JP2010140879A - X線管用ターゲットおよびそれを用いたx線管、x線検査装置ならびにx線管用ターゲットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温強度に優れ、コストダウンを可能にしたX線管用ターゲットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 グラファイト基材と、Mo基材もしくはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットにおいて、前記接合層についてEPMAにより組成比を検出したとき、前記接合層はMoTaTiの拡散相、TaTi合金相、Taリッチ相、ZrTa合金相を具備することを特徴とする。また、MoTaTiの拡散相は、MoTaTiの固溶体を具備していることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 グラファイト基材と、Mo基材もしくはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットにおいて、前記接合層についてEPMAにより組成比を検出したとき、前記接合層はMoTaTiの拡散相、TaTi合金相、Taリッチ相、ZrTa合金相を具備することを特徴とする。また、MoTaTiの拡散相は、MoTaTiの固溶体を具備していることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高温耐熱性の優れたX線管用ターゲットおよびそれを用いたX線管、X線検査装置ならびにX線管用ターゲットの製造方法に関する。
X線管は、X線の透過力を利用して人体などの被検体内部の状況を把握するX線CT装置、X線透視装置、構造物内部の欠陥やケース内部等を検出する非破壊検査用分析装置(例えば荷物検査装置)といった各種X線検査装置に用いられている。
X線検査装置は、X線を発生させるX線管と、被検体を透過したX線を検出するためのシンチレータ(イメージ増幅管含む)を具備したX線検出部を備えている。
X線管は、一般にガラスバルブ、金属またはセラミックス製容器内に対向するように配置された一対の陰極および陽極を具備しており、陰極はタングステンフィラメント等から構成され、また陽極はタングステン(W),モリブデン(Mo)またはその合金からなるターゲットから構成されている。このX線管の動作原理は、陰極のタングステンフィラメントを加熱することによって電子が放出され、それらが陽極と陰極間に印加した電圧により加速され、電子ビームとして運動エネルギーをもって陽極となるターゲットに衝突し、その結果、ターゲットからX線が所定方向に放出させるというものである。
近年、X線CTやX線透視装置、非破壊検査装置にはX線画像の高精細化による解像力の向上、および動画像取得や検査時間の短縮が求められている。X線CTの解像力向上のためには、X線検出部に用いられるX線シンチレータ1個1個を小型化し、同一検出面積に多数配列することが必要となる。しかしながらX線シンチレータが小型になると、単位面積あたり同一のX線入射エネルギーに対するX線検出感度は低下してしまう。この感度低下は、X線管のX線出力をより大きくすることで補うことが可能である。さらにまた動画像取得や検査時間の短縮もX線管のX線出力をより大きくすることにより実現できる。このようなことから、従来以上に強力なX線を発生させることができる高出力X線管が求められるており、その開発実用化が行われている。
X線検査装置は、X線を発生させるX線管と、被検体を透過したX線を検出するためのシンチレータ(イメージ増幅管含む)を具備したX線検出部を備えている。
X線管は、一般にガラスバルブ、金属またはセラミックス製容器内に対向するように配置された一対の陰極および陽極を具備しており、陰極はタングステンフィラメント等から構成され、また陽極はタングステン(W),モリブデン(Mo)またはその合金からなるターゲットから構成されている。このX線管の動作原理は、陰極のタングステンフィラメントを加熱することによって電子が放出され、それらが陽極と陰極間に印加した電圧により加速され、電子ビームとして運動エネルギーをもって陽極となるターゲットに衝突し、その結果、ターゲットからX線が所定方向に放出させるというものである。
近年、X線CTやX線透視装置、非破壊検査装置にはX線画像の高精細化による解像力の向上、および動画像取得や検査時間の短縮が求められている。X線CTの解像力向上のためには、X線検出部に用いられるX線シンチレータ1個1個を小型化し、同一検出面積に多数配列することが必要となる。しかしながらX線シンチレータが小型になると、単位面積あたり同一のX線入射エネルギーに対するX線検出感度は低下してしまう。この感度低下は、X線管のX線出力をより大きくすることで補うことが可能である。さらにまた動画像取得や検査時間の短縮もX線管のX線出力をより大きくすることにより実現できる。このようなことから、従来以上に強力なX線を発生させることができる高出力X線管が求められるており、その開発実用化が行われている。
一般にX線管のX線出力を大きくするには、ターゲットへ衝突する電子の運動エネルギーを増加させる必要がある。しかしながら電子の運動エネルギーの一部は熱エネルギーとしてターゲット上の電子衝突部分の温度を上昇させてしまい、ターゲット自体の溶融や温度上昇によるターゲットの金属相の劣化を引き起こしてしまう。
