JP2022102872A - 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、及びろ過方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、及びろ過方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、中空糸膜の破断を制御することができる中空糸膜モジュールを提供することにある。【解決手段】本発明の中空糸膜モジュールは、複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、筒状体のハウジングと、第1の接着固定部と、第2の接着固定部とを備え、前記ハウジングの長手方向に垂直な断面において、前記ハウジング内径断面積に対する、前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合が32~48%であり、前記第1の接着固定部の前記第2の接着固定部側の接着固定部内表面において、前記内表面の中心を中心点とし該内表面の半径の3/4を半径とする円の範囲を中央部、前記中央部以外の範囲を外周部とした場合に、中心角が90度である1/4外周部における、前記1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が12%以内である、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、及びろ過方法に関する。
一般に中空糸膜モジュールは、内圧式と外圧式とに大別される。そのうち外圧式中空糸膜モジュールは、通常、長さ200~3000mm、外径0.1~5mmの中空糸膜を数百~数万本束ねて筒状のハウジングに収納し、中空糸膜の両端部をポッティング材(樹脂材、接着剤)でハウジング内壁に接着固定している。両端に接着固定部を設けるにあたり、一方の接着固定部側では中空糸膜端を開口させ、他方の接着固定部側は中空糸膜の中空部を封止して中空糸膜端を閉塞させている。この両接着固定部間に挟まれた領域に原水(被処理水)を加圧供給することによって中空糸膜を透過させてろ過し、そのろ過液(処理水)を開口した中空糸膜端部から取り出すようにした片端集水方式のモジュールと、両端の接着固定部で中空糸膜端を開口させて中空糸膜の両端からろ過液を取り出すようにした両端集水方式のモジュールとがある。
このような外圧式中空糸膜モジュールを除菌や除濁目的で使用する場合、通常、クロスフローろ過を行って中空糸膜表面への懸濁物質の蓄積を防止したり、定期的に逆洗やエアスクラビングなどの物理洗浄を行ったりすることによりろ過性能を回復させ、安定なろ過運転を可能にしている。
外圧ろ過処理の際には、下側の接着固定部に設けられた貫通孔から懸濁物質を含んだ被処理水を供給し、ハウジング上部側面に設けられたノズルから濃縮水を排出する。また、エアスクラビングによる洗浄の際には、下側の貫通孔から空気を供給するとともに、上側の接着固定部における中空糸膜の中空部を通して清浄水を供給し、空気および清浄水の流れにより、中空糸膜を揺り動かして膜表面に堆積した懸濁物質を剥ぎ取り、ハウジング上部側面に設けられたノズルから排出する。
このようなエアスクラビング洗浄の際、中空糸膜が揺動することによって、接着固定部内表面付近の中空糸膜へ応力が集中し、これにより中空糸膜が破断しやすいという問題がある。
特に、上述したようにハウジング内に中空糸膜束を収容して両端を接着固定部で固定する場合、中空糸膜の密度分布に偏りが生じ易いが、大きな偏りを持ったまま中空糸膜モジュールを形成してしまうと、上述した中空糸膜の揺動がより大きくなり、結果として中空糸膜が破断しやすくなる。
中空糸膜の破断を抑制する方法として、接着固定部内に中空糸膜の密度分布の偏りを抑制する規制部材を用いる方法が知られている(特許文献1)。
特開2000-185220号公報
特許文献1では、中空糸膜の密度分布をある程度調整できるものの、より一層長期にわたり使用できるよう、中空糸膜の破断をさらに抑制することが求められているのが現状である。
本発明は、上記事情にかんがみてなされたものであり、中空糸膜の破断を制御することができる中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法およびろ過方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、
前記中空糸膜束が収容される筒状体のハウジングと、
前記中空糸膜の一方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第1の接着固定部と、
前記中空糸膜の他方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第2の接着固定部とを備えた中空糸膜モジュールにおいて、
前記第1の接着固定部と前記第2の接着固定部とに挟まれた領域の前記ハウジングの長手方向に垂直な断面において、前記ハウジング内径断面積に対する、前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合が32~48%であり、
前記第1の接着固定部の前記第2の接着固定部側の接着固定部内表面において、前記内表面の中心を中心点とし該内表面の半径の3/4を半径とする円の範囲を中央部、前記中央部以外の範囲を外周部とした場合に、中心角が90度である1/4外周部における、前記1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が12%以内である、
ことを特徴とする中空糸膜モジュール。
[2]
前記第1の接着固定部及び前記第2の接着固定部の少なくとも一方に前記中空糸膜の配置を規制する規制部材を備え、
前記規制部材が、長手方向の少なくとも一方の端部が開口し、前記開口から前記長手方向に延びる空洞を有する形状であり、前記長手方向に直交する壁部に側孔を少なくとも1個有し、
前記規制部材の前記開口、前記空洞、及び前記側孔が前記樹脂材で満たされる、[1]に記載の中空糸膜モジュール。
[3]
前記接着固定部の厚さに対する、前記規制部材の長手方向の長さの割合が、0.5以上0.8以下である、[2]に記載の中空糸膜モジュール。
[4]
前記規制部材を備える接着固定部の接着固定部外表面において、
前記外表面の表面積に対する、外表面に含まれる前記中空糸膜の外径断面の合計面積と前記規制部材の外径断面の合計面積との総和の割合が、50%以上75%以下である、[2]又は[3]に記載の中空糸膜モジュール。
[5]
前記規制部材の前記空洞の最大内径D1と、前記側孔の最大内径D2とが、以下の式(1)の関係を満たす、[2]~[4]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
D1×1/2<D2<D1×3/2 ・・・(1)
[6]
前記規制部材が熱可塑性樹脂から構成される、[2]~[5]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
[7]
前記中空糸膜の前記一方の端部が閉塞し、前記他方の端部が開口している、[1]~[6]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
