JP2010145854A - ワイヤグリッド偏光子 - Google Patents

ワイヤグリッド偏光子 Download PDF

Info

Publication number
JP2010145854A
JP2010145854A JP2008324521A JP2008324521A JP2010145854A JP 2010145854 A JP2010145854 A JP 2010145854A JP 2008324521 A JP2008324521 A JP 2008324521A JP 2008324521 A JP2008324521 A JP 2008324521A JP 2010145854 A JP2010145854 A JP 2010145854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
transparent
grid polarizer
wire grid
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008324521A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Saito
正人 齋藤
Fujito Yamaguchi
布士人 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2008324521A priority Critical patent/JP2010145854A/ja
Publication of JP2010145854A publication Critical patent/JP2010145854A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】広帯域の波長領域において波長分散性が少なく、且つ高偏光度・高透過率なワイヤグリッド偏光子を提供すること。
【解決手段】本発明のワイヤグリッド偏光子は、基材と、前記基材上に格子状に配置された金属ワイヤと、を具備するワイヤグリッド偏光子であって、前記金属ワイヤ上に積層され、消衰係数が0である透明材料で構成された透明ワイヤを有しており、前記透明ワイヤのピッチが被偏光光の波長より短いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光子に関する。
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルのピッチを有する微細構造パターンを形成することができるようになってきた。この様に非常に小さいピッチのパターンを有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野において利用範囲が広く有用である(非特許文献1)。
例えば、金属等で構成された導電体線が特定のピッチで格子状に配列してなるワイヤグリッドは、そのピッチが入射光(例えば、可視光の波長400nmから800nm)に比べてかなり小さいピッチ(例えば、2分の1以下)であれば、導電体線に対して平行に振動する電場ベクトル成分の光をほとんど反射し、導電体線に対して垂直な電場ベクトル成分の光をほとんど透過させるため、単一偏光を作り出す偏光子として使用できる。このワイヤグリッド偏光子は、透過しない光を反射し再利用することができるので、光の有効利用の観点からも望ましいものである。
このようなワイヤグリッド偏光子としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。このワイヤグリッド偏光子は、入射光の波長より小さいグリッド周期で間隔が置かれた金属ワイヤを備えている。このワイヤグリッド偏光子は、電場成分が金属線と平行な偏光成分(TE波)を反射し、金属線と垂直な偏光成分(TM波)を透過する偏光特性を有し、ビームスプリッタとして多く使用されている。
このようなワイヤグリッド偏光子において、金属ワイヤ形状と光学形状との関係が示されており、金属ワイヤ断面積が増加すると、消光比が増加すること、更に周期幅に対する所定の幅以上の金属ワイヤでは透過率が減少することが分かっている(特許文献2)。また、金属ワイヤの長手方向に直交する断面形状がテーパ形状であると、広い帯域において透過率、偏光度の波長分散性が少なく、高消光比特性を示すことが分かっている(特許文献3)。
また、金属ワイヤが配置されている面の耐擦傷性や防汚性を高める目的で特許文献4や特許文献5が知られている。
日本女子大学紀要 理学部 第14号(2006) 特開2002−328234号公報 特表2003−508813号公報 特開2005−172844号公報 特開2007−33558号公報 特表2005−513547号公報
しかしながら、特許文献2に示されたように波長450nmから650nmにおいても、透過率の差や消光比の差、つまり波長分散性が大きく存在することが分かる。また、本発明者らの検討により、特許文献2に示された構造での波長400nmから800nmにおける透過率の波長分散性は非常に大きいことが分かっており、この構造の偏光子を可視光全域に用いることは難しい。
また、特許文献3に示されているように、低波長側での消光比や透過率の低下を抑制するためにはテーパ形状が有効であるが、消光比を上げるには金属ワイヤの断面積を大きくする必要があり、テーパ形状では同じ金属ワイヤ高さであっても特許文献2の構造に比べ断面積が小さくなってしまい、さらに高い金属ワイヤ高さが必要となる。すると、加工性や金属ワイヤの強度耐久性の点で劣る問題があった。
