JP2010143900A - 気相中でのイソシアネートの製造法 - Google Patents

気相中でのイソシアネートの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】芳香族ジアミンを大工業的規模で最少の固体形成量で気相ホスゲン化するための方法を提供する。
【解決手段】m−トルエンジイソシアネートの製造法であって、反応器にホスゲンのガス状の流れおよび液状のメタ−トルエンジアミンを少なくとも1つのエバポレーター中で蒸発させることによって発生されたメタ−トルエンジアミンのガス状の流れを供給する。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタ−トルエンジアミンを気相中でホスゲン化することによってメタ−トルエンジイソシアネートを製造する方法に関する。
イソシアネートは、大量に製造されており、主にポリウレタンを製造するための出発物質として役立っている。このイソシアネートは、通常、相応するアミンとホスゲンとの反応によって製造される。イソシアネートを製造するための1つの技術は、アミンをホスゲンと気相中で反応させることにある。通常、気相ホスゲン化を呼ばれているこの方法において、反応条件は、少なくとも反応成分のアミン、イソシアネートおよびホスゲン、しかし、好ましくは反応体、生成物および反応中間生成物の全てが選択された条件下でガス状であるように選択される。気相ホスゲン化の利点の中で、特に減少されたホスゲンの滞流量、ホスゲン化が困難である中間生成物の回避および増加された反応収量が挙げられる。本発明は、専ら気相ホスゲン化に関する。
ジアミンとホスゲンとを気相中で反応させることによってジイソシアネートを製造するために種々の方法が、当該技術水準から公知である。
特に、気相中での脂肪族ジアミンのホスゲン化は、しばしば記載された。即ち、欧州特許第289840号明細書B1には、相応するジアミンを気相中でホスゲン化することによってジイソシアネートを製造するための方法が開示されており、この場合には、場合により不活性ガスまたは不活性溶剤の蒸気で希釈された蒸気状のジアミン、およびホスゲンは、別々に200℃〜600℃の温度に加熱され、互いに連続的に円筒状の反応空間内で、攪乱流を維持しながら反応される。反応空間を離れるガス混合物は、ジアミンに対応する塩化カルバミン酸の分解温度を上廻る温度に維持される不活性溶剤に通過される。それによって、不活性溶剤に溶解されているジイソシアネートは、蒸留によって後処理に掛けられる。
芳香族アミンとホスゲンとを気相中で反応させて相応するジイソシアネートを生じさせることも刊行物中に記載されている。
欧州特許第593334号明細書B1には、芳香族ジイソシアネートを気相中で製造する方法が開示されており、この場合には、管状反応器が使用される。この方法では、反応体の混合は、管状反応器の壁間を狭くすることによって達成される。この反応は、250〜500℃の温度範囲内で実施される。しかし、この方法には問題がある。それというのも、単に管を狭隘化することによる反応体の流れの混合は、適切な混合装置の使用と比較して機能的に不十分であるからである。この不十分な混合は、通常は、固体の望ましくない高い形成量をまねく。
特に、気相中で芳香族ジアミンとホスゲンとの反応を生じさせ、大工業的規模で気相中での芳香族ジアミンのホスゲン化を可能にする試みが幾多も為された。この点で、芳香族アミンの大工業的ホスゲン化のための方法における改善は、反応体の流れの混合を改善し、気相反応器中での流れを均一化し、気相反応器の延長された寿命を生じることに焦点を合わせることにある。
欧州特許第570799号明細書B1には、当該ジアミンをホスゲンとの反応を管状反応器中でジアミンの沸騰温度を上廻って0.5〜5秒の平均滞留時間で実施し、その際平均滞留時間からの平均的なずれは、6%未満であることを特徴とする、芳香族ジイソシアネートの製造法が開示されている。欧州特許第570799号明細書B1の教示によれば、長すぎる滞留時間と短すぎる滞留時間は、双方とも固体の望ましくない形成をまねき、したがって反応空間内での流れの均一化が必要であり、とりわけ反応空間内での成分の逆混合は、除外されるべきである。
流れの条件を均一化するための基準は、同様に欧州特許第1362847号明細書B1の対象である。欧州特許第1362847号明細書には、芳香族ジイソシアネートを気相中で管状反応器中で製造するための方法が開示されている。この方法において、流れの制御(例えば、反応体の流れの均一化および同心的配置)および時間に関連する温度変化の減少および温度分布の非対称性は、欧州特許第1362847号明細書の教示によれば、反応器中でのケーキングおよび閉塞、ひいては反応器の寿命の短縮化を回避させることができる。
欧州特許出願公開第1449826号明細書A1の教示によれば、気相中での芳香族ジアミンとホスゲンとの反応の場合に、ホスゲンとジアミンとを反応させてジイソシアネートを生じさせることは、ジアミンとジイソシアネートとの二次反応と競争され、相応する尿素オリゴマーを生じる。欧州特許出願公開第1449826号明細書A1には、反応体のホスゲンとジアミンとの改善された混合が教示されており、一方で、同時に管状反応器中での逆流の回避は、ジイソシアネート形成の選択性を増加させ、尿素形成を減少させる。結果として、欧州特許出願公開第1449826号明細書A1の教示によれば、反応器の壁上での沈積のために、自由管横断面の寸法の減少および反応器中での圧力の漸進的な増加をまねきおよび端部で処理の寿命を決定する管状反応器中での縮合生成物の量は、減少させることができる。反応体の混合を改善するための装置的解決は、同様に欧州特許出願公開第1526129号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10359627号明細書A1およびWO 2007/028715A;欧州特許出願公開第1526129号明細書A1(回転を発生させるための流れの基準);ドイツ連邦共和国特許出願公開第10359627号明細書A1(1つの同心的に配置された環状ノズル);WO 2007/028715A(多重のアミン供給);および欧州特許出願公開第1449826号明細書A1(管状反応器の軸線に対して平行に配置された幾つかのアミン用ノズル)に開示されている。
それにも拘わらず、物理的反応条件だけでなく、同様に気相中でのホスゲンとの反応に使用される芳香族ジアミンの性質も開示された方法の対象であった。
WO 2008/071564Aの記載によれば、気相ホスゲン化で反応されて相応するイソシアネートを生じるアミンは、一定の要件に適合されていなければならない。特に、気相反応器において広く通用している反応条件下で2モル%以下、好ましくは1モル%以下、特に好ましくは0.5モル%以下の程度に分解するアミンは、適している。WO 2008/071564Aの記載によれば、前記のアミンは、脂肪族または環状アミンである。WO 2008/071564Aの記載によれば、芳香族アミンは、これが重大な分解なしに気相に変換されうる場合には、使用されてもよい。WO 2008/071564Aには、有利に好適である芳香族アミンが2,4−異性体または2,6−異性体、またはこれらの混合物として、例えば80:20〜65:35(モル/モル)混合物としてのトルエンジアミン(TDA);ジアミノベンゼン;2,6−キシリジン;ナフチルジアミン;ならびに2,4′−または4,4′−メチレン(ジフェニルアミン)(MDA)およびこれらの異性体混合物である。しかし、有利に適していると記載されている芳香族ジアミンがどのようにして重大な分解なしに気相に変換されうるかという指摘は、WO 2008/071564A中には見出せない。