そのため多くの高出力X線管は、ターゲットを軸対称回転体(例えば円板状)とし、電子ビームに対して2000rpm〜10000rpm以上の高速度で回転させて電子ビーム照射を受けるターゲットの焦点面を常に変化させ、局所的な温度上昇を防止するような構造を採っている。このようなターゲットをもつX線管は回転陽極(ターゲット)X線管と呼ばれている。
このような回転陽極X線管のさらなる高出力化のためには、(1)ターゲットの回転速度をさらに高めて冷却効率を向上させた上で、ターゲットに衝突する電子ビームの運動エネルギーを大きくする、(2)ターゲットを大型化し、電子ビームが衝突する面積を広くする等の方法がある。
X線CTやX線検査装置のX線管は連続照射ではなく、一つのCT検査、一つの非破壊検査が終了すると次の検査までの間にX線照射をしない時間(ターゲットにエネルギー入力のない時間)がある。このため、ターゲット全体の熱容量を大きくしておくことにより、X線照射時のターゲットの最高温度を抑えることが可能となるとともにターゲットの平均温度を高めることが可能となりX線管の高出力に対応できる。ターゲット全体の熱容量を大きくする際にターゲットは回転体となるため、その質量はなるべく小さくすることが望ましい。ターゲットの電子ビームが衝突する部分は前記のとおり、W、Moやその合金が必要とされるが、密度が大きく比熱の小さいW、Moやその合金のみでターゲットを構成するには質量が過大となり適当でない。そこで大きな熱容量とターゲットの重量増加抑制のためには高温での機械的強度に問題がなく、比熱の大きい材料である炭素をW、Moやその合金と接合して使用することが望ましいことになる。
そのため多くの高出力X線管は、ターゲットを軸対称回転体(例えば円板状)とし、電子ビームに対して2000rpm〜10000rpm以上の高速度で回転させて電子ビーム照射を受けるターゲットの焦点面を常に変化させ、局所的な温度上昇を防止するような構造を採っている。このようなターゲットをもつX線管は回転陽極(ターゲット)X線管と呼ばれている。
このような回転陽極X線管のさらなる高出力化のためには、(1)ターゲットの回転速度をさらに高めて冷却効率を向上させた上で、ターゲットに衝突する電子ビームの運動エネルギーを大きくする、(2)ターゲットを大型化し、電子ビームが衝突する面積を広くする等の方法がある。
X線CTやX線検査装置のX線管は連続照射ではなく、一つのCT検査、一つの非破壊検査が終了すると次の検査までの間にX線照射をしない時間(ターゲットにエネルギー入力のない時間)がある。このため、ターゲット全体の熱容量を大きくしておくことにより、X線照射時のターゲットの最高温度を抑えることが可能となるとともにターゲットの平均温度を高めることが可能となりX線管の高出力に対応できる。ターゲット全体の熱容量を大きくする際にターゲットは回転体となるため、その質量はなるべく小さくすることが望ましい。ターゲットの電子ビームが衝突する部分は前記のとおり、W、Moやその合金が必要とされるが、密度が大きく比熱の小さいW、Moやその合金のみでターゲットを構成するには質量が過大となり適当でない。そこで大きな熱容量とターゲットの重量増加抑制のためには高温での機械的強度に問題がなく、比熱の大きい材料である炭素をW、Moやその合金と接合して使用することが望ましいことになる。
また、高出力X線管のX線管ターゲットを実現する方法として、W、Moやその合金のターゲットサイズをより大きくして放熱面積を拡大する方法が考えられるが、前記のとおり高速回転に耐える回転体剛性を考慮した構造と軸受けを含めてX線管として大幅な重量と寸法の増加が必要となってしまう。さらに高速スキャニングが趨勢となっているCT装置に用いる場合、CT装置のX線管全体もCTスキャニング速度で回転させる必要があるため、その大きな遠心力に耐える構造にするには大きな困難が伴う。
前記のようにW,Moと炭素を接合したX線管であればターゲットの軽量化をなし得ることができる。このようなX線管用ターゲットとして特許第3040203号公報(特許文献1)や特表2007−512959号公報(特許文献2)が提案されている。特許文献1はろう材としてV(バナジウム)を使用し、特許文献2は金属基材にあらかじめろう材をスパッタリング法により被着させてから接合する方法を用いている。
前記のようにW,Moと炭素を接合したX線管であればターゲットの軽量化をなし得ることができる。このようなX線管用ターゲットとして特許第3040203号公報(特許文献1)や特表2007−512959号公報(特許文献2)が提案されている。特許文献1はろう材としてV(バナジウム)を使用し、特許文献2は金属基材にあらかじめろう材をスパッタリング法により被着させてから接合する方法を用いている。
特許文献1および特許文献2の方法を用いることにより、高温下での接合強度に優れたX線管用ターゲットが得られている。しかしながら、特許文献1のようにバナジウムを使ったろう材はバナジウムが非常に高価であることから製造コストがかかる。さらにバナジウムは毒性があることから人体や環境への負担が大きい。また、特許文献2はろう材の接合時にスパッタリング法を使用することから製造管理が煩雑であり、製造コストがかかる。このため、製造工程を簡素化でき、かつ高温下での接合強度に優れたX線管用ターゲットが求められていた。
本発明は、このような問題を解決するためのもので高温下での接合強度を高めると共に安価な接合方法によりX線管用ターゲットおよびその製造方法並びにX線検出器を提供するものである。