また、特許文献4に記載されている方法は、金属ワイヤを含む基材面の法線に対して非常に深い角度から製膜を行う必要があり、誘電体層の厚さ均一性や大型生産性に課題を残す。さらに、本発明者の検討により、金属ワイヤ上に設けられる誘電体層や透明材料の層数が増すと、透過する特性を有する偏光成分(TM波)は、層と層との界面により反射が起こり、結果として透過率が低下してしまう課題があった。
また、特許文献5に記載されている方法は、基材にフィルムのようなフレキシブルな保護材料を用いて曲げた場合、スペーサの存在しない部分において保護材料とワイヤグリッド偏光子が接触する可能性があり、光回折等により色の変化やモアレ等が発生してしまう。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、広帯域の波長領域において波長分散性が少なく、且つ高偏光度・高透過率なワイヤグリッド偏光子を提供することを目的とする。
本発明のワイヤグリッド偏光子は、基材と、前記基材上に格子状に配置された金属ワイヤと、を具備するワイヤグリッド偏光子であって、前記金属ワイヤ上に積層され、消衰係数が0である透明材料で構成された透明ワイヤを有しており、前記透明ワイヤのピッチが被偏光光の波長より短いことを特徴とする。
本発明のワイヤグリッド偏光子においては、前記透明ワイヤの延在する方向に対して垂直な方向に沿う前記透明ワイヤの断面形状が、先端に向けて細くなる形状であることが好ましい。この場合においては、前記断面形状が矩形、三角形、又は半楕円形であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子においては、前記透明材料が1.0から2.5の屈折率を有することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子においては、前記透明ワイヤの先端を埋設するようにして設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に配設された保護基材と、を具備することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子は、基材と、前記基材上に格子状に配置された金属ワイヤと、を具備し、前記金属ワイヤ上に積層され、消衰係数が0である透明材料で構成された透明ワイヤを有しており、前記透明ワイヤのピッチが被偏光光の波長より短いので、広帯域の波長領域において波長分散性が少なく、且つ高偏光度・高透過率である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の一例を示す概略断面斜視図である。図1に示すワイヤグリッド偏光子は、基材1上に所定の間隔で設けられた格子状の金属ワイヤ2を有し、金属ワイヤ2の上に透明ワイヤ3が積層されている。
本発明のワイヤグリッド偏光子における、透明ワイヤ3の断面形状は、図2に示すように、透明ワイヤの延在する方向に対して垂直な方向に沿う透明ワイヤ3の断面形状が、先端に向けて細くなる形状であることが好ましい。すなわち、透明ワイヤ3が金属ワイヤ2と接する面に対応する辺の長さAが、対向する辺の長さBより少なくとも長いか、或いは、対向する辺が頂点であることが好ましい。すなわち、透明ワイヤ3は、上層方向に向けて凸形状であることが好ましい。具体的には、断面形状が三角形状でも良く、また図3に示すように、透明ワイヤ3の頂点部分a1が曲率を持つように半楕円形状であっても良い。例えば、頂点a1に10nmから25nmの曲率半径Rを設けるようにしても良い。さらに透明ワイヤ3は、断面視において、金属ワイヤ2の中心線X1(基材平面に対して垂直な方向)に対して左右対称である必要は無く、適宜変更して設計することができる。ここで上層方向とは、基材1に対して金属ワイヤ2が設けられている方向(図中の上方向)を指す。
透明ワイヤ3が上層方向に凸形状が好ましい理由は、透過率の波長分散性にある。詳しくは解明に至っていないが、有効媒質理論により、光の入射方向に対する透明ワイヤ3の断面変化が起こることによって、光の入射方向に対して光学特性の急激な変化が抑制され、つまり空気と透明ワイヤ3との界面でのTM波の反射が抑制され、各波長について均一に透過するためであると推定される。このように透明ワイヤ3をこのような形状にすることにより、金属ワイヤ2をテーパ形状にする必要がなくなり、より高い金属ワイヤ2の形成も可能になる。
透明ワイヤ3を構成する材料は、消衰係数が0であり、且つ屈折率が1.0から2.5の範囲内にある材料が好ましい。例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム等の材料であり、完全に酸化あるいは窒化した状態であることが望ましい。透明ワイヤ3の形成方法としては、真空蒸着製膜法やスパッタリング製膜法等を好適に用いることができる。
透明ワイヤ3のピッチは被偏光光の波長より短く設定する。上記特性を持つ材料で構成された透明ワイヤ3がこのようなピッチを有することにより、各波長においてTM波成分の透過率を高くすることができる。可視光の波長400nmから800nmの範囲で言えば、例えば、ピッチを波長の2分の1以下、つまり200nm以下に設定することが好ましい。本効果を発揮するメカニズムの詳細については解明に至っていないが、ピッチが小さくなることによって、TM波成分に対する表面プラズモン反射の効果が薄れ、より透過しやすくなるものと考えられる。
金属ワイヤ2を構成する材料は、所定の領域で光の反射率が高く、基材1を構成する材料との間の密着性が高いものであることが好ましい。例えば可視光の領域であれば、アルミニウム、銀、錫又はそれらの合金で構成されていることが好ましく、コストの観点から、アルミニウム又はその合金で構成されているとより好ましい。
