以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、作用・機能が同じ働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、表示装置10は、図1に示すように、表示素子12と、表示素子12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示素子12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を保持する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群28、及び粒子群28とは異なる光学的反射特性を有すると共に粒子群28の通過する孔を有する反射部材26を含んで構成されている。
粒子群28は、予め帯電された複数の粒子から構成され、表示基板20と背面基板22に形成された電界に応じて表示基板20及び背面基板22間を、反射部材26の孔を通じて移動する。
本実施の形態では、表示基板20は、支持基板30上に、表面電極32、及び表面層34を順に積層した構成とされている。背面基板22は、支持基板36上に、背面電極38、及び表面層40を順に積層した構成とされている。
なお、本実施の形態では、背面基板22は背面電極38を含んだ構成とされ、表示基板20は表面電極32を含んだ構成とされている場合を説明するが、背面電極38及び表面電極32を表示素子12とは別体として設けた構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、この背面電極38及び表面電極32を表示素子12とは別体として設けた構成とした場合、すなわち、表示素子12の内の背面電極38及び表面電極32を含まない構成部分を、表示媒体13と称して説明するものとする。
上記表示装置10が、本発明の表示装置に相当し、表示素子12が、本発明の表示素子に相当する。また、後述する表示媒体13が、本発明の表示媒体に相当する。
さらに、表示基板20及び背面基板22が、本発明の表示媒体の一対の基板に相当し、分散媒14が本発明の表示媒体の分散媒に相当する。さらに、粒子群28が、本発明の表示媒体の第1の粒子群に相当する。また、凹部Pが、第1の凹部に相当する。
また、電圧印加部16が、本発明の表示装置の電圧印加装置に相当する。
上記表示基板20及び背面基板22の内の、少なくとも表示基板20は、透光性を有している。ここで、本実施の形態における透光性及び透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板30及び支持基板36としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極32及び背面電極38には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が使用される。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用され、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成される。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100Å以上2000Å以下である。背面電極38及び表面電極32は、従来の液晶表示媒体あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により形成される。
なお、表面電極32は、支持基板30に埋め込まれた形態であってもよい。また、背面電極38についても、支持基板36に埋め込まれた形態であってもよい。
表面層34及び表面層40は、上記表面電極32及び背面電極38が、各々支持基板30及び支持基板36上に形成されている場合、表面電極32及び背面電極38の破損や、各粒子群28の各粒子の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、表面電極32及び背面電極38各々上に誘電体膜として形成されていることが望ましい。
この表面層34及び表面層40各々を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等が用いられる。
また、表面層34及び表面層40を構成する材料として上述した材料の他に、この材料中に電荷輸送物質を含有させたものも使用される。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂が用いられる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持する間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板36または支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理または印刷処理等を行うことによって作製される。この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製される。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示素子12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等が使用される。
また、間隙部材24は粒子状であってもよく、この場合には、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
粒子群28が分散される分散媒14としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。以下同様である。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用される。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒14として好適に使用される。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが望ましく、107Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより好適であり、さらに1010Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界を印加することが可能となり、かつ、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子群28の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性に寄与する。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などが添加されるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。なお、表示素子12に封入される上記粒子群28は、分散媒14として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であってもよい。
また、この分散媒14に公知の着色剤を混合してもよい。着色剤を分散媒14に混合すると、表示素子12への、反射部材26及び粒子群28の色とは異なる色が表示される。
分散媒14はその中で粒子群28が移動することから、分散媒14の粘度が所定値以上であると、背面基板22及び表示基板20への付着力のばらつきが大きいことから、分散媒14の粘度についても、調整することがよい。
分散媒14の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上100mPa・s以下であることが粒子群28の移動速度、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s以上50mPa・s以下であることが望ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に望ましい。
分散媒14の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって可能である。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計が用いられる。
粒子群28を構成する各粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子等が挙げられる。
粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が例示される。
また、粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。
粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用され、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子が挙げられる。
粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
粒子群28を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用される。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点よりも低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製する。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用される。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
粒子群28の含有量(表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって区画された領域(セル)中の全質量に対する含有量(質量%))は、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板22との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示素子12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量が多くなる。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
