JP2010149075A - 遠心ポッティング装置および遠心ポッティング方法 - Google Patents

遠心ポッティング装置および遠心ポッティング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 分配比の異なる中空糸膜モジュールの各端部へ簡便かつ正確にポッティングできる遠心ポッティング装置を提供する。
【解決手段】 ポッティング剤を貯留するレジンポット5とポッティング対象物を保持する保持部とを2つ以上の管で接続した状態で回転させて、遠心力により該ポッティング剤を該保持部に送り込む遠心ポッティング装置1であって、レジンポット5が送り込み部15と、底面の回転中心の位置に円柱状の凹部21を有する分配部16との、2種類の部分から成る二重構造を有し、分配部16は送り込み部15の内側に設けられ、送り込み部15は分配部16によって2つ以上の送り込み室に分割されており、該送り込み室はその外側にそれぞれ1つずつ設けられた送り込み孔18によって外部と連通し、かつ、該送り込み室のそれぞれと分配部16とはそれぞれ1つ以上設けられた分配孔19によって連通していることを特徴とする遠心ポッティング装置1。
【選択図】 図2

Description

本発明は多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を各々平行に配置し、これを筒状ケースに収納して構成された中空糸膜モジュールに関し、該モジュールの中空糸の各端部に、所定の量のポッティング剤を簡便かつ正確に供給することができる遠心ポッティング装置および遠心ポッティング方法に関する。
一般に、中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束を筒状ケースに収納したものであって、中空糸膜束の上端側は、ポッティング剤により中空糸膜端面が開口した状態でポッティングされ、中空糸膜束の下端側は、中空糸膜端面が閉塞された状態でポッティングされる。
ここで、中空糸膜の各端部をポッティングする場合、ポッティング剤が中空糸膜の長手方向の中央寄りにまで侵入すると、モジュールの濾過性能を阻害することになるため、各端部の所定長さのみをポッティングしなければならない。このため、中空糸膜の各端部をポッティングするには、注入したポッティング剤に遠心力を作用させ、ポッティング剤を中空糸膜の中央側に侵入させないようにする遠心注入方法が採用されている。
ところで、中空糸膜の各端部を所定寸法範囲だけポッティングするには、各端部に供給するポッティング剤の量が正確でなければならない。また、ポッティング作業の効率向上を図るため、中空糸膜モジュールの各端部のポッティングを同時に行う必要がある。
従来の技術としては、まず、ポッティング剤を貯留する容器(以下、レジンポットと称する。)を少なくとも2つ以上の偶数個用意し、予め計量したポッティング剤を、各々のレジンポットに所定の量充填し、その後、各レジンポットから所定の端部に遠心力を利用して注入する方法がある。しかし、この方法では、各々のレジンポットに対してポッティング剤を計量充填しなければならないので、計量の手間がかかり、実用面でかなり作業効率が悪いというだけでなく、硬化速度が速いポッティング剤を充填する場合においては、遠心成形する前にポッティング剤の硬化が開始され、その結果、所定の量のポッティング剤を中空糸膜モジュールの各端部に注入することができないという問題があった。さらに、レジンポットを少なくとも2つ以上の偶数個必要とし、これらを配置することによって遠心ポッティング装置内の容積を大きくとらなければならないといった、設備的に不利な制約が生じた。
次に、1つのレジンポット内を少なくとも2つ以上の偶数個に均等に仕切り、このレジンポットを遠心ポッティング装置の回転中心に設置し、レジンポットに対して偏心した位置から回転中にポッティング剤を注入し、仕切った各室から所定の端部に遠心力で注入する方法がある。しかし、この方法では、1つのレジンポット内を均等に仕切っているので、ポッティング剤を等分配にしかできず、中空糸膜モジュールの各端部のポッティング比が異なる場合には適用できなかった。さらに、回転中のレジンポットに対してポッティング剤を注入しなければならないので、レジンポット内に仕切り室を作るための仕切板などでポッティング剤がレジンポット外に飛散し、中空糸膜モジュールの各端部への正確な分配供給が行えないだけでなく、飛散したポッティング剤で遠心ポッティング装置内を汚すという不都合があった。
