JP2010143110A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】両端のノズル孔における吐出速度の遅れを抑制し、複数のノズル孔から均一な吐出速度で液体を吐出させることを目的とする。
【解決手段】液体が充填される溝部35が間隔をあけて並列に複数形成されたアクチュエータプレート30と、溝部35の側壁36に形成された駆動電極37と、溝部35が形成されたアクチュエータプレート30の表面に接着材を介して貼着されて溝部35を覆うカバープレート31と、アクチュエータプレート30の端面に接着材を介して貼着され、複数の溝部35にそれぞれ連通するノズル孔が複数形成されたノズルプレートと、を備え、駆動電極37に駆動電圧を印加することで側壁36を変形させて溝部35内の圧力を高め、溝部35内の液体をノズル孔から吐出させるヘッドチップであって、複数の溝部35のうち、溝部35の配列方向の両端に位置する溝部35aの容積は、配列方向の中央に位置する溝部35bの容積よりも大きい。
【選択図】図6

Description

本発明は、ノズル孔より液体を吐出して被記録媒体に画像や文字を記録するヘッドチップ、該ヘッドチップを有する液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置に関する。
現在、液体噴射装置の1つとして、記録紙等の被記録媒体にインク(液体)を吐出して画像や文字等の記録を行うインクジェット方式の記録装置(例えば、プリンタやファックス等)が提供されている。この記録装置は、インクタンクからインク供給管を介してインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを供給し、該インクジェットヘッドに備えられたヘッドチップのノズル孔からインクを被記録媒体に吐出することで記録を行っている。
上記したヘッドチップには、アクチュエータプレートとカバープレートとを貼り合せるとともに、これらの端面にノズルプレートを貼着させた構成からなる。アクチュエータプレートは、圧電材料で形成されたプレートであり、その表面には、側壁でそれぞれ区切られた複数の溝部が並列に形成されている。この溝部は、インクが流れ込んで溜まる断面視凹形状のチャネルであり、この溝部の延在方向(長手方向)の一端は、アクチュエータプレートの端面において開放されている。溝部の両側の側壁には、それぞれ長手方向に沿って延びた板状の駆動電極がアルミ蒸着等によって形成されており、これらの駆動電極には、インクジェットヘッドに備えられた制御手段によって駆動電圧が印加される。カバープレートは、溝部を覆うプレートであり、上記したアクチュエータプレートの表面(溝部が形成された面)に接着材を介して貼着されている。また、このカバープレートには、複数の溝部にインクを導入させるための導入口が形成されており、インクジェットヘッドに供給されたインクは導入口を通って各溝部にそれぞれ供給される。ノズルプレートは、複数の溝部にそれぞれ連通するノズル孔が複数形成されたプレートであり、貼り合わされたアクチュエータプレートとカバープレートとの端面に接着材を介して貼着されている。
上記した構成のヘッドチップでは、アクチュエータプレートに対してカバープレートやノズルプレートを貼着させる接着材の量が少ないと接着不良を起してインク漏れが生じるおそれがあるため、接着材を多少多めに塗布する必要がある。このため、接着材を介してアクチュエータプレートにカバープレートやノズルプレートを貼り付けたとき、余剰な接着材がはみ出て溝部内に流れ込み、この余剰接着材によって溝部の容量が小さくなる。
上記した溝部への余剰接着材の流れ込みの対策として、従来、例えば特許文献1に示されているような、溝部の開口縁に切り欠きを形成したヘッドチップが提案されている。このヘッドチップでは、アクチュエータプレートとカバープレートとを貼り合せたときにはみ出た余剰接着材が上記した切り欠きに保持されるため、余剰接着材によって溝部の容量が小さくなることが防止される。
特開2007−230045号公報
ところで、通常、アクチュエータプレートの両端部分(溝部の配列方向の両端部分)の接着面が中央部分の接着面よりも広くなっているため、両端に近い溝部ほど余剰な接着材が流れ込み易い。しかしながら、上記した従来のヘッドチップでは、複数の溝部が同一形状を成しているため、余剰接着材によって両端部分の溝部の容量が中央部分の溝部に比べて小さくなり、両端部分の溝部によるインク吐出の吐出速度が遅くなるという問題が生じる。
また、上記した従来のヘッドチップでは、溝部の開口縁に切り欠きを形成しているため、隣り合う溝部の間に配置された側壁の上面が小さくなり、カバープレートに対して接着される面積が小さくなり、アクチュエータプレートとカバープレートとの接着性が低下する。また、側壁の上面は応力が集中する箇所であるため、この側壁上面が小さくなると、ヘッドチップの耐久性が低下する。
また、アクチュエータプレートの溝部を形成する際に、上記した切り欠きを形成しなければならず、製造工程が増加し、生産性が低下するという問題がある。
さらに、アクチュエータプレートにノズルプレートを貼着させたときの余剰接着材が溝部に流れ込み、これにより、溝部の容量が小さくなるという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、アクチュエータプレートに対するカバープレートやノズルプレートの接着性、及びヘッドチップの耐久性並びに生産性をそれぞれ低下させることなく、両端部分に位置するノズル孔における吐出速度の遅れを抑制し、複数のノズル孔から均一な吐出速度でインク(液体)を吐出させることができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置を提供することを目的としている。
本発明に係るヘッドチップは、液体が充填される溝部が間隔をあけて並列に複数形成されたアクチュエータプレートと、前記溝部の側壁に形成された駆動電極と、前記溝部が形成された前記アクチュエータプレートの表面に接着材を介して貼着されて前記溝部を覆うカバープレートと、前記アクチュエータプレートの端面に接着材を介して貼着され、前記複数の溝部にそれぞれ連通するノズル孔が複数形成されたノズルプレートと、を備え、前記駆動電極に駆動電圧を印加することで前記側壁を変形させて前記溝部内の圧力を高め、該溝部内の前記液体を前記ノズル孔から吐出させるヘッドチップであって、前記複数の溝部のうち、該溝部の配列方向の両端に位置する溝部の容積は、前記配列方向の中央に位置する溝部の容積よりも大きいことを特徴としている。
