JP2006010300A - 熱源装置 - Google Patents

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宏 朝倉
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勉 永田
Akira Tsutsumi
明 堤
Hideya Suyama
英也 壽山
Daisuke Konishi
大輔 小西
Masato Doyama
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Abstract

【課題】 二次熱交換手段を備えた熱源装置において所定の動作モードから別の動作モードに移行した場合であっても予期せぬ高温の湯水や熱媒体が供給されず、熱エネルギー効率に優れた熱源装置の提供を目的とする。
【解決手段】 熱源装置1は、バーナ10において発生した燃焼ガスが流れるガス流路3に一次熱交換部4aと、二次熱交換部4bとが設けられた構成を有する。一次熱交換手部4aには、第一熱交換回路5および第二熱交換回路6が配されている。第一熱交換回路5は、風呂35内の湯水を加熱する風呂流水系統31を形成している。また、第二熱交換回路6は、二次熱交換器20と接続されており、給湯流水系統32を形成している。制御装置60は、熱源装置1の動作モードが給湯単独モードの際の燃焼積算量Fが燃焼上限エネルギーLを越えることを条件として風呂注湯電磁弁50を開き、給湯流水系統32に存在する高温の湯水を風呂35側に落とし込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱源装置に関するものであり、特に燃焼ガスの持つ潜熱を回収可能な熱交換器を備えた潜熱回収型熱源装置に関する。
従来より、下記特許文献1に開示されている熱源装置のように、ガス流路の中途に主として顕熱を回収する一次熱交換器を設け、その下流側に一次熱交換器を通過した燃焼ガスから主として潜熱を回収する二次熱交換器を設けた、いわゆる潜熱回収型熱源装置がある。
また、従来技術の熱源装置には、給湯機能に加えて浴槽内の湯水の追い焚き機能等を備えたものがある。このように複数の機能を備えた熱源装置として、下記特許文献2や特許文献3に示す熱源装置のように一缶二水路形式と称される加熱系統を備えたものがある。一缶二水路形式と称される加熱系統を採用した熱源装置は、例えば給湯用の熱交換器と追い焚き用の熱交換器とを備えたものであり、これらの熱交換器が単一のガス流路の中に配された構成を有する。
特開平11−148642号 公報 特開2000−18709号 公報 特開2001−41568号 公報
上記特許文献1に開示されている潜熱回収型熱源装置は、燃焼ガスの持つ顕熱に加えて潜熱まで回収することができ、熱効率が高いという利点を有する。一方、上記特許文献2に開示されている一缶二水路型の加熱系統を備えた熱源装置は、全体形状がコンパクトであり、製造コストが安いという利点を有する。
本発明者らは、潜熱回収型熱源装置および一缶二水路型の熱源装置の利点を兼ね備えた熱源装置を提供すべく、一缶二水路型の熱源装置の給湯用および風呂追い焚き用の一次熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に二次熱交換器を配置し、この二次熱交換器を給湯用の一次熱交換器に接続した熱源装置を試作した。このような構成とした熱源装置は、装置構成がコンパクトであり製造コストが安価であると共に、熱効率が高いものであった。
本発明者らが試作した熱源装置では、風呂の追い焚きのみを行っている場合に給湯用の一次熱交換器に加えて、これに接続された二次熱交換器内に湯水が滞留したままとなる。
上記したように、本発明者らが試作した熱源装置は、二次熱交換器が一次熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配されている。そのため、二次熱交換器において熱交換される燃焼ガスは、一次熱交換器において回収しきれずに残存した顕熱や潜熱を有している。従って、風呂の追い焚きのみを行っている間に二次熱交換器に燃焼ガスが流入すると、燃焼ガスに残存している熱エネルギーが回収され、二次熱交換器に残存している湯水が徐々に加熱されていく。
ここで、一次熱交換器を通過した燃焼ガスは、顕熱の大部分が回収されているため、残存している熱エネルギーはごく僅かである。しかし、本発明者らが上記した構成の熱源装置で試験を行ったところ、風呂の追い焚き動作が長時間にわたると二次熱交換器内の湯水が過度に高温となり、条件によっては次回の給湯動作時に給湯栓から高温の湯水が吐出されてしまう不具合が発生する可能性があることを見いだした。
そこで、かかる問題を解消すべく、本発明者らは上記特許文献3に開示されているように給湯用の一次熱交換器に湯水の温度を検知する温度検知センサを設け、この検知温度が高温となった際に一次熱交換器およびこれに接続された二次熱交換器内の湯水を風呂側に落とし込む構成としてさらに試験を繰り返した。
その結果、本発明者らは、一次熱交換器に設けられた温度検知センサの検知温度の上昇と、二次熱交換器内に残存している湯水の実際の湯温上昇との間にタイムラグが存在する。そのため、上記した構成とした場合は、条件によっては二次熱交換器に残存している湯水を不必要に排出することとなった。また、上記した構成の熱源装置では、条件によって給湯用の一次熱交換器や二次熱交換器に給湯用として使用するには高温の湯水が残存してしまう不具合が発生する可能性があった。
さらに具体的に説明すると、例えば風呂追い焚き用の配管の流路が長いなどの原因で風呂追い焚き時の湯水の循環流量が少ない場合は、温度検知センサの検知温度が燃焼ガスの影響を受けて急激に上昇する傾向にある。一方、バーナにおける燃焼量が小さい場合は、燃焼ガスの発生量が少なく、二次熱交換器における湯水の温度上昇は、給湯用の一次熱交換器に取り付けられた温度検知センサによって検知される温度上昇に比べて緩やかとなる。
上記したように、風呂追い焚き時の湯水の循環流量が少ない場合は、給湯用の一次熱交換器に取り付けられた温度検知センサの検知温度は、二次熱交換器に残存している湯水の温度を正確に反映したものではない。そのため、本発明者らが試作した熱源装置のように、二次熱交換器を備えた熱源装置において上記特許文献3に開示された従来技術のように温度検知センサの検知温度が所定の閾温度を超えることを条件として給湯用の一次熱交換器および二次熱交換器内の湯水を風呂に落とし込むと、一次熱交換器内の湯水に加えて、さほど高温でない二次熱交換器内の湯水まで風呂内に大量の湯水を落とし込むこととなってしまう。
かかる問題を解消すべく、バーナの燃焼量が小さい場合にあわせて風呂に湯水を落とし込む際の閾温度を高く設定すると、二次熱交換器内の湯水の温度が実際に高温になるまで風呂側に湯水を逃がす必要がなくなる。しかし、前記閾温度を高く設定すると、バーナの燃焼量が大きく、実際に二次熱交換器に高温の湯水が滞留した状態となっても、温度検知センサの検知温度が閾温度に達せず、この湯水が風呂側に落とし込まれず残存したままとなる。そのため、閾温度を高い目に設定した場合は、風呂内に不必要に大量の湯水が逃がされてしまうといった不具合は解消できる。しかし、この場合は、給湯時に低温の湯水と混合(ミキシング)しても所望の給湯温度に調整不可能な程度まで二次熱交換器に残存している湯水の温度が過度に高温となる可能性がある。
一方、風呂追い焚き用の配管の流路が短いなどの原因で風呂追い焚き時の湯水の循環流量が多い場合は、循環流量が少ない場合に比べて温度検知センサの検知温度は緩やかに上昇する。また、上記したように二次熱交換器に導入される燃焼ガスは、一次熱交換器において顕熱の大部分が回収されたものであり、残存している熱エネルギー量が少ない。そのため、二次熱交換器内に残存している湯水の温度上昇は緩やかであり、バーナの燃焼量が大きい場合にあわせて閾温度等を調整しても二次熱交換器に残存している湯水はさほど高温にならず、風呂に湯水が逃がされない。しかし、この場合においても風呂の追い焚き動作が長時間にわたって行われると、温度検知センサの検知温度が所定の閾温度に達していなくても二次熱交換器内に滞留している湯水の温度が非常に高くなるおそれがある。
上記したように、風呂追い焚き時の湯水の循環流量が多い場合は、風呂の追い焚きのみを行っている間に給湯用の一次熱交換器に設置された温度検知センサによって検知される検知温度は、必ずしも実際に二次熱交換器内に残留している湯水の温度を反映したものではない。そのため、風呂の追い焚きのみを行っている間に温度検知センサの検知温度に基づいて給湯用の一次熱交換器や二次熱交換器に残存している湯水を風呂に落とし込むと、給湯用に用いても高温出湯の原因とならないような低温の湯水を必要以上に風呂に落とし込むこととなったり、高温出湯の原因となるような高温の湯水が二次熱交換器に残存してしまうという不具合が発生する。
そこで、本発明者らは、一次熱交換器に取り付けられた温度検知センサによって湯温を検知する代わりに、二次熱交換器に温度センサを取り付けて二次熱交換器に残存している湯水の温度を検知したり、二次熱交換器から排出される排気温度を検知し、これらの温度が高温となった場合に給湯用の一次熱交換器や二次熱交換器に残存している湯水を風呂側に落とし込む構成としてさらに試験を繰り返した。しかし、かかる構成とした場合は、風呂の追い焚きのみを行う場合にバーナの燃焼量の変動や二次熱交換器の形状等の影響で燃焼ガスの流れが変動したり、燃焼ガスの温度ムラが発生し、給湯用の一次熱交換器や二次熱交換器の内部に残留している湯水の温度変化を的確に検知するのは困難である。そのため、二次熱交換器内の湯水の温度や排気温度を検知する構成とした場合であっても、風呂への湯水の逃がし量がむやみに増えて熱エネルギーを無駄に排出することとなったり、高温出湯の原因となるような高温の湯水が二次熱交換器に残存してしまうという不具合が解消できない。
そこで、かかる問題を解消すべく、本発明は二次熱交換手段を備えた熱源装置において所定の動作モードから別の動作モードに移行した場合であっても予期せぬ高温の湯水や熱媒体が供給されず、熱エネルギー効率に優れた熱源装置の提供を目的とする。
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、燃焼バーナと、燃焼バーナにおいて発生した燃焼ガスが流れるガス流路と、制御手段とを有し、前記ガス流路には、ガス流路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する一次熱交換手段と、当該一次熱交換手段よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配され、一次熱交換手段から排出された燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する二次熱交換手段とが設けられており、前記一次熱交換手段は、第一熱交換回路と第二熱交換回路とを含む二以上の熱交換回路を具備しており、前記第一熱交換回路は、湯水または熱媒体を加熱して供給する第一加熱系統を形成するものであり、前記第二熱交換回路は、二次熱交換手段と接続され、湯水または熱媒体を加熱して供給するための第二加熱系統を形成するものであり、当該第二加熱系統において湯水または熱媒体の供給を停止している間に、第一加熱系統において湯水または熱媒体の加熱を行う第一動作モードと、第二加熱系統から湯水または熱媒体の供給を行う第二動作モードとを含む複数の動作モードのいずれかを選択して動作可能であり、前記制御手段は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内となるように調整できると想定される熱エネルギー量である限界エネルギー量を設定し、第一動作モードでの動作中に実際の燃焼量に基づいて導出される積算エネルギー量が前記限界エネルギー量を超えることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とする熱源装置である。
