JP2010144094A - 改質炭と炭化水素油の製造法 - Google Patents

改質炭と炭化水素油の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】褐炭から、タールを除去して発熱量が向上した改質炭を得るとともに、褐炭に含まれるタールからアセトン、フェノールなど有用な化合物を多く含む炭化水素油を、経済的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】褐炭を不活性ガス雰囲気下もしくは水蒸気雰囲気下で熱分解して改質炭とタールに分離し、前記タールを水蒸気雰囲気下、かつ鉄系触媒存在下で接触分解して炭化水素油を得ることを特徴とする改質炭と炭化水素油の製造法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、褐炭から、改質炭と炭化水素油を製造する方法に関し、さらに詳しくは、褐炭から、発熱量が向上した改質炭、及び褐炭に含まれるタールからアセトン、フェノールなど有用な化合物を多く含む炭化水素油を製造する方法に関するものである。
石炭をエネルギーや、それに含まれるタールを有用な化合物の製造原料に利用することについては、従来から広く行われており、さらなる研究開発が行われている。
しかし、石炭の埋蔵量のかなりの割合を占める褐炭を現実に利用するには、種々の問題がある。例えば、褐炭は、石炭の中でも石炭化度が低く低品位のものであり、水分が多く、フミン酸など利用価値のない化合物を多く含むため、瀝青炭や亜瀝青炭と比較し、エネルギー資源としての質が低い。また、褐炭は、乾燥すると自然発火することがあり輸送、取扱いが困難であるという問題もある。このようなことから、褐炭の利用は進んでいないのが現状である。
したがって、褐炭をエネルギー資源として利用するには、水分およびフミン酸などを除去することにより発熱量を向上させることが必要であるが、さらに褐炭を利用することの経済性を高めるために、除去した大量の水分及びフミン酸などを含むタール分をいかに有効性が高く、かつ経済的に有利な方法で活用できるかが重要な問題である。もちろん、輸送が困難であるなどの、取扱いの問題も解決する必要がある。
従来、褐炭の輸送の問題を解決する方法、及び褐炭から改質炭を製造するとともに有用な化合物の製造原料に利用するタールの製造方法としては、次のような技術が提案され、又は実施されている。
前記輸送の問題を解決する方法としては、例えば、褐炭を乾式熱分解法や水添液化法などで改質する方法が提案されている。乾式熱分解法は、通常120〜500℃で水分を蒸発させて改質炭を得る方法であり、この方法で熱分解温度を高くすると、改質炭の発熱量は増加する。しかし、同時に、高沸点成分からなるタールが副生する。このような高沸点成分からなる副生タールにはフェノール、クレゾール、アセトン、メチルエチルケトンのような含酸素化合物や1〜2環芳香族化合物などの有用な化学成分の含有量が少ないという問題がある。また、副生タールをC重油代替として利用しても、C重油の経済的価値が低いため、改質プロセス全体の大幅な経済性の向上は期待できない。さらに、回収した排水には有機物が含まれ、排水処理を考慮する必要もある。
また、水添液化法は、水素を添加することにより褐炭を液化し、ガソリンなどの有用化学成分を得るプロセスであるが、低温では高圧処理が必要となり、低圧では高温であることが要求されるためプラントのコストが高い。さらに水素製造設備が必要となる問題点も抱えている。
一方、有用な化合物の製造原料に利用するタールの製造方法としては、(1)褐炭を750℃以下で10秒以下の短時間で熱分解する、迅速熱分解によってアルキルフェノール類を多く製造できる石炭タールを得る方法(例えば、特許文献1、及び2参照)や(2)褐炭を亜臨界或いは超臨界状態の水中で熱加水分解し、改質炭とフェノール類を回収する方法(例えば、特許文献3、4及び5参照)などが挙げられる。
しかしながら、(1)の迅速熱分解法で得られる石炭タールは、重質な炭化水素化合物であるピッチも増加するため、その重質炭化水素化合物の処理がさらに必要となり経済性が劣る。また、(2)の亜臨界或いは超臨界法では、高圧プロセスであることや、熱加水分解後に大量の水分から有用化学成分を回収する必要があるため製造コストが高くなるという欠点がある。
特開平6−172240号公報 特開平5−201888号公報 特開2000−22900号公報 特開2001−139957号公報 特開2002−265404号公報
