JP2010145055A - 排気トップ型排熱回収器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給湯器の排気口に覆設される排気筒部と、給水源に接続される給水口と給湯器の給水接続口に接続される出湯口とを備え排気筒部に内設される熱交換器を有する熱交換部と、排気筒部の内部の結露水を排出する排水部と、を備えている。
【選択図】図1
Description
一次熱交換器に加え燃焼排ガスの排熱(潜熱)を回収するための二次熱交換器を備えた給湯器等の燃焼機器では、通常は、冷たい水をまず二次熱交換器に通水して予熱した上で、一次熱交換器に通水して熱交換加熱することが行われている。
この二次熱交換器は、酸性の凝縮水の生成を阻止することが困難なため、耐酸性であるステンレス材等を製造材料としており、熱伝導率が低く、構造面での熱効率の向上が必要であった。
例えば、(特許文献1)には、「排気される燃焼ガスの経路に潜熱を吸収する水が流通されるチューブが波形に配管された熱交換器において、チューブは燃焼ガスが導入されるケーシングの内部に収容され、ケーシングの内部には導入された燃焼ガスをチューブの波形の配管に沿って案内する整流板が設けられていることを特徴とする熱交換器。」が開示されている。
(1)(特許文献1)の熱交換器によれば、ケーシングの内部に導入された燃焼ガスがチューブの波形の配管に沿って案内されることで、実質的に熱交換面積が飛躍的に拡張され熱交換時間が飛躍的に延長されて、排気される燃焼ガスの潜熱を回収して熱効率を高めることができるが、酸性の凝縮水を中和するための中和器を別途、給湯器の内部に設ける必要があった。
そして、熱交換器と中和器が独立していることにより、これらを接続する配管が複雑で量産性に欠けると共に、これらを内蔵する給湯器本体も大型化し、取扱い性、設置自在性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献1)のような熱交換器を補助熱交換器(二次熱交換器)として初めから内蔵した給湯器は、補助熱交換器を備えていない給湯器に比べて、熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図ることができるが、補助熱交換器を備えていない既存の給湯器に内蔵(増設)することは困難であり、燃焼排ガスの排熱(潜熱)を回収して有効に利用するためには、給湯器自体を買い換えなければならず、汎用性、省資源性に欠けるという課題を有していた。
本発明の請求項1に記載の排気トップ型排熱回収器は、給湯器の排気口に覆設される排気筒部と、給水源に接続される給水口と給湯器の給水接続口に接続される出湯口とを備え前記排気筒部に内設される熱交換器を有する熱交換部と、前記排気筒部の内部の結露水を排出する排水部と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)給湯器の排気口に覆設される排気筒部に熱交換部が内設されているので、給湯器の既存の排気トップに代えて、排気口に排気筒部を覆設し、固定するだけで、補助熱交換器(二次熱交換器)として機能する熱交換部を簡便に増設することができ、給湯器本体を買い換えることなく、熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図り、既存の給湯器を有効に活用することができ、省資源性、汎用性に優れる。
(2)給水源に接続される給水口と給湯器の給水接続口に接続される出湯口とを備え排気筒部に内設される熱交換器を有する熱交換部を備えていることにより、給水源から供給される水を熱交換器の内部に通水し、給湯器の排気口から排出される燃焼排ガスが排気筒部を通過する間に熱交換を行って、排熱(潜熱)を回収することができ、予熱された水を出湯口から給湯器の給水接続口に供給して、既存の給湯器の熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図ることができ、省エネルギー性、環境保護性に優れる。
(3)熱交換部の熱交換器が排気筒部に内設されるので、コンパクトで取扱い性、省スペース性に優れる。
(4)排気筒部の内部の結露水を排出する排水部を有することにより、結露水を確実に排気筒部の外部に排出或いは回収して中和することができ、排気筒部の内部に結露水が溜まることがなく、安全性、環境保護性に優れる。
熱交換器は、従来の二次熱交換器と同様に、耐酸性を有するステンレス材等の材料でチューブ状に形成したものやフレキシブル性を有する波付管などが好適に用いられる。
