JP2010135587A - 半導体デバイス - Google Patents

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恭兵 松川
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Abstract

【課題】長期高温耐性に優れた半導体デバイスを提供すること。
【解決手段】基板上に実装された半導体と、厚み50〜400μmの接着剤シートとを有する半導体デバイスであって、凹凸を有する面を覆う前記接着剤シートの平坦部における厚みT1、湾曲部における厚みT2の比T2/T1が0.25以上であり、前記接着剤シートの30℃、Bステージにおける貯蔵弾性率が0.6〜102MPaであることを特徴とする半導体デバイス。
【選択図】 図2

Description

本発明は半導体デバイスに関する。より詳しくは、基板上に複数実装された半導体素子などの半導体を接着剤シートにて覆って得られる半導体デバイスに関する。
実装後の半導体素子を樹脂で覆う方法として、樹脂を用いる方法が従来より多数提案され、実用化されている。最も多く採用されている方法が樹脂を滴下するポッティングであり、また型を用いたモールド方法なども採用されている。これらの方法は、基板上に複数実装された半導体素子を一括で樹脂封止できる点で生産性に優れているが、製造工程が煩雑であることや、樹脂封止した膜の厚みが不均一であるなどの課題がある。最近、これらの課題を解決する方法として、シート状の樹脂などを使用する方法が提案されている。
シート状の樹脂などを使用する方法として、例えば、加熱されることによって粘性と粘着性を有する熱硬化性樹脂からなる薄板状樹脂シートを、基板面上に実装された半導体全面を覆うように被せたのちに加熱して、薄板状樹脂シートを半導体と基板面に接着させ、加熱処理後に軟化した薄板状樹脂シートが硬化することで半導体を封止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では樹脂シートを加熱・加圧することによって均一に軟化させる必要があり、封止工程が煩雑となる。さらに、厚み50μm以下の半導体への適用しか開示されていない。また、実装基板に実装した弾性表面波(SAW)チップの上面に特定厚みの樹脂シートを載置し、減圧または真空雰囲気下で樹脂シートを加熱加圧して樹脂を硬化させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法も樹脂シートを加熱・加圧することにより均一に軟化させる必要がある。
一方、従来より、配線基板とフィルムをボイドを生じないように積層するために、真空積層装置が用いられている。例えば特許文献3には、プリント配線基板とフィルム状フォトレジスト形成層を積層する場合に用いられる真空積層装置と真空積層方法が示されている。しかし、ここに示された技術は、回路高さが80μm以下で比較的凹凸差が小さい基板を被積層体とするものであり、ここに開示された事項をもって半導体の搭載された実装基板とフィルム材料とを積層することは困難であった。例えば、厚さが数mmの半導体が実装された実装基板とフィルム材料とをかかる真空積層装置により積層する場合、基板上の凸部(半導体部分)に圧力が集中するため、凹凸段差の大きな半導体実装部分に、その段差より薄い樹脂フィルムを追従させ貼り付けようとすると、樹脂フィルムに破れが生じたり、厚みが不均一となる課題があった。段差を完全に埋めるために、段差以上の厚さの樹脂フィルムを用いることも考えられるが、凹凸段差間などにボイドが生じやすくなるという課題があった。
また近年、半導体素子として従来用いられていたシリコン(Si)ウエハに代わり、SiC(炭化珪素)が注目されており、パワーデバイスなどの分野で検討が進められている。SiCは電気特性に優れているので、単位面積にかけられる電圧はSiよりも高くなり、それに伴い、単位面積にかかる温度も高くなる。従って、半導体素子を覆う接着剤にも200℃を超える高い耐熱性が求められ、さらにその温度で長期間(最大で1000時間程度)接着性とサーマルサイクル耐性を維持することのできる長期高温耐性が要求されている。特に、銅配線部分を覆う場合の接着剤には、長期高温条件下において銅による接着剤の酸化劣化が促進されることから、特に厳しい長期高温耐性が要求されている。
しかしながら、これら公知の半導体素子を覆う方法では、上述のような長期間にわたる高温条件下における耐熱性は不十分であった。特にこれら公知の半導体素子を覆う方法で銅配線部分を覆った場合、銅によって接着剤の酸化が促進されることから、短期間で可とう性がなくなり、長期高温耐性が損なわれる課題もあった。
特開2003−249510号公報 特開2004−363770号公報 特開平8−332646号公報