なお、本実施の形態において、粒子群28を構成する粒子の平均粒径は、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子製)を用いた粒径測定により決定した。溶液濃度1質量%の時の平均粒径を測定した。
反射部材26は粒子群28とは異なる光学的反射特性を有すると共に、粒子群28が通過する孔を有している。
この反射部材26に設けられている孔は、少なくとも表示素子12に形成される電界勾配方向に通じる孔とされており、本実施の形態では、表面電極32と背面電極38とによって表示基板20と背面基板22との基板間に形成された電界勾配方向、すなわち表示基板20と背面基板22との向かい合う方向へ少なくとも通じる孔である。この反射部材26の孔は、少なくとも粒子群28を構成する粒子が孔を通じて、表示基板20及び背面基板22の何れか一方の基板側から他方の基板側へと相互に移動する大きさに構成されている。
この反射部材26が「粒子群28とは異なる光学的反射特性を有する」とは、粒子群28が分散している分散媒14と、孔内に分散媒14を浸透させた反射部材26と、を対比して目視で観察した場合に、色相や明度、鮮度などにおいて、両者の差異が識別できる差異があることを意味している。
この反射部材26は、粒子群28を遮蔽する機能を有していることが好ましい。ここで、本実施の形態における「隠蔽」とは、可視光に対して50%以下の透過率を示す場合を意味している。
このため、粒子群28が反射部材26より表示基板20側にある場合には粒子群28の色が、粒子群28が反射部材26より背面基板22側にある場合には、反射部材26の色が表示素子12に表示される。
この反射部材26の色は、白い背景で表示が行なえるとの理由から、白色であることが好ましく、白色度が30%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
なお、この白色度は、白さの尺度をいい、具体的にはJIS−P8123に記載の方法に従い、ハンター白色度計やX−rite測色計を用いて測定した値である。
この反射部材26の形態としては、上述のように、上記粒子群28が移動する孔を有すると共に、粒子群28とは異なる光学的反射特性を有すれば特に限定されず、酸化チタン、酸化亜鉛等の材料から構成される無機材料粒子や、メタクリル酸メチル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の材料から構成される有機材料粒子などの粒子状の部材の集合体であってもよいし、樹脂シートや、不織布等を利用してもよい。
反射部材26を基板間へ封入するには、例えば、インクジェット法などにより行う。また、反射部材26を固定化する場合、例えば、反射部材26を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、反射部材26の粒子群表層を溶かすことで、粒子間隙を維持させつつ行われる。
上記表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用することができる。
表示素子12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用される。
上記のように構成された本実施の形態の表示素子12においては、上記表示基板20及び背面基板22の内の、少なくとも表示基板20における、背面基板22に向かい合う側の面には、図2及び図4に示すように、複数の凹部Pが設けられている。
詳細には、図4に示すように、表示基板20の背面基板22との対向面に設けられた複数の凹部Pは、少なくとも表示基板20の背面基板22に向かい合う側の面の全領域に間隔をあけて複数設けられている。
この凹部Pが、本発明の表示媒体の第1の凹部に相当する。
なお、本実施の形態では、凹部Pは、表示基板20側に設けられている場合を説明するが、表示基板20及び背面基板22の内の、少なくとも表示基板20に設けられていれば良く、表示基板20及び背面基板22の双方の対向面に設けられている事が、表示された画像が好適に保持される観点から好ましい。
この凹部Pは、対向する背面基板22側に開口している。そして、この凹部Pの開口径は、分散媒14中に分散された粒子群28の平均粒径に対して50%以上95%以下とされており、70%以上90%以下であることが望ましく、80%以上90%以下であることが更に望ましい。
この凹部Pの開口径が、粒子群28の平均粒径の95%以下とされていると、下記効果を奏する。すなわち、表示基板20と背面基板22との基板間に電界が形成されると、凹部Pの形成されている表示基板20の板面側に粒子群28が到達する。この表示基板20の背面基板22との対向面に到達した粒子群28は、該対向面に設けられた複数の凹部Pの各々の開口に嵌った状態で好適に保持される。
また、凹部Pの開口径が粒子群28の平均粒径の50%以上とされていることで、基板間に形成された電界に応じて、凹部Pに保持された状態とされていた粒子群28が、該保持されている状態から解放されて背面基板22側へと好適に電気泳動される。
なお、この「凹部Pの開口径」とは、凹部Pの開口の向かい合う縁間の最短の長さを示している。
この凹部Pの深さは、分散媒14中に分散された粒子群28が、各凹部Pに保持されうる深さであればよく、例えば、粒子群28の平均粒径の0.1倍以上10倍以下であることが望ましく、0.5倍以上1倍以下であることが更に望ましい。
なお、この「凹部Pの深さ」とは、各凹部Pの最大深さの平均値を示している。
この凹部Pの開口の周縁部(図2中、点線A内参照)は、鋭角とされていることが望ましい。この凹部Pの開口の周縁部が鋭角であることで、該周縁部が鈍角である場合に比べて、凹部Pに粒子群28が好適に保持されると考えられる。これは、該周縁部が鋭角である方が、エッジ効果によって、該周縁部が鈍角である場合に比べて、凹部Pの周縁部の電界強度が強くなるためと考えられる。
なお、鋭角とは、粒子群28に接する周縁部の角度が120°以下であることを示し、鈍角とは、粒子群28に接する周縁部の角度が120°を超える場合を示す。
更に、この凹部Pの開口の周縁部の形状は、粒子群28を構成する粒子の断面形状と同じ形状であることが望ましい。粒子群28を構成する粒子は、球状であることから、凹部Pの開口の周縁部の形状は、円状であることが望ましい。凹部Pの開口の周縁部の形状が円状とされていることで、粒子群28を構成する各粒子が凹部Pの開口に嵌った状態において、粒子群28を構成する各粒子は、凹部Pの開口に環状に線接触された状態となる。
すなわち、粒子群28を構成する各粒子の、凹部Pの開口の周縁部への接触線長が、該開口が非円状である場合に比べて長くなる。このため、凹部Pの開口の周縁分の形状が円状であることで、粒子群28が凹部Pの開口に嵌りやすく、且つ嵌った粒子群28が電界に応じて容易に解放されやすくなる、と考えられる。
なお、本実施の形態では、凹部Pは、上述のように、周縁部の形状を円状とされた円柱状であるものとして説明するが、上述のように、凹部Pの周縁部が鋭角であり且つ周縁部の形状を円状とされていればよく、図5に示すように、円錐状であってもよい。
なお、詳細は後述するが、この凹部Pを設けたことによって、表面電極32及び背面電極38の電極間に電圧が印加されて、表示基板20の背面基板22に向かい合う面側に粒子群28が到達したときには、該面に設けられた複数の凹部Pの各々に、粒子群28を構成する各粒子が1対1の関係で保持された状態となることが好ましい。このため、望ましくは、表示素子12に画像を表示したときの各画素に対応する、表示基板20上の各画素領域間で、同じ数及び同じ配列(位置関係)となるように凹部Pが配置されていることが、画質向上の観点から好ましい。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、支持基板30上に表面電極32が層状に形成され、この表面電極32上に、複数の凹部Pを有する表面層34が形成されることで、表示基板20の背面基板22への対向面に上記凹部Pが設けられているとして説明するが、表示基板20の背面基板22への対向面に上記凹部Pが設けられていれば良く、上記形態に限られない。
例えば、図3に示すように、支持基板30を上記凹部Pに応じた凹凸を備えた構成とし、該支持基板30の凹凸の設けられた側の表面上に表面電極32を設けることで、結果的に、表示基板20に上記凹部Pの設けられた構成としてもよい。また、この凹凸を有する支持基板30上に設けられた表面電極32上に、更に、上記表面層34を層状に形成してもよい。
上記図2に示すように、表面層34自体に凹凸を設けることによって上記凹部Pを形成する場合には、上記材料から構成される表面層34を表面電極32上に浸漬塗布法等を用いて形成、またはシート状の表面層34を表面電極32上に積層させた後に、レーザー加工、例えば、高周波短パルス法等により凹部Pを形成する方法や、スクリーン印刷法、凸版印刷法や、凹版印刷(グラビア印刷)法等を用いることにより凹部Pを形成する方法が挙げられる。また、エッチング法や、インプリント法により形成してもよい。
エッチング法では、例えば、スリーボンド社製3000番シリーズ等の紫外線硬化性樹脂を表面電極32各々上に塗布した後に、凹部Pの形状、深さ、及び位置に併せて紫外光を照射して樹脂を硬化させることによって形成される。
インプリント法では、リソグラフィー法等を利用して凹部Pに対応する凸部を加工したモールドを作製し、東洋合成PAK−01等の紫外線硬化樹脂を基板上にスピンコート法等により製膜し、モールド圧着下で紫外光を照射することにより、モールドの凹凸構造を樹脂側に転写成形することによって形成される。
また、図3に示すように、凹凸を有する支持基板30上に、表面電極32を形成することにより、表示基板20表面に上記凹部Pの設けられた構成とする場合には、例えば、凹凸を有する支持基板30上に、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で表面電極32を形成する方法が挙げられる。
本実施の形態の表示素子12においては、表面層34に上記凹部Pが設けられているので、表面電極32及び背面電極38に電圧が印加されて、粒子群28が表示基板20側に電気泳動したときに、表示基板20の背面基板22に向かい合う側の面内において、凹部Pに粒子群28が嵌った状態で配置される。このため、図8に示すように、表示基板20に凹部Pの設けられていない構成である場合に比べて、粒子群28が各凹部Pに嵌って保持された状態となっている。このため、粒子群28の移動によって表示素子12に表示された画像が、好適保持されると考えられる。
この表示素子12への所望の画像の表示は、具体的には、表示素子12を、表示装置10に設けた構成とすることによって実現される。
例えば、図1に示すように、表示装置10を、上述の表示素子12と、書込装置17と、を含んで構成する。書込装置17は、電圧印加部16と制御部18とを含んで構成されている。
