JP2010137425A - 樹脂成形体製造方法及び樹脂成形体 - Google Patents

樹脂成形体製造方法及び樹脂成形体 Download PDF

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充央 森
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Abstract

【課題】この発明は、厚さを問わず、複雑な立体形状であっても、所望の形状の樹脂成形体を成形できる樹脂成形体製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】真空圧空成形の真空圧空成形装置40によって、単一層の樹脂フィルム30から三次元立体形状の樹脂フィルム成形体1を製造する際に、上面1aに半楕円体状凹部10を有し、略直方体を上方から覆うことのできるような底面が開放された中空の略直方体形状という複雑な三次元立体形状化に伴う延伸率が大きい方向、すなわち奥行き方向Dに、樹脂フィルム30の配向方向Hを合わせて樹脂フィルム30を配置し、所望の形状の樹脂フィルム成形体1を高精度で成形した。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、半導体製造分野や液晶製造分野で用いられ、深絞りといわれるような立体形状の樹脂成形体及びその製造方法に関する。
従来から、半導体製造分野や液晶製造分野等の様々な分野における技術向上に伴って、樹脂フィルムから成形した複雑な三次元立体形状の樹脂成形体、すなわち深絞りの樹脂成形体が求められている。このような複雑な三次元立体形状の樹脂成形体の成形には、折曲げ等の手作業によるクセ付けや、圧空圧による延伸成形、プレス成形あるいは切削成形が用いられ、所望の形状に成形していた。
しかし、上記クセ付けによる成形の場合、成形体にシワがはいる可能性が高く、また、手作業によるクセ付けのため一定の品質を確保することは困難であり、高精度を要する半導体製造分野や液晶製造分野等での使用は難しく、満足できる成形方法ではなかった。
また、上記切削成形の場合、円柱形状や円錐形状のような単純形状であり、且つ例えば、500μm程度以上の厚みを有する場合は有効に成形できるものの、例えば、200μm以下の厚みものや、500μm程度以上であっても非対称形状のものは加工自体ができないというように、形状や厚みによる制限があり、切削成形方法を適応できる樹脂成形体は少なかった。
また、上記プレス成形や上記圧空圧による延伸成形の場合、成形体にシワ、傷、破れの発生、さらに成形後の寸法や形状の戻りが生じる可能性があり、クセ付けによる成形と同様に、満足できる成形方法ではなかった。
なお、具体的には、樹脂の深絞り成形方法として、厚みが1〜10mmの樹脂シートを高温中に1時間放置し、その後350〜400℃の加熱気体を1.5〜5kg/cmの圧力で圧入し、上記樹脂シートを所望の形状に成形する圧空成形方法が提案されている(参考文献1参照)。
しかし、深絞りといわれるような複雑な立体形状の成形体を上記圧空成形方法で成形した場合、成形体にシワ、傷、破れの発生、さらに成形後の寸法や形状の戻りが生じるおそれがあった。殊に、厚さの薄い樹脂成形体の場合、シワ、傷、破れの発生、さらに成形後の寸法や形状の戻りが生じる可能性は高かった。
特開昭58−136408号公報
この発明は、厚さを問わず、複雑な立体形状であっても、所望の形状の樹脂成形体を成形できる樹脂成形体製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、真空成形、圧空成形あるいは真空圧空成形の成形手段によって、単一層の熱溶融性樹脂フィルムから立体形状の樹脂成形体を製造する樹脂成形体製造方法であって、前記熱溶融性樹脂フィルムを、前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置することを特徴とする。
上記真空成形、圧空成形あるいは真空圧空成形の成形手段は、真空圧及び/または圧空圧を利用し、加熱した熱溶融性樹脂フィルムを延伸成形する成形方法であることをいう。
上記樹脂の配向方向は、熱溶融性樹脂フィルムを製造する際の押出方向と同方向であり、樹脂分子が配向する方向であることをいう。
上記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向は、立体形状化することによって延伸される部分の熱溶融性樹脂フィルムの元の長さに対する延伸量の割合である延伸率が大きい方向であることをいう。
