JP2010144571A - 内燃機関の運転制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンクに収容される燃料中のアルコール濃度に適した形態で内燃機関への燃料供給を行い、無駄なエネルギー損失を低減しつつ、内燃機関の好適な運転を行う。
【解決手段】内燃機関5の燃料供給モードとして、燃料タンク2内の燃料から分離処理によって生成されたアルコールとガソリンとを内燃機関5に供給する分離燃料供給モードと、燃料タンク2内の燃料をそのまま内燃機関5に供給する非分離燃料供給モードとを有する。燃料タンク2内の燃料中のアルコール濃度を計測し、そのアルコール濃度に応じて、分離燃料供給モードと非分離燃料供給モードとのいずれか一方を選択して内燃機関5への燃料供給を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルコールとガソリンとこれらの混合燃料とのうちの任意の燃料を使用して運転を行う内燃機関の運転制御方法に関する。
近年、環境対策のために、燃料として、エタノール等のアルコールとガソリンとを混合させた燃料を使用可能な内燃機関が自動車等の動力源として用いられるようになってきている。そして、この種の内燃機関の運転技術として、例えば特許文献1、2に見られる技術が提案されている。
特許文献1に見られる技術では、アルコール、ガソリン、及びこれらの混合燃料のうちの任意の燃料が燃料タンクに収容されており、この燃料タンク内の燃料を内燃機関に供給することで該内燃機関の運転を行う。この場合、この技術では、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度を検出するようにして、この検出したアルコール濃度に応じて、内燃機関の燃料噴射量や燃焼室内の気体流動を制御する。これにより、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度によらずに、内燃機関の適切な運転を行うことを可能としている。
また、特許文献2に見られる技術では、アルコール(エタノール)とガソリンとの混合燃料を収容した燃料タンクに、内燃機関の排気から凝縮した水分を供給し、これにより燃料タンク内の混合燃料を、アルコールと水との混合液(以下、アルコール水溶液ということがある)と、ガソリンとに分離するようにしている。そして、この技術では、分離したアルコール水溶液と、ガソリンとを、それらの供給量を各別に制御しつつ内燃機関に供給して、該内燃機関の運転を行う。この場合、内燃機関に供給するアルコール水溶液及びガソリンの全体の燃料のオクタン価が、内燃機関の吸気温度や負荷に適したオクタン価になるように、アルコール水溶液及びガソリンのそれぞれの供給量(ひいては、それらの供給量の相互の割合い)が制御される。
特開2008−190478号公報 特開2008−45530号公報
特許文献1に見られる技術では、内燃機関へのアルコール及びガソリンのそれぞれの供給量の割合いは、常に、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度に依存して決まってしまう。すなわち、内燃機関に供給する全燃料中のアルコールの含有割合は、常に、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度と同等になる。このため、内燃機関に供給する全燃料中のアルコール及びガソリンの供給割合を任意の所望の割合いに制御することができない。ひいては、内燃機関の要求負荷や回転数の幅広い運転領域で、ノッキング等の発生を防止しつつ、高効率な運転を行うことが困難である。
一方、特許文献2に見られる技術では、燃料タンク内の燃料から分離させたアルコール(アルコール水溶液)とガソリンとを、それぞれの供給量を各別に制御しつつ内燃機関に供給するので、内燃機関に供給する全燃料中のアルコール及びガソリンの供給割合を任意の所望の割合いに制御することができる。従って、内燃機関の要求負荷や回転数の幅広い運転領域で、ノッキング等の発生を防止しつつ、高効率な運転を行うことが可能である。
しかるに、燃料タンクに補充される燃料中のアルコール濃度は、一律に決まっているわけではない。例えば、米国では、エタノールを10%(体積%)の含有割合でガソリンに添加したE10燃料や、エタノールを85%(体積%)の含有割合でガソリンに添加したE85燃料等、燃料中のアルコール濃度が異なる複数種類の燃料が提供されており、これらのいずれの種類の燃料であっても、燃料タンクに補充され得る。また、アルコールが添加されていない通常のガソリン(レギュラーガソリン等)が燃料タンクに補充される場合もある。
従って、例えば、アルコールが添加されていないガソリンが燃料タンクに補充されたような場合には、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度が0%またはそれに近い濃度となる。そして、このような状態で、燃料タンクに水を供給しても、該燃料タンク内の燃料からアルコールとガソリンとを分離することはできないか、もしくは、その分離により得られるアルコールの量が、ガソリンと併用して内燃機関の運転を行うためには不十分なものとなって、実質的に、ガソリンとアルコールとを各別に内燃機関の供給することができない状況となる。
このため、特許文献2のものでは、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度が0%またはそれに近い濃度となる状況では、実質的にガソリンとアルコールとを各別に内燃機関の供給することができないにも係わらず、無駄に燃料の分離処理を行うこととなり、それに伴う無駄なエネルギー損失が発生するという不都合がある。
また、例えばE85燃料のようにアルコール濃度が高い燃料が燃料タンクに補充された場合には、その燃料をアルコールとガソリンとに分離するために特許文献1の如く該燃料に水を添加するものでは、多量の水を燃料タンク内の燃料に混合させる必要がある。加えて、E85燃料のようにアルコール濃度が高い燃料は、元々、オクタン価が高く、内燃機関のノッキングが発生し難いことから、内燃機関に供給する全燃料中のアルコールの供給割合を、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度から変化させることの利点が乏しい。
このため、特許文献2のものでは、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度が高い場合には、アルコールとガソリンとの分離処理のために多量の水を燃料タンクに供給することによるエネルギー損失が増大化する一方、その分離処理による利点も乏しいという不都合がある。さらに、内燃機関の排気から凝縮される水分だけでは、アルコールとガソリンとを分離させるのに十分な量の水を燃料タンクに供給することが困難となる。このため、アルコールとガソリンとの分離が不十分となり、燃料タンク内の燃料から分離したアルコールと共に内燃機関に供給すべき本来のガソリン(アルコールを含まないガソリン)の代わりに、アルコールを多く含んだガソリンが内燃機関に供給されてしまうという不都合もある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、燃料タンクに収容される燃料中のアルコール濃度に適した形態で内燃機関への燃料供給を行い、無駄なエネルギー損失を低減しつつ、内燃機関の好適な運転を行うことを可能とする内燃機関の運転制御方法を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の運転制御方法は、前記の目的を達成するために、アルコールとガソリンと該アルコール及びガソリンの混合燃料とのうちの任意の燃料を収容する燃料タンクから内燃機関に燃料を供給して、該内燃機関の運転を行う運転制御方法において、前記内燃機関の燃料供給モードとして、前記燃料タンク内の燃料から分離処理によって生成されたアルコールとガソリンとを内燃機関の運転状態に応じて決定される供給割合いで該内燃機関に供給する分離燃料供給モードと、前記燃料タンク内の燃料をそのまま内燃機関に供給する非分離燃料供給モードとを有すると共に、前記燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度を計測する第1ステップと、該第1ステップで計測されたアルコール濃度に応じて、前記分離燃料供給モードと非分離燃料供給モードとのいずれか一方を選択し、その選択した燃料供給モードで内燃機関への燃料供給を行う第2ステップとを備えることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度を計測し、その計測したアルコール濃度に応じて、前記分離燃料供給モードと非分離燃料供給モードとのいずれか一方を選択し、その選択した燃料供給モードで内燃機関への燃料供給を行う。この場合、前記非分離燃料供給モードでは、燃料タンク内の燃料の分離処理が不要となるので、その分離処理に伴うエネルギー損失を低減できる。従って、計測したアルコール濃度が、前記分離処理を必要としないか、もしくは、該分離処理を適切に行うことが困難となる濃度である場合に、非分離燃料供給モードを選択することで、無駄なエネルギー損失を低減できることとなる。
また、前記分離燃料供給モードでは、前記分離処理によって生成されたアルコールとガソリンとを内燃機関の運転状態に応じて決定される供給割合いで該内燃機関に供給することによって、内燃機関に供給されるアルコールとガソリンとの供給割合(アルコールの供給量とガソリンの供給量との相互の割合い)を内燃機関の要求負荷等の運転状態に最適な割合いに設定できる。従って、計測したアルコール濃度が、前記分離処理を効率よく適切に行い得る濃度である場合に、前記分離燃料供給モードを選択することで、内燃機関の好適な運転を行うことが可能となる。
