JP2010143016A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品の追加によるコストアップが無く、効率よくインクミストを回収することで、インクミストに起因する、出力画像への画像弊害や取り扱い上でのインク付着の発生を抑制するインクジェット記録装置を実現すること。
【解決手段】従来から備わる吐出口面をワイピングするワイパと、帯電部材からなる記録ヘッドを搭載するキャリッジ部と、の摩擦による摩擦帯電によって発生した静電気によって浮遊ミストを捕獲・回収する。
【選択図】図6

Description

本発明は画像記録装置に関し、例えば記録データに応じてノズルからインク滴を吐出させ、記録媒体上に文字や画像を記録するインクジェット式記録装置に関するものである。
近年インクジェット記録装置は市場からの更なる高画質化と高速化の要求を実現するために記録ヘッドおよびインクジェット記録装置は多色化、高密度、小液滴化、多ノズル化が進み、普通紙でのWebやテキストの印刷用途として多用されている。そして、更には特殊メディアに印刷すれば銀円写真と比べ遜色のない写真画像をユーザに提供できる記録装置となっている。また、上述したように写真画像を手軽に印刷出来る印刷機器としての使用の増加に伴い、縁なし印刷がユーザへ浸透してきている。また、ユーザによる印刷量の増加や新たにビジネスシーンへの利用等に伴い、インクジェット記録装置の耐久性能や高い画像信頼性も必要不可欠な性能になっている。
このような背景の基、ノズルからのインク滴吐出に伴って吐出される微小なインクミストが記録媒体に着弾せず記録装置内に浮遊し、このミストによる装置内の汚れに対する懸念が増加している。このような装置内の汚れにより、CRエンコーダやLFエンコーダへのミスト付着によるCR、LF位置検出の不具合、その他センサへの付着による不具合、インクタンク等への付着によって交換時にユーザ自身へインク付着を発生させる不具合が生じる。また更にはミストインクが特定の個所に溜まった結果発生する出力画像へ画像弊害(インクボタ落ち、転写痕)等があるため、ミスト汚染度合いによって耐久性能が制限される場合もある。
このミスト回収の手法として、従来から代表的な2つの手法が用いられている。1つ目はインクジェットプリンタ内にファンを設置し、ファンの回転により機体内に気体の流れを発生させて浮遊したミストを回収するファン回収法である。2つ目はインク滴が帯びている電気的特性を利用して、インク滴が帯びている電荷と反対の極性を持つ部品にインク滴を付着させて回収する静電気回収法がある。現在多くのインクジェット記録装置でこの2つの原理手法を様々な形態に適応してミスト回収を行っている。
特開2006−224554号公報 特開2003−237110号公報
このように高い耐久性能と常に安定した画像を出力可能にする高い画像信頼性とを実現するために、ミスト回収法としてファン回収法と静電気回収法は良く知られている。
しかし、その方法は一長一短でファン回収法は予めファンを準備するためコストの観点で不利であること、またファンを配置するため記録装置本体が大きくなり、サイズ面でも不利であること、更にはファン動作時に発生する騒音の観点で静電回収法に劣っている。特にファン回収法では回収したミストを捕獲するためにフィルタを設置することが多いが、これは流入気流の圧損となるためそれ以上の流量を確保できるファン設計が必要となり、結果として騒音性能とのトレードオフの関係になることが多い。
一方、静電回収法では、電極や高圧電源、電気の発生源等の付加的機構が必要となる構成であるためコストの観点で課題がある。例えば特許文献1では、インク吐出部に対向する縁なし部プラテン吸収体の直下に電極を設置し、飛翔・浮遊するインク滴を回収する手段を設けている。この構成には上述した電極および電極に電圧を印加するための高圧電源が必要となる。
また、特許文献2では、記録装置本体内でのCRの摺動部に帯電部材を予め設置し、CRの摺動を利用した摩擦帯電により静電気を発生させてエンコーダ等に付着するような飛翔・浮遊する余計なインク滴を回収する手段を設けている。更にはミストとなるインク滴の発生個所(記録ヘッドのノズル部)から回収手段までの距離が遠い為、回収効率が特許文献1などに比べて低いことが課題である。
このように、従来用いられていたインクミストの回収手段はいずれも静電気発生のために新たな部品追加を余儀なくされるため、コストが掛かるという課題がある。