これにより、所望の形状の樹脂成形体を成形することができる。詳しくは、樹脂成形体製造方法において、前記熱溶融性樹脂フィルムを、前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置しているため、立体形状における延伸率の大きい方向に熱溶融性樹脂フィルムが延伸しやすく、例えば、複雑な三次元立体形状であっても、シワ、傷、破れが発生することなく、所望の形状に形成することができる。また、成形後の寸法や形状の戻りもなく、高品質の樹脂成形体を成形することができる。
この発明の態様として、前記熱溶融性樹脂フィルムの厚みを、25〜1000μmに設定することができる。
このように、25〜1000μmに設定された薄い厚みの熱溶融性樹脂フィルムの場合、シワ、傷、破れの発生、さらに成形後の寸法や形状の戻りが生じる可能性は高いが、前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置しているため、シワ、傷、破れが発生することなく、また、成形後の寸法や形状の戻りもない、所望形状である高品質の樹脂成形体を形成することができる。
また、この発明の態様として、前記成形手段における前記熱溶融性樹脂フィルムの加熱温度を、前記熱溶融性樹脂フィルムの融点X℃に対して、(X−100)〜(X−30)の範囲に設定することができる。
このように、前記成形手段における前記熱溶融性樹脂フィルムの加熱温度を、前記熱溶融性樹脂フィルムが延伸しやすい(X−100)〜(X−30)℃に設定したことにより、熱分解されず、熱溶融性樹脂フィルムが延伸しやすい状態で成形手段における金型に沿って成形されるため、複雑な形状であっても、シワ、傷、破れが発生することなく、金型に対して確実に密着して、高精度且つ高品質の樹脂成形体を成形することができる。
また、この発明の態様として、前記熱溶融性樹脂フィルムを、PFA樹脂、FEP樹脂、ETFE樹脂、PVDF樹脂、PCTFE樹脂、及びE−HFP樹脂から選択された熱溶融性フッ素樹脂で構成することができる。
これにより、複数種の熱溶融性フッ素樹脂の中から使用用途に応じて、適した種類の熱溶融性フッ素樹脂シートを用いて、高品質の樹脂成形体を成形することができる。
また、この発明の態様として、前記成形手段に用いる金型に、2°以上の抜きテーパーを施すことができる。
これにより、成形手段において成形された冷却固化後の樹脂成形体の離型性が向上する。したがって、複雑な三次元立体形状で成形した樹脂成形体が離型する際に、シワ、傷、破れが発生したり、変形したりすることを防止できる。
また、この発明は、上述の樹脂成形体製造方法で成形した樹脂成形体であることを特徴とする。
これにより、高精度且つ高品質の所望形状に成形された樹脂成形体を得ることができる。詳しくは、樹脂成形体製造方法において、前記熱溶融性樹脂フィルムを、前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置して樹脂成形体を成形しているため、立体形状における延伸率の大きい方向に熱溶融性樹脂フィルムを構成する分子鎖がスリップ(移動)しやすく、例えば、複雑な三次元立体形状であっても、シワ、傷、破れが発生することなく、所望の形状に形成され、成形後の寸法や形状の戻りもなく、高品質の樹脂成形体を得ることができる。
また、厚みが25〜1000μmに設定された薄い熱溶融性樹脂フィルムであっても、前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置しているため、シワ、傷、破れが発生することなく、また、成形後の寸法や形状の戻りもない、所望形状である高品質の樹脂成形体を得ることができる。
さらにまた、前記成形手段における前記熱溶融性樹脂フィルムの加熱温度を、前記熱溶融性樹脂フィルムが延伸しやすい(X−100)〜(X−30)℃に設定し、熱溶融性樹脂フィルムが延伸しやすい状態で成形手段における金型に沿って成形されるため、熱分解せず、複雑な形状であっても、シワ、傷、破れが発生することなく、金型に対して確実に密着して、高精度且つ高品質の樹脂成形体を得ることができる。
また、複数種の熱溶融性フッ素樹脂の中から使用用途に応じて、適した種類の熱溶融性フッ素樹脂シートを用いて、高品質の樹脂成形体を得ることができるため、使用用途が広がり、利用者の利便性を向上することができる。
また、2°以上の抜きテーパーが施された金型を用いた成形手段において冷却固化後の成形された樹脂成形体の離型性が向上し、離型する際に、シワ、傷、破れが発生したり、変形したりしない複雑な三次元立体形状の樹脂成形体を得ることができる。
