JP2010139026A - 配管施工部の止水構造および止水配管方法 - Google Patents

配管施工部の止水構造および止水配管方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010139026A
JP2010139026A JP2008317502A JP2008317502A JP2010139026A JP 2010139026 A JP2010139026 A JP 2010139026A JP 2008317502 A JP2008317502 A JP 2008317502A JP 2008317502 A JP2008317502 A JP 2008317502A JP 2010139026 A JP2010139026 A JP 2010139026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
sealing
resin
piping
sealing resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008317502A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5265323B2 (ja
Inventor
Rin Deguchi
倫 出口
Hiroyuki Nishimura
寛之 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2008317502A priority Critical patent/JP5265323B2/ja
Publication of JP2010139026A publication Critical patent/JP2010139026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5265323B2 publication Critical patent/JP5265323B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

【課題】配管施工部の止水構造を、より一層、止水性高く形成する技術を提供する。
【解決手段】少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物に貫通して配管施工するための貫通部において、前記管の外面と前記貫通部内面との間に硬化性の密封用樹脂を充填して、前記貫通部外から前記貫通部内への水の浸入を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、建造物の土中壁部等の構造物に設けられる貫通部に配管施工した後、その配管施工部を介して構造物内部に地下水等の水が浸入するのを防止する技術に関し、特に、少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物に貫通して配管施工するための貫通部において、前記管の外面と前記貫通部内面との間に硬化性の密封用樹脂を充填して、前記貫通部外から前記貫通部内への水の浸入を防止する配管施工部の止水構造、および、このような止水構造を形成するための止水配管方法に関する。
現在、建造物の土中壁部等の構造物に、ガス管等の管Pを配管する場合には、図7に示すように、前記土中壁部Wの貫通孔2に、鞘管3を配置してある貫通部1を形成し、その鞘管3内にポリエチレンライニング管等からなる、少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管Pを配設し(a)、管と前記貫通部の内面2aとの間に、貫通部1の建造物外側の一端部11側を、前記管Pと前記貫通部内面2aとの間で封止する封止部材5を設けるとともに、前記封止部材5から前記貫通部の他端12側に離間して、仕切り部材6を設け(b)、前記封止部材5と前記仕切り部材6と前記管Pの外面と前記貫通部の内面2aとに囲まれた封止空間Vに2液性ポリウレタンのような硬化性の密封用樹脂を液状で注入し、前記封止空間V内を閉塞する(c)ことが行われている(例えば特許文献1従来技術参照)。
これにより、前記管Pと前記貫通部1とのあいだに形成される隙間を極力閉塞して、地下水、雨水等に由来して土中に存在する水が、前記貫通部1の一端11側から浸入し、前記管Pを伝って他端12側に達するのを防止している。
通常、このような構成の配管施工部の止水構造は、貫通部の内面2aと前記密封用樹脂の接着性よりも、前記管Pの外面のポリオレフィン系樹脂と密封用樹脂との接着性が低い。つまり、たとえば、前記鞘管3が鋼管で、前記密封用樹脂がウレタン系である場合、ウレタンは鋼に対して高い接着性を示すが、管P側のポリオレフィンに対してはほとんど接着せず、前記密封用樹脂が、硬化時の内圧で前記管Pを外側から締め付けるように密接し、その間に隙間を生じさせないことで止水性を発揮している状態であると考えられている。