本発明の熱源装置は、第一動作モードで動作している間は、第一加熱系統において湯水または熱媒体の供給が行われているが、第二加熱系統においては湯水または熱媒体の供給が停止している。一方、第一加熱系統および第二加熱系統の一次熱交換手段は、それぞれ同一のガス流路に配されている。そのため、第一動作モードで動作している間であっても、燃焼バーナにおいて発生した高温の燃焼ガスの影響を受けて第一加熱系統を流れる湯水や熱媒体に加えて第二加熱系統に滞留している湯水や熱媒体までも加熱されてしまう可能性がある。従って、熱源装置の動作モードが第一動作モードから第二動作モードに移行した直後は、第一動作モードの間に第二加熱系統に生成した高温の湯水や熱媒体が排出されてしまうといった不具合が発生する懸念がある。
かかる問題に鑑み、本発明の熱源装置では、上記したように予め限界エネルギー量を設定しておき、第一動作モードでの動作中における燃焼量に基づいて導出される積算エネルギー量が限界エネルギー量を超えることを条件として高温の湯水や熱媒体の一部あるいは全部を第二加熱系統の系外に排出する予防動作を行う構成としている。そのため、本発明の熱源装置では、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに移行する際に第二加熱系統に残存している熱エネルギー量がさほど大きくなく、第二動作モードに移行した直後に高温の湯水や熱媒体が排出されるといった不具合が起こらない。
また、上記したように、限界エネルギー量は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内となるように調整できると想定される熱エネルギー量に設定されている。本発明の熱源装置は、この限界エネルギー量を指標として予防動作を行い湯水や熱媒体の排出を行うため、第二加熱系統に残存している湯水や熱媒体を必要以上に系外に排出しない。従って、本発明によれば、予防動作において排出される湯水や熱媒体の量を必要最低限に抑制できると共に、第二加熱系統に残存している湯水や熱媒体の持つ熱エネルギーを有効利用できる。
なお、本発明の熱源装置において、第二動作モードとは、第二加熱系統から湯水や熱媒体を排出する動作を伴う動作モードであり、湯水や熱媒体を第二加熱系統から排出するだけの動作モードの他に、例えば第二加熱系統に加えて第一加熱系統からも湯水や熱媒体を排出する動作モードについても第二動作モードに含まれる。すなわち、第二動作モードは、第二熱交換回路からの湯水や熱媒体の排出を伴う動作全般を含むものである。
上記請求項1に記載の熱源装置において、制御手段は、第一動作モードにおいて第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体が持つ熱エネルギー量が遅延判定エネルギー量を超えることを条件として、第二熱交換回路を流れる湯水または熱媒体の加熱に供する燃焼バーナの起動を動作モードが前記第一動作モードから第二動作モードに切り替わった時点から遅延させる遅延動作を行うものであり、前記遅延判定エネルギー量は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量に設定されることが望ましい。(請求項2)
かかる構成によれば、第二加熱系統に残存している湯水や熱媒体の持つ熱エネルギーを有効利用でき、第二動作モードにおける燃料消費量を最低限に抑制できる。
ここで、上記したように、上記請求項1や請求項2に記載の熱源装置において、第一動作モードでの動作を継続すると、第二加熱系統を構成している二次熱交換手段に滞留している湯水や熱媒体に徐々に熱エネルギーが蓄積され、高温になっていく。そのため、上記したようにガス流路内に二系統以上の熱交換回路を備えた熱源装置では、第一動作モードでの動作が完了した直後に第二動作モードによる動作が開始されると、二次熱交換手段に滞留している加熱された湯水や熱媒体が排出される可能性がある。
そこで、かかる問題に鑑み、上記請求項1又は2に記載の熱源装置において、制御手段は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に、第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量を遅延判定エネルギー量として設定すると共に、第一動作モードによる動作中の実際の燃焼量に基づいて積算エネルギー量を導出し、第一動作モードによる動作の完了時における積算エネルギー量が、遅延判定エネルギー量を超えていることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とするものであることが望ましい。(請求項3)
また、同様の知見に基づいて提供される請求項4に記載の発明は、燃焼バーナと、燃焼バーナにおいて発生した燃焼ガスが流れるガス流路と、制御手段とを有し、前記ガス流路に、ガス流路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する一次熱交換手段と、当該一次熱交換手段よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配され、一次熱交換手段から排出された燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する二次熱交換手段とが設けられており、前記一次熱交換手段が、第一熱交換回路と第二熱交換回路とを含む二以上の熱交換回路を具備しており、前記第一熱交換回路が、湯水または熱媒体を加熱して供給する第一加熱系統を形成するものであり、前記第二熱交換回路が、二次熱交換手段と接続され、湯水または熱媒体を加熱して供給するための第二加熱系統を形成するものであり、当該第二加熱系統において湯水または熱媒体の供給を停止している間に、第一加熱系統において湯水または熱媒体の加熱を行う第一動作モードと、第二加熱系統から湯水または熱媒体の供給を行う第二動作モードとを含む複数の動作モードのいずれかを選択して動作可能であり、制御手段が、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に、第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量を遅延判定エネルギー量として設定すると共に、第一動作モードによる動作中の実際の燃焼量に基づいて積算エネルギー量を導出し、第一動作モードによる動作の完了時における積算エネルギー量が、遅延判定エネルギー量を超えていることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とする熱源装置である。
上記請求項3や請求項4に記載の熱源装置では、第一動作モードでの動作中における積算エネルギー量を導出し、第一動作モードでの動作が完了した時に積算エネルギー量が遅延判定エネルギー量を超えることを条件として第二加熱系統に残留している高温になっている可能性がある湯水や熱媒体を系外に排出し、第二動作モードに備える構成とされている。そのため、請求項3,4に記載の熱源装置は、第二加熱系統に残留している湯水や熱媒体が高温になる程度まで第一動作モードを継続しても、第二動作モードでの動作開始時に予期せぬ高温の湯水や熱媒体が排出されるといった不具合が発生しない。
請求項5に記載の発明は、第二動作モードが、第二加熱系統のみを介して湯水または熱媒体の供給を行う第二単独動作形態と、第一加熱系統と第二加熱系統の双方を介して湯水または熱媒体の供給を行う第二併用動作形態とを含む複数の動作形態から選択される動作形態で湯水または熱媒体の供給を行うものであり、一次熱交換手段が、複数のフィン部材と、当該フィン部材を貫通する受熱管とにより第一熱交換回路および第二熱交換回路を構成し、第一熱交換回路を構成する受熱管の一部又は全部と、第二熱交換回路を構成する受熱管の一部又は全部とが共通のフィン部材を貫通したものであり、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際の動作形態が第二単独動作形態であることを予防動作を行うための条件とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の熱源装置である。
本発明の熱源装置において、第二動作モードは、第二熱交換回路から湯水や熱媒体を供給する動作モードであり、第二熱交換回路による湯水等の供給が単独で行われる動作形態(第二単独動作形態)に加えて、第二熱交換回路による湯水等の供給と第一熱交換回路による湯水等の供給とが同時に行われる動作形態(第二併用動作形態)とを含む動作モードである。
ここで、本発明の熱源装置は、上記したように第一熱交換回路を構成する受熱管と第二熱交換回路を構成する受熱管とが共通のフィン部材を貫通する構成となっている。そのため、本発明の燃焼装置は、第二動作モードで動作する場合であっても、第二単独動作形態で動作する場合と、第二併用動作形態で動作する場合とで、動作開始初期において第二加熱系統から排出される湯水や熱媒体の温度のバラツキ方が異なる。
さらに具体的に説明すると、本発明の熱源装置は、第一動作モードによる動作によって第二熱交換回路に高温の湯水が滞留した状態で動作モードが第二動作モードに切り替わる場合がある。ここで、上記したように、本発明の熱源装置では、第一熱交換回路と第二熱交換回路とがフィン部材を共用している。そのため、第二動作モードでの動作形態が第二併用動作形態である場合は、例え第一動作モードの間に湯水や熱媒体が加熱されていたとしても、この湯水等は第二熱交換回路に流入することにより第一熱交換回路に供給される低温の湯水や熱媒体との熱交換によりある程度冷却される。
一方、第二動作モードに移行した際の動作形態が第二単独動作形態である場合は、第一熱交換回路には低温の湯水や熱媒体が供給されない。そのため、第二単独動作形態で動作する場合は、第一動作モードの間に加熱された湯水や熱媒体が第二熱交換回路を通過しても上記した第二併用動作形態で動作する場合のようには冷却されない。従って、本発明の熱源装置は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに移行した場合であって、第二動作モードでの動作形態が第二併用動作形態である場合に第二加熱系統から高温の湯水や熱媒体が排出される蓋然性が高い。
上記した知見に基づき、本発明の熱源装置では、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際の動作形態が第二単独動作形態であることを予防動作を行うための条件としている。そのため、本発明の熱源装置によれば、必要以上に予防動作が行われるのを防止できる。
請求項6に記載の発明は、第一動作モードによる動作の完了時に、積算エネルギー量が遅延判定エネルギー量以下であることを条件として、前記第一動作モードにおける積算エネルギー量を保持し、第一動作モードによる動作が再開されることを条件として積算エネルギー量の積算を再開し、第二動作モードによる動作が開始されることを条件として積算エネルギー量を初期状態に戻すことを特徴とする請求項1乃5のいずれかに記載の熱源装置である。
本発明の熱源装置では、第一動作モードによる動作が一時的に中断されても、第二熱交換回路から湯水や熱媒体が排出されない限り、第一動作モードの間に加熱され、第二熱交換回路に残留している湯水や熱媒体が残留したままとなっている。一方、第一動作モードによる動作が完了した後に第二動作モードによる動作が開始されると、第一動作モードでの動作中に加熱された湯水等が第二熱交換回路から排出される。本発明の熱源装置では、第一動作モードの完了後、動作モードが第一動作モードで再開される場合に積算エネルギー量の積算も再開し、動作モードが第二動作モードに移行する場合に積算エネルギー量を初期状態に戻す構成としている。そのため、本発明の熱源装置では、第一動作モードでの動作に伴って第二熱交換回路に残留している湯水を介して蓄えられている熱エネルギー量を的確に捉えることができる。
上記したように、本発明の熱源装置は、第一動作モードで動作する間に第二加熱系統に残存している湯水や熱媒体が持つ熱エネルギーが限界エネルギー量よりも大きくなると、予防動作を行い第二加熱系統から湯水や熱媒体を排出させる構成とされている。ここで、第一動作モードで動作する間に第二加熱系統に蓄えられる熱エネルギーの全部あるいは大部分を第二加熱系統から排出すれば、第二動作モードに移行した際に高温の湯水や熱媒体が排出されといった不具合を確実に解消できる反面、第一動作モードで動作する間に回収された熱エネルギーを有効利用することなくむやみに排出することになりかねない。