以上、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その特徴は記録ヘッドの小ノズル化、高密度多ノズル化とインクジェットプリンタの耐久性向上の要求に対して弊害として発生する浮遊ミストの回収方法である。よって本発明は、部品の追加によるコストアップが無く、効率よくインクミストを回収することで、インクミストに起因する、出力画像への画像弊害や取り扱い上でのインク付着の発生を抑制するインクジェット記録装置を実現することを目的とする。
そのため本発明のインクジェット記録装置は、吐出口からインクを吐出する記録ヘッドをキャリッジホルダに搭載して記録を行う記録手段と、前記吐出口が設けられた吐出口面をワイピングするワイピング手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記キャリッジホルダは帯電材料で構成されており、前記ワイピング手段によって前記キャリッジホルダをワイピングすることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録素子に設けられた吐出口からインクを吐出する記録ヘッドで記録を行う記録手段と、前記記録素子の前記吐出口が設けられた吐出口面をワイピングするワイピング手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの前記記録素子を保持する保持部材は帯電材料で構成されており、前記ワイピング手段によって前記保持部材をワイピングすることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、キャリッジホルダが帯電材料で構成されており、ワイピング手段によってキャリッジホルダをワイピングする。これによって、部品の追加によるコストアップが無く、効率よくインクミストを回収することで、インクミストに起因する、出力画像への画像弊害や取り扱い上でのインク付着の発生を抑制するインクジェット記録装置を実現することができる。
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態を適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)1の要部がわかるように示した斜視図である。本実施形態のインクジェット記録装置1は、記録ヘッド11に備えられた吐出口から記録媒体Sに対してインクを吐出することで記録を行うものであり、ガイド軸5に沿って矢印Xの主走査方向に摺動可能に取り付けられたキャリッジ4を備えている。記録ヘッド11はキャリッジ4に着脱可能に搭載されており、キャリッジ4と共に主走査方向に記録媒体S上で移動しながら記録ヘッド11の記録素子が備える吐出口からインクを吐出して記録を行う。記録媒体Sは、不図示の紙搬送ユニットから矢印Yの副走査方向に搬送される。記録ヘッド11は、不図示の記録制御部から記録信号を受け取り、矢印Xの主走査方向に移動しつつ、記録媒体Sの印字領域に向かってインクを吐出する。記録ヘッド11は、このような記録動作と、所定量だけ記録媒体Sを矢印Yの副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことで記録を行う。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1はワイパ8を備えており、必要に応じて記録ヘッド11の吐出口が設けられた吐出口面を払拭する。このワイパ8については詳細な動作を後述する。
ここで、本発明を考案する過程で行った実験について説明を行う。
(インク滴の帯電実験)
図2(a)から(c)は、記録ヘッド11のノズルからインク滴が吐出する様子を示した模式的断面図である。図2(a)のような吐出直後の発泡タイミングでインクは、ノズル前方に押出され、インク柱(インクの液柱)21を形成する。その後インクは、図2(b)のようにインクの粘性や表面張力の作用により液柱が分断されて滴の形成を行う。このように分断された滴は、大きな主滴22以外に、第1サテライト23、第1サテライトよりも更に微小な第2サテライト24、・・・と複数の微小なインク滴を形成することが知られている。この微小なインク滴であるサテライト25が所謂ミストである。
次にインク滴の電荷について調査するため、図2(c)のように記録ヘッドの吐出口面から約2.0mmの位置でインク滴に対向する位置に平板電極12を吐出口と平行に置き、その状態で吐出口からの距離1.0mm付近での吐出速度の変化を調べた。その際、吐出口面および吐出口素子を0KV(GND)に接続し、平板電極12には−1.5KV〜+1.5KVまで0.5KVづつ印加した。
図3は、吐出速度の変化率を、印加電圧ごとに示したグラフである。横軸は平板電極12に印加した電圧であり、縦軸は0KV時の吐出速度を100%とした場合の各電圧で吐出速度変化率である。0KV時の吐出速度については、主滴22:10.5m/sec、第1サテライト23:8.4m/sec、第2サテライト24:6.0m/secであった。
グラフからも分かるように、主滴22、第1サテライト23は電圧の極性によらず印加する電圧の絶対値が大きくなれば吐出速度は増加する。+(プラス)側でΔVが0.1KVに対して約4.7%の速度増加、−(マイナス)側でΔVが0.1KVに対して約5.3%の速度増加するという結果になった。
しかしながら第2サテライト24の振る舞い(不図示)は、主滴22および第1サテライト23の振る舞いと異なり、印加電圧に対して吐出速度が上がる場合、また著しく速度低下する場合もあり非常に不安定な結果になった。例えば、+1.5KV印加時において第2サテライト24の吐出速度変化率は40%〜120%となった。つまり第2サテライト24の持つ電荷が吐出毎に一定にならず、平板電極12による一様な外部電界内では不安定な挙動をすることが分かった。
主滴22と第1サテライト23に関しては、外部電界が+(プラス)の場合も−(マイナス)の場合も吐出速度が増加する。この結果から推察すると、滴形成のときにインク滴はそれぞれ初期電荷を持ち、その後外部電界によって誘電(帯電)され初期電荷に対して大きな誘電電荷を持つことが予想される。そして、クーロン力(F=qE :q電荷、E電界)として作用するトータルのインク滴の電荷は外部電界に対して反極の電荷を持ち、平行平板へ引き付けられる(吐出方向に対して速度が増加する)方向へ作用する。
しかしながら第2サテライト24以降のインク滴の中には、上述した主滴22や第1サテライト23が吐出する方向と反対方向である記録ヘッド11側に付着するものも多く存在することが分かった。誘電(帯電)電荷はインク物性に支配的であり、誘電電荷は主滴と第1サテライト23にも同様に作用している。このことから、第2サテライト24以降のインク滴は、滴形成のときに持っている初期電荷が、主滴22や第1サテライト23と反対の極性を持つものと、主滴22や第1サテライト23と同じ極性を持つものの両方が存在していると推察される。
(摩擦帯電実験)
次に、記録ヘッド11の吐出口部のワイピング手段として使用しているウレタンワイパで、金属板の上に置いた、記録ヘッド11を保持するキャリッジ4の部材を、3種類用意して一定の当接圧による擦過を5回行った場合の表面電位について調べた。
図4は、表面電位について調べた結果を示した表である。3種類(A)〜(C)のキャリッジ部材は全てPCABS(モールド)であり、混合カーボン量を変えたもの、およびテフロン(登録商標)テープを貼り付けたものである。混合カーボン量について(A)は、カーボン量少(抵抗指標:10^13 Ω・cm以上)、(B)は、カーボン量多(抵抗指標:10^8 Ω・cm以下)である。また、(C)についてはAの部材の上にテフロン(登録商標)テープを巻いたものである。
各キャリッジ部材の初期の表面電位については3種類とも0±0.01KV程度であった。そして、ウレタンワイパで擦過させた後の表面電位は、キャリッジ部材(A)は+3.7KV、キャリッジ部材(B)は+0.6KV、キャリッジ部材(C)は−1.9KVという結果であった。
この結果から、従来インクジェットプリンタで使用しているウレタンワイパとキャリッジ部とを擦過させる(ワイピングする)ことで非常に高い摩擦帯電を起こすことが可能であることが分かる。そして更には、キャリッジ部に使用するプラスチックの抵抗管理や、簡易的な表面処理を行うことで電位差のコントロールも極性のコントロールも可能であることが分かる。
つまり、浮遊する微小インク滴を静電気で回収するのに必要であった電極と高圧電源の代わりに、ワイパとキャリッジ部の擦過によって発生する摩擦帯電により、記録ヘッドの吐出口付近に発生する高い電位差を利用することができる。
このような2つの基礎実験に基づき、以下に、本発明の第1の実施形態を説明する。
図5は、記録ヘッド11がキャリッジ4に搭載されて印字(以下、記録ともいう)を行う様子を示した、記録装置正面からみた模式図である。インクタンク40を載せた記録ヘッド11を、記録装置1本体のシャフト5に取り付けられたキャリッジ4に搭載して、主走査方向Xへ往復動作して印字を行う。このとき、記録ヘッド11の吐出口面45のすぐ両脇に記録ヘッド11を鉛直方向に支えるキャリッジ部材46が存在する(図5(b)の点線で囲まれた部分)。
また、印字の際にノズルから吐出されたインク滴は、インク滴自身の移動による自己気流を発生させることが知られている。その気流は、まず図5(b)矢印αのように、ノズル直下から紙面方向へ作用し、次にノズル直下から主走査方向Xへ少しずれた位置で外巻き方向へ作用する。また記録ヘッド11の主走査方向Xへの往復移動のときも、記録媒体Sと吐出口間(紙間)に外側から流入する気流(以下、流入気流)が発生する。その結果、記録ヘッド11から吐出されたインク滴は、自己気流と流入気流との相互作用を受けるため、記録媒体Sに到達するインク滴を除きこの気流に乗ってインクジェット記録装置1の本体内を浮遊し、付着した個所において様々な弊害をもたらす。このような課題に対して、本発明では以下の構成とワイピング制御を実施して、浮遊ミストによる様々な弊害の低減を実現している。以下でその説明を行う。
(構成)
図6(a)から(c)は、ワイパ8によってワイピングを行う様子を示した、ワイピング構成の正面方向からみた模式図である。図6(a)は、従来から行われているワイピング構成であり、ワイパ8が記録ヘッド11の吐出口面を図の奥側から手前側に動作する方向にワイピングしている。図6(b)、(c)は、本実施形態のワイピング構成を示しており、図6(b)は、正面より右側の帯電部材からなるキャリッジ4の底面部のみをワイピングするの図であり、ワイパの位置はそのままで主走査方向にキャリッジを移動させてワイピングしている。また、図6(c)は、正面より左側の帯電部材からなるキャリッジの底面部のみをワイピングするの図であり、ワイパの位置はそのままで主走査方向にキャリッジを移動させてワイピングしている。なお本実施形態では、キャリッジ4の底面部のワイピングの他に、吐出口付近のインク濡れを防止する目的のために、図6(a)のように吐出口面のワイピングも行っている。
図6(b)、(c)で示したキャリッジ4の底部を摩擦帯電させた状態でミスト回収性能を確認するため、キャリッジ4の底部のワイピング有無によるテストとして、10枚印字させた後のキャリッジ4の底部に付着したインク量を調べた。その結果、帯電部材をワイピングしないで印字した場合に比べて帯電部材のワイピング有で印字した場合の方がキャリッジ底部に非常に多いインク付着が確認された。つまり、ワイピングによる摩擦帯電を利用したキャリッジ4の底部に発生した電位差によって、記録ヘッドと記録媒体Sまでの間において浮遊するインクミストを回収できていることを確認することができた。
(制御)
次に図6(b)、(c)のような帯電部材からなるキャリッジ4のワイピングを行うワイピング制御について説明する。記録ヘッド11の吐出口部をワイピングする従来のワイピング制御は、吐出口付近のインク濡れを防止する目的で行われるため、ノズル列毎に吐出発数や印字経過時間に応じたタイミング、更にはキャッピング開閉のタイミングで実施されている。
図7は、キャリッジ4の底部を摩擦帯電させるためのワイピングを実施するフローチャートである。記録ヘッド11の吐出口近傍に存在する帯電材料からなるキャリッジ4を摩擦帯電させるためにワイピングする本発明のワイピング制御では、従来の記録ヘッドの吐出口部のワイピング制御に加えて、図7のフローチャートのタイミングでワイピング制御を行う。記録が開始されると、ステップS1でインクジェット記録装置1が印字信号を受信する。そしてステップS2に移行して、帯電材料からなるキャリッジ底部を摩擦帯電させるために、キャリッジ部のみをワイピングする。その後、ステップS3において印字を開始し、ステップS4において印字を完了して排紙を行う。そして、ステップS5において、キャリッジ底部に付着した浮遊ミストによるインク滴を回収するために再度キャリッジ4のみをワイピングする。なお、ステップS5において、キャリッジ4の底部に付着した浮遊ミストによるインク滴を回収するためにキャリッジ4の底部のワイピングを実施しているが、付着ミストが多い場合、キャリッジ4の底部のワイピングは印字中に実施してもよい。
(効果)
本発明の特徴であるワイパ8とキャリッジ4との摩擦帯電によるミスト回収方法の効果について調査するため、次の3種類のインクジェット記録装置について耐久性能の比較を行った。20000枚の印字耐久試験を行い、キャリッジエンコーダエラーの発生の有無、ピンチローラへのインク付着により発生するインク転写痕の画像弊害の有無、インクタンクへのインク付着量、記録装置本体内のインク汚れ度合いについて調査を行った。
調査に用いた3種類のインクジェット記録装置(TYPE_AからC)は以下のとおりである。
TYPE_A:
従来のワイピング構成および従来ワイピング制御のインクジェット記録装置。
TYPE_B:
キャリッジ4に+(プラス)帯電性材料を使用し、キャリッジ4ワイピング制御実施のインクジェット記録装置。
TYPE_C:
キャリッジ4の一方(右側)に+(プラス)帯電性材料、他方(左側)に−(マイナス)帯電性材料(テフロン(登録商標)テープを貼り付けた)のように2種類の部品で構成され、キャリッジ4ワイピング制御実施のインクジェット記録装置。
図8は、ミスト回収方法の効果について調査した結果をまとめた表である。従来の構成であるTYPE_Aのインクジェット記録装置は、調査した4項目について浮遊ミストによる記録装置内部の汚染の影響が大きく見られた。しかし本発明の特徴的構成を備えたTYPE_B、TYPE_Cのインクジェット記録装置については、調査を行った4項目ともTYPE_Aに比べて大幅に改善が見られた。特に、TYPE_Cについては弊害が発生しないだけでなく記録装置内部のインク汚れも比較的きれいな状態で耐久枚数の規定値である20000枚以上の耐久枚数を印字できるレベルであった。
これはTYPE_Bのインクジェット記録装置は、+(プラス)帯電性材料を使用しているためその反極の−(マイナス)に帯電したミストだけを回収している。これに対して、TYPE_Cは、一方に+(プラス)帯電性材料、他方に−(マイナス)帯電性材料を使用しているため+(プラス)に帯電したミストも−(マイナス)に帯電したミストもどちらも回収出来ている。このように、本発明の効果が非常に大きく現れる結果であった。
なお本実施形態ではキャリッジを一方に+(プラス)帯電性材料、他方に(左側)に−(マイナス)帯電性材料のように2種類の部品で構成したが、複数の+(プラス)帯電性材料および複数の−(マイナス)帯電性材料というように2種類以上の構成でもよい。
上述のように本発明によれば、従来から備わるワイパと、帯電部材からなる記録ヘッドを搭載するキャリッジ部と、の摩擦による摩擦帯電によって発生した静電気によって浮遊ミストを捕獲・回収する。これによって、記録ヘッドおよび記録装置のコストアップなどを招くことなくインクジェット記録装置の高画質化とともに耐久性能の向上および高い画像信頼性性能を維持することが可能となるインクジェット記録装置を提供することができた。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では、特徴的な構成についてのみ説明する。本発明の別の形態として、ワイピングする箇所が第1の実施形態のようにキャリッジ4の底面でなく、記録ヘッドの吐出口面を保持する目的で設置される記録ヘッドの部材の面をワイピングしてもよい。
図9は、本実施形態を適用可能な記録ヘッド91を示した斜視図である。以下に、図9に示すような吐出口面とインク収容部92が一体となったディスポータブルタイプの記録ヘッド91を例にあげて本実施形態を説明する。従来の記録ヘッドでは、吐出口面とインクタンク収容部とが一体になっているものがある。そのため、このような記録ヘッドを搭載する記録装置のキャリッジは、底面で記録ヘッドを保持する必要がなく、吐出口面の付近にキャリッジ部材が存在しないことがある。このような場合は、本実施形態のように記録ヘッド91の吐出口面の両脇にあるインクタ収容部92の底面94(図中の点線で囲んだ領域)に対して、ワイピングを行うワイピング制御を実施し、摩擦帯電による電位差を発生させる。
この結果、浮遊ミストの回収高価に関しては第1の実施形態で説明したことと同様となることは容易に推察される。また、記録ヘッド91の吐出口面の両脇にあるインク収容部92の底面94に対して、一方にテフロン(登録商標)コーティング等を施し、テフロン(登録商標)コーティングした方と、テフロン(登録商標)コーティングしていない方の両方をワイピングする。こうすることで、記録ヘッド91の吐出口付近に+(プラス)と−(マイナス)の電位差を発生させられる。この記録ヘッド91を用いた場合の浮遊ミストの回収効果に関しても第1の実施形態で説明したことと同様となることは容易に推察される。
上述のように本発明によれば、従来から備わるワイパと帯電部材からなる記録ヘッド91の吐出口を保持する保持部材との摩擦による摩擦帯電によって発生した静電気によって浮遊ミストを捕獲・回収する。これによって、記録ヘッドおよび記録装置のコストアップなどを招くことなくインクジェット記録装置の高画質化とともに耐久性能の向上および高い画像信頼性性能を維持することが可能となるインクジェット記録装置を提供することができた。
本発明を適用可能なインクジェット記録装置の要部がわかるように示した斜視図である。 (a)から(c)は、記録ヘッドのノズルからインク滴が吐出する様子を示した模式的断面図である。 吐出速度の変化率を、印加電圧ごとに示したグラフである。 表面電位について調べた結果を示した表である。 記録ヘッドがキャリッジに搭載されて印字を行う様子を示した、記録装置正面からみた模式図である。 (a)から(c)は、ワイパによってワイピングを行う様子を示した、ワイピング構成の正面方向からみた模式図である。 キャリッジ底部を摩擦帯電させるためのワイピングを実施するフローチャートである。 ミスト回収方法の効果について調査した結果をまとめた表である。 第2の実施形態を適用可能な記録ヘッドを示した斜視図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
4 キャリッジ
5 シャフト
8 ワイパ
11 記録ヘッド
12 平板電極
40 インクタンク
45 吐出口面
46 キャリッジ部材
91 記録ヘッド
92 インクタンク収容部
93 吐出口面
94 底面

Claims (8)

  1. 吐出口からインクを吐出する記録ヘッドをキャリッジに搭載して記録を行う記録手段と、前記吐出口が設けられた吐出口面をワイピングするワイピング手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
    前記キャリッジは帯電材料で構成されており、前記ワイピング手段によって前記キャリッジをワイピングすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記ワイピング手段は、前記キャリッジの主走査方向への移動によって、前記吐出口面と前記キャリッジとをワイピングすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記キャリッジは、+(プラス)帯電部材と−(マイナス)帯電部材との少なくとも2種類以上の部品から構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ワイピング手段は、前記キャリッジの+(プラス)帯電部材と−(マイナス)帯電部材とをワイピングすることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録素子に設けられた吐出口からインクを吐出する記録ヘッドで記録を行う記録手段と、前記記録素子の前記吐出口が設けられた吐出口面をワイピングするワイピング手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの前記記録素子を保持する保持部材は帯電材料で構成されており、前記ワイピング手段によって前記保持部材をワイピングすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記ワイピング手段は、前記記録ヘッドの主走査方向への移動によって、前記吐出口面と前記保持部材とをワイピングすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドの前記保持部材は、+(プラス)帯電部材と−(マイナス)帯電部材との少なくとも2種類以上の部品から構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記ワイピング手段は、前記保持部材の+(プラス)帯電部材と−(マイナス)帯電部材とをワイピングすることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
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