このような特徴により、アクチュエータプレートに接着材を介してカバープレートやノズルプレートを貼着させたとき、両端の溝部には中央の溝部よりも多量の余剰な接着材が流れ込むが、両端の溝部は中央の溝部よりも容積が大きくなっているため、両端の溝部の容量が確保される。すなわち、両端の溝部の容量は余剰な接着材が多量に流れ込むことで中央の溝部の容量と略均等になり、両端の溝部による液体吐出速度の遅れが抑制される。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記配列方向の両端に位置する溝部の深さが、前記配列方向の中央に位置する溝部の深さよりも深いことが好ましい。
これにより、溝部の幅が変えられることなく、両端の溝部の容積が中央の溝部の容積よりも大きくなる。このため、例えばブレード等でアクチュエータプレートの溝部を形成する際、両端の溝部は、中央の溝部と同一の工程の中で溝切りプログラムの溝深さの数値を変更するだけで形成することが可能である。つまり、アクチュエータプレートは従来の製作工程と略同一な工程で作成されるので、生産性を低下させることなく、アクチュエータプレートに溝部を形成することができる。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記配列方向の両端に位置する溝部の幅が、前記配列方向の中央に位置する溝部の幅よりも広いことが好ましい。
これにより、溝部の深さが変えられることなく、両端の溝部の容積が中央の溝部の容積よりも大きくなる。このため、両端の溝部の側壁に形成される駆動電極と中央の溝部の側壁に形成される駆動電極とは同一の電極パターンになり、同一工程でそれぞれ形成することが可能である。つまり、溝部の側壁に形成される駆動電極の形状に影響を与えることなく、両端の溝部の容積を中央の溝部の容積よりも大きくすることができる。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記複数の溝部のうち、配列方向両側の最端の溝部のみが、他の溝部よりも容積が大きいことが好ましい。
これにより、最端の溝部についてだけ他の溝部と異なる加工を施すので、アクチュエータプレートが容易に作成される。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記複数の溝部のうち、配列方向両側の最端から複数の溝部が、他の溝部よりも容積が大きくなっていてもよい。
これにより、複数の溝部の容量がより均一となり、複数の溝部による液体吐出速度のバラツキが低減される。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記複数の溝部の容積が、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次増大されていてもよい。
これにより、両端に近い溝部ほど余剰接着材が流れ込み易いが、溝部の容積が中央から両端に向かって漸次増大されていることで、余剰接着材の流れ込みが多い溝部ほどその容積が大きくなり、複数の溝部の容量がより均一となる。
また、上記したヘッドチップは、前記複数の溝部の深さが、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次深くなっていることが好ましい。
さらに、上記したヘッドチップは、前記複数の溝部の幅が、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次広くなっていることが好ましい。
また、本発明に係るヘッドチップは、前記配列方向の両端に位置する溝部の断面形状が、該溝部の延在方向のノズルプレート側に向かうに従い漸次拡大されていることが好ましい。
アクチュエータプレートとノズルプレートとを接着材を介して貼着させると、アクチュエータプレートとノズルプレートとの間から余剰接着材が流れ込む分、溝部のうちのノズルプレート側の部分ほど、余剰接着材の流れ込み量が多くなる。また、ヘッドチップの駆動性能にとって溝部のノズルプレート側の部分は重要であって、その部分の側壁が適正に変形する必要がある。そこで、上記した構成にすることにより、両端の溝部のうち、ノズルプレート側の部分の容積が拡大されるので、ノズルプレート側から溝部に余剰接着材が流れ込んでもその部分の容量を十分に確保することができ、側壁が適正に変形可能である。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドは、前記複数の溝部に前記液体を導入させるための導入口が形成された上記ヘッドチップと、前記液体を前記導入口に供給する供給手段と、前記駆動電極に前記駆動電圧を印加する制御手段と、を備えることを特徴としている。
このような特徴により、供給手段によってヘッドチップの導入口に液体が供給され、制御手段によって駆動電極に駆動電圧を印加することでヘッドチップ内の液体がノズル孔から吐出される。このとき、上記したヘッドチップによって両端の溝部による液体吐出速度の遅れが抑制されるので、中央のノズル孔と同じ吐出速度で両端のノズル孔から液体を吐出させることができる。
また、本発明に係る液体噴射装置は、被記録媒体を予め決められた搬送方向に搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送された被記録媒体の表面に対して前記ノズル孔が対向する向きに配置された上記液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドを前記搬送方向に直交する方向に前記被記録媒体に沿って往復移動させる移動手段と、を備えることを特徴としている。
このような特徴により、搬送手段によって被記録媒体を搬送するとともに、移動手段によって液体噴射ヘッドを往復移動させながらノズル孔から被記録媒体に向けて液体を吐出させることで被記録媒体に画像や文字等が記録される。このとき、中央のノズル孔と同じ吐出速度で両端のノズル孔から液体が吐出されるので、両端のノズル孔から被記録媒体の所定位置に正確に液体が当てることができ、高品質の記録を実現することができる。
本発明に係るヘッドチップ、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置によれば、両端部分に位置するノズル孔における吐出速度の遅れを抑制し、複数のノズル孔から均一な吐出速度で液体を吐出させることができる。