金属ワイヤ2を形成する方法としては、基材1の上に平坦に製膜させる方法が好ましく、例えば、真空蒸着製膜法やスパッタリング製膜法、イオンプレーティング製膜法等の物理的蒸着法を好適に用いることができる。
基材1を構成する材料としては、平滑面を有し、可視光領域で実質的に透明な素材であれば特に限定されるものではなく、ガラスや透明な無機物結晶、透明プラスチックが挙げられる。ガラスとしては、石英ガラスや、BK(硼珪クラウン)、BaK(バリウムクラウン)、LF(軽フリント)、SF(重フリント)等の既存の光学ガラスを挙げることができる。なかでも石英ガラスは、表面微細加工に適しているので好ましい。透明無機物結晶としては、サファイヤ、水晶、方解石、アルカリハライド等が挙げられる。透明プラスチックとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
本発明のワイヤグリッド偏光子を製造する方法は特に限定されないが、例えば、図4(a)に示すように、基材1の上に金属ワイヤ層2aをスパッタリング製膜法によって150nm程度の膜厚になるように製膜し、その上に透明ワイヤ層3aを80nm程度の膜厚になるように積層製膜させる。さらにその上にレジスト層4aを薄膜になるように積層し、図4(b)に示すように、格子状に等間隔なパターンニングを施す。
パターンニングの方法は特に限定されないが、例えば、マスク露光法である光リソグラフィー技術や、格子状の構造が形成された金属製の型をレジスト層に圧力転写し、パターンを得るインプリント法等が挙げられる。もしくは、レジスト層4aを製膜せずに金属ワイヤ層2a及び透明ワイヤ層3aを直接電子ビーム等で直接描画し、ワイヤグリッド偏光子を得る方法も挙げられる。
次に、図4(c)に示すように、パターンニングされたレジスト層4bをマスクとして用い、透明材料ワイヤ層3aにエッチング処理を行い格子状に加工する。エッチング方法は、透明材料ワイヤ層3aを構成する材料に合わせて反応性プラズマガスによるドライエッチング法や溶液によるウェットエッチング法等を好適に用いることが出来る。例えば、透明ワイヤ層3aを構成する材料に窒化シリコンを用いた場合、CFやC等のガスを選択し、反応性イオンエッチングすることによって所望の形状に加工することが出来る。その後、図4(d)に示すように、パターンニングされたレジスト層4bを酸素ラジカルにより酸化し、COやCO等の気体状反応生成物として除去する。
さらに、図4(e)に示すように、透明ワイヤ3をマスクとして用い、金属ワイヤ層2aのエッチング処理を行う。エッチング方法は、透明ワイヤ3を侵食しない方法で金属ワイヤ層2aをエッチングする必要があるが、例えば、透明ワイヤ3に窒化シリコン、金属ワイヤ層2aにアルミニウムを用いた場合は、BClやSiCl等の塩素系ガスを選択した反応性イオンエッチングや、もしくはNaOH水溶液やKOH水溶液を用いたウェットエッチングによって所望の形状に加工することが出来る。
このように、基材1上に格子状に設けられた金属ワイヤ2上に、消衰係数が0である透明材料で構成され、被偏光光の波長より短いピッチの透明ワイヤ3を積層することにより、広帯域の波長領域における波長分散性が少なく、且つ高偏光度・高透過率なワイヤグリッド偏光子を実現することができる。
このようなワイヤグリッド偏光子においては、図5に示すように、金属ワイヤ2及び透明ワイヤ3を保護する目的で、ワイヤグリッド偏光子の透明ワイヤ3上に樹脂層5を配置し、さらにその上に保護基材6を配置しても良い。この構成によれば、ハンドリング性や防汚性を向上させることができる。
樹脂層5は可視光に対して実質的に透明であること以外は制限されることはないが、透明ワイヤ3と保護基材6とを接合させることができ、形状が経時変化しないものが好ましい。透明な粘着剤や接着剤等で透明ワイヤ3と保護基材6を接合させる方法や、光硬化性樹脂を用いて透明ワイヤ3と保護基材6を接合後に硬化させる方法等を好適に用いることが出来る。具体的には、ゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やポリアミド系、スチレン系等の適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤;ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂;アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
このとき、金属ワイヤ2を樹脂層5に埋設することは望ましくない。これは、金属ワイヤ2のワイヤ間に空気以外の材料が存在すると、TM波透過率の低下が起こり、また偏光度も低下する為である。このため、樹脂層5を構成する材料の特性としては、図5に示す構成を採る際に、金属ワイヤ2が樹脂層5で埋設しないような特性であることが好ましい。特に好ましくは、透明ワイヤ3だけが樹脂層5に埋設されている構成である。
保護基材6を構成する材料としては、可視光に対して実質的に透明であること以外は制限されず、基材1を構成するようなガラスや透明プラスチックを好適に用いることが出来る。
また、保護基材6を構成する材料と樹脂層5を構成する材料とは、屈折率が互いに近いものにすることにより、界面での反射が低減されるため、より好ましい。例えば、屈折率1.5程度の材料を互いに選択することにより、保護基材6としてガラスや多くの透明プラスチック等を選択することができ、材料の選択の自由度が増して好ましい。