よって、第1発明によれば、燃料タンクに収容される燃料中のアルコール濃度に適した形態で内燃機関への燃料供給を行い、無駄なエネルギー損失を低減しつつ、内燃機関の好適な運転を行うことが可能となる。
かかる第1発明では、より具体的には、前記第2ステップで選択される燃料供給モードは、前記計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲内の濃度である場合には、前記分離燃料供給モードであり、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲を逸脱している場合には、前記非分離燃料供給モードであることが好ましい(第2発明)。
すなわち、前記計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲内の濃度であるという状況は、燃料タンク内の燃料中に含まれるアルコールが、ガソリンに比して多すぎることも少なすぎることもない状況であるから、前記分離処理によって、該燃料をガソリンとアルコールとに無理なく分離することが可能であると共に、その分離によよって、ガソリンとアルコールとを、それらの量の過不足や過剰な不均衡を生じないように得ることが可能な状況である。従って、計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲内の濃度である場合に、前記分離燃料供給モードを選択することで、前記分離処理を適切に行いながら、内燃機関の好適な運転を連続的に行うことが可能となる。
一方、前記計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲から逸脱している状況は、燃料タンク内の燃料中に含まれるアルコールが、ガソリンに比して多すぎたり、あるいは、少なすぎる状況であるから、前記分離処理を行っても、燃料タンク内の燃料によって、ガソリンとアルコールとに分離することが実質的にできないか、あるいは、該分離処理によって、ガソリンとアルコールとを、それらの量の過不足や過剰な不均衡を生じないように得ることができない状況である。従って、計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲から逸脱している場合に、前記非分離燃料供給モードを選択することで、無駄な分離処理を省略し、該分離処理に伴う無駄なエネルギー損失を削減することができる。
さらに、前記第2発明では、前記内燃機関が、圧縮着火方式での運転と火花点火方式での運転とを選択的に行うことが可能な内燃機関である場合には、前記第2ステップでは、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の上限値よりも高い場合には、前記火花点火方式で内燃機関の運転を行い、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲内の濃度である場合には、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行い、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の下限値よりも低い場合には、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行うことが好ましい(第3発明)。
すなわち、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の上限値よりも高い場合には、前記非分離燃料供給モードが選択される一方、燃料タンク内の燃料のアルコール濃度が高いので、該燃料のオクタン価が比較的高いものとなる。このような状況(以下、第1状況という)では、内燃機関の要求負荷が比較的低い領域で圧縮着火方式での内燃機関の運転を行うと、内燃機関に供給される燃料の失火が生じやすい。また、圧縮着火方式での内燃機関の運転では、一般に、内燃機関の要求負荷が比較的高い運転領域では、内燃機関に供給される燃料の着火時期のばらつきが生じやすく、ひいてはノッキングなどが発生しやすい。他方、上記第1状況では、火花点火方式での内燃機関の運転を行うと、内燃機関の要求負荷等の幅広い運転領域で、ノッキングや失火などを生じることなく高効率な内燃機関の運転が可能である。そこで、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の上限値よりも大きい上記第1状況では、前記火花点火方式で内燃機関の運転を行うことが好ましい。なお、この第1状況における火花点火方式での点火時期は、所謂MBT(MBT:Minimum Advance for Best Torque)に制御することが好適である。
また、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲内の濃度である場合には、前記分離燃料供給モードが選択される。このような状況(以下、第2状況という)では、内燃機関に供給するガソリン及びアルコールのそれぞれの供給量を調整し、ひいては、内燃機関に供給する燃料の全体のオクタン価を適宜調整できる。従って、上記第2状況では、例えば、要求負荷が比較的低いものとなる内燃機関の運転時に、窒素酸化物の排出の低減等の排気性能に優れた圧縮着火方式での内燃機関の運転を行い、より要求負荷が高いものとなる内燃機関の運転時に、ノッキングの発生等を防止し得る火花点火方式での内燃機関の運転を行うようにすることが可能となる。そこで、上記第2状況では、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行うことが好ましい。
なお、この第2状況において、圧縮着火方式での内燃機関の運転時には、基本的には、内燃機関の要求負荷が高いほど、内燃機関に供給されるガソリン及びアルコールの全体のオクタン価がより高くなるように、該ガソリン及びアルコールの供給割合を決定することが好ましい。また、火花点火方式での内燃機関の運転時には、基本的には、内燃機関に供給されるガソリン及びアルコールの全体のオクタン価が、火花点火方式での燃料の点火時期を前記MBTに制御した場合に、内燃機関のノッキングが生じない程度に、高めのオクタン価になるように、該ガソリン及びアルコールの供給割合を決定することが好ましい。
また、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の下限値よりも低い場合には、前記非分離燃料供給モードが選択される一方、燃料タンク内の燃料のアルコール濃度が低いので、該燃料のオクタン価が比較的低いものとなる。このような状況(以下、第3状況という)では、前記第2状況の場合と同様に、例えば、要求負荷が比較的低いものとなる内燃機関の運転時に、窒素酸化物の排出の低減等の排気性能に優れた圧縮着火方式での内燃機関の運転を行い、より要求負荷が高いものとなる内燃機関の運転時に、ノッキングの発生等を防止し得る火花点火方式での内燃機関の運転を行うようにすることが可能となる。そこで、上記第3状況では、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行うことが好ましい。
なお、この第3状況では、圧縮着火方式での内燃機関の運転を行わせる該内燃機関の要求負荷の上限は、前記第2状況における圧縮着火方式での内燃機関の運転を行わせる該内燃機関の要求負荷の上限よりも低いことが望ましい。また、第3状況における火花点火方式での内燃機関の運転時には、点火時期を前記MBTに制御した場合にノッキングが発生する恐れがある場合には、該点火時期をMBTよりも遅角側に制御したり、あるいは、内燃機関の実効圧縮比を減少させる制御処理を実行することが望ましい。
以上説明した第1〜第3発明は、特に、前記分離処理が、前記燃料タンク内の燃料に水を混合し、その混合により得られた混合液を、前記アルコールと水とを混合してなるアルコール水溶液と、前記ガソリンとに分離する処理である場合に好適である(第4発明)。
この第4発明によれば、前記非分離燃料供給モードを選択する場合には、燃料タンク内の燃料に水を混合させる処理を停止するだけで容易に前記分離処理が停止させることができる。特に前記第2発明または第3発明と組み合わせた場合には、前記計測されたアルコール濃度が前記範囲の上限値よりも大きい場合に、前記分離処理のための多量の水を確保する必要がなくなる。また、前記分離燃料供給モードでは、前記燃料タンク内の燃料に水を混合するだけで、前記アルコール水溶液とガソリンとをそれらの比重差によって分離できる。従って、前記分離処理を行うための構成要素を含めた燃料供給システムの全体を小型で簡易な構成にすることができる。
なお、第4発明では、前記分離処理は、より具体的には、例えば次のように行うことができる。すなわち、前記燃料タンク内の燃料と、水タンクに貯蔵された水とを、該燃料タンク及び水タンクとは別の分離タンクに供給して混合させる。そして、該分離タンク内で、前記アルコール水溶液とガソリンとをそれらの比重差によって上下に分離させる。この場合、分離タンクの上部からガソリンを内燃機関に供給することができると共に、分離タンクの下部からアルコール水溶液を内燃機関に供給することができる。
また、第4発明では、前記燃料タンク内の燃料のアルコール濃度の前記範囲は、例えば、2〜30体積%であることが好ましい。該アルコール濃度が2体積%よりも低いと、水による分離処理を行っても、僅かなアルコールしか得ることができないので、前記分離燃料供給モードでの燃料供給を連続的に行うことが難しい。また、該アルコール濃度が30体積%よりも高いと、水による分離処理に必要な水の量が多くなり過ぎる。