[8]
複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、
前記中空糸膜束が収容される筒状体のハウジングと、
前記中空糸膜の一方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第1の接着固定部と、
前記中空糸膜の他方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第2の接着固定部と、
前記第1の接着固定部及び前記第2の接着固定部の少なくとも一方に前記中空糸膜の配置を規制する規制部材と、を備え、
前記規制部材が、長手方向の少なくとも一方の端部が開口し、前記開口から前記長手方向に延びる空洞を有する形状であり、前記長手方向に直交する壁部に側孔を少なくとも1個有し、
前記規制部材の前記開口、前記空洞、及び前記側孔が前記樹脂材で満たされる、中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記ハウジング内に挿入された前記中空糸膜束を略水平方向に静置して、前記中空糸膜束の鉛直方向下側から上側の順に前記規制部材を挿入することを特徴する、中空糸膜モジュールの製造方法。
[9]
[1]~[7]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールを用いたろ過方法であって、
被処理水を前記ハウジング内の前記中空糸膜外の領域に供給し、
前記中空糸膜を透過した処理水を中空糸モジュールから取り出すことを特徴とする、ろ過方法。
本発明の中空糸膜モジュールによれば、中空糸膜の破断を抑制することができる。
本実施形態の中空糸膜モジュールを示す縦断面図である。 図1に示す中空糸膜モジュールのX-X線断面図である。 図1に示す中空糸膜モジュールの上側の接着固定部を拡大した図である。 図1に示す中空糸膜モジュールのY-Y線断面図である。 図1に示す中空糸膜モジュールのZ-Z線断面図である。 図1に示す中空糸膜モジュールの上側の接着固定部の接着固定部内表面を拡大した図である。 規制部材の模式図である。(a)が概略側面図であり、(b)が(a)の断面図である。 中空糸膜の密度とセリ部の長さとの関係を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[中空糸膜モジュール]
本実施形態の中空糸膜モジュールは、複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、前記中空糸膜束が収容される筒状体のハウジングと、前記中空糸膜の一方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第1の接着固定部と、前記中空糸膜の他方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第2の接着固定部とを備える。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、前記第1の接着固定部と前記第2の接着固定部とに挟まれた領域の前記ハウジングの長手方向に垂直な断面において、前記ハウジング内径断面積に対する、前記中空糸膜外径断面の合計面積の割合が32~48%であり、前記第1の接着固定部の前記第2の接着固定部側の接着固定部内表面において、前記内表面の中心を中心点とし該内表面の半径の3/4を半径とする円の範囲を中央部、前記中央部以外の範囲を外周部とした場合に、中心角が90度である1/4外周部における、前記1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が12%以内である。
以下、本実施形態の中空糸膜モジュールを、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の中空糸膜モジュールの一例を示す概略図である。中空糸膜モジュール10は、中空糸膜11、接着固定部12、およびハウジング14を備えている。中空糸膜11は、樹脂材からなる接着固定部12において、両端部が樹脂材により一体化され、ハウジング14の内壁に接着固定されている。さらに、ハウジング14の両端にキャップ部材15を設けてもよい。
なお、本明細書において、接着固定部12のモジュール外側(図1のキャップ材15側)の接着固定部表面を「接着固定部外表面」と称する場合がある。また、2つの接着固定部の間に挟まれた領域側(図1の筒状部材16側)の接着固定部表面を「接着固定部内表面」と称する場合がある。
(中空糸膜)
中空糸膜11は、上下端を貫通する中空の孔を有するストロー状であり、中空糸膜の側面は多孔質であり、通過する流体をろ過する。本実施形態においては、中空糸膜11は、複数本の中空糸膜11を束ねた中空糸膜束としてハウジング14に挿入された状態で収容されている。
中空糸膜11の材質は特に制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリロニトリル、ポリイミドならびに酢酸セルロース等が用いられている。中でも、結晶性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、およびポリフッ化ビニリデン等の結晶性熱可塑性樹脂は、強度発現の面から好適に用いることができる。さらに好適には、疎水性ゆえ耐水性が高く、通常の水系液体のろ過において耐久性が期待できる、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。特に好適には、耐薬品性等の化学的耐久性に優れるポリフッ化ビニリデンを用いることができる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーや、フッ化ビニリデンの比率が50モル%以上であるフッ化ビニリデン共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデンと、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレン及びエチレンから選ばれた1種以上との共重合体が挙げられる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーが最も好ましい。
中空糸膜11のサイズは特に限定しないが、中空糸膜11の内径0.4~3mm、外径0.8~6mm、膜厚0.2~1.5mm、中空糸膜11の阻止孔径0.001~1μm(好ましくは、0.02~1μm)、膜間差圧0.1~1.0MPaの耐圧性を備えたものが好ましく用いられる。
(規制部材)
中空糸膜束には局所的な中空糸膜11の密度分布を均一化するために規制部材30を配置してもよい。規制部材30としては、円柱形状、楕円柱状、多角柱形状、十字形状等であってよい。
上記規制部材は、中空部が開口する中空糸膜側の接着固定部に設けられることが好ましい。また、貫通孔thを設ける接着固定部に規制部材がないことが好ましい。例えば、図1の中空糸モジュール10では、上側の接着固定部にのみ規制部材が設けられ、下側の接着固定部には規制部材が設けられないことが好ましい。
規制部材の形状により得られる効果について以下に説明する。