図5のような構成のワイヤグリッド素子を用いると、透明ワイヤ3のワイヤとワイヤとの間に樹脂層5が入り込む構成となるので、透過光に影響を与える界面の総数が実質的に少なくなる。このため、光を入射した際に、界面でのTM波の反射を抑制することができ、透過率を高い状態に維持することができる。
次に、本発明の効果を明確にする為に行った実施例について説明する。尚、下記の実施の形態における寸法、材質等は例示的なものであり、適宜選択して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更して実施することが可能である。
[実施例1]
合成石英ガラス基材の片面上にアルミニウムをスパッタリング製膜法により、厚さが約200nmになるように製膜を行い、その上にSiを厚さ約80nmになるように積層製膜した。更にその上に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成株式会社製)を、スピンコート法を用いて、厚さ約220nmになるよう積層製膜し、上述したインプリント法により、目的のワイヤグリッド偏光子を作製した。尚、インプリント法に用いた金型の格子状凹凸形状のピッチ幅は約130nmで高さは約200nmで、格子状凸部の幅と凹部の幅の比がおよそ7:3のものを用い、Siエッチング処理にはCガスを用いた反応性イオンエッチング処理を行い、アルミニウムエッチング処理にはNaOH水溶液を用いたウェットエッチング処理を行った。
得られたワイヤグリッド偏光子の断面形状を電界放出形走査電子顕微鏡(STEM、日立ハイテクノロジーズ製S−5500)を用いて観察を行ったところ、金属ワイヤのピッチ(透明ワイヤのピッチ)が約130nmで幅が約55nm、高さが約200nmであり、透明ワイヤの金属ワイヤ側底辺の幅が約55nmで上底の幅が約40nm、高さが約80nmの上に凸状である断面矩形状(台形形状)であることが確認された。
得られたワイヤグリッド偏光子について、分光光度計を用いて偏光度と透過率を測定した。偏光度は、直線偏光に対する平行ニコル、直交ニコルでの透過率を測定し、下記式により算出した。測定波長域は380nm〜780nmとした。
偏光度=(TM波−TE波)/(TM波+TE波)×100 %
素子透過率=(TM波+TE波)/2 %
ここで、TM波は平行ニコル時の透過率であり、TE波は直行ニコル時の透過率である。測定の結果を図6に示した。図6から分かるように、測定領域全域に渡って素子透過率が高く、素子透過率の最大値と最小値との差は約4%とほぼ均一であることが分かる。また、偏光度も測定領域全域に渡って高い値を示している。
[実施例2]
実施例1で作製したワイヤグリッド偏光子の透明ワイヤが積層されている面に、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムの片面に光硬化性樹脂が塗布されているフィルムを接着し、感光硬化させることによって、図5に示す構成を有するワイヤグリッド偏光子を作製した。
得られたワイヤグリッド偏光子の断面形状を電界放出形走査電子顕微鏡(STEM、日立ハイテクノロジーズ製S−5500)を用いて観察を行ったところ、透明ワイヤが樹脂層へ約50nm埋設されている形状であることが確認された。
また、分光測定におけるハンドリングにおいて、押圧された部分を観察したところ、外見上の変化は見られず、分光測定の結果は押圧されていない部分と同様の結果であることが確認され、強度耐久性に優れたものであった。
[比較例]
比較例として、透明ワイヤを設置しなかった場合のワイヤグリッド偏光子の性能を考察する。実施例1と同様の方法を用いて合成石英ガラス基材の片面上にアルミニウムをスパッタリング製膜法により、厚さが約200nmになるように製膜を行い、その上に光硬化性樹脂PAK−01(東洋合成株式会社製)を、スピンコート法を用いて、厚さ約220nmになるよう積層製膜した。上述したインプリント法により、レジスト層にパターン形成後、NaOH水溶液を用いてアルミニウムをウェットエッチング処理し、十分に乾燥させた後、レジスト層を酸素ラジカル処理により除去した。
得られたワイヤグリッド偏光子の断面形状を電界放出形走査電子顕微鏡(STEM、日立ハイテクノロジーズ製S−5500)を用いて観察を行ったところ、金属ワイヤのピッチが約130nmで幅が約55nm、高さが約200nmのほぼ矩形に近い形状のワイヤグリッド偏光子であることが確認された。
得られたワイヤグリッド偏光子について、分光光度計を用いて偏光度と透過率を測定した。測定波長域は380nm〜780nmとした。測定の結果を図7に示した。図7から分かるように、低波長側にて素子透過率の落ち込みが顕著であり、また素子透過率の最大値と最小値との差は約17%と高く、素子透過率の波長分散性に優れないことが分かる。また、偏光度の低波長側における低下も見受けられた。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における数値、材質などは例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。
本発明のワイヤグリッド偏光子によれば、広帯域の波長領域において波長分散性が少なく、且つ高偏光度・高透過率であるワイヤグリッド偏光子を提供できる点で有用である。具体的には、液晶表示装置のような表示装置に配設した場合に、十分な色再現性やコントラストを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の概略断面斜視図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の他の例を示す概略断面斜視図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の他の例を示す概略断面斜視図である。 本発明のワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子の他の例を示す概略断面図である。 本発明のワイヤグリッド偏光子の波長に対する透過率、偏光度の関係を示す図である。 比較例のワイヤグリッド偏光子の波長に対する透過率、偏光度の関係を示す図である。