本発明は、このような問題を解決するためのもので高温下での接合強度を高めると共に安価な接合方法によりX線管用ターゲットおよびその製造方法並びにX線検出器を提供するものである。
本発明のX線管用ターゲットは、炭素基材と、Mo基材もしくはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットにおいて、前記接合層についてEPMAにより組成比を検出したとき、前記接合層はMoTaTiの拡散相、TaTi合金相、Taリッチ相、ZrTa合金相を具備することを特徴とするものである。
前記MoTaTiの拡散相は、MoTaTiの固溶体を具備していることが好ましい。また前記TaTi合金相は、Mo含有量が10質量%以下(0含む)であることが好ましい。また前記Taリッチ相は、Taが90質量%以上であることが好ましい。さらにまた前記ZrTa合金相は、ZrC相を具備していることが好ましい。
なお前記接合層の厚さは20〜2000μmであることが好ましい。また前記MoTaTiの拡散相の厚さは1〜60μm、前記TaTi合金相の厚さは10〜500μm、前記Taリッチ相は1〜600μm、残り前記TaZr相であることが好ましい。また炭素基材の接合層接触面には凹部が設けられていることが好ましい。このようなX線管用ターゲットはX線管、さらにはX線検査装置に最適である。
前記MoTaTiの拡散相は、MoTaTiの固溶体を具備していることが好ましい。また前記TaTi合金相は、Mo含有量が10質量%以下(0含む)であることが好ましい。また前記Taリッチ相は、Taが90質量%以上であることが好ましい。さらにまた前記ZrTa合金相は、ZrC相を具備していることが好ましい。
なお前記接合層の厚さは20〜2000μmであることが好ましい。また前記MoTaTiの拡散相の厚さは1〜60μm、前記TaTi合金相の厚さは10〜500μm、前記Taリッチ相は1〜600μm、残り前記TaZr相であることが好ましい。また炭素基材の接合層接触面には凹部が設けられていることが好ましい。このようなX線管用ターゲットはX線管、さらにはX線検査装置に最適である。
また本発明のX線管用ターゲットの製造方法は、炭素基材とMo基材またはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットの製造方法において、炭素基材とMo基材またはMo合金基材との間にTaTi合金からなる第1ろう材層、TaまたはTa合金からなる第2ろう材層、Zrからなる第3ろう材層を設ける工程、1750〜1950℃の温度下で接合する工程を具備するものである。また接合時の温度は、1810〜1890℃であることが好ましい。また接合は、1〜200kPaの圧力を付加しながら行うことが好ましい。また接合は、真空中または非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。また第1ろう材層、第2ろう材層、第3ろう材層の形状は箔体状であることが好ましい。
本発明によれば、高温下での接合強度に優れたX線管用ターゲットを提供することができる。また高温下での接合強度が優れていることから、信頼性の高いX線検出器を得ることができる。またバナジウムのような高価でかつ毒性が高い材料を使用する必要がなく、製造コストが低い上に人体や環境への負担が非常に少ない。また接合製造において、スパッタ成膜等が必要ないことから、大幅なコストダウンを図ることができる。
本発明のX線管用ターゲットは炭素基材と、Mo基材もしくはMo合金基材とを接合層を介して接合した構造を具備するものである。図1にX線管用ターゲットの一例を示す断面を示す。図中、1はX線管用ターゲット、2はMo基材(もしくはMo合金基材)、3は接合層、4は炭素基材、5は回転軸を挿入するための穴部である。
Mo(モリブデン)基材2は、電子線照射面となる部材である。Moは比重が高いため、Mo基材のみでX線管用ターゲットを構成するとターゲットが重くなり、高速回転させるための保持具(回転軸)、回転機構(モータ)などの補強が必要となる。そのため、ターゲットの一部を炭素基材4に置き換えることが重要である。また、Mo合金としては高温強度を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばTiやZrを合計で0.2〜10質量%含有したMo合金が挙げられ、もしくはTi、Zr、Hf、La、Ta、Y、Nb、W、Re等を金属単体、酸化物、炭化物のいずれか1種を0.2〜10質量%含有したMo合金が挙げられる。また、電子線照射面には、必要に応じてW(タングステン)やRe−W合金(レニウムタングステン合金)を設けても良い。また、炭素基材としてはグラファイト基材などが挙げられる。
Mo(モリブデン)基材2は、電子線照射面となる部材である。Moは比重が高いため、Mo基材のみでX線管用ターゲットを構成するとターゲットが重くなり、高速回転させるための保持具(回転軸)、回転機構(モータ)などの補強が必要となる。そのため、ターゲットの一部を炭素基材4に置き換えることが重要である。また、Mo合金としては高温強度を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばTiやZrを合計で0.2〜10質量%含有したMo合金が挙げられ、もしくはTi、Zr、Hf、La、Ta、Y、Nb、W、Re等を金属単体、酸化物、炭化物のいずれか1種を0.2〜10質量%含有したMo合金が挙げられる。また、電子線照射面には、必要に応じてW(タングステン)やRe−W合金(レニウムタングステン合金)を設けても良い。また、炭素基材としてはグラファイト基材などが挙げられる。