電圧印加部16は、表面電極32及び背面電極38に電気的に接続されている。また電圧印加部16は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電圧印加部16は、表面電極32及び背面電極38に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極32及び背面電極38間に印加する。
この制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、粒子群28を表示基板20側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、粒子群28は、表示基板20側へ電気泳動する。
表示基板20側に電気泳動した粒子群28を構成する粒子は、図6及び図7に示すように、表示基板20の各凹部Pに嵌った状態で表示基板20側に保持される。このため、表面電極32及び背面電極38への電圧印加が解除されても、粒子群28は、表示基板20の背面基板22との対向面が平面である場合に比べて、表示基板20側に好適に保持されると考えられる。
なお、従来技術に示されるように、表示基板20と背面基板22との対向面を荷電膜から構成し、この荷電膜に粒子群28が嵌らない程度の凹部を設けた構成とした場合についても、表示基板20側への粒子群28の保持が可能であるが、この荷電膜は、電荷を長期に渡って維持することが困難である事が公知である。このため、本実施の形態の表示素子12は、荷電膜に凹部を設けた構成とした場合に比べて、表示した画像が表示した好適に保持される、といえる。
なお、本実施の形態では、表示基板20及び背面基板22の少なくとも表示基板20の、他方の基板(背面基板22)の対向面に、複数の上位凹部Pを設けた構成である場合を説明した。しかし、表示基板20側の該凹部Pの設けられた面に構成される複数の凹部Pの開口径は、粒子群28の50%以上95%以下の範囲内であればよく、該範囲内で互いに異なる開口径であってもよい。
例えば、凹部Pとして、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する、互いに開口径の異なる複数種類の凹部Pを、表示基板20の背面基板22に向かい合う面に設けてもよい。
具体的には、図9に示すように、表示基板20の背面基板22との対向面に、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の範囲内で、且つ互いに開口径の異なる2種類の凹部P1、及び凹部P2を設けた構成としてもよい。
なお、この凹部P1及び凹部P2が、本発明の表示媒体の第2の凹部に相当する。
表示基板20と背面基板22との向かい合う面に、凹部Pとして、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する、互いに開口径の異なる複数種類の凹部Pを設けることで、各種類の凹部Pに対する、粒子群28を構成する各粒子の表示基板20側(または背面基板22側)に保持される力が、各粒子の保持された凹部Pの種類によって異なるものとなると考えられる。
これは、各凹部Pの周縁部における、該凹部Pに保持された粒子と接する長さ(円周長)が、凹部Pの開口径によって異なるため、単位長さ当たりの拘束力は同じことから、結果的に凹部Pの開口径によって粒子群28の保持される力が変化するためと考えられる。
このため、開口径の異なる複数種類の凹部Pを設けることで、各大きさの開口径の凹部P1及び凹部P2に保持された粒子群28は、保持された種類の凹部P(凹部P1及び凹部P2)によって、表示基板20から背面基板22側へと電気泳動するために必要な電界強度が異なるものとなる。
このため、凹部Pとして、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する、互いに開口径の異なる複数種類の凹部P(凹部P1及び凹部P2)を設けて、表示基板20と背面基板22との間に印加する電圧の強度及び電圧印加時間を調整することで、表示基板20側に保持された粒子の内の特定の種類の凹部P(凹部P1または凹部P2)に保持されている粒子群28が、選択的に背面基板22側へ移動される。
なお、本実施の形態では、表示基板20の背面基板22に対向する基板面に、複数の凹部Pの設けられた構成である場合を説明したが、表示基板20及び背面基板22の双方について、互いに対向する面に複数の上記凹部P、または上記複数種類の凹部P(凹部P1及び凹部P2)の設けられた構成であることが、更なる表示画像の好適な保持の観点から好ましい。
(第2の実施の形態)
なお、上記第1の実施の形態では、表示基板20の背面基板22との対向面に設けられた凹部Pは、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下である場合を説明したが、本実施の形態では、更に、粒子群28の平均粒径の2%以上40%以下の開口径の凹部を有する場合を説明する。
なお、本実施の形態の表示装置10Aは、第1の実施の形態で説明した表示装置10の表示素子12における表示基板20または背面基板22の少なくとも表示基板20に、粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の開口径の凹部Pに加えて、粒子群28の平均粒径の2%以上40%以下の開口径の凹部Qが設けられている以外は、第1の実施の形態で説明した表示装置10と同じ構成であるため、同じ構成の部分の説明は省略し、この凹部Qについて詳細に説明する。
なお、この凹部Qが、本発明の表示媒体の第3の凹部に相当する。
本実施の形態の表示装置10Aにおける表示素子12A(表示媒体13A)の表示基板20における、背面基板22との対向面には、凹部Pと共に凹部Qが設けられている。
この凹部Qは、凹部Pと同様に、対向する背面基板22側に開口している。そして、この凹部Qの開口径は、分散媒14中に分散された粒子群28の平均粒径に対して2%以上40%以下とされており、5%以上10%以下であることが望まい。
この凹部Qの開口径が、粒子群28の平均粒径の2%以上40%以下とされていることから、粒子群28は凹部Qには嵌ることが困難とされている。さらに、凹部Qの開口径が粒子群28の平均粒径の2%以上40%以下とされていることで、表示基板20の背面基板22への対向面の、この凹部Qの複数設けられた領域は、平坦な領域に比べて粒子群28を基板面に保持する力が弱いと考えられる。
なお、この「凹部Qの開口径」とは、凹部Qの開口の向かい合う縁間の最短の長さを示している。
この凹部Qの深さは、表面層34の平坦領域に比べ、密度に差が生じる程度であればよく、例えば、粒子群28の平均粒径の0.2倍以上5倍以下であることが望ましい。なお、この「凹部Qの深さ」とは、各凹部Pの最大深さの平均値を示している。
更に、この凹部Qの開口の周縁部の形状は、凹部Pとは異なり、どのような形状であってもよい。
本実施の形態の表示素子12Aにおいては、図10に示すように、表示基板20の背面基板22との対向面に、複数の凹部Pの設けられた領域と、凹部P及び凹部Qの設けられていない平坦な領域と、複数の凹部Qの設けられた領域と、が設けられている。
表示素子12Aにおいては、第1の実施の形態で説明した表示素子12と同様に、制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、粒子群28を表示基板20側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、粒子群28は、表示基板20側へ電気泳動する。
表示基板20側に電気泳動した粒子群28を構成する各粒子は、図10に示すように、表示基板20の各凹部Pに嵌った状態で保持される。このため、表面電極32及び背面電極38への電圧印加が解除されても、粒子群28は、表示基板20の背面基板22との対向面の全領域が平面である場合に比べて、表示基板20側に好適に保持される。
この粒子群28が表示基板20側へ配置された状態から、制御部18の制御によって電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、粒子群28を背面基板22側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、粒子群28の内の、凹部Qの設けられた領域に配置されていた粒子群28が、まず背面基板22側へ移動する(図11参照)。そして、更なる継続した電界形成又は電界強度の上昇によって、表示基板20の平坦部に配置されていた粒子群28が背面基板22側へ移動する(図12参照)。そして、更なる継続した電界形成または電界強度の上昇により、凹部Pに嵌って保持されていた粒子群28が背面基板22側へ移動する。
従って、本実施の形態の表示素子12Aは、凹部Pによって表示基板20側に粒子群28が好適に保持されると共に、表示基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値及び電圧印加時間の少なくとも一方を調整することで、表示基板20の凹部Pの設けられた領域、平坦な領域、及び凹部Qの設けられた領域の各領域毎に、各領域に配置されていた粒子群28が選択的に移動される。
なお、本実施の形態では、表示基板20の背面基板22に対向する基板面に、複数の凹部Pの設けられた構成である場合を説明したが、表示基板20及び背面基板22の双方について、互いに対向する面に複数の上記凹部Pが設けられた構成であることが、更なる表示画像の好適な保持の観点から好ましい。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、分散媒14中に分散されている粒子群28が1種類である場合を説明したが、本実施の形態では、分散媒14中に、互いに平均粒径の異なる複数種類の粒子群28が分散されている場合を説明する。
なお、本実施の形態では、分散媒14中に分散されている平均粒径の異なる複数種類の粒子群28が、同極性に予め帯電されているものとして説明する。
以下、第1の実施の形態で説明した表示装置10及び表示媒体13と同じ構成及び機能を有する部分には同じ番号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態の表示装置10Bは、図13に示すように、表示媒体13Bと、表示媒体13Bに電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体13Bは、表示基板20、背面基板22、間隙部材24、粒子群28、及び粒子群28とは異なる光学的反射特性を有する反射部材26を含んで構成されている。表示基板20は、支持基板30上に、表面電極32、及び表面層34を順に積層した構成とされている。背面基板22は、支持基板36上に、背面電極38、及び表面層34を順に積層した構成とされている。