以下、本発明に係るヘッドチップ、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、本実施形態では、液体噴射装置の一例として、非導電性を有する非水性のインク(液体)Wを利用して記録を行うインクジェットプリンタ1を例に挙げて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について、図1から図6に基いて説明する。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、インクWを吐出する複数のインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)2と、記録紙(被記録媒体)Pを予め決められた矢印L1方向(搬送方向)に搬送する搬送手段3と、前記搬送方向に直交する矢印L2方向(走査方向)に複数のインクジェットヘッド2を往復移動させる移動手段4とを、備えている。
つまり、このインクジェットプリンタ1は、記録紙Pを搬送方向に搬送しながら、該搬送方向に直交する走査方向にインクジェットヘッド2を移動させて、記録紙Pに文字や画像を記録する所謂シャトルタイプのプリンタである。
なお、本実施形態では、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー)のインクWを吐出する4つのインクジェットヘッド2を備えている場合を例にしている。なお、これら4つのインクジェットヘッド2は、同一構成とされている。
これら4つのインクジェットヘッド2は、略直方体形状の筐体5内に組み込まれたキャリッジ6に搭載されている。
このキャリッジ6は、複数のインクジェットヘッド2を載置する平板状の基台6aと、該基台6aから垂直に立ち上げられた壁部6bと、で構成されており、上記操作方向に沿って配置されたガイドレール7によって往復移動可能に支持されている。また、キャリッジ6は、ガイドレール7に支持された状態で一対のプーリ8に巻回された搬送ベルト9に連結されている。一対のプーリ8のうち一方のプーリ8は、モータ10の出力軸に連結されており、モータ10からの回転駆動力を受けて回転するようになっている。これにより、キャリッジ6は、走査方向に向けて往復移動できるようになっている。
即ち、これら一対のガイドレール7、一対のプーリ8、搬送ベルト9及びモータ10は、上記移動手段4として機能する。
また、筐体5には、一対のガイドレール7と同じ走査方向に沿って一対の搬入ローラ15と、一対の搬送ローラ16とが間隔を空けて並設されている。一対の搬入ローラ15は、筐体5の背面側に設けられ、一対の搬送ローラ16は筐体5の前面側に設けられている。そして、これら一対の搬入ローラ15及び一対の搬送ローラ16は、図示しないモータによって記録紙Pを間に挟んだ状態で回転するようになっている。これにより、筐体5の背面側から前面側に向かう前記搬送方向に沿って記録紙Pを搬送することができるようになっている。
即ち、これら一対の搬入ローラ15及び一対の搬送ローラ16は、上記搬送手段3として機能する。
図2に示すように、各インクジェットヘッド2は、図1に示すキャリッジ6の基台6aに図示しないネジを介して取り付けられる矩形状の固定板20と、該固定板20の上面に固定されたヘッドチップ21と、該ヘッドチップ21の後述するインク導入口31aにインクWを供給する供給手段22と、後述する駆動電極37に駆動電圧を印加する制御手段23と、を主に備えている。これら各インクジェットヘッド2は、搬送手段3によって搬送された記録紙Pの表面に対して後述するノズル孔33aが対向する向きに配置されている。
図3及び図4に示すように、ヘッドチップ21は、アクチュエータプレート30、カバープレート31、支持プレート32及びノズルプレート33で主に構成されており、アクチュエータプレート30に図示せぬ接着材を介してカバープレート31が重ね合わされているとともに、重ね合わされたアクチュエータプレート30及びカバープレート31の端面に図示せぬ接着材を介してノズルプレート33が貼着された構成からなる。
アクチュエータプレート30は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されたプレートである。このアクチュエータプレート30のカバープレート31側の面(表面)には、図3から図6に示すように、矢印L3方向(延在方向)に延びた溝部35が矢印L1方向(配列方向)に一定間隔をあけて並列に複数形成されている。即ち、複数の溝部35は、側壁36によってそれぞれ区分けされた状態となっている。これらの溝部35は、インクWが充填される断面視凹形状の吐出チャネルであり、後述するカバープレート31のインク導入口31aにそれぞれ連通されている。溝部35の延在方向の一端(先端)は、アクチュエータプレート30の先端面(ノズルプレート33側の端面)において開口されている。一方、溝部35の延在方向の他端部(基端部)は、アクチュエータプレート30の途中まで延びており、基端側(ノズルプレート33側の反対側)に向かうにしたがって漸次深さが浅くなっている。また、アクチュエータプレート30には、溝部35の基端からアクチュエータプレート30の基端面(ノズルプレート33側反対側の端面)まで延びた浅溝部38が形成されている。この浅溝部38は溝部35の延長線上に形成されており、その一端は溝部35の内側に向けて開口され、その他端はアクチュエータプレート30の基端面(ノズルプレート33側反対側の端面)において開口され、図示しない封止手段によって封止されている。
また、図5及び図6に示すように、複数の溝部35のうち、溝部35の配列方向(矢印L1方向)の両端に位置する溝部35aの深さが、配列方向の中央に位置する溝部35bの深さよりも深くなっており、両端の溝部35aの容積は、中央の溝部35bの容積よりも大きくなっている。詳しく説明すると、配列方向両側の最端の溝部35aのみが、他の溝部35bよりも深くなっており、配列方向両側の最端の溝部35aの容積が他の溝部35bの容積よりも大きくなっている。具体的には、アクチュエータプレート30にカバープレート31やノズルプレート33を貼着させたときに最端の溝部35aに流れ込む余剰な接着材の流入量と他の溝部35bに流れ込む余剰な接着材の流入量との差を算出し、その差の分だけ最端の溝部35aの容積を他の溝部35bの容積よりも大きくしており、例えば両側(最端)の溝部35aの容積は中央(他)の溝部35bの容積と比べて10%程度大きくなっている。なお、両側(最端)の溝部35aと中央(他)の溝部35bとは同幅に形成されている。