また、レジンポット内部をポッティング剤注入箇所の数に対応して、中央部で連通する放射状の室に分割したレジンポット内に、全注入量のポッティング剤を充填し、このレジンポットを回転させることによって内部のポッティング剤を遠心力で所定の端部に分配供給する方法がある(特許文献1)。しかし、この方法においては、均等分配を除いた所定の量をポッティングする場合、遠心ポッティング装置の回転立ち上がり時における等分配特性により、分配誤差が大きくなるため正確な分配供給ができないという問題がある。また、中央部で連通する仕切り板の高さにより、ポッティング剤の投入量に制約が生じ、投入量を変更する際には対応が取り難いという問題もある。さらに、前記同様、硬化速度が速いポッティング剤を充填する場合においては、遠心成形する前にポッティング剤の硬化が開始され、その結果、所定の量のポッティング剤を中空糸膜モジュールの各端部に注入することができない。
またさらに、レジンポット内部にポッティング剤注入箇所の数に対応して均等にじゃま板を設け、じゃま板により仕切られた各室を有するレジンポット内に、全注入量のポッティング剤を充填し、このレジンポットを回転させることによって内部のポッティング剤を遠心力で所定の端部に分配供給する方法がある(特許文献2)。しかし、この方法においても、1つのレジンポット内を均等に区切っているので、ポッティング剤を等分配にしかできず、中空糸膜モジュールの各端部のポッティング比が異なる場合には適用できない。
このように、従来の技術における遠心ポッティング装置では、ポッティング作業の効率性が非常に悪く、またもしくは、中空糸膜モジュールの各端部に等分量を除いた所定の量をポッティングすることが困難であった。
特開昭59−152809号公報 特開平5−138004号公報
本発明は、上記のような欠点や不都合を解消するため、中空糸膜モジュールの上下各端部におけるポッティング剤の分配及び供給が簡便かつ正確に行える遠心ポッティング装置および遠心ポッティング方法を提供することが目的である。
本発明は、前記目的を達成するために、次のような構成をとる。
(1)ポッティング剤を貯留するレジンポットとポッティング対象物を保持する保持部とを2つ以上の管で接続した状態で回転させて、遠心力により該ポッティング剤を該保持部に送り込む遠心ポッティング装置であって、該レジンポットが送り込み部と、底面の回転中心の位置に円柱状の凹部を有する分配部との、2種類の部分から成る二重構造を有し、該分配部は該送り込み部の内側に設けられ、該送り込み部は該分配部によって2つ以上の送り込み室に分割されており、該送り込み室はその外側にそれぞれ1つずつ設けられた送り込み孔によって外部と連通し、かつ、該送り込み室のそれぞれと該分配部とはそれぞれ1つ以上設けられた分配孔によって連通していることを特徴とする遠心ポッティング装置。
(2)前記送り込み室のそれぞれと前記分配部とが、それぞれ1つ以上の異なる断面積かつ/または断面形状を有する分配孔によって連通していることを特徴とする(1)に記載の遠心ポッティング装置。
(3)前記送り込み室のそれぞれと前記分配部とが、それぞれ1つ以上の長さの異なる分配孔によって連通していることを特徴とする(1)または(2)に記載の遠心ポッティング装置。
(4)前記送り込み室が2つである(1)〜(3)のいずれかに記載の遠心ポッティング装置。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の遠心ポッティング装置を用いてポッティング対象物をポッティングする遠心ポッティング方法であって、前記ポッティング剤を前記分配部内に投入し、遠心力により所定の重量比で前記送り込み室へ分配し、その後、前記送り込み孔より前記保持部へ送り込むことを特徴とする遠心ポッティング方法。
本発明によれば、レジンポット内に所定の量のポッティング剤を注入し、レジンポットの分配部から送り込み部の各送り込み室へ所定の重量比に分配後、送り込み孔から、レジンポットと中空糸膜モジュールを連結する管(以下、連結管と称する。)を介して中空糸膜モジュールの各端部に遠心力を利用して供給するようにしたもので、ポッティング比が異なる中空糸膜モジュールの各端部へ所定の量のポッティング剤を簡便かつ正確に供給することができ、ポッティング作業の効率性を大幅に向上させることが可能となる。
また、回転中のレジンポットに対してポッティング剤を注入する場合においても、レジンポットの分配部内に仕切板などが一切無いので、ポッティング剤がレジンポット外に飛散して遠心ポッティング装置内を汚すことがない。
本発明の最良の実施形態を、2モジュールずつポッティングを実施する遠心ポッティング装置を例にとって、図面を参照しながら以下に説明する。なお、本発明の遠心ポッティング装置および遠心ポッティング方法は、1モジュールずつポッティングする場合や2以上の複数モジュールずつポッティングする場合のいずれの場合でも適用することが可能であり、上述した好適な効果が得られるものである。
図1は本発明に係る遠心ポッティング装置の概略構成図であり、2本の中空糸膜モジュールの各端部にポッティング剤を注入する場合を示している。
遠心ポッティング装置1は回転軸2の上端に中空糸膜モジュール3を積載固定する回転台4を設け、この回転台4の真上にレジンポット5、及びレジンポット5を固定する回転台座6を、同一軸心を中心に回転するよう配置され、さらには、この回転台4を回転駆動させる手段としてモータ7を、また、回転台4が回転した際にポッティング剤をレジンポット5から中空糸膜モジュール3に送り込む連結管8を備える。
また、遠心ポッティング装置1内に設置されたレジンポット5へのポッティング剤の注入は、レジンポット5の真上に配置された遠心ポッティング装置1と一体型のろうと受け9に、市販のろうと10を取り付け、これにポッティング剤を注入することにより成される。
このように、中空糸膜モジュール3を回転台4に積載固定した状態で、モータ7を回転させると、回転台4が回転し、ろうと10から注入されたポッティング剤は、遠心力によりレジンポット5及び連結管8を介して中空糸膜モジュール3の各端部へ供給される。
ここで、中空糸膜モジュール3は、多数本の中空糸11を各々平行に集束し、これを筒状のケース12内に収納して形成され、ケース12の各端部には中空糸膜束の端部を覆うポッティング用治具13が取り付けられている。この各ポッティング用治具13の上端部には、管用ノズル14が各々1つずつ設けられていて、この管用ノズル14とレジンポット5の送り込み孔を、連結管8を介して接続する。ここで、ポッティング用治具13は、中空糸膜モジュールの大きさや形状に応じて、意図する効果が得られるように構成すれば良く、ケース分離型でも、もしくはケース一体型でもかまわない。また、連結管8の材質としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン・三フッ化塩化エチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、そしてポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の塩素系樹脂などが用いられる。また、樹脂以外ではアルミニウムやステンレス鋼などを用いることが好ましい。
次に、遠心ポッティング装置1におけるレジンポット5の模式的平面図を図2に、模式的断面図を図3に示す。本発明によれば、レジンポット5は、送り込み部15と分配部16の2種類の部分から成る二重構造を有していて、分配部16は送り込み部15の内側に設けられており、送り込み部15は分配部16によって4つの送り込み室17に分割されている。また、送り込み部15には、連結管8を接続するための送り込み孔18が各送り込み室17の外側にそれぞれ1つずつ設けられていて外部と連通しており、各送り込み室17と分配部16とは、それぞれ1つ以上設けられた分配孔19によって連通している。さらに、各分配孔19を、断面積や断面形状、長さ、孔数などを単独または複合して異なるものとすることが好ましい。これにより、ポッティング剤を、遠心力により分配部16から各送り込み室17へ、異なる流路抵抗を利用して所定の重量比に分配供給することができ、続いて、各送り込み室17において、各送り込み孔18から連結管8を介して中空糸膜モジュール3の各端部に供給することができる。
ここで、分配部16の断面は円形や楕円形などの角がない形状であることが好ましい。これは、例えば分配部16の断面が、四角形、五角形、六角形などの多角形状を有していれば、注入されたポッティング剤が、分配部16の角部に残留することで、所定の量のポッティング剤を送り込み室17に供給することが難しくなるからである。また、図3においてハッチング部で示したポッティング剤の液面挙動Hは、回転中のレジンポット5にポッティング剤を注入した場合の液面挙動を示しているが、各分配孔19の流路抵抗差を利用して分配供給する際、分配孔19は、空気が侵入しないように常にポッティング剤で満たしておく必要がある。そのため、分配部16の断面が円形であれば、壁周方向における流路抵抗が小さくなるので、分配孔19へのポッティング剤の流動性も向上し、その結果、空気が侵入することなく正確な分配供給が可能となる。
また、本発明においては、分配部16における底面の回転中心の位置に、円柱状の凹部21が設けられていることが必要である。ろうと10からポッティング剤を注入すると、ポッティング剤は一旦凹部21に貯留してからオーバーフローすることになる。したがって、この構造を採用することで、注入したポッティング剤を遠心方向に常に均一に分散させることができる。このことにより、ポッティング剤の初期注入時において、液面挙動Hが壁周方向に対して均一になる時間を極力早くし、初期分配性能を向上させることが可能となる。逆に、本発明のように円柱状の凹部21を設けない場合には、注入されたポッティング剤は、分配部16の底面中心部に接触後、遠心方向に不均一に分散することとなり、その結果、分配孔19に空気が侵入し易くなるため、初期分配性能は低下する。これは、分配部16に4つ以上の分配孔19を有するような多孔構造の場合には、壁周方向における流路抵抗が大きくため、初期分配性能の低下が顕著にみられる。また、凹部21を設けた場合、ろうと10からポッティング剤を注入する際に、落下した地点が底面の回転中心からずれるなど、注入の斑が生じても、ポッティング剤は一旦凹部21に貯留されるため、ポッティング剤は遠心方向へ均一に分散し、壁周方向に対する液面挙動Hの均一性には影響を与えない。このように、凹部21を設けることにより、ポッティング剤の初期注入時における分配誤差を無くすことができるので、分配精度の向上へと繋がる。ここで、凹部21は、意図する効果が得られるように、底面の回転中心の位置に設置されることが必要であり、円柱状の凹部21は、図3に示すくぼみの他、溝や堤防などでもかまわない。
さらに、図2に示すような、分配部16そのものにより送り込み部15を4つに仕切ることは、分配部16の容積を大きくすることができるので好ましいが、4つの送り込み室17を設けるという条件さえ満足すれば、分配部16にさらに仕切り板を設置して4つの送り込み室17を設ける構造としてもかまわない。また、送り込み室17は、中空糸膜モジュール3の特性に応じて4つ設けることが好ましいが、例えば、片端に2つ以上のポッティング部を設ける中空糸膜モジュールなどの場合は、送り込み室17を任意に複数個設けてもかまわない。なお、送り込み孔18や連結管8、並びに管用ノズル14の個数も任意に決定できることは勿論である。
また、送り込み部15は、図2に示す四角形のような、ポッティング剤が溜まり易い形状のものであることが好ましいが、分配部16から供給されたポッティング剤を、中空糸膜モジュール3の各端部へ全量送り出すように構成されていれば、五角形、六角形などの多角形や、円形、楕円形、また星形などでもかまわない。
なお、送り込み孔18は、前記形状に伴い、ポッティング剤の溜まりが最も生じる位置に配置し、一方、分配孔19は、回転軸2と送り込み孔18とを結ぶ直線上に位置することが好ましい。これは、分配部16の場合と同様に、注入されたポッティング剤が、送り込み部15の角部に残留することをなくすためである。さらには、各送り込み孔18は、それぞれ回転軸2を中心に対称に配置されることが好ましい。これは勿論であるが、各管用ノズル14の位置も同回転軸2を中心に対称に配置されているので、連結管8を短くすることで圧力損失を小さくし、ポッティング剤の連結管8内での流動を容易にするためである。また、分配孔19及び送り込み孔18は、意図する効果が得られるのであれば、貫通孔に限らず、取り外しが可能なノズルやボルト加工品、またチューブなどでもかまわない。
また、図3に示すポッティング剤の注入口20は、勢いよくポッティング剤を注入しても注入口20から溢れ出さないように、注入口20を極力小さくし、中空糸膜モジュール3の各端部に必要なポッティング剤を、分配部16に全量収納できる構造とすることが好ましい。ただし、3モジュール以上を同時にポッティングする場合の遠心ポッティング装置に関しては、ポッティング剤が多くなるためこの限りではない。また、分配部16内には仕切板などが一切設けられていないため、回転中にポッティング剤を注入しても、遠心ポッティング装置1内へ飛散することはなく、正確な分配供給を行うことができる。
次に、図4は、送り込み室17のそれぞれと分配部16とを連通する分配孔19として、それぞれ1つ以上の異なる断面積を有する分配孔19を設けたレジンポット5の構成例を示している。ポッティング剤を所定の量に分配する際、例えば分配孔19が円管形状の場合、ニュートン流体の圧力降下式ΔP=(8×η×Q×L)/(π×g×r)が利用できる。なお、ΔP(Pa/m)は単位長さ当たりの圧力損失、η(Pa・s)はポッティング剤の粘度、Q(m3/s)は流量、L(m)は分配部16の厚み、g(m/s2)は重力加速度である。前記式において、圧力損失ΔP、分配部16の厚みL、粘度ηを一定として、予め求めた流量Qから各分配孔19の所定の半径をそれぞれ算出する。
図5は、送り込み室17のそれぞれと分配部16とを連通する分配孔19として、それぞれ1つ以上の異なる断面形状を有する分配孔19を設けたレジンポット5の構成例を示している。ここでは、任意断面平行管におけるニュートン流体の圧力降下式ΔP=(2×η×Q×L×C)/(g×S3)が利用できる。なお、ΔP(Pa/m)は単位長さ当たりの圧力損失、η(Pa・s)はポッティング剤の粘度、Q(m3/s)は流量、L(m)は分配部16の厚み、g(m/s2)は重力加速度、C(m)は分配孔19の周長さ、S(m)は分配孔19の断面積である。前記式において、圧力損失ΔP、分配部16の厚みL、粘度ηを一定として、予め求めた流量Qから各分配孔19のC/S3をそれぞれ算出し、形状に応じて所定の周長さC及び断面積Sを求める。ここで、図5の矢視図では、円形及び四角形の分配孔19の例を示しているが、前記式を利用し満足できる条件であれば、三角形、五角形、六角形などの多角形や、楕円形、星形など任意でかまわない。
図6は、送り込み室17のそれぞれと分配部16とを連通する分配孔19として、それぞれ1つ以上の長さの異なる分配孔19を設けたレジンポット5の構成例を示しているが、前記円管形状におけるニュートン流体の圧力降下式ΔP=(8×η×Q×L)/(π×g×r)を利用して、所定の分配部16の厚みLを算出できることは言うまでもない。また、分配方法においては、異なる流路抵抗を利用したものであればよく、意図する効果が得られるのであれば、分配孔19は、円錐管やテーパ溝、二重管などの任意構造でかまわない。
ここで、レジンポット5の内部に分配部16を設けず、送り込み孔18を図4〜図6に示す分配孔19のような構造にすることで、送り込み孔18における流路抵抗差を利用して分配供給する場合について説明する。この場合は、本発明のように分配部16に図4〜図6に示す分配孔19のような構造をとる場合とは異なり、流路抵抗は送り込み孔18のみならず、連結管8や管用ノズル14、またポッティング用治具13の内部構造にも大きく影響を受けることになる。したがって、前記部材各々について圧力降下を考慮する必要があり、ポッティング剤を所定の量に簡便かつ正確に分配供給することは非常に困難となる。
さらに、図7は、送り込み室17のそれぞれと分配部16とを連通する分配孔19として、それぞれ1つ以上の底面からの高さの異なる分配孔19を設けたレジンポット5の構成例を示している。この場合では、流路抵抗差を利用した分配方法とは異なり、分配部16の内部構造を円錐型とし、ポッティング剤の垂直上向き方向への流動性を抑えることを利用している。ポッティング剤の液面高さを調整し、各分配孔19の高さに応じて流量に差をつけることができる。図7では円錐型を例に示したが、垂直上向き方向への流路抵抗を大きくするような構造であれば、分配部16の内部に複数の段差や突起をつけた構造などでもかまわない。
また勿論であるが、流路抵抗が等しい構造、即ち、回転軸2を中心に同等の断面積、形状、分配部の厚み、孔数を有する分配孔19を対称に設けることにより、各送り込み室17に等量の分配供給ができ、その結果、中空糸膜モジュール3の上下各端部に同量ポッティングが可能となる。なお、各分配孔19の設定により、上下に積載した各中空糸膜モジュール3のポッティング比をそれぞれ任意に変更できることは言うまでもない。
また、レジンポット5の材質としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン・三フッ化塩化エチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、そしてポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の塩素系樹脂、さらにポリスルホン樹脂(PSf)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリアリルスルホン樹脂(PASf)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)などが単独または混合して用いられる。また、樹脂以外ではアルミニウムやステンレス鋼、アルミニウム合金(AC7A)などが好ましい。
なお、本発明におけるレジンポット5の分配部16と送り込み部15は、互いにはめ込み分離型の構造をなしてもよく、一体型構造であってもよいが、ポッティング作業終了後の清掃及びメンテナンス性の観点から、互いにはめ込み分離型の構造を好ましく採用することができる。
また、本発明に係るポッティング剤については、特に限定されないが、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が一般的に用いられる。
本発明を以下の実施例を用いて詳細に説明する。なお、いずれの遠心ポッティング装置も、下記構造の浸漬型膜モジュール(有効膜長1.5m、有効膜面積20m2)2つずつをポッティング対象と想定した。
(浸漬型膜モジュール)
・外径1.5mm、公称孔径0.1μmのポリフッ化ビニリデン製中空糸膜
・中空糸膜6000本を、上端部(A側)ではまとめてモジュール構成部材にポッティングし、下端部(B側)では複数の小束に分割し、それらを互いに分離しつつ、小束ごとにポッティング
・各中空糸膜の両末端はA側が開口、B側が封止状態
・A側のポッティング部の上に、透過水出口のあるモジュールキャップを配置
<実施例1>
図1に示す遠心ポッティング装置1において、図2および図4に示す分配部16を有するレジンポット5を設置し、レジンポット5を回転させた状態でポッティング剤を注入した。このとき、レジンポット5に連結管8を接続し、連結管8の末端には計量可能な受け容器を設置した。
ここで用いた各分配孔19としては、A(A’)側径φ7.5mm、B(B’)側径φ5.5mmの円管形状の貫通孔であり、それぞれ分配部16の厚みを20mmとした。これは、各端部のポッティング比をA(A’)側:B(B’)側=4:1と設定したときの分配孔条件である。また、使用したポッティング剤はウレタン樹脂であり、その注入量を1700gとした。なお、遠心ポッティング装置1の回転数は360rpm、装置内雰囲気温度は40℃、回転時間は2時間である。
各受け容器内のポッティング剤を計量したところ、A側のポッティング剤量が644g、B側のポッティング剤量が155g、A’側のポッティング剤量が642g、B’側のポッティング剤量が153gとなった。ここで、残りの106gは、投入容器及びろうと10などに残留したポッティング剤量である。これを考慮すると、A(A’)側及びB(B’)側に実質投入された総ポッティング剤量は1594gであり、設定ポッティング比で換算すると、所定のポッティング剤量はそれぞれ、A(A’)側638g、B(B’)側159gとなる。したがって、各受け容器内のポッティング剤量は、A側638+6g、B側159−4g、A’側638+4g、B’側159−6gであり、設定ポッティング比に対して、誤差4%未満の精度で正確に分配することができた。
なお、設定ポッティング比に対する許容誤差を、各端部それぞれ10%未満とした。これは、モジュールの濾過性能を阻害しないための必要条件である。
<実施例2>
図2および図5に示す分配部16を有するレジンポット5を設置した以外は、実施例1と同様の遠心ポッティング装置1を用いて、同条件において各方向のポッティング剤を計量した。ここで、各分配孔19は、A(A’)側を周長さ25.1mm、断面積50.3mm2の円管形状の貫通管、B(B’)側を周長さ20mm、断面積25mm2の四角形状の貫通管とし、それぞれ分配部16の厚みを20mmとした。
その結果、各受け容器内のポッティング剤量は、A側638+10g、B側160−14g、A’側638+15g、B’側160−11gとなり、設定ポッティング比に対して、誤差9%未満の精度で正確に分配することができた。
<実施例3>
図2および図6に示す分配部16を有するレジンポット5を設置した以外は、実施例1と同様の遠心ポッティング装置1を用いて、同条件において各方向のポッティング剤を計量した。ここで、各分配孔19は、それぞれφ8.0mmの円管形状の貫通孔とし、A(A’)側貫通孔長さを5mm、B(B’)側貫通孔長さを25mmとした。
その結果、各受け容器内のポッティング剤量は、A側639+7g、B側160−10g、A’側639+12g、B’側160−9gとなり、設定ポッティング比に対して、誤差7%未満の精度で正確に分配することができた。
<比較例1>
レジンポット5内に分配部16を設けず、図8に示すようにB(B’)側方向にじゃま板22を各2枚設置した以外は、実施例1と同様の遠心ポッティング装置1を用いて、同条件において各方向のポッティング剤を計量した。
その結果、各受け容器内のポッティング剤量は、A側641−189g、B側158+193g、 A’側641−195g、B’側 158+191gとなり、設定ポッティング比に対して、A(A’)側誤差約30%、B(B’)側誤差約122%であり、所定の量に分配することができなかった。
<比較例2>
レジンポット5内に分配部16を設けず、レジンポット5内を均等に仕切り、各送り込み孔18をA(A’)側径φ7.5mm、B(B’)側径φ5.5mmの円管形状のノズルとした以外は、実施例1と同様の遠心ポッティング装置1を用いて、同条件において各方向のポッティング剤を計量した。
その結果、各受け容器内のポッティング剤量は、A側637−45g、B側156+43g、A’側637−49g、B’側 156+51gとなり、設定ポッティング比に対して、A(A’)側誤差約7%、B(B’)側誤差約30%であり、所定の量に分配することができなかった。
<比較例3>
レジンポット5において、底面の回転中心の位置に凹部を設けない分配部16を使用した以外は、実施例1と同様の遠心ポッティング装置1を用いて、同条件において各方向のポッティング剤を計量した。
その結果、各受け容器内のポッティング剤量は、A側638+25g、B側159−21g、A’側638+20g、B’側159−24gとなり、設定ポッティング比に対して、A(A’)側誤差約4%、B(B’)側誤差約14%であり、所定の量に分配することができなかった。
本発明の遠心ポッティング装置は、例えばポッティング比が異なる中空糸膜モジュールをポッティングする際に用いられる。
本発明に係る遠心ポッティング装置の概略構成図である。 本発明のレジンポットの模式的平面図である。 本発明のレジンポットの模式的断面図である。 本発明のレジンポット分配部における異なる断面積を有する各分配孔の違いを示す模式的断面図である。 本発明のレジンポット分配部における異なる断面形状を有する各分配孔の違いを示す模式的断面及び矢視図である。 本発明のレジンポット分配部における長さの異なる各分配孔の違いを示す模式的断面図である。 本発明のレジンポット分配部における底面からの高さの異なる各分配孔の違いを示す模式的断面図である。 比較例1で用いたじゃま板を有するレジンポットの模式的平面図である。
符号の説明
1 :遠心ポッティング装置
2 :回転軸
3 :中空糸膜モジュール
4 :回転台
5 :レジンポット
6 :回転台座
7 :モータ
8 :連結管
9 :ろうと受け
10:ろうと
11:中空糸
12:ケース
13:ポッティング用治具
14:管用ノズル
15:送り込み部
16:分配部
17:送り込み室
18:送り込み孔
19:分配孔
20:注入口
21:凹部
22:じゃま板
H :ポッティング剤の液面挙動

Claims (5)

  1. ポッティング剤を貯留するレジンポットとポッティング対象物を保持する保持部とを2つ以上の管で接続した状態で回転させて、遠心力により該ポッティング剤を該保持部に送り込む遠心ポッティング装置であって、該レジンポットが送り込み部と、底面の回転中心の位置に円柱状の凹部を有する分配部との、2種類の部分から成る二重構造を有し、該分配部は該送り込み部の内側に設けられ、該送り込み部は該分配部によって2つ以上の送り込み室に分割されており、該送り込み室はその外側にそれぞれ1つずつ設けられた送り込み孔によって外部と連通し、かつ、該送り込み室のそれぞれと該分配部とはそれぞれ1つ以上設けられた分配孔によって連通していることを特徴とする遠心ポッティング装置。
  2. 前記送り込み室のそれぞれと前記分配部とが、それぞれ1つ以上の異なる断面積かつ/または断面形状を有する分配孔によって連通していることを特徴とする請求項1に記載の遠心ポッティング装置。
  3. 前記送り込み室のそれぞれと前記分配部とが、それぞれ1つ以上の長さの異なる分配孔によって連通していることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心ポッティング装置。
  4. 前記送り込み室が4つである請求項1〜3のいずれかに記載の遠心ポッティング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の遠心ポッティング装置を用いてポッティング対象物をポッティングする遠心ポッティング方法であって、前記ポッティング剤を前記分配部内に投入し、遠心力により所定の重量比で前記送り込み室へ分配し、その後、前記送り込み孔より前記保持部へ送り込むことを特徴とする遠心ポッティング方法。
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