符号の説明
1 基材
2 金属ワイヤ
2a 金属ワイヤ層
3 透明ワイヤ
3a 透明ワイヤ層
4a レジスト層
4b パターンニングされたレジスト層
5 樹脂層
6 保護基材
a1 透明材料ワイヤの頂点部分

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に格子状に配置された金属ワイヤと、を具備するワイヤグリッド偏光子であって、前記金属ワイヤ上に積層され、消衰係数が0である透明材料で構成された透明ワイヤを有しており、前記透明ワイヤのピッチが被偏光光の波長より短いことを特徴とするワイヤグリッド偏光子。
  2. 前記透明ワイヤの延在する方向に対して垂直な方向に沿う前記透明ワイヤの断面形状が、先端に向けて細くなる形状であることを特徴とする請求項1記載のワイヤグリッド偏光子。
  3. 前記断面形状が矩形、三角形、又は半楕円形であることを特徴とする請求項2記載のワイヤグリッド偏光子。
  4. 前記透明材料が1.0から2.5の屈折率を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光子。
  5. 前記透明ワイヤの先端を埋設するようにして設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に配設された保護基材と、を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光子。
JP2008324521A 2008-12-19 2008-12-19 ワイヤグリッド偏光子 Pending JP2010145854A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008324521A JP2010145854A (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ワイヤグリッド偏光子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008324521A JP2010145854A (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ワイヤグリッド偏光子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010145854A true JP2010145854A (ja) 2010-07-01

Family

ID=42566335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008324521A Pending JP2010145854A (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ワイヤグリッド偏光子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010145854A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011090141A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Asahi Glass Co Ltd ワイヤグリッド型偏光子およびその製造方法
JP2013130598A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Ricoh Co Ltd ワイヤグリッド素子ならびに該ワイヤグリッド素子を用いた偏光画像撮像装置及びプロジェクタ
CN104459862A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 优志旺电机株式会社 栅偏振元件及栅偏振元件制造方法
US9229137B2 (en) 2013-10-02 2016-01-05 Samsung Display Co., Ltd. Wire grid polarizer comprising transparent particles, display device including the same, and method of fabricating the wire grid polarizer
JP5960319B1 (ja) * 2015-04-30 2016-08-02 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
TWI613467B (zh) * 2014-09-30 2018-02-01 Ushio Electric Inc 光柵偏光元件及光配向裝置
KR101833343B1 (ko) * 2011-12-07 2018-03-02 삼성디스플레이 주식회사 표시 기판 및 이의 제조 방법
CN107942571A (zh) * 2017-09-22 2018-04-20 友达光电股份有限公司 线栅偏光器以及使用此线栅偏光器的显示面板
JP2018092202A (ja) * 2015-07-03 2018-06-14 ウシオ電機株式会社 グリッド偏光素子