特開平09−065559号公報、従来技術
特に、土中埋設状態で用いられる環境においては、上記配管施工部の止水構造の保守点検も困難であることから、長期的に安定した耐久性が求められるが、前記密封用樹脂やコーキング材の経年劣化は避けられない。また、土中配管特有の問題として、土中に存在する配管施工部には、地震、地盤沈下、自動車の振動等による物理的な応力がかかるため、前記管と前記封止部材、前記密封用樹脂の間に水が毛細管現象により浸入しうる程度の隙間を生じ、そこから水が浸入して前記密封用樹脂の劣化を促進し、期待される止水性を十分長期にわたって発揮し得ない状況が想定される。
さらに、近年、前記密封用樹脂として使用される樹脂組成物は、発がん性等の問題からタール成分を含まない組成物に置き換えられる傾向がある。一般に、タール分を添加した樹脂組成物を利用していた主な目的は、その樹脂組成物が硬化した際の他物品への接着性の高さを期待するものであった。また、密封用樹脂はポリオレフィン系樹脂で被覆されていないガス管等の配管に対して利用される場合もあって、タール分により配管の外面を防食することも期待されていた。そのため、前記密封用樹脂をタール分の含まれないものに切り替える必要に迫られたときには、さらに、上述の止水性の低下が問題になるものと考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、配管施工部の止水構造を、より一層、止水性高く形成する技術を提供することにある。
〔構成〕
上記技術課題を解決するための本発明の配管施工部の止水構造の特徴構成は、
少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物に貫通して配管施工するための貫通部において、前記管の外面と前記貫通部内面との間に硬化性の密封用樹脂を充填して、前記貫通部外から前記貫通部内への水の浸入を防止する配管施工部の止水構造であって、
前記管の外面における前記密封用樹脂に対する部分に、ブチルゴムを被覆した被覆部を設けてある点にある。
また、上記構成において、前記貫通部の一端部側を、前記管と前記貫通部内面との間で封止する封止部材を設けるとともに、前記封止部材から前記貫通部の他端側に離間して、仕切り部材を設け、
前記封止部材と前記仕切り部材と前記管の外面と前記貫通部の内面とに囲まれ、前記被覆部を内部に有する封止空間を形成するとともに、
前記封止空間内に前記硬化性の密封用樹脂を充填してあることが好ましく、
前記密封用樹脂が硬化性のウレタン樹脂であることが好ましい。
さらに、前記管が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を主成分とするポリオレフィン系樹脂層を外面に備えるものであることが好ましい。
上記技術課題を解決するための本発明の止水配管方法の特徴手段は、
少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物を貫通する貫通部に配管した場合に、前記貫通部内に位置する前記管の外面部分にブチルゴムを主成分とする被覆部をあらかじめ形成し、
前記貫通部の一端部側において前記管と前記貫通部内面との間を封止する封止部材を設け、かつ、前記封止部材から前記貫通部他端側に離間した仕切り部材を設けた状態に前記管を配管して、
前記封止部材と前記仕切り部材と前記管の外面と前記貫通部内面とに囲まれ、前記被覆部を内部に有する封止空間を形成し、
前記封止空間内に、液状の密封用樹脂を注入した後、前記密封用樹脂を硬化させる点にある。
また、上記手段において、前記密封用樹脂が硬化性のウレタン樹脂であることが好ましく、
前記管が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を主成分とするポリオレフィン系樹脂層を外面に備えるものであることが好ましい。
これら、特徴構成および特徴手段による作用効果は以下のとおりである。
〔作用効果〕
つまり、少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物に貫通して配管施工するための貫通部において、前記管の外面と前記貫通部内面との間に硬化性の密封用樹脂を充填して、前記貫通部外から前記貫通部内への水の浸入を防止するものであるから、前記構造部の施工には、あらかじめ前記貫通部を配管容易な大きさに施工しておき、あらかじめ形成されている貫通部に配管したのち、前記貫通部内面と前記管の外面との間を埋めるという、作業性の高い従来からの施工方法を原則的に踏襲して配管を行うことができる。