本発明の一実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態における内燃機関の運転制御システムにおける燃料供給システムの概略構成を示す図、図2は内燃機関の要部構成の概略構成を示す図、図3は本実施形態の運転制御システムの制御処理を説明するための状態遷移図である。
図1を参照して、本実施形態における内燃機関5への燃料供給を行う燃料供給システム1は、アルコールとガソリンと該アルコール及びガソリンの混合燃料とのうちの任意の燃料を収容する燃料タンクであるメインタンク2と、上記混合燃料を組成するアルコール及びガソリンを上下に分離させた状態で収容する分離タンク3と、メインタンク2内の混合燃料を分離させるための水を収容する水タンク4とを備える。この場合、内燃機関5の燃料供給モードとして、分離タンク3内の燃料(ガソリン及びアルコール)を内燃機関5に供給する分離燃料供給モードと、メインタンク2内の燃料を内燃機関5に供給すると非分離燃料供給モードとを有する。なお、上記アルコールは、本実施形態ではエタノールである。以降の説明では、メインタンク2に収容されるエタノール、ガソリン、及びこれらの混合燃料を総称的にメイン燃料という。
内燃機関5は、HCCI方式(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)と言われる予混合圧縮着火方式での運転(以下、HCCI運転という)と、SI方式(SI:Spark Ignition)と言われる火花点火方式での運転(以下、SI運転という)とが可能な機関である。本実施形態では、この内燃機関5は、複数気筒(例えば4気筒)を有する機関であり、図示しない車両の推進力発生源として該車両に搭載される。以下に、この内燃機関5の概略構成(より詳しくは吸排気系を含めた内燃機関5の概略構成)を図2を参照して説明しておく。なお、図2では、内燃機関5の1気筒分の概略構成だけを代表的に図示している。
内燃機関5の各気筒41は、シリンダブロックおよびシリンダヘッドなどから構成される機関基体42内に形成されている。各気筒41には、その軸心方向に往復動自在なピストン43が収容され、このピストン43の上側(シリンダヘッド側)の空間が燃焼室44として形成されている。各ピストン43は、コンロッド45を介して内燃機関5の出力軸であるクランク軸46に連結され、各気筒41のピストン43の往復動に伴いクランク軸46が回転する。
各気筒41の燃焼室44は、吸気バルブ47により開閉される吸気ポート48を介して吸気マニホールド49に連通していると共に、排気バルブ50により開閉される排気ポート51を介して排気マニホールド52に連通している。吸気バルブ47および排気バルブ50は、クランク軸46の回転に連動するカムシャフトを有するバルブ駆動機構(図示省略)を介して開閉駆動される。なお、吸気バルブ47及び排気バルブ50は電動式のバルブであってもよい。
各気筒41に対応する吸気マニホールド49は、全ての気筒41について共通の吸気路53に合流している。そして、この吸気路53には、電動式のスロットル弁54が設けられ、このスロットル弁54の開度を制御することによって、各気筒41の吸気量(空気供給量)が操作されるようになっている。
各気筒41に対応する排気マニホールド52は、全ての気筒41について共通の排気路55に合流しており、各気筒41で生成される排ガスは、該排気路55に設けられた浄化触媒(図示省略)を介して排出されるようになっている。
また、内燃機関5には、各気筒41毎に、2つの燃料噴射弁6,7が備えられている。本実施形態では、これら燃料噴射弁6,7のうちの一方、例えば燃料噴射弁6は、ポート噴射型のものであり、各気筒41に対応する吸気ポート48に向かって燃料を噴射するように、吸気マニホールド49に装着されている。また、他方の燃料噴射弁7は、直噴型のものであり、各気筒41の燃焼室44に直接的に燃料を噴射するように、機関基体42(シリンダヘッドの部分)に装着されている。
これらの燃料噴射弁6,7は、後述するECU23によって、それぞれの噴射時間と開弁タイミングとを制御可能であり、その制御によって、各気筒41に対する燃料の供給量(1燃焼サイクル当たりの供給量)と、該燃料の供給タイミングとが制御される。
また、これらの燃料噴射弁6,7のうちの一方、例えば燃料噴射弁6は、前記分離燃料供給モードにおいて、ガソリンを噴射するために用いる噴射弁であり、他方の燃料噴射弁7は、前記分離燃料供給モードにおいて、エタノールを噴射するために用いる噴射弁である。さらに、燃料噴射弁6,7のうちの一方、例えば、燃料噴射弁6は、前記非分離燃料供給モードにおいては、メインタンク2内のメイン燃料を噴射するために用いる噴射弁である。従って、燃料噴射弁6は、分離燃料供給モードと、非分離燃料供給モードとで共用する噴射弁となっている。この場合、燃料噴射弁7は、非分離燃料供給モードでは使用されない。
なお、燃料噴射弁6,7の両方をポート噴射型のものとしてもよい。また、燃料噴射弁6の代わりに、燃料噴射弁7を分離燃料供給モードと、非分離燃料供給モードとで共用する噴射弁としてもよい。
また、内燃機関5は、各気筒41毎に点火プラグ56を備えている。この点火プラグ56は、その電極を燃焼室44に臨ませて、機関基体42(シリンダヘッドの部分)に装着されている。
また、内燃機関5には、上記した構成のほか、クランク軸46の回転角度を検出するクランク角センサ57、内燃機関5の吸気圧(絶対圧)を検出する吸気圧センサ58、各気筒41の燃焼室44での混合気の燃焼時に流れるイオン電流を検出するイオン電流センサ59、各気筒41で燃焼した混合気の空燃比を検出する空燃比センサ60等のセンサが備えられ、これらのセンサの出力が後述するECU23に入力されるようになっている。
この場合、クランク角センサ57は、クランク軸46が所定角度、回転する毎に、パルス信号を制御装置2に出力するセンサである。そして、その出力は、クランク軸46の回転角度を検出する把握するために利用されるほか、クランク軸46の回転速度(すなわち内燃機関5の回転数)を把握するために利用される。
また、吸気圧センサ58は、前記スロットル弁54の下流側(前記吸気マニホールド49の合流箇所の近傍)で吸気路53に装着されており、その箇所での吸気路53内の圧力(絶対圧)を内燃機関5の吸気圧として検出する。
また、空燃比センサ60は、内燃機関5の各気筒41毎の排気マニホールド52の集合箇所の近傍で前記排気路55に装着され、排気中の酸素濃度によって表される空燃比を検出する。
また、前記イオン電流センサ59は、上記イオン電流を流す導電性のプローブ59aと、該プローブ59aに流れるイオン電流を電圧信号に変換する信号生成部59bとから構成される。本実施形態では、プローブ59は、機関基体42と電気的に絶縁した状態で点火プラグ36と一体に設けられている。
以上のように構成されている内燃機関5では、前記HCCI運転においては、各気筒41の各燃焼サイクルの所要のタイミングで、該気筒41に対応する燃料噴射弁6,7の一方又は両方から各気筒41の燃焼室44に燃料が供給される。そして、その供給された燃料と該気筒41の吸気行程で燃焼室44内に充填される空気との混合気が該気筒44の圧縮行程で圧縮される。その圧縮により、該混合気が高温になって燃料の自着火燃焼が行なわれる。なお、このHCCI運転では、各気筒44の混合気の空燃比は、理論空燃比よりもリーンとなる空燃比である。
また、前記SI運転においては、上記と同様に各気筒41の燃焼室44内の混合気が該気筒41の圧縮行程で圧縮される。そして、その圧縮された混合気の燃料が、点火プラグ56から発せられる点火火花によって、着火燃焼する。なお、このSI運転では、各気筒41の混合気の空燃比は、理論空燃比近傍の空燃比である。
図1に戻って、メインタンク2には、該メインタンク2内のメイン燃料を加圧して分離タンク3又は燃料噴射弁6に供給するフィードポンプ8が付設されている。このフィードポンプ8は、その吸入口がメインタンク2内に開通し、吐出口が分離タンク3に第1燃料供給路9を介して接続されている。さらに、フィードポンプ8の吐出口は、第1燃料供給路9の途中から分流された第2燃料供給路10から切換弁11及び第3燃料供給路12を介して前記燃料噴射弁6に接続されている。この場合、切換弁11は、2つの入り口ポート11a,11bと1つの出口ポート11cとを有し、その出口ポート11cと入り口ポート11aとの間を連通させると共に出口ポート11cと入り口ポート11bとの間を遮断する動作状態と、出口ポート11cと入り口ポート11bとの間を連通させると共に出口ポート11cと入り口ポート11aとの間を遮断する動作状態とに選択的に切換自在な弁である。そして、切換弁11の入り口ポート11a,11bのうちの一方の入り口ポート11aが第2燃料供給路10に接続され、出口ポート11cが第3燃料供給路12を介して燃料噴射弁6に接続されている。
上記の如く分離タンク3と燃料噴射弁6とに接続されたフィードポンプ8は、その吸入口から吸入したメインタンク2内の燃料(アルコール又はガソリンまたはこれらの混合燃料。以下、これらを総称的にメイン燃料という)を所定の圧力に加圧し、その加圧したメイン燃料を吐出口から吐出する。このとき、フィードポンプ8から吐出されたメイン燃料は、切換弁11を、その出口ポート11cと入り口ポート11aとの間を遮断する動作状態に動作させた場合には、第1燃料供給路9を介して分離タンク3に供給される。また、切換弁11を、その出口ポート11cと入り口ポート11aとの間を連通させる動作状態に動作させた場合には、フィードポンプ8から吐出されたメイン燃料は、第2燃料供給路10、切換弁11及び第3燃料供給路12を介して燃料噴射弁6に供給されることとなる。詳細は後述するが、本実施形態では、メインタンク2から分離タンク3に供給されるメイン燃料は、基本的には混合燃料である。また、メインタンク2から燃料噴射弁6に供給されるメイン燃料は、その燃料中のアルコール濃度が比較的低い燃料か、もしくは該アルコール濃度が比較的高い燃料である。