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項7に記載の熱源装置は、予防動作が、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体が持つ熱エネルギーが下限エネルギー量に達することを条件として終了するものであり、下限エネルギー量が、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量に設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の熱源装置である。
本発明の熱源装置では、予防動作を行った後に二次加熱系統に残存している湯水や熱媒体に、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能な量のエネルギー量が残存している。そのため、本発明によれば、より一層熱エネルギーを有効利用可能な熱源装置を提供できる。
ここで、本発明の熱源装置は、ガス流路の中途に設けられた一次熱交換手段よりも下流側に二次熱交換手段を配した構成とされている。そのため、本発明の熱源装置は、一次熱交換手段を通過し熱エネルギーが回収された後の燃焼ガスが二次熱交換手段に流入する構成とされている。従って、二次熱交換手段は、ある程度低温となった燃焼ガスに残存している僅かな顕熱や、潜熱を回収可能なものとせねばならない。この様に、熱交換効率の高い熱交換手段は、装置構成が複雑であるなどして高価なものとなる。また、二次熱交換手段において燃焼ガスの持つ潜熱まで回収する構成とした場合は、潜熱の回収に伴って腐食性の高いドレンが発生する。そのため、潜熱を回収する構成とした場合は、二次熱交換手段を耐腐食性の高い材質で作成する必要があり、二次熱交換手段の製造コストがさらに高くつくという問題がある。また、二次熱交換手段を配すると、熱源装置はその分だけ大型化するといった問題もある。
そこで、かかる問題を解消すべく、上記請求項1乃至7のいずれかに記載の熱源装置は、第一熱交換回路が、二次熱交換手段から独立している構成としてもよい。(請求項8)
かかる構成によれば、二次熱交換手段の設置に要するコストを抑制でき、熱交換効率が高くかつ装置構成がコンパクトな熱源装置を提供できる。
上記請求項1乃至8のいずれかに記載の熱源装置は、第一動作モードで動作する間に実際の燃焼量が変動することを条件として、制御手段が限界エネルギー量を再設定する構成とすることが望ましい。(請求項9)
また同様に、上記請求項1乃至9のいずれかに記載の熱源装置は、第一動作モードで動作する間に実際の燃焼量が変動することを条件として、制御手段が遅延判定エネルギー量を再設定することが望ましい。(請求項10)
かかる構成によれば、排出動作の指標となる限界エネルギー量や遅延判定エネルギー量を燃焼量の変動に追従して最適化することができ、第二加熱系統から排出される湯水や熱媒体の量を最低限に抑制できる。また、上記した構成によれば、第二加熱系統から排出される熱エネルギー量も最低限に抑制でき、省エネルギー効果の高い熱源装置を提供できる。
また、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の熱源装置は、第一加熱系統が、湯水または熱媒体を貯留可能な貯留部と第一熱交換回路とを繋ぐ循環回路によって構成されており、第二加熱系統が、一次熱交換手段および二次熱交換手段において加熱された湯水又は熱媒体を排出する排出配管、並びに、当該排出配管と前記循環回路とをバイパスする排出・循環バイパス配管を有することを特徴とするものであってもよい。(請求項11)
かかる構成によれば、予防動作において排出される湯水を排出・循環バイパス配管を介して貯留部に落とし込むことができ、一次熱交換手段から排出される湯水や熱媒体が持つ熱エネルギーの浪費を最小限に抑制できる。
ここで、上記した熱源装置では、使用される季節や設置環境等のような使用状況によって外部から供給される湯水や熱媒体の供給温度が変動する可能性がある。そのため、第一動作モードでの動作中に同一量の熱エネルギーが発生しても、動作モードが第二動作モードに移行した際に第二加熱系統から排出される湯水や熱媒体の温度が異なる可能性が高く、予防動作を行う必要がないにもかかわらず、予防動作が行われてしまう可能性が高い。従って、上記したような構成の熱源装置では、外部から供給される湯水や熱媒体の温度を加味して予防動作を行うか否かの判断基準となる限界エネルギー量を調整することが望ましい。
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項12に記載の発明は、制御手段が、外部から第二加熱系統に対して供給される湯水または熱媒体の供給温度に応じて限界エネルギー量及び/又は遅延判定エネルギー量を設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の熱源装置である。
また、同様の知見に基づいて提供される請求項13に記載の発明は、制御手段が、外部から第二加熱系統に対して供給される湯水または熱媒体の供給温度が低温である場合の限界エネルギー量及び/又は遅延判定エネルギー量を、前記供給温度が高温である場合よりも高く設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の熱源装置である。
請求項12や請求項13に記載の熱源装置では、外部から供給される湯水や熱媒体の供給温度を加味して予防動作の基準となる限界エネルギー量や遅延判定エネルギー量が設定される。そのため、本発明の熱源装置では、予防動作の頻度や、系外に排出される湯水の排出量を最小限に抑制できる。
また、請求項12や請求項13に記載の熱源装置は、上記請求項11に記載の熱源装置のように、第二加熱系統から排出された湯水や熱媒体を貯留部に落とし込む構成とする場合に特に好適に使用される。すなわち、外部から供給される湯水や熱媒体がさほど高温でない場合は、第一動作モードにおいて発生するエネルギー量が限界エネルギー量や遅延判定エネルギー量に達したとしても第二加熱系統内に残留している湯水はさほど高温にならない。そのため、湯水や熱媒体の供給温度が低温である場合と高温である場合とで同一の限界エネルギー量や遅延判定エネルギー量を基準に湯水や熱媒体を第二加熱系統から貯留部に落とし込んだり、遅延動作を行う構成とすると、浴槽内に必要以上の湯水や熱媒体が落とし込まれることとなり、貯留部内の水位がむやみに上昇するなどの問題が発生する可能性がある。またこの場合、貯留部に落とし込まれる湯水等は低温であるため、貯留部内に存在する湯水の温度を低下させてしまう。従って、湯水等の供給温度を加味せず一定の限界エネルギー量を基準として動作すると、貯留部内の湯水を所定の温度まで加熱するためにエネルギーを浪費することになってしまいかねない。
しかし、本発明の熱源装置では、湯水や熱媒体の供給温度が低い場合の限界エネルギー量や遅延判定エネルギー量を供給温度が高い場合の限界エネルギー量よりも大きくする構成としている。そのため、上記した構成によれば、貯留部に対する湯水や熱媒体の落とし込み回数や落とし込み量を適量化でき、貯留部内の湯水や熱媒体を所定温度まで加熱するのに要するエネルギーや時間を最小限に抑制できる。
上記請求項1乃至13のいずれかに記載の熱源装置において、燃焼バーナは、火炎を形成可能な燃焼管を複数備えたものであり、限界エネルギー量は、燃料の燃焼に供する燃焼管の数に基づいて導出されてもよい。(請求項14)
また同様に、上記請求項2乃至14のいずれかに記載の熱源装置において、燃焼バーナは、火炎を形成可能な燃焼管を複数備えたものであり、遅延判定エネルギー量は、燃料の燃焼に供する燃焼管の数に基づいて導出されてもよい。(請求項15)
かかる構成によれば、燃焼量を容易かつ精度良く導出することができ、予防動作をより一層的確に行える。
上記請求項1乃至15のいずれかに記載の熱源装置は、第二加熱系統が、一次熱交換手段および二次熱交換手段において加熱された湯水が流れる排出配管と、湯水または熱媒体を供給源から第一加熱系統に供給する供給配管とを有し、排出配管が、第一バイパス配管および第二バイパス配管によって供給配管とバイパスされており、前記第一バイパス配管に湯水または熱媒体の流量を調整する流量調整弁が配されており、前記第二バイパス配管に湯水または熱媒体が流れる流路を開閉する流路開閉弁が配されており、第二動作モードで動作する場合であって、第一加熱系統に残存している湯水または熱媒体の持つ熱エネルギー量が所定のエネルギー量を超えることを条件として、制御手段が流路開閉弁を開成するものであってもよい。(請求項16)
本発明の熱源装置では、排出配管を流れる第二加熱系統において加熱された湯水や熱媒体に対して供給配管を介して外部の供給源から供給される湯水や熱媒体を混合することにより温度調整した湯水や熱媒体を第二加熱系統の系外に排出することができる。本発明の熱源装置では、排出配管と供給配管とを第一バイパス配管および第二バイパス配管の二系統でバイパスしているため、一度に大量の湯水や熱媒体を排出配管側に供給することができる。そのため、本発明の熱源装置は、第一動作モードの間に第二加熱系統に多くの熱エネルギーを蓄えておいても第二動作モードに移行した際に高温の湯水や熱媒体が排出されるといった不具合が生じにくい。従って、本発明の熱源装置は、第一動作モードの間に予防動作によって第二加熱系統の系外に排出せねばならない熱エネルギー量が少なく、第一動作モードにおいて第二加熱系統に残存する湯水や熱媒体に蓄えられた熱エネルギーを最大限有効利用することができる。
また、本発明の熱源装置では、第一バイパス配管に流量を調整可能な流量調整弁を採用すると共に、第二バイパス配管に流路を開閉する開閉弁を設けた構成としている。そして、本発明の熱源装置は、第二加熱系統に残存している熱エネルギー量が多く、系外に排出される湯水や熱媒体を所定の温度に調整するのに大量の湯水や熱媒体が必要となる場合に第二バイパス配管の開閉弁を開く。そのため、本発明の熱源装置では、排出配管と供給配管とを第一バイパス配管のみでバイパスする場合に比べて排出配管に供給する湯水の量を精度良く調整することができる。
本発明の熱源装置は、第二バイパス配管に流量調整弁よりも安価な開閉弁を採用しつつ、供給配管に供給される低温の湯水や熱媒体の量を精度良く調整できる。従って、本発明によれば、製造コストを抑制しつつ、エネルギー効率の高い熱源装置を提供できる。
本発明によれば、所定の動作モードから別の動作モードに移行した場合であっても予期せぬ高温の湯水や熱媒体が供給されるといった不具合が発生しない熱源装置を提供できる。また、本発明によれば、所定の動作モードで動作している間に装置内に滞留している湯水や熱媒体の排出量が最小限であり、熱エネルギー効率に優れた熱源装置を提供できる。
続いて、本発明の一実施形態である熱源装置について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である熱源装置を示す作動原理図である。図1において、1は本実施形態の熱源装置である。熱源装置1は、一缶二水路形式の潜熱回収型燃焼装置であり、燃料を燃焼する燃焼部2と、燃焼により発生した燃焼ガスが流れるガス流路3とを有する。ガス流路3の中途には、一次熱交換部4aが配されており、一次熱交換部4aよりもガス流路3の下流側には二次熱交換部4bが配されている。
燃焼部2は、複数の燃焼管8を並べて構成されるバーナ10と、点火装置9と、バーナ10に対して燃焼に要する空気を供給するための送風機11とを備えたものであり、燃焼領域A,Bに分類されている。バーナ10は、燃焼領域Aを構成する燃焼管8のみで燃料を燃焼させる燃焼運転と、燃焼領域A,Bを構成する全ての燃焼管8で燃料を燃焼させる燃焼運転とを切り替えることができる。
一次熱交換部4aは、風呂追い焚き用の第一熱交換回路5と、給湯用の第二熱交換回路6とから構成されている。第一熱交換回路5および第二熱交換回路6は、バーナ10において発生し、ガス流路3内を流れる高温の燃焼ガスとの熱交換によって主として燃焼ガスの持つ顕熱を回収し、湯水の加熱を行うものである。第一熱交換回路5および第二熱交換回路6は、フィン12を共用することにより一体化されている。第一熱交換回路5および第二熱交換回路6は、それぞれの受熱管13,15をフィン12に貫通させて形成されたものである。
第一熱交換回路5は、ガス流路3の断面領域のうち、バーナ10の燃焼領域Aの下流側に相当する領域を横断するように受熱管13を配したものである。受熱管13は、ベンド管16によって接続されており、入水口17aから出水口17bに至る屈曲した流路を形成している。