このとき、前記管の外面における前記密封用樹脂に対する部分に、ブチルゴムを被覆してある被覆部を設けてあると、前記管を前記貫通部に施工したときに、前記貫通部内には、管の外面に被覆部、密封用樹脂、貫通部内面が順に位置する構成が形成される。すると、前記被覆部は、ブチルゴムから形成されているため、通常用いられるポリオレフィンや、ポリウレタン等の密封用樹脂との接着一体化強度が高く、前記管の外面と前記被覆部との界面や、前記被覆部と前記密封用樹脂との界面では高い水密性が発揮される。即ち、前記両界面の一体化強度が高いために、前記管に地震その他の物理的な応力がかかり、前記両界面を剥離する方向の力がかかったとしても、良く耐え、高い止水性を維持しやすい。また、前記界面は前記貫通部の内部に位置することになるので、前記管と前記密封用樹脂との界面を、事後的にコーキング材で処理するのに比べると、前記被覆部は貫通部外に存在する雨水、地下水、湧水等の水と接触しにくい。したがって、前記被覆部を構成するブチルゴムは、前記コーキング材よりも水により劣化する機会が少なく、長期的にも高い止水性を維持しやすい。
また、前記被覆部は、前記管の外面に、例えば、シート状あるいはテープ状のブチルゴムを巻きつけ、あるいは、液状のブチルゴムを塗りつけ、そのブチルゴム自身が持つ粘性により接着、あるいは、加熱軟化により管に巻きつけ接着した状態で施工できる。その後のブチルゴムの硬化に伴う止水性(接着性)を期待できるので、施工が容易であり、従来の施工方法を大きく変えることなく、高い止水性を発揮できる止水構造を実現できる。
尚、前記ブチルゴムは、高い止水性を発揮するものの、耐荷重の面では前記密封用樹脂に及ばず充分と言えない場合もあるが、前記ブチルゴムの被覆部を貫通部長さの一部にとどめ、(例えば、前記被覆部を前記貫通部における両端部側に設けるとともに、前記密封用樹脂が、前記貫通部における中央部に直接密接するように、前記密封用樹脂を充填してある構成とするなど)前記密封用樹脂が管に密接する領域を形成しておけば、前記密封用樹脂の耐荷重性能、形状追従性能を利用して、地震、地盤沈下、自動車の振動等による物理的な応力にも良く耐える構造を実現できる。
また、上記構成において、前記貫通部の一端部側を、前記管と前記貫通部内面との間で封止する封止部材を設けるとともに、前記封止部材から前記貫通部の他端側に離間して、仕切り部材を設けると、前記封止部材と前記仕切り部材と前記管の外面と前記貫通部の内面とに囲まれる封止空間を形成することができる。その封止空間内に、前記被覆部をあらかじめ位置させた状態で、前記封止空間内に前記硬化性の密封用樹脂を充填すると、前記密封用樹脂が流動性の高いものであったとしても、前記封止空間内に供給してその内部に、密封性高く充填しやすい。また、前記密封用樹脂を施工する場合には、前記被覆部の位置を気にすることなく施工することができるとともに、前記密封用樹脂により、前記貫通部内面と前記密封用樹脂の界面、前記被覆部と前記密封用樹脂との界面で、高い止水性を容易に実現できる。その結果、貫通部全体を止水性高く密封する構造が簡単に施工できるので有利である。
尚、本発明における貫通部とは、構造物の壁面を貫通する孔部のうち、前記壁面の厚みの範囲内のみを指すものではなく、前記孔部の周辺で前記壁面からフランジ状に突出した部分や、前記孔部内に挿入され、地中にまで延設される鞘管の両端部の間を含み、壁面の両側にわたって管を案内するフランジ、鞘管等の部材が介在する場合、その部材の両端間の空間をすべて貫通部と称するものとする。
尚、前記密封用樹脂が硬化性のウレタン樹脂である場合には、前記ウレタン樹脂が、流動性を有している間に前記封止空間にその密封用樹脂を充填し、その封止空間内で硬化させるだけで前記止水構造を形成することができる。また、ウレタン樹脂としては、硬化時に体積膨張する性質のものが良く知られており、体積膨張による内部応力を利用すれば、前記封止空間内をより一層止水性高く充填できることになる。つまり、ウレタン樹脂を用いた場合には、止水性が高く、取扱が容易であることから有利である。
さらに、前記管が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を主成分とするポリオレフィン系樹脂層を外面に備えるものであれば、その管は、耐水、耐疲労性が高く、通常はメンテナンス困難な場所に施工される貫通部にあっても、長期にわたって信頼性高く利用することができることになる。
上述の配管施工部の止水構造を施工する場合、少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物を貫通する貫通部に配管した場合に、前記貫通部内に位置する前記管の外面部分にブチルゴムを主成分とする被覆部をあらかじめ形成しておけば、前記被覆部は、管に対しても、施工状態における貫通部内面に対しても位置決めできた状態に施工される。
