JP2010148772A - 医療用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗菌性を有し、かつ透明な医療用材料を提供すること。
【解決手段】水酸基を有するシリコーンモノマーを少なくとも1種類含むモノマー組成物を重合して得られるシリコーン成分含有重合体(A)、及び修飾キトサン(B)を含む医療用材料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は抗菌性を有し、かつ透明な医療用材料およびその製造方法に関するもので、該医療用材料は、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バック、および血液回路などの医療用具、中でもコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
医療用材料の一つとして酸素透過性と親水性、および、弾力性に優れたシリコーン成分を用いた素材が注目されている。
例えば、特許文献1には、水酸基を有するシリコーンモノマーから得られるシリコーンハイドロゲルが開示されている。しかし、これらのシリコーンハイドロゲルは抗菌性などの機能を有するものではない。
一方、特許文献2にはカチオン性ポリマーとして脱アセチル化したキトサン、アニオン性ポリマーとしてアルギン酸などを用い作製した高分子電解質錯体ゲル溶液に、レンズ素材のポリメチルメタクリレートを表面コーティングした抗菌性材料が開示されている。しかし、このような材料は酸素透過性が低く、コンタクトレンズ等の酸素透過性が求められる分野の医療用材料として使用するには好ましくなかった。
特開2003−212940号公報 特開平5−117111号公報
本発明は良好な形状を有し、透明であり、抗菌性などを有する医療用材料を提供することを目的とする。該医療用材料は各種医療用具、中でもコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに好適に用いられ、コンタクトレンズに特に好適である。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
(1)水酸基を有するシリコーンモノマーを少なくとも1種類含むモノマー組成物を重合して得られるシリコーン成分含有重合体(A)、及び修飾キトサン(B)を含むことを特徴とする医療用材料。
(2)前記シリコーン成分含有重合体(A)を含む成形体を、前記修飾キトサン(B)を含む溶液に浸漬させて得られる上記(1)に記載の医療用材料。
(3)前記修飾キトサン(B)がヒドロキシアルキル化キトサンである上記(1)〜(2)のいずれかに記載の医療用材料。
(4)前記シリコーン成分含有重合体(A)中のケイ素原子の含量が5〜30重量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医療用材料。
(5)前記シリコーン成分含有重合体(A)中の水酸基の含量が0.0005〜0.01当量/gである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の医療用材料。
(6)該医療用材料の用途が眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バック、および血液回路から選ばれた1種である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の医療用材料。
(7)該医療用材料の用途が眼用レンズである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の医療用材料。
本発明によれば、実質的に透明で、高酸素透過性を有し、かつ抗菌性などの機能を合わせもつ医療用材料を得ることができる。該医療用材料は各種医療用具、中でもコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
本発明の医療用材料は、水酸基を有するシリコーンモノマーを少なくとも1種類含むモノマー組成物を重合して得られるシリコーン成分含有重合体、及び修飾キトサンを含むことを特徴とする。
本発明においてシリコーンモノマーとは、シロキサニル基および重合性不飽和二重結合を有する化合物を表す。また、シロキサニル基とは少なくとも一つのSi−O−Si結合を有する基を表す。
本発明の医療用材料は、その乾燥重量に対してケイ素原子を5〜30重量%含有することが好ましい。ここで、医療用材料の乾燥重量に対するケイ素原子の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(好適にはシーケンシャル型ICP発光分光分析装置 SPS4000、セイコーインスツルメンツ製)によって測定できる。測定法は以下の通りである。
まず、医療用材料を乾燥状態とする。本発明において医療用材料の乾燥状態とは、医療用材料に40℃で16時間真空乾燥を施した状態を意味する。該真空乾燥における真空度は2hPa以下とする。乾燥状態の医療用材料(4〜5mg)を白金るつぼに秤取し、硫酸を加えてホットプレートおよびバーナーで加熱灰化する。石灰物を炭酸ナトリウムで融解し、水を加えて加熱溶解した後、硝酸を加え水で定容する。この溶液について、ICP発光分光分析法によりケイ素原子を測定し、医療用材料中の含有量を求めた。
本発明の医療用材料のケイ素原子の含有量は、少なすぎると十分な酸素透過性が得られず、多すぎると透明な医療用材料が得られなくなることから、5〜30重量%であることが好ましく、10〜25重量%がより好ましく、10〜20重量%が最も好ましい。
本発明の医療用材料を構成するシリコーン成分含有重合体は、水酸基を有するシリコーンモノマーを重合して得られるが、シリコーンモノマー中の水酸基の含量が少なすぎても多すぎても透明な医療用材料が得られないことからシリコーンモノマーのうちの少なくとも一種類が水酸基を0.0005〜0.01当量/g有することが好ましく、0.0008〜0.008当量/gがより好ましく0.001〜0.005当量/gが最も好ましい。本発明における水酸基の含量は、ガス・クロマトグラフ質量分析(GC−MS)、高速液体クロマトグラフ質量分析(HPLC−MS)、核磁気共鳴(NMR)、赤外分光法(IR)等の各種分析により、水酸基を有するシリコーンモノマーの構造を同定することによって特定できる。
本発明の医療用材料に用いられるシリコーンモノマーの好適な例として、下記式(a)、(b)のシリコーンモノマーが挙げられる。
Figure 2010148772
[式(a)、(b)中、kは0〜100の整数を表す。bは1〜3の整数を表す。
11は、Hまたはメチル基を表す。
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表す。