熱交換器の経路は、任意の形状に配置することができ、例えば、経路全体を一続きのコイル状に形成したり、縦横に蛇行させて排気筒部の内部に張り巡らせたりすることができる。また、給水口及び出湯口がそれぞれ形成された二本のヘッダの間を複数の接続流路で接続して経路全体を形成してもよい。このときの各々の接続流路の形状は円弧状やコの字状などの様々な形状に形成することができる。
また、給湯器の排気口から排出される燃焼排ガスが、熱交換器の経路で囲まれた中空部を下から上へ移動するように、熱交換器を形成、配置した場合、燃焼排ガスが熱交換器の中空部を下から上へ移動しながら、経路と経路の隙間から外周方向へ排出され、燃焼排ガスが熱交換器の経路全体と満遍なく接触し、効率的に熱交換が行われる。
尚、給水口から供給される水は、熱交換器の経路を上端側から下端側に向かって流れるようにしてもよいし、下端側から上端側に向かって流れるようにしてもよい。熱交換器の上端側から下端側に向かって流れるようにした場合は、下から上に向かって流れる燃焼排ガスに対して対向流となり、熱交換の効率性に優れる。
排気トップ型排熱回収器の下端部には、給湯器の筐体に固定するための固定部を形成することが好ましい。既存の熱交換器の排気トップと取り替えて簡便かつ確実に固定することができ、組立作業性、固定安定性に優れると共に、必要に応じて容易に取り外すことができ、メンテナンス性に優れるためである。
固定部としては、排気筒部の下端部を給湯器の筐体にねじ止め等の固定手段で固定するものが好適に用いられる。特に、給湯器の排気口に覆設されている既存の排気トップを固定するためのフランジなどに合わせて、排気筒部の下端部に円筒状の固定部を形成し、その外周に複数の孔を形成した場合、簡便かつ確実に固定することができ、施工性、固定安定性に優れる。また、溶接などで固定してもよい。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)排水部が、排気筒部に内設され結露水を中和する中和器を有することにより、別途、中和器を設置するスペースや中和器を固定する作業などが不要で、省スペース性、設置作業性に優れる。
(2)排水部が、中和器の上端側で排気筒部に形設された排水口を有するので、結露水の水位が中和器の上端に達するまで貯水することができ、結露水と中和器の内部に収容された中和剤を十分に接触させて、結露水を確実に中和してから排水することができ、安全性に優れる。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)熱交換部の熱交換器カバーが、熱交換器の上端を覆う天板部と、熱交換器の外周を覆う周壁部と、周壁部に穿設された複数の開口部と、を有するので、給湯器の排気口から排出され熱交換器の中空部を通過する燃焼排ガスが、そのまま熱交換器の上端側から抜け出ることを防止でき、燃焼排ガスが確実にコイル状の隙間を通過し、効率的に熱交換を行うことができ、燃焼排ガスを開口部から熱交換器カバーの外へ案内して、排気筒部の排気孔から排気することができ、排熱回収の効率性、排気の確実性に優れる。
(2)熱交換器カバーの周壁部に形成される複数の開口部の数、形状、配置等を適宜選択することにより、排気抵抗を調整することができ、熱交換器の経路間の隙間と開口部との重なりを小さくすることにより、燃焼排ガスが開口部から抜け難く、熱交換器と燃焼排ガスとの接触時間を長くして、排熱(潜熱)の回収性を向上することができる。
尚、排気トップ型排熱回収器全体の排気抵抗は、既存の排気トップの排気抵抗と同程度に形成することが好ましい。排気抵抗が小さくなると、風量過剰の状態となって、着火不良、臭い、燃焼効率低下などが発生する原因となり、排気抵抗が大きくなると、風量不足の状態となって、すすが発生する原因となるためである。排気抵抗を同程度に保つことで、燃焼状態の変化を防ぐことができ、信頼性に優れる。
熱交換器カバーの周壁部の下端は、中和器の上端と同等以下の高さに配置することが好ましい。周壁部の表面に沿って流れる結露水を確実に中和器に案内することができ、結露水回収の確実性に優れるためである。また、周壁部に複数の開口部が形成されていることにより、周壁部の内面に沿って流れる結露水が開口部を通って中和器に流入し易く、結露水の回収性に優れる。
この構成により、請求項3の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)熱交換器カバーの周壁部が、パンチングメタルで形成されていることにより、開口部を円形状、矩形状、多角形状などの様々な形状に容易に形成することができ、開口部の大きさ、形状、配置等の選択が容易で、排気抵抗を簡便に調節することができ、設計自在性、量産性に優れる。