JP6410906B1 (ja) * 2017-09-26 2018-10-24 デクセリアルズ株式会社 偏光素子及び光学機器
JP2018189982A (ja) * 2018-07-26 2018-11-29 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び光学機器
JP2020126249A (ja) * 2020-03-26 2020-08-20 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
CN112241037A (zh) * 2019-07-17 2021-01-19 莫克斯泰克公司 具有透明帽的反射型线栅偏振器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330178A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Sony Corp 光学装置及び光学装置の製造方法
JP2008096677A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Asahi Kasei Corp ワイヤグリッド偏光板
JPWO2008084856A1 (ja) * 2007-01-12 2010-05-06 東レ株式会社 偏光板およびこれを用いた液晶表示装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330178A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Sony Corp 光学装置及び光学装置の製造方法
JP2008096677A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Asahi Kasei Corp ワイヤグリッド偏光板
JPWO2008084856A1 (ja) * 2007-01-12 2010-05-06 東レ株式会社 偏光板およびこれを用いた液晶表示装置

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011090141A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Asahi Glass Co Ltd ワイヤグリッド型偏光子およびその製造方法
KR101833343B1 (ko) * 2011-12-07 2018-03-02 삼성디스플레이 주식회사 표시 기판 및 이의 제조 방법
JP2013130598A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Ricoh Co Ltd ワイヤグリッド素子ならびに該ワイヤグリッド素子を用いた偏光画像撮像装置及びプロジェクタ
CN104459862A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 优志旺电机株式会社 栅偏振元件及栅偏振元件制造方法
JP2015064426A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 ウシオ電機株式会社 グリッド偏光素子及びグリッド偏光素子製造方法
CN104459862B (zh) * 2013-09-24 2018-04-13 优志旺电机株式会社 栅偏振元件及栅偏振元件制造方法
TWI585473B (zh) * 2013-09-24 2017-06-01 Ushio Electric Inc Method for manufacturing grating polarizer
US9229137B2 (en) 2013-10-02 2016-01-05 Samsung Display Co., Ltd. Wire grid polarizer comprising transparent particles, display device including the same, and method of fabricating the wire grid polarizer
TWI613467B (zh) * 2014-09-30 2018-02-01 Ushio Electric Inc 光柵偏光元件及光配向裝置
WO2016174838A1 (ja) * 2015-04-30 2016-11-03 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
CN107407770A (zh) * 2015-04-30 2017-11-28 迪睿合株式会社 偏振元件
JP2016212156A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
CN107407770B (zh) * 2015-04-30 2020-03-10 迪睿合株式会社 偏振元件
US10698147B2 (en) 2015-04-30 2020-06-30 Dexerials Corporation Polarizing element
JP5960319B1 (ja) * 2015-04-30 2016-08-02 デクセリアルズ株式会社 偏光素子
JP2018092202A (ja) * 2015-07-03 2018-06-14 ウシオ電機株式会社 グリッド偏光素子
CN107942571A (zh) * 2017-09-22 2018-04-20 友达光电股份有限公司 线栅偏光器以及使用此线栅偏光器的显示面板