例えば、中空糸膜モジュールあたりの中空糸膜表面積を増やすために、エアスクラビング洗浄の効率に支障無い範囲で、中空糸膜本数を増やすことがある。しかしながら、中空糸膜の本数を増やす程、中空糸膜の密度分布に偏りが生じやすくなる。中空糸膜の密度分布に偏りが生じると、接着固定部を形成する際、中空糸膜の充填密度が高い箇所で隣り合う中空糸膜間に樹脂材が侵入しにくくなるため、局所的に樹脂材が注入されにくい注入不良箇所が発生することがある。注入不良箇所では、エアスクラビングによる中空糸膜の揺動が大きくなり、結果として中空糸膜が破断しやすくなる。
また、エアスクラビングによる濁質排出性の効果を高めたい場合には、中空糸膜モジュールにおける中空糸膜本数を減らすことがある。中空糸膜の充填密度が低くなれば、注入不良は発生しにくいものの、中空糸膜が偏りやすくなり、中空糸膜モジュール内部に局所的に被処理液の流れが速い箇所ができ、中空糸膜が破断しやすくなる。
接着固定部を形成する際、中空糸膜の束の中に規制部材を設けることで、中空糸膜が均一に分散し、中空糸膜の密度分布の偏りや注入不良箇所を抑制することができる(図3、4)。
ここで、上記特許文献1のように、規制部材として、挿入棒や仕切り板を用いると、中空糸膜の分散性が向上するものの、ハウジング内径に対する中空糸膜と規制部材との合計断面積の割合が大きくなるため、樹脂材の流路を確保することが難しく、注入不良箇所を完全に抑制できない場合がある。
また、国際公開第2018/235871号では、中空糸膜の分布を均一に分散させることを意図して、規制部材の配置を調節して、モジュール外側の接着固定部外表面において中空糸膜を均一に分散させている。規制部材を設ける接着固定部は、溶液が透過しない構造とするため、接着固定部を貫通する孔を設けられない。そのため、規制部材は、接着固定部の厚さよりも短いものを使用している。ここで、本発明者らは、接着固定部厚さ方向に、規制部材が存在しない箇所では、接着固定部内で中空糸膜がハウジングの軸方向に平行に配置されず分布がわずかに乱れ、接着固定部内表面で中空糸膜を分布がわずかに乱れることがあることを見出した。特に、接着固定部内表面における中空糸膜の分布を均一にしなければ、セリ部と呼ばれる接着剤が中空糸膜に染みあがる現象を制御しにくくなり、接着固定部内表面で中空糸膜が密な箇所ができると樹脂材の注入不良箇所が発生しやすくなる。さらに、中空糸膜の外径が小さい場合、隣接する中空糸膜同士の最密充填の構造を形成しやすくなり、樹脂材の流れが不均一となる場合がある。
本発明者らが、接着固定部内表面の中空糸膜をより一層均一に分布させる方法について検討を進めたところ、規制部材の形状を工夫することが特に有効であることを見出した。長手方向の少なくとも一方の端部が開口した規制部材を用いることにより、樹脂材を中空糸膜間に充填することができる。
特に、中空糸膜11の破断を一層抑え、接着固定部内表面42における樹脂材の分布及び中空糸膜の分布が一層均一になる観点から、長手方向の少なくとも一方の端部が開口し、開口31から長手方向に伸びる空洞32をする形状であり、長手方向に直交する壁部に側孔33を少なくとも1個有する規制部材が好ましい(図7)。全ての上記側孔33は、上記空洞32に連通していることが好ましい。上記空洞32は、中空糸膜密度の分布を一層均一にし、中空糸膜の破断を一層抑える観点から、長手方向の一方の端部から他方の端部まで貫通していることが好ましい。空洞32が貫通している中空の筒状の構造とすることで、規制部材内部を通して樹脂材を流すことができ、樹脂材を接着固定部全体に一層均一に充填することができる。
また、規制部材30の先端部分(例えば、開口31と長手方向に反対側の端部)は、例えば、錘状にするなどして長さ方向についてテーパー形状であることが望ましい。これにより中空糸膜束への挿入性を向上させることができる。
中空糸膜11の充填密度により、規制部材の形状を選択してよい。
規制部材30は、該規制部材30を備える接着固定部12の厚さに対する、規制部材30の長手方向の長さの割合(規制部材の長手方向の長さ/接着固定部の厚さ)が、0.4以上0.8以下が好ましく、より好ましくは0.5~0.7、さらに好ましくは0.6~0.7である。上記長さ割合が0.4以上であると、中空糸膜束を支えることができ、接着固定部内表面の密度分布をより均一にすることができる。一方0.8以下であると、接着固定部内表面の密度分布を均一にすることができ、セリが生じにくく、耐久性に優れた中空糸膜モジュールを得ることができる。
なお、硬度の低い樹脂材を、保護層として接着固定部表面上に配置する場合、規制部材30は、接着固定部の厚さに対して上記範囲の長さ割合とすることが好ましい。また、接着固定部の厚さは、接着固定部の最も厚い部分の厚さとしてよい。
規制部材30の外径(例えば、長手方向に垂直な断面の外径)は、中空糸膜の外径や中空糸膜束径にもよるが、5mmから20mmの間で好適に用いることができる。
規制部材30は径方向に1個以上の側孔33が設けられていることで、規制部材の一方の端部の開口31から流入した樹脂材が、側孔33及び/又は他方の端部から流出して中空糸膜束への充填がよりスムーズとなる。側孔33の個数は1個から12個の間で適宜選択される。側孔33の数が多くなり過ぎると、樹脂材を界面方向(接着固定部内表面42方向)に積極的に染み渡らせる効果が乏しくなる可能性がある。また側孔33が2個以上配置された場合は、対称に配置すると良い。
規制部材30の空洞32の最大内径D1と、規制部材30の側孔33の最大内径D2とが、1/2×D1<D2<3/2×D1の関係を満たすことが好ましく、2/3×D1<D2<4/3×D1の関係を満たすことがより好ましい。さらに2/3×D1<D2<9/10×D1の関係を満たすことがより好ましい。
ここで、規制部材の空洞又は側孔の内径が延在方向に変化する場合、最大の内径を最大内径とする。
本実施形態の中空糸膜モジュールの、接着固定部に設けられる規制部材は、樹脂材で満たされていることが好ましい。例えば、規制部材の上記開口31、空洞32、側孔33の全てが樹脂材で満たされていることが好ましい。規制部材30は接着固定部外表面を除き、最終的に全て樹脂材に埋まっている状態が良い。
ここで、樹脂材で満たされるとは、開口、空洞、側孔により形成される内部の空洞体積100体積%に対して、樹脂材が90体積%以上占有していることをいい、95体積%以上占有していてもよく、99体積%以上占有していてもよく、100体積%占有していてもよい。
規制部材の材質は、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも良いが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂であれば、ハウジング素材と同種のものが耐薬品性や線膨張係数の観点から好ましい。また熱硬化性樹脂であれば、樹脂材で選択されるものと同種であることが好ましい。上記規制部材は上記材質から構成されていることが好ましく、上記材質のみから構成されていることがより好ましい。
上記規制部材は、接着固定部に内在していることが好ましい。
