JP2010138840A - 燃焼室および直接噴射式ディーゼルエンジン - Google Patents

燃焼室および直接噴射式ディーゼルエンジン Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、半径方向に沿って噴射される燃料噴霧の勢いを妨げることなく、この燃料噴霧に早期に着火させることで、燃焼効率の良い燃焼室を提供する。
【解決手段】燃焼室10は、トロイダル状の周壁11と、ピストン1の頂面Tを越えない高さの中央突部13が形成された底壁12とを備える。中央突部13は、上部円錐面131と、中部円錐台側面132と、下部円錐台側面133と、基部曲面134とを備える。中部円錐台側面132は、主噴口21から噴射される主燃料Fの噴霧中心F1Cに平行な母線を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ピストンの頂部に凹設される燃焼室およびこの燃焼室を備える直接噴射式ディーゼルエンジンに関する。
直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、空気と燃料の混合を促進させて黒煙の発生を抑えるために、形状を改善した燃焼室が特許文献1に記載されている。この燃焼室は、ピストンの頂部に設けられている。燃料噴射ノズルは、ピストンの中心線上に配置されている。燃料噴射ノズルは、ピストンの半径に沿う方向へ燃料を噴射する噴口を先端に複数有し、ピストンの中心線から放射状に燃料を噴射する。燃焼室の中央部の空気を有効に利用するために、この燃焼室は、燃料噴射ノズルに向けて大きく突出した突起を底壁の中央部に備えている。燃料噴射ノズルの噴口は、燃焼室のこの突起を避けて燃料を噴射するように開口している。
また、ピストンの中心線から半径に沿う方向へ燃料を噴射する噴口に加えてピストンの中心線に沿って燃料を噴射する噴口を備えた燃料噴射ノズルを有する内燃機関が、特許文献2に記載されている。この内燃機関の燃焼室は、底壁の中央部にカルデラ状の凹部を有している。中心線に沿って開口した噴口から噴射された燃料噴霧は、半径方向に開口する噴口から噴射された燃料噴霧よりも早く、燃焼室の凹部に到達して着火される。凹部で着火された燃料噴霧は、火炎となって凹部の表面に沿って吹き上がり、半径方向に噴射された燃料噴霧を着火させる。
実用新案登録第2571792号公報 特開平5−141243号公報
しかしながら、特許文献1に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室と燃料噴射ノズルでは、燃料が燃料噴霧となって燃焼室内に攪拌されてから着火されて短時間に燃焼が進むため、燃焼温度も高く、着火による騒音(燃焼音)が発生する。
また、特許文献2に記載された内燃機関の燃焼室と燃料噴射ノズルでは、ピストンの中心線に沿って噴射された燃料噴霧が火炎となって吹き上がる。その燃料噴霧の勢いは、凹部に沿って変向され、半径方向に噴射された燃料噴霧の勢いを妨げる。そのため、燃焼室内の燃料噴霧の攪拌を抑制してしまい、燃焼効率が低下してしまう恐れがある。
そこで、本発明は、半径方向に沿って噴射される燃料噴霧の勢いを妨げることなく、この燃料噴霧に早期に着火させることで、燃焼効率の良い燃焼室を提供するとともに、その燃焼室を備えることで燃費や排気ガス成分が改善された直接噴射式ディーゼルエンジンを提供する。
本発明に係る燃焼室は、直接噴射式ディーゼルエンジンのピストンの中心線上からこのピストンの半径に沿う方向へ主燃料を噴射する複数の主噴口およびピストンの中心線に沿う方向へ副燃料を噴射する副噴口を有した燃料噴射ノズルに対応して形成されることを前提としている。この燃焼室は、主燃料が霧化する位置に設けられたトロイダル状の周壁と、ピストンの頂面を越えない高さの中央突部が形成された底壁とを備える。中央突部は、中部円錐台側面と、上部円錐面と、下部円錐台側面と、基部曲面とを備える。中部円錐台側面は、主燃料の噴霧中心に平行な母線で形成される。上部円錐面は、中部円錐台側面の上縁に接合され、ピストンの中心線に沿って燃料噴射ノズルの方向へ突出し、中部円錐台側面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度よりも頂点におけるピストンの中心線に対する角度が大きい母線で形成される。下部円錐台側面は、中部円錐台側面の下縁に接合され、中部円錐台側面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度よりも頂点におけるピストンの中心線に対する角度が小さい母線で形成される。基部曲面は、下部円錐台側面の下縁から下方に延びて底壁に滑らかに接合される。ここで、「頂点の角度」とは、各母線によって形成される円錐面の鋭角側の角度を意味する。
この場合、中央突部の上部円錐面は、副燃料の拡散方向を、主燃料の噴霧中心に対して鋭角に交差する方向へ変向する。または、中央突部の上部円錐面は、副燃料が上部円錐面に到達する距離よりも遠い距離で、副燃料を主燃料に接触させる。また、副燃料の噴霧の外形に沿う直線が上部円錐面で反射した後で主燃料の噴霧中心と交差する位置は、燃焼室の内側に設定する。
本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンは、ピストンの頂部に凹設された燃焼室と、このピストンの中心線上に配置されて燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備える。燃料噴射ノズルは、主噴口と副噴口とを備える。主噴口は、複数設けられ、ピストンの中心線上からピストンの半径に沿う方向へ主燃料を噴射する。副噴口は、ピストンの中心線に沿う方向へ副燃料を噴射する。主燃料の噴射中心は、副燃料の噴霧中心に対して鋭角を成すように設定する。燃焼室は、トロイダル状の周壁と、底壁とを備える。周壁は、主燃料が霧化する位置に設ける。底壁は、ピストンの頂面を越えない高さの中央突部が形成される。この中央突部は、中部円錐台側面と上部円錐面と下部円錐台側面と基部曲面とを備える。中部円錐台側面は、主燃料の噴霧中心に平行な母線で形成される。上部円錐面は、中部円錐台側面の上縁に接合され、ピストンの中心線に沿って燃料噴射ノズルの方向へ突出し、中部円錐台側面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度よりも頂点におけるピストンの中心線に対する角度が大きい母線で形成される。下部円錐台側面は、中部円錐台側面の下縁に接合され、中部円錐台側面の母線よりも頂点の角度が小さい母線で形成される。基部曲面は、下部円錐台側面の下縁から下方に延び、底壁に滑らかに接合する。
この場合、燃料噴射ノズルの一つの主噴口から噴射される主燃料の量と副噴口から噴射される副燃料の量との噴射量比率は、4対1にする。
本発明に係る燃焼室および直接噴射式ディーゼルエンジンによれば、燃料噴射ノズルの主噴口から噴射された主燃料が燃焼室の周壁に到達する前に、燃料噴射ノズルの副噴口から噴射された副燃料が中央突部の上部円錐面に到達して着火される。そして、副噴口から噴射されて着火された燃料噴霧の火炎は、上部円錐面によって変向されて、主燃料に接触して燃え移る。この結果、通常よりも早い段階で主燃料に着火させることができる。
また、副燃料は、上部円錐面によって拡散方向が変向される。上部円錐面は、燃料噴射ノズルに向かって突出し、中部円錐台側面よりも母線の頂点における角度が大きい。したがって、上部円錐面で変向された後の副燃料の噴霧中心のベクトルは、主燃料の噴霧中心のベクトルに対して、鋭角に交差する。つまり、主燃料は、勢いを妨げられることなく、燃焼室に拡散される。このとき、主燃料は、燃焼室の周壁に到達する前に、既に着火した副燃料と接触することによって、着火されている。
このように、燃焼室の周壁に到達するまでに主燃料の燃焼が促進される。また、燃焼室に中央突部を備えているので、筒内の空気も効率よく利用することができるようになる。その結果、排気ガス中のNOx量や煤量などを低減でき、排出成分が改善される。主燃料が早期に着火されるので、いわゆるパイロット噴射による効果と同様の効果を得ることができる。また、早期に着火されることで燃焼室内に置ける燃え広がり方が緩やかになるため、燃焼音の音量も小さく抑えることができる。主燃料の噴霧中心に対して平行な母線で形成された中部円錐台側面を中央突部が有しているので、中央突部の近傍の空気も燃焼に取り入れることができ、燃焼効率が向上する。
また、中央突部の上部円錐面が、主燃料に対して交差する方向へ副燃料の拡散方向を変向する発明の燃焼室によれば、副燃料が、主燃料よりも早い段階で着火される。そしてその着火された副燃料の火炎が主燃料に燃え移ることで、主燃料がそのまま着火するよりも早く燃焼し始める。
また、中央突部の上部円錐面が、副燃料が上部円錐面に到達する距離よりも遠い距離で、副燃料を主燃料に接触させる発明の燃焼室によれば、上記効果に加え、主燃料がピストンの半径方向へ拡がる勢いを副燃料の勢いで減衰させてしまうことがない。その結果、燃焼室内の燃料噴霧の拡散が円滑に進み、燃焼効率が向上する。
または、副燃料の外形に沿う直線が上部円錐面で反射した後、主燃料の噴霧中心と交差する位置が、燃焼室の内側に設定されている発明の燃焼室によれば、副噴口から噴射されて早い時期に着火される副燃料が、主燃料に対して確実に燃焼室内で火炎を燃え移らせることができる。したがって主燃料が燃焼室の周壁に到達するよりも早い段階で主燃料に着火させることができる。また、燃焼室内における火炎の広がりが安定し、燃焼音の音量も小さくなる。
本発明に係る一実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100のピストン1に設けられる燃焼室10は、図1から図6を参照して説明する。ピストン1の頂部1aをその中心線Cに沿って断面にした斜視図を図1に示す。燃焼室10は、いわゆるリエントラント形の燃焼室であって、ピストン1の頂面Tに凹設されている。
また、この直接噴射式ディーゼルエンジン100の燃料噴射ノズル20は、図2に示すように、ピストン1の中心線C上に配置され、燃焼室10に向かって燃料を噴射する。この燃料噴射ノズル20は、図2に示すように、先端部に主噴口21と副噴口22とを有している。主噴口21は、図6に示すように、ピストン1の中心線Cに対して等配に、複数、本実施形態では4つ、設けられ、ピストン1の半径に沿う方向へ主燃料Fを噴射する。副噴口22は、図2および図3に示すように、ピストン1の中心線Cに沿う方向へ副燃料Fを噴射する。主噴口21が開口する角度、いわゆる噴口角θは、主燃料Fの噴霧中心F1Cが副燃料Fの噴霧中心F2Cに対して、鋭角を成すよう設定されている。
燃焼室10は、図2に示すように、トロイダル状の周壁11と、この周壁11となだらかにつながる底壁12とを有している。周壁11は、主燃料Fが霧化した直後の位置に設けられる。周壁11の上部11aは、ピストン1の頂面Tに対して鋭角に、図2中の中心線Cに対して半径Dの円筒面と頂面Tとが交わる位置で接続されている。底壁12は、ピストン1の頂面Tを越えない高さの中央突部13を有している。
中央突部13は、少なくとも3つの円錐側面を組み合わせた形状であり、ピストン1の頂面Tに近い側から上部円錐面131、中部円錐台側面132、下部円錐台側面133を有している。中央突部13は、上部円錐面131と中部円錐台側面132、および、中部円錐台側面132と下部円錐台側面133がそれぞれ外側に向かって凸状の鈍角に接合された形状である。具体的に説明すると、中部円錐台側面132は、燃料噴射ノズル20の主噴口21から噴出される主燃料Fの噴霧中心F1Cに平行な母線によって形成されている。
上部円錐面131は、中部円錐台側面132の上縁(図2中の中心線Cに対して半径D、頂面Tからの深さTの位置)に接合され、ピストン1の中心線Cに沿って燃料噴射ノズル20側へ突出している。上部円錐面131は、中部円錐台側面132の母線の頂点Aにおける中心線Cに対する角度βよりも頂点Aにおける中心線Cに対する角度αが大きい母線によって形成されている。具体的な数値として、角度αは140〜100度の範囲が望ましい。
下部円錐台側面133は、中部円錐台側面132の下縁(図2中の中心線Cに対して半径D、頂面Tからの深さTの位置)に接合され、中部円錐台側面132の母線の頂点Aにおける中心線Cに対する角度βよりも頂点Aにおける中心線Cに対する角度γが小さい母線によって形成されている。下部円錐台側面133の下縁(図2中の中心線Cに対して半径D、頂面Tからの深さTの位置)は、基部曲面134に接続されている。基部曲面134は、下部円錐台側面133の下縁から下方に延びており、底壁12になだらかに接合される。
中央突部13の頂点は、上部円錐面131の頂点Aである。頂面Tから燃焼室10の深さ方向に頂点Aの位置をTとし、深さ方向をマイナスにとると、T>T>T>T>Tである。また、ピストン1の中心線Cを基準に取ると半径方向にD>D>D>Dである。なお、燃焼室10の容積などの条件によっては、D=Dであっても良い。
なお、主燃料Fは、主噴口21から噴射されると同時に霧化し始めるため、図4に示すように、燃料噴霧Mとしてのある程度の広がり角F1Mを有している。したがって、中部円錐台側面132は、主燃料Fの噴霧中心F1Cに対して平行な母線によって形成されていることが好ましいが、この広がり角F1Mの範囲内であれば、主燃料Fの噴霧中心F1Cに対して平行な位置からずれていても、同じ効果を発揮できるものである。具体的には、主燃料Fの噴霧中心F1Cに対して±10°の傾きが生じていても許容される。
上部円錐面131は、図4に示すように、主燃料Fの噴霧中心F1CのベクトルF1Bに対して鋭角に交差するように、上部円錐面131に副燃料Fの拡散方向のベクトルF2Bを変向する。そのために上部円錐面131の頂点Aの角度αは、図3に示すように、副燃料Fの燃料噴霧Mの外形に沿う直線F2Mが上部円錐面131で反射した後、主燃料Fの噴霧中心F1Cと交差する位置Pが、燃焼室10の内側になるように設定されている。この結果、図4および図5に示すように、副燃料Fが上部円錐面131に到達する距離よりも遠い距離で、副噴口22から噴射されて上部円錐面131で変向された燃料噴霧Mは、主燃料Fと接触する。
燃料噴射ノズル20の副噴口22の主な役割は、燃焼室10の中央部に滞留する空気を有効に利用するとともに、主噴口21から噴射される主燃料Fが燃焼室10の周壁11に到達されるよりも早い段階で火種を形成し、主燃料Fに着火することにある。副噴口22から噴射される副燃料Fは、着火しやすくするために主噴口21から噴射される主燃料Fよりも噴射直後の粒径が小さくなるように噴射されることが好ましい。そこで、燃料噴射ノズル20の主噴口21の口径よりも副噴口22の口径を小さくする。具体的には、主噴口21の一つから噴射される主燃料Fの量と副噴口22から噴射される副燃料Fの量との噴射量比率を4:1に設定する。
なお、この比率は主噴口21の数によらない。したがって、例えば、主噴口21の数を6つ設けた場合にも、一つの主噴口21から噴射される主燃料Fの量と副噴口22から噴射される副燃料Fの量との噴射量比率は、4:1である。副噴口22からの噴射量を増やす場合は、上部円錐面131の頂点Aにおける角度を小さくすればよい。
以上のように構成された燃焼室10は、図4に示すように、主噴口21および副噴口22から同時に主燃料Fおよび副燃料Fを噴射する。主噴口21から噴射された主燃料Fは、ピストン1の半径方向に拡散されていく。副噴口22から噴射された副燃料Fは、燃料噴霧Mとなって中央突部13の上部円錐面131に当たり、拡散方向のベクトルF2Bを変向される。
副噴口22から噴射された副燃料Fは、粒径が小さいので噴射されるとすぐに空気と混合して着火する。なお、図4および図5において、主燃料Fおよび副燃料Fの着火された範囲はハッチングを施して示す。図4に示すように、拡散方向が変向された副燃料Fの火炎は、主噴口21から噴射された主燃料Fに接触する。このとき、主燃料Fの噴霧中心F1CのベクトルF1Bに対して副燃料Fの拡散方向のベクトルF2Bは、ピストン1の中心線Cに対して遠心方向に鋭角に交差する。したがって、主燃料Fの燃料噴霧Mは、副燃料Fの燃料噴霧Mに減衰されずに燃焼室10の周壁11に到達する。周壁11に到達した燃料噴霧Mは、図6に示すように、噴霧中心F1Cから周方向に両側へ拡散される。
以上のように、着火された副燃料Fに接触されたことによって、主燃料Fは、燃焼室10の周壁11に到達する前に着火される。主燃料Fのみが噴射された場合に比べて早い段階で着火されるので、燃焼室10の周壁11に到達するまでに主燃料Fの燃焼が促進される。また、副噴口22から噴射される副燃料Fによって、燃料噴射ノズル20と中央突部13との間の空間に滞留する空気が燃焼されるので、燃焼室10全体の燃焼効率が向上する。その結果、排気ガスの排出成分も改善される。主燃料Fが早期に着火されるので、いわゆるパイロット噴射と同等の効果が得られる。また、主燃料Fが燃焼室10の周壁11に到達する前に早い段階で着火されることで燃料噴霧Mが拡散されるにつれて緩やかに燃え広がっていくので、燃焼時に発生する燃焼音の音量も低く抑えることができる。
なお、上記実施形態において中央突部13の中部円錐台側面132は、主噴口21から噴射された主燃料Fの噴霧中心F1Cに対して平行な母線によって形成されることとしている。主燃料Fは、副燃料Fと接触することで、拡散方向のベクトルF1Bを変向されることも考えられる。したがって、中央突部13の中部円錐台側面132は、主噴口21から噴射された主燃料Fの噴霧中心F1Cにおける拡散方向のベクトルF1Bと、副噴口22から噴射された副燃料Fが上部円錐面131によって変向された後の拡散方向のベクトルF2Bとの、合成ベクトルと平行な母線によって形成されても良い。もしくは、中部円錐台側面132は、主燃料Fの噴霧中心F1Cによる拡散方向のベクトルF1Bが、上部円錐面131によって変向された副燃料Fの拡散方向のベクトルF2Bによって変向された後のベクトルに対して平行な母線によって形成されていても良い。
本発明に係る一実施形態の燃焼室が頂部に形成されたピストンの中心線を通る断面を示した斜視図。 図1に示した燃焼室の断面図。 図2に示した燃焼室の中央突部と燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴射角度とを示す断面図。 図3に示した燃焼室に主噴口および副噴口から噴射された燃料噴霧が拡散する様子を模式的に示す断面図。 図4に示した燃焼室に副噴口から噴射された燃料噴霧が主噴口から噴射された燃料噴霧と交差し、火炎が燃え移る様子を模式的に示す断面図。 図1に示した燃焼室に燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧が拡散する様子を模式的に示す平面図。
符号の説明
1…ピストン、1a…頂部、10…燃焼室、11…周壁、12…底壁、13…中央突部、20…燃料噴射ノズル、21…主噴口、22…副噴口、100…直接噴射式ディーゼルエンジン、131…上部円錐面、132…中部円錐台側面、133…下部円錐台側面、134…基部曲面、A…(上部円錐面の母線の)頂点、A…(中部円錐台側面の母線の)頂点、A…(下部円錐台側面の母線の)頂点、C…(ピストンの)中心線、F…主燃料、F…副燃料、F1C…(主燃料の)噴霧中心、F2M…副燃料の噴霧の外形に沿う直線、T…頂面、α…上部円錐面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度、β…中部円錐台側面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度、γ…下部円錐台側面の母線の頂点におけるピストンの中心線に対する角度。

Claims (6)

  1. 直接噴射式ディーゼルエンジンのピストンの中心線上からこのピストンの半径に沿う方向へ主燃料を噴射する複数の主噴口および前記中心線に沿う方向へ副燃料を噴射する副噴口を有した燃料噴射ノズルに対応して形成された燃焼室であって、
    前記主燃料が霧化する位置に設けられたトロイダル状の周壁と、
    前記ピストンの頂面を越えない高さの中央突部が形成された底壁とを備え、
    前記中央突部は、
    前記主燃料の噴霧中心に平行な母線で形成される中部円錐台側面と、
    前記中部円錐台側面の上縁に接合され前記中心線に沿って前記燃料噴射ノズルの方向へ突出し前記中部円錐台側面の母線の頂点における前記中心線に対する角度よりも頂点における前記中心線に対する角度が大きい母線で形成される上部円錐面と、
    前記中部円錐台側面の下縁に接合され前記中部円錐台側面の母線の頂点における前記中心線に対する角度よりも頂点における前記中心線に対する角度が小さい母線で形成される下部円錐台側面と、
    前記下部円錐台側面の下縁から下方に延びて前記底壁に滑らかに接合される基部曲面と
    を備えることを特徴とする燃焼室。
  2. 請求項1に記載された燃焼室において、
    前記中央突部の前記上部円錐面は、前記副燃料の拡散方向を前記主燃料の噴霧中心に対して鋭角に交差する方向へ変向することを特徴とする。
  3. 請求項1に記載された燃焼室において、
    前記中央突部の前記上部円錐面は、前記副燃料が前記上部円錐面に到達する距離よりも遠い距離で、前記副燃料を前記主燃料に接触させることを特徴とする。
  4. 請求項1に記載された燃焼室において、
    前記副燃料の噴霧の外形に沿う直線が前記上部円錐面で反射した後、前記主燃料の噴霧中心と交差する位置は、前記燃焼室の内側に設定されていることを特徴とする。
  5. ピストンの頂部に凹設された燃焼室と、このピストンの中心線上に配置されて前記燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズルとを備える直接噴射式ディーゼルエンジンであって、
    前記燃料噴射ノズルは、
    前記中心線上から前記ピストンの半径に沿う方向へ主燃料を噴射する複数の主噴口と、
    前記中心線に沿う方向へ副燃料を噴射する副噴口とを備え、
    前記副燃料の噴霧中心に対して前記主燃料の噴射中心が鋭角を成すように設定され、
    前記燃焼室は、
    前記主燃料が霧化する位置に設けられるトロイダル状の周壁と、
    前記ピストンの頂面を越えない高さの中央突部が形成された底壁とを備え、
    前記中央突部は、
    前記主燃料の噴霧中心に平行な母線で形成される中部円錐台側面と、
    前記中部円錐台側面の上縁に接合され前記中心線に沿って前記燃料噴射ノズルの方向へ突出し前記中部円錐台側面の母線の頂点における前記中心線に対する角度よりも頂点における前記中心線に対する角度が大きい母線で形成される上部円錐面と、
    前記中部円錐台側面の下縁に接合され前記中部円錐台側面の母線の頂点における前記中心線に対する角度よりも頂点における前記中心線に対する角度が小さい母線で形成される下部円錐台側面と、
    前記下部円錐台側面の下縁から下方に延びて前記底壁に滑らかに接合される基部曲面とを備える
    ことを特徴とする直接噴射式ディーゼルエンジン。
  6. 請求項5に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、
    前記燃料噴射ノズルの前記主噴口の一つから噴射される前記主燃料の量と前記副噴口から噴射される前記副燃料の量との噴射量比率は、4対1であることを特徴とする。
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