14は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表す。
15およびR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表す。]
kは小さすぎると得られる医療用材料の酸素透過性が低下し、大きすぎると透明な医療用材料が得られにくくなる傾向があることから、1〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましく、最も好ましくは2〜10である。bは、小さすぎると得られる医療用材料の酸素透過性が低下する傾向があることから、2または3が好ましい。
11は、Hまたはメチル基を表すが、得られる医療用材料の化学的安定性の点で、好ましくはメチル基である。
12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表すが、より高い酸素透過性の重合体が得られる点で好ましいのは炭素数1〜4のアルキル基であり、最も好ましいのはメチル基である。
14は、炭素数1〜6のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表すが、より高い酸素透過性の重合体が得られる点で好ましいのは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに製造の容易さの点も考慮すると、最も好ましくはメチル基およびブチル基である。
15およびR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基およびフェニル基から選ばれた置換基を表すが、より高い酸素透過性の重合体が得られる点で好ましいのは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに製造の容易さの点も考慮すると、最も好ましくはメチル基である。
本発明の医療用材料に用いるシリコーン成分含有重合体中のケイ素原子の含有量は、少なすぎると十分な酸素透過性が得られず、多すぎると透明な医療用材料が得られなくなることから、ケイ素原子の含有量が5〜30重量%の範囲になるように適宜選択される。
また本発明の医療用材料は、上記シリコーン成分含有重合体を含む成形体を修飾キトサンを含む溶液に浸漬させて得ることができる。
本発明で用いられる修飾キトサンは、生体適合性のものが好ましい。本発明において、生体適合性とは生体に対して安全かつ無毒である性質を意味し、好ましくはさらに、生体となじみやすい性質も有することを意味する。
本発明で用いられる修飾キトサンは、天然物起源のもの、必要により化学的もしくは酵素的に合成あるいは半合成法により調製したキトサンの官能基を修飾したものである。修飾キトサンとしては、親水化性能の持続性に優れること、医療用材料への影響が少なく、形状、外観等、医療用材料の規格を変化させることが無いという点から特にヒドロキシアルキル化されたキトサンが好ましい。ヒドロキシアルキル化の例としては、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシブチル化、グリセリル化などが挙げられ、その中でも操作の簡便性の点から特にグリセリル化が好ましい。
本発明において修飾キトサンを含む溶液に用いる溶媒は、修飾キトサンを均一に溶解できる溶媒ならばいずれの溶媒でもよいが好ましくは水、乳酸(D体とL体の混合物)、及び乳酸水溶液である。
本発明において用いる修飾キトサンを含む溶液の濃度は低すぎると抗菌性を示さず、高すぎると溶液への修飾キトサンの溶解性、粘度、取り扱い性などが悪化することから0.5重量%〜5重量%の修飾キトサン水溶液が特に好ましい。
本発明の医療用材料は、紫外線吸収剤や色素、着色剤などを含むものでもよい。また重合性基を有する紫外線吸収剤や色素、着色剤を共重合した形で含有してもよい。
本発明の医療用材料に用いるシリコーン成分含有重合体を重合により得る際は、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有する熱重合開始剤を選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40℃〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
本発明の医療用材料に用いるシリコーン成分含有重合体を重合により得る際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能である。例を挙げれば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコールなどの各種アルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチル、二酢酸エチレングリコールなどの各種エステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールランダム共重合体などの各種グリコールエーテル系溶剤であり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。これらの中でアルコール系溶剤およびグリコールエーテル系溶剤は得られた医療用材料中から溶剤を水による洗浄で容易に除去できる点で好ましい。
本発明の医療用材料の用途が眼用レンズである場合、その重合方法、成形方法としては通常次の方法を使用することができる。たとえば一旦、丸棒や板状に成形し、これを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト法などである。
一例として本発明の医療用材料からなる眼用レンズに用いる成形体をモールド重合法により得る場合について、次に説明する。
モノマー組成物をレンズ形状を有する2枚のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱重合を行ってレンズ形状に賦型する。モールドは樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されているが、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通常は樹脂またはガラスが使用される。医療用材料を製造する場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドにより空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物が充填される。続いて、空隙にモノマー組成物を充填したモールドは、紫外線のような活性光線を照射されるか、オーブンや液槽に入れて加熱されて、モノマーを重合する。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合するなど、両者を併用する方法もあり得る。光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めていく条件が、ポリマーの光学的な均一性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
