JP2010144873A - 免震構造体用プラグおよびそのプラグを用いた免震構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と、粉体とを含有するプラグ用組成物から製造されるプラグ材と、そのプラグ材の少なくとも外周面をコーティングする、摩擦係数が該プラグ材より小さいコーティング層とを具えてなる、免震構造体用プラグである。
【選択図】図1
Description
以下に、本発明の免震構造体用プラグを構成するプラグ材の製造に使用されるプラグ用組成物を詳細に説明する。このプラグ用組成物は、エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と、粉体とを含有することを特徴とする。
本発明の免震構造体用プラグを構成するプラグ材は、上述したプラグ用組成物から製造でき、十分な減衰性能、変位追従性等を有する。そして、このプラグ材は、上記プラグ用組成物を用いて、例えば、以下のようにして製造することができる。
本発明の免震構造体用プラグを構成するコーティング層には、モンタンワックスなどの鉱物系蝋、カルナバワックス、ハゼ蝋、ウルシ蝋、サトウキビロウ、パーム蝋などの植物系蝋、蜜蝋(ビーズワックス)、鯨蝋(マッコウクジラ油)、鯨蝋(ツチクジラ油)、イボタ蝋、羊毛蝋などの動物系蝋、パラフィンワックス、脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)系ワックス、硬化ひまし油、ケトン類(ジヘプタデシルケトン等)などの合成ワックス等のワックス、エポキシ皮膜、シリコーン皮膜、NBR皮膜等の塗装皮膜、またはポリオレフィンシート、ウレタンシート、PTFEシート、ナイロンシート等のシート材を用いることができる。
本発明の免震構造体用プラグは、上述したプラグ用組成物から製造されたプラグ材と、該プラグ材をコーティングするコーティング層とを具え、十分な減衰性能、変位追従性等を有する。
本発明の免震構造体は、剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とが交互に積層されてなり、該積層方向に延びる中空部を有する積層体と、該積層体の中空部に設けられたプラグとを具え、該プラグが上述の免震構造体用プラグであることを特徴とし、減衰性能、変位追従性等が高い。以下に、図面を参照しながら本発明の免震構造体を詳細に説明する。
ニーダーを用いて、表1に示す配合処方のエラストマー組成物を調製し、次に、該エラストマー組成物と表1に示す粉体とを所定の体積比(エラストマー組成物:粉体=40:60)で混練してプラグ用組成物を調製した。次に、該プラグ用組成物を温度100℃、圧力1.3 ton/cm2でプレス加工して表1に示す横断面積の円柱状のプラグ材を作製した。そして、そのプラグ材にコーティング材を塗布して表1に示す組成・厚みのコーティング層を設け、直径45mmの免震構造体用プラグを作製した。
ニーダーを用いて、表1に示す配合処方のエラストマー組成物を調製し、次に、該エラストマー組成物と表1に示す粉体とを所定の体積比(エラストマー組成物:粉体=40:60)で混練してプラグ用組成物を調製した。次に、該プラグ用組成物を温度100℃、圧力1.3 ton/cm2でプレス加工して直径45mmの円柱状の免震構造体用プラグを作製した。
中央に円筒状の中空部を有し、外径が225 mmで、剛性を有する剛性板[鉄板]と弾性を有する弾性板[加硫ゴム(G'=0.4 MPa)]とが交互に積層されてなる積層体の中空部に、上記免震構造体用プラグを圧入して、図1に示すような構造の免震構造体を作製した。なお、プラグの体積は、積層体の中空部の体積の1.01倍とした。上記免震構造体用プラグに対して、下記の方法で減衰性能、追従性、圧入し易さ、摩擦係数及びコーティング層の酸素透過率を評価した。結果を表1に示す。
上記免震構造体に対し、動的試験機を用いて鉛直方向に基準面圧をかけた状態で水平方向に加振して規定変位のせん断変形を生じさせた。なお、加振変位は、積層体の総厚さを100%として、歪50〜250%とし、加振周波数は0.33 Hzとし、垂直面圧は10 MPaとした。図2に、水平方向の変形変位(δ)と免震構造体の水平方向荷重(Q)との関係を示す。図2中のヒステリシス曲線で囲まれた領域の面積ΔWが広くなるほど、振動のエネルギーを多く吸収できることを意味する。ここでは、簡便のため、歪200%における切片荷重Qd(変位0における水平荷重値)でプラグの減衰性能を評価した。なお、切片荷重Qdは、ヒステリシス曲線が縦軸と交差する点での荷重Qd1、Qd2を用いて、下記式:
Qd=(Qd1+Qd2)/2
から計算した。Qdが大きくなる程、ヒステリシス曲線で囲まれた領域の面積が広くなり、減衰性能が優れることを示す。
積層体がせん断変形した際に、プラグがその変形に追従できるか否かを評価し、プラグが変形に追従できる場合を○(非常に良好)、追従できるが塑性変形する場合を△(良好)、追従できない場合を×(不良)とした。
免震構造体の作製時に、中空部へのプラグの圧入のし易さを評価し、コーティング層を設けていないプラグ(比較例1)を基準として、より容易に圧入できる場合を○(良好)、同程度の圧入し易さの場合を△(同等)、圧入し難い場合を×(不良)とした。
積層体と免震構造体用プラグとの間の摩擦係数を、下板に免震構造体に用いる積層ゴムと同じゴム板を、上板にコーティング層で被覆した直径25mmのプラグを用い、互いに接触させた後に面圧9.8Nをかけ、速度1cm/secにて摺動させた際の1サイクル目の水平方向の荷重の平均値F(N)から求めた(動摩擦係数μ=F/9.8)。摩擦係数が1以下の場合を○(非常に良好)、1より大きくプラグ材より小さい場合を△(良好)とした。
コーティング層の酸素透過率をJIS K7126に従い測定した。酸素透過率が1.0×10−9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下の場合を○(良好)とした。
*2 ポリブタジエンゴム(低シス), 未加硫, 旭化成製「ジエンNF35R」
*3 カーボンブラック, ISAF, 東海カーボン製「シースト6P」
*4 樹脂, 日本ゼオン製「ゼオファイン」、新日本石油化学製「日石ネオポリマー140」、丸善石油化学製「マルカレッツM−890A」, 「ゼオファイン」:「日石ネオポリマー140」:「マルカレッツM−890A」=40:40:20(質量比)
*5 可塑剤, ジオクチルアジペート(DOA)
*6 その他の配合剤, 亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤[住友化学製「アンステージ6C]、ワックス[新日本石油製「プロトワックス1」], 亜鉛華:ステアリン酸:老化防止剤:ワックス=4:5:3:1(質量比)
*7 鉄粉1, 粒径=40μm, 不定形還元鉄粉
*8 新日本石油製「プロトワックス1」
*9 アルプス化学製「アルボンEX-330A」
*10 日本アチソン製「Emralon8370APA」
*11 LOAD製「HPC-5B」
*12 東レダウコーニング製「SE1980」
*13 エチレンプロピレンシート
2 剛性板
3 弾性板
4 積層体
5 プラグ
6 フランジ
7 積層体被覆材
51 プラグ材
52 コーティング層
61 フランジ板
62 封止板
Claims (7)
- エラストマー成分に補強性充填剤を配合してなるエラストマー組成物と、粉体とを含有するプラグ用組成物から製造されるプラグ材と、
前記プラグ材の少なくとも外周面をコーティングする、摩擦係数が該プラグ材より小さいコーティング層とを具えてなる、免震構造体用プラグ。 - 前記粉体が鉄粉である、請求項1に記載の免震構造体用プラグ。
- 前記摩擦係数が1以下である、請求項1に記載の免震構造体用プラグ。
- 前記プラグ材の横断面積が、前記コーティング層の横断面積の4倍以上、10000倍以下である、請求項1に記載の免震構造体用プラグ。
- 免震構造体用プラグの半径方向における前記コーティング層の厚みが10μm〜10mmである、請求項1に記載の免震構造体用プラグ。
- 前記コーティング層の酸素透過率が1.0×10−9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下である、請求項1または2に記載の免震構造体用プラグ。
- 剛性を有する剛性板と弾性を有する弾性板とが交互に積層されてなり、該積層方向に延びる中空部を有する積層体と、該積層体の中空部に設けられたプラグとを具える免震構造体において、
前記プラグが請求項1〜6の何れかに記載の免震構造体用プラグであることを特徴とする、免震構造体。
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