本発明は、前記従来技術の課題に鑑み、長期高温耐性に優れた半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、基板上に実装された半導体と、厚み50〜400μmの接着剤シートとを有する半導体デバイスであって、凹凸を有する面を覆う前記接着剤シートの平坦部における厚みT1、湾曲部における厚みT2の比T2/T1が0.25以上であり、前記接着剤シートの30℃、Bステージにおける貯蔵弾性率が0.6〜102MPaであることを特徴とする半導体デバイスである。
本発明の半導体デバイスは、接着剤シートの破れや凹凸段差間のボイドを生じにくく、長期間にわたる高温条件下でも優れた耐熱性を有する半導体デバイスを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の半導体デバイスの第1の実施形態の例を示す断面図である。多層基板などの基板1上に半導体などの封止対象となる半導体素子2が実装され、接着剤シート3により覆われている。図2は、本発明の半導体デバイスの第2の実施形態の例を示す断面図である。多層基板などの基板1上に複数の半導体などの封止対象となる半導体素子2が銅などの金属配線4により実装され、接着剤シート3により覆われている。図3は、本発明の半導体デバイスの第3の実施形態の例を示す断面図である。多層基板などの基板1上に半導体素子2が半田ボール5を介して実装され、接着剤シート3により覆われている。図4は、本発明の半導体デバイスの第4の実施形態の例を示す断面図である。多層基板などの基板1上に半導体素子2がダイアタッチ材6を介して実装され、接着剤シート3により覆われている。
基板1は、有機または無機の任意の回路基板が挙げられる。このような基板は、例えば、PCB(プリント配線板;Printed Circuit Board)基板、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板、DCB(Direct Copper Board)セラミック基板、IM(絶縁金属;Insulated Metal)基板などが挙げられる。
半導体素子2は、Siや、SiC、弾性表面波素子などが挙げられる。
本発明の半導体デバイスは、接着剤シート3の厚みが50〜400μmであることが重要である。接着剤シート3の厚みが50μm未満であると、通常、半導体素子2や金属配線4の上部四隅が尖った形状であるため、破れが生じやすい。400μmを超えると、凹凸段差に追従することが困難となり、ボイドが生じやすくなる。なお、接着剤シート3の厚みは、平坦部における厚みT1を示す。
さらに、本発明の半導体デバイスは、凹凸を有する面を覆う接着剤シートの平坦部における厚みT1、湾曲部における厚みT2の比T2/T1が0.25以上であることが重要である。例えば、T1が200μmであるとすれば、T2が50μm以上となる。T2/T1が0.25より小さいと、長期間高温条件下に晒されると基板1上の凸部(半導体素子2や金属配線4)でのクラック発生により接着剤シート3の破れが生じやすくなり、電気特性の低下が生じる場合がある。
さらに、本発明の半導体デバイスは、接着剤シート3の30℃、Bステージにおける貯蔵弾性率が0.6〜102MPaであることが重要である。貯蔵弾性率が0.6MPa未満であると、半導体を覆う工程において、基板1上の凸部(半導体素子2や金属配線4)で破れが生じやすくなる。一方、102MPaを超えると、凹凸段差間でボイドが生じやすくなる。このため、長期間高温条件下に晒されるとクラック発生による接着剤シート3の破れが生じやすくなり、電気特性の低下が生じる場合がある。
本発明において、接着剤シートは(A)熱可塑性樹脂、(B)熱硬化性樹脂、(C)硬化剤、(D)複素環アゾール化合物 および(E)前記一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
Figure 2010135587
Rはフェニル基、アルキル基、オキセタニル基、ビニル基、水酸基およびアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む1価の有機基を示す。
本発明において、接着剤シートは(A)熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、その種類は特に限定されない。熱可塑性樹脂は、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向上等の機能を有する。熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂(アクリルゴム)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等が例示される。また、これらの熱可塑性樹脂は後述の(B)熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基、シラノール基、イソシアネート基等である。これらの官能基により熱硬化性樹脂との結合が強固になり、耐熱性が向上するので好ましい。さらに、後述する(E)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性、シェア強度、可撓性、熱応力の緩和効果の点から、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステルを必須重合成分とする重合体は特に好ましく使用できる。また、これらの重合体についても前述の熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有していることが好ましい。架橋密度が上がり耐熱性に有利であるとともにシェア強度にも有利に働くからである。上述した官能基含有量は、(A)熱可塑性樹脂中0.07eq/kg以上、0.7eq/kg以下が好ましく、より好ましくは0.45eq/kg以下、さらに好ましくは0.14eq/kg以下である。また、長期間高温条件下における耐サーマルサイクル性の観点から、(A)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10万以上が好ましく、より好ましくは50万以上、さらに好ましくは100万以上であり、ガラス転移温度(Tg)は好ましくは20℃以下、より好ましくは5℃以下、さらに好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−30℃以下である。熱可塑性樹脂を2種以上用いる場合、その内少なくとも1種がこの範囲を満たしていればよい。重量平均分子量については、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定し、ポリスチレン換算で算出する。TgについてはDSC法により算出する。
本発明において、接着剤シート中の(A)熱可塑性樹脂の含有量は、後述する(B)熱硬化性樹脂100重量部に対し、好ましくは10重量部以上、より好ましくは40重量部以上、さらに好ましくは50重量部以上であり、好ましくは700重量部以下、より好ましくは600重量部以下、さらに好ましくは300重量部以下である。この範囲であれば、可撓性、長期高温耐性を高いレベルで維持できるので好ましい。また、20℃以下のTgを持つ熱可塑性樹脂含有量は、(B)熱硬化性樹脂100重量部に対し、好ましくは10重量部以上、より好ましくは40重量部以上、さらに好ましくは50重量部以上、さらに好ましくは100重量部以上である。一方、700重量部以下が好ましく、より好ましくは500重量部以下である。この範囲であれば、長期高温条件下における耐サーマルサイクル性を維持できるので好ましい。また、長期高温耐性、接着性をより向上させる観点から、接着剤組成物中、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。
本発明において、接着剤シートは(B)熱硬化性樹脂を含有することが好ましく、その種類は特に限定されない。熱硬化性樹脂は耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層強度等の物性のバランスを実現する機能を有する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂等公知のものが例示される。特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れるので好適である。これらを併用してもよい。エポキシ樹脂は1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール、ジシクロペンタジエンジキシレノール等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキサンエポキサイド等の脂環式エポキシ、フェノキシ樹脂等が挙げられる。その中でも、接着剤組成物の架橋密度を高めるために、1分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このような基を用いて架橋密度を高くすることにより、耐熱性、耐リフロー性、膜強度、耐溶剤性に優れた接着剤組成物を得ることができる。
これら多官能エポキシ樹脂としては、オルソクレゾールノボラック型:具体的にはJER(ジャパンエポキシレジン(株))製E180H65、住友化学(株)製ESCN195、日本化薬(株)製EOCN1020、EOCN102S、103S、104S等、DPPノボラック型:具体的にはJER製E157S65等、トリスヒドロキシフェニルメタン型:具体的には日本化薬(株)製EPPN501H、JER製E1032等、テトラフェニロールエタン型:具体的にはJER製E1031S等、ジシクロペンタジエンフェノール型:具体的にはDIC(大日本インキ化学工業(株))製HP7200等、その他ナフタレン構造を有する多官能エポキシ樹脂、新日鐵化学(株)製ESN、特殊骨格を持つJER製YL6241等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は2種以上用いてもよい。さらに、難燃性付与のために、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂を用いることが有効である。接着剤組成物の耐熱性との両立の観点から、臭素化エポキシ樹脂と非臭素化エポキシ樹脂を含有することが有効である。臭素化エポキシ樹脂の例としては、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの共重合型エポキシ樹脂、あるいは“BREN”−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの臭素化エポキシ樹脂は臭素含有量およびエポキシ当量を考慮して2種以上用いてもよい。また、最近では環境影響の観点から、ハロゲンを含まないタイプのエポキシ樹脂、具体的にはリン含有エポキシ樹脂、窒素含有エポキシ樹脂も多く用いられている。難燃性付与のために、これらのエポキシ樹脂を用いてもよい。
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。例えば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。
本発明において、接着剤シートは(C)硬化剤を含有することが好ましい。(C)硬化剤の含有量は、(B)熱硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部であると好ましい。
硬化剤としては、例えば、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド等公知のものが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。また、トリフェニルホスフィン、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体等公知の硬化促進剤も、本発明において(C)硬化剤に含まれるものとする。
本発明において、接着剤シートは(D)複素環アゾール化合物を含有することが好ましい。複素環アゾール化合物は、金属配線を用いる場合に、例えば銅などの金属表面に防錆層を形成するため、金属表面の酸化を防ぎ、長期高温耐性の向上等の機能を有する。複素環アゾール化合物としては、ジアゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアゾール化合物などが挙げられる。また、ポリマーの側鎖や主鎖にこれらの構造を有するホモポリマおよび共重合体を使用することもできる。なお、本発明においては、複素環アゾール構造を有する化合物は、熱硬化性を有する樹脂あるいは熱可塑性を有する樹脂であっても(D)に分類するものとする。
複素環アゾール化合物のなかでも、ベンゾトリアゾール化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、これらの塩が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、4−メチル−ベンゾトリアゾール、5−メチル−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ニトロ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−フェニル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−yl)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。ベンゾトリアゾールまたはその誘導体の塩としては、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体と、Na、Kなどのアルカリ金属との塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、イソプロピルアミンなどのアミンとの塩が挙げられる。具体的には、ベンゾトリアゾールモノエタノールアミン塩、トルトリアゾールナトリウム塩などが挙げられる。ベンゾトリアゾール誘導体を用いることにより、ベンゾトリアゾール自体の熱分解温度が上昇することから、より高温領域において、防錆効果を発揮するため好ましい。上述した化合物の含有量は、(A)熱可塑性樹脂、(B)熱硬化性樹脂および(E)オルガノポリシロキサンの合計100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは2重量部以上である。一方、7重量部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下である。
上記のとおり、(D)複素環アゾール化合物を含有することにより、金属表面の酸化を防ぎ、長期高温耐性を向上させることができる。しかしながら、複素環アゾール化合物を含む接着剤シートであっても、長期間高温条件下に晒されると接着剤の後硬化反応が進むことにより、被着体(金属)表面に複素環アゾール化合物が供給されなくなる。そのため防錆効果が低下し、金属配線が酸化するとともに、金属配線を覆った接着剤シートにおいても酸化が進行し、接着剤シートの酸化劣化が生じる場合がある。本発明においては、(D)複素環アゾール化合物とともに(E)成分のオルガノポリシロキサンを含有することにより、長期間高温条件下に晒された場合であっても後硬化反応が進みにくく、接着剤シートの可撓性を維持するため、金属表面に複素環アゾール化合物を供給することが可能となる。その結果、金属表面の酸化を抑制するとともに、接着剤シートの酸化劣化も抑制することができる。
(E)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンとしては、シリコーンレジンが挙げられる。シリコーンレジンとは、シリコーンオイルが2官能性シロキサンであるのに対して、3官能性または4官能性のシロキサン単位を主成分とする3次元網目構造を有するシリコーンである。シリコーンレジンは、3官能性シロキサン単位を有していれば特に限定されず、1)2官能性シロキサン単位と3官能性シロキサン単位を組み合わせたもの、2)3官能性シロキサン単位のみからなるものなどがある。長期間高温条件下おける耐サーマルサイクル性を向上させる観点から、少なくとも3官能性シロキサン単位と2官能性シロキサン単位を有することが好ましく、2官能性シロキサン単位/3官能性シロキサン単位(モル比)が1を超えることがより好ましい。
一般式(1)において、ケイ素原子に結合したRは、フェニル基、アルキル基、オキセタニル基、ビニル基、水酸基およびアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する1価の有機基を示す。その中でも、長期高温耐性、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂との相溶性の観点からは、フェニル基およびメチル基を含むものが好ましい。また、架橋密度を高くする観点からは、アルコキシ基、水酸基、オキセタニル基を含むものが好ましい。このような基を用いて架橋密度を高くすることにより、耐熱性、耐リフロー性、膜強度、耐溶剤性に優れた接着剤組成物を得ることができる。オルガノポリシロキサン中の各3官能性シロキサン単位において、Rは単一であっても、2種以上であってもよいが、耐熱性、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂との相溶性、高い架橋密度を両立させる点で、フェニル基およびメチル基と、アルコキシ基、水酸基またはオキセタニル基とを有することがより好ましい。フェニル基を含有する場合、(A)熱可塑性樹脂との相溶性の観点から、フェニル基含有量はRの5mol%以上が好まく、より好ましくは10mol%以上である。
また、(E)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンは、主鎖がすべてシロキサン結合であることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを含有することにより、接着剤組成物の長期高温耐性をより向上させ、耐候性、電気特性を向上させることができる。
(E)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンの例としては、(i)旭化成ワッカー(株)製:SY231(Rとしてメトキシ基、フェニル基、メチル基を含む(アルコキシ当量222))、SY550(Rとしてメトキシ基、フェニル基、メチル基を含む)、SY300(Rとして水酸基、フェニル基、プロピル基を含む(水酸基価3重量%))、SY409(Rとして水酸基、フェニル基、メチル基を含む(水酸基価2.5重量%))、SY430(Rとして水酸基、フェニル基を含む(水酸基価5重量%))、IC836(Rとして水酸基、フェニル基を含む(水酸基価3.5重量%))、(ii)信越化学工業(株)製:ストレートシリコーンレジン:KR220L(固体)、KR242A、KR271、KR282(重量平均分子量(Mw)=100000〜200000、Rとして水酸基を含む(水酸基価1重量%))、KR300、KR311(Mw=6000〜10000、Rとして水酸基を含む(水酸基価4.5重量%))、シリコーン中間体:KC89(Rとしてメトキシ基、メチル基を含む(メトキシ基含有量45重量%))、KR500(Rとしてメトキシ基を含む(メトキシ基含有量30重量%))、KR212(Mw=2000〜3000、Rとして水酸基、メチル基、フェニル基を含む(水酸基価5重量%))、KR213(Rとしてメトキシ基、メチル基、フェニル基を含む(メトキシ基含有量22重量%))、KR9218(Rとしてメトキシ基、メチル基、フェニル基を含む(メトキシ基含有量15重量%))、KR251、KR400、KR255、KR216、KR152、(iii)東レ・ダウコーニング(株)製:シリコーンレジン:804RESIN(フェニルメチル系)、805RESIN(フェニルメチル系)、806ARESIN(フェニルメチル系)、840RESIN(フェニルメチル系)、SR2400(メチル系)、シリコーン中間体:3037INTERMEDIATE(Mw=1000、Rとしてメトキシ基、フェニル基、メチル基を含む(メトキシ基含有量18重量%))、3074INTERMEDIATE(Mw=1400、Rとしてメトキシ基、フェニル基、メチル基を含む(メトキシ基含有量17重量%))、Z−6018(Mw=2000、Rとして水酸基、フェニル基、プロピル基を含む(水酸基価6重量%))、217FLAKE(Mw=2000、R1として水酸基、フェニル基を含む(水酸基価6重量%))、220FLAKE(Mw=3000、Rとして水酸基、フェニル基、メチル基を含む(水酸基価6重量%))、233FLAKE(Mw=3000、Rとして水酸基、フェニル基、メチル基を含む(水酸基価6重量%))、249FLAKE(Mw=3000、Rとして水酸基、フェニル基、メチル基を含む(水酸基価6重量%))、QP8−5314(Mw=200、Rとしてメトキシ基、フェニル基、メチル基を含む(メトキシ基含有量42重量%))、SR2402(Mw=1500、Rとしてメトキシ基、メチル基を含む(メトキシ基含有量31重量%))、AY42−161(Mw=1500、Rとしてメトキシ基、メチル基を含む(メトキシ基含有量36重量%))、AY42−162(Mw=2500、R1としてメトキシ基、メチル基を含む(メトキシ基含有量33重量%))、AY42−163(Mw=4500、Rとしてメトキシ基、メチル基を含む(メトキシ基含有量25重量%))、(iv)東亜合成(株)製:シルセスキオキサン誘導体、OX−SQ(Rとしてオキセタニル基を含む(官能基当量:263g/eq))、OX−SQ−H(Rとしてオキセタニル基を含む(官能基当量:283g/eq))、OX−SQSI−20(Rとしてオキセタニル基を含む(官能基当量:262g/eq))、AC−SQ(Rとしてアクリロイル基を含む(官能基当量:165g/eq))等が挙げられる。
(E)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンの含有量は、後述する(B)熱硬化性樹脂100重量部に対し、好ましくは30重量部以上、より好ましくは40重量部以上、さらに好ましくは50重量部以上、さらに好ましくは100重量部以上である。一方、700重量部以下が好ましく、より好ましくは500重量部以下である。30重量部以上であれば、長期高温耐性がより向上する。一方、配線基板層等の素材との接着性(シェア強度)、形状維持の観点からは、700重量部以下が好ましい。また、長期高温耐性、回路腐食性、絶縁信頼性の観点から、接着剤組成物中、好ましくは20重量%を超え、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。本発明においては、一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンは、熱硬化性を有する樹脂あるいは熱可塑性を有する樹脂であっても(E)に分類するものとする。
本発明において、接着剤シートに(F)無機質充填剤を含有することにより、耐リフロー性、打ち抜き性等の加工性、熱伝導性、難燃性を向上させることができる。無機質充填剤は接着剤の特性を損なうものでなければ特に限定されないが、その具体例としては、シリカ、酸化アルミニウム、窒化珪素、水酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化チタン、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の無機塩、あるいはカーボンブラック、ガラス等が挙げられる。中でも、シリカ、酸化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、水酸化アルミニウムが好ましく用いられる。これらを単独または2種以上用いてもよい。中でも熱分解温度が300℃を大きく超えるため接着剤の耐リフロー性に有利である点、接着剤シートの流動性を調整しやすい点、粒径の安定性からシリカが特に好ましい。ここで、シリカは非晶、結晶のいずれであってもよく、それぞれのもつ特性に応じて適宜使いわけることを限定するものではない。これらの無機質充填剤に耐熱性、接着性等の向上を目的としてシランカップリング剤等を用いて表面処理を施してもよい。シランカップリング剤は後述のものを用いることができる。また、無機質充填剤の形状は特に限定されず、破砕系、球状、鱗片状などが用いられるが、塗料への分散性の点から球状が好ましく用いられる。無機質充填剤の粒径は特に限定されないが、分散性および塗工性、耐リフロー、サーマルサイクル耐性および本発明の接着剤シートを基材へラミネートした際の接続不良等の信頼性の点で、平均粒径3μm以下、最大粒径10μm以下が好ましく用いられる。また、流動性、分散性の点から平均粒径の異なる充填剤を併用すると一層効果的である。なお、粒径の測定は、堀場LA500レーザー回折式粒度分布計で測定することができる。ここでいう平均粒径とは、球相当体積を基準とした粒度分布を測定し、累積分布をパーセント(%)で表した時の50%に相当する粒子径(メジアン径)で定義される。ここで言う粒度分布は、体積基準で粒子径表示が56分割片対数表示(0.1〜200μm)するものとする。また、最大粒径は先に定義した粒度分布において、累積分布をパーセント(%)で表した時の100%に相当する粒子径で定義される。また、測定試料は、イオン交換水中に、白濁する程度に粒子を入れ、10分間超音波分散を行ったものとする。また、屈折率1.1、光透過度を基準値(約70%程度、装置内で既に設定されている)に合わせて測定を行う。無機質充填剤の含有量はb)熱硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上が好ましく、より好ましくは10重量部以上であり、200重量部以下が好ましく、より好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは100重量部以下である。無機質充填剤の含有量を5重量部以上とすることで、耐リフロー性の向上効果が得られ、200重量部以下とすることで、接着力を向上させることができる。
本発明において、接着剤シートにシランカップリング剤を含有することにより、銅をはじめとした種々の金属配線や基板との接着力の向上を図ることができる。以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で、回路腐食やマイグレーション現象を抑制する腐食抑制剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤などを含有することは何ら制限されるものではない。
酸化防止剤としては、酸化防止の機能を付与するものであれば特に限定されず、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤が挙げられる。例えばNBRゴムなど二重結合を含む樹脂の場合、高温で長時間放置すると二重結合部分の架橋が徐々に進行し、接着剤膜が脆くなる傾向があるが、酸化防止剤を使用することにより、これらの反応を抑えることができる点で有効である。
イオン捕捉剤としては無機イオン交換体が多く使われる。無機イオン交換体は、(i)イオン選択性が大きく、2種以上のイオンが共存する系より特定のイオンを分離することができる、(ii)耐熱性に優れる、(iii)有機溶剤、樹脂に対して安定である、(iv)耐酸化性に優れることから、イオン性不純物の捕捉に有効であり、絶縁抵抗の低下抑制、アルミ配線の腐食防止、イオンマイグレーションの発生防止などが期待できる。種類は非常に多く、1)アルミノケイ酸塩(天然ゼオライト、合成ゼオライト等)、2)水酸化物または含水酸化物(含水酸化チタン、含水酸化ビスマス等)、3)酸性塩(リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等)、4)塩基性塩、複合含水酸化物(ハイドロタルサイト類等)、5)ヘテロポリ酸類(モリブドリン酸アンモニウム等)、6)ヘキサシアノ鉄(III)塩等(ヘキサシアノ亜鉛等)、7)その他、等に分類できる。商品名としては、東亜合成(株)のIXE−100、IXE−300、IXE−500、IXE−530、IXE−550、IXE−600、IXE−633、IXE−700、IXE−700F、IXE−800が挙げられる。陽イオン交換体、陰イオン交換体、両イオン交換体があるが、接着剤組成物中には陽、陰両方のイオン性不純物が存在することから、両イオン交換体が好ましい。これらを使用することにより、絶縁層用途で使用した場合、配線のイオンマイグレーションを防ぐと共に、絶縁抵抗低下を抑制することができる。これらの成分は単独または2種以上用いてもよい。
また、接着剤シートの加熱後のシェア強度が好ましくは5MPa以上、さらに好ましくは10MPa以上であると好適である。加熱後のシェア強度が5MPa以上であると、パッケージの取扱時、リフロー時に剥離を生じにくいので好ましい。ここで、シェア強度は、西進商事(株)製 ボンドテスターMODEL SS−30WD(ロードセル50kg)を使用し、速度0.120mm/秒の条件で室温にて測定できる。
接着剤シートの厚みや厚みの比T2/T1、貯蔵弾性率を上記特定の範囲としたことにより、ボイドの発生や長期間高温条件下でのクラック発生を効果的に抑制し得ることを、具体的な実施例に基づき説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に半導体デバイス作製方法と評価方法について述べる。
(1)半導体デバイス作製:図2に示す半導体デバイスを次の方法で作製した。基板として、セラミック材料からなる基板1(厚み300μm)と、この基板1上に設置された銅からなる金属配線4(厚み400μm)からなるDCBセラミック基板を用いた。金属配線4に、半導体素子2(SiC、厚み300μm)を半田付けにより接続した。ここに、130℃、0.5MPa、0.3m/分の条件で接着剤シート3をロールラミネートした。その後、100℃で1時間、170℃で2時間熱処理することにより、接着剤を硬化させた。
(2)長期高温耐性:上記(1)記載の方法で作製した半導体デバイスを200℃のエアオーブンに入れた。途中、10時間周期でサンプルを観察し、接着剤の剥がれが生じればN.G.とした。