本発明の医療用材料は、種々の方法で改質処理を行うことができる。用途が眼用レンズである場合は表面の水濡れ性を向上させる改質処理を行うことが好ましい。
具体的な改質方法としては、電磁波(光を含む)照射、プラズマ照射、蒸着およびスパッタリングなどのケミカルベーパーデポジション処理、加熱、塩基処理、酸処理、その他適当な表面処理剤の使用、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。これらの改質手段の中で、簡便であり好ましいのは塩基処理および酸処理である。
塩基処理および酸処理の一例としては、成型品を塩基性または酸性溶液に接触させる方法、成型品を塩基性または酸性ガスに接触させる方法等が挙げられる。そのより具体的な方法としては、例えば塩基性または酸性溶液に成型品を浸漬する方法、成型品に塩基性または酸性溶液または塩基性または酸性ガスを噴霧する方法、成型品に塩基性または酸性溶液をヘラ、刷毛等で塗布する方法、成型品に塩基性または酸性溶液をスピンコート法やディップコート法などを挙げることができる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、成型品を塩基性または酸性溶液に浸漬する方法である。
医療用材料を塩基性または酸性溶液に浸漬する際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜300℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜60℃が最も好ましい。
医療用材料を塩基性または酸性溶液に浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、酸素透過性の低下や機械物性の低下などの悪影響が出る場合がある。
塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種アミン類およびポリエチレンイミン、ポリビニルアミン等の高分子量塩基などが使用可能である。これらの中では、低価格であることおよび処理効果が大きいことからアルカリ金属水酸化物が最も好ましい。
酸としては硫酸、リン酸、塩酸、硝酸等の各種無機酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フェノール等の各種有機酸、およびポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などの各種高分子量酸が使用可能である。これらの中では、処理効果が大きく他の物性への悪影響が少ないことから高分子量酸が最も好ましい。
塩基性または酸性溶液の溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡便さ、および化学的安定性などの点で水が最も好ましい。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
本発明において使用される塩基性または酸性溶液は、塩基性または酸性物質および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。
医療用材料は、塩基処理または酸処理の後、洗浄により塩基性または酸性物質を除くことができる。
洗浄溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。
洗浄溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。
以上のような改質処理は、医療用材料全体に対して行ってもよく、例えば表面のみに行うなど医療用材料の一部のみに行ってもよい。表面のみに改質処理を行った場合には医療用材料全体の性質を大きく変えることなく表面の水濡れ性のみを向上させることができる。
本発明の医療用材料において、シリコーン成分含有重合体と修飾キトサンを組み合わせる方法としては、種々の方法を用いることができる。その方法としてはシリコーン成分含有重合体を修飾キトサンを含む溶液に浸漬させる方法、シリコーンモノマー組成物と修飾キトサンを重合させる方法などがあげられる。その中でも、操作の簡便性の点からシリコーン成分含有重合体を修飾キトサンを含む溶液に浸漬させる方法が特に好ましい。シリコーン成分含有重合体を修飾キトサンを含む溶液に浸漬させる場合の浸漬時間は、短すぎると医療用材料に修飾キトサンが吸着せず、長すぎると医療用材料の形状、外観等に影響を及ぼすことから1時間から2時間が好ましい。
本発明の医療用材料の酸素透過性は、理化精機工業社製の製科研式フィルム酸素透過率計を用いて35℃の水中にて測定した。測定は米国特許公開US2008/0081894号公報の第293〜294段落に記載の方法に従って実施した。
本発明の医療用材料の酸素透過係数は、用途が眼用レンズの場合はその品位の点で70×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)以上が好ましい。
本発明の医療用材料の透明性は、用途が眼用レンズの場合はその品位の点で、該眼用レンズの含水状態での全光線透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、82%以上が最も好ましい。全光線透過率の測定は以下のように行う。
該眼用レンズの全光線透過率は、SMカラーコンピューター(型式SM−7−CH、スガ試験機株式会社製)を用いて測定する。サンプルには、眼用レンズの中心部を5mm幅に切り取り、軽く水分を拭き取ったものを用いる。ABCデジマチックインジケータ(ID―C112、株式会社ミツトヨ製)を用いて厚みを測定し、厚みが0.14〜0.15 mmであるものを測定に用いる。
本発明の医療用材料は修飾キトサンを含む溶液に浸漬させて得られることから抗菌性を発現することができる。本発明の医療用材料の抗菌性は、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2 プラスチック製品などの試験方法によって評価することができる。抗菌性は緑膿菌で3サンプルの菌数を測定した場合、3回の対数菌濃度の平均値と亜鉛の酸化物を含まないコントロールの3回の対数菌濃度の平均値との差が±0.4以内であれば増減なしとみなし、−0.4以下であれば抗菌効果があると判断する。より好ましくは−2以下であり、最も好ましくは−3以下である。
