防止及び耐久性向上のためにアルミナ(Al23)を塗布した厚さ10mm程度のステンレス材(耐熱鋳鋼)を円筒状に形成したスリーブ体を使用した。なお、溶解材料保持部材65は、これに限らず、アルミナの他に炭化硅素(SiC)や黒鉛混合物を使用してもよく、円筒状スリーブ体の他に多孔材もしくは網状材もしくは桟材のいずれかによって形成してもよい。
金属溶解炉50の溶解部60には、溶解した金属溶湯Mを一旦貯める貯湯部70が併設される。実施例の貯湯部70は、金属溶湯保持炉10と溶解部60の傾斜炉床63との間に隔壁部80を設けて設置される。傾斜炉床63を流下する溶解物は直接金属溶湯保持炉10に流入されず、一旦貯湯部70に蓄積され隔壁部80下部に形成された溶湯連通部81を介して金属溶湯保持炉10へ流入される。貯湯部70を併設することにより、溶解材料の溶解に伴って発生する各種金属の酸化物等の不純物は金属溶湯M中に拡散する前に貯湯部70の金属溶湯Mの表面に集積される。不純物の排出は容易に行うことが可能となる。従って、清浄な金属溶湯Mのみを隔壁部80下部の溶湯連通部81から金属溶湯保持炉10へ流入させることができる。その結果、金属溶湯保持炉10内の金属溶湯Mの清浄度をいっそう高めることができ、汲出部30から金型等に供給される溶湯を高品質に維持することに大きく貢献できる。なお、図において、符号72は貯湯部70の作業点検口、73はその扉、82は隔壁部80の上部に形成された金属溶湯保持炉10からの排ガス流通部である。
この貯湯部70については、広さを比較的小さくすることが不純物の排出処理上好ましい、実施例の金属溶湯保持炉10の長さaは500mm(幅1000mm)とすると貯湯部70の長さbは200mm(幅1000mm)であり、溶湯保持炉10の半分以下の広さである。また、不純物に含まれる重金属の酸化物は長期間のうちに金属溶湯M中を沈降して貯湯部70の底面に堆積することがある。このため、隔壁部80下部の溶湯連通部81を貯湯部70の底面71よりも高い位置に形成することが好ましい。実施例の溶湯連通部81の下辺は貯湯部70の底面71よりも約100mm高く形成されている。
隔壁部80上部の排ガス流通部82を設けることにより、金属溶湯保持炉10から排出される排ガスの熱は炉全体に流通される。つまり廃熱を有効に利用することができる。金属溶湯保持炉10に配置された保持バーナー15の熱は保持炉10内の金属溶湯Mを一定温度に保温した後、排ガスとして隔壁部80の流通部82を通過して貯湯部70及び溶解部60内に流入する。そして保持バーナー15の熱は貯湯部70及び溶解部60内を流通して排気口を兼ねる材料投入口61より外部へ排出される。実施例の排ガス流通部82は縦85mm、横230mmの長方形に形成されているが、適宜の形状及び大きさに設計される。必要ならば隔壁部80上部すべてを開放空間とし排ガス流通部82としてもよい。なお、排ガス流通部82は金属溶湯Mの上面Sよりも高い位置に形成されることはいうまでもない。
溶湯保持部60に隔壁部81を設けて貯湯部70を併設することにより、金属溶湯保持炉10への不純物の流入を大幅に減少することができ、不純物の除去作業も簡便化されて作業効率は向上する。例えば、貯湯部70における定期的な不純物のかき出しを励行すれば、不純物の金属溶湯保持炉10への流入を大きく低減でき、金属溶湯保持炉10におけるフラックス処理はほとんど不要となる。また、長期間のうちに貯湯部70の底面に堆積した不純物は数ヶ月毎に行われる金属溶解炉50の清掃時に除去すればよい。
なお、本発明の金属溶湯保持炉は、上記実施例で述べた構成に限るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を付加して実施することができる。例えば、金属溶湯保持炉は溶解部とを組み合わされて金属溶解炉が構成されている。これに代えて、金属溶湯保持炉のみを独立した装置とすることは当然に可能である。また、燃焼筒部材の火炎放出窓部の形状、個数はこれに限定されるものではない。さらに係合部と火炎放出窓部とを独立して形成することも可能である。燃焼筒部材の回転作業は棒状部材を用いた手動とするほか、図示しないモータによる回転とすることもできる。加えて、棒状部材の形状等も適宜である。
本発明の金属溶湯保持炉を用いた金属溶解炉の全体概略横断面図である。 図1の金属溶解炉の全体概略縦断面図である。 溶湯保持炉の主要縦断面図である。 燃焼筒部材の開口部付近の拡大縦断面図である。 回転球部材に関する概略横断面図である。 図1の金属溶湯保持炉の要部縦断面図である。 従来の金属溶解炉の全体概略横断面図である。 図7のA−A線における縦断面図である。
符号の説明
10 金属溶湯保持炉
11 炉体
15 保持バーナー
16 作業扉口
17 作業扉
20 燃焼筒部材
25 係合部
26 火炎放出窓部
28 フランジ部
40 回転球部材
45 硬球
50 金属溶解炉
60 溶解部
90 棒状部材
M 金属溶湯
Mox 金属酸化物
S 溶湯最上面

Claims (6)

  1. 溶解した金属溶湯内に燃焼筒部材を浸漬し該燃焼筒部材内で保持バーナーを燃焼することにより前記金属溶湯を加熱保温するようにした溶湯保持炉において、
    前記燃焼筒部材が前記金属溶湯内で回転可能に吊下保持されていることを特徴とする金属溶湯保持炉。
  2. 前記燃焼筒部材の上部にフランジ部が形成されており、前記フランジ部を介して炉体に回転可能に吊下保持されている請求項1に記載の金属溶湯保持炉。
  3. 前記燃焼筒部材のフランジ部と炉体の間に回転球部材が配されている請求項2に記載の金属溶湯保持炉。
  4. 前記燃焼筒部材に炉体の作業扉口からの回転作業を可能にする係合部を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属溶湯保持炉。
  5. 前記係合部が燃焼筒部材に形成された火炎放出窓部である請求項4に記載の金属溶湯保持炉。
  6. 前記燃焼筒部材が炉体上部から交換可能に吊下げ配置されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属溶湯保持炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019109024A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 大阪瓦斯株式会社 アルミニウム溶解保持炉
CN111036883A (zh) * 2019-10-29 2020-04-21 莆田市骏坤商贸有限公司 一种利用铸面捋推防变的铝合金浇注保压设备

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