(1)熱交換部が給湯器の既存の排気トップと交換可能な排気筒部に内設されていることにより、既存の排気トップに代えて、排気口に排気筒部を覆設し、固定するだけで、補助熱交換器(二次熱交換器)として機能する熱交換部を簡便に増設することができ、給湯器本体を買い換えることなく、熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図り、既存の給湯器を有効に活用することができる省資源性、環境保護性、汎用性に優れた排気トップ型排熱回収器を提供することができる。
(1)排気筒部に形設される排水口が、中和器の上端部に位置することにより、結露水の水位が中和器の上端に達するまで貯水することができ、結露水と中和器の内部に収容された中和剤を十分に接触させて、結露水を確実に中和してから排水することができる安全性に優れた排気トップ型排熱回収器を提供することができる。
(1)熱交換器の上端及び外周を覆う熱交換器カバーの周壁部に複数の開口部を形成することにより、給湯器の排気口から排出され熱交換器の中空部を通過する燃焼排ガスが、そのまま熱交換器の上端側から抜け出ることがなく、確実に熱交換器の経路の隙間を通過し、効率的に熱交換を行うことができ、燃焼排ガスを開口部から熱交換器カバーの外へ案内して、排気筒部の排気孔から排気することができる排熱回収の効率性、排気の確実性に優れた排気トップ型排熱回収器を提供することができる。
(1)熱交換器カバーの周壁部をパンチングメタルで形成することにより、開口部の形状や配置などの選択の幅が広く、排気抵抗の調節が容易な設計自在性、量産性に優れた排気トップ型排熱回収器を提供することができる。
(実施の形態1)
図1(a)は実施の形態1の排気トップ型排熱回収器の断面模式図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面模式図である。
図1中、1は実施の形態1の排気トップ型排熱回収器、2は給湯器の排気口に覆設される排気トップ型排熱回収器1の排気筒部、2aは排気筒部2の底部、2bは後述する熱交換部3の熱交換器4を支持する支持板、2cは支持板2bの外周から垂設され排気筒部2の底部2aから下方に突出した排気トップ型排熱回収器1の円筒状の固定部、2dは固定部2cに穿設された複数の固定孔、2eは支持円筒部2bの上面に形設され給湯器の排気口から排出される燃焼排ガスを排気筒部2の内部に導入する導入口、2fは排気筒部2の内部で熱交換部3の上方に配設され熱交換器4の方へ雨や風が流れ込み難くするための仕切板、2gは仕切板2fの中央部に形設され仕切板2fの上方に形成された排気孔2hから燃焼排ガスを偏らせることなく排出するための排気寄せ口、3はコイル状に形成され排気筒部2に内設された熱交換器4を有する排気トップ型排熱回収器1の熱交換部、5aは熱交換器4の上端部に連通し給水源に接続される給水口、5bは熱交換器4の下端部に連通し給湯器の給水接続口に接続される出湯口、6は熱交換器4に覆設された熱交換部3の熱交換器カバー、6aは熱交換器4の上端を覆う熱交換器カバー6の天板部、6bは熱交換器4の外周を覆う熱交換器カバー4の周壁部、7は熱交換器カバー4の周壁部6bに所定間隔をあけて穿設された複数の縦長孔状の開口部、8は排気筒部2の下端側で後述する中和器9の上端部に形設され中和器9で中和された結露水を排出する排水口9aを有する排水部、9は略三日月状に形成されて排気筒部2に内設され結露水を中和する炭酸カルシウム等の中和剤が充填された排水部8の中和器である。
熱交換器4は、従来の給湯器の二次熱交換器と同様に、耐酸性を有するステンレス材等の材料でチューブ状に形成された。
コイル状に形成された熱交換器4を排気筒部2の内部に縦置きすることにより、給湯器の排気口から排出される燃焼排ガスが、熱交換器4の軸心の中空部を下から上へ移動しながら、コイル状の経路間の隙間から熱交換器カバー4の開口部7を通って外周方向へ排出されることにより、熱交換が行われる。
このとき、給水口5aから供給される水が、熱交換器4の上端側から下端側に向かって流れるようにしたので、下から上に向かって流れる燃焼排ガスに対して対向流となり、熱交換の効率性に優れる。
また、熱交換部3の位置を排気筒部2の中心からずらし、排水口9aから遠ざかる方向に配置することにより、中和器9に回収された結露水が排水口9aから排出されるまでの経路が長くなり、中和剤との接触時間を長くして、中和効果を高めることができる。尚、このとき、熱交換器4の上方に配置した仕切板2fの中央部に排気寄せ口2gを形設することにより、熱交換器カバー4の開口部7を通過し、排気筒部2の内部で拡散した燃焼排ガスを排気筒部2の中央部に集め、排気筒部2の上端側に形成された多数の排気孔2hから偏らせることなく排出することができ、燃焼排ガスの排出性に優れる。