第二熱交換回路6は、複数の受熱管15をベンド管16によって接続することによって形成される屈曲した流路がフィン12を貫通した構造を有する。第二熱交換回路6は、受熱管15の大部分がガス流路3の断面領域のうちバーナ10の燃焼領域Bに相当する領域を横断するように配したものであり、受熱管15の一部(上流端側)が燃焼領域Aに相当する領域を横断している。第二熱交換回路6は、受熱管15によって構成される流路の上流端に二次熱交換部4b側から流れてくる湯水を導入するための入水口18aを有し、受熱管15によって構成される流路の下流端に出水口18bを有する。第二熱交換回路6は、受熱管15およびベンド管16によって形成される屈曲流路の中途に温度検知センサ19を有する。
二次熱交換部4bは、二次熱交換器20と、ガス流路3に対して二次熱交換器20を接続するための接続部材21とによって構成されている。二次熱交換器20は、中空で箱状のケース部材22の両端部に平行に配置されたヘッダ23,25間に多数の受熱管24をろう付けして接続した、いわゆる多管型の熱交換器である。二次熱交換器20は、ヘッダ23側に入水口26と出水口27とを有する。入水口26は、外部の給水源に接続された給水配管40に接続されている。また、出水口27は、接続配管28を介して第二熱交換回路6の入水口18aに接続されている。ヘッダ23は、入水口26側の空間と、出水口27側の空間とが独立している。そのため、入水口26から流入した湯水は、受熱管24内を流れてケース部材22を横断し、ヘッダ25に流入する。ヘッダ25に流入した湯水は、ヘッダ25において流れ方向を逆転してヘッダ23側に流れ、ヘッダ23の出水口27側の空間に流入し、出水口27から排出される。二次熱交換器20は、上記したようにして湯水が流れて熱交換することにより燃焼ガスの持つ潜熱の大部分を回収する。そのため、二次熱交換器20は、ケース部材22内において腐食性を有するドレンが発生する。そこで、二次熱交換器20は、熱交換により発生するドレンが付着すると想定されるケース部材22や受熱管24が耐腐食性に優れた材質で作製されている。
続いて、本実施形態の熱源装置1において形成されている流水系統30について説明する。本実施形態の流水系統30は、大別して風呂追い焚き用の風呂流水系統31(第一加熱系統)と、給湯用の給湯流水系統32(第二加熱系統)の2系統に分類される。風呂流水系統31は、風呂35(貯留部)内の湯水を第一熱交換回路5に供給して加熱し、風呂35側に戻す循環流路によって構成される流水系統である。さらに具体的に説明すると、風呂流水系統31は、第一熱交換回路5の入水口17aおよび出水口17bに風呂往き配管36および風呂戻り配管37を接続して構成されている。風呂往き配管36の中途には、風呂流水系統61内に湯水を循環させるための循環ポンプ38が設けられている。
一方、給湯流水系統32は、第一熱交換回路5、二次熱交換器20、接続配管28、給水配管40、給湯配管41(排出配管)、給湯・給水バイパス配管43(第一バイパス配管)および給湯・風呂バイパス配管45によって主要部が構成された流水系統である。給水配管40は、外部の給水源から湯水を供給するための配管であり、二次熱交換器20の入水口26に接続されている。給湯配管41は、二次熱交換器20の出水口27と給湯栓46とを接続する配管であり、中途に出湯温度サーミスタ42が配されている。また、給湯・給水バイパス配管43は、給水配管40と給湯配管41の出湯温度サーミスタ42が配された位置よりも上流側とをバイパスする配管である。給湯・給水バイパス配管43の中途には、バイパス流量調整弁47が配されている。バイパス流量調整弁47は、熱源装置1の作動を制御する制御手段60により、出湯温度サーミスタ42の検知温度に基づき開度がフィードバック制御されている。これにより、給湯配管41を流れる高温の湯水と、給湯・給水バイパス配管43を流れる低温の湯水との混合比が制御され、給湯栓46における湯水の排出温度が調整されている。給湯・風呂バイパス配管45は、給湯配管41の出湯温度サーミスタ42が配された位置よりも下流側と、風呂往き配管36の循環ポンプ38の上流側とをバイパスする配管である。給湯・風呂バイパス配管45の中途には、風呂注湯水量センサ48と風呂注湯電磁弁50とが設けられている。
続いて、熱源装置1の機能について説明する。熱源装置1は、従来の一缶二水型の熱源装置と同様に風呂の追い焚き動作を行う第一動作モード(以下、風呂単独モードと称す)と、給湯動作を伴う第二動作モードとに大別される動作モードで燃焼動作を行う。第二動作モードは、給湯動作のみを行う給湯単独モードと、給湯動作と風呂の追い焚き動作とを同時に行う給湯・風呂併用モードの2モードに大別される。熱源装置1は、風呂単独モード、給湯単独モード、並びに、給湯・風呂併用モードのいずれかを選択して動作する。
まず、熱源装置1が風呂単独モードで動作する場合における湯水および燃焼ガスの流れについて説明する。風呂単独モードは、給湯停止中に風呂35内に貯留されている湯水を一次熱交換部4aにおいて加熱する運転モードである。風呂単独モードで動作する場合、熱源装置1の制御手段60は、循環ポンプ38を起動させる。この時、風呂往き配管36に接続された給湯・風呂バイパス配管45に設けられた風呂注湯電磁弁50は閉止状態とされている。そのため、循環ポンプ38が起動すると、風呂35内の湯水が風呂流水系統31内を循環する。
制御手段60は、風呂流水系統31における通水を確認すると、バーナ10を構成する燃焼管8のうち、燃焼領域Aに配された燃焼管8のみに燃料ガスを供給し、点火装置9を作動させて点火動作を行う。制御手段60は、点火動作とほぼ同時に送風機11を起動してバーナ10に対して燃焼に必要な空気を供給し、燃焼動作を開始する。
バーナ10の燃焼領域Aにおいて発生した高温の燃焼ガスは、ガス流路3の下流側に流れ、一次熱交換部4aの第一熱交換回路5近傍に優先的に流入する。燃焼ガスは、第一熱交換回路5において受熱管13およびベンド管16内を流れる湯水との熱交換によって顕熱の大部分が回収される。風呂35内の湯水は、第一熱交換回路5における熱交換により徐々に加熱され、図示しないリモコン等を介して設定された設定温度まで加熱される。制御手段60は、風呂35内の湯水が設定温度に達したことを確認するとバーナ10における燃焼動作を停止させる。
一方、第一熱交換回路5において顕熱の大部分が回収された燃焼ガスは、ガス流路3をさらに下流側(図1では上側)に向かって流れ、二次熱交換部4bに至る。燃焼ガスは、接続部材21を通過し、二次熱交換器20のケース部材22内に流入する。二次熱交換器20に流入した燃焼ガスは、ケース部材22に設けられた排気口(図示せず)を介して外部に排出される。
続いて、給湯単独モードにおける熱源装置1の動作について、湯水および燃焼ガスの流れを中心に説明する。給湯単独モードは、風呂35内に貯留されている湯水の加熱動作の停止中に、給湯用の湯水を加熱する運転モードである。熱源装置1の制御手段60は、給湯栓46の開栓に伴って外部の給水源から湯水が供給されるのに伴いバーナ10において燃料の燃焼動作を開始する。その一方で、給水源から供給された湯水は、二次熱交換器20、第二熱交換回路6の順で通過する間に燃焼動作に伴って発生した燃焼ガスとの熱交換により加熱される。第二熱交換回路6および二次熱交換器20において加熱された湯水は、給湯・給水バイパス配管43を介して供給される低温の湯水と混合され、適温に調整された後、給湯栓46から排出される。
さらに具体的に説明すると、給水配管40を介して供給された低温の湯水は、先ず図1に示すように二次熱交換器20の入水口26から二次熱交換器20の各受熱管24内に流入する。各受熱管24を流れる湯水は、ガス流路3を介して二次熱交換器20のケース部材22内に導入された燃焼ガスとの熱交換によって加熱される。二次熱交換器20において加熱された湯水は、出水口27から排出され、接続配管28を介して第二熱交換回路6に供給される。
第二熱交換回路6に供給された湯水は、受熱管15およびベンド管16によって構成される屈曲した流路内を流れ、バーナ10において発生した燃焼ガスにより熱交換加熱される。第二熱交換回路6において加熱された湯水は、出水口18bを介して第二熱交換回路6の外部に排出される。
第二熱交換回路6から排出された湯水は、給湯配管41内を流れ、給水配管40から分岐された給湯・給水バイパス配管43を流れる低温の湯水と混合される。給湯・給水バイパス配管43を流れる湯水の流量は、制御手段60によって出湯温度サーミスタ42の検知温度に基づいてバイパス流量調整弁47の開度を制御することにより調整されている。これにより、第二熱交換回路6および二次熱交換器20において加熱された高温の湯水と、外部の給水源から供給された低温の湯水とが所定比で混合され、給湯栓46における出湯温度が所定の温度に調整される。
一方、熱源装置1が給湯単独モードで動作する場合、制御手段60は、給湯流水系統32における通水が開始されたことを条件としてバーナ10の燃焼領域Bを構成する燃焼管8に燃料ガスを供給して点火動作を行う。また、制御手段60は、点火動作と平行して送風機11を起動し、バーナ10における燃焼動作に必要とされる空気の供給を開始する。
バーナ10の燃焼領域Bにおいて発生した高温の燃焼ガスは、ガス流路3の下流側に流れ、一次熱交換部4aを構成する多数のフィン12の隙間に流入する。燃焼ガスは、第二熱交換回路6の受熱管15が配された部位を優先的に流れて熱交換を行う。これにより、受熱管15内を流れる湯水が加熱され、燃焼ガスの持つ顕熱の大部分が回収される。
一次熱交換部4aにおいて顕熱の大部分が回収された燃焼ガスは、ガス流路3内をさらに下流側(上側)に向かって流れ、二次熱交換部4bに到達する。二次熱交換部4bに至った燃焼ガスは、接続部材21を介して二次熱交換器20のケース部材22の内部に流入する。ケース部材22に流入した燃焼ガスは、受熱管24内を流れる湯水と熱交換を行う。これにより、一次熱交換部4aを通過した燃焼ガスに残存していた顕熱に加え、この燃焼ガスが持つ潜熱が回収される。燃焼ガスは、二次熱交換器20において熱交換された後、図示しない排出口から外部に排出される。
続いて、給湯・風呂併用モードにおける熱源装置1の動作について説明する。給湯・風呂併用モードでは、給湯単独モードの場合の湯水の流れと、風呂単独モードの場合の湯水の流れとが組み合わさった状態で湯水が流れる。すなわち、給湯・風呂併用モードでは、風呂35内の湯水が風呂流水系統31および第一熱交換回路5を循環すると共に、給水配管40を介して供給された湯水が二次熱交換器20、第二熱交換回路6で加熱され、給湯配管41を介して外部に排出される。
一方、給湯・風呂併用モードでは、バーナ10を構成する全ての燃焼管8において火炎が形成され、燃焼ガスが発生する。バーナ10において発生した燃焼ガスは、ガス流路3内を下流側、すなわち上方に向かって流れ、一次熱交換部4aに至る。燃焼ガスは、一次熱交換部4aを構成する多数のフィン12の隙間を通過し、風呂加熱用の第一熱交換回路5および給湯用の第二熱交換回路6の受熱管13,15内を流れる湯水と熱交換を行う。
一次熱交換部4aにおける熱交換によって顕熱の大部分が回収された燃焼ガスは、さらにガス流路3の下流側に流れ、二次熱交換器20のケース部材22の内部に流入する。ケース部材22内に配された受熱管24内を流れる湯水は、二次熱交換器20に導入された燃焼ガスに残存している顕熱や潜熱によって加熱される。二次熱交換器20において熱エネルギーが回収された燃焼ガスは、図示しない排出口から外部に排出される。
上記したように、熱源装置1は、風呂単独モードで動作している間は給湯動作が停止しており、給湯流水系統32には湯水の流れが発生していない。そのため、風呂単独モードでは、給湯流水系統32の一部を形成している二次熱交換器20においても通水が停止しており、受熱管24に湯水が残存した状態となっている。
上記したように、ケース部材22に流入した燃焼ガスは、第一熱交換回路5において回収しきれずに残存した顕熱や潜熱を有している。そのため、風呂単独モードで動作している間にケース部材22に燃焼ガスが流入すると、燃焼ガスの持つ熱エネルギーが受熱管24内に残留している湯水に回収され、この湯水が徐々に高温となっていく。