また、欧州特許出願公開第1935876号明細書A1には、有利に分解なしに気相に変換されうる芳香族アミンを使用することが推奨されている。この欧州特許出願公開明細書には、イソシアネートを気相中で製造するための方法が開示されており、この場合反応空間は、二次反応、例えばイソシアヌレートまたはカルボジイミドの形成の結果として熱に暴露されうる加熱表面を有しないし、凝縮および沈積を生じうる冷却表面を有しない。
欧州特許出願公開第1754698号明細書A1には、気相ホスゲン化に使用されるアミンを熱に暴露することを考慮に入れた特殊な蒸発技術が開示されている。欧州特許出願公開第1754698号明細書A1の教示によれば、アミンとホスゲンとの反応のために反応器中で観察される沈積物は、反応中に使用されるアミンの分解によって惹起される。また、この欧州特許出願公開明細書の開示には、特に脂肪族アミンが使用され、アミンと分解されたアンモニアとが部分的に分解される場合には、蒸発および過熱での長い滞留時間が生じることが教示されている。脂肪族アミンが使用される場合に観察される蒸発中のアンモニアの分解を伴なう前記の部分的な分解は、収量を減少させるだけでなく、その後のホスゲン化反応中に下流の管路および装置中での塩化アンモニウムの沈殿物の形成を生じる。更に、生産の損失をまねく装置は、比較的頻繁に清浄化されなければならない。欧州特許出願公開第1754698号明細書A1には、前記欠点が殊に、アミンの蒸発および加熱に常用されている管束型熱交換器、板状熱交換器または落下型薄膜エバポレーターを用いた場合に生じることが述べられている。技術的解決として、この欧州特許出願公開明細書には、蒸発中のアンモニアの分解が脂肪族アミンの蒸発および過熱のための特殊なミリ熱交換器(milli-heat exchangers)またはマイクロ熱交換器を使用することによって抑制されることが教示されている。開示された方法において、アミンは、エバポレーター中で完全に蒸発され、したがって装置を通る循環流は、消去され、したがってアミン流は、1回だけ装置を貫流する。
極めて小さなチャンネルは、欧州特許出願公開第1754698号明細書A1に開示されたマイクロ熱交換器の欠点である。工業的方法で常に存在する極めて少量の固体は、既に閉塞をまねき、それ故にエバポレーターの寿命を短縮する。また、蒸発されるべきアミンが任意の他の蒸発不可能な成分を含有していてはならないことは、欠点である。それというのも、この他の蒸発不可能な成分は、エバポレーターの表面上に固体の残分として沈積し、それ故に熱伝達を損ない、最終的にエバポレーターの閉塞をまねくからである。しかし、アミンを必要とされる品質で準備することは、工業的方法において極めて費用がかかり、極めて高価である。反応器の寿命は、前記明細書の教示によって改善されるが、しかし、エバポレーターシステムの寿命は、生産設備の全寿命が有利には改善されないように著しく損なわれる。
気相中でのホスゲンとの反応のためにアミンの蒸発中にアミンを熱に最小限暴露することは、同様に欧州特許出願公開第1935876号明細書A1の対象である。
欧州特許出願公開第1935876号明細書A1には、ホスゲンとの反応前に、原則としてアミンを蒸発させ、200℃〜600℃に加熱し、場合によっては不活性ガス(例えば、N2、HeまたはAr)または不活性溶剤(例えば、場合によってはハロゲン置換分を有する芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼン)の蒸気で希釈された形で反応空間に供給することが教示されている。この欧州特許出願公開明細書の開示には、出発アミンの蒸発を、任意の公知の蒸発装置中で実施することができることが教示されている。有利であるとして記載されている蒸発システムは、小さな作業含量が高い循環出力で落下型薄膜エバポレーター上に導かれるようなシステムである。蒸発法で出発アミンを熱に暴露することを最小化することは、場合によって不活性ガスおよび/または不活性溶剤の蒸気中への供給によって補助される。
芳香族アミンとホスゲンとの反応を気相中で最適化し、それによって固体の形成を最小化することを試みたにも拘わらず、芳香族ジアミンを気相中で大工業的規模でホスゲン化することを可能にするために芳香族ジアミンの気相ホスゲン化を改善することがさらに必要とされる。
欧州特許第289840号明細書B1 欧州特許第593334号明細書B1 欧州特許第570799号明細書B1 欧州特許第1362847号明細書B1 欧州特許出願公開第1449826号明細書A1 欧州特許出願公開第1526129号明細書A1 ドイツ連邦共和国特許出願公開第10359627号明細書A1 WO 2007/028715A 欧州特許出願公開第1526129号明細書A1 ドイツ連邦共和国特許出願公開第10359627号明細書A1 欧州特許出願公開第1449826号明細書A1 WO 2008/071564A 欧州特許出願公開第1935876号明細書A1 欧州特許出願公開第1754698号明細書A1
本発明の目的は、芳香族ジアミンを大工業的規模で最少の固体形成量で気相ホスゲン化するための方法を提供することである。
ところで、意外なことに、大工業的規模での芳香族ジアミンの気相ホスゲン化は、芳香族ジアミンの品質に依存し、特殊な蒸発技術の使用との組合せで使用されるアミンの品質の制御は、実質的に芳香族ジアミンの気相ホスゲン化のための設備の寿命を改善することが見出された。
本発明による芳香族アミンの気相ホスゲン化のための方法によって達成される、公知技術水準を上廻る改善は、使用される原料の組成を理解することが必要である。
芳香族アミンは、相応する芳香族ジニトロ化合物を接触水素化することによって製造されることができる。水素化は、溶剤、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを用いて実施されてもよいし、このような溶剤なしで実施されてもよい。水素化は、反応混合物中に分散された触媒を用いて実施されることができる。更に、触媒は、沈殿または濾過によって分離されてもよく、場合によっては処理に返送されるかまたは膜濾過によって反応システム中に保持されてもよい。ドープされたかまたはドープされていないラニーニッケル触媒および/または例えばイリジウム、コバルト、銅、パラジウムまたは白金を含有する金属触媒は、触媒として使用されてよい。このような方法は、公知技術水準から公知である。例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公告第2135154号明細書B;ドイツ連邦共和国特許出願公開第3734344号明細書A1;欧州特許第634391号明細書B1;ドイツ連邦共和国特許出願公開第435839号明細書A1;欧州特許第1287884号明細書B1;欧州特許第978505号明細書B1および欧州特許第1033361号明細書B1参照。
また、芳香族アミンおよび強制的な副産物の水に加えて、有機副生成物は、水素化中に形成される。有機副生成物は、通常、芳香族アミンに関連して沸点を基礎として低沸点物質と高沸点物質の群に分けられるか、或いは化学的特性により種々の群に分けられる。
ジニトロトルエン(DNT)を生じるためのトルエンの工業的ニトロ化およびトルエンジアミン(TDA)を生じるためのジニトロトルエンの水素化の場合には、水およびトルエンジアミン以外に幾つかのこのような有機副生成物を含有するTDA粗製混合物は、生成物として得られる。粗製TDA混合物の非水性含量は、m−TDA異性体92〜96質量%(2,4−TDAおよび2,6−TDA)であり、パラTDA異性体1質量%未満(2,5−TDA)、低沸点物質3〜5質量%および高沸点物質0.2〜2質量%であり、この場合そのつどの百分率は、合計して100質量%になる。