さらに、前記貫通部の一端部側において前記管と前記貫通部内面との間を封止する封止部材を設ける。また、前記封止部材から前記貫通部他端側に離間した仕切り部材を設ける。前記封止部材および仕切り部材は、前記管の配管前に、前記管に付設した状態で、配管と同時に貫通部に対して位置決めさせても良いし、配管後、前記貫通部と前記管との間に挿入して位置決めしても良いが、これらの封止部材と仕切り部材により、前記管の外面と前記貫通部内面とに囲まれ、前記被覆部を内部に有する封止空間を形成することができるように設ける。すると、前記封止部材および仕切り部材は、前記封止空間を、簡易に止水した状態にして、前記管を、前記貫通部内に仮固定する機能をもつ。
その後、前記封止部材を弾性変形させて前記管との間に隙間を作ったり、前記封止部材に前記貫通部外部と前記封止空間とをつなぐ孔部を設けたりして、前記封止空間内に液状の密封用樹脂を注入した後、前記密封用樹脂を硬化させると、前記封止空間内において、前記管と前記密封用樹脂との間、および、前記密封用樹脂と貫通部内面との間が正式に止水された状態になるとともに、前記管が前記貫通部に配管固定された状態になる。このとき、前記封止空間内に前記管の外面部分に被覆部が設けられている部分が位置するから、前記被覆部は、前記密封用樹脂と前記管との間の少なくとも一部に介在されることになる。
すると、前記被覆部は、ブチルゴムで形成されているため、前記ポリオレフィン系樹脂との接着性が高く、前記被覆部と前記管外面との間を高い止水性で止水するとともに、前記ブチルゴムと前記密封用樹脂との間についても、前記ポリオレフィンと前記密封用樹脂との間よりも高い接着性を発揮しやすく、より高い止水性で封止する事が可能になる。そのため、従来の止水配管方法に比べて、あらかじめ被覆部を設ける工程を付加するだけの簡単な変更で、より一層長期にわたって安定に止水できる構造を形成することができる。
したがって、複雑な工程を必要としない止水配管方法を提供することができ、それにより止水性の高い配管施工部の止水構造を形成することができる。また、これにより、前記配管施工部は、長期にわたって、水の浸入を防ぐので、構造物の水による強度低下等を良く防ぎ、保守点検作業の負荷を減少することができるようになった。
以下に、本発明の配管施工部の止水構造および止水配管方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔実施例1〕建造物地中壁部
外面がポリプロピレンから形成された合成樹脂被覆鋼管(以下単に管と呼ぶ)Pを、建造物の地下部分に、その建造物の一例としての地下壁面Wを貫通して施工する場合の止水配管方法を図1に従って以下に示す。
厚さ約30cmの建造物の地下壁面Wに直径約10cmの貫通孔を設け、その貫通孔内面2に綱製の鞘管3(80A、内径約8cm)を埋設固定して貫通部1を形成しておく。この貫通部1に管P(40A、内径約4cm)を配置したときに、前記貫通部1の内部の両側よりに位置する前記管Pの外面部分にブチルゴム(三菱樹脂社製)を主成分とする一対の被覆部4を幅4cm、厚さ3mmにあらかじめ形成しておく。
また、管Pの前記被覆部4をはさんだ長手方向両側に、発泡ポリウレタンの成型体を取り付けて、前記地下壁面Wのうち水分が存在する一端部側11に位置する封止部材5を5〜10cm幅に設けるとともに、他端部側12に位置する仕切り部材6を5〜10cm幅に設ける(図1(a)参照)。
この状態で、図1(b)のように、前記管Pを前記貫通部1に配管し、前記封止部材5が前記貫通部1の一端側11を封止し、前記仕切り部材6が前記他端側12を封止するように配置する。すると、前記封止部材5と前記仕切り部材6と前記管Pの外面と前記貫通部1の内面2aとに囲まれ、前記被覆部4を内部に有する封止空間Vを形成することになる。
前記封止空間V内に、二液混合型シール剤(イソシアネートあるいはウレタンプレポリマーを主成分とする主剤A液と、ポリオール及び充填剤を主成分とする硬化剤B液とからなる;硬化時間約1時間)(以下密封用樹脂Nと称する)を注入した後、前記密封用樹脂を硬化させる(図1(c)参照)。
〔実施例2〕地中引き込み管端部
建造物の一例としての橋梁から地中に引き込まれる鞘管3内に管Pを施工する場合の止水配管方法を、図2に従って以下に示す。
橋梁の壁面Wを形成する部分に、綱製の鞘管3(300A、内径約30cm)を貫通部1として用意し、管P(150A、内径約15cm)を内部に配置(図2(a)参照)した状態にする。この貫通部1に、貫通部の両端部11,12に厚さ10cmの発泡ポリウレタンの成型体を取り付けて、仕切り部材6を設ける。また、前記鞘管3内の前記管Pの外面部分にブチルゴム(三菱樹脂社製)を主成分とする被覆部4を幅4cm、厚さ3mmに設け、両端部11,12に厚さ10cmの発泡ポリウレタンの成型体を取り付けて、前記管Pと前記貫通部内面2aとの間を封止する封止部材5を設ける(図2(b)参照)。