本実施の形態では、粒子群28としては、平均粒径の異なる複数種類(本実施の形態では2種類として説明する)の粒子群28として、粒子群28A及び粒子群28Bが分散されているとして説明する。なお、粒子群28Aが、本発明の表示媒体の第1の粒子群に相当し、粒子群28Bが、本発明の表示媒体の第2の粒子群に相当する。
ここで、表示基板20及び背面基板22の内、少なくとも表示基板20の背面基板22に対する対向面には、第1の実施の形態で説明した複数の凹部Pが設けられている。
この凹部Pの開口径は、分散媒14中に分散されている複数種類の粒子群28の内の1種類に対して、50%以上95%以下、望ましくは70%以上90%以下、更に望ましくは80%以上90%以下となるように予め調整されている。
本実施の形態では、表示基板20に設けられた複数の凹部Pの開口径が、分散媒14中に分散されている粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Aの平均粒径の上記範囲内(50%以上95%以下)となるように調整されているとして説明する。
一方、上記凹部Pの開口径は、分散媒14中に分散されている他の種類の粒子群28(粒子群28B)に対しては、その平均粒径の50%以上95%以下の範囲外となるように調整されている。このため、図14に示すように、分散媒14に分散されている粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Aについては、凹部Pの開口に嵌ることで、表示基板20表面に好適に保持される。一方、粒子群28Bについては、その平均粒径の、凹部Pの開口径との関係が上記の範囲(開口径が平均粒径の50%以上95%以下)外であることから、凹部P内に自由に出入り可能、または凹部Pの開口に全く嵌らない状態とされている。
上記構成の表示素子12Aにおいては、第1の実施の形態で説明した表示素子12と同様に、制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、粒子群28A及び粒子群28Bを表示基板20側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、粒子群28A及び粒子群28Bは、表示基板20側へ電気泳動する。
表示基板20側に電気泳動した粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Aを構成する粒子は、図14に示すように、該粒子の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部Pに嵌った状態で保持される。このため、表面電極32及び背面電極38への電圧印加が解除されても、粒子群28Aは、表示基板20の背面基板22との対向面が平面である場合に比べて、表示基板20側に好適に保持される。
一方、粒子群28Bを構成する粒子については、図14に示すように、該粒子の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部が表示基板20の面に形成されていないことから、凹部Pの内部、または凹部Pの外部の平面領域等に配置されることとなる。
この粒子群28A及び粒子群28Bの双方が表示基板20側へ配置された状態から背面基板22側へ電気泳動される電界が、表示基板20と背面基板22との基板間に形成されると、図15及び図16に示すように、粒子群28A及び粒子群28Bの内の、凹部Pの開口に保持されていない粒子群である粒子群28Bが、先に背面基板22側へと電気泳動し始める。
そして、更なる継続した電界形成又は電界強度の上昇によって、表示基板20の凹部Pに嵌って保持されていた粒子群28Aが背面基板22側へ移動を開始する。
このため、分散媒14中に平均粒径の異なる複数種類の粒子群28A及び粒子群28Bが分散されている場合には、少なくとも1種類(例えば粒子群28A)の平均粒径に対して、表示基板20及び背面基板22の内の少なくとも表示基板20の背面基板22との対向面に設けられた凹部Pの開口径を、該平均粒径の50%以上95%以下の範囲に調整すれば、該平均粒径の粒子群28Aの凹部Pの形成された基板(表示基板20)側へ保持される力が、該凹部Pの形成されていない場合に比べて大きくなる。このため、表示した画像が好適に保持される。
さらに、表示基板20に、平均粒径に対して50%以上95%以下の開口径を有する凹部の存在しない粒子群28Bについては、平均粒径に対して50%以上95%以下の開口径を有する凹部Pが表示基板20に存在する粒子群28Aに比べて、表示基板20面に保持される力が弱い。すなわち、粒子群28Bと粒子群28Aとが該基板側から離れて対向する基板側へと電気泳動するために必要な電界強度は異なるものとなる。このため、基板間(表示基板20と背面基板22との基板間)に形成する電界強度(基板間に印加する電圧の電圧値)及び電圧印加時間の少なくとも一方を調整することで、粒子群28A及び粒子群28Bの内の所望の粒子群が選択的に移動される。
なお、分散媒14中に分散されている平均粒径の異なる粒子群28A及び粒子群28Bの色を同色とすれば、該色の表示画像が好適に保持されるとともに、粒子群28Bを選択的に移動させる電界強度が表示基板20と背面基板22との基板間に形成されるように電圧を印加することで、容易に階調表現がなされる。
また、分散媒14中に分散されている平均粒径の異なる粒子群28A及び粒子群28Bの色を異なる色とすれば、その平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部Pが表示基板20の背面基板22への対向面に設けられている粒子群28Aの色について、好適な保持が図れる。
なお、本実施の形態では、表示基板20の背面基板22に対向する基板面に、複数の凹部Pの設けられた構成である場合を説明したが、表示基板20及び背面基板22の双方について、互いに対向する面に複数の上記凹部Pが設けられた構成であることが、更なる表示画像の好適な保持の観点から好ましい。
なお、本実施の形態では、表示素子12Bの表示基板20及び背面基板22間に反射部材26を設けた構成とした場合を説明したが、この反射部材26を設けない構成であってもよい。この場合には、例えば、複数種類の粒子群28(粒子群28A及び粒子群28B)の内の、平均粒径の大きい粒子群(本実施の形態では、粒子群28A)を、凝集して配置されたときに他の種類の粒子群(粒子群28B)がその間を通り抜けることの可能な程度の平均粒径とし、これを反射部材26として機能させるようにすればよい。
また、この場合には、凹部Pは、粒子群28A及び粒子群28Bの内の、この平均粒径の大きい粒子群28Aの平均粒径の50%以上95%以下の開口径とすればよい。
また、この粒子群28Aから構成される反射部材26を、基板間の領域に凝集させた状態で固定化するのではなく、予め粒子群28Bと同極性に帯電させた状態として電気泳動粒子として用いればよい。
このようにすれば、表示基板20と背面基板22との基板間に、粒子群28A及び粒子群28Bの双方が表示基板20側から背面基板22側へ電気泳動する電界が形成されると、凹部Pに嵌った状態の粒子群28Aより先に粒子群28Bが表示基板20側から背面基板22側へ移動して背面基板22に先に到達する。そして、更なる継続した電界形成または電界強度の上昇によって、粒子群28Bに遅れて粒子群28Aが凹部Pに嵌った状態から解放されて背面基板22側へ電気泳動して背面基板22に到達する。このため、表示素子12が表示基板20側から視認されると、先に背面基板22側に到達した粒子群28Bは、後から背面基板22側に到達した粒子群28Aによって遮蔽された状態となる。このため、粒子群28が反射部材26として機能することとなる。
(第4の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、分散媒14中に分散されている粒子群28が1種類であり、表示基板20及び背面基板22の内の少なくとも表示基板20の背面基板22との対向面に、該1種類の粒子群28の平均粒径の50%以上95%以下の凹部が1種類設けられている場合を説明した。
本実施の形態では、分散媒14中に、互いに平均粒径の異なる複数種類の粒子群28が分散されており、開口径の異なる複数種類の凹部が、表示基板20及び背面基板22の内の少なくとも表示基板20の背面基板22との対向面に設けられている場合を説明する。
以下、第1の実施の形態で説明した表示装置10及び表示媒体13と同じ構成及び機能を有する部分には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態の表示装置10Cは、図17に示すように、表示媒体13Cと、表示媒体13Cに電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体13Cは、表示基板20、背面基板22、間隙部材24、粒子群28、及び粒子群28とは異なる光学的反射特性を有する反射部材26を含んで構成されている。表示基板20は、支持基板30上に、表面電極32、及び表面層34を順に積層した構成とされている。背面基板22は、支持基板36上に、背面電極38、及び表面層34を順に積層した構成とされている。
本実施の形態では、粒子群28としては、平均粒径の異なる複数種類(本実施の形態では2種類として説明する)の粒子群28として、同極性に帯電された粒子群28A及び粒子群28Bが分散されている。
ここで、表示基板20及び背面基板22の内、少なくとも表示基板20の背面基板22に対する対向面には、第1の実施の形態で説明したように、複数の凹部Pが設けられている。また、さらに、この表示基板20の背面基板22に対する対向面には、凹部Pとは開口径の異なる凹部Qが複数設けられている。
この凹部Pの開口径は、分散媒14中に分散されている複数種類の粒子群28の内の1種類(本実施の形態では粒子群28A)に対して、50%以上95%以下、望ましくは70%以上90%以下、更に望ましくは80%以上90%以下となるように調整されている。また、凹部Pの開口径は、該種類とは異なる種類の粒子群28(本実施の形態では粒子群28B)に対して、50%未満または95%を超える値に調整されている。
一方、凹部Qの開口径は、分散媒14中に分散されている複数種類の粒子群28の内の、上記粒子群28Aとは平均粒径の異なる粒子群28Bに対して、50%以上95%以下、望ましくは70%以上90%以下、更に望ましくは80%以上90%以下となるように調整されている。また、凹部Qの開口径は、該種類とは異なる種類の粒子群28(本実施の形態では粒子群28A)に対して、50%未満または95%を超える値に調整されている。