本発明の範囲内のm−TDA異性体は、2,4−TDAと2,6−TDAとの異性体混合物を表わす。好ましくは、2,4−TDA78〜82質量%と2,6−TDA18〜22質量%との異性体混合物が達成される。しかし、また、前記範囲に由来する異性体比を有するm−TDA異性体混合物ならびに工業的に純粋な2,4−TDA異性体または2,6−TDA異性体の別々の使用は、芳香族ジアミンとホスゲンとの気相中での反応のための本発明による方法の使用に適している。これには、適当な時点でのメタ−トルエンジアミンの用語の使用が考慮に入れられる。
本発明の範囲内で、低沸点物質は、2個のm−TDA異性体よりも低い沸点を有する化合物であり、高沸点物質は、2個のm−TDA異性体よりも高い沸点を有する化合物である。
粗製TDA混合物の非水性含量は、一般にTDA異性体以外にそれぞれ低沸点物であるトルイジンおよびアンモニア、ならびに脂環式アミンを含む。本発明の範囲内で、脂環式アミンの群は、TDA異性体の1つまたはトルイジンから芳香環の水素化によって形成されかつ場合によっては酸素含有基、例えばケト基またはヒドロキシル基を含有していてよい化合物を含む。脂環式アミンは、低沸点物質であってもよいし、高沸点物質であってもよい。
TDA異性体混合物の組成および該混合物の低沸点物質および脂環式アミンの含量は、通常、当業者に公知であるガスクロマトグラフィー法を用いて測定される。例えば、Willeboordse et al.の方法(Willeboordse, F.: Quick, Q.: Bishop, E.T. "Direct gas chromatographic analysis of isomeric diaminotoluenes" Analytical Chemictry 1968, 40 (10), 1455-1458)は、適している。
着色されたオリゴマー種は、しばしば2つのTDA異性体を酸化結合することによって形成される。前記種は、高沸点物質の群に分類されるべきであり、一般にTBA残分と呼ばれる(Krauter, J.G.E. ;Gross, M.; Pansier, P.:"Influence of Hydrogen Supply on By-Product Formation during the Hydrogenation of DNT to TDA", Science and Technology in Catalysis 2002, 427-430)。WO 2005/066113A1には、オリゴマーとしてのTDA残分および本質的にアゾ化合物、アゾキシ化合物またはヒドラジン化合物から構成されたポリマーが記載されている。更に、前記明細書には、TDA残分が触媒の残分を含有していてもよく、即ち重金属、例えばインジウム、銅、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウムまたは白金を含有していてもよいことが指摘されている。欧州特許第659173号明細書B1には、TDA残分の可能な成分としてジフェニルメタン、ジフェニルアミン、アクリジンおよびフェナジン、即ち少なくとも2個の芳香環を含有する化合物が記載されている。
本発明の範囲内で、TDA残分の用語は、同様に少なくとも2個の芳香環を含有する、しかし、多種多様な官能基を有することができる有機化合物を一括して表わす。更に、本発明の範囲内で、TDA残分は、前記有機化合物と触媒の残分、即ち重金属、例えばイリジウム、銅、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウムおよび/または白金との混合物であることができることを理解すべきである。
TDA残分の含量は、通常、残分の蒸留によって測定され、この場合試料中のTDA残分の質量含量は、TDA異性体、脂環式アミンおよび場合による他の低沸点物質が留去される前および留去された後に質量によって測定される。重金属の含量、即ち元素の周期律表で元素状チタンよりも高い原子番号を有する全ての金属は、当業者に公知の方法、例えば原子吸光測光法により測定されることができる。
水素化で得られた粗製TDA混合物は、通常、さらに使用するために精製される。精製は、蒸留、結晶化および/または熱的後処理によって、ならびに化学的な酸化または還元の処理によって実施することができる。
大工業的方法で、精製処理は、有利に蒸留によって実施され、こうして反応水および低沸点物質、例えばアンモニア、ヘキサヒドロトルイジン、ヘキサヒドロトルエンジアミンおよび場合によっては溶剤は、一部分が除去されるかまたは完全に除去される。この水、低沸点物質および場合により溶剤の分離は、1つ以上の工程で実施されてよい。好ましくは、蒸留による1つ以上のオルト−トルエンジアミン異性体の除去は、その後に実施され、この場合この蒸留によるo−TDAの分離は、1つ以上の工程で実施されることができる。それによって、o−TDAの含量は、有利に0.3質量%未満に減少される(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, A.R. Cartolano: Toluenediamine, John Wiley & Sons, 2001)。
粗製TDA混合物を後処理するための蒸留工程後、さらにm−TDAの濃縮は、残留するm−TDAからのTDA残分の分離によって実施されることができる。公知技術水準によれば、TDA残分は、通常、m−TDAから蒸留によって分離される。できるだけ低いエネルギー出力およびm−TDAのできるだけ低い損失でTDA残分を連続的に分離する試みが幾多も為された。前記の全ての試みは、技術的意味でTDA残分不含であると呼ぶことができるm−TDAを生じるが、しかし、工業的意味で純粋であるこのm−TDAは、決して完全には残分不含ではない。それというのも、一定量の残分が熱への暴露中に再び形成されるからである。
欧州特許第659173号明細書B1には、m−TDAからのTDA残分の分離が利点として記載されている。それというのも、アミンとホスゲンとの反応で高分子量化合物が形成され、液相中でジイソシアネートが生じることは、前記利点によって減少され、TDIからの前記高分子量成分の必要とされる排出は、減少されるからである。(Ullmann、第4版、第13巻、第351頁)。また、欧州特許第659173号明細書B1には、残分不含のm−TDAだけを気相ホスゲン化に使用することができることが教示されている。それにも拘わらず、専ら残分不含のTDAを気相ホスゲン化に使用することができるという前記の断定は、欧州特許第659173号明細書B1には、詳細には、述べられていない。
総じて、欧州特許第659173号明細書B1には、残分を分離する方法が開示されており、この場合m−TDAは、TDA混合物に対して異質でありかつ290℃を上廻る沸点を有する補助物質のためにTDA残分から分離されることができる。1〜5質量%のm−TDA含量を有する残分/補助物質混合物が得られる。
欧州特許第794170号明細書B1には、欧州特許第659173号明細書B1に開示された方法が不利であるとして記載されている。それというのも、残分と補助物質との比は、せいぜい1:2にすぎないからである。補助物質およびその廃棄のための費用以外に、m−TDAを完全に分離するのに必要とされる290℃の必要な底面温度を達成するためのエネルギーの高い支出を考慮に入れなければならない。欧州特許第794170号明細書B1には、TDA混合物に対して異質の補助物質の代わりにo−TDAを共留剤として使用することが開示されている。それによって、熱を使用するために設けられた、残分50質量%、o−TDA異性体40質量%およびm−TDA異性体10質量%を含有する残分含有の流れは、得ることができる。残分含有の流れ中に残留する10質量%のm−TDA含量は、重大な経済的損失を表わす。