この状態で、前記封止部材5と前記仕切り部材6と前記管Pの外面と前記貫通部1の内面2aとに囲まれ、前記被覆部4を内部に有する封止空間Vを形成することになる。
前記貫通部1の両端部11,12側において前記管Pと前記貫通部内面2aとの間を封止する封止部材5を設け、かつ、前記封止部材5から前記貫通部他端部12、11側に離間した仕切り部材6を設けた状態となり、前記封止部材5と前記仕切り部材6と前記管Pの外面と前記貫通部1の内面2aとに囲まれ、前記被覆部4を内部に有する封止空間Vを形成することになる。
前記封止空間V内に、前記密封用樹脂Nを注入した後(図2(c)参照)、前記密封用樹脂を硬化させる。
その後、前記橋梁の壁面Wを形成する部分にコンクリートを打設し、前記管Pおよび貫通部1が橋梁の壁面Wを貫通した状態に施工する。
〔剥離強度試験〕
樹脂ライニング管(3種)にブチルゴムの被覆部を設けたのち、密封用樹脂を被覆した試験片(図3(a)参照)と、樹脂ライニング管(3種)に、単に密封用樹脂(2種)を被覆した比較試験片(図3(b)参照)とを作成し、密封用樹脂の剥離強度を調べたところ、表1のようになった。
剥離強度の試験方法は、JISK6854−2の接着材剥離強さ試験方法に準じて行った。上記ブチルゴムの被覆部と密封用樹脂を被覆した試験片(図3(a)参照)は、前記樹脂ライニング管の外面を形成する樹脂材からなる板状体(前記樹脂ライニング管より剥離して用意)に、3mm厚のブチルゴムを手で圧着した後、密封用樹脂を5mm厚になるよう密閉空間内で充填硬化形成し、30cm×12mmの長方形に切り出して作成した。同様に、前記板状体に密封用樹脂のみを5mm厚になるよう密閉空間内で充填硬化させ、30cm×12mmの長方形に切り出し、密封用樹脂(2種)を被覆した比較試験片(図3(b)参照)を作成した。各試験片端部より、前記密封用樹脂を180度剥離法により剥離して、剥離方向への荷重(ピール強度)を測定した。
Figure 2010139026
尚、密封用樹脂Kとは、二重管工法弾性シーリング材(イソシアネートあるいはウレタンプレポリマーを主成分とする主剤A液とポリアミン、特殊合成オリゴマー、コールタールを主成分とする硬化剤Bとからなる;硬化時間約1時間)を用いた例を示し、
同様に密封用樹脂Nとは、前記二液混合型シール剤を用いた例を示すものである。これらは何れも、ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂系ゴム材料であって、密封用樹脂Kには、接着強度、耐水性等を高めるためのタール成分を含有するが、密封用樹脂Nは、そのタール成分を含有しないという相違がある。
また、樹脂ライニング管PPとは、住友金属株式会社製樹脂ライニング管であって、外面がポリプロピレンを主成分とするものを使用した例を示し、
樹脂ライニング管PEとは、新日鉄株式会社製樹脂ライニング管であって、外面がポリエチレンを主成分とするものを使用した例を示し、
樹脂ライニング管POとは、JFE社製樹脂ライニング管を使用した例を示し、この樹脂ライニング管の外面を構成する樹脂はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体の混合物となっている。
また、被覆部には、前記ブチルゴムを用いた。
表1より、被覆部を設けた試験片を用いた場合、樹脂ライニング管がいずれの場合であっても、従来の密封用樹脂のみを設けた試験片を用いた場合に比べて、高い接着性を発揮していることがわかり、高い止水性が期待できることがわかる。尚、被覆部を設けた試験片の場合、何れの場合も、被覆部と、ライニング管および密封用樹脂との接着面が剥離する前に被覆部の破断が起き、被覆部を構成するブチルゴムが、ブチルゴム自身の破断強度よりも高い、他の樹脂との接着強度を発揮している。
〔剥離耐久性試験〕
前記(樹脂ライニング管PP)および(被覆部+密封用樹脂N)を設けた試験片、および、前記(樹脂ライニング管PP)および(密封用樹脂K)を設けた試験片を用い、剥離強度の耐久性を調べたところ、図4に示すようになった。
評価試験は、前の剥離強度試験と同様に、JISK6854−2の接着材剥離強さ試験方法に準じて(樹脂ライニング管PP)の表面に(被覆部+密封用樹脂N)もしくは(密封用樹脂K)からなる外層を作成した各試験片を用意し、その試験片を0〜2000時間、23℃あるいは50℃の水中に浸漬したのち、剥離方向への荷重(ピール強度)を測定して行った。
その結果、被覆部を有する試験片を用いた場合、被覆部を有さない試験片を用いた場合に比べて、水に浸漬された悪条件下であっても、高い耐久性を長期にわたって維持できることがわかった。
〔止水試験〕