この発明によれば、厚さを問わず、複雑な立体形状であっても、所望の形状の樹脂成形体を成形できる樹脂成形体製造方法を提供することができる。
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
まずは、図1及び図2とともに、樹脂フィルム成形体1について説明する。なお、図1は、樹脂フィルム成形体1の斜視図及び奥行き方向中央付近の縦断面図による説明図を示し、図2は樹脂フィルム成形体1を製造する真空圧空成形装置40に用いる成形型20及び樹脂フィルム30の配置方向についての説明図を示している。
樹脂フィルム成形体1は、樹脂フィルム30を後述の真空圧空成形方法により成形しており、略直方体を上方から覆うことのできるような底面が開放された中空の略直方体形状であり、上面1aに半楕円体状凹部10を形成している。
詳しくは、半楕円体状凹部10は、樹脂フィルム成形体1の幅の1/3程度の長さの長半径と、樹脂フィルム成形体1の奥行きの1/6程度の長さの短半径とで構成する横長の楕円体の下半形状で形成されている。
樹脂フィルム30は、PFA樹脂性(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で、無延伸且つ単一層で構成された厚みが50μmの熱溶融性樹脂フィルムであり、図2(b)に示すように、製造する際の押出方向と同方向であり、樹脂分子が配向する方向である配向方向Hを有し、配向方向Hの延伸性が高いフィルムである。
なお、本実施例では、PFA樹脂性の樹脂フィルムを用いたが、FEP樹脂性(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE樹脂性(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF樹脂性(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE樹脂性(ポリクロロトリフルオロエチレン)、あるいはE−HFP樹脂性(エチレン・ヘキサフルオロプロピレン)の樹脂フィルムを用いてもよい。
次に、樹脂フィルム成形体1を製造する真空圧空成形装置40に用いる成形型20について説明する。成形型20は、図2に示すように、上述の樹脂フィルム成形体1よりわずかに小さな外観をしており、上面20aに、樹脂フィルム成形体1の半楕円体状凹部10に対応する半楕円体状凹部21を備えている。
なお、成形型20の側方の鉛直壁面22は、図2(a)に示すように、真空圧空工程で密着し、その状態で冷却固化されて成形された樹脂フィルム30の離型性を向上すべく、およそ2°の抜きテーパーTが施されている。
さらに、成形型20には、下方から真空吸引を行う吸引孔20bを設けている。なお、吸引孔20bは、成形型20を上下方向に貫通する貫通孔で構成し、半楕円体状凹部21の平面視外側の幅方向及び奥行き方向の4箇所と、半楕円体状凹部21の中心の1箇所の計5箇所に配置している。
続いて、樹脂フィルム成形体1の製造方法について、図3乃至6とともに説明する。なお、図3は樹脂フィルム成形体1を製造する製造方法についてのフロー図を示し、図4は樹脂フィルム成形体1を製造する製造方法における準備工程及び加熱工程についての説明図を示し、図5は移動工程及び真空圧空・冷却固化工程についての説明図を示し、図6は離型工程及び余長部分カット工程についての説明図を示している。
真空圧空成形装置40は、樹脂フィルム30を固定するフィルム固定台41と、成形型20を固定する成形型固定台42と、樹脂フィルム30を上方から加熱する上部ヒータ43、フィルム固定台41の下方から樹脂フィルム30を加熱する下部ヒータ44、上部ヒータ43と共に樹脂フィルム30を囲繞する圧空カバー45、その他図示しないコンプレッサ、各機構の動作を制御する制御手段等を備えている。
フィルム固定台41は、平面視内側に、成形型20及び成形型固定台42の挿通を許容する開口41aを備えている。
上面に成形型20をセットする成形型固定台42は、側方下部を広げて、開口41aの下端周縁に係止する鍔部42aを形成している。また、上面に成形型20をセットした際に、成形型20の吸引孔20bと連通し、上下方向に貫通する連通吸引孔42bを備えている。
フィルム固定台41の下方から開口41aを介して樹脂フィルム30を加熱する下部ヒータ44は、加熱後の成形型20及び成形型固定台42が上方移動する際に待避する待避機構(図示省略)を備えている。