水タンク4には、該水タンク4内の水を加圧して分離タンク3に供給するフィードポンプ13が付設されている。このフィードポンプ13は、その吸入口が水タンク4内に開通し、吐出口が分離タンク3に水供給路14を介して接続されている。この場合、水供給路14には、流量制御弁15が介装され、この流量制御弁15の開度を制御することで、分離タンク3に供給する水の量を調整することが可能となっている。
このように分離タンク3に接続されたフィードポンプ13は、その吸入口から吸入した水を、分離タンク3内の圧力(前記フィードポンプ7の吐出圧)よりも若干高い圧力に加圧し、その加圧した水を吐出口から吐出する。このとき、フィードポンプ13から吐出された水は、水供給路14を介して分離タンク3に供給される。
分離タンク3は、その内部空間の上部側にガソリンを収容すると共に、下部側にエタノールと水との混合液(以下、エタノール水溶液という)を収容するタンクである。
ここで、本実施形態では、分離タンク3にメインタンク2から供給されるメイン燃料(ここでは混合燃料)と、水タンク4から供給される水とは、図示を省略する撹拌機によって一旦、攪拌されて、混合されるようになっている。この場合、その混合液(エタノールとガソリンと水との混合液)のうちのエタノールはガソリンに比べて親水性が高いので、水と容易に混合する。また、ガソリンの比重は、エタノールおよび水の比重よりも小さい。このため、分離タンク3内で攪拌された混合液のうち、エタノールと水との混合液であるエタノール水溶液と、ガソリンとが、分離タンク3内で自然に分離し、該分離タンク3の内部空間の上部側と下部側とにそれぞれガソリン、エタノール水溶液が溜まることとなる。この場合、ガソリンとエタノール水溶液とは、エタノール水溶液の上端面を界面として互いに接した状態で分離タンク3内に収容される。これにより、分離タンク3内でのガソリンとエタノール水溶液との分離および収容がなされることとなる。そして、本実施形態では、分離タンク3の内部空間が、分離したガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯になると共に、これらの液体が前記フィードポンプ8の吐出圧とほぼ同程度の圧力に加圧された状態に保たれる。
このようにガソリンとエタノール水溶液とを分離させて収容する分離タンク3の内部空間のうち、ガソリンが溜まる上部側の空間は、該分離タンク3の上部から導出された第4燃料供給路16と、前記切換弁11及び第3燃料供給路12とを介して前記燃料噴射弁6に接続されている。この場合、第4燃料供給路16は、切換弁11の2つの入り口ポート11a,11bのうちの入り口ポート11bに接続されている。
従って、切換弁11を、その出口ポート11cと入り口ポート11bとの間を連通させる動作状態に動作させた場合には、分離タンク3内の加圧されたガソリンが第4燃料供給路16、切換弁11及び第3燃料供給路12を介して燃料噴射弁6に供給されることとなる。なお、以降の説明では、切換弁11の動作状態のうち、その出口ポート11cと入り口ポート11aとの間を連通させる動作状態(第3燃料供給路12と第2燃料供給路10との間を連通させる動作状態)をメイン側動作状態、出口ポート11cと入り口ポート11bとの間を連通させる動作状態(第3燃料供給路12と第4燃料供給路16との間を連通させる動作状態)を分離側動作状態という。
また、分離タンク3の内部空間のうち、エタノール水溶液が溜まる下部側の空間は、該分離タンク3の下部から導出された第5燃料供給路17を介して前記燃料噴射弁7に接続されている。これにより、分離タンク3内の加圧されたエタノール水溶液が第5燃料供給路17を介して燃料噴射弁7に供給されることとなる。
さらに、分離タンク3の内部空間のうち、ガソリンが溜まる上部側の空間は、前記第4燃料供給路16とは別に該分離タンク3の上部から導出されたガソリン戻し通路18を介して前記メインタンク2に接続されている。そして、このガソリン戻し通路18には、流量制御弁19が介装されている。この場合、流量制御弁19を開弁することで、分離タンク3の内部空間の上部の加圧されたガソリンを、ガソリン戻し通路18を介してメインタンク2に戻すことが可能となっている。
本実施形態における燃料供給システム1は、さらに、メインタンク2内のメイン燃料中のエタノールの含有割合(エタノール濃度)に応じた出力を発生する第1エタノール濃度センサ20と、分離タンク3内のエタノール水溶液とガソリンとの界面の高さに応じた出力を発生するフロートセンサ21と、分離タンク3から燃料噴射弁7に供給されるエタノール水溶液中のエタノール濃度に応じた出力を発生する第2エタノール濃度センサ22と、前記燃料噴射弁6,7の動作制御等の内燃機関5の運転制御を行う制御ユニット23(以下、ECU23という)とを備える。
第1エタノール濃度センサ20は、メインタンク2内に配置され、第2エタノール濃度センサ22は、前記第5燃料供給路17の途中に介装されている。これらのエタノール濃度センサ20,22はエタノールに反応する濃度センサである。
以降の説明では、これらのエタノール濃度センサ20,22がそれぞれ検出するエタノール濃度を区別するため、第1エタノール濃度センサ20の出力が示すエタノール濃度をエタノール含有割合、第2エタノール濃度センサ22の出力が示すエタノール濃度をエタノール水溶液濃度ということがある。
なお、メインタンク2内のメイン燃料中のエタノール含有割合をEt_r[%]としたとき、ガソリンの含有割合(ガソリン濃度)は100−Et_r[%]となる。このため、メインタンク2内のメイン燃料中のエタノール含有割合と、ガソリン含有割合とは、その一方を計測すれば、他方も間接的に計測されることとなる。従って、第1エタノール濃度センサ20の代わりに、ガソリン濃度を検出し得る濃度センサをメインタンク2内に配置してもよい。
補足すると、本実施形態では、第1エタノール濃度センサ20で検出するエタノール含有割合Et_rが本発明における第1ステップで計測するアルコール濃度に相当する。また、上記の如く、ガソリン濃度を検出する濃度センサをメインタンク2内に配置した場合には、その濃度センサによって間接的に、メインタンク内のメイン燃料中のエタノール濃度(アルコール濃度)が計測されることとなる。
フロートセンサ21は、分離タンク3内に上下方向に延在して設けられたガイドロッド23に嵌合され、該ガイドロッド23に沿って上下方向に移動自在とされている。このフロートセンサ21は、ガソリンの比重よりも大きく、且つ、エタノール水溶液の比重よりも小さい比重を有する。このため、該フロートセンサ21は、ガソリンとエタノール水溶液との界面の位置で浮遊し、該界面の上下動に伴い上下動するようになっている。そして、該フロートセンサ21は、該ガイドロッド23に対する上下方向の相対的な位置に応じた出力を発生する。従って、該フロートセンサ21の出力は、分離タンク3内の界面の高さ(以降、界面高さH_FLという)に応じた出力となる。
ここで、本実施形態では、分離タンク3の内部空間は、前記したようにガソリンおよびエタノール水溶液によって常時、満杯とされるので、分離タンク3内のガソリンの残量とエタノール水溶液の残量との総和は、分離タンク3の内部空間の容積に等しく、一定値となる。また、分離タンク3の横断面積(上方から見た断面積)は、上下方向でほぼ一定とされている。このため、前記フロートセンサ15の出力は、分離タンク3内の界面高さH_FLに応じた出力としての意味を持つだけでなく、分離タンク3におけるガソリンおよびエタノール水溶液のそれぞれの残量に応じた出力としての意味を持つ。
ECU23は、図示しないCPU、RAM、ROMを含む電子回路ユニットであり、上記の各センサ20〜22の出力が入力されると共に、前記したセンサ57〜60等の各種のセンサから、内燃機関5の運転状態に関する検出データが入力される。そして、該ECU23は、これらの入力データや、あらかじめ記憶保持したマップデータなどを基に、所定の制御処理を実行することで、内燃機関5の各気筒41毎の燃料噴射弁6,7や点火プラグ56などの動作を制御し、ひいては内燃機関5の運転を制御する。
以下に、このECU23による内燃機関5の運転制御処理を図3を参照して具体的に説明する。図3は運転制御の状態遷移を示す図である。
内燃機関5の始動直後の初期状態(S10)において、ECU23は、第1エタノール濃度センサ16の出力を取得し、その出力が示すメインタンク2内のメイン燃料中のエタノール含有割合Et_r[%]と、あらかじめ設定された2種類の所定値Et_r(1),Et_r(2)(Et_r(1)<Et_r(2))との大小関係を判断する。具体的には、ECU23は、第1エタノール濃度センサ16により計測されたエタノール含有割合Et_r[%]が、Et_r<Et_r(1)、Et_r(1)≦Et_r≦Et_r(2)、Et_r>Et_r(2)のいずれの範囲内にあるかを判断する。なお、所定値Et_r(1),Et_r(2)はそれぞれ例えば2%、30%である。