このため、本実施の形態の表示素子12Cにおいては、分散媒14中に分散された平均粒径の異なる複数種類の粒子群28の種類毎に1対1の関係で対応して、その平均粒径の50%以上95%以下の範囲内の開口径を有する凹部(凹部P及び凹部Q)が設けられている。そして、各種類の凹部(凹部P及び凹部Q)は、その開口径が平均粒径の50%以上95%以下である種類の粒子群28以外の種類の粒子群28に対しては、その平均粒径の50%未満または95%を超える値の開口径となるように調整されている。
上記構成の表示素子12Cにおいては、第1の実施の形態で説明した表示素子12と同様に、制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、粒子群28A及び粒子群28Bを表示基板20側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、粒子群28A及び粒子群28Bは、表示基板20側へ電気泳動する(図17参照)。
表示基板20側に電気泳動した粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Aを構成する粒子は、図18に示すように、該粒子の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部Pに嵌った状態で保持される。なお、凹部Pの開口径は、粒子群28Bの平均粒径に対しては50%未満または95%を超える値であることから、凹部Pには粒子群28Aを構成する粒子は嵌らない。
また、粒子群28Bを構成する粒子は、該粒子の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部Qに嵌った状態で保持される。なお、凹部Qの開口径は、粒子群28Aの平均粒径に対しては50%未満または95%を超える値であることから、凹部Qには粒子群28Aを構成する粒子は嵌らない。
このため、表面電極32及び背面電極38への電圧印加が解除されても、粒子群28A及び粒子群28Bは、表示基板20の背面基板22との対向面が平面である場合に比べて、各々対応する凹部P及び凹部Qの開口に好適に保持され、表示基板20側に好適に保持されることとなる。
この粒子群28A及び粒子群28Bの双方が表示基板20側へ配置された状態から、背面基板22側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧を、制御部18の制御によって電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38に印加する。すると、図19及び図20に示すように、粒子群28A及び粒子群28Bの内の、表示基板20側に保持される力の弱い方の種類の粒子群28(例えば粒子群28B)が、他の種類の粒子群28(例えば、粒子群28A)より先に、背面基板22側へと電気泳動し始める。
そして、更なる継続した電界形成又は電界強度の上昇によって、表示基板20の凹部Pに嵌って保持されていた粒子群28Aが背面基板22側へ移動を開始する。そして、背面基板22においても、表示基板20と同様に凹部P及び凹部Qを設けた構成とすれば、粒子群28A及び粒子群28Bは、背面基板22の各凹部P及び凹部Qに嵌った状態で保持され、背面基板22側に好適に保持されることとなる。
なお、この背面基板22側にも表示基板20と同様にして凹部P及び凹部Qを設けた構成とすると、理想的な状態では、図21に示すように、凹部Pの開口に粒子群28Aが嵌り、凹部Qの開口に粒子群28Bが嵌った状態となると考えられるが、開口径の大きい凹部P内に平均粒径の小さい方の粒子群28Bが入り込む場合がある。
この場合には、例えば、表示基板20と背面基板22との間で粒子群28A及び粒子群28Bを往復移動させた後に、背面基板22側に移動させればよい。
具体的には、制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32と背面電極38との間に、粒子群28A及び粒子群28Bを表示基板20側へ移動させる電圧と、背面基板22側へ移動させる電圧と、を交互に印加した後に、背面基板22側へ移動させる電圧を印加すればよい。
粒子群28A及び粒子群28Bを、該往復運動させた後に背面基板22側に移動させることで、各種類の粒子群28A及び粒子群28Bは、各々の平均粒径の50%以上95%以下の開口径を有する凹部P及び凹部Qの各々の開口に嵌った状態となると考えられる。
このため、背面基板22及び表示基板20との対向面において、平均粒径の異なる複数種類の粒子群28A及び粒子群28Bが、該面上の全領域の内の異なる領域に分離して配置される。従って、表示素子12Cに繰り返し画像表示を行った場合であっても、表示基板20側に所望の種類の粒子群28を移動させて表示を行う前に、背面基板22側に種類毎に粒子群28(粒子群28A及び粒子群28B)を分離した状態で配置させた後に、表示を行うことで、色再現性の低下が抑制されると考えられる。
なお、さらに、表示媒体13Cにおいて、背面基板22側に設けられた背面電極38を線状に構成し、面方向に配列された複数の線状電極から構成してもよい。
詳細には、図22に示すように、背面基板22の表面に設けられた複数の凹部Pを、少なくとも背面基板22の表示基板20に向かい合う側の面の全領域の内の、面方向に交互に配列された線状電極38A及び線状電極38Bの内の、線状電極38Aに対応する領域に、該線状電極38Aの延伸方向に沿って間隔を空けて設ける。
また、複数の凹部Qを、少なくとも背面基板22の表示基板20に向かい合う側の面の全領域の内の、線状電極38Bに対応する領域に、該線状電極38Bの延伸方向に沿って間隔を空けて設ける。
そして、電圧印加部16によって表面電極32と背面電極38との間に電圧を印加するときには、これらの線状電極38A及び線上電極38Bの何れか一方に電圧を印加、または線状電極38A及び線状電極38Bに互いに異なる電圧値または極性の電圧を選択的に印加する。
例えば、図21に示すように、背面基板22側に粒子群28A及び粒子群28Bが配置されており、且つ、背面基板22の表示基板20との対向面に設けられた凹部Pの開口に粒子群28Aが配置され、凹部Qの開口に粒子群28Bが配置された状態とされているとする。そして、電圧印加部16によって表面電極32及び背面電極38に電圧が印加され、背面電極38の線状電極38Bには凹部Qに保持されていた粒子群28Bが解放されて表示基板20側へ電気泳動するための電位差が表面電極32との間に形成される電圧値の電圧を印加する。また、電圧印加部16によって、背面電極38の線状電極38Aには、凹部Pに保持されていた粒子群28Aがそのまま継続して保持されるように、電圧未印加または粒子群28Aが表示基板20側へ移動する方向の電位差が表面電極32との間に形成される電圧値の電圧を印加する。
すると、図23に示すように、粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Bが表示基板20側へと移動し、粒子群28Aは背面基板22の凹部Qに保持されたままとなる。
一方、図21に示す状態から、電圧印加部16によって表面電極32及び背面電極38に電圧が印加され、背面電極38の線状電極38Aには凹部Pに保持されていた粒子群28Aが解放されて表示基板20側へ電気泳動するための電位差が表面電極32との間に形成される電圧値の電圧を印加する。また、電圧印加部16によって、背面電極38の線状電極38Bには、凹部Qに保持されていた粒子群28Bがそのまま継続して保持されるように、電圧未印加または粒子群28Aが表示基板20側へ移動する方向の電位差が表面電極32との間に形成される電圧値の電圧を印加する。
この場合には、図24に示すように、粒子群28A及び粒子群28Bの内の、粒子群28Aが表示基板20側へと移動し、粒子群28Bは背面基板22の凹部Pに保持されたままとなる。
このように、背面電極38の線状電極38A及び線状電極38Bに印加する電圧を調整することで、目的とする種類の粒子群28が表示基板20側へ選択的に電気泳動される。
なお、本実施の形態では、分散媒14中に平均粒径の異なる2種類の粒子群28が分散されている場合を説明したが、3種類以上であってもよい。
この場合には、表示基板20の背面基板22との対向面、または表示基板20及び背面基板22の対向面の双方に、各々の種類の粒子群28の平均粒径に対して50%以上95%以下の開口径を有する凹部を、同じ種類数、すなわち、1対1の関係で設ければよい。
そして、各種類の凹部を、各々の凹部に対応する1種類の粒子群28(平均粒径の50%以上95%以下の開口径の関係を有する種類の粒子群)以外の種類の粒子群28については、その開口径が該種類の粒子群28の平均粒径の50%未満または95%を超える値に調整すればよい。
このようにすれば、各種類の凹部には、各凹部の種類毎に、特定の種類、すなわち特定の平均粒径の種類の粒子群28が嵌る状態となる。このため、各種類の粒子群28は、各種類の粒子群28毎に異なる種類の凹部Pに選択的に配置されることとなる。
このため、平均粒径の異なる各種類の粒子群28が、表示基板20または背面基板22の対向面において異なる領域に分離して配置され、表示した画像が好適に保持されると共に、繰り返し表示を行っても色再現性に優れた表示素子12が提供されることとなる。
上記実施形態の作用を確認するため、以下の試験を行った。
なお、以下の実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
(実施例A1)
実施例A1では、電気泳動する粒子群として、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群を調整した。また、表示基板の背面基板との対向面に、該粒子群の平均粒径に対して69%の開口径を有する複数の凹部を設けた。
−平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群の作製−
−分散液AAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液AAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・ 山陽色素 FY7413(黄色顔料):45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
・ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)を、主ポリマであるメタクリル酸シクロヘキシルに対し1wt%〜10wt%添加(正帯電制御剤)