第一熱交換回路5を通過した燃焼ガスは、顕熱の大部分が回収されているため、残存している熱エネルギーはごく僅かである。しかし、風呂単独モードでは二次熱交換器20内に湯水が滞留した状態であるため、この状態での燃焼動作が長時間にわたると二次熱交換器20内の湯水が過度に高温となる。二次熱交換器20内の湯水が過度に高温となった状態で給湯栓46が開栓され、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わると、給湯栓46から高温の湯水が吐出されてしまう不具合が発生する可能性がある。そこで、熱源装置1では、風呂単独モードでの動作時と、風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードへの移行時に高温出湯防止動作を行っている。以下、高温出湯防止動作について順を追って詳細に説明する。
制御手段60は、風呂単独モードによる熱源装置1の制御と平行して高温出湯防止動作を開始する。高温出湯防止動作は、風呂単独モードでの動作中に給湯流水系統32を構成する第二熱交換回路6や二次熱交換器20等に残存している湯水の一部あるいは全部を風呂35側に落とし込む高温湯逃がし動作(予防動作)と、風呂単独モードから他のモードに移行した際にバーナ10の燃焼開始を遅延する遅延動作とから構成されている。
さらに具体的に説明すると、熱源装置1が風呂単独モードでの動作を開始すると、制御手段60は、バーナ10における燃焼量と燃焼時間とに基づいて燃焼積算量F(積算エネルギー量)を導出する。さらに具体的には、風呂単独モードで燃焼動作している時の燃焼量をx[Kcal/h]、風呂単独モードでの燃焼時間をt[分]とした場合、制御手段60は、燃焼積算量Fを(Σ(x・t/1000))として導出する。
一方、制御手段60は、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードあるいは給湯・風呂併用モードに切り替わった際に給湯栓46から排出される湯水の温度が所定の給湯温度Ksよりも高温となる、いわゆるオーバーシュートを最小限に抑制できないと想定される燃焼積算量Fを燃焼上限エネルギーL(限界エネルギー量)として記憶する。さらに具体的には、例えば燃焼量xが12000[Kcal]で10分連続燃焼した後に給湯動作を行うと、給湯・給水バイパス配管43を介して低温の湯水を給湯配管41側に送り込んで混合しても給湯栓46から排出される湯水の温度がオーバーシュートする蓋然性が高いと考えられる場合、制御手段60は、燃焼上限エネルギーLを(12000×10/1000)=120とする。
制御手段60は、高温湯逃がし動作に要する時間を逃がし時間t3として設定している。逃がし時間t3は、高温湯逃がし動作を行うことにより、動作モードが風呂単独モードから給湯を伴う動作モードに移行した際に給湯流水系統32に残存している熱エネルギー量が給湯時に必要とされているエネルギー量よりも多くなるように設定されている。
また、制御手段60は、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードあるいは給湯・風呂併用モードに切り替わった際にオーバーシュートの発生を最小限に抑制可能であると想定される燃焼積算量Fを遅延判定エネルギーQとして記憶している。さらに具体的には、例えば燃焼量xが12000[Kcal]で5分連続燃焼した後に給湯動作を行ってもオーバーシュートが起こらない蓋然性が高い場合、制御手段60は、遅延判定エネルギーQを(12000×5/1000)=60とする。
制御手段60は、上記したようにして予め設定された燃焼上限エネルギーLと、風呂単独モードで動作している間の燃焼量x[Kcal/h]から連続燃焼可能な燃焼可能時間t1[分]を導出する。さらに具体的には、制御手段60は、燃焼可能時間t1を(1000L/x)として導出する。例えば燃焼上限エネルギーLが120であり、燃焼量xが6000[Kcal]である場合、連続燃焼可能な燃焼可能時間t1は(1000×120/6000)=20[分]となる。
制御手段60は、風呂単独モードの開始時から燃焼量x[Kcal/h]が変動するたびに燃焼可能時間t1を再設定すると共に燃焼積算時間をリセットし、その設定時からの燃焼積算時間を計測する。制御手段60は、燃焼積算時間が先に設定された燃焼可能時間t1を越えたことを確認すると、次回の給湯動作時に給湯・給水バイパス配管43から供給される湯水を混合しても給湯栓46から排出される湯水の温度が所定の給湯温度Ksよりも高温となってしまう可能性が高いものと判断する。そこで、制御手段60は、風呂注湯電磁弁50を開き、第二熱交換回路6および二次熱交換器20に存在している高温の湯水を逃がし時間t3に渡って風呂35側に送り込む高温湯逃がし動作を行う。これに伴い、給湯流水系統32には、給水配管40を介して外部の給水源から低温の湯水が供給され、動作モードが給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった際の高温出湯が防止される。
また、制御手段60は、風呂単独モードでの動作中におけるバーナ10の燃焼量x[Kcal/h]と遅延判定エネルギーQとから遅延判定時間t2を導出する。さらに具体的には、風呂単独モードでの動作中における燃焼量xが6000[Kcal/h]であり、遅延判定エネルギーQが60である場合、遅延判定時間t2は(1000×60/6000)=10[分]となる。
ここで、遅延判定時間t2とは、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった際にバーナ10における燃焼動作の開始を遅延するか否かを判断するための基準となるものである。すなわち、風呂単独モードにおいて遅延判定時間t2を設定した時点からの燃焼積算時間が遅延判定時間t2以下である場合は、給湯流水系統32における高温の湯水の滞留量がさほど多くなく、動作モードが給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった際に給湯温度Ksで出湯するためにはバーナ10において燃焼動作を行う必要がある。また逆に、遅延判定時間t2を設定した時点からの燃焼積算時間が遅延判定時間t2を越える場合は、給湯流水系統32における高温の湯水の滞留量が多く、動作モードが給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった場合にバーナ10における燃焼動作を遅延させても給湯温度Ksで出湯できる。
制御手段60は、風呂単独モードでの動作開始後に遅延判定時間t2を設定すると共に、遅延判定時間t2の設定後の燃焼積算時間を計測する。また、上記した高温湯逃がし動作により湯水を風呂35に落とし込んだ後は給湯流水系統32における高温の湯水の残量が変動する。そのため、制御手段60は、高温湯逃がし動作を行った場合に遅延判定時間t2を再設定すると共に、燃焼積算時間の計測値をリセットし、遅延判定時間t2の再設定後の燃焼積算時間の計測を開始する。
制御手段60は、熱源装置1の動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった際に遅延判定時間t2の設定後から計測される燃焼積算時間が遅延判定時間t2を越えているか否かを確認する。ここで、風呂単独モードでの動作中に計測された燃焼積算時間が遅延判定時間t2以下である場合は、給湯流水系統32における高温の湯水の残量が給湯温度Ksの湯水を給湯するには不十分である。そのため、燃焼積算時間が遅延判定時間t2以下である場合、制御手段60は、給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わると共にバーナ10による燃焼動作を開始する。
一方、燃焼積算時間が遅延判定時間t2を越えている場合は、バーナ10の燃焼動作による加熱を行わなくても給湯流水系統32に給湯温度Ksの湯水を給湯するのに必要な高温の湯水が存在している。そのため、制御手段60は、風呂単独モード時に計測された燃焼積算時間が遅延判定時間t2を越えていることを条件としてバーナ10の燃焼動作の開始を遅延する。制御手段60は、給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに切り替わった後、出湯温度サーミスタ42によって検知される出湯温度が予め設定された給湯温度Ksを下回ることを条件としてバーナ10における燃焼動作を開始させる。
上記したように、熱源装置1では、風呂単独モードで動作する際に制御手段60が燃焼上限エネルギーLを設定し、風呂単独モードでの実際の燃焼量xと燃焼時間tとに基づく燃焼積算量Fが上限エネルギー量を超えることを条件として給湯流水系統32に存在する高温の湯水を風呂35側に落とし込む構成とされている。そのため、熱源装置1は、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードのように給湯を伴う動作モードに移行する際に給湯流水系統32に存在している湯水が持つ熱エネルギー量がさほど大きくなく、給湯栓46を開栓した直後に高温の湯水や熱媒体が排出されるといった不具合が起こらない。
上記したように、制御手段60は、動作モードが風呂単独モードから給湯単独モードあるいは給湯・風呂併用モードに切り替わった際に、いわゆるオーバーシュートを最小限に抑制できないと想定される燃焼積算量Fを燃焼上限エネルギーLとして採用し、実際の燃焼量xと燃焼時間tとに基づいて導出される燃焼積算量Fに基づいて高温湯逃がし動作を行っている。そのため、熱源装置1は、高温湯逃がし動作を行っても必要以上に大量の湯水が風呂35に落とし込まれるといった不具合が生じない。
また、熱源装置1は、風呂単独モードで動作している間の燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQを越える場合、すなわち燃焼時間tが遅延判定時間t2を越える場合に、動作モードが風呂単独モードから給湯を伴う動作モード(給湯単独モード、給湯・風呂併用モード)に移行した際におけるバーナ10の点火を遅延させる構成とされている。そのため、熱源装置1は、風呂単独モードにおいて給湯流水系統32に蓄積されている熱エネルギーを最大限有効利用できると共に、給湯動作時における燃料の消費量を最小限に抑制できる。
上記したように、熱源装置1は、高温湯逃がし動作において逃がし時間t3にわたって風呂35に湯水を落とし込む構成とされているため、過剰な熱エネルギーが風呂35側に排出されると共に、給湯を伴う動作モードに移行した際に必要となる熱エネルギーが給湯流水系統32に残存させることができる。そのため、熱源装置1は、風呂逃がし動作において風呂35側に排出される熱エネルギー量が最小限である。また、熱源装置は、給湯を伴う動作モードに移行した際に給湯流水系統32にある程度の熱エネルギーが残存しているため、出湯開始時に予期せぬ低温の湯水が排出される、いわゆるアンダーシュートが起こりにくい。
ここで、熱源装置1では、高温湯逃がし動作において風呂35側に逃がす湯水の量、すなわち給湯流水系統32から風呂流水系統31側に逃がす熱エネルギー量を逃がし時間t3によって制御している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば風呂注湯水量センサ48によって検知される湯水の逃がし量や、外部の給水源から二次熱交換器20に供給される湯水の量が所定量を超えることを条件として高温湯逃がし動作を終了する構成としたり、給湯・風呂バイパス配管45を流れる湯水の温度が所定の温度以下となることを条件として高温湯逃がし動作を終了する構成としてもよい。
上記したように、熱源装置1は、給湯配管41を介して供給される高温の湯水と、給湯・給水バイパス配管43を介して供給される低温の湯水とを混合することによって温度調整した湯水を給湯栓46から排出する構成とされている。そのため、風呂単独モードで動作している時に行われる風呂逃がし動作で風呂35側に落とし込む湯水の量や、風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに動作モードが切り替わった時点からバーナ10の点火までの遅延時間は、給水源から給湯配管41に供給可能な低温の湯水の量に依存している。従って、熱源装置1は、給湯を伴う動作モードに移行した際に給湯配管41に対して供給可能な湯水の量が多ければ、風呂単独モード時に風呂35側に落とし込まれる高温の湯水の量を減少させると共に、給湯を伴う動作モードに移行した時のバーナ10の遅延時間をさらに延長することができ、省エネルギーに資することができる。