圧空カバー45は、フィルム固定台41の上面と下端周縁部45cで樹脂フィルム30の周縁部30aをクランプし、上部ヒータ43ごと樹脂フィルム30の上方を囲繞する。そして、内部に圧空圧pを供給する加圧孔45bを上部45aに備えている。
このような構成の真空圧空成形装置40を用いて、樹脂フィルム30を真空圧空成形して樹脂フィルム成形体1を製造する製造方法について、図3に基づいて詳述する。
まず、真空圧空成形装置40と樹脂フィルム30とをセットする準備工程(ステップs1)について説明する。準備工程(ステップs1)では、図4(a)に示すように、樹脂フィルム30をフィルム固定台41にセットする。このとき、樹脂フィルム30は、配向方向Hが平面視奥行き方向Dとなるようにセットする。
詳しくは、図2(b)に示すように、平面状の樹脂フィルム30を、幅長さwが奥行き長さdの4倍程度ある成形型20に沿って三次元立体形状化すると、樹脂フィルム30はシートの幅方向W及び奥行き方向Dの両方向に同程度延伸し、幅長さwに対する延伸率Rより、奥行き長さdに対する延伸率Rが大きくなる。
したがって、樹脂フィルム30は、幅方向Wに長い成形型20に対して、成形された際の延伸率Rが大きくなる奥行き方向Dに延伸性の高い配向方向Hを合わせて配置する。
そして、フィルム固定台41の下方で、連通吸引孔42bと吸引孔20bとが連通するように、成形型固定台42の上面に成形型20をセットする(図4(a)参照)。
この状態で、図4(b)に示すように、樹脂フィルム30の上方に上部ヒータ43と、上部ヒータ43ごと囲繞し、下端周縁部45cで周縁部30aをクランプするように圧空カバー45とをセットすると共に、開口41aの下方に下部ヒータ44をセットして準備工程(ステップs1)を完了させ、上部ヒータ43と下部ヒータ44とで、樹脂フィルム30を上下から挟むように加熱する(加熱工程(ステップs2))。
この加熱工程(ステップs2)の加熱設定温度は、樹脂フィルム30の融点310℃に対し、フィルム加熱到着温度で240℃に設定しているが、加熱温度すなわちフィルム加熱到着温度は、(融点310−100=210℃)<フィルム加熱到着温度<(融点310−30=280℃)の範囲に設定すればよい。
樹脂フィルム30が上述の加熱設定温度で加熱されると、上部ヒータ43及び下部ヒータ44はOFFとなり、下部ヒータ44が図示省略する待避機構で待避した後、成形型20及び成形型固定台42が、鍔部42aが開口41aの周縁下部に係止するまで上昇し、フィルム固定台41に成形型20及び成形型固定台42を挿通させる(移動工程(ステップs3))。
このとき、図示省略するコンプレッサを稼働させ、連通する吸引孔20b及び連通吸引孔42bを介し、樹脂フィルム30の下方から真空圧vで吸引すると共に、圧空カバー45の加圧孔45bから圧空圧pを供給して加圧し(図5(a)参照)、その後、加圧孔45bからの圧空圧pの供給を停止し、吸引孔20b及び連通吸引孔42bからの真空圧vでの吸引を続け、樹脂フィルム30を冷却する。(図5(b)参照:真空圧空・冷却固化工程(ステップs4))。
なお、加圧孔45bからの圧空圧pの供給及び吸引孔20bからの真空圧vによる吸引の両方が樹脂フィルム30に作用する真空圧空時間を300秒に設定し、その後の圧孔45bからの圧空圧pの供給を停止し、吸引孔20bからの真空圧vによる吸引のみが樹脂フィルム30に作用する真空時間を50秒に設定している。
これにより、樹脂フィルム30は、加圧孔45bからの圧空圧pによって成形型20に押しつけられ、吸引孔20bからの真空圧vによって吸着するため、成形型20に密着した状態となり、300秒の真空圧空時間、及びその後の50秒の真空時間を経過することで、樹脂フィルム30は成形型20に密着した状態、すなわち樹脂フィルム成形体1の複雑な三次元立体形状で冷却固化することができる。
そして、図6(a)に示すように、上記形状で固化した樹脂フィルム30を離型し(離型工程(ステップs5))、周囲の余長部分31をカットラインCLでカットして樹脂フィルム成形体1を構成する(図6(b)参照:余長部分カット工程(ステップs6))。
このように構成した樹脂フィルム成形体1は、側面が開放された金属製の矩形体に、半楕円体状凹部10が開放された側面となるような配置で装着し、負圧及び加圧の繰り返しによって半楕円体状凹部10が応答するダイヤフラムとして用いることができる。このように樹脂フィルム成形体1をダイヤフラムとして用いる場合、半楕円体状凹部10にシワや傷が生じていないため、定量性及び耐久性の高いダイヤフラムを構成することができる。