X線管用ターゲットの軽量化と高温下での接合強度を両立するためにはMo基材2と炭素基材4を強固に接合する接合層3が必要である。本発明では接合層についてEPMAにより組成比を検出したとき、前記接合層はMoTaTiの拡散相、TaTi合金相、Taリッチ相、ZrTa合金相を具備することを特徴としている。
なお本発明においてEMPAを用いるのは、化学分析ではなかなか困難は微小領域での面分析が可能であるからである。具体的には、まず接合層を厚さ方向に切断し、切断面の表面粗さ(Ra)が1μm以下になるようにダイヤモンド等で研磨する。そしてEPMAにより定性・定量分析等を行う。
本発明の接合層の一例を図2に示す。図2中、2はMo基材、3は接合層、4は炭素基材、6はMoTaTiの拡散相、7はTaTi合金相、8はTaリッチ相、9はZrTa合金相である。
本発明の接合層はTa(タンタル)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)を必須成分として具備するものである。一般にZrと炭素は強固な接合を得ることができる一方で、ZrとMoは融点の低い共晶合金を形成してしまう。融点の低い共晶合金が存在すると、高温下での接合強度が低下する。このようなZrMo共晶合金の形成を防ぐために、ZrとMoの間にTaを設置することが望ましい。TaはMoと合金化しても融点は低くならないため、Zrの拡散防止に効果的である。
なお本発明においてEMPAを用いるのは、化学分析ではなかなか困難は微小領域での面分析が可能であるからである。具体的には、まず接合層を厚さ方向に切断し、切断面の表面粗さ(Ra)が1μm以下になるようにダイヤモンド等で研磨する。そしてEPMAにより定性・定量分析等を行う。
本発明の接合層の一例を図2に示す。図2中、2はMo基材、3は接合層、4は炭素基材、6はMoTaTiの拡散相、7はTaTi合金相、8はTaリッチ相、9はZrTa合金相である。
本発明の接合層はTa(タンタル)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)を必須成分として具備するものである。一般にZrと炭素は強固な接合を得ることができる一方で、ZrとMoは融点の低い共晶合金を形成してしまう。融点の低い共晶合金が存在すると、高温下での接合強度が低下する。このようなZrMo共晶合金の形成を防ぐために、ZrとMoの間にTaを設置することが望ましい。TaはMoと合金化しても融点は低くならないため、Zrの拡散防止に効果的である。
また一般にTaとMoを接合するには、Taの融点(2996℃)以上の温度に加熱して液相化しなければならない。しかしながらそのような温度下ではMo基材の機械的強度が大幅に低下し、製品としての品質が劣化してしまう。そこでそのような問題を解決するため、本発明ではTaTi合金を用いている。すなわちTaTi合金は、TaとTiの組成比を制御することにより、Taの融点(2996℃)とTiの融点(1668℃)の間で任意の融点を持つ固溶体となる。これにより、Mo基材の機械的強度の劣化が起こりにくい温度領域にて融点を持つTaTi合金を作製することができる。さらにまた、Tiは高温下では酸化物よりも酸素を固溶した状態の方がエネルギー的に安定ため接合面上の酸素がTi中に取り込まれ、その結果、接合に適した清浄な表面を得ることができる。
以上のことから、本発明の接合層はTa(タンタル)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)を必須成分としている。以下に各相について説明する。
MoTaTiの拡散相は、Mo基材のMoとろう材として用いるTaTi合金が相互に拡散してできた相で、bcc結晶構造をもつ固溶体を形成している。また拡散相中のMo含有量は、10質量%を超えた量である。MoTaTiの拡散相の厚さは1〜60μm、好ましくは5〜40μmである。例えば、後述する製造方法を用いれば、Moが拡散したTaTi合金相(固溶体)を形成することができる。
MoTaTiの拡散相は、Mo基材のMoとろう材として用いるTaTi合金が相互に拡散してできた相で、bcc結晶構造をもつ固溶体を形成している。また拡散相中のMo含有量は、10質量%を超えた量である。MoTaTiの拡散相の厚さは1〜60μm、好ましくは5〜40μmである。例えば、後述する製造方法を用いれば、Moが拡散したTaTi合金相(固溶体)を形成することができる。
MoTaTiの拡散相は連続した層としてMo基材上に形成されていることが望ましいが、Mo基材上の面積比で80%以上に拡散相が形成されていればよい。一方、MoTaTiの拡散相の厚さが1μm未満であると拡散相が形成されない部分が生じやすい(面積比で10%未満になりやすい)。一方、60μmを超えると高温下での接合強度の改善効果が飽和するだけではなく、厚さのばらつきが大きくなり接合強度の低下が生じる可能性がある。
また、TaTi合金相は、Tiが10質量%以上50質量%以下、Mo含有量10質量%以下(0含む)、残部Taである相のことである。前記したようにTaTi合金相はTaとTiの固溶体を形成している。
TaTi合金相の厚さは10〜500μm、さらには30〜300μmが好ましい。厚さが10μm未満では連続した層状にならない部分ができてしまう可能性がある。一方、300μmを超えるとTaTi合金相を設ける効果が飽和する。またTiはろう材表面の酸素を内部に取り込むことができるため、前記したろう材表面のクリーニング効果を得ることができる。このため、TaTi合金相は連続した層状であることが好ましい。