そこで、かかる知見に基づき、熱源装置1は、給湯・給水バイパス配管43を通過可能な水量を増加させてもよい。かかる構成によれば、風呂単独モード時の風呂35側への高温の湯水の逃がし量を抑制すると共に、給湯動作が開始された時のバーナ10の作動開始までの遅延時間を延長できる。
上記したように、給湯・給水バイパス配管43を大径化する等の方策により供給可能な水量を増加させる場合は、バイパス流量調整弁47も大型化する必要がある。一般的に流量調整弁はコストが高いため、給湯・給水バイパス配管43を大径化するとその分だけ熱源装置1の製造コストが上昇してしまう。そこで、かかる問題に対応すべく、熱源装置1は、例えば図2に示すように給水配管40と給湯配管41とをバイパスする給湯・給水バイパス配管43に加えて第二給湯・給水バイパス配管70(第二バイパス配管)を設けた構成とすることも可能である。このように第二給湯・給水バイパス配管70を設けた場合は、この第二給湯・給水バイパス配管70にバイパス流量調整弁47等よりも比較的安価な開閉弁71を設けることによって給湯配管41側に供給する低温の湯水の量を調整できる。すなわち、図2のような構成とした場合、給湯配管41側に供給すべき低温の湯水の量が少ない時は開閉弁71を閉止した状態でバイパス流量調整弁47の開度調整を行うことで水量調整が行え、給湯配管41側に供給すべき低温の湯水の量が多い時は開閉弁71を開いた状態でバイパス流量調整弁47の開度調整を行うことで水量調整が行える。従って、かかる構成によれば、風呂単独モードの間に給湯流水系統32に回収された熱エネルギーを有効利用でき、より一層省エネルギーに資することができる。
また、本実施形態では、燃焼量xとしてバーナ10での燃焼動作によって単位時間当たりに発生する熱量を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば実際に燃焼動作を行う燃焼管8の本数や、燃焼号数等によって規定されるものであってもよい。
また、上記実施形態の熱源装置1は、風呂流水系統31が二次熱交換部4bから独立した構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図3に示す熱源装置80のように二次熱交換器20と同一の構成を有する風呂追い焚き用の二次熱交換器81を風呂流水系統31の中途に設けた構成としてもよい。さらに具体的には、風呂戻り配管37を二次熱交換器81の入水口82に接続すると共に、出水口83と第一熱交換回路5の入水口17aとを接続配管85によって接続した構成としてもよい。かかる構成によれば、二次熱交換器81の分だけ製造コストは上昇するが、熱エネルギーの回収効率をより一層向上することができる。
上記した熱源装置1,80は、いずれも二次熱交換部4bにケース部材22の内部に受熱管24を多数配したいわゆる多管型の二次熱交換器20,81を採用したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来公知のプレートフィン型の熱交換器や、フィンアンドチューブ型の熱交換器を採用したものであってもよい。また、上記した二次熱交換器20,81は、円筒形の受熱管24を多数配したものであったが、受熱管24に代わっていわゆるU字管や蛇腹管等の配管を採用してもよい。
上記実施形態において、燃焼上限エネルギーLや遅延判定エネルギーQは、所定の条件を満たす時の燃焼量x[Kcal/h]と燃焼時間tの積によって設定されるものであるが、燃焼上限エネルギーLや遅延判定エネルギーQ、燃焼量xや、これらに基づいて導出される燃焼可能時間t1、遅延判定時間t2等のパラメータは給水源から供給される湯水の温度や外気温等を考慮して設定されることが望ましい。
さらに具体的には、上記した熱源装置1は、給水源から供給される湯水の供給温度(給水温度)の条件にかかわらず燃焼上限エネルギーL、遅延判定エネルギーQといった熱エネルギーに関する閾値や、これらの閾値や燃焼量xに基づいて導出される燃焼可能時間t1、遅延判定時間t2が一定とされている。ここで、上記したように、熱源装置1は、給湯配管41を流れる湯水と給湯・給水バイパス配管43を介して外部の給水源から供給される低温の湯水とを混合して給湯する構成とされている。そのため、給水源からの給水温度が低い場合は、給湯配管41内を流れる湯水の温度が多少高くても、この湯水と給湯・給水バイパス配管43を介して供給される湯水との混合比を調整することにより、いわゆる高温出湯を防止することができる。従って、給水温度を考慮しないで高温湯逃がし動作を行うと、給湯流水系統32側から風呂流水系統31側に向けて湯水が必要以上に送り込まれることとなる。
かかる事態が想定される場合、燃焼上限エネルギーLは、熱源装置1の系外から供給される湯水の供給温度(給水温度)に応じて調整されることが望ましく、例えば給水温度が所定の閾温度よりも低いか否かで燃焼上限エネルギーLを変更したり、給水温度に基づく所定の数式に基づいて燃焼上限エネルギーLを変更し、燃焼可能時間t1を調整する構成としてもよい。
さらに詳細には、熱源装置1の系外から供給される湯水の供給温度(給水温度)が低い場合は、高い場合よりも風呂単独モードで動作している間の高温湯逃がし動作の間隔(燃焼可能時間t1)や、動作モードが風呂単独モードから給湯を伴う動作モード(給湯単独モード、給湯・風呂併用モード)に移行する際にバーナ10の起動を遅延するか否かの判断基準となる遅延判定時間t2を延長することが望ましい。
熱源装置1の系外から供給される湯水の給水温度に応じて燃焼可能時間t1や遅延判定時間t2を調整する場合、制御手段は、例えば図4に示すフローチャートに従って熱源装置1の動作を制御することができる。
さらに具体的に説明すると、図4に示すフローチャートに基づく制御が開始されると、制御手段は、ステップ1−1において熱源装置1の動作モードが風呂単独モードであるか否かを確認する。ここで、熱源装置1の動作モードが風呂単独モードである場合は、制御フローがステップ1−2〜1−9に示す制御フローに進み、風呂単独モード以外である場合は、後述するステップ2−1〜2−4に示す制御フローに進む。
制御フローがステップ1−2に進行すると、制御手段は燃焼積算量Fの積算、すなわち風呂単独モードで動作している状態での燃焼時間tの積算を行う。その後、制御フローがステップ1−3に進行すると、給湯流水系統32における通水量(給湯流量)が所定の流量(点火流量)を超えているか否かを確認し、バーナ10の燃焼領域Bに設けられた燃焼管8において燃焼動作を行うべきか否かを確認する。すなわち、制御手段は、ステップ1−3において、給湯要求の有無を確認する。そして、ステップ1−3において給湯流量が点火流量よりも少なく、給湯要求がないものと判断した場合は、制御フローを後述するサブルーチン(図5)のステップ3−1へと進行させる。
一方、ステップ1−3において熱源装置1に対して給湯要求があるものと判断した場合、すなわち熱源装置1の動作モードが風呂・給湯併用モードであると判断した場合、制御手段は、ステップ1−4において熱源装置1の外部から供給される湯水の温度(給水温度)を確認する。制御手段は、ステップ1−4において給水温度が所定の閾温度Tbよりも高いか否かを確認する。そして、制御手段は、ステップ1−4において確認された給水温度が閾温度Tbよりも高い場合に制御フローをステップ1−5に進め、閾温度Tb以下である場合に制御フローをステップ1−9に進める。
ここで、ステップ1−5およびステップ1−9は、共に燃焼積算量Fと遅延判定エネルギーQとの大小を確認し、遅延動作を行うか否かを判断するステップであるが、給水温度が閾温度Tbよりも高いか否かで遅延判定エネルギーQが異なる。すなわち、給水温度が閾温度Tbよりも高い場合は、遅延判定エネルギーQがQ1に設定され、給水温度が閾温度Tb以下の場合は、遅延判定エネルギーQがQ1よりも低いQ2に設定される。
さらに具体的には、制御手段は、ステップ1−5およびステップ1−9に移行すると、燃焼量xと遅延判定エネルギーQ1,Q2とに基づいて遅延判定時間t21,t22を導出する。制御手段は、ステップ1−5およびステップ1−9において、風呂単独モードでの動作中における燃焼時間tと遅延判定時間t21あるいは遅延判定時間t22とを比較することにより、燃焼積算量Fと遅延判定エネルギーQ1あるいは遅延判定エネルギーQ2との大小を確認する。ステップ1−5やステップ1−9において燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQ1,Q2よりも大きい場合は、給湯流水系統32の二次熱交換器20等に残留している湯水が高温になっている可能性が高いため、制御フローをステップ1−6に進め、バーナ10の起動を所定時間に渡って遅延する。一方、ステップ1−5やステップ1−9において燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQ1,Q2以下である場合は、二次熱交換器20等に残留している湯水が比較的低温であるため、バーナ10の起動を遅延することなく制御フローがステップ1−7に進められる。
制御フローがステップ1−7に進むと、制御手段は、燃焼積算量Fの積算をリセットする。そして、制御手段は、ステップ1−8においてバーナ10が既に燃焼動作を行っている場合はこの燃焼動作を継続させ、バーナ10が燃焼動作を行っていない場合は着火動作を行う。その後、制御フローはステップ1−1に戻される。
一方、図4に示すように、制御フローがステップ1−1において熱源装置1の動作モードが風呂単独モード以外であると判断された場合は、制御フローがステップ2−1に進む。制御フローがステップ2−1に進むと、制御手段は熱源装置1が給湯・風呂併用動作モードで動作しているのかを確認する。ここで、給湯・風呂併用動作モードで動作している場合は、制御フローを上記したステップ1−7に進める。
ステップ2−1において熱源装置1の動作モードが給湯・風呂併用モードでないことが確認されると、制御手段は、ステップ2−2において熱源装置1が給湯単独モードで動作しているのか否かを確認する。ステップ2−2で給湯単独モードで動作していることが確認された場合は、制御フローをステップ2−4に進め、燃焼動作を行う。一方、ステップ2−2において熱源装置1の動作モードが給湯単独モードでないものと判断された場合は、制御フローがステップ2−3に進行し、給湯流水系統32における通水量(給湯流量)が所定の流量(点火流量)を超えているか否かが確認される。ここで、給湯流量が点火流量以上である場合は、制御フローがステップ2−4に進行してバーナ10が起動し、燃焼動作が開始されると共に制御フローがステップ1−1に戻される。一方、ステップ2−3において給湯流量が点火流量よりも少ない場合は、制御フローがステップ1−1に戻される。
上記したように、ステップ1−3において給湯流水系統32における通水量(給湯流量)が所定の流量(点火流量)よりも少ない場合、すなわち熱源装置1が給湯動作を伴わない風呂単独モードでの動作を行う場合は、制御フローが図5に示すサブルーチンのステップ3−1へと移行する。制御フローがステップ3−1に移行すると、制御手段は、予め検知していた給水温度(熱源装置1の外部から供給される湯水の温度)が所定の閾温度Tbよりも高いか否かを確認する。ここで、給水温度が閾温度Tbよりも高い場合は制御フローがステップ3−2に進行し、給水温度が閾温度Tb以下である場合は制御フローがステップ3−6に移行する。ステップ3−2,3−6は、それぞれ高温湯逃がし動作を行うか否かを判断するステップであるが、この判断の基準となる燃焼上限エネルギーLの大きさが異なる。
さらに具体的には、熱源装置1は、給湯配管41を流れる湯水と給湯・給水バイパス配管43を介して外部の給水源から供給される低温の湯水とを混合して給湯するものであるため、給水源から給湯・給水バイパス配管43を介して供給される湯水の温度次第で、高温出湯を防止可能な給湯配管41を流れる湯水の温度の上限、すなわち燃焼上限エネルギーLが上下するものと想定される。
よって、高温湯逃がし動作を必要以上に行うことなく高温出湯を確実に防止するためには、給水温度に応じて燃焼上限エネルギーLを調整することが望ましい。そこで、ステップ3−1において予め検知されている給水温度が閾温度Tbよりも高い場合は燃焼上限エネルギーLがL1に設定され、給水温度が閾温度Tb以下である場合はL1よりも小さなL2(L1>L2)に設定される。