なお、矩形体へ装着して用いる場合、上記真空圧空成形装置40を用いた真空圧空成形による成形を予備成形とし、樹脂フィルム成形体1をさらに2次成形として矩形体へ型押しすることで密着性を高めて装着することができる。
上述の本実施例では、真空圧空成形の真空圧空成形装置40を用い、三次元立体形状化に伴う延伸率Rが大きい方向、すなわち奥行き方向Dに、配向方向Hを合わせて樹脂フィルム30を配置することによって、無延伸且つ単一層の樹脂フィルム30から、略直方体を上方から覆うことのできるような底面が開放された中空の略直方体形状という複雑な三次元立体形状の樹脂フィルム成形体1を高精度で成形することができる。
詳しくは、樹脂成形体製造方法において、三次元立体形状化に伴う延伸率Rが大きい方向、詳しくは、平面状の樹脂フィルム30を、幅長さwが奥行き長さdの4倍程度ある成形型20に沿って三次元立体形状化する場合、樹脂フィルム30はシートの幅方向W及び奥行き方向Dの両方向に同程度延伸し、幅長さwに対する延伸率Rより奥行き長さdに対する延伸率Rが大きくなり、延伸率Rが大きい奥行き方向Dに、延伸しやすい配向方向Hを合わせて樹脂フィルム30を配置している。
このため、略直方体を上方から覆うことのできるような底面が開放された中空の略直方体形状という複雑な三次元立体形状である樹脂フィルム成形体1をシワ、傷、破れが発生することなく形成することができる。また、成形後の寸法や形状の戻りもなく、高品質の樹脂フィルム成形体1を成形することができる。
また、三次元立体形状化に伴う延伸率Rが大きい方向、すなわち奥行き方向Dに、延伸しやすい配向方向Hを合わせて樹脂フィルム30を配置する、換言すると、樹脂フィルム30の配向方向Hをコントロールして延伸率Rが大きい方向に合わせて配置しているため、三次元立体形状化の際に、樹脂フィルム30が斜め方向に延伸されにくく、斜め方向に延伸されることによって生じやすいピンホールの発生を防止することができる。
また、25〜1000μmの範囲における50μmという薄い厚みの樹脂フィルム30を用いているため、三次元立体形状化することによってシワ、傷、破れの発生、さらに成形後の寸法や形状の戻りが生じる可能性が厚い樹脂フィルム30を用いた場合より高いが、三次元立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、配向方向Hを合わせて樹脂フィルム30を配置しているため、樹脂フィルムを構成する分子鎖をスリップ(移動)させやすくなり、シワ、傷、破れが発生することなく、また、成形後の寸法や形状の戻りもない、所望形状である高品質の樹脂フィルム成形体1を形成することができる。
さらにまた、真空圧空成形装置40における加熱工程(ステップs2)で、樹脂フィルム30のフィルム加熱到着温度を、樹脂フィルム30の融点310℃に対し、(融点310−100=210℃)<フィルム加熱到着温度<(融点310−30=280℃)の範囲における240℃に設定し、加熱されて樹脂フィルム30が延伸しやすい状態で真空圧空成形装置40における成形型20に沿って成形しているため、熱分解されず、シワ、傷、破れが発生することなく、高精度且つ高品質の樹脂フィルム成形体1を成形することができる。
また、真空圧空成形装置40に用いる成形型20を、2°以上の抜きテーパーTを形成しているため、離型工程(ステップs5)で冷却固化後の成形された樹脂フィルム成形体1を離型する際の離型性が向上し、複雑な三次元立体形状に成形した樹脂フィルム成形体1を離型する際に、シワ、傷、破れが発生したり、変形したりすることを防止できる。
また、圧空カバー45の下端周縁部45cで樹脂フィルム30の周縁部30aをクランプし、余長部分31が生じるように成形型20に沿って樹脂フィルム30を成形しているため、圧空圧p及び真空圧vが均一的に樹脂フィルム30に作用し、例えば上面20aと鉛直壁面22との角部や、上面20aと半楕円体状凹部21との角部に対しても均一な厚みとなる樹脂フィルム成形体1を成形することができる。
なお、上記実施例では、真空圧空成形の真空圧空成形装置40を用いて樹脂フィルム成形体1を形成したが、真空成形、或いは圧空成形のみの成形装置を用いて樹脂フィルム成形体1を成形してもよい。
しかし、圧空圧p及び真空圧vのいずれか一方を作用させる真空成形、或いは圧空成形のみの成形装置を用いて樹脂フィルム成形体1を成形した場合より、圧空圧p及び真空圧vの両方を作用させる真空圧空成形の真空圧空成形装置40を用いて樹脂フィルム成形体1を成形した場合の方が、より高精度な形状で成形することができる。
また、PFA樹脂性の樹脂フィルム30を用いたが、使用用途に応じて、FEP樹脂、ETFE樹脂、PVDF樹脂、PCTFE樹脂、及びE−HFP樹脂から選択された熱溶融性フッ素樹脂性の樹脂フィルム30を用いてもよく、その場合、使用用途に応じた樹脂フィルム成形体1を構成することができ、利用者の満足度を向上することができる。
さらにまた、上述の実施例においては半楕円体状凹部10を備えた樹脂フィルム成形体1について説明したが、半楕円体状凹部10がなく、その他の複雑な三次元立体形状であってもよい。さらには、密着性や耐食性の高い樹脂フィルム30を用いて金属製品等をコーティングするために樹脂フィルム成形体1を用いてもよい。
その場合、一旦、真空圧空成形装置40を用いて真空圧空圧成形で樹脂フィルム30から樹脂フィルム成形体1を予備成形したのち、2次成形として金属製品に型押しして密着性を高めて装着するとよい。さらには、コーティングをすべき金属製品自体を、真空圧空圧成形の成形型20として用いて、一体的に成形することで一回の成形で金属製品等との密着性を高めてコーティングすることができる。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
成形手段は、真空圧空成形装置40に対応し、
以下同様に、
熱溶融性樹脂フィルムは、樹脂フィルム30に対応し、
立体形状は、上面1aに半楕円体状凹部10を有し、略直方体を上方から覆うことのできるような底面が開放された中空の略直方体形状に対応し、
樹脂成形体は、樹脂フィルム成形体1に対応し、
立体形状化に伴う延伸率が大きい方向は、奥行き方向Dに対応し、
加熱温度は、フィルム加熱到着温度に対応し、
金型は、成形型20に対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではない。
樹脂フィルム成形体の斜視図及び奥行き方向中央付近の縦断面図による説明図。 樹脂フィルム成形体を製造する真空圧空成形装置に用いる成形型及び樹脂フィルムの配置方向についての説明図。 樹脂フィルム成形体を製造する製造方法についてのフロー図。 樹脂フィルム成形体を製造する製造方法における準備工程及び加熱工程についての説明図。 移動工程及び真空圧空・冷却固化工程についての説明図。 離型工程及び余長部分カット工程についての説明図。
符号の説明
1…樹脂フィルム成形体
20…成形型
30…樹脂フィルム
40…真空圧空成形装置
D…奥行き方向
H…配向方向
T…抜きテーパー

Claims (6)

  1. 真空成形、圧空成形あるいは真空圧空成形の成形手段によって、単一層の熱溶融性樹脂フィルムから立体形状の樹脂成形体を製造する樹脂成形体製造方法であって、
    前記熱溶融性樹脂フィルムを、
    前記立体形状化に伴う延伸率が大きい方向に、樹脂の配向方向を合わせて配置する
    樹脂成形体製造方法。
  2. 前記熱溶融性樹脂フィルムの厚みを、
    25〜1000μmに設定した
    請求項1に記載の樹脂成形体製造方法。
  3. 前記成形手段における前記熱溶融性樹脂フィルムの加熱温度を、
    前記熱溶融性樹脂フィルムの融点X℃に対して、
    (X−100)〜(X−30)の範囲に設定した
    請求項1または2に記載の樹脂成形体製造方法。
  4. 前記熱溶融性樹脂フィルムを、
    PFA樹脂、FEP樹脂、ETFE樹脂、PVDF樹脂、PCTFE樹脂、及びE−HFP樹脂から選択された熱溶融性フッ素樹脂で構成した
    請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂成形体製造方法。
  5. 前記成形手段に用いる金型に、2°以上の抜きテーパーを施した
    請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂成形体製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂成形体製造方法で成形した樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03262629A (ja) * 1990-03-13 1991-11-22 Nippon Valqua Ind Ltd フッ素樹脂の深絞り成形方法
JPH08108466A (ja) * 1994-10-12 1996-04-30 Tokuyama Corp 容器の製造方法

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