この判断結果が、Et_r(1)≦Et_r≦Et_r(2)である場合には、ECU23による運転制御の状態は、S11の状態(以下、第1運転制御状態という)に移る。ここで、Et_r(1)≦Et_r≦Et_r(2)となる状況は、メインタンク2内のメイン燃料に水を添加することによるエタノールとガソリンとの分離を、多量の水を必要とすることなく、効率よく行うことができると共に、その分離によって得られるガソリン及びエタノール水溶液の量を、短時間で過不足が発生してしまうのを抑制することができる程度に十分な量に確保し得る状況である。換言すれば、エタノールとガソリンとの分離を効率よく行いながら、その分離されたエタノールとガソリンとをそれぞれ所要の供給量で内燃機関4の各気筒41に継続的に供給し得る状況である。
そこで、この第1運転制御状態S11の状態では、ECU23は、燃料供給モードとして分離燃料モードを選択し、その分離燃料モードで燃料供給システム1を動作させつつ内燃機関5の運転制御を行う。この場合、ECU23は、内燃機関5の要求負荷に応じて(より詳しくは内燃機関5の要求負荷と回転数とに応じて)、前記SI運転及びHCCI運転のいずれかの運転形態で内燃機関5を運転させる。
また、S10での判断結果が、Et_r>Et_r(2)である場合には、ECU23による運転制御の状態は、S12の状態(以下、第2運転制御状態という)に移る。ここで、Et_r>Et_r(2)となる状況は、メインタンク2内のメイン燃料中のエタノール含有割合が高く、該メイン燃料中のエタノールをガソリンから十分に分離するためには、多量の水を必要としてしまう状況である。また、この状況では、メイン燃料のオクタン価が比較的高いために、該メイン燃料をそのまま内燃機関5の各気筒41に供給して燃焼させても、ノッキングを発生させることなく該内燃機関5を高効率で運転させることが可能である。そこで、この第2運転制御状態では、ECU23は、燃料供給モードとして非分離燃料モードを選択し、その非分離燃料モードで燃料供給システム1を動作させつつ内燃機関5の運転制御を行う。この場合、ECU23は、前記SI運転及びHCCI運転のうちの前記SI運転の運転形態で内燃機関5を運転させる。
また、S10の判断結果が、Et_r<Et_r(1)である場合には、ECU23による運転制御の状態は、S13の状態(以下、第3運転制御状態という)に移る。ここで、Et_r<Et_r(1)となる状況は、メインタンク2内のメイン燃料中のエタノール含有割合が低すぎて、該メイン燃料をガソリンとエタノールとに分離しても、十分な量のエタノール水溶液を得ることができない状況である。このような状況では、所要量のエタノール水溶液を内燃機関5の各気筒41に供給しようとしても、短時間で該エタノール水溶液が不足してしまい、実用性に乏しいものとなる。そこで、この第3運転制御状態では、ECU23は、燃料供給モードとして非分離燃料モードを選択し、その非分離燃料モードで燃料供給システム1を動作させつつ内燃機関5の運転制御を行う。この場合、ECU23は、内燃機関5の要求負荷に応じて(より詳しくは内燃機関5の要求負荷と回転数とに応じて)、前記SI運転及びHCCI運転のいずれかの運転形態で内燃機関5を運転させる。
さらに、ECU23は、上記第1運転制御状態、第2運転制御状態及び第3運転制御状態のそれぞれにおいて、S10と同様にエタノール含有割合Et_rを監視する。そして、第1運転制御状態においてEt_r<Et_r(1)になった場合、あるいは、Et_r>Et_r(2)になった場合には、ECU23による運転制御の状態は、それぞれ、第3運転制御状態、第2運転制御状態に移行する。
また、第2運転制御状態において、Et_rがEt_r(1)よりも若干大きい値Et_r(1)+h(h:正の所定値)以上の値になった場合(Et_r≧Et_r(1)+hになった場合)には、ECU23による運転制御の状態は、第1運転制御状態に移行する。
また、第3運転制御状態において、Et_rがEt_r(2)よりも若干小さい値Et_r(2)−h以下の値になった場合(Et_r≦Et_r(2)−hになった場合)には、ECU23による運転制御の状態は、第1運転制御状態に移行する。
このように、エタノール含有割合Et_rに応じてECU23による運転制御の状態が遷移する。そして、この場合、第1運転制御状態と第2運転制御状態との間の遷移、並びに、第1運転制御状態と第3運転制御状態との間の遷移においては、ヒステリシス特性を有し、これらの遷移が頻繁に生じることがないようになっている。
以下に、前記第1〜第3運転制御状態でのECU23の制御処理をより具体的に説明する。
[第1運転制御状態]
第1運転制御状態では、ECU23は、燃料供給システム1を次のように制御する。すなわち、切換弁11を前記分離側動作状態に動作させ、分離タンク3内のガソリンとエタノール水溶液とをそれぞれ燃料噴射弁6,7に供給し得る状態にする。
また、ECU23は、フィードポンプ8,13の運転を行いつつ、第2エタノール濃度センサ22の出力が示すエタノール水溶液濃度が一定値に保たれるように水供給路14の流量制御弁15の開度を制御する。この場合、フィードポンプ8によってメインタンク2から分離タンク3に供給されるメイン燃料(ここでは混合燃料)に含まれるエタノールの全量をガソリンから分離するのに必要十分な量の水が水タンク5から分離タンク3に供給される。ただし、フロートセンサ21の出力が示す界面高さH_FLが所定値よりも高く、分離タンク3内のガソリンが不足気味(分離タンク3内のエタノール水溶液が過剰気味)である場合には、流量制御弁15の開度を減少方向に修正することで、ガソリンから分離させるエタノールの量を減らすようにしてもよい。このようにすると、燃料噴射弁6に供給すべき、分離タンク3内のガソリン(上側の液層)が過剰に少なくなるのを防止することができる。
また、ECU23は、フロートセンサ21の出力が示す界面高さH_FLが所定値よりも低く、分離タンク3内のエタノール水溶液が不足気味(分離タンク3内のガソリンが過剰気味)である場合には、ガソリン戻し通路18の流量制御弁19を開弁する。これにより、分離タンク3内のガソリンの一部がガソリン戻し通路18を介してメインタンク2に戻され、分離タンク3内のガソリン及びエタノール水溶液のそれぞれの残量が不均衡になるのが防止される。
第1運転制御状態では、上記の如く燃料供給システム1を制御した状態で、ECU23は、内燃機関5の要求負荷に応じて(より詳しくは内燃機関5の要求負荷と回転数とに応じて)、内燃機関5を前記SI運転及びHCCI運転のいずれかの運転形態で該内燃機関5を運転させる。
より具体的には、ECU23は、例えば内燃機関5を搭載した車両のアクセルペダル(図示しない)の踏み込み量に応じて、あるいは、該踏み込み量と車速とに応じて内燃機関4の出力トルクの目標値(目標トルク)を決定し、この目標トルクを内燃機関5の要求負荷を表す指標値として用いる。なお、目標トルクの代わりに、例えば各気筒41の図示平均有効圧力(IMEP)の目標値を決定するようにして、この目標IMEPを内燃機関5の要求負荷を表す指標値として用いるようにしてもよい。
そして、ECU23は、上記の如く決定した目標トルクと、クランク角度センサ57の出力から把握される内燃機関5の回転数(以下、単に回転数検出値という)とから、あらかじめ設定されたマップに基づいて、SI運転及びHCCI運転のいずれかを選択する。この場合、図3中に示す如く、基本的には、内燃機関5の要求負荷が比較的低い領域ではHCCI運転が選択され、内燃機関5の要求負荷が比較的高い領域でSI運転が選択される。すなわち、内燃機関5の要求負荷が比較的低い領域では、窒素酸化物NOxの排出を低減する効果の高いHCCI運転を採用し、内燃機関5の要求負荷が比較的高い領域では、ノッキングの発生を防止するために、燃料の燃焼を制御し易いSI運転を採用する。
第1運転制御状態でのHCCI運転においては、ECU23は、次のように、燃料噴射弁6,7を制御する。
すなわち、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップに基づいて、内燃機関5の各気筒41に対するガソリン及びエタノール水溶液のそれぞれの供給量(1燃焼サイクル当たりの供給量)の基本値を規定する操作量(制御入力)、例えば燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値(フィードフォワード値)を決定する。これらの目標噴射時間の基本値を決定するためのHCCI運転用のマップは、その基本値により規定される供給量のガソリン及びエタノール水溶液を内燃機関5の各気筒41に供給した場合に、ノッキングや失火を発生させずに、高効率で内燃機関5の定常運転(HCCI方式での定常運転)を行うことができるように設定されている。この場合、内燃機関5の要求負荷が高いほど、ノッキングが発生し易くなるので、各気筒41に供給する燃料全体のオクタン価が高めになる(各気筒41に供給するガソリン及びエタノール水溶液の全量に対するエタノール水溶液の供給量の割合いを相対的に多めにする)ように、上記目標噴射時間の基本値を決定することが望ましい。また、内燃機関5の要求負荷が低いほど、各気筒41に供給される燃料の自己着火が生じ難くなるので、各気筒41に供給する燃料全体のオクタン価が低めになる(各気筒41に供給するガソリン及びエタノール水溶液の全量に対するガソリンの供給量の割合いを相対的に多めにする)ことが望ましい。
さらに、ECU23は、燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値に、各気筒41における燃料の実際の燃焼時期の適正化や、過渡期における燃焼状態の適正化等を目的とする補正処理を施すことによって、燃料噴射弁6,7のそれぞれの最終的な目標噴射時間を決定する。
例えば、前記イオン電流センサ59の出力の時系列から把握される各気筒41における燃料の実際の燃焼時期(例えばイオン電流がピーク値となるタイミング)を、適切な目標燃焼時期に一致させるためのフィードバック操作量を求め、そのフィードバック操作量により目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。この場合、目標燃焼時期は、例えば目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップに基づいて決定される。