本発明は、このような状況下で、褐炭から、タールを除去して発熱量が向上した改質炭を得るとともに、褐炭に含まれるタールからアセトン、フェノールなど有用な化合物を多く含む炭化水素油を、経済的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、褐炭を特定雰囲気下で熱分解することによって、改質炭とタールに分離し、前記タールを特定雰囲気下で接触分解することによって、目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
[1]褐炭を不活性ガス雰囲気下もしくは水蒸気雰囲気下で熱分解して改質炭とタールに分離し、前記タールを水蒸気雰囲気下、かつ鉄系触媒存在下で接触分解して炭化水素油を得ることを特徴とする改質炭と炭化水素油の製造法、
[2]前記炭化水素油が、ケトン類、フェノール類、あるいは単環芳香族炭化水素類を含有する炭化水素油である前記[1]に記載の改質炭と炭化水素油の製造法、
[3]前記熱分解によって得られたタールを、油層と水層に分離した後、前記分離した油層を接触分解することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の改質炭と炭化水素油の製造法、
[4]前記タールを油層と水層に分離して得られた水層を、前記褐炭の熱分解に供給する水蒸気源とすることを特徴とする前記[3]に記載の改質炭と炭化水素油の製造法、
[5]前記タールを油層と水層に分離して得られた水層を、前記タールの接触分解に供給する水蒸気源とすることを特徴とする前記[3]又は[4]に記載の改質炭と炭化水素油の製造法、
[6]鉄系触媒が、水酸化鉄(FeOOH)、四酸化三鉄(Fe34)、あるいは三酸化二鉄(Fe23)を主要構成成分とする触媒である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の改質炭と炭化水素油の製造法、
を提供するものである。
本発明によれば、褐炭から発熱量が向上した改質炭を得るとともに、褐炭に含まれるタールからアセトン、フェノールなど有用な化合物を多く含む炭化水素油を、経済的に製造する方法を提供することができる。
本発明は、褐炭を特定雰囲気下で熱分解して改質炭とタールに分離し、前記タールを特定雰囲気下、特定の触媒存在下で接触分解することを特徴とする、改質炭と炭化水素油の製造法である。以下、熱分解、接触分解及び接触分解に用いる触媒について説明する。
[熱分解]
本発明では、熱分解することによって、褐炭から改質炭とタールを得る。
この褐炭の熱分解は、水蒸気雰囲気下もしくは不活性ガス雰囲気下で行うことを要する。褐炭をこれらの雰囲気ではなく、空気雰囲気下で熱分解すると、熱分解生成物(チャー、タール、ガスなど)が空気中の酸素と反応し、改質炭や生成ガスの発熱量が低下し、タールの収率も減少する。
また、褐炭の熱分解を水蒸気雰囲気下で行うこと、褐炭あるいはタール中の脱水縮合反応を抑制する水酸基の保護効果により、タール中の水酸基含有化合物が増加し、接触分解後のフェノール類の濃度を高めることができる。
水蒸気雰囲気下で熱分解を行う具体的な方法としては、通常不活性ガスと水蒸気の混合ガスを熱分解炉に導入するか、あるいは水分を含んだ褐炭を熱分解炉に導入することによって行う。この場合、水蒸気濃度は、5〜100容量%であるのが好ましく、30〜100容量%であるのがより好ましい。
一方、不活性ガス雰囲気下で熱分解を行う場合は、N2、He、Ar、CO2などの不活性ガスを熱分解炉に充填して行う。それらの不活性ガスの中でもN2が好ましい。
当該熱分解における分解温度は、500〜800℃の範囲内で行うことが好ましい。500℃以上であれば、改質炭はタールフリーとなり、クリーンなガス化燃料として利用でき、一方800℃以下であれば、生成するタール中の水酸基の分解を抑制できるため、含酸素化合物の含有量を高濃度に保つことができ、有用な含酸素化合物を多量に回収できる。
前記熱分解により生成した改質炭は、通常燃料や化学品の製造原料として利用される。
一方、前記熱分解により生成したタールは、さらに接触分解する。この場合、タールは、熱分解によって生成した状態の蒸気のまま接触分解炉に導入しても良いが、タールを一旦凝縮液として回収した後、油層及び水層に分離した後、分離した油層を再加熱し接触分解炉に導入することが好ましい。このようにタールを油層及び水層に分離し、凝縮液とすることによって、ハンドリング性や輸送性が向上し、産炭地以外でのタールの接触分解も可能になるという利点がある。