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、ボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一製薬工業社製 セロゲン5Aの2質量%水溶液):4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液AA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で、2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:14μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径14μmの白粒子群を得た。こうして正極に帯電された黄色の粒子群とした。
上記調整した黄色の粒子群を用いて、図1に示す表示媒体を作製した。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例A1では、表示基板に設けられた複数の凹部Pとして、開口径10μm(分散媒中に分散される粒子群(上記調整した黄色の粒子群の平均粒径14.5μmに対して、69%)、深さ5μmの円柱状の凹部Pを、隣り合う凹部P間の最短距離(所謂、ピッチ)10μmで複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ約7μm〜8μmの薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径10μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、5μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、10μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度は、SEM画像から解析してほぼ90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、上記背面基板上に間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
なお、間隙部材は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材は20mm×20mm、高さ100μm、幅2mmとした。
ここで、分散媒としては、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)を用いた。
上述のようにして作製した、平均粒径14.5μmの黄色の粒子群を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に10体積%で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。
さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例A1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、表示基板の各凹部の開口に黄色の粒子群の各粒子が配置されていることが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、300Vの電圧印加時においては、黄色の粒子群の表示基板の各凹部からの離脱は確認されず、400Vに上昇させたときに、黄色粒子の表示基板の各凹部からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(黄色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において90%以上の粒子が基板上に残留していることが確認された。
(実施例A2)
実施例A2では、電気泳動する粒子群として、実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群を用いた。また、表示基板の背面基板との対向面に、該粒子群の平均粒径に対して50%の開口径を有する複数の凹部を設けた。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例A2では、表示基板に設けられ複数の凹部Pとして、開口径7.25μm(分散媒中に分散される粒子群(上記調整した黄色の粒子群の平均粒径14.5μmに対して、50%)、深さ5μmの円柱状の凹部Pを、隣り合う凹部P間の最短距離(所謂、ピッチ)10μmで複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ約7〜8μmの薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径7.25μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、5μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、7.25μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度は、SEM画像から解析してほぼ90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、上記背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの黄色の粒子群を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に10体積%で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例A2で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、表示基板の各凹部の開口に黄色の粒子群の各粒子が配置されていることが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、200Vの電圧印加時においては、黄色の粒子群の表示基板の各凹部からの離脱は確認されず、250Vに上昇させたときに、黄色粒子の表示基板の各凹部からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(黄色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、60%以上の粒子が基板上に残留していることが確認された。
(実施例A3)
実施例A3では、電気泳動する粒子群として、実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群を用いた。また、表示基板の背面基板との対向面に、該粒子群の平均粒径に対して95%の開口径を有する複数の凹部を設けた。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例A3では、表示基板に設けられ複数の凹部Pとして、開口径13.78μm(分散媒中に分散される粒子群(上記調整した黄色の粒子群の平均粒径14.5μmに対して、95%)、深さ5μmの円柱状の凹部Pを、隣り合う凹部P間の最短距離(所謂、ピッチ)10μmで複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ約7〜8μmの薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径13.78μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、5μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、13.78μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度は、SEM画像から解析してほぼ90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、上記背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの黄色の粒子群を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に10体積%で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例A3で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、表示基板の各凹部の開口に黄色の粒子群の各粒子が配置されていることが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、300Vの電圧印加時においては、黄色の粒子群の表示基板の各凹部からの離脱は確認されず、350Vに上昇させたときに、黄色粒子の表示基板の各凹部からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(黄色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、80%以上の粒子が基板上に残留していることが確認された。
(比較例A1)
比較例A1では、電気泳動する粒子群として、実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群を用いた。また、表示基板の背面基板との対向面には、凹部Pを設けなかった以外は、実施例A1と同じ方法により表示媒体を作製した。
(評価)
比較例A1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、50Vの電圧印加時において、黄色粒子の表示基板からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(黄色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後とでは、基板上に残留している粒子はゼロであった。
(比較例A2)
比較例A2では、電気泳動する粒子群として、実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群を用いた。また、表示基板の背面基板との対向面に、該粒子群の平均粒径に対して45%の開口径を有する複数の凹部を設けた。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本比較例A2では、表示基板に設けられ複数の凹部Pとして、開口径6.53μm(分散媒中に分散される粒子群(上記調整した白色の粒子群の平均粒径14.5μmに対して、45%)、深さ5μmの円柱状の凹部Pを、隣り合う凹部P間の最短距離(所謂、ピッチ)10μmで複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ7μm以上8μm以下の範囲の薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径6.53μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、背面基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、5μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、6.53μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度を、実施例A1と同じ方法を用いて測定したところ、90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、上記のように凹部の形成された背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの白色の粒子群を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に10体積%で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
比較例A2で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、100Vの電圧印加時において、黄色粒子の表示基板からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(黄色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、では、基板上に残留している粒子は10%であった。
(実施例A1、A2、A3、及び比較例A1、A2、についての考察)
上記実施例A1、A2、A3、に示されるように、表示基板に設けられた凹部の開口径が、粒子群の平均粒径の50%以上95%以下の範囲内の場合には、該範囲外である比較例A2、A3、及び凹部の設けられていない比較例A1に比べて、表示基板側に粒子群を移動させた直後と、24時間経過後、とにおける残留粒子数の変化が小さい、という結果が得られた。このため、実施例A1、A2、A3、では、比較例A1、A2、に比べて、好適に画像が保持されている、という結果が得られた。
また、さらに、上記実施例A1、A2、A3、に示されるように、表示基板に設けられた凹部の開口径が、粒子群の平均粒径の50%以上95%以下の範囲内の場合には、該範囲外である比較例A2、、及び凹部の設けられていない比較例A1に比べて、表示基板側に配置された状態の粒子群を、背面基板側へ移動させるために必要な、基板間に印加する電圧の電圧値が高い、という結果が得られた。このため、実施例A1、A2、A3、では、比較例A1、A2、に比べて、粒子群がより好適に表示基板側に保持されている、という結果が得られた。
(実施例B1)
実施例B1では、電気泳動する粒子群として、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群と、平均粒径10μmの正極に帯電した白色の粒子群と、を用いた。
また、表示基板の背面基板との対向面には、開口径が12μmの凹部と、開口径が7μmの凹部Pと、を設けた。
すなわち、開口径が12μmの凹部の開口径は、平均粒径が14.5μmの粒子群の該平均粒径に対して、83%であり、平均粒径10μmの粒子群の平均粒径に対しては120%である。
また、開口径が7μmの凹部の開口径は、平均粒径が14.5μmの粒子群の該平均粒径に対して、48%であり、平均粒径10μmの粒子群の平均粒径に対しては70%である。
なお、平均粒径14.5μmの正極に帯電した黄色の粒子群としては、実施例A1で用いた黄色粒子を用いた。平均粒径10μmの正極に帯電した白色の粒子群については、以下の製法により調整した。
−平均粒径10μmの正極に帯電した白色の粒子群の作製−
−分散液AAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液AAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・ 酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製):45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
・ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)を、主ポリマであるメタクリル酸シクロヘキシルに対し1wt%〜10wt%添加(正帯電制御剤)
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、ボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:55質量部
・水:60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一製薬工業社製 セロゲン5Aの2質量%水溶液):4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液AA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で、2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:10μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径10μmの白粒子群を得た。こうして正極に帯電された白色の粒子群とした。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例B1では、表示基板に設けられた2種類の凹部として、上述のように開口径12μmと、7μmと、の2種類の凹部を複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ7μm以上8μm以下の薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径12μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ12μmで配列された領域と、直径7μm、高さ5μmの円柱状の構造体がピッチ7μmで配列された領域と、を有する型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、5μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、7.25μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度を、実施例A1と同じ方法を用いて測定したところ、90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例A1で調整した、平均粒径14.5μmの黄色の粒子群、及び実施例B1で調整した平均粒径10μmの白色の粒子群の各々を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に、各5体積%ずつ(合計10体積%)で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例B1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の平均粒径の異なる2種類の白色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、表示基板の開口径10μmの凹部の開口部には、平均粒径14.5μmの粒子群が配置され、開口径7μmの凹部の開口部には、平均粒径10μmの粒子群が配置されていることが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、200Vの電圧印加時においては、粒子群の表示基板の各凹部からの離脱は確認されず、320Vに上昇させたときに、平均粒径が10μmの粒子群の粒子の表示基板の各凹部からの離脱が確認され、
更に400Vに上昇させたときに、平均粒径が14.5μmの粒子群の粒子の表示基板の各凹部からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後とを比較すると、90%以上の粒子が基板上に残留していることが確認された。
(比較例B1)
比較例B1では、電気泳動する粒子群として、実施例B1で調整した、平均粒径の異なる2種類の粒子群を用いた。また、表示基板の背面基板との対向面に、凹部を設けなかった以外は、実施例B1と同じ方法により表示媒体を作製した。
(評価)
比較例B1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の白色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、50Vの電圧印加時において、平均粒径の異なる2種類の粒子の双方について、表示基板からの離脱が確認された。
再度、表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加した直後(平均粒径の異なる2種類の白色の粒子群を表示基板側へ移動させる電圧を上記時間印加した直後)と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、顕微鏡観察により粒子の離脱状態を調べた。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後とを比較すると、残留粒子数はゼロであった。
(実施例B1、及び比較例B1についての考察)
上記実施例B1に示されるように、表示基板に、平均粒径の異なる2種類の粒子群の各々に対応して、各種類の粒子群の平均粒径の50%以上95%以下の範囲内にある2種類の凹部が設けられている場合には、該凹部の設けられていない比較例B1に比べて、表示基板側に粒子群を移動させた直後と、24時間経過後、とにおける濃度平均値の変化が小さい、という結果が得られた。このため、実施例B1では、比較例B1に比べて、良好な画像保存性が実現されているといえる。さらに基板間に印加する電圧値に応じて、平均粒径の異なる2種類の粒子群の内の一方が選択的に移動されることが確認された。
(実施例C1)
実施例C1では、電気泳動する粒子群として、平均粒径15μmの正極に帯電した黄色の粒子群と、平均粒径5μmの正極に帯電した白色の粒子群と、を用いた。
また、表示基板の背面基板との対向面には、開口径が10μmの凹部のみを設けた構成とした。
すなわち、開口径が10μmの凹部の開口径は、平均粒径が15μmの粒子群の該平均粒径に対して、67%であり、平均粒径5μmの粒子群の平均粒径に対しては150%である。