前記(樹脂ライニング管PO)および(被覆部+密封用樹脂N)を設けた試験用貫通部、および、前記(樹脂ライニング管PO)および(密封用樹脂K)を設けた比較試験用貫通部を用い、止水試験を行ったところ、図5のようになった。
評価試験は、前の剥離強度試験と同様に、JISK6854−2の接着材剥離強さ試験方法に準じて行った。前記試験用貫通部は、下記のように形成した。
図6に示すように、ネジチーTの直管部に10cm長の鋼管をそれぞれ接続して鞘管3を設け、その鞘管3に、(樹脂ライニング管PO)を挿通する。前記(樹脂ライニング管PO)は、前記ネジチーTの全長にあわせて切断する。前記鞘管3のネジチーT側端にそれぞれ、幅4cm、厚さ3mmのブチルゴムを巻きつけて被覆部4を形成しておく。この状態で、鞘管3の端部を閉塞しながら、前記(樹脂ライニング管PO)と鞘管3との間に密封用樹脂Nを充填、硬化させ、前記(樹脂ライニング管PO)および(被覆部+密封用樹脂N)を設けた試験用貫通部を得る。(図6(a)参照)
また、同様にして、(被覆部+密封用樹脂N)に代え、(密封用樹脂K)を用いて、(樹脂ライニング管PO)の表面に(密封用樹脂K)の外層を設けた比較試験用貫通部を得る。
前記各試験用貫通部のネジチーT部分に、圧力計および加圧用コンプレッサCを接続し、その試験用貫通部のネジチーT部分から23℃あるいは、50℃で所定圧の水圧をかけ、各試験用貫通部の両端部における(樹脂ライニング管PO)と(密封用樹脂N、K)との界面から水がしみ出るまでの時間を測定した。(図6(b)参照)
その結果、被覆部を有する試験片を用いた場合、被覆部を有さない試験片を用いた場合に比べて、ばらつきはあるものの、高い止水性を長期にわたって維持できることがわかった。
〔別実施形態〕
上記実施例においては、土中における地下水等に対する止水を目的として配管施工部の止水構造を形成する止水配管方法を例示したが、これに限らず、水槽の水漏れを防止する目的で、水槽壁部における配管部分に本発明の配管施工部の止水構造を形成することもできる。要するに、配管施工部の一方側から他方側への水の浸入を防止する構成であれば、何れの場所においても本発明の配管施工部の止水構造を実施できる。また、配管施工部近傍における水は、地下水、貯水とうのように常時存在する水に限らず、配管施工部に浸入しようとする一時的な水であっても対象とすることができる。
本発明の止水配管方法を壁面貫通孔に適用した例を示す図 本発明の止水配管方法を地中引きこみ管に適用した例を示す図 剥離強度試験の試験片を示す図 剥離耐久性試験の結果を示す図 止水試験の結果を示す図 止水試験の試験用貫通部を示す図 従来の止水配管方法を示す工程図
符号の説明
P 管
V 封止空間
W 壁面
1 貫通部
2 貫通孔内面
2a 貫通部の内面
3 鞘管
4 被覆部
5 封止部材
6 仕切り部材
11 一端部側
12 他端部側

Claims (8)

  1. 少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物に貫通して配管施工するための貫通部において、前記管の外面と前記貫通部内面との間に硬化性の密封用樹脂を充填して、前記貫通部外から前記貫通部内への水の浸入を防止する配管施工部の止水構造であって、
    前記管の外面における前記密封用樹脂に対する部分に、ブチルゴムを被覆した被覆部を設けてある配管施工部の止水構造。
  2. 前記貫通部の一端部側を、前記管と前記貫通部内面との間で封止する封止部材を設けるとともに、前記封止部材から前記貫通部の他端側に離間して、仕切り部材を設け、
    前記封止部材と前記仕切り部材と前記管の外面と前記貫通部の内面とに囲まれ、前記被覆部を内部に有する封止空間を形成するとともに、
    前記封止空間内に前記硬化性の密封用樹脂を充填してある請求項1に記載の配管施工部の止水構造。
  3. 前記被覆部を前記貫通部における両端部側に設けるとともに、
    前記密封用樹脂が、前記貫通部における中央部に直接密接するように、前記密封用樹脂を充填してある請求項1または2に記載の配管施工部の止水構造。
  4. 前記密封用樹脂が硬化性のウレタン樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の配管施工部の止水構造。
  5. 前記管が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を主成分とするポリオレフィン系樹脂層を外面に備えるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の配管施工部の止水構造。
  6. 少なくとも外面がポリオレフィン系樹脂から形成された管を、構造物を貫通する貫通部に配管した場合に、前記貫通部内に位置する前記管の外面部分にブチルゴムを主成分とする被覆部をあらかじめ形成し、
