JP2010142204A - イソチオシアン酸エステル乳化組成物 - Google Patents
イソチオシアン酸エステル乳化組成物 Download PDFInfo
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Abstract
イソチオシアン酸エステルの乳化物において、乳化物の乳化安定性が良好で、イソチオシアン酸エステルの分解が起こりにくく、かつ、水に均一に分散しやすい乳化組成物を提供すること。
【解決手段】
(A)イソチオシアン酸エステル、(B)キラヤサポニン、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび(D)水および/または多価アルコールから選ばれる1種以上、を含有することを特徴とするO/W型乳化組成物。
【選択図】 なし
Description
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
異性化液糖(Bx75°)845gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、イソチオシアン酸アリル100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(本発明品1:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
実施例1において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールS−120V(ポリソルベート60、花王社製)5gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(本発明品2:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
実施例1において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(本発明品3:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)850gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品1:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
イソチオシアン酸アリル100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)20gを混合溶解し、油相部とする。これに異性化液糖(Bx75°)880gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品2:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)850gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品3:イソチオシアン酸アリル10.0%含有、製剤のpH8.5)。
比較例3では、製剤のpHが8.5とアルカリ側になってしまったため、酸を加え、pHを下げたものを調整した。
異性化液糖(Bx75°)815gに2%クエン酸水溶液35gおよびデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品4:イソチオシアン酸アリル10.0%含有、製剤のpH5.5)。
異性化液糖(Bx75°)880gにショ糖ステアリン酸エステル(商品名:シュガーエステルDK−SS、第一工業製薬社製)20gを加えて溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品5:イソチオシアン酸アリル10.0%含有、製剤のpH7.0)。
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品6:イソチオシアン酸アリル10.0%含有、製剤のpH4.5)。
異性化液糖(Bx75°)845gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、イソチオシアン酸アリル100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品7:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
アラビアガム水溶液(濃度30%)495gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これとは別に、イソチオシアン酸アリル100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品8:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)800gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gおよびキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、イソチオシアン酸アリル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品9:イソチオシアン酸アリル10.0%含有)。
本発明品1〜3および比較品1〜9を30mlサンプル瓶に30gずつ小分けし、5℃、20℃および50℃にて1週間保存テストを行い、褐変および乳化の状態を肉眼で観察した。また、乳化状態をさらに電子顕微鏡で観察し、乳化の状態を判定した。結果を表1に示す。
実施例4で乳化状態の良好であった、本発明品1〜3について、さらに保存期間を延長し、50℃で1ヶ月(乳化直後から起算)保存を行った。その結果、やや褐変が進み、香気的には劣化が見られたが、乳化状態は良好であり、光学顕微鏡による観察でも粒子の凝縮や増大が見られず、極めて安定な乳化状態を維持していた。
脱脂したイエローマスタード粉砕物150Kgに40℃温水900Kgを加え、良く混合し、40℃にて3時間時々攪拌しながら(30分に約1分)静置した。その後、減圧下(40℃、0.04Mpa)にて水蒸気蒸留を行い、留出液300Kgを得た。留出液に塩化ナトリウム30kgを混合溶解して塩析し、1時間静置後、上層に浮かんだ精油をデカンテーションにて分離し、無水硫酸ナトリウムにて脱水濾過し、芥子精油1.15Kg(参考品1)を得た。
参考品1のイソチオシアン酸エステル類組成
(ガスクロマトグラフィー法、ピーク面積比による%)
成分 含有量
イソチオシアン酸アリル 71.5%
イソチオシアン酸n−ブチル 12.8%
イソチオシアン酸3−ブテニル 6.5%
イソチオシアン酸4−ペンテニル 2.2%
イソチオシアン酸2−フェニルエチル 1.1%
その他の香気成分 5.9%
異性化液糖(Bx75°)845gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(芥子精油)100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(本発明品4:芥子精油10.0%含有)。
実施例6において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールS−120V(ポリソルベート60、花王社製)5gを使用する以外は、実施例6と同様の操作を行い、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(本発明品5:芥子精油10.0%含有)。
実施例6において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを使用する以外は、実施例6と同様の操作を行い、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(本発明品6:芥子精油10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)850gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品10:芥子精油10.0%含有)。
参考品1(芥子精油)100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)20gを混合溶解し、油相部とする。これに異性化液糖(Bx75°)880gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品11:芥子精油10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)850gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品12:芥子精油10.0%含有)。
比較例12では、製剤のpHが8.5とアルカリ側になってしまったため、酸を加え、pHを下げたものを調整した。
異性化液糖(Bx75°)815gに2%クエン酸水溶液35gおよびデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したもの)を混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品13:芥子精油10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)880gにショ糖ステアリン酸エステル(商品名:シュガーエステルDK−SS、第一工業製薬社製)20gを加えて溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品14:芥子精油10.0%含有)。
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品15:芥子精油10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)845gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(芥子精油)100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、芥子精油の乳化組成物1000gを得た(比較品16:芥子精油10.0%含有)。
アラビアガム水溶液(濃度30%)495gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(芥子精油)100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品17:芥子精油10.0%含有)。
異性化液糖(Bx75°)800gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gおよびキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(芥子精油)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、イソチオシアン酸アリルの乳化組成物1000gを得た(比較品18:芥子精油10.0%含有)。
本発明品4〜6および比較品10〜18を30mlサンプル瓶に30gずつ小分けし、5℃、20℃および50℃にて1週間保存テストを行い、褐変および乳化の状態を肉眼で観察した。また、乳化状態をさらに電子顕微鏡で観察し、乳化の状態を判定した。結果を表2に示す。
実施例9で乳化状態の良好であった、本発明品4〜6について、さらに保存期間を延長し、50℃で1ヶ月(乳化直後から起算)保存を行った。その結果、やや褐変が進み、香気的には劣化が見られたが、乳化状態は良好であり、光学顕微鏡による観察でも粒子の凝縮や増大が見られず、極めて安定な乳化状態を維持していた。
Claims (2)
- (A)イソチオシアン酸エステル、(B)キラヤサポニン、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル並びに(D)水および/または多価アルコールを含有することを特徴とするO/W型乳化組成物。
- (A)イソチオシアン酸エステルを0.1質量%〜40質量%、(B)キラヤサポニンを0.05質量%〜20質量%、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.005質量%〜2質量%並びに(D)水および/または多価アルコールを10質量%〜90質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のO/W型乳化組成物。
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