JP2010138022A - 多孔質シリカ粒子、その製造方法及び該多孔質シリカ粒子からなるコンポジット材料 - Google Patents

多孔質シリカ粒子、その製造方法及び該多孔質シリカ粒子からなるコンポジット材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 コンポジット材料の充填材として有用な多孔質シリカ粒子を提供する。
【手段】 内部に粒子間空隙構造を有する多孔質シリカ粒子であって、該多孔質シリカ粒子の平均粒子径(PD)が0.5〜50μm、比表面積が10〜100m2/gであり、更に該多孔質シリカ粒子が下記1)〜3)の要件を満たすものであることを特徴とする多孔質シリカ粒子。
1)細孔容積が0.10〜0.25cc/gの範囲
2)細孔径分布(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)におけるピーク値の細孔径(D1)が、20〜100nmの範囲
3)(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の70%以上
【選択図】 図1

Description

本発明はコンポジット材料の充填材として有用な多孔質シリカ粒子及びその製造方法に関する。
シリカ微粒子を噴霧乾燥することにより微粒子の集合体を調製する技術は公知であり、例えば、特許文献1(特開昭61−270201号)には、平均粒子径250nm以下の一次粒子を含むコロイド液を噴霧乾燥することにより平均粒子径1〜20μmの無機シリカ粒子を調製する技術が開示されている。
また、特許文献2(特開2002−160907号)には、コロイド液を噴霧乾燥して得られた微粒子集合体に更に酸化物層を被覆することにより、平均粒子径が2〜250nmである無機シリカ微粒子が集まった平均粒子径が1〜100μmである無機シリカ微粒子集合体と、これを被覆する酸化物系層とからなる球状多孔質粒子が開示されている。
特開昭61−270201号 特開2002−160907号
本発明はコンポジット材料の充填材として有用な、内部に粒子間空隙構造を有し、細孔径の均一性が高い多孔質シリカ粒子を提供することを目的とする。
本出願の第1の発明は、内部に粒子間空隙構造を有する多孔質シリカ粒子であって、該多孔質シリカ粒子の平均粒子径(PD)が0.5〜50μm、比表面積が10〜100m2/gであり、更に該多孔質シリカ粒子が下記1)〜3)の要件を満たすものであることを特徴とする多孔質シリカ粒子である。
1)細孔容積が0.10〜0.25cc/gの範囲
2)細孔径分布(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)におけるピーク値の細孔径(D1)が、20〜100nmの範囲
3)D1×0.75〜D1×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の70%以上
本出願の第2の発明は前記多孔質シリカ粒子が、平均粒子径(D)50〜300nm、真球度0.9〜1の範囲、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある球状シリカ微粒子であって、粒子径分布が単分散相を示す球状シリカ微粒子が集合した球状集合体からなることを特徴とする前記多孔質シリカ粒子である。
本出願の第3の発明は、前記多孔質シリカ粒子の空隙率が5〜50%の範囲にあることを特徴とする前記多孔質シリカ粒子である。
本出願の第4の発明は、前記球状シリカ微粒子の粒子径分布が、単分散相を示すものであることを特徴とする前記多孔質シリカ粒子である。
本出願の第5の発明は、下記の(A)、(B)及び(C)の各工程を含む多孔質シリカ粒子の製造方法である。
(A): 平均粒子径50〜300nmの球状シリカ微粒子の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離し、粒子径変動係数(CV値)を2〜10%の範囲に調整することにより粒子径分布が単分散な球状シリカ微粒子分散液とする工程
(B): 前工程の処理を行った球状シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状シリカ微粒子集合体を調製する工程
(C): 前工程で得られた球状シリカ微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
本出願の第6の発明は、前記(A)、(B)及び(C)工程に続いて、次の(D)、(E)および(F)工程を行うことを特徴とする前記多孔質シリカ粒子の製造方法である。
(D): 前工程に続いて、該球状シリカ微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、球状シリカ微粒子集合体の分散液を調製する工程
(E): 前工程で調製した球状シリカ微粒子集合体の分散液に、次のi)またはii)を添加することにより該球状シリカ微粒子集合体を表面処理する工程
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基
またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
(F): 前工程に続いて、球状シリカ微粒子集合体の分散液から、球状シリカ微粒子集合体を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、100〜300℃で加熱処理する工程
本出願の第7の発明は、前記(B)工程で使用する噴霧液が、球状シリカ微粒子の他に珪酸液を含むものであることを特徴とする前記多孔質シリカ粒子の製造方法である。
本出願の第8の発明は、前記多孔質シリカ粒子からなるコンポジット材料。
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、内部に粒子間空隙構造を有するものであって、特に細孔径の均一性が高いものである。このため粒子にかかる力が分散し、強度が高く、樹脂等のバインダー成分と混合した際、崩壊しにくい。また、使用するシリカゾルの粒子径により特定の細孔径を有する多孔質シリカを製造することができ、バインダー成分や、用途に合わせた製造が可能などの効果が得られる。
1.多孔質シリカ粒子
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、内部に粒子間空隙構造を有する多孔質シリカ粒子であって、該多孔質シリカ粒子の平均粒子径(PD)が0.5〜50μm、比表面積が10〜100m2/gであり、更に該多孔質シリカ粒子が下記1)〜3)の要件を満たすものであることを特徴とするものである。
1)細孔容積が0.10〜0.25cc/gの範囲
2)細孔径分布(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)におけるピーク値の細孔径(D1)が、20〜100nmの範囲
3)(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の70%以上
前記粒子間空隙構造は、通常、粒子の自己集積および/または自己組織化により構成されるものであり、本発明の多孔質シリカ粒子は、平均粒子径50〜300nm、真球度0.9〜1の範囲にあり、粒子径の均一性の高いる球状シリカ微粒子が集合してなる球状集合体からなるものである。
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、特に粒子間空隙構造を有し、細孔容積が最大となる細孔径(D1)20〜100の範囲であり、更に(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の70%以上であることにより、分散担持効果、反応選択性付与の効果が促進されるものである。これについては、細孔を形成する粒子の形状が真球状で、かつ、粒子径が均一であり、形成される細孔も、細孔径が均一で、分散した状態で存在することが原因するものと推察される。
本発明に係る多孔質シリカ粒子の平均粒子径については、0.5〜50μmの範囲が好ましい。後で述べる本発明の製造方法によれば、この範囲であれば、球状で均一な多孔質シリカ粒子を得ることが可能である。平均粒子径が0.5μm未満の多孔質シリカ粒子については、本発明の製造方法によれば、調製することが容易ではない。平均粒子径が50μmを超える場合は、本発明の製造方法によれば、異形粒子が発生し易くなるため望ましくない。なお、多孔質シリカ粒子の平均粒子径については、好適には5〜30μmの範囲が推奨される。前記多孔質シリカ粒子の平均粒子径については、遠心沈降法により測定されるものであり、具体的な測定方法については、実施例の[1B]「遠心沈降法による平均粒子径の測定方法」に記した。
本発明に係る多孔質シリカ粒子の比表面積については、10〜100m2/gの範囲が好ましい。比表面積が10m2/g未満の場合は、コンポジット材料にするために有機樹脂と混合する際に、有機樹脂が細孔内に充分に侵入できない場合があるため、有機樹脂への多孔質シリカ粒子の添加が容易ではない場合がある。また、得られるコンポジット材料の強度を低下させる場合がある。比表面積が100m2/gを越える場合は、多孔質シリカ粒子の強度が低下する傾向が強まるため、その様な多孔質シリカ粒子を配合してなるコンポジット材料の強度を低下させる場合がある。
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、0.10〜0.25cc/gの範囲の細孔容積を有している。細孔容積が0.10cc/g未満の場合には、バインダー成分と混合した際に、細孔内に充分浸透することができずコンポジット化した際に充分な強度が得られないなどの問題がある。細孔容積が0.25cc/gを越えると、球状集合体の強度が不充分となる。細孔容積の好ましい範囲は、0.10〜0.25cc/gである。なお、当該細孔容積は、窒素吸着によるBET法によって求めることができる。
本発明に係る多孔質シリカ粒子においては、細孔容積が最大となる細孔径(D1)が20〜100nmの範囲にあり、更に(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の90%以上であることが必要である。
前記細孔径(D1)が20nm未満の場合、バインダー成分と混合した際に、細孔内に充分浸透することができずコンポジット化した際に充分な強度が得られないなどの問題がある。細孔径(D1)が100nmを超える場合は、粒子強度の低下が実用上問題となる場合がある。細孔径(D1)の範囲については、望ましくは30〜60nmの範囲が推奨される。
(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の90%未満の場合は、細孔径分布が不均一であり、応力が比較的大きな細孔に集中し、実用上強度が弱くなるなどの問題が生じ易くなる。この範囲については、より好適には(D1)×0.85〜(D1)×1.15nmの範囲が推奨される。
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、その空隙率が5〜50%の範囲にあるものが好ましい。本発明の多孔質シリカ粒子は、この範囲の空隙率であっても、優れた粒子破壊強度を示すことができる。空隙率が5%未満では、バインダー成分と混合した際に、細孔内に充分浸透することができずコンポジット化した際に充分な強度が得られないなど問題がある。空隙率が50%を超える場合は、粒子の強度を保てなくなる場合があり、望ましくない。空隙率については、望ましくは10〜40%の範囲が推奨される。
球状集合体
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、前記の通り球状シリカ微粒子の球状集合体から構成される。ここで球状シリカ微粒子の平均粒子径としては、50〜300nmの範囲が好適である。平均粒子径が50nm未満の場合は、粒子径が小さすぎて無機シリカ微粒子の間隙による細孔容積が低下しバインダー成分と混合した際に、細孔内に充分浸透することができずコンポジット化した際に充分な強度が得られないなどの問題がある。平均粒子径が300nmを越えると、細孔容積は大きくなるものの、微粒子同士の結合力が弱く、球状シリカ微粒子の集合体が得られ難い。球状シリカ微粒子の更に好ましい平均粒子径は60〜200nmの範囲である。
なお、本願において、球状シリカ微粒子の平均粒子径については、動的光散乱法により測定された平均粒子径または画像解析法により測定された平均粒子径を意味する。
また、後記の「球状シリカ微粒子(a)」および「球状シリカ微粒子(b)」の場合も同様である。動的光散乱法による平均粒子径の測定方法については、実施例の[1A]「動的光散乱法による平均粒子径の測定方法」に記した。また、画像解析法による平均粒子径測定方法については、実施例の[5]「粒度分布の測定」にて記載した平均粒子径の測定方法により測定した。
前記球状シリカ微粒子は、棒状、勾玉状、細長い形状、数珠状、卵状などの異形粒子を含まず、真球度が高いものであることが必要である。本発明において球状とは、真球度が0.90〜1.00の範囲にあるものを言う。ここで真球度とは、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。真球度が0.90未満の場合は、微粒子が球状であるとは云えず、前記の異形粒子に該当するものを含む場合が生じる。
球状シリカ微粒子として真球度が0.90〜1.00の球状シリカ微粒子を使用してなる本発明の多孔質シリカ粒子は、優れた粒子破壊強度を示すことが可能となる。特に球状シリカ微粒子の真球度を0.90以上で揃えることは多孔質シリカ粒子の強度に大きな影響を与えるものとなる。
球状シリカ微粒子としては、例えば、特開平5−132309号公報等に開示した酸化物ゾルなどのシリカ微粒子、特開平10−454043号公報に開示された有機基を含む複合シリカ微粒子、特開平7−133105号公報に開示された粒子内部に空隙を有した複合シリカ微粒子などを適用することが可能であるが、前記真球度に満たない場合は、いわゆる水熱処理を行って、真球度を0.90〜1.00の範囲に調整してから、球状シリカ微粒子として使用することができる。水熱処理の条件としては、温度100〜200℃にて、1〜24時間の処理を行う方法を挙げることができる。また、水熱処理には、オートクレーブを使用することも推奨される。
球状シリカ微粒子の粒子径分布が単分散である場合については、望ましくは球状シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にあることが推奨される。粒子径変動係数2%未満の場合は、本発明にとってより望ましいものの、そのレベルの粒子径分布の球状シリカ微粒子を得ることは容易ではない。粒子径変動係数が10%を超える場合は単分散の程度が低下するため、本発明の効果が低下する。粒子変動係数の範囲については、好適には2〜7%の範囲が推奨される。
このような球状シリカ微粒子の球状集合体の製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、マイクロカプセル法、乳化法、オイル法、噴霧法などが挙げられる。中でも本願出願人の出願による特公平3−43201号公報、特公平2−61406号公報等に開示した真球状微粒子粉末の製造方法は、出発無機シリカ微粒子が球状で無い場合であっても真球状の無機シリカ微粒子集合体が得られ、製造工程が複雑でなく経済性にも優れている。この好ましい製造方法については後述する。
表面処理
本発明に係る多孔質シリカ粒子は、前記球状シリカ微粒子が集合してなる球状集合体が、所望により表面処理されていても構わない。表面処理については、前記細孔容積範囲、細孔径範囲を維持できる範囲で行われる必要がある。この様な表面処理により、粒子の強度を向上させることができる。
球状シリカ微粒子に酸またはアルカリと下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物を添加して、表面処理した場合は、有機官能基を有するシリカ系被覆層が形成される。
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
2.多孔質シリカ粒子の製造方法
本発明の球状多孔質粒子の製造方法は、以下に述べる(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の各工程を含むことを特徴とする。
(A)遠心分離処理
平均粒子径50〜300nmの球状シリカ微粒子の分散液を調製し、遠心分離処理を行って、粗大粒子の除去および粒子径の均一化を図る。遠心分離処理条件については、粒子径分布が単分散相を示すまで行う。
遠心分離処理条件については、粗大粒子が除去され、粒子径分布が単分散相を示すことができる限り、格別限定されるものではない。通常は、球状シリカ微粒子分散液の固形分濃度が1〜50質量%で、遠心力が500〜20000Gの範囲が推奨される。
なお、予め粒子径分布が単分散相である球状シリカ微粒子分散液を原料として入手して使用する場合においては、省略可能となる。
(B)球状シリカ微粒子集合体の調製
球状シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状シリカ微粒子集合体を調製する。該球状シリカ微粒子分散液の溶媒については、水または有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。
前記噴霧液については、前記球状シリカ微粒子分散液の他に、所望により珪酸液を含んでいても良い。噴霧液として、前記球状シリカ微粒子分散液に珪酸液を添加することにより、粒子の強度が増加する効果がある。珪酸液の添加量については、[球状シリカ微粒子の質量]/珪酸液(シリカ換算)で、1.3以上が望ましい。1.3未満では、珪酸液に由来するシリカの割合が過剰になり空隙率が低下する傾向が強まる。
前記噴霧液の濃度については、固形分換算で5〜60重量%、特に、10〜50重量%の範囲にあることが好ましい。噴霧液の固形分濃度が5重量%未満の場合は、集合体が得られ難い。噴霧液の濃度が60重量%を越えると、噴霧液が不安定になり球状の集合体が得難くなる。また、後述する噴霧乾燥を連続的に行えず、集合体の収率が低下する。
前記噴霧液の噴霧乾燥方法としては、前記した集合体が得られれば特に制限はなく、回転ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法など従来公知の方法を採用することができる。特に、特公平2−61406号公報に開示された2流体ノズル方法は、粒子径分布の均一な球状シリカ微粒子集合体を得ることができ、また平均粒子径をコントロールすることが容易であるので好ましい。
このときの乾燥温度は、球状シリカ微粒子分散液の濃度、処理速度等によっても異なるが、スプレードライヤーを使用する場合、例えば、スプレードライヤーの入口温度としては100〜300℃、噴霧速度0.5〜3L/Hr、出口温度40〜100℃などの条件が好ましい。
(C)球状シリカ微粒子集合体の加熱処理
(B)工程で得られた球状シリカ微粒子集合体を、球状シリカ微粒子同士またはゲル成分との結合力を高めるために、150〜600℃の温度範囲で加熱処理する。加熱処理温度が150℃未満では結合力の向上効果が認められず、600℃を越えると球状シリカ微粒子集合体が収縮するおそれがあり、最終的に得られる球状多孔質粒子の空隙が小さくなり、好ましくない。
(D)球状シリカ微粒子集合体分散液の調製
(C)工程で得られた球状シリカ微粒子集合体を、室温〜40℃まで放冷または冷却し、水および/または有機溶媒に分散させてその分散液を調製する。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。分散液の濃度は、球状シリカ微粒子集合体を酸化物に換算した濃度で0.1〜40重量%、特に0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。他方、濃度が40重量%を越えると(D)工程において集合体同士が凝集し易くなるので好ましくない。
(E)表面処理
(D)工程で得られた集合体分散液に、次のi)またはii)を添加して球状シリカ微粒子集合体の外表面の表面処理を行う。
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと次の一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
前記i)の場合の酸またはアルカリについては、通常は酸またはアルカリの水溶液が使用される。酸またはアルカリの種類については格別制限されるものではないが、塩酸水溶液、ホウ酸水溶液、アンモニウム水溶液などを挙げることができる。
前記ii)の場合の酸またはアルカリについては、i)の場合と同様に定義される。前記一般式で表される有機ケイ素化合物としては、具体的に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
なお、有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物と共に添加される酸またはアルカリは、加水分解のための触媒としても機能するが、所望により加水分解用の触媒を添加しても良い。加水分解触媒として、アルカリ金属の水酸化物や、アンモニア水、アミン等の塩基性のものを用いた場合、加水分解後これらの塩基性触媒を除去して、酸性溶液にして用いることもできる。また、有機酸や無機酸などの酸性触媒を用いて加水分解物を調製した場合、加水分解後、イオン交換等によって酸性触媒を除去することが好ましい。なお、得られた有機ケイ素化合物の加水分解物は、水溶液の形態で使用することが望ましい。ここで水溶液とは加水分解物がゲルとして白濁した状態になく透明性を有している状態を意味する。
なお、有機ケイ素化合物でnが0の化合物はそのまま用いることができるが、nが1〜3の化合物は親水性に乏しいので、予め加水分解しておくことにより、反応系に均一に混合できるようにすることが好ましい。加水分解には、これら有機ケイ素化合物の加水分解法として周知の方法を採用することができる。
なお、上記機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物あるいは珪酸液と共に、前述した酸化物以外の無機酸化物の前駆体金属塩を添加して酸化物と酸化物以外の無機酸化物とからなる酸化物系層を形成することもできる。酸化物以外の無機酸化物の原料としては、アルカリ可溶の無機化合物を用いることが好ましく、前記した金属または非金属のオキソ酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げることができる。
(F)加熱処理
さらに(E)工程で得られた球状シリカ微粒子集合体の分散液から、球状シリカ微粒子集合体分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、100〜300℃で加熱処理して、多孔質シリカ粒子を得る。
本発明に係るコンポジット材料は、本発明に係る多孔質シリカ粒子およびバインダー成分から構成される。ここでバインダー成分として、例えば、有機樹脂が使用される。この様な有機樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ウレア樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。コンポジット材料における多孔質シリカ粒子とバインダー成分との質量比については、例えば、多孔質シリカ粒子100質量部
に対して、バインダー成分10〜80質量部の範囲が好ましい。コンポジット材料の調製については、多孔質シリカ粒子とバインダー成分を混練りし、所望により加熱することにより調製される。コンポジット材料中には、多孔質シリカ粒子とバインダー成分の他に、所望により各種添加剤が配合されていても構わない。この様な添加剤の例としては、硬化剤、硬化促進剤、界面活性剤、紫外線遮蔽剤、抗菌剤、防黴剤などを挙げることができる。
[1A] 動的光散乱法による平均粒子径の測定方法
球状シリカ微粒子の平均粒子径については、試料酸化物ゾルを0.58%アンモニア水にて希釈して、酸化物濃度1質量%に調整し、下記粒径測定装置を用いて平均粒子径を測定した。
〔粒径測定装置〕
レーザーパーティクルアナライザー(大塚電子社製、レーザー粒径解析システム:LP−510モデルPAR−III、測定原理: 動的光散乱法、測定角度90°、受光素子 光電子倍増管2インチ、測定範囲3nm〜5μm、光源 He-Neレーザー 5mW 632.8nm、温度調整範囲5〜90℃、温度調整方式ペルチェ素子(冷却)、セラミックヒーター(加熱)、セル 10mm角 プラスチックセル、測定対象:コロイド粒子)
なお、合成例2−1、合成例2−2および合成例2−3で調製した球状シリカ微粒子の平均粒子径については、後記[5]に記載した平均粒子径の測定方法により測定した。
[1B] 遠心沈降法による平均粒子径の測定方法
多孔質シリカ粒子の平均粒子径については、まず、多孔質シリカ粒子の分散液(水または40質量%グリセリン溶媒、固形分濃度0.1〜5質量%)を超音波発生機(iuch社製、US-2型)に5分間分散する。更に、水またはグリセリンを加えて適度に濃度を調節した分散液より、ガラスセル(長さ10mm、幅10mm、高さ45cmのサイズ)に当該分散液を取り、遠心沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所製:CAPA−700)を用いて平均粒子径を測定した。
また、球状シリカ微粒子の球状集合体の平均粒子径についても同様に測定した。
[2] 比重の測定方法
多孔質シリカ粒子の比重については、まず、試料10gをルツボに採取し、110℃で2時間乾燥させる。次いで、デシケーターにて冷却後、25mlピクノメーターに3〜4g入れ、蒸留水を加えて懸濁し、60mmHgにて1時間真空脱気を行った後に、25℃恒温槽にて温度調整する。ピクノメーターの標線まで蒸留水を加えて容量を調整し、ピクノメーターの容量(25ml)と蒸留水の容量(ml)の差から試料の容量(ml)を算出する。加えた試料の重量(g)と算出された容量(ml)から比重を求めた。
[3] 空隙率の測定方法
多孔質シリカ粒子の空隙率については、前記[2]で求めた比重を用いて、以下の式から算出した。
100−[前記[2]で求めた多孔質シリカ粒子の比重]/[シリカの比重]×100=空隙率(%)
[4] 真球度の測定方法
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料酸化物ゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)を測定し、それらの平均値を真球度とした。
[5] 粒度分布の測定
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の250個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製、IP−1000)を用いて、平均粒子径を測定し、粒子径分布に関する変動係数(CV値)を算定した。具体的には、粒子250個について、それぞれの粒子径を測定し、その値から平均粒子径および粒子径の標準偏差を求め、下記式から算定した。
粒子径変動係数(CV値)=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn))×100(%)
[6] 細孔容積・細孔径の測定方法
多孔質シリカ粒子の細孔容積については、試料10gをルツボに取り、300℃で1時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却し、PM-33(QuntaCrome社製)を使用して水銀圧入法により測定した。水銀を3.5kPa〜231MPa(0.5〜33000psi)で圧入し、圧力と細孔径と圧入量の関係から細孔分布を求めた。この方法によれば、約5.4nmから約5.4μmまでの細孔に水銀が圧入され、計測されるため、多孔質シリカ粒子の内部に存在する細孔と、多孔質シリカ粒子の粒子間の空隙の両方が計測される。多孔質シリカ粒子内部の細孔のみの容積は、細孔径200nmまでの細孔についての計測結果をもとに、細孔容積と細孔径を算出した。
[実施例1]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI-80P、平均粒子径 80nm、濃度 40重量%) 1000gを遠心分離機(株式会社コクサン製、連続高速遠心機H−660)のローター(型式:QNS、容量:1L)に連続的に注入し、2120Gにて400g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
回収して得られたシリカゾルの水希釈品(シリカ濃度15質量%)2000gを陽イオン交換し、pH=2.0に調整した後、珪酸液(シリカ濃度4.8質量%)を、[シリカゾル中のシリカ]/[珪酸液中のシリカ]=9/1の比率になるように加え、攪拌してスラリーを調製した。
得られたスラリーをスプレードライヤーに供し、入口温度240℃、出口温度が50〜55℃になるよう調整した乾燥気流中に、二流体ノズルの一方に2L/hrの流量で、他方のノズルに気体圧力を0.75MPaの流量で供給して噴霧乾燥し、球状シリカ微粒子集合体からなる粉体を得た。
この粉体を450℃で3時間焼成して多孔質シリカ粒子を得た。
この多孔質シリカ粒子の平均粒子径、比表面積、細孔容積、細孔径分布(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)におけるピーク値の細孔径、全細孔容積に対する(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積の占める割合、球状シリカ微粒子の平均粒子径、真球度、粒子径変動係数(CV値)および多孔質シリカ粒子の製造条件を表1に示した。なお、以下の実施例および比較例も同様に測定した。
[実施例2]
シリカゾルとして、日揮触媒化成(株)製:SS−160(平均粒子径160 nm、シリカ濃度18重量%)を用いて、遠心処理を900Gに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子の平均粒子径、比表面積、最高容積、細孔容積が最大となる細孔径、細孔容積が最大となる細孔径の±25%が占める細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
[実施例3]
実施例1と同様にして、多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質粒子50gをエタノール200gに分散し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM-503)7.5gと、1%アンモニア水15gを加え、攪拌しながら50℃で15Hr加熱した。その後、多孔質粒子を分取し、150℃で乾燥した。この表面処理された多孔質シリカ粒子の平均粒子径、比表面積、細孔容積、細孔径分布におけるピーク値の細孔径、細孔容積が最大となる細孔径の±25%が占める細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
シリカゾルとして、日揮触媒化成(株)製:SI-50(平均粒子径25 nm、シリカ濃度50重量%)の水希釈品(シリカ濃度30質量%)を用いて、遠心処理を7000Gに変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子の平均粒子径、比表面積、最高容積、細孔容積が最大となる細孔径、細孔容積が最大となる細孔径の±25%が占める細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
物性評価
実施例1〜3、比較例1で得られた多孔質シリカ粒子を用い、エポキシ樹脂と混練し、コンポジット化したものの強度評価を行った。結果を表1に示した。
強度評価方法は次の通りである。
多孔質シリカ粒子700gとエポキシ樹脂(ビスフェノールFグリシジルエーテル)(固形分)300gとをロールを用いて30分間混練し、硬化剤(無水メチルハイミック酸)340gを加えて、更に30分間混練りした。次いで、得られた混合物を減圧反応器にいれ、硬化促進剤(N,N−ジメチルベンジルアミン)4gを加えて、攪拌しつつ、約80℃で30分間脱泡した後、成形型に入れ、100℃で3時間加熱し、更に160℃で18時間加熱することにより硬化させて、成形体とし、更に150℃で3時間アニーリングしてコンポジット材料とした。
測定については、JISK7203に従って、インストロン万能試験機を使用して、クロスヘッド速度1mm/分で測定した曲げ強度を評価した。
評価基準
○(合格):10Kgf/mm2以上
△(合格):5〜10Kgf/mm2
× :5Kgf/mm2未満
本発明の多孔質シリカ粒子は、無機酸化物微粒子群と硬化性樹脂とを含むコンポジット材料におおいて、無機酸化物微粒子として使用することが可能である。
実施例1で得られた多孔質シリカ粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)である。 実施例1、実施例2および比較例1で得られた多孔質シリカ粒子についての、細孔径分布図(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)である。

Claims (8)

  1. 内部に粒子間空隙構造を有する多孔質シリカ粒子であって、該多孔質シリカ粒子の平均粒子径(PD)が0.5〜50μm、比表面積が10〜100m2/gであり、更に該多孔質シリカ粒子が下記1)〜3)の要件を満たすものであることを特徴とする多孔質シリカ粒子。
    1)細孔容積が0.10〜0.25cc/gの範囲
    2)細孔径分布(X軸:細孔径、Y軸:細孔容積を細孔径で微分した値)におけるピーク値の細孔径(D1)が、20〜100nmの範囲
    3)(D1)×0.75〜(D1)×1.25nmの範囲内の細孔径を有する細孔の合計細孔容積が、全細孔容積の70%以上
  2. 前記多孔質シリカ粒子が、平均粒子径(D)50〜300nm、真球度0.9〜1の範囲、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある球状シリカ微粒子であって、粒子径分布が単分散相を示す球状シリカ微粒子が集合した球状集合体からなることを特徴とする請求項1記載の多孔質シリカ粒子。
  3. 前記多孔質シリカ粒子の空隙率が5〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多孔質シリカ粒子。
  4. 前記球状シリカ微粒子の粒子径分布が、単分散相を示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の多孔質シリカ粒子。
  5. 下記の(A)、(B)及び(C)の各工程を含む多孔質シリカ粒子の製造方法。
    (A): 平均粒子径50〜300nmの球状シリカ微粒子の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離し、粒子径変動係数(CV値)を2〜10%の範囲に調整することにより粒子径分布が単分散な球状シリカ微粒子分散液とする工程
    (B): 前工程の処理を行った球状シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状シリカ微粒子集合体を調製する工程
    (C): 前工程で得られた球状シリカ微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
  6. 前記(A)、(B)及び(C)工程に続いて、次の(D)、(E)及び(F)工程を行うことを特徴とする請求項5記載の多孔質シリカ粒子の製造方法。
    (D): 前工程に続いて、該球状シリカ微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、球状シリカ微粒子集合体の分散液を調製する工程
    (E): 前工程で調製した球状シリカ微粒子集合体の分散液に、次のi)またはii)を添加することにより該球状シリカ微粒子集合体を表面処理する工程
    i) 酸またはアルカリ
    ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
    一般式: RnSi(OR′)4-n
    〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
    (F): 前工程に続いて、球状シリカ微粒子集合体の分散液から、球状シリカ微粒子集合体を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、100〜300℃で加熱処理する工程
  7. 前記(B)工程で使用する噴霧液が、球状シリカ微粒子の他に珪酸液を含むものであることを特徴とする請求項5または請求項6記載の多孔質シリカ粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜4の何れかに記載の多孔質シリカ粒子からなるコンポジット材料。
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