また、前記分離した水層は、褐炭の熱分解の水蒸気の供給源として熱分解炉に導入して利用することが、プロセスの経済性の点で好ましい。
さらに、同様の理由から、前記分離した水層は、後述するタールの接触分解に供給する水蒸気源としても利用することが好ましい。
[接触分解]
本発明では、鉄系触媒の存在下で接触分解することによって、タールからアセトン、フェノールなどの有用な含酸素化合物を多く含む炭化水素油を得る。
この接触分解は、水蒸気雰囲気下で行うことを要する。水蒸気雰囲気下で接触分解すれば、触媒への活性水素種や活性酸素種の供給や触媒のコーキング抑制の点で効果がある。
当該接触分解においては、前記のとおり、褐炭の熱分解により生成したタールをそのまま接触分解炉に導入しても良いが、タールを一旦凝縮液として回収した後、油層及び水層に分離し、分離した油層を再加熱して水蒸気とともに接触分解炉に導入しても良い。
この接触分解の温度は、400〜600℃が好ましい。接触分解温度が400℃以上であれば、タールの分解速度が遅くなる恐れがなく、大きい接触分解炉が必要となることがない。一方、接触分解の温度が600℃以下であれば、触媒の熱劣化やコーキングにより活性が低下することがない。
また、接触分解の反応圧力は常圧以上であり、かつ水が気相(水蒸気)で存在する圧力下であることが好ましい。この場合、水蒸気濃度が5〜100容量%であることが好ましい。常圧条件での水蒸気濃度としては、60〜80容量%がより好ましい。水蒸気分圧が低下するとコークが生成しやすくなり、水蒸気分圧が高い条件では水蒸気とタールの競争吸着の結果、触媒へのタール吸着が阻害され、反応速度が減少することがある。
[接触分解に用いる触媒]
前記接触分解に用いる、鉄系触媒の種類については、特に制限はなく、従来接触分解反応において慣用されている種々の鉄系触媒の中から適宜選択して用いることができる。中でも本発明においては、水酸化鉄(FeOOH)、四酸化三鉄(Fe34)、あるいは三酸化二鉄(Fe23)を主要構成成分とする鉄系触媒が好ましい。このような触媒の存在下で接触分解を行うことによって、タール中のフミン酸などを有用な化合物に転換することができる。
また、当該鉄系触媒は、さらに助触媒としてZr、Al、Ceなどを添加することによって、触媒の耐久性や活性を向上させることができる。
例えば、接触分解においてZrは、H2Oを乖離し酸化鉄触媒に活性酸素種を供給し、触媒の活性維持に重要な役割を果たし、Alは、反応中の酸化鉄触媒の格子構造の変化を抑制し、触媒の劣化を防止する。またCeは接触分解により消費された酸化鉄触媒の格子酸素を補充する助触媒として作用し、水蒸気雰囲気下での安定した活性、耐劣化性、耐失活性を付与する効果を有する。
本発明で用いる好適な鉄系触媒の具体例としては、例えば、下記の式(1)で表される触媒が挙げられる。
CeO2(a)/ZrO2(b)/Al23(c)/FeOx ・・・・(1)
式(1)中、a、b、cは、それぞれ、触媒中のCe、Zr、AlがCeO2、ZrO2、Al23になったと仮定した場合の含有量[質量%]を表し、aは0〜15、bは2〜15、cは、3〜20の範囲の数値を示す。また、xは、酸化鉄化合物の酸素の組成(割合)を示す。
前記a、b、cとしては、aが0〜6、bは4〜10、cは4〜10の範囲がより好ましい。
ここで、CeおよびZrの含有量が少ないとタールの分解で消費した酸化鉄触媒の格子酸素が十分補給されず活性が低下しやすくなる。CeおよびZrの含有量が多い場合、触媒反応の主反応場である酸化鉄表面が覆われ、活性が低下しやすい。
また、Al含有量が適切な範囲では触媒表面積が増加し活性が向上する。しかし、Al含有量が多すぎるとコークが生成しやすくなるため活性が低下しやすくなる。
このような鉄系触媒の製造方法としては、例えば、助触媒の金属塩(Ce塩とZr塩とAl塩)とFe塩を水溶液とした後、アルカリ溶液を加えてアルカリ共沈させ、ついで固液分離した固形分を濾過洗浄してケーキ上の濾過物とし、これを熱処理して製造する方法が挙げられる。
また、FeOOHあるいはFeOOH系の低品位鉄鉱石(リモナイト)を原料として鉄系触媒を製造する場合は、Zr塩を含浸担持して製造するか、もしくは、水蒸気雰囲気下でFeOOHあるいはリモナイトを熱処理したのちにZr塩を含浸担持して製造してもよい。