TaTi合金相の厚さは10〜500μm、さらには30〜300μmが好ましい。厚さが10μm未満では連続した層状にならない部分ができてしまう可能性がある。一方、300μmを超えるとTaTi合金相を設ける効果が飽和する。またTiはろう材表面の酸素を内部に取り込むことができるため、前記したろう材表面のクリーニング効果を得ることができる。このため、TaTi合金相は連続した層状であることが好ましい。
Taリッチ相はTaを90質量%以上100質量%以下となる相のことである。Taリッチ相中のTa以外の成分としてTiを10質量%以下(0含む)、Zrを1質量%以下(0含む)含有していてもよい。Ti含有量が10質量%以下(0質量%含む)の領域を具備することにより、後述するZrTa合金相からZrが必要以上に拡散するのを防ぐことができる。必要以上のZrの拡散を防ぐことにより、低融点のMoZr共晶合金ができるのを防ぐことができる。また、Taリッチ相は厚さが1〜600μmであることが好ましい。1μm未満ではZrの拡散防止効果が不足するおそれがあり、600μmを超えるとZrの拡散防止効果の改善が見られない。Taリッチ相のさらに好ましい厚さは、30〜400μmである。
ZrTa合金相は、Taを含有しているZr相のことである。このZrTa合金相は、Zrが炭素と反応してZrC相を形成する場合がある。また、ZrC相はZrとCの反応による微細析出(微細粒子の析出)であり、ZnTa合金相中に微細な析出物を分散することによってZrTa合金相の機械的強度を高める効果があるため、高温下での接合強度をより向上させることができる。また、ZrTa合金相は連続した層状であることが好ましい。また、ZrC相は図3(図3中、9はZrTa合金相、10はZrC相)に示したようにZrTa合金相中に微細に分散した状態であることが好ましく、ZrTa合金相中に0.1〜数%(体積比)存在すればその効果が十分となる。
以上のような接合層は合計の厚さが20〜2000μmであることが好ましい。なお前記接合層とはMoTaTiの拡散相からZrTa合金相(ZrC相がある場合はZrC相を含む)までの厚さを合計した範囲である。また接合層の厚さが均一でないとき(例えば、後述する接合面に凹部を設ける場合)は、最も短い距離を接合層の厚さとする。
このような接合層を具備することにより、高価でかつ毒性が高いバナジウム等を使用することなく高温下での接合強度が高いX線管用ターゲットを得ることができる。しかも本製造方法は工程が簡素なため、コスト低減を図ることが可能である。
このような接合層を具備することにより、高価でかつ毒性が高いバナジウム等を使用することなく高温下での接合強度が高いX線管用ターゲットを得ることができる。しかも本製造方法は工程が簡素なため、コスト低減を図ることが可能である。
また、さらに接合強度を高めるために炭素基材の接合層接触面には凹部を設けることも有効である。図4に凹部を設ける一例を示した。図4中、4は炭素基材、9はZrTa合金相、11は凹部である。凹部を設けることによりアンカー効果が得られる。凹部は図4に示したV(ブイ)字型に限られるものではなく、断面凹状、U字型などが挙げられる。また、凹部は、ドット状、縦溝、横溝、格子状、円状、多角形状、渦巻き状など特に限定されるものではない。また、凹部はグラファイト基材接合面の面積比10〜50%の範囲で設けることが好ましい。10%未満では凹部を設ける効果が小さく、50%を超えると炭素基材の強度が低下するおそれがある。
本発明のX線管用ターゲットは高温下での接合強度に優れているため、2000rpm以上、さらには10000rpm強の高速回転するX線管、直径9cm以上の大型ターゲット、印加電圧100kV以上の高出力X線管等に用いた場合、最適である。そのため、本発明のX線管用ターゲットを用いることで、X線検査装置の信頼性を向上させることができる。
本発明のX線管用ターゲットは上記構成を具備すれば製造方法は特に限定されるものではないが、効率よく得る方法として次の方法が挙げられる。
本発明のX線管用ターゲットは上記構成を具備すれば製造方法は特に限定されるものではないが、効率よく得る方法として次の方法が挙げられる。
まず、ろう材として、TaTi合金からなる第1ろう材層、TaまたはTa合金からなる第2ろう材層、Zrからなる第3ろう材層を調整する。第1ろう材層、第2ろう材層、第3ろう材層の製造方法は、各金属の箔体を設置する方法、もしくは各金属粉末をペースト状にして塗布する方法等があるが、箔体を設置する方法の方が取り扱い上、容易である。特に、直径9cm以上の大型ターゲットを製造する際は、金属粉末によるペーストでは塗布ムラが生じやすくなるため、連続した層状を得るには箔体を用いた方がより好ましい。図5にろう材層を設ける工程の一例を示す。図5中、2はMo基材、4は炭素基材、12は第1ろう材層、13は第2ろう材層、14は第3ろう材層である。Mo基材と炭素基材の間に、Mo基材/第1ろう材層/第2ろう材層/第3ろう材層/炭素基材の積層構造となるように各ろう材層を設置する工程を行う。
また第1ろう材層のTaTi合金の組成比は、Tiが30〜80質量%、残部Taからなるものである。この範囲であれば融点を1750〜1950℃に設定できるので、接合時の温度を1750〜1900℃の範囲にすることができる。また第2ろう材層はTaまたはTa合金を用いるが、Taのみの場合は純度が99%以上(不純物1質量%以下)のものが好ましい。また第3ろう材層はZrを用いるが、その純度は98%以上(Hf等の不純物2質量%以下)のものが好ましい。