また、例えばSI運転からHCCI運転への移行直後の過渡的においては、気筒41の壁面温度が、定常的なHCCI運転を行っている状況よりも高温になっている可能性があることから、その移行直後の所定期間において燃料噴射弁6,7の両方もしくは一方の目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。この場合、この補正処理では、基本的には、エタノール及びガソリンのうちの、オクタン価がより低いガソリンの供給量が、オクタン価がより高いエタノールの供給量に対して相対的に減少するように、燃料噴射弁6,7の両方もしくは一方の目標噴射時間の基本値を補正する。
なお、これらの各補正処理は、その補正後の燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間により規定されるガソリンの供給量とエタノール水溶液の供給量との総和の燃料の総発熱量(各気筒41に供給しようとする燃料全体の総発熱量)が、燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値により規定されるガソリンの供給量とエタノール水溶液の供給量との総和の燃料の総発熱量と同等になるように行うことが好ましい。
また、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6,7によるそれぞれの燃料噴射タイミング(燃料噴射弁6,7の開弁開始タイミング)を決定する。
そして、ECU23は、上記の如く決定した目標噴射時間と燃料噴射タイミングとに従って燃料噴射弁6,7を開弁制御する。
これにより、内燃機関5の各気筒41において、燃料噴射弁6,7から内燃機関5のHCCI運転に適した供給量(噴射量)のガソリンとエタノールとが供給され、これらのガソリン及びエタノールの混合燃料が、HCCI方式で燃焼する。
なお、第1運転制御状態におけるHCCI運転では、ECU23は、前記スロットル弁54の開度を次のように制御する。すなわち、ECU23は、吸気圧センサ58により検出される吸気圧が、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップに基づいて決定される目標吸気圧に一致させるようにスロット弁54の開度を制御する。
一方、第1運転制御状態でのSI運転においては、ECU23は、次のように、燃料噴射弁6,7と点火プラグ56とを制御する。
すなわち、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値(フィードフォワード値)を決定する。これらの目標噴射時間の基本値を決定するためのSI運転用のマップは、その基本値により規定される量のガソリン及びエタノール水溶液を内燃機関5の各気筒41の燃焼室44に供給し、且つ、各気筒41での燃料の点火時期(点火プラグ56による火花放電の発生時期)を所謂MBT(MBT:Minimum Advance for Best Torque)に制御した場合に、ノッキング等を発生させずに内燃機関5の定常運転(SI方式での定常運転)を行うことができるように設定されている。
この場合、第1運転制御状態では、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値により規定されるガソリンの供給量と燃料噴射弁7の目標噴射時間の基本値により規定されるエタノール水溶液の供給量とをそれぞれ各別に調整でき、ひいては、内燃機関5の各気筒41に供給するガソリン及びエタノールの全体の燃料のオクタン価を調整できる。そのため、内燃機関5の要求負荷が高負荷であっても、各気筒41に供給するガソリン及びエタノールの全体の燃料のオクタン価が比較的高くなるように燃料噴射弁6,7の目標噴射時間の基本値を設定する(ガソリン及びエタノールのトータルの供給量に対するエタノールの供給量の割合いを相対的に多くする)ことで、点火時期をMBTに制御しつつ、内燃機関5のノッキングの発生を防止することが可能である。
さらに、ECU23は、燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値に、空燃比の適正化や過渡期における燃焼状態の適正化等を目的とする補正処理を施すことによって、燃料噴射弁6,7のそれぞれの最終的な目標噴射時間を決定する。
例えば、前記空燃比センサ60で検出された空燃比を、図示しない触媒装置の最適な排気浄化性能を得るための目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致させるためのフィードバック操作量を求め、そのフィードバック操作量により目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。
また、例えば単位時間当たりの目標トルクの変化量が比較的大きなものとなる過渡期において、内燃機関5の実際の出力トルクが目標トルクに対して遅れるのを防止するために、該目標トルクの変化量に応じて目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。
また、ECU23は、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6,7によるそれぞれの燃料噴射タイミング(燃料噴射弁6,7の開弁タイミング)を決定する。
そして、ECU23は、上記の如く決定した燃料噴射弁6,7の目標噴射時間と燃料噴射タイミングとに従ってそれらの燃料噴射弁6,7を開弁制御する。
これにより、内燃機関5の各気筒41において、燃料噴射弁6,7から内燃機関5のSI運転に適した量のガソリンとエタノールとが供給される。
さらに第1運転制御状態でのSI運転においては、ECU23は、次のように点火プラグ56による点火時期を制御する。すなわち、ECU23は、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて目標とする点火時期を決定する。この場合、該点火時期は、前記MBTに設定される。なお、HCCI運転からSI運転への移行直後では、各気筒41における混合気の空燃比がリッチ側に偏って内燃機関5の出力トルクが目標トルクよりも大きくなりやすい。そこで、HCCI運転からSI運転への移行直後の所定期間では、点火時期をMBTから遅角側に補正するようにしてもよい。
ECU23は、上記の如く決定した点火時期に従って点火プラグ56を動作させ、火花放電を発生させる。これにより、各気筒41で燃料噴射弁6,7から供給されたガソリン及びエタノールの混合燃料が、SI方式で燃焼する。この場合、点火時期は、基本的にはMBTに制御されるので、効率よく内燃機関5のSI運転を行うことができる。
なお、SI運転では、ECU23は、前記スロットル弁54の開度をHCCI運転の場合と同様に制御する。すなわち、ECU23は、吸気圧センサ58により検出される吸気圧が、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて決定される目標吸気圧に一致させるようにスロット弁54の開度を制御する。
以上のように第1運転制御状態では、内燃機関5の要求負荷が低負荷となる運転領域では、HCCI運転での内燃機関5の運転を行うことで、窒素酸化物NOxの排出を少なくしながら、効率よく内燃機関5の運転を行うことができる。そして、この場合、内燃機関5の要求負荷に応じて内燃機関5の各気筒41に対するガソリン及びエタノールのそれぞれの供給量(ひいては、それらの供給割合)が調整されるので、ノッキングや失火を発生させずに内燃機関5のHCCI運転を行うことができる。
また、内燃機関5の要求負荷が高負荷となる運転領域では、SI運転での内燃機関5の運転を行うことで、ノッキングを発生させることなく内燃機関5の運転を行うことができる。特に、この場合、内燃機関5の要求負荷に応じて内燃機関5の各気筒41に対するガソリン及びエタノールのそれぞれの供給量(ひいては、それらの供給割合)を調整することによって、点火時期をMBTに制御しつつ、ノッキングの発生を防止できる。従って、内燃機関5を高効率で運転させることができる。
補足すると、第1運転制御状態におけるHCCI運転やSI運転において、前記界面高さH_FLやメインタンク2内のエタノール含有割合Et_rに応じて燃料噴射弁6,7の燃料噴射時間を調整することで、分離タンク3内のガソリンの残量とエタノール水溶液の残量とが過度に不均衡になるのを防止するようにしてもよい。
[第2運転制御状態]
次に、第2運転制御状態を説明する。第2運転制御状態では、ECU23は、燃料供給システム1を次のように制御する。すなわち、切換弁11を前記メイン側動作状態に動作させ、メインタンク3内のメイン燃料を燃料噴射弁6に供給し得る状態にする。なお、第2運転制御状態では、燃料噴射弁7は閉弁状態に保たれる。
また、ECU23は、水供給路14の流量制御弁15を閉弁状態に保持し、水タンク5から分離タンク3への水の供給を停止する。なお、エネルギー損失をできるだけ少なくする上で、流量制御弁15を閉弁状態に保持すると共に、フィードポンプ13の運転を停止させることが好ましい。また、フィードポンプ8は、稼動状態に保たれる。