    前記貫通部の一端部側において前記管と前記貫通部内面との間を封止する封止部材を設け、かつ、前記封止部材から前記貫通部他端側に離間した仕切り部材を設けた状態に前記管を配管して、
    前記封止部材と前記仕切り部材と前記管の外面と前記貫通部内面とに囲まれ、前記被覆部を内部に有する封止空間を形成し、
    前記封止空間内に、液状の密封用樹脂を注入した後、前記密封用樹脂を硬化させる止水配管方法。
  7. 前記密封用樹脂が硬化性のウレタン樹脂である請求項6に記載の止水配管方法。
  8. 前記管が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を主成分とするポリオレフィン系樹脂層を外面に備えるものである請求項6または7に記載の止水配管方法。
JP2008317502A 2008-12-12 2008-12-12 配管施工部の止水構造および止水配管方法 Expired - Fee Related JP5265323B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008317502A JP5265323B2 (ja) 2008-12-12 2008-12-12 配管施工部の止水構造および止水配管方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008317502A JP5265323B2 (ja) 2008-12-12 2008-12-12 配管施工部の止水構造および止水配管方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010139026A true JP2010139026A (ja) 2010-06-24
JP5265323B2 JP5265323B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=42349321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008317502A Expired - Fee Related JP5265323B2 (ja) 2008-12-12 2008-12-12 配管施工部の止水構造および止水配管方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5265323B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013160347A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd シール構造
JP2016065568A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 Jfeスチール株式会社 配管貫通施工方法および配管貫通施工部材
CN109339120A (zh) * 2018-11-30 2019-02-15 中国二十冶集团有限公司 地下室群管穿墙防水处理方法
JP2020143530A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社ブリヂストン 配管施工冶具及び配管施工冶具を用いた配管敷設方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51150115A (en) * 1975-06-17 1976-12-23 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd Sealing between piping and concrete pit
JPS6244616U (ja) * 1985-08-31 1987-03-18
JPH03230715A (ja) * 1990-02-02 1991-10-14 Tokai Rubber Ind Ltd 管路口のシール構造
JP2002119608A (ja) * 2000-08-11 2002-04-23 Sekisui Chem Co Ltd 建物防火区画貫通部の耐火構造およびこの耐火構造に用いる防火区画用配管材料
JP2008274639A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 排水配管構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51150115A (en) * 1975-06-17 1976-12-23 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd Sealing between piping and concrete pit