また第1ろう材層、第2ろう材層、第3ろう材層の厚みは目的とする接合層の厚さの20%増し程度が望ましいが、例えば、好ましい範囲として第1ろう材層は0.02〜0.2mm、第2ろう材層は0.2〜0.6mm、第3ろう材層は0.1〜0.3mmである。例えば、第1ろう材層の厚さが薄すぎると作製が困難となり接合後の接合層組成ばらつきが大きくなる。また第2ろう材層および第3ろう材層は薄すぎるとZrが接合相を拡散してMoZr共晶相が形成されてしまう。この相が形成されると、前記のように高温下での接合強度が大幅に低下する。また各ろう材層が厚すぎると、接合時に液相となったろう材がターゲット外部へ漏れ出てしまう危険性が高い。
また第1ろう材層、第2ろう材層、第3ろう材層の厚みは目的とする接合層の厚さの20%増し程度が望ましいが、例えば、好ましい範囲として第1ろう材層は0.02〜0.2mm、第2ろう材層は0.2〜0.6mm、第3ろう材層は0.1〜0.3mmである。例えば、第1ろう材層の厚さが薄すぎると作製が困難となり接合後の接合層組成ばらつきが大きくなる。また第2ろう材層および第3ろう材層は薄すぎるとZrが接合相を拡散してMoZr共晶相が形成されてしまう。この相が形成されると、前記のように高温下での接合強度が大幅に低下する。また各ろう材層が厚すぎると、接合時に液相となったろう材がターゲット外部へ漏れ出てしまう危険性が高い。
次に積層構造としたものを、1750〜1900℃の温度下で接合する工程を行う。この時、温度が1750℃未満では各ろう材層が十分に液相化しない。また、1900℃を超えるとMo基材の機械的強度が大幅に劣化してしまう可能性がある。さらに好ましい温度は1810〜1890℃である。Zrの融点(1852℃)と同等以下の温度領域であれば、Zrがターゲット外部へ漏れ出てしまう危険性が低い。
また、接合する際、圧力1〜200kPaを付加しながら行うことが望ましい。圧力を付加しながら接合することで接合強度を向上させることができる。圧力が1kPa未満では圧力を加える効果が不十分であり、200kPaを超えると接合時にろう材層が液相となりターゲット外に溢れ出るおそれがある。さらに好ましい圧力は2〜50kPaである。
また接合工程は、真空中または非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。この真空とは、1×10−2Pa以下が好ましい。また非酸化性雰囲気とは、窒素、アルゴン雰囲気等が挙げられ、特にアルゴン雰囲気が好ましい。また真空中または非酸化性雰囲気中で行うことにより、ろう材層が必要以上に酸化されることを防止することができる。また接合する際は、前処理として水素雰囲気中での熱処理も有効である。このように接合面を水素雰囲気にさらすことにより、接合を阻害する要因となる吸着酸素や酸化物等を除去することができ、接合強度をさらに高めることができる。
また接合工程は、真空中または非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。この真空とは、1×10−2Pa以下が好ましい。また非酸化性雰囲気とは、窒素、アルゴン雰囲気等が挙げられ、特にアルゴン雰囲気が好ましい。また真空中または非酸化性雰囲気中で行うことにより、ろう材層が必要以上に酸化されることを防止することができる。また接合する際は、前処理として水素雰囲気中での熱処理も有効である。このように接合面を水素雰囲気にさらすことにより、接合を阻害する要因となる吸着酸素や酸化物等を除去することができ、接合強度をさらに高めることができる。
また接合時の加熱時間は、上記条件にもよるが1分〜1時間の保持が好ましい。前記加熱時間は接合層の温度が目的とする接合温度に対し±10℃の範囲内になってから1分〜1時間保持することが好ましい。
また接合後、必要に応じ側面の研磨加工等の後工程を行う。さらにまたX線管に組込む際は、回転軸(シャフト)に接合して組み込む。本発明のX線管用ターゲットは回転陽極に好適であり、高温強度に優れているので回転速度2000rpm以上の、直径9cm以上さらには12cm以上の大型ターゲット、または印加電圧100kV以上の高速、大型、高出力のX線管に好適である。また、本発明のX線管はシンチレータ等の検出器と組み合わせることによりX線検査装置を得ることができる。X線管が高速、大型または高出力に対応できるのでX線検査装置としての性能も向上できる。特に、CT用X線検査装置や透視用X線検査装置に好適である。CTは画像を立体的(3次元画像)に処理できる検査装置であり、透視用はCTに比べ短時間で2次元画像を得ることのできる検査装置である。どちらの場合もX線管の高速、大型または高出力が必要である。
また接合後、必要に応じ側面の研磨加工等の後工程を行う。さらにまたX線管に組込む際は、回転軸(シャフト)に接合して組み込む。本発明のX線管用ターゲットは回転陽極に好適であり、高温強度に優れているので回転速度2000rpm以上の、直径9cm以上さらには12cm以上の大型ターゲット、または印加電圧100kV以上の高速、大型、高出力のX線管に好適である。また、本発明のX線管はシンチレータ等の検出器と組み合わせることによりX線検査装置を得ることができる。X線管が高速、大型または高出力に対応できるのでX線検査装置としての性能も向上できる。特に、CT用X線検査装置や透視用X線検査装置に好適である。CTは画像を立体的(3次元画像)に処理できる検査装置であり、透視用はCTに比べ短時間で2次元画像を得ることのできる検査装置である。どちらの場合もX線管の高速、大型または高出力が必要である。