共沸剤としてのo−TDAを用いてm−TDAから残分を分離することによる、工業的意味で純粋であるm−TDAの製造は、同様にWO 2002/048075A1の対象である。WO 2002/048075A1に開示された方法において、残分含有の流れ中のm−TDAは、ストリッピング塔を用いてo−TDAによって代替され、欧州特許第794170号明細書B1の記載されたような簡単な混合および蒸留によって代替されるものではない。それによって、残分含有の流れ中のm−TDA含量は、0.9質量%未満に減少させることができ、幾つかの場合には、検出限界を下廻る値に減少されうる。
また、実質的に2,4−TDA異性体および2,6−TDA異性体を含有しかつo−TDA約0.1質量%(1000ppm)だけ、およびTDA残分約0.1質量%だけを含有するm−TDAが得られる。この方法の欠点は、必要とされる、装置およびエネルギーに対する増加された支出にある。
欧州特許出願公開第1746083号明細書A1は、分割壁蒸留塔中での蒸留による少なくとも4つの生成物流P1〜P4への粗製TDAの分離によって、装置に対して増加された支出の要件を解決している。生成物流P1は、低沸点物質を含有する流れである。生成物流P2は、o−TDAを含有する流れであり、生成物流P3は、m−TDAを含有する流れである。生成物流P4は、高沸点物質およびm−TDAを含有する生成物流である。この方法の場合には、例えばm−TDA以外に、p−TDA0.59質量%およびo−TDA0.1質量%だけをも含有しかつ技術的意味で残分不含である生成物流P3を得ることができる。m−TDAは、付加的な装置中で分割壁蒸留塔の生成物流P4から分離されることができる。これは、上記の公知技術水準の範囲内の蒸留法によって実施されることができるか、或いは例えば加熱下に真空中で操作されるニーダードライヤー(kneader dryer)を使用することによって実施されることができる。
DNTを大工業的規模で工業的意味での残分不含のm−TDAへ水素化することにより得られた粗製TDAを変換するための方法は、当業者に公知である。更に、公知技術水準(欧州特許第659173号明細書B1)には、残分不含のm−TDAだけがガス状ホスゲンとの反応に使用されるべきであることが推奨されている。
公知技術水準の教示を考慮して、当業者であれば、残分の分離後に得られた工業的に純粋なm−TDAを公知方法によって蒸発させることができ、したがって気相ホスゲン化に完全に供給されることができることが予想される。
しかし、意外なことに、公知技術水準から明らかになりかつ物質の流れに関連して極めて有利である前記方法は、それ自体証明されていなかったことが見出された。これとは異なり、m−TDAの気相ホスゲン化を経済的方法で実施することは役に立たないことが証明された。
気相中でのホスゲン化のために工業的に純粋なm−TDAを気相中に完全に変換することは、気相ホスゲン化のために必要とされる種々のTDAの純度を生じるではなく、大量のアンモニアの形成を生じる。m−TDAの完全な蒸発中でのアンモニアの前記放出は、その後のホスゲン化反応と下流の管路内および装置中との双方で沈殿物をまねく。更に、相応する生産の損失を引き起こす、前記の設備は、比較的頻繁に清浄化されなければならない。更に、公知技術水準により残分を含有せずかつ工業的意味でTDA残分不含であると呼ばれうるm−TDAは、決して完全には残分不含ではないことが見出された。それというのも、或る程度の量の残分は、熱への暴露中に再び形成されるからである。詳述すれば、公知技術水準で推奨されたように気相中へのm−TDAの完全な変換で、この残分は、エバポレーターシステム中で沈殿物を生じ、それ故に、エバポレーターシステムの制限された寿命を生じるか、または気相中でのm−TDAのホスゲン化のための設備を生じる。
従って、本発明の目的は、m−TDA蒸発によりm−TDAを気相中でホスゲン化することによるm−TDAを製造するための簡単な方法を提供することであり、この方法は、蒸発装置の同時に長い寿命でアンモニアの低い放出量によって区別され、それ故に煩わしい固体の発生ならびに関連するケーキング、閉塞および中断時間の発生が減少することを保証し、したがって著しく増加された数の操作時間によって区別される。
気相中でのホスゲン化の目的のために蒸発されるm−TDA中でできるだけ低くなるようにアンモニアの放出量を促進させる材料の含量を維持することによって、前記目的を達成させることは、可能であった。勿論、気相中でのホスゲン化の目的のために蒸発されるm−TDAは、できるだけ僅かな物理的に溶解されたアンモニアを含有すべきである。
蒸発されるm−TDA中に含有された不純物の性質および含量は、蒸発中のアンモニアの放出度に著しく影響を及ぼす。m−TDAが蒸発する場合には、不純物の濃度は、増加し、アンモニアの放出度は、さらに増加する。m−TDAの望ましくない異性体は、この意味において不純物ではない。アンモニアの放出度を促進する不純物は、TDA残分、脂環式アミンおよび重金属である。重金属、殊にニッケルは、アンモニアの高い放出度に著しく貢献し(実施例1)、m−TDAの蒸発中にエバポレーターの底部に蓄積される。
意外なことに、m−TDAからアンモニアの放出を促進させる不純物を分離することそれ自体は、本発明の目的を満たすために適した基準ではないことが見い出された。それというのも、気相ホスゲン化の方法で重大な沈殿物を引き起こすのになおも十分であるアンモニアの量が工業的に純粋なm−TDAを相応して熱に暴露する間に工業的に純粋なm−TDAから形成されうるからである。この観察は、或る程度の量の残分が熱への暴露中に再び形成されるという事実によって説明される(実施例2)。
意外なことに、アンモニアの放出量の減少を工業的に有利な程度に達成させ、m−TDAの気相ホスゲン化の操作時間数を著しく増加させ、一方で、同時に公知技術水準からは論理的に推理することができなかった、基準の組合せによって使用される蒸発システムの寿命を改善させることができた。
第1の基準は、蒸発においてできるだけ低い含量のアンモニア、TDA残分、脂環式アミンおよび重金属を含有するm−TDAの使用である。第2の基準および第3の基準と組み合わせた前記の基準は、蒸発の目的のために加熱中に工業的に純粋なm−TDAから不純物およびアンモニアが形成されることを最小化することである。第2の基準は、エバポレーター中に存在する液体の量V[kg]とエバポレーターを離れるガス流量M[kg/h]との比が2時間未満であるような条件下でm−TDAの蒸発が行われることである。
Figure 2010143900
上記式中、
V=m−TDAエバポレーター中の液体の量[ユニット:質量];液体の量、
Vは、エバポレーター中に存在する液体の量[kg]を含み、この量は、例えばポンプ循環路または循環型エバポレーターの場合には、ポンプ循環される液体の量または循環される液体の量も含む;および
M=エバポレーターを離れるガス流量M[ユニット:質量/時間]。
本発明による方法に有用な第3の基準は、エバポレーターに供給されるm−TDAが完全には蒸発されず、少なくとも0.1質量%の含量が常にエバポレーターから流出され、およびこの残りの含量がm−TDAとホスゲンとの反応のために反応器に導入されないことにある。
従って、本発明は、メタ−トルエンジアミンとホスゲンとを気相中で反応させることによってメタ−トルエンジイソシアネートを製造するための方法を提供し、この場合メタ−トルエンジアミンとホスゲンは、ガス状で別々に反応器に供給される。