本発明の医療用材料は、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バック、および血液回路などの医療用具、中でもコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズに特に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
下記式(c)
Figure 2010148772
で表されるシリコーンモノマー(22.3重量部、水酸基含有量0.0053当量/g)、N,N−ジメチルアクリルアミド(24.2重量部)、下記式(d)
Figure 2010148772
で表されるシリコーンモノマー(33.6重量部、水酸基含有量0.0055当量/g)、光開始剤イルガキュア1850(1.2重量部)、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチル(9.1重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(0.6重量部)、下記式(e)
Figure 2010148772
で表される染料モノマー(0.02重量部)、tert―アミルアルコール(17.2重量部)を混合し撹拌した。均一で透明なモノマー混合物が得られた。このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、レンズ形状を有するモールドの空隙にモノマー混合物を充填し、光照射(東芝FL6D、8.4キロルクス、20分間)して硬化させることによりレンズを得た。得られたレンズを、60重量%イソプロパノール(IPA)水溶液に60℃で30分間浸漬しモールドから剥離後、さらに80重量%IPA水溶液に60℃、2時間浸漬して残存モノマーなどの不純物を抽出し、50重量%IPA水溶液、25重量%IPA水溶液、水と段階的にIPA濃度を下げた液におよそ30分ずつ浸漬して水和した。5mLバイアル瓶中ホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)に浸漬し、該バイヤル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で30分間煮沸処理を行った。煮沸処理後のレンズを超純水で洗浄後、グリセリル基で修飾されたキトサンの5%水溶液に2時間浸漬した。得られたレンズの乾燥重量に対するケイ素原子の含有量は12.3重量%、酸素透過係数は72×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)であり透明で濁りがなく、コンタクトレンズとして好適であった。
比較例1
上記修飾キトサンの代わりに、修飾されていないキトサンを用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ得られたレンズの乾燥重量に対するケイ素原子の含有量は12.3重量%、酸素透過係数は72×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)であり透明で濁りがなく、コンタクトレンズとして好適であった。
比較例2
上記シリコーンモノマー(c)、(d)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー下記式(f)
Figure 2010148772
〔チッソ株式会社製FM−0771、qの平均値 約10〕を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
比較例3
上記シリコーンモノマー(c)、(d)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー下記式(g)
Figure 2010148772
を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
実施例2 抗菌評価
実施例1のモールドの代わりに、10cm角、厚さ3mmのガラス板2枚(うち1枚には剥離しやすいようにアルミシールを貼付)の間に、厚さ100μmのパラフィルムの中央部を切り抜いたものを2枚スペーサーとして挟み込んだものを使用し実施例1と同様の組成でフィルムを作製した。得られたフィルムを3cm角に切り出したものを3枚用意し、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2 プラスチック製品などの試験方法に基づき、コンタクトレンズ使用時にみられる代表的な細菌の一つである緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275)に対する抗菌評価を行った。その結果、コントロールに対する対数菌濃度の平均の差が−4.6であり、高い抗菌性が確認できた。
比較例4
比較例1と同様の組成で実施例2と同様の抗菌評価を行った。その結果、コントロールに対する対数菌濃度の平均の差が−0.8であり、抗菌性はみられなかった。
本発明は医療用材料に関するもので、該医療用材料はコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 水酸基を有するシリコーンモノマーを少なくとも1種類含むモノマー組成物を重合して得られるシリコーン成分含有重合体(A)、及び修飾キトサン(B)を含むことを特徴とする医療用材料。
  2. 前記シリコーン成分含有重合体(A)を含む成形体を、前記の修飾キトサン(B)を含む溶液に浸漬させて得られる請求項1に記載の医療用材料。
  3. 前記修飾キトサン(B)がヒドロキシアルキル化キトサンである請求項1または2に記載の医療用材料。
  4. 前記シリコーン成分含有重合体(A)中のケイ素原子の含量が5〜30重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の医療用材料。
  5. 前記シリコーン成分含有重合体(A)中の水酸基の含量が0.0005〜0.01当量/gである請求項1〜4のいずれかに記載の医療用材料。
  6. 該医療用材料の用途が眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バック、および血液回路から選ばれた1種である請求項1〜5のいずれかに記載の医療用材料。
  7. 該医療用材料の用途が眼用レンズである請求項1〜6のいずれかに記載の医療用材料。
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