JP2010138876A - ポンプ設備とその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水槽に複数の立軸ポンプを設けたポンプ設備において、吸水槽に急激に水が流入した場合にも複数の立軸ポンプの段階的な排水開始を実現すること、各立軸ポンプの排水運転時間を均一化すること、並びに立軸ポンプの仕様を統一することを課題とする。
【解決手段】個々の立軸ポンプ11が、吐出弁37を閉弁状態として吐出口と吐出管23との連通を遮断し、かつ制御弁37を開弁状態とし、ケーシング22内に圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で駆動機構28により主軸25を回転させる強制気中運転と、吐出弁37を開弁状態として吐出口と吐出管23を連通させ、かつ制御弁37を閉弁状態とし、圧縮空気供給源からの圧縮空気の供給を止めた状態で駆動機構28により主軸25を回転させる通常運転とを切換可能であり、水位検出手段46の検出する吸水槽20内の水位の上昇に応じて立軸ポンプ11が強制気中運転から通常運転に順次切り替わる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプ設備とその運転方法に関するものである。
従来のポンプ設備としては、吸水槽内の水位に応じて複数の先行待機型の立軸ポンプに段階的に(順に)排水を開始させるために、複数の立軸ポンプをそれぞれ異なる高さに配置し、ポンプの羽根車位置を互いに上下方向にずらしたものが知られている(特許文献1参照)。
このポンプ設備では、複数の立軸ポンプ内の水位を個別に調整することはできない。そのため、雨水が吸水槽に急激に流入した場合、それぞれ異なる高さに配置された全ての羽根車が実質的に同時に水没し、全ての立軸ポンプが同時に排水を開始する。全ての立軸ポンプが同時に排水を開始すると、モータを含む各立軸ポンプの駆動機構へ給電する電源設備に急激な負荷変動による悪影響を及ぼす。
また、このポンプ設備では、相対的に低い位置にある立軸ポンプの排水運転時間が、相対的に高い位置にあるポンプと比較して長くなる。その結果、相対的に低い位置にあるポンプの軸受および羽根車などは、摩耗の進行が相対的に高い位置にあるポンプと比較して著しい(片減り)。片減りしたポンプの交換が必要となるので、ポンプ設備全体として、運転ができない期間が増加し、また、ポンプ交換などの手間とコストがより多くかかる。
さらに、このポンプ設備では、羽根車の設置高さを異ならせなければならないため、設備(機場)に要求される高さ方向のスペースの制約を満たすには仕様の異なる立軸ポンプを使用する必要がある。仕様の異なる立軸ポンプを複数設計するには、1種類のポンプのみを設計する場合と比較してコストが余分にかかる。
特許2136740号公報
本発明は、吸水槽に複数の立軸ポンプを設けたポンプ設備において、吸水槽に急激に水が流入した場合にも複数の立軸ポンプの段階的な排水開始を実現すること、各立軸ポンプの排水運転時間を均一化すること、並びに立軸ポンプの仕様を統一することを課題とする。
本発明の第1の態様は、上流側から水が流入する吸水槽と、前記吸水槽に開口する吸込口を有する吸込ベルを下端側に備える一方、吐出管に接続された吐出口を上端側に備えるケーシングと、前記ケーシング内の前記吸込口より上方に位置する羽根車と、前記羽根車が固定された主軸と、前記主軸を回転駆動する駆動機構とをそれぞれ有する複数の立軸ポンプと、個々の前記立軸ポンプの前記吐出口と前記吐出管との間にそれぞれ配設された複数の吐出弁と、個々の前記立軸ポンプの前記吸込ベルに制御弁が配設された空気流路を介してそれぞれ接続された複数の圧縮空気供給源と、前記吸水槽内の水位を検出する水位検出手段とを備え、個々の前記立軸ポンプは、前記吐出弁を閉弁状態として前記吐出口と前記吐出管との連通を遮断し、かつ前記制御弁を開弁状態とし、前記ケーシング内に前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる強制気中運転と、前記吐出弁を開弁状態として前記吐出口と前記吐出管を連通させ、かつ前記制御弁を閉弁状態とし、前記圧縮空気供給源からの前記圧縮空気の供給を止めた状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる通常運転とを切換可能であり、前記水位検出手段の検出する前記吸水槽内の水位の上昇に応じて、前記複数の立軸ポンプが前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替わることを特徴とするポンプ設備を提供する。
この構成よれば、複数の立軸ポンプを備えるポンプ設備の各立軸ポンプが、圧縮空気供給源からの圧縮空気をケーシング内部へ充填した状態での強制気中運転と、圧縮空気供給源からの圧縮空気をケーシング内部へ供給停止した状態での通常運転とを切替可能である。また、水位検出手段の検出する吸水槽内の水位の上昇に応じて、複数の立軸ポンプを所望の順番で強制気中運転から通常運転に切り替わる。各立軸ポンプ内の水位は強制気中運転から通常運転への切り替えで調整できるので、吸水槽に水が急激に流入した場合でも、複数の立軸ポンプ(例えば、全ての立軸ポンプ)の羽根車が同時に水没して運転排水を開始することがなく、複数の立軸ポンプは1台ずつ段階的に(順に)排水を開始する。吸水槽に水が急激に流入した場合でも、複数の立軸ポンプの段階的な排水開始を実現できるので、駆動機構へ給電する電源設備に対して急激な負荷変動に起因する悪影響がない。
前記立軸ポンプを前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替える順序を予め定められた期間毎に並べ替えることが好ましい。
仮に複数の立軸ポンプが吸水槽内の水位の上昇に応じて強制気中運転から通常運転に切り替わる順序が一定ないし不変であると、例えば最初に強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ(吸水槽内が低水位のときに強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ)は頻繁に排水を行うのに対し、最後に強制気中運転から通常排水運転に切り替わる立軸ポンプ(吸水槽内が高水位のときに強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ)は排水を実行する頻度が低くなる。その結果、最初に強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ部品の摩耗の進行は、他の立軸ポンプと比較して著しくなる。つまり、片減りが起こる。しかし、強制気中運転から通常運転に切り替える順序を予め定められた期間ごとに並べ替えることで、ある一定期間での各立軸ポンプの排水運転時間を均一化でき、片減りを解消できる。その結果、立軸ポンプの交換の間隔を長くすることができ、手間とコストを抑えることができる。
具体的には、前記複数の立軸ポンプは、前記吸込ベルの吸込口が同一水平面上に設けられ、かつ、前記羽根車が前記吸込口から同じ高さに設けられ、前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記吸込口よりも低い予め設定された待機水位にあることを検出すると、全ての前記複数の立軸ポンプが運転を開始するとともに、全ての前記複数の立軸ポンプの前記吐出弁が閉弁し、前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記吸込口と同じ高さに到達したことを検出すると、全ての前記立軸ポンプが前記強制気中運転を開始し、前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記複数の立軸ポンプのそれぞれに対応して予め設定された複数の異なる到達水位のうちの1つに到達したことを検出すると、前記到達水位に対応する前記立軸ポンプが前記強制気中運転から前記通常運転へ切り替わることが好ましい。
この構成によれば、複数の立軸ポンプの吸込口及び羽根車の位置が同一であり、複数の立軸ポンプとして同一の仕様のものを使用できる。つまり、複数の立軸ポンプの仕様を統一できる。従って、立軸ポンプを個別に設計する必要がなくなり、ポンプ設備全体としてのコストを抑えることができる。
具体的には、前記圧縮空気供給源は前記吸込ベルに設けられた外側と内側を貫通する貫通孔と前記空気流路により接続された前記圧縮空気を貯留する空気タンクと、前記空気タンクに前記圧縮空気を供給するコンプレッサとを備えることが好ましい。
前記立軸ポンプの吸込ベルが、前記貫通孔が設けられた下向きに開口した上部吸込ベルと、前記上部吸込ベルの内側に間隔をあけて配設され、その下端側先端部が前記上部吸込ベルの下端側先端部より下方側に位置している、下向きに開口した下部吸込ベルとからなり、かつ、前記上部吸込ベルと前記下部吸込ベルとの間に、前記羽根車より下方の前記立軸ポンプのケーシングの内部と前記ケーシングの外部とを連通させる流路が形成されたものであってもよい。
この構成により、各立軸ポンプの排水時の運転状態は、通常排水運転とエアロック運転の2種類となり、ハンチング運転も気水混合運転もない先行待機運転を実現できる。これにより、立軸ポンプに悪影響を及ぼす振動を減少させることができ、立軸ポンプひいてはポンプ設備の寿命を延ばすことができる。
前記立軸ポンプが、前記空気タンクから分岐し、前記ケーシング内部の立軸ポンプの主軸の軸受手段と連通する送風用管路と、前記送風用管路に設けられた流量計と、前記流量計よりも前記空気タンク側で前記送風用管路の途中から分岐し、前記ポンプの吐出エルボ内と接続している検出用管路と、前記検出用管路に設けられた差圧計とを備え、前記流量計により検出された空気流量と、前記差圧計により検出された差圧とに基づいて前記軸受手段の異常発生の有無を診断する軸受診断装置をさらに備えてもよい。軸受診断装置を設けた場合、空気タンク内の圧縮空気を一部利用し、軸受とポンプの主軸との間の隙間に供給される空気流量と、空気供給圧とポンプの吐出圧との差圧に基づいて軸受の異常発生を判定するので、簡易な構成で正確で信頼性の高い異常の判定が可能である。
本発明の第2の態様は、上流側から水が流入する吸水槽と、前記吸水槽に開口する吸込口を有する吸込ベルを下端側に備える一方、吐出管に接続された吐出口を上端側に備えるケーシングと、前記ケーシング内の前記吸込口より上方に位置する羽根車と、前記羽根車が固定された主軸と、前記主軸を回転駆動する駆動機構とをそれぞれ有する複数の立軸ポンプと、個々の前記立軸ポンプの前記吐出口と前記吐出管との間にそれぞれ配設された複数の吐出弁と、個々の前記立軸ポンプの前記吸込ベルに制御弁が配設された空気流路を介してそれぞれ接続された複数の圧縮空気供給源と、前記吸水槽内の水位を検出する水位検出手段とを設け、個々の前記立軸ポンプは、前記吐出弁を閉弁状態として前記吐出口と前記吐出管との連通を遮断し、かつ前記制御弁を開弁状態とし、前記ケーシング内に前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる強制気中運転と、前記吐出弁を開弁状態として前記吐出口と前記吐出管を連通させ、かつ前記制御弁を閉弁状態とし、前記圧縮空気供給源からの前記圧縮空気の供給を止めた状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる通常運転とを切換可能であり、前記水位検出手段の検出する前記吸水槽内の水位の上昇に応じて、前記複数の立軸ポンプを前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替えることを特徴とするポンプ設備の運転方法である。
本発明のポンプ設備によれば、吸水槽に急激な水が流入した場合にも複数の立軸ポンプの段階的な排水開始の実現により、個々の立軸ポンプの駆動機構に給電する電源設備に対して急激な負荷変動に起因する悪影響が及ぶのを防止できる。また、各立軸ポンプの排水運転時間を均一化できるので、立軸ポンプの交換の間隔が長くなり、手間とコストを抑えることができる。さらに、複数の立軸ポンプの仕様を統一することができるため、立軸ポンプを個別に設計する必要がなくなり、ポンプ設備全体としてのコストを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1に、本発明にかかるポンプ設備10を示す。ポンプ設備10は、仕様が同一の複数(本実施形態では3台)の先行待機型立軸ポンプ(以下、単にポンプという)11A〜11Cを備えている。各ポンプ11A〜11Cは、空気タンク12、コンプレッサ13、軸受診断装置14、圧縮空気供給管路15、圧縮空気充填管路16、送風用管路17、検出用管路18、制御装置19及び吸水槽20を備えている。コンプレッサ13及び空気タンク12は圧縮空気供給源を、圧縮空気供給管路15及び圧縮空気充填管路16は空気流路を構成している。ポンプ11A〜11Cを特に区別する必要のない場合、単に、ポンプ11と表記する。
ポンプ11Aは、図示しない流入側(上流側)管路から排水ポンプ場の吸水槽20内に流入する雨水等の水を下流側に排水するためのものであり、鉛直方向に延びるケーシング22を備えている。ケーシング22は、直管状の揚水管22a、揚水管22aの下端に連結されたポンプケーシング22b、及び揚水管22aの上端に連結されて鉛直方向から水平方向に湾曲した吐出エルボ22cを備えている。吐出エルボ22cには吐出弁29を介して吐出管23が連結されている。ポンプケーシング22内に羽根車24が配設されている。この羽根車24が下端に固定されている主軸25は鉛直方向に延びてケーシング22の外部に突出している。主軸25は、ラジアル軸受として機能する無注水軸受(軸受手段)26,27(以下、単に軸受という)に支持されている。軸受26はポンプケーシング22bの内面から突出するリブ26aに取り付けられ、軸受27は揚水管22aの内面から突出するリブ27aに取り付けられている。主軸25の上端側は概略的に示すモータ、減速機構等からなる駆動機構28に連結されている。
ポンプケーシング22bの下端側、すなわちケーシング22の最下部には、上部吸込ベル31と下部吸込ベル32が設けられている。まず、上部吸込ベル31は、下向きに開口しており、その上端側がポンプケーシング22bの下端側に連結されている。また、上部吸込ベル31は上端から下端に向けて拡径しており、下端側先端部31aが水平方向に延びている。
上部吸込ベル31の内側に、上下両端が開口した下部吸込ベル32が配設されている。下部吸込ベル32は、その外周面が上部吸込ベル31の内周面に対して間隔をあけて配置されており、両者はいわば二重構造の吸込ベルを構成している。上部吸込ベル31と同様に、下部吸込ベル32は上端から下端に向けて拡径しており、下端側先端部32aが水平方向に延びている。この吸込ベル32の下端側先端部32aは、上部吸込ベル31の下端側先端部31aよりも下方側に位置している。従って、上部吸込ベル31の下端側先端部31aの下面31bと、下部吸込ベル32の下端側先端部32aの下面32bとの間には、高低差αがある(図9から図11参照)。
前記のように上部吸込ベル31に対して下部吸込ベル32が間隔をあけて配置されているので、上部吸込ベル31の内周面と下部吸込ベル32の外周面との間に、断面が円環状の流路33が形成されている。この流路33は、上端側開口33aが上部吸込ベル31内に位置し、下端側開口33bが上部吸込ベル31及び下部吸込ベル32の下端側先端部31a,32aにより形成されている。従って、流路33によって、羽根車24より下方のケーシング22の内部と、ケーシング22の外部とが互いに連通している。図2に示すように、上部吸込ベル31と下部吸込ベル32とを連結するリブ35を設けることにより、上部吸込ベル31に対して下部吸込ベル32を固定している。上部吸込ベル31の側面には、連結されたリブ35の鉛直方向の幅の範囲内にケーシング22の内側と外側を水平方向に貫通する貫通孔36が設けられている。下部吸込ベル32の上端付近には、貫通孔36より供給される圧縮空気をケーシング22内部へより素早く充填できるようにする複数の貫通孔38が設けられている。また、貫通孔36、リブ35の内部及び貫通孔38を貫通させた流路を設けて圧縮空気充填管路16と接続してもよい。
ポンプ11A〜11Cは、吸込ベル31の吸込口が同一水平面上に設けられ、かつ、羽根車24が吸込口から同じ高さに設けられている。
空気タンク12は、コンプレッサ13から供給される圧縮空気を貯留している。空気タンク12は、ポンプ11の上部吸込ベル31の貫通孔36と圧縮空気充填管路16により制御弁37を介して接続されている。
コンプレッサ13は、空気タンク12と圧縮空気供給管路15により逆止弁39を介して接続されている。
制御装置19は、複数のポンプ11の圧縮空気充填管路16の制御弁37、ポンプ11の吐出弁29及び吸水槽20に設けられた水位計(水位検出手段)46と接続されている。この制御装置19により、制御弁37及びポンプ11の吐出弁29の開閉が吸水槽20の水位計46の検出値に応じて制御される。
図3は、ポンプ11の流量−揚程曲線(H−Q曲線)の一例を効率η及び動力Lと共に示している。図3において、横軸は最適流量Qoptに対する流量Qの割合(Q/Qopt)であり、縦軸は最適揚程Hoptに対する揚程Hの割合(H/Hopt)である。Q/Qoptが約0.6〜1.2の範囲は定格運転域、Q/Qoptが約1.2以上は過大流領域、Q/Qoptが約0.6以下は部分流領域である。
次に、本発明にかかるポンプ設備10の運転方法について、例えば、図1に示すように、複数のポンプ11がA,B,Cの3台で、ABCの順に運転させる場合を説明する。他には、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAの順に運転することも考えられるが、ポンプの運転開始の順番が異なる点を除いて動作は同様であるので一例のみを示す。
吸水槽20の水位計46が、吸水槽20の水位がWL1(上部吸込ベル31の下端開口(吸込口)と同じ高さ(WL3)よりも低い予め設定された待機水位であり、吸水槽20内に水がない状態でもよい。)にあることを検出すると、その検出値を制御装置19に送信する。制御装置19は、複数のポンプ11A〜11Cに作動信号を送信し、運転を開始する。ポンプ11A〜11Cのポンプケーシング22b内には水が存在しないので羽根車24A〜24Cは空気中で回転する(空転運転)。制御装置19は、複数のポンプ11A〜11Cの吐出弁29A〜29Cにも作動信号を送信し、吐出弁29A〜29Cを閉弁する。
吸水槽20の水位が、WL1以上WL3未満にある場合には、全てのポンプ11A〜11Cの圧縮空気充填管路16A〜16Cの制御弁37A〜37Cは閉弁した状態を維持し、ポンプ11A〜11Cの全てに空気が送り込まれないようにする。(前回のポンプ11A〜11Cの運転終了時、全てのポンプ11A〜11Cの圧縮空気充填管路16A〜16Cの制御弁37A〜37Cは閉弁した状態であるため、ここでは特に何も行われない。)全てのポンプ11A〜11Cの吐出弁29A〜29Cは閉弁した状態を維持している。
図4に示すように、吸水槽20の水位計46が、吸水槽20の水位がWL3に到達したことを検出すると、その検出値を制御装置19に送信する。制御装置19は、複数のポンプ11A〜11C全てに作動信号を送信し、圧縮空気充填管路16A〜16Cの制御弁37A〜37Cを全て開弁する。これにより、ポンプ11A〜11Cの上部吸込ベル31A〜31Cの貫通孔36A〜36Cを通じて、空気タンク12A〜12Cの圧縮空気をケーシング22A〜22Cの内部へ送り込まれる。全てのポンプ11A〜11Cの吐出弁29A〜29Cは閉弁した状態を維持している。ここでは、この状態での運転、すなわち吐出弁29を閉弁状態として吐出口と吐出管23との連通を遮断し、かつ制御弁37を開弁状態とし、ケーシング22内に圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で駆動機構28により主軸25を回転させる運転を強制気中運転とよぶ。
吸水槽20の水位が、WL3以上WL4(1台目のポンプ(この例では11A)が排水を開始する、ケーシング22内の羽根車24より上方の排水開始水位)未満にある場合には、ポンプ11A〜11Cのケーシング22A〜22C内の上部吸込ベル31A〜31Cの下端開口から吐出エルボ22c先端の吐出弁29A〜29Cまで、圧縮空気が満たされている。
図5に示すように、吸水槽20の水位計46が、吸水槽20の水位がWL4に到達したことを検出すると、その検出値を制御装置19に送信する。制御装置19は、ポンプ11Aに作動信号を送信し、圧縮空気充填管路16Aの制御弁37Aを閉弁するとともに、ポンプ11Aの吐出弁29Aを開弁する。これらにより、ポンプ11Aに圧縮空気を送り込むことを停止すると、水が羽根車24より上に到達するのでポンプ11Aの揚水及び排水が開始される(通常運転)。
吸水槽20の水位がWL4以上WL5(2台目のポンプ(この例では11B)が排水を開始するWL4より上方で隣接した排水開始水位)未満にある場合には、ポンプ11Aのみが通常運転を行い、ポンプ11B,11Cは強制気中運転を継続している。
図6に示すように、吸水槽20の水位計46が、吸水槽20の水位がWL5に到達したことを検出すると、その検出値を制御装置19に送信する。制御装置19は、ポンプ11Bに作動信号を送信し、圧縮空気充填管路16Bの制御弁37Bを閉弁するとともに、ポンプ11Bの吐出弁29Bを開弁する。これらにより、ポンプ11Bに圧縮空気を送り込むことを停止するので、ポンプ11Bの揚水及び排水が開始される。
吸水槽20の水位がWL5以上WL6(3台目のポンプ(この例では11C)が排水を開始するWL5より上方で隣接した排水開始水位)未満にある場合には、ポンプ11A,11Bが通常運転を行い、ポンプ11Cは強制気中運転を継続している。
図7に示すように、吸水槽20の水位計46が、吸水槽20の水位がWL6に到達したことを検出すると、その検出値を制御装置19に送信する。制御装置19は、ポンプ11Cに作動信号を送信し、圧縮空気充填管路16Cの制御弁37Cを閉弁するとともに、ポンプ11Cの吐出弁29Cを開弁する。これらにより、ポンプ11Cに圧縮空気を送り込むことを停止するので、ポンプ11Cの揚水及び排水が開始される。
吸水槽20の水位がWL6以上である場合には、全てのポンプ11A〜11Cが通常運転を行っている。
図8から図12を参照して、1台のポンプ11の状態について吸水槽20の水位との関係で説明する。図8の状態8−1に示すように吸水槽20内の水位がケーシング22内の羽根車24より上方の排水水位WL4以上の高さにあるときには、羽根車24の回転によりケーシング22内に吸い上げられた水は吐出管23内に吐出される(通常運転)。この排水水位WL4以上の高さでの通常運転におけるポンプ11の運転状態は、定格運転域A又は過大流領域C(図3参照)である。定格運転域Aであれば、図9に示すように、下部吸込ベル32の下端開口から水が吸い上げられるが、上部吸込ベル31と下部吸込ベル32の間の流路33からの水の流入はない。一方、過大流領域Cであれば、図10に示すように、下部吸込ベル32の下端開口と流路33の下端開口33bの両方からケーシング22内に水が吸い上げられる。いずれにしても排水水位WL4以上の高さでの通常運転時には流路33の下端開口33bは水没しているので、流路33からケーシング22内への空気の流入はない。排水水位WL4以上の高さから水位が低下しても、上部吸込ベル31の下端側先端部31aの下面31bと対応する高さの水位WL3(後述するように、この水位はエアロック運転後の再排水開始水位である。)に達するまでは、定格運転域A又は過大流量域Cでの通常運転が維持される。
状態8−2に示すように、水位WL3まで水位が低下すると、ポンプ11の運転状態は部分流領域B(図3参照)となる。そのため、図11に示すように羽根車24からの逆流水が流路33の上端開口33aから下端開口33bを経てケーシング22の外部に流出する。この流路33を通る逆流水があるために、流路33からケーシング22内へ空気が流入せず、通常運転が維持される。
さらに、通常排水運転から後述するエアロック運転に移行するまでの水位域では、羽根車24から逆流して流路33を介してケーシング22の外部に流れる水により、流路33内に蓄積されたごみ等はケーシング外が流し出される。すなわち、逆流水によって流路33が自動的に洗浄される。
水位WL3から上部吸込ベル31と下部吸込ベル32の高低差αに相当する分の水位低下があり、下部吸込ベル32の下端側先端部32aの下面32bに対応する水位(排水停止水位WL2)に達すると、状態8−3に示すように、水面付近から下部吸込ベル32の下端開口を介してケーシング22内の羽根車24よりも下方の領域に空気が多量かつ瞬間的に吸い込まれる。その結果、状態8−4に示すように、ケーシング22内の羽根車24よりも下方の領域に空気だまり64が形成され、羽根車24の上方には水柱65が形成される(エアロック運転)。エアロック運転時には、図12に示すように、流路33の下端開口33bから吸い込まれた少量の空気が上端開口33aより空気だまり64に流入する。この空気だまり64への空気供給により、エアロック運転が維持される。
吸水槽20内の水位が排水停止水位WL2から上昇し、状態8−5に示すように上部吸込ベル31の下端側先端部31aの下面31bと対応する位置(再排水開始水位WL3)まで上昇すると、流路33の下端開口33bが水で閉じられるので流路33を介した空気の流入が停止し、かつ羽根車24による揚水が再開して通常排水運転となる。
以上のように説明したポンプ11では、上部吸込ベル31の下端側先端部31aの下面31bと対応する水位WL3まで水位が低下すると、羽根車24からの逆流水が流路33を通ってケーシング22の内部から外部へ流れる。従って、この水位域では流路33を介したケーシング22内への空気の流入は生じない。また、下部吸込ベル32の下端側先端部32aの下面32bと対応する排水停止水位WL2まで水位が低下すると、下部吸込ベル32から水面付近の空気が多量かつ瞬間的にケーシング22内に吸い込まれて空気だまり64が形成され、この空気だまり64には、流路33を介して空気が流入するのでエアロック運転が維持される。さらに、水位が上部吸込ベル31の下端側先端部31aの下面31bと対応する再排水開始水位WL3まで上昇すると、流路33が水によって閉鎖されるのでケーシング22内への空気の流入が停止し、排水が再開される。換言すれば、エアロック運転時には流路33を介してケーシング22内に空気が流入するが、エアロック運転への移行前後の水位域では流路33は水で閉鎖されるので、ケーシング22内への空気の流入はない。従って、ポンプ11の運転状態は、通常排水運転とエアロック運転の2種類であり、エアロック運転と、通常排水運転が極めて短時間に繰り返されるハンチング運転も気水混合排水運転もない先行待機運転を実現することができる。
次に、上述したポンプ11を複数使用した本発明にかかるポンプ設備10において、揚水開始後に吸水槽20の水位が低下する場合には、全てのポンプ11A〜11Cについて、直前の最高水位での全てのポンプ11A〜11Cの状態をそれぞれそのまま維持させる。
揚水開始後に吸水槽20の水位がWL2の高さより低くならない位置まで低下し、再度水位が上昇する場合には、吸水槽20の水位が任意のポンプ11Xに対して予め設定された排水開始水位より下方にあっても、直前の最高水位でのそのポンプ11Xの状態を維持させている点を除いては、ポンプ設備10の動作は前記説明と同様である。
揚水開始後に吸水槽20の水位がWL2の高さより低くなる位置まで低下し、再度水位が上昇する場合には、WL2の高さより低くならない吸水槽20の水位までの低下及びWL2の水位からの上昇は上述した通りである。また、吸水槽20の水位がWL2の高さより低くなり再度水位が上昇しても前記ポンプ11の使用により、全てのポンプ11A〜11Cが、同様に、上述したような通常排水運転又はエアロック運転のいずれかの運転を行うのみである。その結果、ポンプ11にハンチング運転及び気水混合排水運転させることを回避できる。
また、本発明にかかるポンプ設備10において、揚水開始後に吸水槽20の水位が低下する場合、予め設定された水位に対応させてポンプ11A〜11Cを順番に停止させてもよい。
本実施形態の立軸ポンプ設備10には、以下の効果がある。
この構成よれば、複数の立軸ポンプ11を備えるポンプ設備10の各立軸ポンプ11が、圧縮空気供給源からの圧縮空気をケーシング22内部へ充填した状態での強制気中運転と、圧縮空気供給源からの圧縮空気をケーシング22内部へ供給停止した状態での通常運転とを切替可能である。また、水位検出手段46の検出する吸水槽20内の水位の上昇に応じて、複数の立軸ポンプ11を所望の順番で強制気中運転から通常運転に切り替わる。各立軸ポンプ11内の水位は強制気中運転から通常運転への切り替えで調整できるので、吸水槽20に水が急激に流入した場合でも、複数の立軸ポンプ11(例えば、全ての立軸ポンプ11)の羽根車24が同時に水没して運転排水を開始することがなく、複数の立軸ポンプ11は1台ずつ段階的に(順に)排水を開始する。吸水槽20に水が急激に流入した場合でも、複数の立軸ポンプ11の段階的な排水開始を実現できるので、駆動機構28へ給電する電源設備に対して急激な負荷変動に起因する悪影響がない。
つまり、吸水槽20に急激な水が流入した場合にも複数の立軸ポンプ11の段階的な排水開始の実現により、個々の立軸ポンプ11の駆動機構28に給電する電源設備に対して急激な負荷変動に起因する悪影響が及ぶのを防止できる。
仮に複数の立軸ポンプ11が吸水槽20内の水位の上昇に応じて強制気中運転から通常運転に切り替わる順序が一定ないし不変であると、例えば最初に強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ(吸水槽20内が低水位のときに強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ11)は頻繁に排水を行うのに対し、最後に強制気中運転から通常排水運転に切り替わる立軸ポンプ11(吸水槽20内が高水位のときに強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ11)は排水を実行する頻度が低くなる。その結果、最初に強制気中運転から通常運転に切り替わる立軸ポンプ11の軸受26,27および羽根車24などの部品の摩耗の進行は、他の立軸ポンプ11と比較して著しくなる。つまり、片減りが起こる。しかし、強制気中運転から通常運転に切り替える順序を予め定められた期間ごとに並べ替えることで、ある一定期間での各立軸ポンプ11の排水運転時間を均一化でき、片減りを解消できる。その結果、立軸ポンプ11の交換の間隔を長くすることができ、手間とコストを抑えることができる。
つまり、各立軸ポンプ11の排水運転時間を均一化できるので、立軸ポンプ11の交換の間隔が長くなり、手間とコストを抑えることができる。
この構成によれば、複数の立軸ポンプ11の吸込口及び羽根車24の位置が同一であり、複数の立軸ポンプ11として同一の仕様のものを使用できる。つまり、複数の立軸ポンプ11の仕様を統一できる。従って、立軸ポンプ11を個別に設計する必要がなくなり、ポンプ設備10全体としてのコストを抑えることができる。
次に、ポンプ11の軸受26,27及びその軸受26,27の軸受診断装置14について説明する。
2つの軸受26,27は同一構造であるので、図13及び図14をさらに参照して軸受27について説明する。軸受27は両端開口の軸受ケーシング51を備え、この軸受ケーシング51がリブ27aに固定されている。軸受ケーシング51内には、主軸25の軸受方向に配列された2個の軸受体52a,52bを備えている。各軸受体52a,52bは軸受ケーシング51の内周壁に固定された両端開口の円筒状のシェル53と、このシェル53の内周面側に取り付けられたセグメント状の複数の摺動体54とを備えている。シェル53は、例えばステンレス、銅合金、合成樹脂等からなる。また、摺動体54は樹脂や金属材料からなる。軸受ケーシング51の両端には軸受体52a,52bを内部に保持するための円環状の端部プレート55a,55bが取り付けられている。
軸受体52a,52bは主軸25の軸線方向に間隔をあけて配置されているので、軸受ケーシング51内には軸受体52a,52b間に円筒状の空気室56が形成されている。軸受ケーシング51を貫通する空気孔51aが設けられており、この空気孔51aによって空気室56が軸受27の外部と連通している。
軸受診断装置14は、ポンプ11の軸受27、送風用管路17、検出用管路18、流量計43及び差圧計44からなっている。
送風用管路17は、空気タンク12の出口から軸受27の空気室56に接続されている。送風用管路17には、空気流量を検出するための流量計43が設けられている。また、送風用管路17には、逆止弁58が設けられている。この逆止弁58を開閉することで、送風用管路17を連通又は遮断できる。
検出用管路18は、流量計43よりも空気タンク12側で送風用管路17の途中から分岐し、ポンプ11の吐出エルボ22c内と接続している。検出用管路18には、差圧計44が設けられている。差圧計44により空気タンク12の空気供給圧とポンプ11の吐出圧との差圧が検出される。
図1の制御装置19は、逆止弁58A〜58C等を制御する機能と、流量計43A〜43C及び差圧計44A〜44Cからの信号に基づいて無注水軸受27A〜27Cの摺動体54の異常発生を診断する機能もさらに有している。
続いて、本発明にかかるポンプ設備10の軸受27A〜27Cの異常検出の原理を説明する。コンプレッサ13から供給される圧縮空気は送風用管路17A〜17Cを介して軸受27A〜27Cの空気室56A〜56Cに供給される。空気室56A〜56Cに供給された空気は、各摺動体54と主軸25の外周面との間の僅かな隙間及び互いに隣接する摺動体54間の隙間57a(以下、これらを併せて軸受27A〜27Cと主軸25A〜25Cとの間の隙間57という。)を通ってケーシング22内に流出し、吐出エルボ22cへ排出される。この軸受27A〜27Cと主軸25A〜25Cとの間の隙間57A〜57Cを流れる空気の流量は、流量計43A〜43Cにより検出される送風用管路17A〜17Cを流れる空気流量と対応している。一方、圧縮空気供給源13から供給される圧縮空気供給圧とポンプ11の吐出圧との差圧が差圧計44により検出される。
ここで流量計43A〜43Cにより検出される空気流量と差圧計44により検出される差圧との間には、図15に示すような関係がある。図15において、a1は摺動体54と主軸25の隙間57が設計値である場合、a2は摺動体54の磨耗により摺動体54と主軸25の隙間57がある程度拡大している場合、a3は摺動体54の磨耗により摺動体54と主軸25の隙間57が摺動体54の交換を要する程度まで拡大している場合、a4は摺動体54が破損している場合を示している。差圧が増加すると空気流量も増加する点はa1〜a4のいずれの場合も同様であるが、差圧が同一の値である場合を比較するとa4、a3、a2、a1の順で空気流量が大きい。従って、図15のa3に対応する空気流量を第1の閾値として設定しておけば、流量計43A〜43Cによって計測された空気流量をこの第1の閾値と比較することで、交換を有する程度の摺動体54の磨耗を判定することができる。また、図15のa4に対応する空気流量を第2の閾値に設定しておけば、流量計43A〜43Cによって計測された空気流量をこの閾値と比較することで、摺動体54の損傷を判定することができる。
例えば、軸受27Aについて磨耗や破損を診断する場合には、逆止弁58Aを開弁し、空気タンク12Aから送風用管路17Aを介して軸受27Aと主軸25Aの隙間57Aに圧縮された空気を導入しておく。そして、制御装置19は、流量計43Aにより検出される送風用管路17Aを流れる空気量と、差圧計44Aにより検出される差圧とを比較する。図15において、差圧計44により検出される差圧がdP1であるとき、制御装置19は流量計43Aにより検出される空気流量が第1の閾値FTH1を上回れば交換が必要な程度まで摺動体54の磨耗が進行していると判定し、第2の閾値FTH2を上回れば摺動体54が破損していると判定する。
制御装置19は、流量計43A〜43Cにより検出される空気流量と差圧計44A〜44Cにより検出される差圧に基づいて軸受27A〜27Cの異常発生を判定するので、温度センサで検出した軸受温度や、振動センサで検出した振動に基づいて間接的に異常発生を判定する場合と比較して、正確に判定が可能となる。詳細には、温度センサとして熱電対を使用すると断線による異常信号の発生や故障の可能性が高いが、流量計43A〜43Cと差圧計44A〜44Cを使用することで異常信号発生や故障の可能性を低減することができる。
図16はポンプ11の流量と吐出圧(揚程)の関係(H−Q曲線)を示している。F1以上の流量域は、吸水槽20内の水位が羽根車24より上方にある通常排水運転状態である。この通常排水運転状態では、吸水槽20内から吸い上げられた水のみが吐出エルボ22cから吐出される。流量及び吐出圧の両方が零である点b0はいわゆるエアロック運転であり、ケーシング22内の羽根車24より下方の領域に空気だまりが形成され、羽根車24より上方の領域には水柱が形成される。このエアロック運転状態では空気だまりから水柱へ気泡が上昇するので、激しい振動が発生する。F1未満の流量域は吸水槽20内の水位が羽根車24にまで達しない気水混合運転状態であるが、上述したように本発明にかかるポンプ設備10のポンプ11は、気水混合運転状態を回避できる。
前記エアロック運転状態では、軸受27A〜27Cに異常が発生しているか否かにかかわらず気体の混入により振動が発生するので、振動センサでは軸受の異常を正確に判定することは困難である。しかし、本実施形態では、差圧計44A〜44Cにより計測された差圧と流量計43A〜43Cにより検出された空気流量とに基づいて異常を判定するので、激しい振動の発生しているエアロック運転状態であっても、軸受27A〜27Cの異常を正確に判定することができる。また、送風用管路17を通じて圧縮空気を送風することにより、軸受27A〜27Cの冷却及び清掃をすることもできる。
図16を参照すると、点b1は通常排水運転状態でありポンプ11の吐出圧はP1である。このときの空気供給圧CP1は、吐出圧P1よりも所望の差圧dPの分だけ大きく設定する必要がある。従って、制御装置19はポンプ11の吐出圧に応じて圧縮空気供給源13からの空気供給圧を調整することが好ましい。例えば、制御装置19は、差圧計44の検出する差圧が常に一定となるように、圧縮空気供給源13からの空気供給圧を調整する。
これまで本発明を実施形態にしたがって説明してきたが、本発明は実施形態のものに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、吸水槽20の水位がWL6以上になり、ポンプ11A〜11Cに加えてさらに別のポンプが必要となることが想定される場合には、予め所望の台数のポンプを増設しておくことができる。
本発明にかかるポンプ設備を示す図。 図1のII−II線断面図。 ポンプの流量−揚程曲線を示す図。 吸水槽の水位がWL3に到達したときのポンプ設備の状態を示す図。 吸水槽の水位がWL4に到達したときのポンプ設備の状態を示す図。 吸水槽の水位がWL5に到達したときのポンプ設備の状態を示す図。 吸水槽の水位がWL6に到達したときのポンプ設備の状態を示す図。 立軸ポンプの運転状態の推移を示す概略図。 定格運転域での上部及び下部吸込ベル中の水の流れを示す部分断面図。 過大流量域での上部及び下部吸込ベル中の水の流れを示す部分断面図。 部分流量域での上部及び下部吸込ベル中の水の流れを示す部分断面図。 エアロック運転時の上部及び下部吸込ベルにおける空気の流れを示す部分断面図。 無注水軸受を示す縦断面図。 図13のXIV−XIV線での断面図。 差圧と空気流量の関係を概略的に示す線図。 立軸ポンプの流量と吐出圧の関係を概略的に示す線図。
符号の説明
10 ポンプ設備
11 立軸ポンプ
12 空気タンク
13 圧縮空気供給源
14 軸受診断装置
15 圧縮空気供給管路
16 圧縮空気充填管路
17 送風用管路
18 検出用管路
19 制御装置
20 吸水槽
22 ケーシング
22a 揚水管
22b ポンプケーシング
22c 吐出エルボ
23 吐出管
24 羽根車
25 主軸
26,27 軸受(軸受手段)
26a,27a リブ
28 駆動機構
29 吐出弁
31 上部吸込ベル
31a,32a 下端側先端部
31b,32b 下面
32 下部吸込ベル
33 流路
33a 上端側開口
33b 下端側開口
35 リブ
36 貫通孔
37 制御弁
38 貫通孔
39 逆止弁
43 流量計
44 差圧計
46 水位計(水位検出手段)
51 軸受ケーシング
51a 空気孔
52a,52b軸受体
53 シェル
54 摺動体
55a,55b 端部プレート
56 空気室
58 逆止弁
64 空気だまり
65 水柱

Claims (7)

  1. 上流側から水が流入する吸水槽と、
    前記吸水槽に開口する吸込口を有する吸込ベルを下端側に備える一方、吐出管に接続された吐出口を上端側に備えるケーシングと、前記ケーシング内の前記吸込口より上方に位置する羽根車と、前記羽根車が固定された主軸と、前記主軸を回転駆動する駆動機構とをそれぞれ有する複数の立軸ポンプと、
    個々の前記立軸ポンプの前記吐出口と前記吐出管との間にそれぞれ配設された複数の吐出弁と、
    個々の前記立軸ポンプの前記吸込ベルに制御弁が配設された空気流路を介してそれぞれ接続された複数の圧縮空気供給源と、
    前記吸水槽内の水位を検出する水位検出手段と
    を備え、
    個々の前記立軸ポンプは、
    前記吐出弁を閉弁状態として前記吐出口と前記吐出管との連通を遮断し、かつ前記制御弁を開弁状態とし、前記ケーシング内に前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる強制気中運転と、
    前記吐出弁を開弁状態として前記吐出口と前記吐出管を連通させ、かつ前記制御弁を閉弁状態とし、前記圧縮空気供給源からの前記圧縮空気の供給を止めた状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる通常運転と
    を切換可能であり、
    前記水位検出手段の検出する前記吸水槽内の水位の上昇に応じて、前記複数の立軸ポンプが前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替わることを特徴とする、ポンプ設備。
  2. 前記立軸ポンプを前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替える順序を予め定められた期間毎に並べ替えることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ設備。
  3. 前記複数の立軸ポンプは、前記吸込ベルの吸込口が同一水平面上に設けられ、かつ、前記羽根車が前記吸込口から同じ高さに設けられ、
    前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記吸込口よりも低い予め設定された待機水位にあることを検出すると、全ての前記複数の立軸ポンプが運転を開始するとともに、全ての前記複数の立軸ポンプの前記吐出弁が閉弁し、
    前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記吸込口と同じ高さに到達したことを検出すると、全ての前記立軸ポンプが前記強制気中運転を開始し、
    前記水位検出手段が、前記吸水槽の水位が前記複数の立軸ポンプのそれぞれに対応して予め設定された複数の異なる到達水位のうちの1つに到達したことを検出すると、前記到達水位に対応する前記立軸ポンプが前記強制気中運転から前記通常運転へ切り替わることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポンプ設備。
  4. 前記圧縮空気供給源は前記吸込ベルに設けられた外側と内側を貫通する貫通孔と前記空気流路により接続された前記圧縮空気を貯留する空気タンクと、前記空気タンクに前記圧縮空気を供給するコンプレッサとを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のポンプ設備。
  5. 前記立軸ポンプの吸込ベルが、前記貫通孔が設けられた下向きに開口した上部吸込ベルと、前記上部吸込ベルの内側に間隔をあけて配設され、その下端側先端部が前記上部吸込ベルの下端側先端部より下方側に位置している、下向きに開口した下部吸込ベルとからなり、かつ、前記上部吸込ベルと前記下部吸込ベルとの間に、前記羽根車より下方の前記立軸ポンプのケーシングの内部と前記ケーシングの外部とを連通させる流路が形成されたものであることを特徴とする請求項4に記載のポンプ設備。
  6. 前記立軸ポンプが、前記空気タンクから分岐し、前記ケーシング内部の立軸ポンプの主軸の軸受手段と連通する送風用管路と、前記送風用管路に設けられた流量計と、前記流量計よりも前記空気タンク側で前記送風用管路の途中から分岐し、前記ポンプの吐出エルボ内と接続している検出用管路と、前記検出用管路に設けられた差圧計とを備え、前記流量計により検出された空気流量と、前記差圧計により検出された差圧とに基づいて前記軸受手段の異常発生の有無を診断する軸受診断装置をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のポンプ設備。
  7. 上流側から水が流入する吸水槽と、
    前記吸水槽に開口する吸込口を有する吸込ベルを下端側に備える一方、吐出管に接続された吐出口を上端側に備えるケーシングと、前記ケーシング内の前記吸込口より上方に位置する羽根車と、前記羽根車が固定された主軸と、前記主軸を回転駆動する駆動機構とをそれぞれ有する複数の立軸ポンプと、
    個々の前記立軸ポンプの前記吐出口と前記吐出管との間にそれぞれ配設された複数の吐出弁と、
    個々の前記立軸ポンプの前記吸込ベルに制御弁が配設された空気流路を介してそれぞれ接続された複数の圧縮空気供給源と、
    前記吸水槽内の水位を検出する水位検出手段と
    を設け、
    個々の前記立軸ポンプは、
    前記吐出弁を閉弁状態として前記吐出口と前記吐出管との連通を遮断し、かつ前記制御弁を開弁状態とし、前記ケーシング内に前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を充填した状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる強制気中運転と、
    前記吐出弁を開弁状態として前記吐出口と前記吐出管を連通させ、かつ前記制御弁を閉弁状態とし、前記圧縮空気供給源からの前記圧縮空気の供給を止めた状態で前記駆動機構により前記主軸を回転させる通常運転と
    を切換可能であり、
    前記水位検出手段の検出する前記吸水槽内の水位の上昇に応じて、前記複数の立軸ポンプを前記強制気中運転から前記通常運転に順次切り替えることを特徴とする、ポンプ設備の運転方法。
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