ステップ3−2やステップ3−6では、燃焼積算量Fと燃焼上限エネルギーL1,L2とが比較される。さらに具体的には、制御手段は、熱源装置1が風呂単独モードで動作している実際の燃焼時間tと、バーナ10の燃焼量xおよび燃焼上限エネルギーL1,L2に基づいて導出される燃焼可能時間t11,t12(t11>t12)とを比較することによって燃焼積算量Fと燃焼上限エネルギーL1,L2との大小関係を確認する。ここで、風呂単独モードでの燃焼時間tが燃焼可能時間t11,t12以下である場合は、制御フローがステップ3−5に移行し燃焼動作を継続すると共に、制御フローがステップ3−6に進行する。
一方、ステップ3−2やステップ3−6において燃焼時間tが燃焼可能時間t11,t12を超えている場合は、制御フローがステップ3−2あるいはステップ3−6からステップ3−3に移行し、上記実施形態において説明した方法で高温湯逃がし動作が行われる。高温湯逃がし動作の完了後、制御フローはステップ3−4に進行し、積算燃焼量Fがリセットされる。すなわち、燃焼積算量Fに関するデータである燃焼時間tの積算値がリセットされる。その後、制御フローはステップ3−5に移行し、燃焼動作を継続すると共に、制御フローを図4のステップ1−1に戻す。
上記したように、図4や図5に示す制御フローに則り、燃焼上限エネルギーL、遅延判定エネルギーQやこれらに基づいて導出される燃焼可能時間t1、遅延判定時間t2を調整して熱源装置1の制御を行う場合は、高温湯逃がし動作が必要以上に行われたり、風呂35内の水位がむやみに上昇する、風呂35の追い焚きに要する時間が長くなる等の不具合が殆ど起こらない。
上記したように、図5に示す制御フローは、給湯を行う際に二次熱交換器20等に残存している湯水がミキシングされることにより温度低下することを考慮して、給水温度に応じて燃焼上限エネルギーL1,L2のいずれかを選択するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば給水温度が風呂単独モードでの運転開始時に二次熱交換器20に残存している湯水の温度を反映するものと想定される場合は、これを加味して燃焼上限エネルギーL1,L2を設定してもよい。
さらに具体的には、上記した熱源装置1では、例え風呂単独モードで動作している間の積算エネルギー量F、すなわち燃焼量xで燃焼動作を行う場合の燃焼時間tが同一であったとしても、風呂単独モードでの動作中に二次熱交換器20に残留している湯水の温度次第で、高温湯逃がし動作によって風呂35に逃がされる湯水の温度の高低が発生する。従って、給水温度が低い場合は、低温の湯水が必要以上に風呂35側に逃がされることとなり、風呂35内の水位が上昇してしまったり、風呂35の追い焚きに要する時間が長くなる等の問題が発生する可能性がある。
そこで、給水温度が風呂単独モードでの運転開始時に二次熱交換器20に残存している湯水の温度を反映する場合は、予め検知された給水温度に基づいて燃焼上限エネルギーL1,L2を設定したり、さらにミキシングによる給湯温度調整能力を加味して燃焼上限エネルギーL1,L2を調整する構成としてもよい。かかる構成によれば、高温湯逃がし動作が過剰に行われたり、これに伴う風呂35内の水位上昇や、風呂35の追い焚きに所要時間が長くなる等の不具合の発生を抑制することができる。
また、図5に示す制御フローでは、燃焼上限温度Lを給水温度に応じて2段階(L1,L2)に切り替える構成であったが、さらに多段階に切り替える構成としたり、給水温度に基づく所定の数式や法則に基づいて燃焼上限温度Lを適宜調整する構成としてもよい。
上記実施形態の熱源装置1は、風呂単独モードが完了した時点における燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQよりも大きい場合、すなわち風呂単独モードでの燃焼時間tが遅延判定時間t2よりも長い場合に、動作が給湯を伴う給湯単独モードや給湯・風呂併用モードに移行した直後における高温出湯を防止すべく、所定の遅延時間を経た後にバーナ10を起動する構成とされている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば風呂単独モードによる動作を完了した時点における燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQよりも大きいことを条件として、高温湯逃がし動作を行う構成としてもよい。すなわち、熱源装置1が風呂単独モードによる動作を完了する時点で、例えば図6に示すフローチャートに則って高温湯逃がし動作を行う構成としてもよい。
さらに具体的に説明すると、図6に示す制御フローによる制御は、熱源装置1が風呂単独モードで動作を開始するのと同時に開始される。図6に示す制御フローが開始されると、制御手段は、先ずステップ4−1において風呂単独モードでの動作が完了するのを待つ。ステップ4−1において風呂単独モードによる動作の完了が確認されると、制御手段は、ステップ4−2以降において風呂単独モードにおける積算燃焼量Fと遅延判定エネルギーQとの関係に基づき、給湯流水系統32の二次熱交換器20等に残留している湯水が高温になっている可能性が高いか否かを確認する。
ここで、上記したように、例え風呂単独モードにおける燃焼積算量Fが同一であっても、風呂単独モードによる動作の後に行われる給湯動作において高温出湯をするか否かは、風呂単独モードによる動作を開始する前に給湯流水系統32に流入していた湯水の温度(給水温度)の高低や、給湯時にミキシングされる湯水の温度に依存する。
そこで、図6に示す制御フローでは、ステップ4−2において給水温度が閾温度Tbよりも高いか否かで高温出湯の可能性の指標となる遅延判定エネルギーQの値を変更する構成とされている。さらに具体的には、ステップ4−2において給水温度が閾温度Tbよりも高い場合の遅延判定エネルギーQ1は、給水温度が閾温度以下である場合の遅延判定エネルギーQ2よりも高くなる(Q1>Q2)ように設定されている。そのため、上記したように積算燃焼量Fの大きさを風呂単独モードで動作している時の燃焼時間tに置き換え、この燃焼時間tと遅延判定エネルギーQに基づいて導出される遅延判定時間t2との関係に基づいて高温出湯の可能性を判断する場合は、遅延判定エネルギーQ1に基づいて導出される遅延判定時間t21が遅延判定エネルギーQ2に基づいて導出される遅延判定時間t22よりも長く(t21>t22)設定される。
よって、図6に示すフローチャートに則って制御を行う場合は、制御フローがステップ4−2に進行すると、制御手段によって給水温度が閾温度Tbよりも高いか否かが確認される。ここで、給水温度が閾温度Tbよりも低い場合は、制御フローがステップ4−3に進行し、燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQ1よりも高いか否かが確認される。さらに具体的には、積算燃焼量Fの大きさを風呂単独モードで動作している時の燃焼時間tに置き換えて判断する場合は、この燃焼時間tが遅延判定エネルギーQ1に基づいて導出される遅延判定時間t21よりも長いか否かが確認される。
また同様に、ステップ4−2において給水温度が閾温度Tbよりも高い場合は、制御フローがステップ4−5に進行し、燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQ2(Q1>Q2)よりも高いか否かが確認される。ここで、積算燃焼量Fの大きさを風呂単独モードにおける燃焼時間tに置き換えて判断する場合は、遅延判定エネルギーQ2に基づいて導出される遅延判定時間t22と比べて長いか否かが確認される。
ステップ4−3やステップ4−5において積算燃焼量Fが遅延判定エネルギーQ1,Q2よりも高いと判断された場合は、制御フローがステップ4−4に進行し、給湯流水系統32に残存している湯水を給湯・風呂バイパス配管45を介して風呂35に落とし込む高温湯逃がし動作が行われ、一連の制御フローが完了する。一方、ステップ4−3,4−5において積算燃焼量Fが遅延判定エネルギーQ1,Q2以下であると判断された場合は、高温湯逃がし動作が行われることなく一連の制御フローが完了する。
上記したように、図6に示すフローチャートでは、風呂単独モードによる動作の完了時における燃焼積算量Fが遅延判定エネルギーQ1,Q2よりも大きい場合、すなわち給湯を伴う動作モード(給湯単独モード、給湯・風呂併用モード)に移行した時にバーナ10の着火を遅延する遅延動作を行う条件に合致している際に必ず高温湯逃がし動作を行う構成とされている。そのため、図6に示すフローチャートに則って動作制御を行うと、給湯動作時における高温出湯を確実に防止できる。
なお、図6に示すフローチャートによって高温湯逃がし動作が行われる場合は、高温湯逃がし動作とバーナ10の遅延動作の双方が行われてもよく、遅延動作が省略されてもよい。高温湯逃がし動作と遅延動作の双方を行う構成とした場合は、給湯動作の開始直後における高温出湯を確実に防止できる。また、遅延動作を省略する構成とする場合は、風呂単独モードから給湯単独モードや給湯・風呂単独モードへの移行がより一層スムーズになる。
図6のフローチャートに示す制御は、動作モードが風呂単独モードから給湯動作を伴う動作モードに移行する時点における高温湯逃がし動作を行うか否かの指標として遅延判定エネルギーQ1,Q2を採用した例である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、遅延判定エネルギーQ1,Q2以外のデータを基準に高温湯逃がし動作の可否を判断する構成としたり、風呂単独モードで動作する際の積算燃焼量Fの大小にかかわらず動作モードが風呂単独モードから給湯動作を伴う動作モードに移行することを条件として高温湯逃がし動作を行う構成としてもよい。
なお、図6に示す制御フローでは、給水温度による影響を加味するために給水温度に応じて遅延判定エネルギーQ1,Q2のいずれかを選択する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、給水温度によらず所定の遅延判定エネルギーQを基準として高温湯逃がし動作を行うか否かを判断してもよい。
また、図6に示す制御フローでは、給水温度が所定の閾温度Tbを境として高いか否かによって遅延判定エネルギーQ1,Q2のいずれかを選択して高温湯逃がし動作の可否を判断するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば給水温度に基づく所定の数式や法則によって遅延判定エネルギーQを適宜調整する構成としてもよい。また、図6に示す制御フローでは、給水温度に応じて遅延判定エネルギーQを2段階に切り替える構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなくさらに多段階に切り替える構成としてもよい。
上記実施形態の熱源装置1は、風呂35内の湯水を風呂流水系統31を介して循環させて加熱する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば風呂35に代わって湯水や熱媒体等の何らかの液体を貯留する貯留槽を設け、この貯留槽内に貯留されている液体を加熱するものであってもよい。
上記した熱源装置1は、図1〜図3に示すように一次熱交管部4aにおいて、風呂35内の湯水を加熱するための第一熱交換回路5を構成する配管(受熱管)と給湯用の湯水を加熱するための第二熱交換回路6を構成する配管とが、一部のフィン12を共用している。そのため、第一熱交換回路5において水流があり、この水温が第二熱交換回路6内を流れる湯水の水温よりも低い場合は、第二熱交換器6内を流れる給湯用の湯水が共用しているフィン12を介して熱交換し、多少冷却される。
かかる知見に基づき、上記した熱源装置1は、例えば風呂単独モードから給湯・風呂併用モードに移行した際に、風呂35用の第一熱交換回路5内を流れる湯水の温度や、この湯水と給水配管40を介して外部から供給される湯水との水温差等のような第一熱交換回路5内を流れる湯水の温度を反映したデータに基づいてバーナ10の起動を遅延する遅延動作の所要時間を調整したり、遅延動作を行うか否かを判断する構成としてもよい。また、例えば熱源装置1が上記した図6のフローチャートに示すように、風呂単独モードの完了時に高温湯逃がし動作を行う場合は、動作モードが給湯・風呂併用モードに移行することを条件として、上記した第一熱交換回路5内を流れる湯水の温度やこの温度を反映したデータに基づいて高温湯逃がし動作を行わない構成としたり、高温湯逃がし動作の動作時間や高温湯逃がし動作による湯水の排出量を調整する構成としてもよい。かかる構成とすることにより、必要以上に遅延動作や高温湯逃がし動作が行われるのを防止できる。
本発明の一実施形態である熱源装置を示す作動原理図である。 本発明の別の実施形態である熱源装置を示す作動原理図である。 本発明のさらに別の実施形態である熱源装置を示す作動原理図である。 図1に示す熱源装置の動作の変形例を示すフローチャートである。 図4に示すフローチャートのサブルーチンを示す図である。 図1に示す熱源装置の動作の別の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
1,80 熱源装置
2 燃焼部
3 ガス流路
4a 一次熱交換部
4b 二次熱交換部
5 第一熱交換回路
6 第二熱交換回路
8 燃焼管
10 バーナ
19 温度検知センサ
20,81 二次熱交換器
31 風呂流水系統(第一加熱系統)
32 給湯流水系統(第二加熱系統)
35 風呂(貯留部)
40 給水配管(供給配管)
41 給湯配管(排出配管)
43 給湯・給水バイパス配管(第一バイパス配管)
45 給湯・風呂バイパス配管
46 給湯栓
47 バイパス流量調整弁
60 制御手段
70 第二給湯・給水バイパス配管(第二バイパス配管)
71 開閉弁
t1 燃焼可能時間
t2 遅延判定時間
t3 逃がし時間
L 燃焼上限エネルギー(限界エネルギー量)
Q 遅延判定エネルギー
F 燃焼積算量(積算エネルギー量)

Claims (16)

  1. 燃焼バーナと、燃焼バーナにおいて発生した燃焼ガスが流れるガス流路と、制御手段とを有し、
    前記ガス流路には、ガス流路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する一次熱交換手段と、当該一次熱交換手段よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配され、一次熱交換手段から排出された燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する二次熱交換手段とが設けられており、
    前記一次熱交換手段は、第一熱交換回路と第二熱交換回路とを含む二以上の熱交換回路を具備しており、
    前記第一熱交換回路は、湯水または熱媒体を加熱して供給する第一加熱系統を形成するものであり、
    前記第二熱交換回路は、二次熱交換手段と接続され、湯水または熱媒体を加熱して供給するための第二加熱系統を形成するものであり、
    当該第二加熱系統において湯水または熱媒体の供給を停止している間に、第一加熱系統において湯水または熱媒体の加熱を行う第一動作モードと、
    第二加熱系統から湯水または熱媒体の供給を行う第二動作モードとを含む複数の動作モードのいずれかを選択して動作可能であり、
    前記制御手段は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内となるように調整できると想定される熱エネルギー量である限界エネルギー量を設定し、
    第一動作モードでの動作中に実際の燃焼量に基づいて導出される積算エネルギー量が前記限界エネルギー量を超えることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とする熱源装置。
  2. 制御手段は、第一動作モードにおいて第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体が持つ熱エネルギー量が遅延判定エネルギー量を超えることを条件として、第二熱交換回路を流れる湯水または熱媒体の加熱に供する燃焼バーナの起動を動作モードが前記第一動作モードから第二動作モードに切り替わった時点から遅延させる遅延動作を行うものであり、
    前記遅延判定エネルギー量は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量に設定されることを特徴とする請求項1に記載の熱源装置。
  3. 制御手段は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に、第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量を遅延判定エネルギー量として設定すると共に、第一動作モードによる動作中の実際の燃焼量に基づいて積算エネルギー量を導出し、
    第一動作モードによる動作の完了時における積算エネルギー量が、遅延判定エネルギー量を超えていることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源装置。
  4. 燃焼バーナと、燃焼バーナにおいて発生した燃焼ガスが流れるガス流路と、制御手段とを有し、
    前記ガス流路には、ガス流路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する一次熱交換手段と、当該一次熱交換手段よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配され、一次熱交換手段から排出された燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱する二次熱交換手段とが設けられており、
    前記一次熱交換手段は、第一熱交換回路と第二熱交換回路とを含む二以上の熱交換回路を具備しており、
    前記第一熱交換回路は、湯水または熱媒体を加熱して供給する第一加熱系統を形成するものであり、
    前記第二熱交換回路は、二次熱交換手段と接続され、湯水または熱媒体を加熱して供給するための第二加熱系統を形成するものであり、
    当該第二加熱系統において湯水または熱媒体の供給を停止している間に、第一加熱系統において湯水または熱媒体の加熱を行う第一動作モードと、
    第二加熱系統から湯水または熱媒体の供給を行う第二動作モードとを含む複数の動作モードのいずれかを選択して動作可能であり、
    制御手段は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に、第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量を超えるエネルギー量を遅延判定エネルギー量として設定すると共に、第一動作モードによる動作中の実際の燃焼量に基づいて積算エネルギー量を導出し、
    第一動作モードによる動作の完了時における積算エネルギー量が、遅延判定エネルギー量を超えていることを条件として、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体の一部または全部を第二加熱系統の系外に排出させる予防動作を行うことを特徴とする熱源装置。
  5. 第二動作モードは、第二加熱系統のみを介して湯水または熱媒体の供給を行う第二単独動作形態と、第一加熱系統と第二加熱系統の双方を介して湯水または熱媒体の供給を行う第二併用動作形態とを含む複数の動作形態から選択される動作形態で湯水または熱媒体の供給を行うものであり、
    一次熱交換手段は、複数のフィン部材と、当該フィン部材を貫通する受熱管とにより第一熱交換回路および第二熱交換回路を構成し、
    第一熱交換回路を構成する受熱管の一部又は全部と、第二熱交換回路を構成する受熱管の一部又は全部とが共通のフィン部材を貫通したものであり、
    動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際の動作形態が第二単独動作形態であることを予防動作を行うための条件とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の熱源装置。
  6. 第一動作モードによる動作の完了時に、積算エネルギー量が遅延判定エネルギー量以下であることを条件として、前記第一動作モードにおける積算エネルギー量を保持し、
    第一動作モードによる動作が再開されることを条件として積算エネルギー量の積算を再開し、
    第二動作モードによる動作が開始されることを条件として積算エネルギー量を初期状態に戻すことを特徴とする請求項1乃5のいずれかに記載の熱源装置。
  7. 予防動作は、第二加熱系統に残存している湯水または熱媒体が持つ熱エネルギーが下限エネルギー量に達することを条件として終了するものであり、
    下限エネルギー量は、動作モードが第一動作モードから第二動作モードに切り替わった際に第二加熱系統から排出される湯水または熱媒体を所定の温度あるいは温度範囲内に調整可能なエネルギー量に設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の熱源装置。
  8. 第一熱交換回路は、二次熱交換手段から独立していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の熱源装置。
  9. 制御手段は、第一動作モードで動作する間に実際の燃焼量が変動することを条件として限界エネルギー量を再設定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の熱源装置。
  10. 制御手段は、第一動作モードで動作する間に実際の燃焼量が変動することを条件として遅延判定エネルギー量を再設定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の熱源装置。
  11. 第一加熱系統は、湯水または熱媒体を貯留可能な貯留部と第一熱交換回路とを繋ぐ循環回路によって構成されており、
    第二加熱系統は、一次熱交換手段および二次熱交換手段において加熱された湯水又は熱媒体を排出する排出配管、並びに、当該排出配管と前記循環回路とをバイパスする排出・循環バイパス配管を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の熱源装置。
  12. 制御手段は、外部から第二加熱系統に対して供給される湯水または熱媒体の供給温度に応じて限界エネルギー量及び/又は遅延判定エネルギー量を設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の熱源装置。
  13. 制御手段は、外部から第二加熱系統に対して供給される湯水または熱媒体の供給温度が低温である場合の限界エネルギー量及び/又は遅延判定エネルギー量を、前記供給温度が高温である場合よりも高く設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の熱源装置。
  14. 燃焼バーナは、火炎を形成可能な燃焼管を複数備えたものであり、限界エネルギー量は、燃料の燃焼に供する燃焼管の数に基づいて導出されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の熱源装置。
  15. 燃焼バーナは、火炎を形成可能な燃焼管を複数備えたものであり、遅延判定エネルギー量は、燃料の燃焼に供する燃焼管の数に基づいて導出されることを特徴とする請求項2乃至14のいずれかに記載の熱源装置。
  16. 第二加熱系統が、一次熱交換手段および二次熱交換手段において加熱された湯水が流れる排出配管と、湯水または熱媒体を供給源から第一加熱系統に供給する供給配管とを有し、
    排出配管が、第一バイパス配管および第二バイパス配管によって供給配管とバイパスされており、
    前記第一バイパス配管に湯水または熱媒体の流量を調整する流量調整弁が配されており、
    前記第二バイパス配管に湯水または熱媒体が流れる流路を開閉する流路開閉弁が配されており、
    第二動作モードで動作する場合であって、第一加熱系統に残存している湯水または熱媒体の持つ熱エネルギー量が所定のエネルギー量を超えることを条件として、制御手段が流路開閉弁を開成することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の熱源装置。
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