第2運転制御状態では、上記の如く燃料供給システム1を制御した状態で、ECU23は、内燃機関5を前記SI運転及びHCCI運転のうちのSI運転の運転形態で該内燃機関5を運転させる。すなわち、第2運転制御状態では、内燃機関5に供給するメイン燃料中のエタノール含有割合が高いために、該メイン燃料のオクタン価が高い。このため、内燃機関5の要求負荷が比較的低い領域では、このようなメイン燃料を使用して、内燃機関5のHCCI運転を行うと該メイン燃料の失火が発生しやすい。また、内燃機関5の要求負荷が比較的高い領域では、ノッキングを発生させないようにHCCI運転を行うことは困難である。そこで、第2運転制御状態では、SI運転の運転形態でのみ、内燃機関5を運転させる。
この第2運転制御状態でのSI運転では、より具体的には、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)及び回転数検出値と、第1エタノール濃度センサ20で検出されるメイン燃料のエタノール含有割合Et_rとから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値(フィードフォワード値)を決定する。この場合、本実施形態では、第2運転制御状態では、内燃機関5に供給するメイン燃料中のエタノール含有割合Et_rの採り得る値の範囲が比較的大きなものとなる(本実施形態では、第2運転制御状態においてEt_rの採り得る値は30〜100[%]の範囲内の値となる)。このため、第2運転制御状態において、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値を決定するためのSI運転用のマップでは、目標トルク及び回転数目標値の他に、メイン燃料のエタノール含有割合Et_rを入力項目として追加している。そして、このマップでは、前記第1運転制御状態でのSI運転の場合と同様に、その基本値により規定される量のガソリン及びエタノール水溶液を内燃機関5の各気筒41の燃焼室44に供給し、且つ、各気筒41での燃料の点火時期(点火プラグ56による火花放電の発生時期)を所謂MBT(MBT:Minimum Advance for Best Torque)に制御した場合に、ノッキング等を発生させずに内燃機関5の定常運転(SI方式での定常運転)を行うことができるように設定されている。
この場合、第2運転制御状態では、前記したように、内燃機関5の各気筒41に供給するメイン燃料のオクタン価が比較的高いため、内燃機関5の要求負荷の高低によらずに、点火時期をMBTに制御しつつ、内燃機関5のノッキングの発生を防止することができるように、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値を設定できる。
さらに、ECU23は、第1運転制御状態でのSI運転の場合と同様に、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値に、空燃比の適正化や過渡期における燃焼状態の適正化等を目的とする補正処理を施すことによって、燃料噴射弁6の最終的な目標噴射時間を決定する。
また、ECU23は、第1運転制御状態でのSI運転の場合と同様に、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6の燃料噴射タイミングを決定する。
なお、第2運転制御状態で使用する上記の各マップは、第2運転制御状態用のマップであり、第1運転制御状態のSI運転で使用するマップとは一般には異なる。
そして、ECU23は、上記の如く決定した燃料噴射弁6の目標噴射時間と燃料噴射タイミングとに従って燃料噴射弁6を開弁制御する。
これにより、内燃機関5の各気筒41において、燃料噴射弁6から内燃機関5のSI運転に適した量のメイン燃料が供給される。
さらに第2運転制御状態でのSI運転においては、ECU23は、第1運転制御状態でのSI運転の場合と同様に、前記MBTを目標とする点火時期として決定する。そして、ECU23は、このように決定した点火時期に従って点火プラグ56を動作させ、火花放電を発生させる。これにより、各気筒41で燃料噴射弁6から供給されたメイン燃料が、SI方式で燃焼する。この場合、点火時期は、基本的にはMBTに制御されるので、効率よく内燃機関5のSI運転を行うことができる。
なお、第2運転制御状態では、ECU23は、前記スロットル弁54の開度を第1運転制御状態のSI運転の場合と同様に制御する。すなわち、ECU23は、吸気圧センサ58により検出される吸気圧が、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップ(第2運転制御状態でのSI運転用のマップ)に基づいて決定される目標吸気圧に一致させるようにスロット弁54の開度を制御する。
以上のように第2運転制御状態では、SI運転での内燃機関5の運転を行うことで、ノッキングや失火を発生させることなく内燃機関5の運転を行うことができる。特に、この場合、内燃機関5の各気筒41に供給するメイン燃料のオクタン価が高いことから、内燃機関5の要求負荷が低い場合と高い場合とのいずれの場合でも、点火時期をMBTに制御しつつ、ノッキングの発生を防止できる。従って、内燃機関5を高効率で運転させることができる。
[第3運転制御状態]
次に、第3運転制御状態を説明する。第3運転制御状態での燃料供給システム1の制御は、前記第2運転制御状態と同じである。従って、ECU23は、切換弁11を前記メイン側動作状態に動作させ、また、水供給路14の流量制御弁15を閉弁状態に保持する。
そして、ECU23は、上記の如く燃料供給システム1を制御した状態で、内燃機関5の要求負荷に応じて(より詳しくは内燃機関5の要求負荷と回転数とに応じて)、内燃機関5を前記SI運転及びHCCI運転のいずれかの運転形態で該内燃機関5を運転させる。
より具体的には、ECU23は、第1運転制御状態の場合と同様に、内燃機関5の要求負荷の指標値としての目標トルクと、回転数検出値とから、あらかじめ設定されたマップ(第3運転制御状態用のマップ)に基づいて、SI運転及びHCCI運転のいずれかを選択する。この場合、第1運転制御状態の場合と同様に、基本的には、内燃機関5の要求負荷が比較的低い領域ではHCCI運転が選択され、内燃機関5の要求負荷が比較的高い領域でSI運転が選択される。但し、ここで使用するマップでは、基本的には、HCCI運転が選択される領域が、第1運転制御状態の場合よりも、要求負荷のより低い領域に設定される。これは、第3運転制御状態では、メインタンク2内のメイン燃料のエタノール含有割合Et_rが低いために、該メイン燃料のオクタン価が比較的低く、内燃機関5のノッキングを発生させずにHCCI運転を行い得る上限側の要求負荷が、第1運転制御状態の場合よりも低くなるからである。
補足すると、第3運転制御状態では、第2運転制御状態の場合と同様にメインタンク2内のメイン燃料を内燃機関5に供給する制御状態であるものの、この場合に内燃機関5に供給するメイン燃料は、オクタン価が比較的低いガソリンを多く含む。このため、第2運転制御状態の場合と異なり、内燃機関5の要求負荷が比較的低い領域で、失火を発生させることなく内燃機関5のHCCI運転を行うことが可能である。
そして、第1運転制御状態でのHCCI運転においては、ECU23は、次のように、燃料噴射弁6を制御する。
すなわち、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップ(第3運転制御状態用のマップ)に基づいて、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値(フィードフォワード値)を決定する。この目標噴射時間の基本値を決定するためのHCCI運転用のマップは、その基本値により規定される供給量のメイン燃料を内燃機関5の各気筒41に供給した場合に、ノッキングや失火を発生させずに、高効率で内燃機関5の定常運転(HCCI方式での定常運転)を行うことができるように設定されている。
なお、本実施形態では、第3運転制御状態においてメインタンク2内のメイン燃料のエタノール含有割合Et_rの採り得る値の範囲が比較的狭い(本実施形態では、第3運転制御状態においてEt_rの採り得る値は0〜2[%]の範囲内の値となる)。このため、本実施形態では、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値を決定するためのマップでは、メイン燃料のエタノール含有割合Et_rを入力項目として使用していない。ただし、該マップにおいて、目標トルク(要求負荷)及び回転数検出値の他に、メイン燃料のエタノール含有割合Et_rを入力項目に追加するようにしてもよい。
さらに、ECU23は、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値に、各気筒41における燃料の実際の燃焼時期の適正化等を目的とする補正処理を施すことによって、燃料噴射弁6の最終的な目標噴射時間を決定する。
例えば、第1運転制御状態でのHCCI運転の場合と同様に、前記イオン電流センサ59の出力の時系列から把握される各気筒41における燃料の実際の燃焼時期(例えばイオン電流がピーク値となるタイミング)を、適切な目標燃焼時期に近づけるためのフィードバック操作量を求め、そのフィードバック操作量により目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。
また、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップに基づいて、燃料噴射弁6の燃料噴射タイミング(燃料噴射弁6の開弁開始タイミング)を決定する。
なお、第3運転制御状態のHCCI運転で使用する上記の各マップは、第3運転制御状態用のマップであり、第1運転制御状態のHCCI運転で使用するマップとは一般には異なる。