[実施例]
以下、本発明の実施形態について、実施例および比較例により具体的に説明する。
(実施例1)
第1ろう材層として厚さ0.05mmのTaTi合金箔(Ti含有量45質量%)、第2ろう材層として厚さ0.2mmのTa箔(純度99質量%以上)、第3ろう材層として厚さ0.15mmのZr箔(純度98質量%以上)の箔体状ろう材層を調整した。
Mo基材/第1ろう材層/第2ろう材層/第3ろう材層/グラファイト基材となるように積層させた後、真空中(1×10−2Pa以下)、1860℃×20分、圧力の付加10kPaの条件下で接合することにより、実施例1にかかるX線管用ターゲットを作製した。なお、ターゲットの直径は10cmであり、Mo基材としてTiを0.5質量%、Zrを0.08質量%、残部MoからなるMo合金基材を用いた。また、グラファイト基材の接合面側には断面V字の溝を渦巻き状に面積比20%で形成した。
得られたX線管用ターゲットの接合部断面を切り出し、表面粗さRaが1μmになるまで研磨した後、EPMAにて接合部断面の各相の組成、厚さ等を調査した。その結果を表2に示す。
以下、本発明の実施形態について、実施例および比較例により具体的に説明する。
(実施例1)
第1ろう材層として厚さ0.05mmのTaTi合金箔(Ti含有量45質量%)、第2ろう材層として厚さ0.2mmのTa箔(純度99質量%以上)、第3ろう材層として厚さ0.15mmのZr箔(純度98質量%以上)の箔体状ろう材層を調整した。
Mo基材/第1ろう材層/第2ろう材層/第3ろう材層/グラファイト基材となるように積層させた後、真空中(1×10−2Pa以下)、1860℃×20分、圧力の付加10kPaの条件下で接合することにより、実施例1にかかるX線管用ターゲットを作製した。なお、ターゲットの直径は10cmであり、Mo基材としてTiを0.5質量%、Zrを0.08質量%、残部MoからなるMo合金基材を用いた。また、グラファイト基材の接合面側には断面V字の溝を渦巻き状に面積比20%で形成した。
得られたX線管用ターゲットの接合部断面を切り出し、表面粗さRaが1μmになるまで研磨した後、EPMAにて接合部断面の各相の組成、厚さ等を調査した。その結果を表2に示す。
(実施例2〜5)
ろう材層の厚さ、合金組成、接合条件等を表1に示すように変えたものを作製し、実施例1と同様にEPMAに調査した。その結果を表2に示す。
(比較例1)
グラファイト基材上に、厚さ100μmのZr箔、Mo基材を乗せて真空中(1×10−2Pa以下)、1720℃×5分、圧力の付加10kPaの条件下で接合した。
ろう材層の厚さ、合金組成、接合条件等を表1に示すように変えたものを作製し、実施例1と同様にEPMAに調査した。その結果を表2に示す。
(比較例1)
グラファイト基材上に、厚さ100μmのZr箔、Mo基材を乗せて真空中(1×10−2Pa以下)、1720℃×5分、圧力の付加10kPaの条件下で接合した。
表2から分かるとおり、実施例と比較例ではその接合層の層構造が全く異なることが判明した。なお、MoTaTi拡散相はすべて固溶体であった。また、TaTi合金相はMoが10質量%以下の領域であった。また、Taリッチ相はTaが90質量%以上(残りTiが10質量%以下、Zrが1質量%以下)の領域であった。また、ZrTa合金相中にはZrC相があったがいずれも体積比で0.2〜2.0%の範囲であった。
次に実施例および比較例にかかるX線管用ターゲットから図6のような試験片を切りだし、4点曲げ法により接合層の曲げ強度を測定した。その際、試験片を室温から高温領域まで真空中で加熱し、各温度に対する曲げ強度を測定し、その強度が急激に低下する直前の温度 (接合耐熱温度)を調査した。その結果を表3に示す。
次に実施例および比較例にかかるX線管用ターゲットから図6のような試験片を切りだし、4点曲げ法により接合層の曲げ強度を測定した。その際、試験片を室温から高温領域まで真空中で加熱し、各温度に対する曲げ強度を測定し、その強度が急激に低下する直前の温度 (接合耐熱温度)を調査した。その結果を表3に示す。
本実施例にかかるX線管用ターゲットは比較例以上の高温強度が得られている。さらに、高価なバナジウムを用いないで済むので大幅なコストダウンが可能である。
(実施例9〜11)
次にグラファイト基材に凹部を設けたもの、ターゲットサイズを変更した以外は実施例4と同様のものを作製した。実施例4と同様の方法により高温強度を測定した。その結果を表4に示す。
(実施例9〜11)
次にグラファイト基材に凹部を設けたもの、ターゲットサイズを変更した以外は実施例4と同様のものを作製した。実施例4と同様の方法により高温強度を測定した。その結果を表4に示す。
表4から分かるとおり、凹部を設けることにより高温強度の大幅な向上は見られなかったが高温強度のばらつきは凹部を設けないものは0〜−6%低下していた。そのため、凹部を設けた方が効率よく高温強度を向上させることができることが分かった。また、ターゲットの大型化に十分対応できることが分かった。
1…X線管用ターゲット
2…Mo基材
3…接合層
4…グラファイト基材
5…穴部
6…MoTaTiの拡散相
7…TaTi合金相
8…Taリッチ相
9…ZrTa合金相
10…ZrC相
11…凹部
12…第1ろう材層
13…第2ろう材層
14…第3ろう材層
2…Mo基材
3…接合層
4…グラファイト基材
5…穴部