尚、熱交換器4の経路はフレキシブル性を有する波付管を用いてもよい。波付管は断面積が大きく、短い距離で効率的に熱交換を行うことができると共に、形状自在性に優れるので、排気筒部2や熱交換器カバー4の形状などに応じて容易に屈曲させて所望の形状に形成することができ、量産性に優れる。
熱交換器カバー6の開口部7の長さ、幅、ピッチ、数などは、排気トップ型排熱回収器1全体の排気抵抗が、既存の排気トップの排気抵抗と同程度となるように形成し、燃焼状態の変化を防いだ。
尚、本実施の形態では、開口部7を縦長孔状に形成したが、開口部7の形状はこれに限定されるものではなく、円形状、矩形状、多角形状などの様々な形状に形成することができる。その場合、周壁部6bをパンチングメタルで形成することができ、開口部7の大きさや形状等によって、排気抵抗を容易に調節することができる。
図2(a)は補助熱交換器を備えていない既存の給湯器を示す断面模式図であり、図2(b)は既存の給湯器に実施の形態1の排気トップ型排熱回収器を取り付けた状態を示す断面模式図である。
図2(a)中、10は補助熱交換器を備えていない既存の給湯器、11は給湯器10の燃焼部、12は給湯器10の一次熱交換器(主熱交換器)、12aは給湯器10の給水接続口、12bは給湯器10の出湯接続口、13は給湯器10の消音筒、14は給湯器10の排気口、15は排気口14に覆設された給湯器10の排気トップである。尚、排気口14には煙突を接続することも可能である。
次に、排気トップ型排熱回収器1の排気筒部2の底部2aから下方に突出して形成された円筒状の固定部2c(図1(a)参照)を給湯器10の排気口14の先端に嵌合させ配置し、固定孔2dを用いてねじ止め固定する。
固定部2cを給湯器10の排気口14に覆設されている既存の排気トップ15の固定部に合わせて固定部2cと固定孔2dを形成しておけば、排気トップ型排熱回収器1を簡便かつ確実に固定することができ、組立作業性、固定安定性に優れると共に、必要に応じて容易に取り外すことができ、メンテナンス性に優れる。
次に、給水源(図示せず)と熱交換器4の給水口5aを接続し、熱交換器4の出湯口5bと給湯器10の給水接続口12aを接続する。
図2(b)において燃焼部11での燃焼に伴って発生した燃焼排ガスは、排気口14を通り、図1(a)の排気トップ型排熱回収器1の導入口2cに案内されて、熱交換器4の軸心の中空部に進入する。
図1(a)に示すように、熱交換器4の上端及び外周が熱交換器カバー6で覆われ、熱交換器カバー6の周壁部6bに複数の縦長孔状の開口部7が形成されているので、燃焼排ガスは熱交換器4の中空部を下から上へ移動しながら、コイル状の熱交換器の経路の隙間から外周方向へ排出される。
このとき、給水口5aから供給された水は、熱交換器4の内部を上端側から下端側の出湯口5bに向かって旋回するように移動し、熱交換器4の内部を流れる水と、燃焼排ガスとの間で熱交換が行われる。これにより、燃焼排ガスの温度が低下し、露点以下になると、燃焼排ガスに含まれる水分が結露する。
中和器9に案内された結露水は、水位が排水口9aの高さに達するまで中和器9の内部に蓄えられ、中和剤によって確実に中和されて、排水口9aから排出される。
また、熱交換によって余熱された熱交換器4の内部を流れる水は、出湯口5bから図2(b)の給湯器10の給水接続口12aに供給され、さらに、燃焼部11で加熱された一次熱交換器(主熱交換器)12で熱交換され、出湯接続口12bから出湯される。
(1)給湯器の排気口に覆設される排気筒部に熱交換部が内設されているので、給湯器の既存の排気トップに代えて、排気口に排気筒部を覆設し、固定するだけで、補助熱交換器(二次熱交換器)として機能する熱交換部を簡便に増設することができ、給湯器本体を買い換えることなく、熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図り、既存の給湯器を有効に活用することができ、省資源性、汎用性に優れる。
(2)給水源に接続される給水口と給湯器の給水接続口に接続される出湯口とを有するコイル状に形成され排気筒部に内設された熱交換器を有する熱交換部を備えていることにより、給水源から供給される水を熱交換器の内部に通水し、給湯器の排気口から排出される燃焼排ガスが排気筒部を通過する間に熱交換を行って、排熱(潜熱)を回収することができ、予熱された水を出湯口から給湯器の給水接続口に供給して、既存の給湯器の熱効率(燃費)の向上と二酸化炭素(CO2)の排出量の削減を図ることができ、省エネルギー性、環境保護性、汎用性に優れる。
(3)熱交換部がコイル状に形成され排気筒部に内設された熱交換器を有するので、コンパクトで熱交換面積が大きく、省スペース性、熱交換の効率性に優れる。