JPS6244616U (ja) * 1985-08-31 1987-03-18
JPH03230715A (ja) * 1990-02-02 1991-10-14 Tokai Rubber Ind Ltd 管路口のシール構造
JP2002119608A (ja) * 2000-08-11 2002-04-23 Sekisui Chem Co Ltd 建物防火区画貫通部の耐火構造およびこの耐火構造に用いる防火区画用配管材料
JP2008274639A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 排水配管構造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013160347A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd シール構造
JP2016065568A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 Jfeスチール株式会社 配管貫通施工方法および配管貫通施工部材
CN109339120A (zh) * 2018-11-30 2019-02-15 中国二十冶集团有限公司 地下室群管穿墙防水处理方法
JP2020143530A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社ブリヂストン 配管施工冶具及び配管施工冶具を用いた配管敷設方法
JP7285659B2 (ja) 2019-03-07 2023-06-02 株式会社ブリヂストン 配管施工冶具及び配管施工冶具を用いた配管敷設方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5265323B2 (ja) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8683773B2 (en) System and method for leaking crack repair
JP5265323B2 (ja) 配管施工部の止水構造および止水配管方法
JP5019976B2 (ja) 止水構造及び止水工法
JP5273663B2 (ja) 防食pcストランドを用いたアンカー構造とその構築方法、および複合アンカー部材
US7003921B2 (en) Expansion joint and reinforcement connection method using the expansion joint
JP4704289B2 (ja) アンカー頭部の防食定着構造
ES2703277T3 (es) Tejido polimérico, procedimiento de fabricación y uso del mismo
KR101497228B1 (ko) 조립식 구조물 접합부의 실란트 선 충진 누수 차단 방법
JPH11350477A (ja) グラウンドアンカ―の地表側定着装置
JP5864523B2 (ja) 空隙封止構造及びその方法
JP2002242284A (ja) プレキャスト部材のシール構造
JP4953339B2 (ja) 止水構造及びその製造方法
JP5266585B2 (ja) アンカー構造、アンカーケーブル組付体、およびアンカー構造の構築方法
JP7459351B1 (ja) 水密試験方法
KR20120065619A (ko) 방수제가 충진된 방수부재
JP2011144569A (ja) セグメントのシール構造
KR101698295B1 (ko) 터널 보수보강용 준불연 패널 및 이를 이용한 터널의 보수보강 시공방법
JP2001303653A (ja) 函渠構築用弾性継手構造
JP6936708B2 (ja) 封止構造及び封止工法
JP7142060B2 (ja) 接着系アンカ及びコーキング材の施工方法
JP6173386B2 (ja) 空隙封止構造及び空隙封止方法
JP6956016B2 (ja) 既設管更生方法
RU2157474C1 (ru) Устройство и способ герметизации полости, выполненной в резиноподобном материале
WO2006133464A2 (en) Rock bolt and rock bolt shank
KR20240068280A (ko) 절곡형 차수판과 수팽창 지수형 실란트를 활용한 일체형 pc 지하구조물의 접합부 방수 시공 방법 및 구조

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees