JP2010139024A - 発電型ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた制振効果が得られ、特に建物等の大規模構造物に対する制震要素としても利用可能な有効適切な発電型ダンパーを提供する。
【解決手段】振動系に生じる振動により加振されることにより起電力を生じるとともに抵抗力を生じる発電機構2と、前記起電力による電流を制御する電気回路3とにより構成され、電気回路に流れる電流値に応じて発電機構が生じる反力を制動力として振動系に対する制振効果を得る。発電機構2は、発電機として機能して起電力を生じる第1の直流モーター2Aと、加振機として機能して反力を発生する第2の直流モーター2Bとが同期回転可能に組み合わされ、電気回路は第1の直流モーターの出力電流を増幅して第2の直流モーターに入力することにより該第2の直流モーターを駆動する電流増幅器8を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁誘導作用を利用して制振効果を得る構成の発電型ダンパー、特に建物等の大規模構造物に対する制震要素として適用可能な発電型ダンパーに関する。
この種の発電型ダンパーとしては、たとえば特許文献1に示される発電制動型ダンパや、非特許文献1に示される発電式振動抑制装置が知られている。
実開昭62−13282号公報 砂子田、大竹、松岡、「発電式振動抑制装置に関する研究」、日本機械学会論文集、2005年8月
特許文献1に示される発電制動型ダンパは、いわゆるLCR回路によって特定の周波数帯域においてダンパー効果を発揮させる(あるいは逆に特定の周波数帯域以外においてダンパー効果を発揮させる)ものであるが、特許文献1にはその原理が概念的に記載されているに過ぎない。
非特許文献1に示される発電式振動抑制装置は、特に宇宙空間での機器の微小振動の抑制を目的として、発電機の両端子間における負荷抵抗を変えることにより可変減衰力を発生させるものであるが、これをそのまま建物等の大規模構造物に適用しても十分な効果は得られないし、様々な振動系に対して広く適用できるものでもない。
そのため、この種の発電型ダンパーはその有用性が認められつつも未だ実用化されるに至っていないのが実状である。
上記事情に鑑み、本発明は優れた制振効果が得られ、特に建物等の大規模構造物に対する制震要素としても適用可能な有効適切な発電型ダンパーを実現することを目的としている。
本発明は、振動系に生じる振動により加振されることにより起電力を生じるとともに抵抗力を生じる発電機構と、前記起電力による電流を制御する電気回路とにより構成され、前記電気回路に流れる電流値に応じて前記発電機構が生じる反力を制動力として前記振動系に対する制振効果を得る構成の発電型ダンパーであって、前記発電機構は、発電機として機能して起電力を生じる第1の直流モーターと、加振機として機能して反力を発生する第2の直流モーターとが同期回転可能に組み合わされた構成とされ、前記電気回路は、前記第1の直流モーターの出力電流を増幅して前記第2の直流モーターに入力することにより該第2の直流モーターを駆動する電流増幅器を有してなることを特徴とする。
本発明によれば、2台の直流モーターに抵抗とコイルとコンデンサーと電流増幅器からなる電気回路を接続するだけで、機械振動で用いる減衰係数、ばね剛性、慣性質量を設置したのと同じ効果を発揮するダンパーとなる。
特に、発電機構を発電機として機能する第1の直流モーターと加振機として機能する第2の直流モーターとを組み合わせた構成とし、発電機(第1の直流モーター)の出力電流を電流増幅器を用いて増幅して加振機(第2の直流モーター)を駆動するようにしたので、発電機のトルク定数が小さい場合や内部抵抗が大きい場合でも、増幅した大きな電流を加振機に流せるため、加振機のトルク定数が小さくても大きな加振力を得ることができる。
そのため、本発明の発電型ダンパーは小容量の2台の直流モーターを主体としても構成できるものであり、建物等の大規模構造物を対象とする制震要素としても適用可能な小形軽量かつ安価な発電型ダンパーを実現することができる。
本発明の発電型ダンパーの実施形態を説明するに先立ち、まずその基本構成と基本原理を図4を参照して説明する。以下で説明する発電型ダンパーは本発明者が先に特願2008−107740において提供したものである。
図4(a)において符号A、Bは互いに離接する方向に相対振動する構造体であり、符号1はそれら構造体A,Bからなる振動系に対して設置された発電型ダンパーである。この発電型ダンパー1は構造体Aに対して固定された発電機構2としての直流モーター(以下、直流モーター2と記す)と、直流モーター2に付設された電気回路3と、直流モーター2に対して振動系の振動(構造体A,B間に生じる相対振動)を伝達して回転軸を回転させるための伝達機構としてのボールねじ機構4とからなる。
直流モーター2は、特許文献1や非特許文献1に示される発電機と同様に回転軸が回転させられることによって電磁誘導作用によって発電機として機能し、その際には内蔵コイルの両端子間に起電力(電圧)が生じてその起電力に応じた誘導電流が電気回路3に流れるものである。
この場合、直流モーター2に生じる起電力は回転軸の回転速度に比例するものであり、したがってその起電力はボールねじ機構4を介して直流モーター2に伝達される振動系の加振速度x・に比例するものとなる。(なお、加振速度は本来は図中に示すようにxの上部に・が付く記号で表すべきものであるが、本文中では便宜的に上記のようにx・として表すこととする。)
ボールねじ機構4はボールねじ軸5とボールナット6からなる周知の機構である。ボールねじ軸5は、その一端部が軸受け7により回転自在に支持されて構造体Aを貫通し直流モーター2の回転軸に連結され、他端部は構造体Bに形成されている貫通孔内に緩挿状態で配置され、ボールナット6はボールねじ軸5に螺合した状態で構造体Bに固定されている。
したがってこのボールねじ機構4は、構造体A,B間に互いに離接する方向の相対振動が生じた際には、ボールナット6がボールねじ軸5に対して軸方向に変位し、それによりボールねじ軸5が強制的に回転せしめられてそれに連結されている直流モーター2の回転軸が回転せしめられるようになっている。つまり、ボールねじ機構4は振動系の振動を回転運動に変換して直流モーター2に伝達するものであり、それにより直流モーター2の回転軸を強制回転させて発電機として機能せしめて起電力を生じさせるものである。
なお、ボールねじ軸5と直流モーター2との間にたとえば遊星歯車を用いた増速ギア等による適宜の増速機構を設置することにより、振動系の振動を増速して直流モーター2に伝達するようにしても良い。
電気回路3はコイルとコンデンサーと抵抗器とが直列接続されたいわゆるLCR直列回路であって、直流モーター2に起電力が生じることによって両端子間に流れる誘導電流がこの電気回路3により制御され、それにより直流モーター2が生じる反力つまりは振動系に対して制動力として作用する抵抗力Fが制御されるものである。
そして、上記の発電型ダンパーは、図4(b)に示すように、コイルのインダクタンスLに反比例するバネ剛性kを有するバネ要素と、抵抗器の抵抗値Rに反比例する減衰係数cを有する減衰要素と、コンデンサーのキャパシタンスCに比例する慣性質量ψを有する慣性質量要素を備えたダンパーと等価の特性を有するものである。
換言すれば、電気回路3を構成しているコイルのインダクタンスL、コンデンサーのキャパシタンスC、抵抗器の抵抗値Rを、直流モーター2(発電機構)の特性値として定まる係数αを用いてそれぞれ図中の関係により決定することにより、この発電型ダンパーはバネ剛性kのバネ要素、慣性質量ψの慣性質量要素、減衰係数cの減衰要素を備えたダンパーとして機能するものとなる。
このことは、慣性質量のないコンデンサーが質量効果を生み、粘性減衰をもたない抵抗器が減衰効果を生み、バネ剛性をもたないコイルが剛性を生むことを意味し、それらの電気的な要素を組み合わせただけの電気回路3を直流モーター2に接続するだけで優れた制振効果が得られるダンパー機構を構成できることになる。
ところで、上記の発電型ダンパー1は発電機構としての直流モーター2の起電力によってLCR回路電流を生じさせ、その電流から生じる直流モーター2のトルクを制動力として直接利用する方式であるので、建物等に対する制震要素として適用するような場合には直流モーター2としてトルク定数(逆起電力定数)が充分に大きくかつ内部抵抗が充分に小さいものを用いる必要があるが、そのような特性の直流モーターは容易に入手できるものではない。
すなわち、上記の発電型ダンパー1による制動力を建物等の制震要素として適用可能な程度に大きくするためには、回路電流を大きくして定格トルクを充分に大きくする必要があるが、単にトルク定数を大きくすることでは抵抗Rが過大(トルク定数をn倍にすると内部抵抗はn2倍になる)になり、減衰効果が充分に得られなくなる(上記の振動モデルにおいて説明したように減衰効果は抵抗Rに反比例する)。勿論、減衰効果を重視して内部抵抗を小さくすると、モーターの逆起電力定数やトルク定数が小さくなってしまうから充分な反力(制動力)が得られないことになる。
つまり、上記の発電型ダンパー1における直流モーター2に要求される性能としてのトルク定数と内部抵抗とは相反関係にあって、一般に市販されている汎用の直流モーターを用いることでは制震要素として要求されるトルク定数と内部抵抗の双方を同時に満足することは困難である。また、それを可能とするためには太いコイルを多数巻いた大型なモーターを用いる必要があるが、そのようなモーターは非現実的な程度に過大なサイズとなってしまう。
上記の発電型ダンパー1は以上の点で改良の余地を残しているものであり、そのため、本発明では発電機構を単一の直流モーター2により構成することに代えて2台の直流モーター2A,2Bを組み合わせる構成とし、それにより上記の問題を解決したものである。
以下、本発明の実施形態を図1を参照して説明するが、本実施形態の発電型ダンパー20は発電機構2と電気回路3以外は図4に示した基本構成をそのまま踏襲しているので、両者に共通している同一構成要素については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の発電型ダンパー20では、発電機構2を2台の直流モーター、すなわち発電機として機能して起電力を生じる第1の直流モーター2A(以下、発電機2Aと記す)と、加振機として機能して反力を発生する第2の直流モーター2B(以下、加振機2Bと記す)とにより構成し、それらを同期回転可能に組み合わせた構成としている。
双方のモーターを同期回転させるとは、回転数が同じであるばかりでなく双方のモーターの回転数が比例関係にあれば良い。また双方のモータをクラッチや変速機を介して連結しても良い。
また、本実施形態における電気回路3も基本的にはLCR回路からなるものであるが、本実施形態では発電機2Aの出力電流を増幅して加振機に入力することにより加振機を駆動するための電流増幅器8を備えている。
すなわち図2(a)に示すように電気回路3を発電機2Aに直列に設けて電流増幅器8の入力側に接続し、加振機2Bを電流増幅器8の出力側に接続し、入力側と出力側のモーター極性を合わせることとする。
電流増幅器8の具体例を図2(b)に示す。これはトランジスタ9を電流増幅素子として利用したもので、入力側の電流がトランジスタ9のエミッタとベース間に流れるとそのhFE倍の電流がエミッタとコレクタ間に流れるものであり、コレクタに電源10(図示例ではバッテリー)を接続することで出力側に入力側のhFE倍の電流を流すことができるものであり、これにより入力側の電流がわずかでも電流増幅器8を介することで出力側に接続した加振機2Bで入力側の電流に比例した大きな反力を得ることができるものとなる。
なお、hFEはトランジスタ9における電流増幅率であり、100倍以上の製品が多数市販されている。
また、図示例のように対のトランジスタ9をペアで使用しているのは、モーター回転方向によって入力側の正負極性が反転することに対応したものである。
図示例では電気回路3をLCR直列回路としているが、任意の回路でよく、図2にはその電気回路3のインピーダンスをZとして示している。
本発明の発電型ダンパー20における振動系の加振速度x・と反力(抵抗力F)の関係について説明する。
発電機2Aの起電力Eについては、起電力に関する係数K1(単位V・s/m)を用いて
Figure 2010139024
で表される。
電気回路3の電流Iは回路インピーダンスZを用いて
Figure 2010139024
で表される。
電流増幅器8により電流がβ倍(トランジスタ9の電流増幅率はhFE倍だが、ここではロスを考慮してβ倍とする)とすると、加振機2Bの電流はβIとなり、加振機2Bの抵抗力Fは、その電流βIによる電磁抵抗力に関する係数K2(単位N/A)を用いて
Figure 2010139024
となる。ここで、K1は発電機2Aの係数であり、K2は加振機2Bの係数である。発電機2Aの反力は小さいので無視している。
本発明では振動諸元との対応関係は図1にも示したように次のようになる。ここで、α=K12βは発電機構全体と反力に関する係数である。
Figure 2010139024
一方、図4に示したように単一の直流モーター2により構成した発電型ダンパー1における抵抗力Fは
Figure 2010139024
となる。ここでK1、K2’は発電機構としての単一の直流モーター2の係数である。
(1)式と(2)式を比較すると、モーターの係数が同等なら(1)式の方がβ倍(たとえば100倍程度)になるので抵抗力Fは桁違いに大きくなり、等価な振動諸元も飛躍的に大きくなる。
そのため、発電機2Aには定格電力が小さくて内部抵抗の小さいモーターを使用し、加振機2Bには定格電力が大きくトルク定数の高いものを使用することができる。つまり、発電機2A側では内部抵抗は小さく振動の時定数を設定できれば良いだけになり、大きな電流が求められないので大型のモーターは要しない。一方、加振機2B側では電源供給されているのでモーターの内部抵抗が大きくても問題にならず、発電機2A側からの入力信号(電流)を電流増幅器8で拡大して電源10からの出力信号(電流)として加振機2Bに供給すれば良いだけである。
このような本発明の方式は、加振機2B側に電源供給する必要はあるもののパッシブ型の制振といえるものであり、コンピュータで制御するアクティブ型の制振と異なり演算に伴うタイムラグ(遅れ)や誤動作は起きないものである。なお、電源10としては図2(b)に示したようにバッテリーを用いることに限らず、商用電源(100Vのコンセント)から整流した直流電源とすることもできる。
次に、図4に示した発電型ダンパー1(発電機構を単一の直流モーター2により構成したもの)と、図1に示した本発明の発電型ダンパー20(発電機構を発電機としての第1の直流モーター2Aと加振機としての第2の直流モーター2Bとにより構成したもの)を、図3(a)に振動モデルとして示すような3層建物の最下層に設置した場合の設計例を以下に示し、双方の性能を対比する。
対象建物の水平固有振動数は、1次:2.2Hz、2次:6.3Hz、3次:9.0Hzであり、1次に対する構造減衰はh=0.02とする。ここでは、3次モードの影響は小さいので1次モードと2次モードのみを対象として制御する(以下の諸元において添字1は1次モードに対応するもの、添字2は2次モードに対応するものである)。
(A)単一の直流モーター2による発電型ダンパー1の場合
発電機構として350W-24Vの直流モーターを1台のみを使用し、減速ギア比1:5とする。この場合、ギア込みのモーター重量は約10kgである。トルク定数0.076N・m/A、電機子抵抗(内部抵抗)0.13Ω、ボールねじのリードは5とする。
発電機構による係数α=K1K2’=2.3kNΩ/kineとして、次のように諸元を設定する。
ψ1=10tonとし、したがってC1=ψ1/α=44mFとする。k1’=25kN/cmとし、したがってL1=α/k1’=92mHとする。R=0.5Ωとする。
ψ2=10tonとし、したがってC2=ψ2/α=44mFとする。k2’=390kN/cmとし、したがってL2=α/k2’=5.9mHとする。
上記の場合の応答倍率を図3(b)に示す。この図から最下層に1台の発電型ダンパー1を設置するだけで1次モードだけでなく2次モードにおいても共振特性が改善されることが分かる。
なお、1次モードだけを対象とする場合にはL2とC2を省略すれば良く、その場合の応答倍率を破線で示してある。
(B)発電機2Aと加振機2Bとによる発電型ダンパー20の場合
発電機2A(第1の直流モーター)として40W-12Vを使用し、減速ギアは使用しない。このモーター重量は約1.1kgである。トルク定数0.037N・m/A、電機子抵抗(内部抵抗)0.4Ω、電流増幅器の増幅率が205倍とする。
加振機2B(第2の直流モーター)として80W-24Vを使用し、減速ギアは使用しない。このモーター重量は約1.6kgである。トルク定数0.076N・m/A、電機子抵抗(内部抵抗)0.85Ω、ボールねじのリードは10とする。
上記(A),(B)の両ケースを比較すると、(B)では発電機2Aにギアを使用せずリードが2倍なので回転数が1/10であり、トルク定数が約1/2なので起電力は約1/20となる。加振機2Bはギア使用せずリード2倍なので電流値が同じ場合での負担力が1/10となる。したがって、(B)において電流増幅しない場合においては、反力は(A)の場合に比べて約1/200となる。
しかし、電流増幅器8を用いることにより、(B)の反力(ダンパー反力)は(A)と同じになる。すなわち、同じLCR負荷回路に対して発電機構による係数α=K1K2β=2.3kNΩ/kineで(A)と同じになり、大容量の1台の直流モーターとギアを用いた(A)と、小容量の2台の直流モータを用いてギアを用いない(B)の振動モデルが同じ(等価)となり、当然ながら応答結果も同じになる。
そして、この場合において、モーターの全重量は(A)の場合には1台で約10kgであるのに対し、(B)の場合には2台でありながら約1.1kg+約1.6kg=約2.7kgに過ぎず、1/3以下と大幅に軽量化される。
また、発電機2A側に接続したLCR回路の電流は(A)の場合の1/20と小さいので、容量の小さな電気素子を用いることができ、安価に構成することができる。
以下、本発明の発電型ダンパーの効果を列挙する。
(1)2台の小容量の直流モーターに抵抗とコイルとコンデンサーと電流増幅器からなる電気回路を接続するだけで、機械振動で用いる減衰係数、ばね剛性、慣性質量を設置したのと同じ効果を発揮するダンパーとなる。
両者の関係は、発電機としての第1の直流モーター、増速ギア比、ボールねじのリード、加振機としての第2の直流モーター、電流増幅器から定まる係数αを用いて1対1に対応する。すなわち、抵抗Rと減衰係数cとはc=α/R、コイルのインダクタンスLとバネ剛性kとはk=α/L、コンデンサーのキャパシタンスCと慣性質量ψとはψ=αCの関係でそれぞれ対応しており、振動モデルはc、k、ψを電気回路のR、L、Cに置換したものと同形になる。
(2)電流増幅器を用いることで減速ギアが不要になり、ボールねじのリードを大きくしても良く、それにより機械的な抵抗(特に摩擦ロス)を小さくできる。
なお、ギア比1:nの減速ギアは電流増幅率β=n2と等価なので、ギアを併用することで増幅率を小さくすることもできる。
(3)発電機としての第1の直流モーターの逆起電力定数(トルク定数)が小さくても、電流増幅器を用いることで加振機としての第2の直流モーターにより大きな加振力を得ることができる。
特に、上記実施形態のように電流増幅回路を1段のトランジスタで増幅することのみでも100倍もの増幅倍率が得られるし、多段に増幅すれば数千倍といった大きな増幅倍率を得ることもできる。
(4)単一の直流モーターでは内部抵抗(電機子抵抗)はトルク定数の2乗に反比例するため、抵抗を小さくトルクを大きくするという両者を同時に満足させることはできず、大容量モーターを採用せざるを得なかったが、本発明によれば2台の小形軽量のモーターで良く、安価に実現できる。
(5)L、C、Rを組み合わせた任意の負荷回路に対して有効な機構であり、Rだけを負荷回路として減衰だけに機能するダンパーとすることもできる。この場合、粘性減衰cは c=(1/R)K1K2β となるので回路抵抗Rが大きくても電流増幅率βを大きくすれば、いくらでも大きな減衰定数cを得ることができ、内部抵抗の大きい安価なモータが採用可能となる。
(6)本発明で使用する部品は全て市販されている既存技術の組合せで実現でき、安価な電子部品を使用することで従来よりも安価にコンパクトなダンパーを製造できる。
(7)電子部品を用いることでその特性を可変とすることも比較的容易にできる。たとえば抵抗値を可変にするボリューム(可変抵抗器)やキャパシタンスを可変にするバリコン(可変容量器)は広く知られている。これらを使用すれば本発明の発電型ダンパーの振動特性を容易にコントロールできる。これらの調整をダンパー設置後またはメンテナンス時に行うことも容易である。特に本発明ではモーター1台だけの場合に比較して発電機側に接続されるLCR回路の電流が小さいので上記の可変素子も小さな容量で良く、比較的安価で容易に対応できる。
(8)コンピュータ制御するアクティブ型ではなくパッシブ型なので、演算によるタイムラグ(遅延)や誤動作を生じない。加振機の駆動制御はLCR回路の電流によるが、回路定数は変化しない。
本発明の実施形態である発電型ダンパーの概要を示す図である。 同、発電機構と電気回路の概要を示す図である。 同、具体的な設計例とその性能を示す図である。 本発明の発電型ダンパーの基本構成と原理を示す説明図である。
符号の説明
20 発電型ダンパー
2 発電機構
2A 第1の直流モーター(発電機)
2B 第2の直流モーター(加振機)
3 電気回路
4 ボールねじ機構(伝達機構)
5 ボールねじ軸
6 ボールナット
7 軸受け
8 電流増幅器
9 トランジスタ
10 電源(バッテリー)

Claims (1)

  1. 振動系に生じる振動により加振されることにより起電力を生じるとともに抵抗力を生じる発電機構と、前記起電力による電流を制御する電気回路とにより構成され、前記電気回路に流れる電流値に応じて前記発電機構が生じる反力を制動力として前記振動系に対する制振効果を得る構成の発電型ダンパーであって、
    前記発電機構は、発電機として機能して起電力を生じる第1の直流モーターと、加振機として機能して反力を発生する第2の直流モーターとが同期回転可能に組み合わされた構成とされ、
    前記電気回路は、前記第1の直流モーターの出力電流を増幅して前記第2の直流モーターに入力することにより該第2の直流モーターを駆動する電流増幅器を有してなることを特徴とする発電型ダンパー。
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