また、複数の溝部35の側壁36には、長さ方向に亘って駆動電極37が蒸着等により形成されている。そして、溝部35の両側面に形成された駆動電極37は、接続電極39を介して後述するフレキシブル基板27の引き出し電極27aに電気的に接続されるようになっている。
そして、駆動電極37は、駆動電圧が印加されたときに、側壁36を圧電厚み滑り効果により変形させることで溝部35内の圧力を高め、充填されたインクWを溝部35内から吐出させる働きをしている。
図3及び図4に戻って、カバープレート31は、例えばセラミックス等で形成されたプレートであり、複数の浅溝部38の基端側部分を露出させた状態で、アクチュエータプレート30の表面に接着材を介して重ね合わせて貼着されている。また、カバープレート31には、ダンパ部材22からインクWが供給されてくるインク導入口31a(液体導入口)が形成されている。このインク導入口31aは、長方形の開口であり、溝部35の配列方向(矢印L1方向)に延在されている。
支持プレート32は、重ね合わされたアクチュエータプレート30及びカバープレート31を支持していると共に、ノズルプレート33を支持している。支持プレート32には、溝部35の配列方向(矢印L1方向)に延在する嵌合孔32aが形成されており、重ね合わされたアクチュエータプレート30及びカバープレート31をこの嵌合孔32a内に嵌め込んだ状態で両プレート30、31を支持している。この際、支持プレート32の先端側の表面は、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面と面一となっている。
ノズルプレート33は、厚みが50μm程度のポリイミド等のフィルム材からなるシート状のプレートであり、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面と、支持プレート32の先端側の表面と、に接着材を介して貼着されている。つまり、ノズルプレート33の一方の面は、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面と、支持プレート32の先端側の表面と、に接着される接着面となっており、ノズルプレート33の他方の面は、図1に示す記録紙Pに対向する対向面となっている。なお、ノズルプレート33の対向面には、インクWの付着等を防止するための撥水性を有する撥水膜がコーティングされている。
また、このノズルプレート33には、溝部35の配列方向(矢印L1方向)に所定の間隔を空けて複数のノズル孔33aが形成されている。これら複数のノズル孔33aは、溝部35に対向する位置にそれぞれ形成されており、該溝部35に連通するようになっている。具体的に説明すると、図6に示すように、ノズル孔33aの中心は、溝部35の配列方向の中心に配置されており、該溝部35のピッチと同間隔で形成されている。
また、各ノズル孔33aは、外形輪郭線が円形を描くように円状に形成されている。しかも、ノズル孔33aは、接着面側から対向面側に向かうに従い漸次縮径されたテーパ孔であり、接着面側の入口径(ノズル孔33aの外形輪郭線の直径)が対向面側の出口径よりも大きくなっている。
なお、ノズル孔33aは、エキシマレーザ装置等を用いて形成されている。
上記した構成のヘッドチップ21は、図2に示すように、上述したように固定板20の上面に固定されている。この固定板20の上面には、アルミニウム等で形成された矩形状のベースプレート24が垂直に立ち上がった状態で固定されていると共に、ヘッドチップ21のインク導入口31aにインクWを供給する流路部材22aが固定されている。この流路部材22aの上方には、インクWを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器(ダンパ)22bがベースプレート24に支持された状態で配置されている。この圧力緩衝器22bと流路部材22aとは、インク連結管22cを介して連結されている。また、圧力緩衝器22bの上部には、インクWが供給されてくる供給チューブ40が取り付けられている。
このように構成されているので、供給チューブ40を介して圧力緩衝器22bにインクWが供給されると、該インクWは圧力緩衝器22b内の貯留室に一旦貯留される。そして、圧力緩衝器22bは、貯留されたインクWのうち、所定量のインクWをインク連結管22c及び流路部材22aを介してヘッドチップ21のインク導入口31aに供給するようになっている。
即ち、流路部材22a、圧力緩衝器22b及びインク連結管22cは、上記供給手段22として機能する。
なお、供給チューブ40は、図1に示すように、筐体5内に組み込まれたインクタンク41に連結されている。これにより、インクタンク41に貯留されている色の異なるインクWが、4つのインクジェットヘッド2にそれぞれ供給されるようになっている。
また、図2に示すように、ベースプレート24には、ヘッドチップ21を駆動するための集積回路等の駆動回路25が搭載されたIC基板26が固定されている。この駆動回路25とヘッドチップ21の駆動電極37とは、フレキシブル基板27を介して電気的に接続されている。
フレキシブル基板27は、図5に示すように、カバープレート31の基端側に露出された浅溝部38の基端側部分に嵌合される複数の引き出し電極27aがプリント配線されており、この引き出し電極27aが接続電極39に接触して電気的に接続されることでこの接続電極39を介して駆動電極37に接続されている。そして、駆動回路25は、フレキシブル基板27を介して駆動電極37に駆動電圧を印加して、インクWの吐出を行わせている。
即ち、駆動回路25及びフレキシブル基板27は、上記制御手段23として機能する。
ここで、上記した構成のヘッドチップ21の作成について説明する。
まず、圧電材料からなるプレートに複数の溝部35及び浅溝部38を並列に切削してアクチュエータプレート30を作成する。詳しく説明すると、例えば円盤形状の図示せぬブレードによって上記プレートの一端面から他端側(短手方向)に向けて一定深さで溝を切削していき溝部35を形成し、途中から溝深さを浅くして上記プレートの他端面まで切削して浅溝部38を形成する。これにより、溝部35及び浅溝部38が形成される。続いて、上記プレートとブレードとを長手方向に相対的にずらし、上述した方法と同様にして溝部35及び浅溝部38を形成する。以上の動作を繰返し行うことにより、複数の溝部35及び浅溝部38を並列に形成する。このとき、配列方向両側の最端の溝部35aを形成する際、溝部35の溝切りプログラムの数値を変更して溝深さを深くする。これにより、両側最端の溝部35aが中央の溝部35bよりも深く形成され、両側最端の溝部35aの容積は中央の溝部35bの容積よりも大きくなる。
次に、アクチュエータプレート30に駆動電極37及び接続電極39をそれぞれパターン形成する。詳しく説明すると、複数の溝部35の側壁36に駆動電極37を蒸着等で形成するとともに、溝部35の基端側の底面と浅溝部38の内面に接続電極39を蒸着等で形成する。
次に、アクチュエータプレート30にカバープレート31を貼着する。詳しく説明すると、アクチュエータプレート30又はカバープレート31に接着材を塗布し、その後、アクチュエータプレート30とカバープレート31とを重ね合わせる。これにより、アクチュエータプレート30とカバープレート31とが接着材を介して貼着される。
次に、貼り合わされたアクチュエータプレート30及びカバープレート31を支持プレート32に取り付ける。詳しく説明すると、貼り合わされたアクチュエータプレート30及びカバープレート31を支持プレート32の嵌合孔32aの内側に挿入し、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面を支持プレート32の先端側の表面と面一にして固定する。
次に、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面にノズルプレート33を貼着する。詳しく説明すると、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面及び支持プレート32の先端側の表面、又は、ノズルプレート33の裏面に接着材を塗布し、その後、アクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面及び支持プレート32の先端側の表面にノズルプレート33を重ね合わせる。これにより、ノズルプレート33がアクチュエータプレート30及びカバープレート31の先端側の端面に接着材を介して貼着される。
上述したようにアクチュエータプレート30に接着材を介してカバープレート31やノズルプレート33を貼着させたとき、両側最端の溝部35aには中央の溝部35bよりも多量の余剰な接着材が流れ込むが、両側最端の溝部35aは中央の溝部35bよりも容積が大きくなっているため、インクWが充填される両側最端の溝部35aの容量が確保される。すなわち、両側最端の溝部35aの容量は余剰な接着材が流れ込むことで中央の溝部35bの容量と略均等になり、両側最端の溝部35aによる液体吐出速度の遅れが抑制される。
次に、上述したように構成されたインクジェットプリンタ1を利用して、記録紙Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、4つのインクタンク41にはそれぞれ異なる色のインクWが十分に封入されているものとする。また、インクタンク41内のインクWが供給チューブ40を介して圧力緩衝器22bに供給された状態となっている。そのため、所定量のインクWが、インク連結管22c及び流路部材22aを介してヘッドチップ21のインク導入口31aに供給され、インク導入口31aから溝部35内に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、インクジェットプリンタ1を作動させると、一対の搬入ローラ15及び一対の搬送ローラ16が回転して記録紙Pを搬送方向(矢印L1方向)に向けて搬送する。また、これと同時にモータ10がプーリ8を回転させて搬送ベルト9を動かす。これにより、キャリッジ6がガイドレール7でガイドされながら走査方向(矢印L2方向)に往復移動する。
そしてこの間に、各インクジェットヘッド2のヘッドチップ21より4色のインクWを記録紙Pに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。特に、シャトル方式であるので、記録紙Pの所望する範囲に対して正確に記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド2の動きについて、以下に詳細に説明する。
キャリッジ6によって往復移動が開始されると、駆動回路25は、フレキシブル基板27を介して駆動電極37に駆動電圧を印加する。より詳しくは、インクWを吐出する溝部35の両側の2つの側壁36にそれぞれ設けられている駆動電極37に駆動電圧を印加し、この2つの側壁36を、インクWを吐出させる溝部35に隣接している溝部35側へ突出するように変形させる。即ち、吐出する溝部35があたかも膨らむように変形させる。
この2つの側壁36の圧電厚み滑り効果による変形によって、吐出する溝部35の容積が増大する。そして、溝部35の容積が増大したことにより、インクWがインク導入口31aから溝部35に誘導される。そして、溝部35の内部に誘導されたインクWは圧力波となって溝部35の内部を通過し、この圧力波がノズル33aに到達したタイミングで、インクWを溝部35に誘導したタイミングで、駆動電極37に印加した駆動電圧をゼロにする。これにより、側壁36の変形が元に戻り、一旦増大した溝部35の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出する溝部35の内部の圧力が増加し、インクWが加圧される。その結果、インクWが溝部35内から吐出される。
なお、ここで述べている駆動電極37は、それぞれ隣接する溝部35から選択的にインクWを吐出させるための電極として、別々に機能するように形成されている。また、インクWを安定して吐出するために、さらなるインクWの加圧が必要な場合には、側壁36を吐出する溝部35側へ突出するように変形させる。この動作によって、吐出する溝部35の内部の圧力がさらに増加するので、インクWをより加圧することができる。但し、この動作は上述したとおり、インクWを安定して吐出させることを目的とするものであるので、必須な動作ではなく必要に応じて適宜使用すれば良い。
また、本実施形態では、非水性のインクWを使用しているので、上述した各動作を必要に応じて組み合わせて実行することにより、最適なインクWの吐出を実現することができる。
吐出されたインクWは、ノズル孔33aを通って外部に吐出される。しかもノズル孔33aを通過する際に、インクWは液滴状、即ちインク滴となって吐出される。その結果、上述したように、記録紙Pに文字や画像等を記録することができる。
特に、本実施形態のノズル孔33aは、断面テーパ状であるので、インク滴を速い速度で真っ直ぐに直進性良く吐出することができる。よって、高画質に記録を行うことができる。
上記した構成のヘッドチップ21、及びこのヘッドチップ21を有するインクジェットヘッド2によれば、両端の溝部35aの容量は余剰な接着材が流れ込むことで中央の溝部35bの容量と略均等になり、両端の溝部35aによる液体吐出速度の遅れが抑制されるので、複数のノズル孔33aから均一な吐出速度でインクWを吐出させることができる。したがって、上記したインクジェットヘッド2を備えるインクジェットプリンタ1によれば、両端のノズル孔33aから記録紙Pの所定位置に正確にインクWが当てることができ、高品質の記録を実現することができる。
特に、上記したヘッドチップ21では、両端の溝部35aの深さが中央の溝部35bの深さよりも深くすることで、両端の溝部35aの容積を中央の溝部35bの容積よりも大きくしているので、アクチュエータプレート30は従来の製作工程と略同一な工程で作成することが可能であり、生産性を低下させることなく、アクチュエータプレート30に容積の異なる溝部35a,35bを形成することができる。
また、上記したヘッドチップ21では、複数の溝部35のうちの両側最端の溝部35aのみが他の溝部35bよりも容積が大きくなっており、両側最端の溝部35aを切削するときだけ溝切りプログラムの数値を変更して他の溝部35bよりも深くすればよいので、アクチュエータプレート30を容易に作成することができ、生産性の低下を更に抑えることができる。
なお、上記した実施の形態では、複数の溝部35のうちの両側最端の溝部35aだけが他の溝部35bよりも深くて容積が大きくなっているが、本発明は、図7に示すように、複数の溝部35のうち、配列方向両側の最端から複数の溝部35aが他の溝部35bよりも深くて容積が大きくなっていてもよい。
通常、両端に近い溝部35ほど余剰な接着材が流れ込み易いが、上記した構成にすることにより、複数の溝部35の容量がより均一となり、複数の溝部35による液体吐出速度のバラツキが低減される。これにより、より均一な吐出速度でインクWを吐出させることができ、さらに高品質の記録を実現することができる。
また、本発明は、図8に示すように、複数の溝部35の深さが配列方向の中央から両端に向かって漸次深くなっており、複数の溝部35の容積が配列方向の中央から両端に向かって漸次増大されていてもよい。
上述したように両端に近い溝部35ほど余剰な接着材が流れ込み易いが、上記した構成にすることにより、溝部35の容積が中央から両端に向かって漸次増大されていることで、余剰接着材の流れ込みが多い溝部35ほどその容積が大きくなり、複数の溝部35の容量がより均一となり、複数の溝部35による液体吐出速度のバラツキが低減される。これにより、より均一な吐出速度でインクWを吐出させることができ、さらに高品質の記録を実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について図9に基いて説明する。
なお、本実施の形態は、アクチュエータプレート130の溝部135の構成が第1の実施の形態と異なり、他の構成は第1の実施の形態の構成と同様である。したがって、本実施の形態においては、アクチュエータプレート130についてのみ説明し、第1の実施の形態の構成と同様の構成については説明を省略する。
図9に示すように、複数の溝部135のうち、溝部135の配列方向(矢印L1方向)の両端に位置する溝部135aの幅が、配列方向の中央に位置する溝部135bの幅よりも広くなっている。詳しく説明すると、最端の溝部135aに流れ込む余剰な接着材の流入量と他の溝部135bに流れ込む余剰な接着材の流入量との差の分だけ、両側最端の溝部135aが他の溝部135bよりも幅広になっている。なお、両側(最端)の溝部135aと中央(他)の溝部135bとは同じ深さに形成されている。また、最端の溝部135aは、センター合わせで両側に拡幅されており、最端の溝部135aとその隣りの溝部135bとの中心間距離と、隣り合う他の溝部135b同士の中心間距離と、が等しくなっている。
上記した配列方向両側の最端の溝部135aを形成する際には、溝切りするブレードを若干配列方向にずらして2度切りする。これにより、両側最端の溝部135aが中央の溝部135bよりも幅広に形成される。或いは、中央の溝部135bを切削するブレードよりも厚いブレードが装着された溝切り装置を別途用意し、この装置によって両側最端の溝部135aを切削する方法であってもよい。
上記したアクチュエータプレート130を備えるヘッドチップ21によれば、溝部135の深さが変えられることなく、両端の溝部135aの容積が中央の溝部135bの容積よりも大きくなる。このため、両端の溝部135aの側壁36に形成される駆動電極37と中央の溝部135bの側壁36に形成される駆動電極37とは同一の電極パターンになり、同一工程でそれぞれ形成することが可能である。つまり、溝部135の側壁36に形成される駆動電極37の形状に影響を与えることなく、両端の溝部135aの容積を中央の溝部135bの容積よりも大きくすることができる。したがって、生産性の低下を抑えることができる。
なお、上記した実施の形態では、複数の溝部135のうちの両側最端の溝部135aだけが他の溝部135bよりも幅広になっているが、本発明は、図10に示すように、複数の溝部135のうち、配列方向両側の最端から複数の溝部135aが他の溝部135bよりも幅広になっていてもよい。これにより、上述した図7に示す形態と同様の効果を奏する。
また、本発明は、図11に示すように、複数の溝部135の幅が配列方向の中央から両端に向かって漸次広くなっていてもよい。これにより、上述した図8に示す形態と同様の効果を奏する。
さらに、上記した実施の形態では、複数の溝部135の深さは全て同じ深さに形成されているが、本発明は、配列方向の両端の溝部の幅が中央の溝部の幅よりも広くなっているとともに、配列方向の両端の溝部の深さが中央の溝部の深さよりも深くなっていてもよい。この場合、最端の溝部だけが他の溝部よりも深く且つ幅広になっていてもよく、或いは、最端から複数の溝部が他の溝部よりも深く且つ幅広になっていてもよく、或いは、複数の溝部の深さが配列方向の中央から両端に向かって漸次深くなっているとともに複数の溝部の幅が配列方向の中央から両端に向かって漸次広くなっていてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について図12に基いて説明する。
なお、第3の実施の形態は、アクチュエータプレート230の溝部235の構成だけが第1の実施の形態と異なり、他の構成は第1の実施の形態の構成と同様である。したがって、第1の実施の形態の構成と同様については説明を省略する。
図12に示すように、複数の溝部235のうち、溝部235の配列方向(矢印L1方向)の両端に位置する溝部235aの底面が先端側(溝部235の延在方向のノズルプレート33側)に向かって下向きに傾斜されており、両端の溝部235aの断面形状が先端側に向かうに従い漸次拡大されている。詳しく説明すると、両端の溝部235aの断面形状は、基端部分が図示せぬ他(中央)の溝部の断面形状と略同形状になっており、先端側に向かうに従い溝深さ方向に長くなっている。これにより、両端の溝部235aの容積は他の溝部の容積よりも大きくなっている。
上記した両端の溝部235aを形成する際には、溝切りするブレードを先端側から基端側に移動させるとともに溝深さ方向(矢印L2方向)の上側に移動させる。これにより、底面が先端側に向かって下向きに傾斜された溝部235aが形成される。
上記したアクチュエータプレート230を備えるヘッドチップ21によれば、両端の溝部235aのうち、先端側部分の容積が拡大されるので、ノズルプレート33側から溝部235aに余剰接着材が流れ込んでもその部分の容量を十分に確保することができ、側壁36を適正に変形させることができる。
なお、本発明は、複数の溝部のうちの両側最端の溝部だけが、先端側に向かって断面形状が漸次拡大されていてもよく、或いは、配列方向両側の最端から複数の溝部が、先端側に向かって断面形状が漸次拡大されていてもよい。
また、本発明は、先端側に向かって断面形状が漸次拡大された溝部235aの拡大率(基端側の断面積に対する先端側の断面積)が、配列方向の中央から両端に向かって漸次大きくなっていてもよい。つまり、先端側に向かって断面形状が漸次拡大された溝部235aが並列に複数配設された場合において、配列方向の中央側に配設された溝部235aの底面の傾斜角度よりも、両端側に配設された溝部235aの底面の傾斜角度が大きくなるように、底面の傾斜角度を中央側から両端側に向かって漸次大きくすることも可能である。
さらに、上記した実施の形態では、溝部235aの深さを先端側に向かって漸次深くしているが、本発明は、溝部235aの幅を先端側に向かって漸次広くすることも可能である。さらに、本発明は、溝部235aの深さを先端側に向かって漸次深くするとともに、溝部235aの幅を先端側に向かって漸次広くすることも可能である。
以上、本発明の第1から第3の実施の形態について説明したが、本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。 例えば、上記した各実施の形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上記した各実施の形態では、複数のノズル孔33aが配列方向に直線状に一列に配列されているが、本発明は、複数のノズル孔33aが直線状に配列されてなく、縦方向(矢印L2方向)にずらして配列されていてもよい。例えば、複数のノズル孔33aが斜めに配列されていてもよく、或いは、千鳥状に配列されていてもよい。
また、ノズル孔33aの形状に関しても、円形に限定されるものではない。例えば、三角等の多角形状や、楕円形状や星型形状でも構わない。
また、本発明は、ノズル孔33aの位置に関して限定されるものではない。例えば、上記した上記した第1の実施の形態では、図6に示すように、両端の溝部35aのノズル孔33aが、中央の溝部35bの溝深さ方向(矢印L2方向)の中心位置に形成された中央の溝部35bのノズル孔33aと同じ位置に形成されているが、本発明は、両端の溝部35aのノズル孔33aが、両端の溝部35aの溝深さ方向(矢印L2方向)の中心位置に形成され、両端の溝部35aのノズル孔33aの位置と中央の溝部35bのノズル孔33aの位置とが溝深さ方向(矢印L2方向)にずれていてもよい。ただし、その場合、両端の溝部35aに対しては中央の溝部35bと異なる制御が必要となる。
また、本発明は、駆動電極37の形成深さに関して限定されるものではない。例えば、上記した上記した第1の実施の形態では、図6に示すように、両端の溝部35aの駆動電極37と中央の溝部35bの駆動電極37とは、中央の溝部35bの深さの半分程度の深さにそれぞれ形成されており、これにより、両端の溝部35aの駆動電極37と中央の溝部35bの駆動電極37とを同じ手順で形成することができるというメリットがあるが、本発明は、図8に示す構成と同様に、両端の溝部35aの駆動電極37を、両端の溝部35aの深さの半分程度の深さに形成することも可能である。これにより、インクWの吐出動作に関し、各溝部35の両端に位置する側壁36を略半分で屈曲させ駆動することができるため、同じ電圧を与えたとしても駆動効率が良いというメリットがある。すなわち、本発明は、上記したメリットを考慮し、駆動環境やインクの種類などに合わせて、適切に動作するように設計されればよい。
また、上記した実施の形態では、カバープレート31にインク導入口31aが形成されているが、本発明は、アクチュエータプレートにインク導入口が形成されていてもよい。例えば、アクチュエータプレートの裏面(溝部が形成された表面の反対側の面)に配列方向に延びた断面凹状のインク導入口が形成され、このインク導入口の底面に、溝部に連通するスリットが形成された構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、両端の溝部35a,135a,235aの深さ又は幅を中央の溝部35b,135bよりも大きくすることで、両端の溝部35a,135a,235aの容積を中央の溝部35b,135bよりも大きくしているが、本発明は、両端の溝部の長さ(矢印L3方向の長さ)を中央の溝部の長さよりも長くすることで、両端の溝部の容積を中央の溝部よりも大きくすることも可能である。ただし、その場合、駆動電極に駆動電圧を印加したときの側壁の挙動が両端の溝部と中央の溝部とで異なるので、両端の溝部に対しては中央の溝部と異なる周波数で制御する必要がある。
また、上記した実施の形態では、非水性のインクWを利用した場合を説明したが、例えば、導電性の水性インク、ソルベントインク、オイルインクやUVインク等を用いても構わない。
なお、水性インクを用いる場合には、ヘッドチップは次にように構成すれば良い。
即ち、アクチュエータプレートには、インクが充填される吐出チャネルとして機能する吐出用溝部(本発明の溝部に相当する。)と、インクが充填されないダミーチャネルとして機能するダミー溝部と、が配列方向に交互に形成される。そして、インク導入口の底面には、吐出用溝部に対向する位置にスリットを形成する。これにより、インク導入口からスリットを通って吐出用溝部にだけインクが充填される。そして、ノズルプレートには、吐出用溝部に対向する位置にノズル孔が形成される。
このようにヘッドチップ21を構成することで、水性のインクであっても、吐出用溝部に設けられた駆動電極と、ダミー溝部に設けられた駆動電極とをインクを介して導通させることなく、電気的に切り離した状態で使い分けることができる。従って、水性のインクを利用して記録を行うことができる。
特に、導電性を有するインクであっても問題なく利用できるので、インクジェットプリンタの付加価値を高めることができる。なお、その他は同様の作用効果を奏することができる。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態を説明するための液体噴射装置の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための液体噴射ヘッドの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するためのヘッドチップの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するためのヘッドチップの分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するためのヘッドチップの分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例を説明するためのヘッドチップの断面図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するためのヘッドチップの断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
2 インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
3 搬送手段
4 移動手段
21 ヘッドチップ
22 供給手段
23 制御手段
30 アクチュエータプレート
31 カバープレート
31a インク導入口(導入口)
33 ノズルプレート
33a ノズル孔
35、35a、35b 溝部
36 側壁
37 駆動電極
130 アクチュエータプレート
135、135a、135b 溝部
230 アクチュエータプレート
235、235a 溝部
P 記録紙(被記録媒体)
W インク(液体)

Claims (11)

  1. 液体が充填される溝部が間隔をあけて並列に複数形成されたアクチュエータプレートと、
    前記溝部の側壁に形成された駆動電極と、
    前記溝部が形成された前記アクチュエータプレートの表面に接着材を介して貼着されて前記溝部を覆うカバープレートと、
    前記アクチュエータプレートの端面に接着材を介して貼着され、前記複数の溝部にそれぞれ連通するノズル孔が複数形成されたノズルプレートと、を備え、
    前記駆動電極に駆動電圧を印加することで前記側壁を変形させて前記溝部内の圧力を高め、該溝部内の前記液体を前記ノズル孔から吐出させるヘッドチップであって、
    前記複数の溝部のうち、該溝部の配列方向の両端に位置する溝部の容積は、前記配列方向の中央に位置する溝部の容積よりも大きいことを特徴とするヘッドチップ。
  2. 請求項1に記載のヘッドチップにおいて、
    前記配列方向の両端に位置する溝部の深さが、前記配列方向の中央に位置する溝部の深さよりも深いことを特徴とするヘッドチップ。
  3. 請求項1または2に記載のヘッドチップにおいて、
    前記配列方向の両端に位置する溝部の幅が、前記配列方向の中央に位置する溝部の幅よりも広いことを特徴とするヘッドチップ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドチップにおいて、
    前記複数の溝部のうち、配列方向両側の最端の溝部のみが、他の溝部よりも容積が大きいことを特徴とするヘッドチップ。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドチップにおいて、
    前記複数の溝部のうち、配列方向両側の最端から複数の溝部が、他の溝部よりも容積が大きいことを特徴とするヘッドチップ。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドチップにおいて、
    前記複数の溝部の容積が、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次増大されていることを特徴とするヘッドチップ。
  7. 請求項6に記載のヘッドチップにおいて、
    前記複数の溝部の深さが、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次深くなっていることを特徴とするヘッドチップ。
  8. 請求項6または7に記載のヘッドチップにおいて、
    前記複数の溝部の幅が、前記配列方向の中央から両端に向かって漸次広くなっていることを特徴とするヘッドチップ。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のヘッドチップにおいて、
    前記配列方向の両端に位置する溝部の断面形状が、該溝部の延在方向のノズルプレート側に向かうに従い漸次拡大されていることを特徴とするヘッドチップ。
  10. 前記複数の溝部に前記液体を導入させるための導入口が形成された請求項1から9のいずれか一項に記載のヘッドチップと、
    前記液体を前記導入口に供給する供給手段と、
    前記駆動電極に前記駆動電圧を印加する制御手段と、
    を備えることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  11. 被記録媒体を予め決められた搬送方向に搬送する搬送手段と、
    該搬送手段によって搬送された被記録媒体の表面に対して前記ノズル孔が対向する向きに配置された請求項10に記載の液体噴射ヘッドと、
    該液体噴射ヘッドを前記搬送方向に直交する方向に前記被記録媒体に沿って往復移動させる移動手段と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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