(4)排気筒部の内部の結露水を排出する排水部を有することにより、結露水を確実に排気筒部の外部に排出或いは回収して中和することができ、排気筒部の内部に結露水が溜まることがなく、安全性、環境保護性に優れる。
(5)排水部が、排気筒部に内設され結露水を中和する中和器を有することにより、別途、中和器を設置するスペースや中和器を固定する作業などが不要で、省スペース性、設置作業性に優れる。
(6)排水部が、中和器の上端側で排気筒部に形設された排水口を有するので、結露水の水位が中和器の上端に達するまで貯水することができ、結露水と中和器の内部に収容された中和剤を十分に接触させて、結露水を確実に中和してから排水することができ、安全性に優れる。
(7)熱交換部の熱交換器カバーが、熱交換器の上端を覆う天板部と、熱交換器の外周を覆う周壁部と、周壁部に穿設された複数の縦長孔状の開口部と、を有するので、給湯器の排気口から排出され熱交換器の軸心の中空部を通過する燃焼排ガスが、そのまま熱交換器の上端側から抜け出ることを防止でき、燃焼排ガスが確実にコイル状の経路間の隙間を通過し、効率的に熱交換を行うことができ、燃焼排ガスを開口部から熱交換器カバーの外へ案内して、排気筒部の排気孔から排気することができ、排熱回収の効率性、排気の確実性に優れる。
(8)熱交換器カバーの開口部が、縦長孔状に形成されていることにより、熱交換器の経路間の隙間と開口部が直交し、両者の重なりを小さく抑えることができ、燃焼排ガスが開口部から抜け難く、熱交換器と燃焼排ガスとの接触時間を長くして、排熱(潜熱)の回収性を向上することができる。
(9)熱交換器カバーの周壁部をパンチングメタルで形成した場合、開口部を円形状、矩形状、多角形状などの様々な形状に容易に形成することができ、開口部の大きさ、形状、配置等の選択が容易で、排気抵抗を簡便に調節することができ、設計自在性、量産性に優れる。
(実施例1)
実施の形態1の排気トップ型排熱回収器1を取り付けた図2(b)の給湯器10につき、給湯能力、効率、排気温度の測定を行った。
給水温度T0=14.5℃、出湯温度T1=49.7℃、出湯量M=19.72L/minで、1時間給湯したときの連続給湯能力Qは
Q=(T1−T0)×M×60[min]
=(49.7−14.5)×19.72×60
=41648.64[kcal]
=48.43[kw]
となる。
このときの1時間当たりの燃料消費量V=5.08Lで、灯油1Lの発熱量QH=8626.8kcal/Lとすると、連続給湯効率ηは
η=Q÷(V×QH)×100
=41648.64÷(5.08×8626.8)×100
=95(%)
となった。
尚、排気温度Te=85.5℃であった。
以上の結果から、実施の形態1の排気トップ型排熱回収器1を取り付けることにより、既存の給湯器10の連続給湯効率を7〜9%程度、向上できることがわかった。
また、連続給湯能力も8%程度、向上させることができ、その分、燃料消費量を節約することが可能で、二酸化炭素(CO2)の排出量も削減できることがわかった。
2 排気筒部
2a 底部
2b 支持板
2c 固定部
2d 固定孔
2e 導入口
2f 仕切板
2g 排気寄せ口
2h 排気孔
3 熱交換部
4 熱交換器
5a 給水口
5b 出湯口
6 熱交換器カバー
6a 天板部
6b 周壁部
7 開口部
8 排水部
9 中和器
9a 排水口
10 給湯器
11 燃焼部
12 一次熱交換器(主熱交換器)
12a 給水接続口
12b 出湯接続口
13 消音筒
14 排気口
15 排気トップ
Claims (4)
- 給湯器の排気口に覆設される排気筒部と、給水源に接続される給水口と給湯器の給水接続口に接続される出湯口とを備え前記排気筒部に内設される熱交換器を有する熱交換部と、前記排気筒部の内部の結露水を排出する排水部と、を備えていることを特徴とする排気トップ型排熱回収器。
- 前記排水部が、前記排気筒部に内設され前記結露水を中和する中和器と、前記中和器の上端側で前記排気筒部に形設された排水口と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の排気トップ型排熱回収器。
- 前記熱交換部が、前記熱交換器の上端を覆う天板部と、前記熱交換器の外周を覆う周壁部と、前記周壁部に穿設された複数の開口部と、を有する熱交換器カバーを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気トップ型排熱回収器。
- 前記熱交換器カバーの前記周壁部が、パンチングメタルで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の排気トップ型排熱回収器。
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