また規制部材30の外表面と内表面(例えば、開口、空洞、側孔の表面)は樹脂材との接着性を向上させるため、粗面化処理されていることが望ましい。もしくは接着性を向上させるために、規制部材30の外表面および内表面の少なくとも一部分に、周方向に角溝、V溝、丸溝等の凹凸の構造を設けてもよい。上述した粗面化処理や凹凸構造の付与は、規制部材30の成形時に直接付与してもよいし、後加工によって付与してもよい。
接着固定部12は、中空糸膜11の少なくとも一部をハウジング14に固定している。本実施形態においては、接着固定部12は、中空糸膜11の両端部と一体化して、後述するハウジング14に固定されている。本実施形態において、接着固定部12は、中空糸膜11の外周面およびハウジング14の内周面の間に樹脂材を充填して硬化させることにより、形成されている。
樹脂材の材質は特に制限されないが、例えば、二液混合型硬化性樹脂が適用され、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびシリコン樹脂等が好適に用いられている。樹脂材は、粘度、可使時間、硬化物の硬度や機械的強度、および原液に対する物理的および化学的安定性、中空糸膜11との接着性、ハウジング14との接着性を勘案して、適切に選定することが望ましい。例えば、製造時間の短縮化および生産性の向上の観点からは、可使時間の短いウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、機械的強度が求められる場合は、機械的耐久性を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、樹脂材にはこれらの樹脂を複数用いてもよい。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、ハウジング14の両端にキャップ部材15を備えるモジュールケース13であってもよい(図1)。モジュールケース13のサイズは特に限定しないが、全長700~2500mm、外径50~250mmであることが好ましい。モジュールケースの肉厚は2~20mmであることが望ましく4~18mmであることがより望ましい。モジュールケース13は、ハウジング14および2つのキャップ部材15を備えている。
ハウジング14は、筒状部材16の両端にヘッダ部17が接続された構造であってよい(図1)。筒状部材16は、本実施形態において、筒状をなしている。筒状部材16の軸方向の両端部それぞれに、ヘッダ部17が係合している。本実施形態においては、筒状部材16と両ヘッダ部17とを接着することにより、一体化されたハウジング14が形成されている。
ヘッダ部17は、本実施形態において、筒状部を有している。ヘッダ部17は、ヘッダ部17の筒状部の内部と筒状部材16の内部とが連通し、かつ互いに軸線が一致するように、筒状部材16に係合されている。
開放されているノズル部18(図1の例では、上側のノズル部18)は、ヘッダ部17の内部および外部の間で流体を通過させるポートとして機能する。したがって、ノズル部18は、ハウジング本体14の内周面、各中空糸膜11の外周面、および接着固定部12の内表面によって画定される内部空間に外部から流体を流入させ得、また当該内部空間から外部に流体を流出させ得る。
キャップ部材15は、本実施形態において、一端が開放された筒状又はテーパー形状をなしている。キャップ部材15の開放された端は、ハウジング14の軸方向の両端において、ハウジング14に係合している。本実施形態において、キャップ部材15は、ナット19によりハウジング14に固定されている。なお、キャップ部材15と接着固定部12およびハウジング14の少なくとも一方との間にはOリング20が設けられ、キャップ部材15とハウジング14により画定される内部空間が液密に密封されている。
キャップ部材15の閉鎖端又はテーパー形状部の細径部側に、管路21が設けられている。管路21は、ハウジング14の軸方向に平行に突出している。管路21は、キャップ部材15の内部および外部間で流体を通過させるポートとして機能する。したがって、管路21は、キャップ部材15および接着固定部12によって画定される内部空間に外部から流体を流入させ得、また当該内部空間から外部に流体を流出させ得る。
さらに、図1の例において、中空糸膜11の長手方向の一方の端は接着固定部12およびキャップ部材15が画定する空間に開口を露出し(図1上側)、他方の端は樹脂材に埋設され、開口は閉鎖されている(図1下側)。中空糸膜11が埋設されている側の接着固定部12には、軸方向に沿った貫通孔thが形成されている。また、中空糸膜11が埋設されている側のノズル部18は閉鎖されている。
このような構成の中空糸膜モジュール10では、例えば、中空糸膜11が埋設されている側の管路21(図1下側)を通じて中空糸膜モジュール10に流入させた原液は、貫通孔thから、ハウジング14の内周面、中空糸膜11の外周面、および両接着固定部12の露出面により画定される内部空間に流入する。当該内部空間に流入した原液(被処理水)は、解放されたノズル部18(図1上側)に向かってハウジング14の中空部内を通過しながら、一部が中空糸膜11によってろ過される。ろ過されたろ液が中空糸膜11の中空部内を通過して、開口が露出している側の管路21(図1上側)から排出される。また、解放されたノズル部18まで通過した原液が、濃縮液として排出される。
中空糸膜モジュール10は、ヘッダ部17内に、円筒状の整流筒を有してもよい。整流筒は、ヘッダ部17の軸線と一致するように配置されている。整流筒は、一端が接着固定部12内に埋設しており、他端はノズル部18よりも筒状部材16の長手方向中心側で終端している。
また、本実施形態の中空糸膜モジュール10は、中空糸膜11の長手方向の両端が、接着固定部12及びキャップ部材15が画定する空間に開口を露出し、いずれの接着固定部12にも貫通孔が形成されず、さらに、何れのノズル部18も開放されている構成であってよい。
このような構成の中空糸膜モジュール10では、例えば、一方の管路21から中空糸膜モジュール10に流入させた原液は、他方の管路21に向かって中空糸膜11の中空部内を通過しながら、一部が中空糸膜11によってろ過される。ろ過されたろ液は、ハウジング14の内周面、中空糸膜の外周面、および接着固定部12の露出面により画定される内部空間に流入する。当該内部空間に流入したろ液がノズル部18から排出される。また、中空糸膜の中空部内を他方の管路21まで通過した原液が、濃縮液として当該他方の管路21から排出される。あるいは、中空糸膜モジュール10の一方のノズル部18に原液を流入させることにより、ろ液が管路21から排出され、濃縮液が他方のノズル部18から排出されてもよい。
(製造方法)
次に、上述した中空糸膜モジュール10の製造方法について説明する。中空糸膜モジュール10の製造工程の説明においては、樹脂材としてウレタン樹脂を使用した場合について記載する。但し、ウレタン樹脂に限定されるわけではなく、他の樹脂を使用した場合でも同様の製造工程にて中空糸膜モジュール10を製造することができる。なお、本実施形態では、機械的強度の向上の観点から、樹脂材としてエポキシ樹脂が用いることが好ましい。または、本実施形態では、製造時間の短縮化および生産性の向上の観点から、樹脂材としてウレタン樹脂が用いることが好ましい。
中空糸膜11はハウジング14に挿入できるように円筒状に中空糸膜束を整えることで、膜モジュールあたりの膜面積、すなわちろ過面積を最大化することができる。中空糸膜束の外周には保護用のネットをさらに被覆してもよい。ネットの素材は特に限定しないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルコポリマー等が望ましい。中空糸膜の充填率を高くしすぎると、原液もしくはろ過液の流れが悪くなったり、運転時のエアスクラビング(逆洗工程)における洗浄効率が低下したりする。運転方法にもよるが、ハウジング14の内径に対する、ハウジング14に挿入する中空糸膜11の断面積の総和が30~60%になることが望ましい。
中空糸膜束の一端部もしくは両端部は後段のポッティング工程で樹脂材により閉塞しないように目止めしておくことが望ましい。目止めに用いる素材としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコン樹脂等が用いられる。目止めを行う方法としては、中空糸膜束の中央部を中心として回転させる遠心力を利用して樹脂を中空糸膜束の端部に導入する方法と、中空糸膜束を縦置きにし、その下端部に樹脂を注入する方法がある。中空糸膜束中の中空糸膜11同士の隙間には、目止め材が完全に充填されていてもよいし、一部にのみ充填されていてもよいし、充填されていない状態でもよい。一部のみ充填される状態もしくは、完全には充填されていない形態を実施するにあたっては、目止めを行う樹脂が完全に硬化する前に中空糸膜束から樹脂を除去すれば良い。一部にのみ充填された状態の場合、中空糸膜束の形状をセットすることが可能となり、ポッティング工程時に中空糸膜束の形状が崩れないという効果がある。目止めを行う厚さとしては0.5cm~5cmの間で適宜選択される。0.5cmよりも浅いと中空糸膜束の一部の中空糸膜11に目止め不良が発生する場合がある。また5cmよりも深い場合、後述する目止めした部分を除去する工程後も目止め材が中空糸膜内部に残留し、中空糸膜11の端部を開口できない場合がある。
目止めした中空糸膜束を所望の形状に成形したプラスチック部材に挿入した後、規制部材30を中空糸膜束端部に挿入する。挿入前には予め中空糸膜束端部の中空糸膜11の偏りをエアブロー等により均一にしておくと良い。規制部材30を挿入する順番としては、筒状体のハウジング14内に挿入された中空糸膜束の長手方向が略水平方向に静置し、中空糸膜束の鉛直方向下側から上側の順番に規制部材30を挿入することが中空糸膜束端部密度の均一性を保つ観点から望ましい。
規制部材30を挿入する本数は、中空糸膜束の径や中空糸膜11の外径、および規制部材30の外径にもよるが、8本から24本の間で適宜選択されてもよい。8本以上であることにより、中空糸膜束の偏りを抑制できる。一方24本以下であることにより、中空糸膜束の偏りは抑制でき、中空糸膜11の充填密度を適度な範囲に調整することができる。
規制部材は、中空糸膜束内に均一に配置する観点から、上記ハウジング内に挿入された上記中空糸膜束を略水平方向に静置して、上記中空糸膜束の鉛直方向下側から上側の順に挿入することが好ましい。
規制部材30の挿入が完了した後に、ハウジング14の両端部に樹脂材を用いて接着するポッティング工程を行う。接着方法としてはハウジング14の中央部を中心として回転させることにより発生する遠心力を利用して樹脂材を導入する遠心接着法と、ハウジング14を縦置きし、ヘッド差を利用して樹脂材を導入する静置接着法がある。接着方法は、中空糸膜モジュール10の全長やハウジング14の径、使用する樹脂材の混合初期粘度やポットライフにより、適宜選択することができる。遠心接着法はハウジング14の両端部を一度にポッティングすることが可能であるため生産性に優れるが、中空糸膜束を横置きにして接着するため、その一部が垂れてしまうことがある。適切なサイズの規制部材30を挿入することで、中空糸膜束の端部だけでなく、接着固定部内表面においても糸束が垂れることなく、均一に保つことが可能となる。樹脂材が硬化した後に、さらに高温で養生する時間を設けてもよい。完全に樹脂材が硬化した後に、目止めした部分を除去し、中空糸膜11の端部を開口させる。
最後に、中空糸膜束が接着固定されたハウジング14の両端部のそれぞれに、配管接続用のキャップ部材15が装着され、ナット19によって締結固定された後、リーク検査、試運転等を実施し、規定通りに製造できていることを確認して中空糸膜モジュールが完成する。
また、接着固定部12に貫通孔thを設ける方法としては、プラスチック部材に中空糸膜束を挿入した後に、形成される接着固定部12の厚さより長い柱状部材を中空糸膜束間に挿入する方法が挙げられる。接着固定部12内に設置される柱状部材については、接着完了後に抜き取ることが望ましい。
柱状部材の断面形状も特に限定されるものではなく、円形、楕円形、四角形、六角形、扇形等の多角形や板状が例として挙げられるが、中空糸膜束に挿入した際に中空糸膜11に損傷を与える恐れのない円形または楕円形であることが好ましい。
柱状部材の材質としては、高分子材料、無機材料、および金属材料等を用いることができ、特に限定されないが、樹脂材との接着力が弱い材質で形成し、かつ、剥離可能な構造としておくことが好ましい。具体的には、柱状部材の長さ方向の断面形状が円形または楕円形状であることが好ましい。
図1の本実施形態の中空糸膜モジュール10は、一方の接着固定部12に貫通孔thを有する外圧式中空糸膜モジュールであって、他方の接着固定部12のみに規制部材30を設けるようにしたが、本発明は、その他の中空糸膜モジュールにも適用可能である。具体的には、たとえばハウジングの側面に形成されたノズルから被処理水を流入する外圧式中空糸膜モジュールにも適用可能であり、この場合、両端部の接着固定部にそれぞれ規制部材を設けるようにしてもよい。
ここで、図8を用いてセリ部について説明する。なお、図8の中空糸膜11は中空部を省略している。
セリ部とは、接着固定部内表面から、中空糸膜の外表面に沿って樹脂材がせりあがって形成された部分である。セリ部が短いと、接着固定部内表面において中空糸膜が柔軟に折れ曲がることができないため、中空糸膜の搖動を吸収することができず、破断しやすい。接着固定部内表面に中空糸膜11が疎な部分(図8の中央部分)ではセリ部が長くなり、密な部分(図8の右側または左側部分)ではセリ部が短くなることがあり、中空糸膜の分布が不均一であると、中空糸膜が破断しやすい箇所と破断しにくい箇所が発生しやすくなる。
上記実施形態の中空糸膜モジュール10のように、外圧式中空糸膜モジュールのろ過水の出口側であって、かつ水処理装置に組み込まれて垂直に設置されて使用される場合には、上側に配置される接着固定部12において、セリ部の長さを5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましい形態であるが、これに限らず、たとえば両端の接着固定部において中空糸膜の中空部を開口させる場合には、両端の接着固定部において、セリ部の長さを5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましい。すなわち、中空糸膜の中空部を開口させている端部側の接着固定部において、セリ部の長さを、5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましい。また、30mm未満であることが好ましい。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、内圧式中空糸膜モジュールとしてもよい。内圧式中空糸膜モジュールの少なくとも一方の接着固定部において、本発明を適用するようにしてもよい。
また、本実施形態の中空糸膜モジュールの中空部が開口する中空糸膜が内在する接着固定部において、樹脂材の含浸する領域としては、接着固定部の端部においては、中空糸膜の肉厚部分には完全に含浸している状態が望ましい。さらに中空糸膜内表面にも樹脂材が存在してもよい。一方で樹脂材が内表面領域(膜内の中空部)を占有してしまうと、液体が通過しづらくなってしまうため、内表面に存在する樹脂材は厚さ100μm以下が望ましく、さらに望ましくは50μm以下であることが望ましい。接着固定部において中空糸膜内表面部が樹脂材で覆われていることは、接着固定部の耐薬品性を向上させる観点から望ましい。さらに接着固定部の機械的強度を向上させることができる。
中空糸膜11の中空部が開口された端部側の接着固定部12の最小厚さDminと最大厚さDmaxとが、Dmax≦1.1×Dminを満たすことがより好ましい。たとえば両端の接着固定部において中空糸膜の中空部を開口させる場合には、両端の接着固定部において、最小厚さDminと最大厚さDmaxが、Dmax≦1.2×Dminを満たすことが好ましく、Dmax≦1.1×Dminを満たすことがより好ましい。すなわち、中空糸膜の中空部を開口させている端部側の接着固定部において、最小厚さDminと最大厚さDmaxとが、Dmax≦1.2×Dminを満たすことが好ましく、Dmax≦1.1×Dminを満たすことがより好ましい。
なお、接着固定部の厚さとは、セリ部を含まない厚さをいう。
本実施形態の中空糸膜モジュール10は、中空糸膜11のろ過膜を透過した液を流入又は排出するため、少なくとも一方の接着固定部12に中空部が開口した中空糸膜が内在する(図1の上側の接着固定部12)。他方の接着固定部12は、中空部が閉塞した中空糸膜していてもよいし、中空部が開口した中空糸膜が存在していてもよい。中でも、ハウジング内径断面積に対する、上記中空糸膜外径断面の総合計面積の割合が32~48%とした時に、優れたろ過効果、エアスクラビング効果が得られる観点から、一方の端部の接着固定部に中空部が開口した中空糸膜が内在し、他方の端部に接着固定部に中空部が閉塞した中空糸膜が内在する、片端集水方式のモジュールが好ましい(図1)。
なお、本明細書において、中空部が開口した中空糸膜が内在する接着固定部を第1の接着固定部(図1の上側の接着固定部)、中空部が閉塞した中空糸膜が内在する接着固定部
を第2の接着固定部(図1の下側の接着固定部)と称する場合がある。
図2は、第2の接着固定部の接着固定部内表面の一例の断面図である。第2の接着固定部は、ハウジング14内が、貫通孔th、中空糸膜11、樹脂材のみで構成されていてよい。
図3は、中空糸膜モジュールを長手方向に切断した第1の接着固定部の一例の断面図であり、図4は、長手方向に垂直な面で切断した第1の接着固定部の接着固定部内表面の一例の断面図である。第1の接着固定部は、中空糸膜11間に規制部材30が設けられていてよい。第1の接着固定部は、ハウジング14内が、規制部材30、中空糸膜11、樹脂材のみで構成されていてよい。
図5は、本実施形態の中空糸膜モジュール10の第1の接着固定部と第2の接着固定部とに挟まれた領域のハウジング長手方向に垂直な断面図である。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、エアスクラビング効果及び濁質排出性に優れる観点から、第1の接着固定部と第2の接着固定部とに挟まれた領域のハウジングの長手方向に垂直な断面において、ハウジング内径断面積(100%)に対する、中空糸膜の外径断面の合計面積の割合が30~50%であってよく、好ましくは32~48%、より好ましくは34~46%である。
ここで、第1の接着固定部と第2の接着固定部とに挟まれた領域のハウジングの長手方向に垂直な上記断面は、第1の接着固定部内表面と第2の接着固定部内表面とのハウジング長手方向長さの中点における断面としてよい。
なお、ハウジング内径断面積とは、中空糸膜束を上記プラスチック部材や上記保護用のネットで中空糸膜を被覆してハウジングに挿入される場合でも、ハウジングの内径断面積とする。
また、中空糸膜の外径断面の合計面積は、上記断面において、ハウジング内に存在する各中空糸膜の外径に囲まれた面積を合計した面積である。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、中空糸膜の破断を抑制することができる観点から、第1の接着固定部の第2の接着固定部側の接着固定部内表面において、内表面の中心を中心点とし該内表面の半径の3/4を半径とする円に囲まれる範囲を中央部、内表面の上記中央部以外の範囲を外周部とした場合に、中心角度が90度である1/4外周部における、上記1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する上記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が12%以内であり、好ましくは10%以下、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは6%以下である。
図6を用いて、詳細に説明する。図6は、図1の片端集水方式のモジュールの第1の接着固定部内表面の断面図である。接着固定部内表面とは、図6においてハウジング14の内径に囲まれた領域をいう。接着固定部内表面の中心点46を中心とする、接着固定部内表面の半径の3/4を半径とする円43に囲まれる領域を中央部45、接着固定部内表面の外縁と円43とに囲まれる領域を外周部44とする。外周部44を中心角度90度に4等分した領域を1/4外周部とする。1/4外周部は、外周部を4つの1/4外周部に分け、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する上記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値の差が最も広くなるように中心角度の位置を設定してよい。
本実施形態の中空糸膜モジュール10は、規制部材を含む上記接着固定部(図1の上側の接着固定部12、第1の接着固定部)の接着固定部外表面において、接着固定部外表面断面積に対する、上記外表面に含まれる中空糸膜の外径断面の合計面積と規制部材の外径断面積の合計面積との総和の割合は、40%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは45~65%である。上記割合が40%以上であることにより、接着固定部内表面の中空糸膜の分布を一層均一にすることができ、中空糸膜の破断を一層抑えることができる。また、上記割合が70%以下であることにより、隣り合う中空糸膜間の間隔を適度な範囲とし、樹脂材の注入不良が起こりにくくなる。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、例えば、河川水、湖沼水、地下水、汽水、海水、生活排水、または工場排水等の大量の原水ついて、除濁または除菌などを行うろ過装置等に用いることができる。
[ろ過方法]
本実施形態のろ過方法は、上述の本実施形態の中空糸膜モジュールを用いたろ過方法であることが好ましい。
例えば、被処理水をハウジング内の中空糸膜外の領域に供給し、中空糸膜を透過した処理水を中空糸膜モジュールから取り出すことによりろ過する方法が好ましい。
被処理水の供給は、開口した中空部から供給してもよいし、接着固定部に設けた貫通孔から供給してもよいし、ハウジングに設けられたノズルから供給してもよい。また、処理水の取り出しは、中空糸膜を透過した溶液を回収すればよく、例えば、開口した中空部から取り出してもよいし、接着固定部に設けた貫通孔から取り出してもよいし、ハウジングに設けられたノズルから取り出してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
目止め材として石膏を用いて片端の中空部を閉塞させたPVDF(ポリフッ化ビリニデン)製中空糸膜(旭化成製)10600本を束ね、一方の端にヘッダ部a、他方の端にヘッダ部bが装着された筒状部材であるハウジングに挿入した。ヘッダ部aは、ノズルを有する内径137mmの整流筒が内側に装着された部材を用い、ヘッダ部bはノズルも整流筒もない部材を用いた。用いた中空糸膜は、平均孔径0.1μm、内径0.6mm、外径1.0mmである。
次いで、中空部を目止めした側(ヘッダ部a側)の中空糸膜束の端部に、外径12mmの円筒状の規制部材を、16本均等に分布するように挿入して配置した。規制部材は、ハウジング内に挿入された中空糸膜束を水平方向に静置し、中空糸膜束の鉛直方向下側から上側に順に挿入した。規制部材の全長は40mm、筒状部の外径を12mm、筒状部内の空洞の内径を10mmとした。規制部材は、長手方向の一端から他端まで貫通する空洞を有し、該空洞に連通する側孔を4箇所設けた。側孔の直径は6mmとした。一方、ヘッダ部b側の中空部が開口した中空糸膜の中空糸膜束の端部において、貫通孔を形成予定の位置に柱状部材を挿入した。
次いで、樹脂材導入用チューブを取り付けた接着固定部形成用容器をハウジングの両端に固定し、水平方向(軸方向)に回転させながら樹脂材をハウジングのヘッダ部aおよびヘッダ部b内に注入した。樹脂材としては、2液性熱硬化型ウレタン樹脂(サンユレック社製:SA-6330A2SA-6330B5(商品名))を用いた。樹脂材の硬化反応が進行して流動化が停止した時点で遠心機の回転を停止して取り出し、オープン中で50℃に加熱してキュアーした。
その後、ハウジングのヘッダ部a側の端部を切断して、目止めされた中空部を切り落とし、中空部を開口させた第1の接着固定部を形成した。一方、ヘッダ部b側の中空部には樹脂材が侵入して閉塞され、第2の接着固定部から柱状部材を取り除いて複数の貫通孔を形成した。
次いで、中空部が開口した側を上にして中空糸膜モジュールをろ過装置に取り付け、以下の物理洗浄耐久性試験を行った。なお、本中空糸膜モジュ一ルの膜有効長は2mである。また事前に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を中空糸膜モジュール内に充填し、薬品洗浄を再現した。
上側の第1の接着固定部側から清浄水を8mhrの流量で供給し、同時に下側の第2の接着固定部の貫通孔に空気を8mhrの流量で供給した。供給された両流体は、上側のヘッダ部aのノズルから排出させた。1か月毎に行うリークテストの時以外は連続的に上記の運転を実施した。なお、運転中は水温を5℃に保持した。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは6本発生した。
試験終了後、中空糸膜モジュールを解体して、ろ過側の第1の接着固定部の状態を確認すると、ろ過側の第1の接着固定部の厚みは、55mmから60mmの範囲であり、また、セリ部の長さが5mmから15mmであった。
このとき、第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が最も広くなるように中心角度を設定したところ、最大値は58%、最小値は49%であり、その差は9%であった。
また、第1の接着固例部と第2の接着固定部との長手方向中点における断面において、ハウジング内径断面積に対する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合を測定したところ、45%であった。
また、第1の接着固定部に挿入した規制部材の内部は、樹脂材で完全に満たされていた。
それぞれの領域における中空糸膜の外径断面の面積、規制部材の外径断面の面積は以下の方法で求めた。中空糸膜モジュールを切って断面を露出させ、500ルクス以上の照度のあるところでデジタルカメラにて200万画素数以上の設定にて接写モ一ドで撮影した。その後得られた写真デ-タを画像解析ソフトWinRoof6.1.3にて開き、「モノクロ画像化」コマンドにてモノクロ画像に変換した。次いで、「個数カウント」ツールにて各領域における中空糸膜の糸本数、規制部材の個数をカウントした。さらに当該領域の中空糸膜の外径、規制部材の外径をキーエンス製マイクロスコープ(VHX-S90F)により求め、面積を算出した。なお、領域の外延にまたがって存在する中空糸膜、規制部材は、領域内に存在する部分の面積を測定した。また第1の接着固定部の外表面側の中空糸膜断面を同じくキーエンス製マイクロスコープ(VHX-S90F)で観察したところ、中空糸膜内表面のさらに内側に形成された接着剤の厚さは36μmであった。
(実施例2)
実施例1の規制部材と同様の構造であるが規制部材を20本用いたこと以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは4本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が57%、最小値が50%であり、その差は7%であった。
(実施例3)
目止め材として低硬度タイプのポリウレタン接着剤を使用し、中空糸膜端から20mmの高さまで目止めをしたこと、規制部材を用いなかったこと、以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは3本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が55%、最小値が51%であり、その差は4%であった。
(実施例4)
中空糸膜端から35mmの高さまで目止めをしたこと以外は、実施例3と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは2本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が56%、最小値が53%であり、その差は3%であった。
(実施例5)
中空糸膜を15900本束ね、ヘッダaとして内径176mmの整流筒が内側に装着されたノズルを有する部材を使用し、筒状部材およびヘッダbの内径をヘッダaに合わせて変更し、中空糸膜端から40mmの高さまで目止めをしたこと以外は、実施例3と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは2本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が53%、最小値が46%であり、その差は7%であった。