上記平均粒径15μmの正極に帯電した黄色の粒子群としては、下記方法により調整した。また、平均粒径5μmの正極に帯電した白色の粒子群についても、下記方法により調整した。
−平均粒径15μmの正極に帯電した黄色の粒子群の作製−
−分散液DDの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液DDを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・ 山陽色素 FY7413(黄色顔料):45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
・ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)を、主ポリマであるメタクリル酸シクロヘキシルに対し1〜10wt%添加(正帯電制御剤)
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、ボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一製薬工業社製 セロゲン5Aの2質量%水溶液):4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液DD35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で、2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径15μmの白粒子群を得た。こうして正極に帯電された黄色の粒子群とした。
−平均粒径5μmの正極に帯電した白色の粒子群の作製−
−分散液EEの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液EEを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・ 酸化チタン1(白色顔料)(一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製):45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
・ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)を、主ポリマであるメタクリル酸シクロヘキシルに対し1〜10wt%添加(正帯電制御剤)
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、ボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:65質量部
・水:60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一製薬工業社製 セロゲン5Aの2質量%水溶液):4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液EE35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で、2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:5μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径5μmの白粒子群を得た。こうして正極に帯電された白色の粒子群とした。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例C1では、表示基板に設けられた凹部として、上述のように開口径10μmの凹部を複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ7μm以上8μm以下の薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径10μm、高さ2μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数の凹部Pが形成された状態とした。
この凹部の深さをSEM観測から見積ったところ、2μmであった。また、この凹部の開口径(直径)は、10μmであり、隣接する凹部間の距離(ピッチ)は10μmであった。また、凹部の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。
また、この凹部の開口の周縁部の角度を、実施例A1と同じ方法を用いて測定したところ、90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例C1で調整した、平均粒径15μmの白色の粒子群、及び平均粒径5μmの白色の粒子群の各々を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に、各5体積%ずつ(合計10体積%)で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例C1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の平均粒径の異なる2種類の白色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、表示基板の開口径10μmの凹部の開口部には、平均粒径15μmの粒子群が配置されているのが確認された。また、平均粒径5μmの粒子群については、凹部の内部、または凹部間の平坦部に配置されていることが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、50Vの電圧印加時に、平均粒径が5μmの粒子群の粒子の背面基板側への移動が確認された。このとき、平均粒径が15μmの粒子群については、凹部の開口に保持されたままであることが確認された。
さらに、電圧値を上昇させて、400Vの電圧印加時に、平均粒径が15μmの粒子群の表示基板の凹部からの離脱及び背面基板側への移動が確認された。
上記実施例C1に示されるように、基板間に印加する電圧値に応じて、平均粒径の異なる2種類の粒子群の内の一方が選択的に移動されることが確認された。
(実施例D1)
実施例D1では、電気泳動する粒子群として、上記実施例C1で調整した、平均粒径15μmの正極に帯電した黄色の粒子群のみを用いた。
また、表示基板の背面基板との対向面には、開口径が10μmの凹部と、開口径が1μmの凹部と、平坦な領域と、を設けた構成とした。
すなわち、開口径が10μmの凹部の開口径は、平均粒径が15μmの粒子群の該平均粒径に対して、67%である。また、開口径が1μmの凹部の開口径は、平均粒径が1μmの粒子群の平均粒径に対して、6.7%である。
―表示媒体の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板上に、凹部Pを有する表面層を形成した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明なITO支持基板を使用した。
(凹部Pの形成)
本実施例D1では、表示基板に設けられた2種類の凹部として、上述のように開口径10μmと、開口径1μmと、の2種類の凹部を複数形成した。
詳細には、まず、表面層を構成する樹脂として、紫外線硬化樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ7μm以上8μm以下の薄膜を得た。この薄膜に、シリコンモールド(凹部を設けるための型(モールド)として直径10μm、高さ2μmの円柱状の構造体がピッチ10μmで配列された領域と、平坦な領域と、直径1μm、高さ2μmの円柱状の構造対がピッチ1μmで配列された領域と、を有する型)を密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該モールドを除去した。これによって、表示基板の表面層上に、複数種類の凹部と、平坦部と、が形成された状態とした。
この各凹部を確認したところ、各凹部は、円柱状の穴であった。また、開口の周縁部の形状は、円状であった。また、各凹部の開口の周縁部の角度を、実施例A1と同じ方法を用いて測定したところ、90°であり、鋭角となっていることが確認された。
次に、背面基板上に、実施例A1と同じ方法により間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
実施例D1で調整した、平均粒径15μmの白色の粒子群を、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に10体積%で分散した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填した。さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体を製造した。
(評価)
実施例D1で作製した表示媒体の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に50Vの電圧を60秒間印加したところ、上記の黄色の粒子群の表示基板側への移動が確認された。
この表示媒体について、表示基板側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、表示基板の開口径10μmの凹部の開口部、平坦部、及び開口径1μmの凹部の開口部と凹部間の領域の各々に、上記平均粒径15μmの粒子群が配置されているのが確認された。
次に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に電圧を印加し、0Vから除々に上昇させたところ、30Vの電圧印加時に、開口径が1μmの凹部の設けられた領域に位置されていた粒子群の背面基板側への移動が確認された。このとき、平坦部及び開口径が10μmの凹部の開口に位置されている粒子群については、表示基板側に保持されたままであった。
さらに印加電圧を上昇させて、50Vの電圧印加時に、平坦部に位置されていた粒子群の背面基板側への移動が確認された。このとき、平坦部及び開口径が10μmの凹部の開口に位置されている粒子群については、表示基板側に保持されたままであった。
さらに印加電圧を上昇させて、400Vの電圧印加時に、開口径が10μmの凹部の開口に位置されていた粒子群の、表示基板からの離脱及び背面基板側への移動が確認された。
上記実施例D1に示されるように、基板間に印加する電圧値に応じて、表示基板の異なる領域(1μmの開口径の凹部の設けられた領域、10μmの開口径の凹部の設けられた領域、及び平坦部)に配置されていた粒子群が選択的に移動されることが確認された。