本発明の改質炭と炭化水素油の製造法では、発熱量が向上した改質炭を得るとともに、褐炭に含まれるタールから有用な化合物を多く含む炭化水素油を得ることができる。この場合の有用な化合物とは、例えば、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素類などであり、これらのいずれかを多く含む炭化水素油を得ることができる。中でも、基礎化学品としてより重要視されるフェノールやアセトンを多く含むものが、経済性を高める観点から特に好ましい。
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<触媒の調製>
(i)触媒1(FeOx触媒)の調製
硝酸鉄の水溶液を30分間撹拌する。約10質量%のアンモニア水をマイクロフィーダーで滴下し、pH7まで中和した。次いで1時間撹拌した後、吸引濾過した。吸引濾過後、得られた固形物を100℃で24時間乾燥した。乾燥後に粉砕し、500℃、2時間空気焼成して、FeOx触媒(触媒1)を得た。
(ii)触媒2〔CeO2(2.5)−ZrO2(7.5)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕の調製
硝酸鉄、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸アルミニウムの水溶液を混合し、30分間撹拌した。触媒は、Fe、Zr、Ce、AlがFe23、ZrO2、CeO2、Al23になったと仮定した場合、ZrO2 7.5質量%、CeO2 2.5質量%、Al23 7.0質量%となるよう調製した。約10質量%のアンモニア水をマイクロフィーダーで滴下し、pH7まで中和した。中和後、1時間撹拌した後、吸引濾過した。吸引濾過後、得られた固形物を100℃で24時間乾燥した。乾燥後に粉砕し、500℃、2時間空気焼成し、〔CeO2(2.5)−ZrO2(7.5)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕)(触媒2)を得た。
(iii)触媒3〔ZrO2(10.0)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕の調製
硝酸鉄、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸アルミニウムの水溶液を混合し、30分間撹拌した。触媒は、Fe、Zr、AlがFe23、ZrO2、Al23になったと仮定した場合、ZrO2 10.0質量%、Al23 7.0質量%となるよう調製した。約10質量%のアンモニア水をマイクロフィーダーで滴下し、pH7まで中和した。中和後、1時間撹拌した後、吸引濾過した。吸引濾過後、得られた固形物を100℃で24時間乾燥した。乾燥後に粉砕し、500℃、2時間空気焼成し、〔ZrO2(10.0)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕)(触媒3)を得た。
(iv)触媒4〔CeO2(10.0)−ZrO2(10.0)−Al23(20.0)−FeOx触媒〕の調製
硝酸鉄、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸アルミニウムの水溶液を混合し、30分間撹拌した。触媒は、Fe、Zr、Ce、AlがFe23、ZrO2、CeO2、Al23になったと仮定した場合、ZrO2 10.0質量%、CeO2 10.0質量%、Al23 20.0質量%となるよう調製した。約10質量%のアンモニア水をマイクロフィーダーで滴下し、pH7まで中和した。中和後、1時間撹拌した後、吸引濾過した。吸引濾過後、得られた固形物を100℃で24時間乾燥した。乾燥後に粉砕し、500℃、2時間空気焼成し、〔CeO2(10.0)−ZrO2(10.0)−Al23(20.0)−FeOx触媒〕)(触媒4)を得た。
実施例1
(i)まず、以下の方法で褐炭の熱分解を行った。
褐炭(オーストラリア産Loy−Yang炭)を3mmに粉砕・整粒し、600℃の窒素ガス(N2)雰囲気下、600℃で熱分解した。放出されたタールは、まず150℃に保温した石英円筒フィルターで高沸点成分を除去し、その後、150℃、0℃、−30℃、−70℃に保持した各タールトラップを通すことにより回収した。タールの合計収率は、14.7質量%であった。また、−70〜150℃で回収された油状成分(褐炭熱分解油)の収率は4.8質量%であった。
(ii)次いで、タールの接触分解を行った。
タール(褐炭熱分解油)をベンゼンで10質量%に希釈したベンゼン溶液を調製した。この10質量%ベンゼン溶液を1g/h、水蒸気を1.5g/h、窒素を流量1.5ml/minで触媒1(FeOx触媒)を1g充填した固定床流通式反応装置に供給し、反応温度500℃、反応時間2時間で接触分解した。
なお、タールの希釈に使用したベンゼンは、鉄系触媒に対して不活性であるので、接触分解反応の結果には影響を与えない。
(iii)前記接触分解生成物について以下の分析行った。
氷水トラップで回収し接触分解生成物をガスクロマトグラフィーで各成分を定量した〔単位:mol‐C%(原料炭素基準)〕。結果を第1表に示した。
また、熱天秤を用いて接触分解生成物を窒素雰囲気下で250℃まで昇温した後、残渣(残渣重質物)の重量分率[質量%](生成液基準)を測定した。結果を第2表に示した。
実施例2
触媒1を触媒2〔CeO2(2.5)−ZrO2(7.5)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕に置換えた以外は、実施例1と同様の方法で、褐炭の熱分解、タールの接触分解及び接触分解生成物の分析を行った。接触分解生成物の分析結果を、第1表、及び第2表に示した。
実施例3
触媒1を触媒3〔ZrO2(10.0)−Al23(7.0)−FeOx触媒〕に置換えた以外は、実施例1と同様の方法で、褐炭の熱分解、タールの接触分解及び接触分解生成物の分析を行った。接触分解生成物の分析結果を、第1表、及び第2表に示した。
実施例4
触媒1を触媒4〔CeO2(10.0)−ZrO2(10.0)−Al23(20.0)−FeOx触媒〕に置換えた以外は、実施例1と同様の方法で、褐炭の熱分解、タールの接触分解及び接触分解生成物の分析を行った。接触分解生成物の分析結果を、第1表、及び第2表に示した。
Figure 2010144094
Figure 2010144094
第1表より、熱分解で得られたタールを触媒1を用いて接触分解すると、アセトンやキシレンを高収率で得ることができ、中でもアセトンを高収率で得ることができることが分る(実施例1)。また、触媒2を用いた場合は、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、及びフェノールを高収率で得ることができ、特に、有用であるとされているアセトン、メチルエチルケトンを高収率で得ることができる(実施例2)。また、触媒3を用いると、アセトンを高収率で得ることができる(実施例3)。さらに触媒4を用いた場合は、フェノール、トルエンの収率を高めることができる(実施例4)。
また、第2表より、接触分解生成物中の残渣重質物(沸点250℃以上の成分)は、触媒1〜4のいずれを用いた場合も、著しく低減することが分る(実施例1〜4)。
本発明は、褐炭から、タールを除去して発熱量が向上した改質炭を得るとともに、褐炭に含まれるタールからアセトン、フェノールなど有用な化合物を多く含む炭化水素油を、経済的に製造する方法である。したがって、多量に埋蔵されている褐炭を有効に活用できる方法として有効である。

Claims (6)

  1. 褐炭を不活性ガス雰囲気下もしくは水蒸気雰囲気下で熱分解して改質炭とタールに分離し、前記タールを水蒸気雰囲気下、かつ鉄系触媒存在下で接触分解して炭化水素油を得ることを特徴とする改質炭と炭化水素油の製造法。
  2. 前記炭化水素油が、ケトン類、フェノール類、あるいは単環芳香族炭化水素類を含有する炭化水素油である請求項1に記載の改質炭と炭化水素油の製造法。
  3. 前記熱分解によって得られたタールを、油層と水層に分離した後、前記分離した油層を接触分解することを特徴とする請求項1又は2に記載の改質炭と炭化水素油の製造法。
  4. 前記タールを油層と水層に分離して得られた水層を、前記褐炭の熱分解に供給する水蒸気源とすることを特徴とする請求項3に記載の改質炭と炭化水素油の製造法。
  5. 前記タールを油層と水層に分離して得られた水層を、前記タールの接触分解に供給する水蒸気源とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の改質炭と炭化水素油の製造法。
  6. 鉄系触媒が、水酸化鉄(FeOOH)、四酸化三鉄(Fe34)、あるいは三酸化二鉄(Fe23)を主要構成成分とする触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の改質炭と炭化水素油の製造法。
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