US10802189B2 (en) 2017-09-22 2020-10-13 Au Optronics Corporation Wire grid polarizer and display panel using the same
JP6410906B1 (ja) * 2017-09-26 2018-10-24 デクセリアルズ株式会社 偏光素子及び光学機器
JP2019061047A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 デクセリアルズ株式会社 偏光素子及び光学機器
US10859743B2 (en) 2017-09-26 2020-12-08 Dexerials Corporation Polarizing element, polarizing element manufacturing method, and optical device
US11754766B2 (en) 2017-09-26 2023-09-12 Dexerials Corporation Polarizing element, polarizing element manufacturing method, and optical device
JP2018189982A (ja) * 2018-07-26 2018-11-29 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び光学機器
WO2020022433A1 (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び光学機器
US11500140B2 (en) 2018-07-26 2022-11-15 Dexerials Corporation Polarizing plate and optical apparatus having tip portions with continuous curved surface
JP7226936B2 (ja) 2018-07-26 2023-02-21 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び光学機器
CN112241037A (zh) * 2019-07-17 2021-01-19 莫克斯泰克公司 具有透明帽的反射型线栅偏振器
CN112241037B (zh) * 2019-07-17 2024-05-10 莫克斯泰克公司 反射型线栅偏振器
JP2020126249A (ja) * 2020-03-26 2020-08-20 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP7219735B2 (ja) 2020-03-26 2023-02-08 デクセリアルズ株式会社 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010145854A (ja) ワイヤグリッド偏光子
KR102364526B1 (ko) 편광판, 및 편광판의 제조 방법
TWI467252B (zh) Wire grid type polarizer and manufacturing method thereof
US7692860B2 (en) Wire grid polarizer and method of manufacturing the same
JP2012027221A (ja) ワイヤーグリッド偏光子
JP5139829B2 (ja) ワイヤグリッド型偏光素子及びそれを用いた表示装置
JP5096735B2 (ja) ワイヤグリッド型偏光子及びその製造方法、並びにそれを用いた位相差フィルム及び液晶表示素子
JP4520445B2 (ja) ワイヤグリッド偏光板
US20060072194A1 (en) Wire grid polarizer and fabrication method thereof
JPWO2008102882A1 (ja) 反射防止構造体
JP2002182003A (ja) 反射防止機能素子、光学素子、光学系および光学機器
JP2002328222A (ja) 偏光素子及びその製造方法
KR100868846B1 (ko) 나노 와이어 그리드 편광자 및 그 제조방법
EP2883089A1 (en) Optical grating
JP2010085990A (ja) ワイヤグリッド偏光板
US20180203170A1 (en) Structural color filter and method of manufacturing the structural color filter
JP5139830B2 (ja) ワイヤグリッド型偏光素子
JP2012118237A (ja) 赤外線用ワイヤグリッド偏光板
JP2008209448A (ja) 反射防止構造体
JP2016148871A (ja) 赤外線用ワイヤグリッド偏光板、赤外線用イメージセンサー及び赤外線用カメラ
JP2010049017A (ja) 吸収型ワイヤグリッド偏光子の製造方法
JP2007101859A (ja) 偏光分離素子およびその製造方法
JP2009192586A (ja) ワイヤグリッド型偏光素子及びそれを用いた表示装置
JP2012103469A (ja) 光学素子および投射型液晶表示装置
JP7207833B2 (ja) 装飾部材用フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140708