本発明によるホスゲン化法に使用されるガス状メタ−トルエンジアミンは、少なくとも1つのエバポレーター中での蒸発によって発生される。エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、メタ−トルエンジアミンの質量に対してトルエンジアミン0.5質量%未満、好ましくは0.01質量%〜0.1質量%およびメタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニアおよび脂環式アミンの全体0.2質量%未満を含有する。エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、メタ−トルエンジアミンの質量に対して重金属20ppm未満、好ましくは0.05ppm〜10ppmを含有する。エバポレーター中の存在する液体の量V[kg]とエバポレーターを離れるガス流M[kg/h]との比は、好ましくは2時間未満である。エバポレーターに供給されるメタ−トルエンジアミンは、一部分が蒸発され、この場合メタ−トルエンジアミンの質量に対して少なくとも0.1質量%のメタ−トルエンジアミンの含量は、蒸発されない。メタ−トルエンジアミンの蒸発されない含量は、反応器に供給されない。
本発明の特に好ましい実施態様において、ベーパライザに供給されるメタ−トルエンジアミンは、
a1)メタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニア50ppm未満、好ましくは0.1〜20ppmおよび
a2)メタ−トルエンジアミンの質量に対して脂環式アミン0.1質量%未満、好ましくは0.01〜0.05質量%を含有する。
ppmでのデーターは、質量に対するものであり、即ち1000ppmは、0.1質量%に相当する。エバポレーターに供給されたm−TDA中の重金属、アンモニア、脂環式アミンおよびTDA残分の含量に対して記載された限界値は、エバポレーター中へのm−TDAの流入時点で適用される。実際に、取得された任意の試料は、できるだけ迅速に、即ちできるだけ60分以内に分析のために準備されるべきである。
本発明の好ましい実施態様において、使用されるトルエンジアミンは、相応するジニトロトルエンを接触水素化することによって得られる。水素化は、溶剤、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを用いて実施されてもよいし、このような溶剤なしで実施されてもよい。水素化は、反応混合物中に分散された触媒を用いて実施されることができ、この触媒は、さらに沈殿または濾過によって分離され、場合によっては処理に返送される。ドープされたかまたはドープされていないラニーニッケル触媒、または例えば、イリジウム、コバルト、銅、パラジウムまたは白金を含有する、ドープされたかまたはドープされていない金属触媒は、触媒として使用されることができる。ジニトロトルエン(DNT)を工業的に水素化し、トルエンジアミン(TDA)を生じる工業的水素化において、粗製TDAは、水以外に本質的にm−TDA異性体92〜96質量%(2,4−TDAおよび2,6−TDA)、p−TDA異性体1質量%未満(2,5−TDA)、低沸点物質3〜5質量%および高沸点物質0.2〜2質量%を含有する生成物として得られ、この場合そのつどの百分率は、合計して100質量%になる。高沸点物質の群は、2つのTDA異性体を酸化結合することによって形成され、一般にTDA残分と呼ばれるオリゴマーのしばしば着色された種類も含む。本発明の範囲内で残分の用語の定義は、上記に記載されている。
水素化で得られた粗製TDA混合物は、さらに使用するために精製される。精製処理は、有利に蒸留によって実施され、こうして反応水および低沸点物質、例えばアンモニア、ヘキサヒドロトルイジン、ヘキサヒドロトルエンジアミンおよび場合によっては溶剤は、一部分が除去されるかまたは完全に除去される。この水、低沸点物質および場合により溶剤の分離は、1つ以上の工程で実施されてよい。好ましくは、蒸留による1つ以上のo−TDA異性体の除去は、その後に実施される。この蒸留によるo−TDAの分離は、1つ以上の工程で実施されることができる。好ましくは、この蒸留後に、m−TDAのさらなる濃縮は、残留するm−TDAから高沸点物質を分離し、およびこうして工業的意味で残分不含のm−TDA生成物流を得ることによって実施される。
好ましい実施態様において、水、低沸点物質および場合によっては上記した溶剤を実質的に除去した後に、m−TDAは、処理され、低沸点物質と高沸点物質を分割壁蒸留塔中で分離することによって本発明の範囲内で工業的に純粋なm−TDAを生じる。本発明の範囲内での工業的に純粋なm−TDAは、m−TDAの質量に対してトルエンジアミン残分0.5質量%未満およびm−TDAの質量に対してアンモニアおよび脂環式アミンの全体0.2質量%未満を含有し、かつ重金属20ppm未満を含有する任意のm−TDAである。精製は、特に有利に分割壁蒸留塔中で実施され、この分割壁蒸留塔中で分割壁は、この塔の長手方向に配置されており、上部共通塔領域、場合により存在する底部共通塔領域、精留部およびストリッピング部を有する供給部、ならびに精留部およびストリッピング部を有する除去部が形成されている。この精留方法は、好ましくは次の工程を含む:
A)反応体の流れを分割壁蒸留塔の供給部に供給し、
B)低沸点物質画分を塔頂部からストリッピングにより除去し、
C)TDAを分割壁蒸留塔の取出し部中の側方の引取り部からストリッピングにより除去し、
D)高沸点物質画分を該塔の底部を介してストリッピングにより除去する。
分割壁蒸留塔への供給材料は、本質的に(即ち、好ましくは少なくとも75質量%、特に好ましくは少なくとも87質量%、殊に好ましくは少なくとも93質量%)m−TDAを含有し、好ましくは付加的にo−TDA10質量%未満、高沸点物質5質量%未満、低沸点物質5質量%未満および水5質量%未満を含有する。ここで質量%で報告されたデーターは、そのつど分割壁蒸留塔への供給材料の質量に対するものである。有利には、この分離は、50〜2000ミリバール、より有利には60〜500ミリバール、最も有利には70〜200ミリバールの塔頂部絶対圧下で実施される。この塔は、好ましくは除去区画のストリッピング部に少なくとも5個の理論的分離段を有する。除去区画のストリッピング部の効率のためには、精留部から流出する多少の液体は、ストリッピング部中に導入されなければならない。量は、除去区画から取り出されるm−TDA中の高沸点物質の含量が取り出されるm−TDAの質量に対して0.1質量%未満であるように選択される。
この点で、当業者に公知の任意の設置ユニット、例えば穿孔トレイ、泡鐘トレイまたはバルブトレイ、または規則充填体または不規則充填体は、分離補助手段として使用されることができる。分離補助手段による圧力損失は、低く維持されるべきである。圧力損失は、好ましくは150ミリバール未満、特に好ましくは100ミリバール未満である。充填体スタックおよび規則充填体は、好ましくは100〜500m2/m3、特に好ましくは200〜350m2/m3の比表面積を有する。底部温度は、低沸点物質の含量および塔内での圧力損失によって定められ;塔の操作条件は、好ましくは底部温度が260℃未満、好ましくは240℃未満を生じるように選択される。
本発明の別の好ましい実施態様において、本発明の範囲内で工業的に純粋なm−TDAは、共通の頂部塔が供給塔、除去塔および場合によっては共通の底部塔に結合されている塔の配置でm−TDAを精留することによって製造される。この点で、供給材料からの蒸気および除去塔からの蒸気は、頂部塔に通過され、一方で、頂部塔から排出される液体は、供給塔と除去塔との間に分配される。場合によっては存在する底部塔の蒸気は、供給塔および除去塔に通過され、一方で、供給塔および除去塔から排出される液は、場合によって存在する底部塔に通過される。
本発明のもう1つの好ましい実施態様において、本発明の範囲内で工業的に純粋なm−TDAは、粗製TDAが低沸点物質から急速に除去され、かつo−TDAおよびこうして得られた底部生成物が付加的な塔内で高沸点物質から除去されるような塔の配置でm−TDAを精製することによって製造される。この塔は、好ましくは精留部中に少なくとも5個の理論的分離段を有する。塔への還流は、塔頂生成物の高沸点物質の含量が塔頂生成物の質量に対して0.1質量%未満であるように選択されるべきである。温和な蒸発条件が選択された場合であっても、残分の形成は、エバポレーター中または塔内で起こることができ、その結果としてアンモニアが放出される。本発明の前記実施態様において、m−TDAは、塔頂生成物として得られるので、凝縮が実施される条件は、有利に溶解されたアンモニア50ppm未満を有する生成物が得られるように選択されるべきである。これは、極めて僅かなアンモニアが凝縮生成物中に溶解される、十分に高い凝縮温度によって可能になる。他の選択可能な方法によるかまたは付加的に、例えば不活性ガスは、前記の蒸留工程中に導入されることができる。この不活性ガスは、アンモニアに対して共留剤として作用し、塔の脱蔵通路を介して流出するアンモニアを輸送する。
粗製TDA混合物の精製は、得られたm−TDAが工業的意味で純粋である(即ち、そのつどm−TDAの質量に対して、TDA残分全体で0.5質量%未満、好ましくはTDA残分0.1質量%未満および不純物全体で0.2質量%未満、好ましくは脂環式アミン0.1質量%未満、アンモニア50ppm未満および重金属10ppm未満を含有する)ような条件下で実施されるべきである。m−TDAの貯蔵は、本発明による方法を実施する場合には、同様に考慮に入れるべきである。TDA残分は、工業的範囲内で純粋であるm−TDAの貯蔵中に形成することができるか、或いは空気との接触によって形成することができる。それ故に、工業的意味で純粋であるm−TDAは、通常、少量のTDA残分を含有し、即ちTDA残分の含量は、通常、0質量%を上廻り、好ましくは0.1質量%を下廻る。
上記の好ましい実施態様の任意の1つによって得られたメタ−トルエンジアミンは、気相ホスゲン化に使用された場合には、少なくとも1つのエバポレーター中で蒸発され、200℃〜600℃、好ましくは200℃〜500℃、特に好ましくは250℃〜450℃の温度に加熱され、場合によっては不活性ガス、例えばN2、HeまたはAr、または不活性溶剤、例えば芳香族炭化水素の蒸気、場合によってはハロゲン置換分、例えばクロロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼンで希釈された形で反応空間に供給される。
本発明による方法において、上記の好ましい実施態様の1つによって得られた、エバポレーターに供給された流れは、部分的に、即ち好ましくはm−TDAの質量に対して少なくとも70質量%の程度、特に好ましくは少なくとも90質量%の程度、殊に好ましくは少なくとも95質量%の程度に蒸発されるが、しかし、m−TDAの質量に対して少なくとも0.1質量%の程度、好ましくは少なくとも0.5質量%の程度、特に好ましくは少なくとも1つの1.0質量%の程度には、蒸発されない。m−TDAおよびm−TDAを加熱することによって形成された不純物と一緒に導入された高沸点物質は、アンモニアの放出を促進し、前記の蒸発されていない部分に蓄積され、蒸発されていない部分は、エバポレーターから連続的または回分的に流出され、気相反応器には、供給されない。好ましくは、蒸発されていない部分は、部分的または完全に再び、上記の蒸留による粗製TDAの後処理に供給される。更に、同様に好ましい実施態様において、蒸発されていない部分は、エバポレーターから連続的または回分的に排出されることができ、廃棄され、好ましくは熱により廃棄される。同様に好ましい別の実施態様において、蒸発されていない部分は、エバポレーターから連続的または回分的に排出されることができ、一部分、好ましくは10〜90%の程度で工業的に純粋なm−TDAと一緒に再びエバポレーター中に直接供給される。
任意のエバポレーターは、原理的にアミン蒸発のためのエバポレーターとして使用されることができる。場合によってはポンプ循環路を備えた、管束熱交換器、板状熱交換器または落下型薄膜エバポレーターは、有利に使用されることができる。マイクロ熱交換器またはマイクロエバポレーター、例えばWO 2005/016512Aまたはドイツ連邦共和国特許出願公開第102005036870号明細書A1に記載されたものは、これらのマイクロ熱交換器またはマイクロエバポレーターがエバポレーターに供給されたm−TDAの流れの部分的な蒸発のためだけに使用される場合には、使用されてもよい。
好ましい実施態様において、メタ−トルエンジアミンの蒸発は、ポンプ循環路を備えた落下型薄膜エバポレーター中で実施される。m−TDAの沸点を上廻る温度で落下型薄膜エバポレーター中で蒸発されるm−TDAは、気相ホスゲン化の目的のために反応器に供給され、一方、エバポレーターへの供給材料の流れの蒸発されていない含量は、反応器に供給されない。エバポレーターへの供給材料の流れの蒸発されていない含量は、蒸発されたm−TDAから分離され、この場合、分離は、1つ以上の工程で簡単な凝縮、流動比の変化、または場合によっては液滴分離器の使用で実施されることが可能である。エバポレーターへの供給材料の流れの蒸発されていない含量は、落下型薄膜エバポレーターのポンプ溜め中に捕集され、一部分をポンプ溜めから落下型薄膜エバポレーターへ返送しおよび/または全部または一部分をTDA蒸留シーケンス中へ導入しおよび/または全部または一部分を排出し、廃棄のために除去することができる。蒸留されていない含量は、一部分が落下型薄膜エバポレーターに返送されおよび/または全部または一部分がTDA蒸留シーケンス中に返送され、これは、好ましくは連続的に実施される。蒸留されていない含量は、一部分が落下型薄膜エバポレーターに返送されおよび/または全部または一部分が排出され、廃棄のために除去され、これは、連続的または非連続的、好ましくは非連続的に実施されることができる。m−TDAエバポレーター中での液体の量Vの減少は、アンモニアおよび他の不純物の形成を抑制することに対して有利な効果を有する。ポンプ循環路およびポンプ溜めを備えた落下型薄膜エバポレーターを使用した場合には、液体の量Vは、落下型薄膜エバポレーター中、ポンプ循環路中およびポンプ溜め中の液体の量を含む。全ての前記実施態様において、上記の定義に相応するエバポレーターの底部中に維持された液体の量Vとエバポレーター中で気相に変換された流れMとの比は、2時間未満であるように調節される。これは、本発明の範囲内で技術的に純粋でありかつエバポレーターに供給されるメタ−トルエンジアミンの流れがエバポレーター内で十分に殆んどアンモニアを放出しないことを保証する。
m−TDAの蒸発および過熱は、好ましくは蒸気状TDAの流れ中での蒸発されていない液滴を回避させるために幾つかの工程で実施される。液滴分離器が蒸発システムと過熱システムおよび/または液滴分離器としても機能する蒸発装置との間に含まれているような多工程での蒸発および過熱工程は、特に好ましい。好適な小滴分離器は、例えば"Droplet Separation",A.Burkholz,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim−New York−Basle−Cambridge,1989に記載されている。低圧の損失を引き起こす液滴分離器は、特に好ましい。最も好ましくは、蒸発されたアミンは、小滴分離器としても機能する少なくとも1つの後方加熱器によって所望の使用温度にもたらされる。この後方加熱器が分離器の一定の空きを保証するために液体排出管を備えていることは、好ましい。
最後の過熱器を流れ方向に離れた後、意図した温度に予熱された蒸気状アミンは、好ましくは0.01〜60秒、特に好ましくは0.01〜30秒、殊に好ましくは0.01〜15秒の平均滞留時間で反応器または反応のための混合装置に供給される。液滴が再度形成される危険は、技術的基準、例えば放射による損失を回避させるのに適した絶縁により妨げられる。反応器の運転時間は、実質的に液滴不含の蒸気状出発アミンの流れが反応器中への流入前に発生することによって著しく増加される。実質的に液滴不含の蒸気状出発アミンの流れは、蒸気状アミンが実質的に蒸発されていないアミンの液滴を全く含有せず、即ちアミンの全質量に対してアミン最大0.5質量%、特に好ましくはアミン最大0.05質量%が蒸発されていない液滴の形で存在し、アミンの残りの部分が蒸気の形で存在することを意味する。特に好ましくは、蒸気状アミンは、蒸発されていないアミンの液滴を全く含有しない。本発明の範囲内で場合によってはそうでなくてアミンの蒸気状の流れで存在する蒸発されていないアミンの液滴は、蒸発されておらずかつ反応器に供給されないm−TDA少なくとも0.1質量%の一部分として計量すべきではない。アミンの蒸気状の流れの中の任意の連行されたアミン液滴にも拘わらず、メタ−トルエンジアミンの質量に対するメタ−トルエンジアミン少なくとも0.1質量%の含量は、本発明による方法で蒸発されず、ホスゲン化が行なわれる反応器に供給されない。
分離された液体の量は、場合によっては蒸発されていないTDAと一緒にエバポレーターからもたらされる。
m−TDAの蒸気状の流れを気相反応器へ発生させるためのエバポレーターおよび/または過熱器および管路は、任意の望ましい金属材料、例えばスチール、高級スチール、チタン、ハステロイ、インコネルまたは他の金属合金から製造されることができる。低いニッケル含量を有する金属材料は、有利に使用される。
場合によっては不活性ガスまたは不活性溶剤の蒸気で希釈された、蒸発されたm−TDAの流れは、200℃〜600℃の温度に加熱され、アミンの流れとは別に200℃〜600℃の温度に一定の断面積または変化する断面積を備えた管状反応器中で加熱された、場合によっては不活性ガスまたは不活性溶剤の蒸気で希釈されたホスゲンの流れと、攪乱流を維持しながら0.5〜15秒の平均滞留時間で連続的に反応される。反応空間を離れるガス混合物は、少なくとも1つの不活性溶剤および/または不活性溶剤とジイソシアネートとの少なくとも1つの混合物を通過し、この場合この溶剤または混合物は、ジアミンに相当する塩化カルバミン酸の分解温度を上廻る温度に維持される。不活性溶剤に溶解されているジイソシアネートは、蒸留によって後処理に掛けられる。
更に、本発明の好ましい変法において、m−TDAの蒸発されていない流れは、全部または一部分が排出され、および廃棄のために除去されるか、或いは全部または一部分が排出され、およびTDA蒸留シーケンス中に導入される。排出後および廃棄前またはTDA蒸留シーケンス中への供給前に、この蒸発されていない流れがエバポレーター中でのTDAの沸騰温度未満の温度、好ましくは260℃未満の温度、特に好ましくは200℃未満の温度へ冷却されることは、好ましい。しかし、この方法では、温度は、100℃未満、特に好ましくは130℃未満に低下すべきではない。冷却は、任意の公知の熱交換器、例えば管束型熱交換器または板状熱交換器中で行なうことができる。水、凝縮液、二次冷却循環液、空気および/または加熱されるべき他の流れは、冷却液として使用されることができる。冷却は、好ましくは加熱されるべき材料の流れ、特に好ましくはTDAの流れにより行なうことができる。
更に、本発明による方法の実施態様において、蒸発中のアンモニアの低い放出量によって区別されるm−TDAは、低沸点物質およびo−TDAを含有しないが、しかし、高沸点物質をなお含有することができるm−TDAの比較的長い滞留時間で高い温度で熱処理することによって得られる。この熱処理に使用される温度は、好ましくは100〜350℃、特に好ましくは130〜330℃、殊に好ましくは200〜300℃であり、一方、前記温度での滞留時間は、15分間を上廻り、特に好ましくは20分間ないし10日、殊に好ましくは30分間ないし4時間である。この熱処理は、注目に値する程度に進行するアンモニアの形成およびそれによって形成されたアンモニアを生じる反応が切り離されうるので有利である。アンモニアが分離された後に得られたm−TDAは、その後の蒸発中でのアンモニアの低い分解傾向を有するであろう。
また、本発明は、メタ−トルエンジアミンとホスゲンとを気相中で反応させることによってメタ−トルエンジイソシアネートを製造するための方法に関し、この場合メタ−トルエンジアミンとホスゲンは、ガス状で互いに別々に反応器に供給される。ガス状のメタ−トルエンジアミンは、少なくとも1つのエバポレーター中で液体のメタ−トルエンジアミンを蒸発させることによって発生され、この場合この液体のメタ−トルエンジアミンは、
a)メタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニアおよび脂環式アミンの全体0.2質量%未満を含有し、
b)重金属20ppm未満を含有し、および
c)100℃未満で少なくとも15分間熱処理されたものであり、したがってそれによって形成されたアンモニアは、除去される。
また、本発明による方法の前記実施態様は、エバポレーターに供給されたメタ−トルエンジアミンがアンモニア、脂環式アミンおよび重金属に関連して上記の純度を有することが必要とされる。しかし、m−TDAの純度は、十分ではなく、したがって少なくとも1つの他の基準と組み合わされなければならない。本発明の前記実施態様において、さらに前記基準は、蒸発前にメタ−トルエンジアミンを熱処理することにある。熱処理中、0.5質量%を上廻る残分含量は、許容されてよい。この熱処理後、エバポレーター中に存在する液体の量V[kg]とエバポレーターを離れるガス量M[kg/h]との比を2時間未満の値へ正確に調節することは、もはや必ずしも必要ではない。

TDA異性体混合物の組成および該混合物の脂環式アミン含量を当業者に公知のガスクロマトグラフィー法を用いて常法で測定する。Willeboordse et al.の方法は、適している(Willeboordse, F.; Quick, Q.: Bishop, E.T. "Direct gas chromatographic analysis of isomeric diaminotoluenes" Analytical Chemistry 1968, 40 (10), 1455-5458)。
TDA残分の含量は、常法により、残分の蒸留によって測定され、この場合試料中のTDA残分の質量含量は、TDA異性体、脂環式アミンおよび場合による他の低沸点物質が留去される前および留去された後に質量によって測定される。
重金属の含量は、当業者に公知の方法によって原子吸光測光法により測定されることができる。
物理的に溶解されたアンモニアの含量を、エバポレーターの供給材料の流れから得ることができるか、或いはエバポレーターを離れるガスの流れの一部分の流れを完全に凝縮させることによって得ることができる。試料を、窒素の流れを用いて高級スチール製オートクレーブ中で140℃で1時間一掃し、こうして物理的に溶解されたアンモニアをm−TDAから排出する。窒素の流れをオートクレーブの外側で連行されたTDAから除去し、アンモニアを過剰の希硫酸でガス洗浄瓶中で中和する。硫酸の消費量、ひいては物理的に溶解されたアンモニアの量を、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて硫酸含量の逆滴定によって測定する。
例1(比較)
ニッケル塩で補充されたm−TDAの使用
アンモニアの放出に対する重金属の影響を証明するために、残分が除去されておらずかつニッケル(II)塩の形でニッケル0.12gが添加され、したがって200ppmのニッケルイオン濃度が生じたm−TDA603gを例1で使用した。このm−TDAは、1.13質量%の残分含量を有し、一方で、脂環式アミンの含量は、0.12質量%であり、物理的に溶解されたアンモニアの含量は、25ppmであった。ニッケルイオンが添加された前記のm−TDAを5時間、320℃の温度に暴露し、この時間の間にm−TDA 1kg当たり8155mgのアンモニアの極めて高い放出量を示した。
例2(比較)
工業的意味で純粋であるm−TDAの熱処理中の残分の形成
予め蒸留され、こうして重金属、TDA残分および脂環式アミンが除去されたm−TDA599gを例2で使用した。工業的意味において、試料は、重金属不含であり(10ppm未満)、残分不含であり(TDA残分0.05質量%未満)、脂環式アミンの含量を0.02質量%に減少させることができた。物理的に溶解されたアンモニアの含量は、31ppmであった。この試料を5時間、320℃の温度に暴露し、この時間の間にm−TDA 1kg当たり物理的に溶解されたアンモニアの放出量を上廻る89mgのアンモニアの放出量を示した。熱処理後、残分含量を再び測定した。1.01質量%への増加を測定した。
例3(比較)
TDA残分1.2質量%、NH3 50ppm、脂環式アミン500ppmおよび重金属3ppmを含有し、残分が本質的にm−TDAである混合物3140kg/hを有する流れを、エバポレーターに供給し、混合物2400kg/hを蒸発させ、気相ホスゲン化に供給した。取入れた流れ739kg/h(即ち、23.5質量%)を排出し、別の使用に供給した。エバポレーターをポンプ溜めおよび循環ポンプを備えた落下型薄膜エバポレーターとして設計し、320℃で1.2バールで操作した。ポンプ溜めは、エバポレーターの底部に対応していた。ポンプ溜め中の作業容積は、1.2m3であり、これは、約1020kgのエバポレーター中に保持された液体の量に相当した。エバポレーターの底部中に保持された液体の量と蒸発された流れとの比は、0.4時間であった。気相ホスゲン化に対する流れの中のアンモニア含量は、約90ppmであり、急速な閉塞が観察された。
例4(比較)
残分および工業的意味の重金属を含有せず、脂環式アミン1000ppmおよびアンモニア12ppmを含有し、残分が本質的にm−TDAである混合物2402kg/hから構成された流れを、例3からの装置に供給した。約2400kg/hを蒸発させ、約2kg/h(即ち、取入れた流れ0.08質量%)を排出させ、別の使用に供給した。ポンプ溜め中の作業容積は、1.2m3であり、これは、約1020kgのエバポレーター中に保持された液体の量に相当した。エバポレーターの底部中に保持された液体の量と蒸発された流れとの比は、0.4時間であった。気相ホスゲン化に対する流れの中のアンモニア含量は、約76ppmであり、注目すべき閉塞が観察された。
例5(比較)
残分および工業的意味の重金属を含有せず、脂環式アミン1000ppmおよびアンモニア12ppmを含有し、残分が本質的にm−TDAである混合物2450kg/hから構成された流れを、例3からの装置に供給した。約2400kg/hを蒸発させ、約50kg/h(即ち、取入れた流れ2.0質量%)を排出させ、別の使用に供給した。ポンプ溜め中の作業容積は、6m3であり、これは、約5100kgのエバポレーター中に保持された液体の量に相当した。エバポレーターの底部中に保持された液体の量と蒸発された流れとの比は、2.1時間であった。気相ホスゲン化に対する流れの中のアンモニア含量は、約137ppmであり、急速な閉塞が観察された。
例6
工業的意味の重金属を含有せず、脂環式アミン200ppm、アンモニア14ppmおよび残分0.1質量%を含有し、残分が本質的にm−TDAである混合物2424kg/hから構成された流れを、例3からの装置に供給した。約2400kg/hを蒸発させ、約24kg/h(即ち、取入れた流れ1.0質量%)を排出させ、別の使用に供給した。ポンプ溜め中の作業容積は、3.2m3であった。エバポレーターの底部中に保持された液体の量と蒸発された流れとの比は、0.4時間であった。気相ホスゲン化に対する流れの中のアンモニア含量は、約30ppmであり、例3〜5と比較して低い閉塞傾向および増加された数の操作時間が観察された。

Claims (5)

  1. m−トルエンジイソシアネートの製造法において、反応器に
    (1)ホスゲンのガス状の流れおよび
    (2)液状のメタ−トルエンジアミンを少なくとも1つのエバポレーター中で蒸発させることによって発生されたメタ−トルエンジアミンのガス状の流れを供給し、この場合
    a)エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、メタ−トルエンジアミンの質量に対してトルエンジアミン0.5質量%未満およびメタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニアおよび脂環式アミンの全体0.2質量%未満を含有し、
    b)エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、メタ−トルエンジアミンの質量に対して重金属20ppm未満を含有し、および
    c)エバポレーター中に存在するkgでの液体メタ−トルエンジアミンの量Vとエバポレーターを離れるkg/hでのガス流の量Mとの比は、2時間未満であり、および
    d)エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、一部分がメタ−トルエンジアミンの質量に対して液体メタ−トルエンジアミン少なくとも0.1質量%は蒸発されないような程度に蒸発され、および
    e)蒸発されていないメタ−トルエンジアミンは、反応器に供給されるガス状の流れを含まず、メタ−トルエンジアミンは、気相中でホスゲン化され、m−トルエンジイソシアネートを形成することを特徴とする、m−トルエンジイソシアネートの製造法。
  2. 少なくとも1つのエバポレーターに供給されるメタ−トルエンジアミンは、
    a1)メタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニア50ppm未満および
    a2)メタ−トルエンジアミンの質量に対して脂環式アミン0.1質量%未満を含有する、請求項1記載の方法。
  3. 工程d)でメタ−トルエンジアミンの蒸発されていない含量は、出口開口を通じてエバポレーターから排出され、さらに一部分が取入れ開口を通して再びエバポレーターに供給される、請求項1記載の方法。
  4. 工程d)でメタ−トルエンジアミンの蒸発されていない含量は、出口開口を通じてエバポレーターから排出され、さらに一部分がジニトロトルエンの水素化から得られた粗製トルエンジアミンの蒸留に供給される、請求項1記載の方法。
  5. m−トルエンジイソシアネートの製造法において、反応器に
    (1)ホスゲンのガス状の流れおよび
    (2)少なくとも1つのエバポレーター中での蒸発によって発生されたメタ−トルエンジアミンのガス状の流れを供給し、この場合
    a)エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、メタ−トルエンジアミンの質量に対してアンモニアおよび脂環式アミンの全体0.2質量%未満を含有し、および
    b)エバポレーターに供給される液体メタ−トルエンジアミンは、重金属20ppm未満を含有し、および
    c)エバポレーターに供給されるメタ−トルエンジアミンは、100℃未満で少なくとも15分間熱処理され、それによって形成されたアンモニアは、エバポレーターへの導入前に除去され、
    この場合メタ−トルエンジアミンは、気相中でホスゲン化され、m−トルエンジイソシアネートを形成することを特徴とする、m−トルエンジイソシアネートの製造法。
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