また、第1の接着固例部と第2の接着固定部との長手方向中点における断面において、ハウジング内径断面積に対する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合を測定したところ、38%であった。
(比較例1)
規制部材としてポリウレタン製の内部に空洞がない長手方向長さ50mmの棒状の部材を12本用いたこと以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは18本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が57%、最小値が41%であり、その差は16%であった。
(比較例2)
規制部材としてポリウレタン製の内部に空洞がない長手方向長さ50mmの棒状の部材を8本用いたこと以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製し、物理洗浄耐久性試験を行った。
6か月間の運転後、中空糸膜の破断によるリークは40本発生した。
第1の接着固定部の接着固定部内表面において、1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する中空糸膜の外径断面の合計面積の割合は、最大値が58%、最小値が37%であり、その差は21%であった。
Figure 2022102872000002
10 中空糸膜モジュール
11 中空糸膜
12 接着固定部(樹脂材)
13 モジュールケース
14 ハウジング
15 キャップ部材
16 筒状部材
17 ヘッダ部
18 ノズル部
19 ナット
20 Oリング
21 管路
22 セリ部
30 規制部材
31 開口
32 空洞
33 側孔
41 接着固定部外表面
42 接着固定部内表面
43 接着固定部内表面の半径の3/4を半径とする円
44 外周部
45 中央部
46 中心点
th 貫通孔

Claims (9)

  1. 複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束が収容される筒状体のハウジングと、
    前記中空糸膜の一方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第1の接着固定部と、
    前記中空糸膜の他方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第2の接着固定部とを備えた中空糸膜モジュールにおいて、
    前記第1の接着固定部と前記第2の接着固定部とに挟まれた領域の前記ハウジングの長手方向に垂直な断面において、前記ハウジング内径断面積に対する、前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合が32~48%であり、
    前記第1の接着固定部の前記第2の接着固定部側の接着固定部内表面において、前記内表面の中心を中心点とし該内表面の半径の3/4を半径とする円の範囲を中央部、前記中央部以外の範囲を外周部とした場合に、中心角が90度である1/4外周部における、前記1/4外周部の面積に対する該1/4外周部に存在する前記中空糸膜の外径断面の合計面積の割合の最大値と最小値との差が12%以内である、
    ことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 前記第1の接着固定部及び前記第2の接着固定部の少なくとも一方に前記中空糸膜の配置を規制する規制部材を備え、
    前記規制部材が、長手方向の少なくとも一方の端部が開口し、前記開口から前記長手方向に延びる空洞を有する形状であり、前記長手方向に直交する壁部に側孔を少なくとも1個有し、
    前記規制部材の前記開口、前記空洞、及び前記側孔が前記樹脂材で満たされる、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記接着固定部の厚さに対する、前記規制部材の長手方向の長さの割合が、0.5以上0.8以下である、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記規制部材を備える接着固定部の接着固定部外表面において、
    前記外表面の表面積に対する、外表面に含まれる前記中空糸膜の外径断面の合計面積と前記規制部材の外径断面の合計面積との総和の割合が、50%以上75%以下である、請求項2又は3に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記規制部材の前記空洞の最大内径D1と、前記側孔の最大内径D2とが、以下の式(1)の関係を満たす、請求項2~4のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
    D1×1/2<D2<D1×3/2 ・・・(1)
  6. 前記規制部材が熱可塑性樹脂から構成される、請求項2~5のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 前記中空糸膜の前記一方の端部が閉塞し、前記他方の端部が開口している、請求項1~6のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
  8. 複数の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束が収容される筒状体のハウジングと、
    前記中空糸膜の一方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第1の接着固定部と、
    前記中空糸膜の他方の端部において、前記中空糸膜同士及び前記中空糸膜束と前記ハウジング内壁とを樹脂材によって接着固定する第2の接着固定部と、
    前記第1の接着固定部及び前記第2の接着固定部の少なくとも一方に前記中空糸膜の配置を規制する規制部材と、を備え、
    前記規制部材が、長手方向の少なくとも一方の端部が開口し、前記開口から前記長手方向に延びる空洞を有する形状であり、前記長手方向に直交する壁部に側孔を少なくとも1個有し、
    前記規制部材の前記開口、前記空洞、及び前記側孔が前記樹脂材で満たされる、中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記ハウジング内に挿入された前記中空糸膜束を略水平方向に静置して、前記中空糸膜束の鉛直方向下側から上側の順に前記規制部材を挿入することを特徴する、中空糸膜モジュールの製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュールを用いたろ過方法であって、
    被処理水を前記ハウジング内の前記中空糸膜外の領域に供給し、
    前記中空糸膜を透過した処理水を中空糸モジュールから取り出すことを特徴とする、ろ過方法。
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