6…MoTaTiの拡散相
7…TaTi合金相
8…Taリッチ相
9…ZrTa合金相
10…ZrC相
11…凹部
12…第1ろう材層
13…第2ろう材層
14…第3ろう材層
Claims (17)
- 炭素基材と、Mo基材もしくはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットにおいて、前記接合層についてEPMAにより組成比を検出したとき、前記接合層はMoTaTiの拡散相、TaTi合金相、Taリッチ相、ZrTa合金相を具備することを特徴とするX線管用ターゲット。
- 前記MoTaTiの拡散相は、MoTaTiの固溶体を具備していることを特徴とする請求項1記載のX線管用ターゲット。
- 前記TaTi合金相はMo含有量が10質量%以下(0含む)であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のX線管用ターゲット。
- 前記Taリッチ相はTaが90質量%以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のX線管用ターゲット。
- 前記ZrTa合金相は、ZrC相を具備していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のX線管用ターゲット。
- 前記接合層の厚さが20〜2000μmであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のX線管用ターゲット。
- 前記MoTaTiの拡散相の厚さが1〜60μm、前記TaTi合金相の厚さが10〜500μm、前記Taリッチ相が1〜600μm、残り前記ZrTa合金相の厚さであることを特徴とする請求項6記載のX線管用ターゲット。
- 炭素基材の接合層接触面には凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のX線管用ターゲット。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のX線管用ターゲットを具備したことを特徴とするX線検出器。
- 前記X線管用ターゲットが回転陽極であることを特徴とする請求項9記載のX線管。
- 請求項9または請求項10のいれか1項に記載のX線管用ターゲットを用いたことを特徴とするX線検査装置。
- CT用または透視用に用いることを特徴とする請求項11記載のX線検査装置。
- 炭素基材とMo基材またはMo合金基材とを接合層を介して接合したX線管用ターゲットの製造方法において、炭素基材とMo基材またはMo合金基材との間にTaTi合金からなる第1ろう材層、TaまたはTa合金からなる第2ろう材層、Zrからなる第3ろう材層を作製する工程、および1750〜1900℃の温度で接合する工程を具備することを特徴とするX線管用ターゲットの製造方法。
- 接合する工程は1810〜1890℃の温度で行うであることを特徴とする請求項13記載のX線管用ターゲットの製造方法。
- 接合する工程は1〜200kPaの圧力を付加しながら行うことを特徴とする請求項13または14のいずれか1項に記載のX線管用ターゲットの製造方法。
- 接合する工程は真空中または不活性雰囲気中で行うことを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載のX線管用ターゲットの製造方法。
- 第1ろう材層、第2ろう材層、第3ろう材層が箔体であることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載のX線管用ターゲットの製造方法。
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JP2008318851A JP2010140879A (ja) | 2008-12-15 | 2008-12-15 | X線管用ターゲットおよびそれを用いたx線管、x線検査装置ならびにx線管用ターゲットの製造方法 |
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WO2013075155A1 (de) | 2011-11-25 | 2013-05-30 | Plansee Se | Verfahren zur herstellung eines hochtemperaturfesten vebundkörpers |
-
2008
- 2008-12-15 JP JP2008318851A patent/JP2010140879A/ja active Pending
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CN103945971A (zh) * | 2011-11-25 | 2014-07-23 | 普兰西欧洲股份公司 | 用于生产耐高温复合主体的工艺 |
JP2015506839A (ja) * | 2011-11-25 | 2015-03-05 | プランゼー エスエー | 耐高温性接合体の製造方法 |
US9269525B2 (en) | 2011-11-25 | 2016-02-23 | Plansee Se | Process for producing a high-temperature-resistant composite body |
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