そして、ECU23は、上記の如く決定した目標噴射時間と燃料噴射タイミングとに従って燃料噴射弁6を開弁制御する。これにより、内燃機関5の各気筒41において、燃料噴射弁6から内燃機関5のHCCI運転に適した供給量(噴射量)のメイン燃料(メインタンク2内のメイン燃料)が供給され、このメイン燃料がHCCI方式で燃焼する。
なお、第3運転制御状態のHCCI運転では、ECU23は、前記スロットル弁54の開度を第1運転制御状態のHCCI運転の場合と同様に制御する。すなわち、ECU23は、吸気圧センサ58により検出される吸気圧が、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたHCCI運転用のマップ(第3運転制御状態でのHCCI運転用のマップ)に基づいて決定される目標吸気圧に一致させるようにスロット弁54の開度を制御する。
一方、第3運転制御状態でのSI運転においては、ECU23は、次のように、燃料噴射弁6,7と点火プラグ56とを制御する。
すなわち、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップ(第3運転制御状態でのSI運転用のマップ)に基づいて、燃料噴射弁6,7のそれぞれの目標噴射時間の基本値(フィードフォワード値)を決定する。これらの目標噴射時間の基本値を決定するためのSI運転用のマップは、その基本値により規定される量のガソリン及びエタノール水溶液を内燃機関5の各気筒41の燃焼室44に供給した場合に、できるだけ効率よく内燃機関5の定常運転(SI方式での定常運転)を行うことができるように設定されている。
さらに、ECU23は、燃料噴射弁6の目標噴射時間の基本値に、空燃比の適正化や過渡期における燃焼状態の適正化等を目的とする補正処理を施すことによって、燃料噴射弁6の最終的な目標噴射時間を決定する。
例えば、第1運転制御状態のSI運転の場合と同様に、前記空燃比センサ60で検出された空燃比を、目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致させるためのフィードバック操作量を求め、そのフィードバック操作量により目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。
また、例えば単位時間当たりの目標トルクの変化量が比較的大きなものとなる過渡期において、内燃機関5の実際の出力トルクが目標トルクに対して遅れるのを防止するために、該目標トルクの変化量に応じて目標噴射時間の基本値を補正する補正処理が行われる。
また、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップ(第3運転制御状態でのSI運転用のマップ)に基づいて、燃料噴射弁6の燃料噴射タイミング(燃料噴射弁6の開弁タイミング)を決定する。
なお、第3運転制御状態のSI運転で使用する上記の各マップは、第3運転制御状態用のマップであり、第1運転制御状態のSI運転で使用するマップとは一般には異なる。
そして、ECU23は、上記の如く決定した燃料噴射弁6の目標噴射時間と燃料噴射タイミングとに従って燃料噴射弁6を開弁制御する。
これにより、内燃機関5の各気筒41において、燃料噴射弁6から内燃機関5のSI運転に適した量のメイン燃料(メインタンク2内にメイン燃料)が供給される。
さらに第3運転制御状態でのSI運転においては、ECU23は、次のように点火プラグ56による点火時期を制御する。すなわち、ECU23は、内燃機関5の目標トルク(要求負荷)と回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップ(第3運転制御状態でのSI運転用のマップ)に基づいて目標とする点火時期を決定する。
この場合、第3運転制御状態で内燃機関5の各気筒41に供給するメイン燃料は、ガソリンを多く含む燃料であるので、そのオクタン価が比較的低い。このため、内燃機関5のSI運転を行う高負荷領域で点火時期をMBTに設定すると、ノッキングが発生し易い。そこで、第3運転制御状態のSI運転用の上記マップは、基本的には、それにより決定される点火時期がMBTよりも遅角側の点火時期となるように設定されている。
ECU23は、上記の如く決定した点火時期に従って点火プラグ56を動作させ、火花放電を発生させる。これにより、各気筒41で燃料噴射弁6から供給されたメインタンク2内のメイン燃料が、SI方式で燃焼する。この場合、点火時期は、基本的にはMBTよりも遅角側の点火時期に制御されるので、ノッキングを発生させることなく、内燃機関5のSI運転を行うことができる。
なお、第3運転制御状態でのSI運転では、ECU23は、前記スロットル弁54の開度を第1運転制御状態でのSI運転の場合と同様に制御する。すなわち、ECU23は、吸気圧センサ58により検出される吸気圧が、目標トルクと回転数検出値とから、あらかじめ設定されたSI運転用のマップに基づいて決定される目標吸気圧に一致させるようにスロット弁54の開度を制御する。
以上のように第3運転制御状態では、内燃機関5の要求負荷が低負荷となる運転領域では、HCCI運転での内燃機関5の運転を行うことで、窒素酸化物NOxの排出を少なくしながら、効率よく内燃機関5の運転を行うことができる。
また、内燃機関5の要求負荷が高負荷となる運転領域では、SI運転での内燃機関5の運転を行うことで、ノッキングを発生させることなく内燃機関5の運転を行うことができる。この場合、内燃機関5の各気筒41に供給されるメイン燃料のオクタン価が比較的低いものの、点火時期をMBTよりも遅角側に制御することで、ノッキングの発生を防止できる。
補足すると、第3運転制御状態のSI運転では、点火時期をMBTよりも遅角側の点火時期に制御する代わりに、あるいは、その制御と併せて、内燃機関5の各気筒41の吸気バルブ47もしくは排気バルブ50の開閉タイミングを調整することで、各気筒41の実効圧縮比を減らすようにしてもよい。このようにしても、ノッキングの発生を防止できる。
なお、以上説明した実施形態では、メイン燃料のうちのアルコールがエタノールである場合を例にとって説明したが、該アルコールは例えばメタノールであってもよい。また、前記実施形態では、SI運転とHCCI運転とを選択的に行い得る内燃機関5の運転制御について説明したが、いずれか一方のみの運転が可能な内燃機関5についても本発明を適用できる。
本発明の一実施形態における内燃機関の運転制御システムにおける燃料供給システムの概略構成を示す図。 実施形態における内燃機関の要部構成の概略構成を示す図。 本実施形態の運転制御システムの制御処理を説明するための状態遷移図。
符号の説明
2…メインタンク(燃料タンク)、5…内燃機関。

Claims (4)

  1. アルコールとガソリンと該アルコール及びガソリンの混合燃料とのうちの任意の燃料を収容する燃料タンクから内燃機関に燃料を供給して、該内燃機関の運転を行う運転制御方法において、
    前記内燃機関の燃料供給モードとして、前記燃料タンク内の燃料から分離処理によって生成されたアルコールとガソリンとを内燃機関の運転状態に応じて決定される供給割合いで該内燃機関に供給する分離燃料供給モードと、前記燃料タンク内の燃料をそのまま内燃機関に供給する非分離燃料供給モードとを有すると共に、
    前記燃料タンク内の燃料中のアルコール濃度を計測する第1ステップと、
    該第1ステップで計測されたアルコール濃度に応じて、前記分離燃料供給モードと非分離燃料供給モードとのいずれか一方を選択し、その選択した燃料供給モードで内燃機関への燃料供給を行う第2ステップとを備えることを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
  2. 請求項1記載の内燃機関の運転制御方法において、
    前記第2ステップで選択される燃料供給モードは、前記計測されたアルコール濃度が、所定の上限値と下限値との間の範囲内の濃度である場合には、前記分離燃料供給モードであり、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲を逸脱している場合には、前記非分離燃料供給モードであることを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
  3. 請求項2記載の内燃機関の運転制御方法において、
    前記内燃機関は、圧縮着火方式での運転と火花点火方式での運転とを選択的に行うことが可能な内燃機関であり、
    前記第2ステップでは、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の上限値よりも高い場合には、前記火花点火方式で内燃機関の運転を行い、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲内の濃度である場合には、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行い、前記計測されたアルコール濃度が、前記範囲の下限値よりも低い場合には、少なくとも内燃機関の要求負荷を含む運転状態に応じて、火花点火方式での内燃機関の運転と圧縮着火方式での内燃機関の運転とを選択的に行うことを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の運転制御方法において、
    前記分離処理は、前記燃料タンク内の燃料に水を混合し、その混合により得られた混合液を、前記アルコールと水とを混合してなるアルコール水溶液と、前記ガソリンとに分離する処理であることを特徴とする内燃機関の運転制御方法。
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