各接着剤シートに用いた原料のうち、略号で表すものの詳細を以下に示す。
a)熱可塑性樹脂
SG−80H:ナガセケムテックス(株)製、エチルアクリレートを主成分とするエポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ当量14000、Mw=350000、Tg=7.5℃
SG−P3:ナガセケムテックス(株)製、ブチルアクリレートを主成分とするエポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ当量4700、Mw=850000、Tg=15℃
XF−3677:トウペ(株)製、エチルアクリレートを主成分とする水酸基含有アクリルゴム、Mw=1300000、Tg=−30℃
b)熱硬化性樹脂
EOCN−102S:日本化薬(株)製、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量205
H−4:明和化成(株)製、フェノールノボラック樹脂
PS2780:群栄化学(株)製、アルキルフェノール樹脂
c)硬化剤
TPP:トリフェニルホスフィン
e)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサン
KR212:信越化学(株)製、Mw=2000〜3000、Rとして水酸基、メチル基、フェニル基を含むシリコーンレジン(水酸基価5重量%)、2官能シロキサン単位/3官能シロキサン単位=1以上、フェニル基含有率=30mol%以上
KR152:信越化学(株)製、Mw=500000〜800000、Rとして水酸基、メチル基、フェニル基を含むシリコーンレジン(水酸基価10重量%)、2官能シロキサン単位/3官能シロキサン単位=1以上、フェニル基含有率=30mol%以上
KR216:信越化学(株)製、Mw=5000〜10000、Rとして水酸基、メチル基、フェニル基を含むシリコーンレジン(水酸基価5重量%)、2官能シロキサン単位/3官能シロキサン単位=0.2以下、フェニル基含有率=30mol%以上
f)無機質充填剤
SO−C1:(株)アドマテックス製、平均粒径0.3μm、球状シリカ 。
実施例1〜2、比較例1〜5
SO−C1を、濃度20重量%となるようにトルエンと混合した後、ボールミル処理して分散液を作製した。この分散液に、各熱硬化性樹脂、オルガノポリシロキサン、熱可塑性樹脂、硬化剤、複素環アゾール、メチルエチルケトンを、それぞれ表1に記載の組成比および固形分濃度20重量%となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ(登録商標)”GT)に乾燥厚さが表1に示すT1となるように塗布し、150℃で4分間乾燥し、保護フィルム層を貼り合わせて、接着剤シートを作製した。得られた接着剤シートを用いて、前記(1)項に記載した方法で半導体デバイスを作製した。
表1に各実験例および比較例の接着剤層組成および評価結果を示す。
Figure 2010135587
表1の実験例および比較例から、本発明により接着剤シートの破れや凹凸段差間のボイドを生じにくく、長期間にわたる高温条件下でも優れた耐熱性を有する半導体デバイスを提供することができることがわかる。
本発明の半導体デバイスの第1の実施形態の例を示す断面図。 本発明の半導体デバイスの第2の実施形態の例を示す断面図。 本発明の半導体デバイスの第3の実施形態の例を示す断面図。 本発明の半導体デバイスの第4の実施形態の例を示す断面図。
符号の説明
1 基板
2 半導体素子
3 接着剤シート
4 金属配線
5 半田ボール
6 ダイアタッチ材
T1 接着剤シートの平坦部における厚み
T2 接着剤シートの湾曲部における厚み

Claims (4)

  1. 基板上に実装された半導体と、厚み50〜400μmの接着剤シートとを有する半導体デバイスであって、凹凸を有する面を覆う前記接着剤シートの平坦部における厚みT1、湾曲部における厚みT2の比T2/T1が0.25以上であり、前記接着剤シートの30℃、Bステージにおける貯蔵弾性率が0.6〜102MPaであることを特徴とする半導体デバイス。
  2. 前記接着剤シートが、(A)熱可塑性樹脂、(B)熱硬化性樹脂、(C)硬化剤、(D)複素環アゾール化合物、および(E)下記一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1記載の半導体デバイス。
    Figure 2010135587
    (Rはフェニル基、アルキル基、オキセタニル基、ビニル基、水酸基およびアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む1価の有機基を示す。)
  3. 前記(E)一般式(1)で表される3官能性シロキサン単位を有するオルガノポリシロキサンの含有量が、(B)熱硬化性樹脂100重量部に対して30重量部以上700重量部以下であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体デバイス。
  4. 前記半導体が基板上に半田ボールおよびダイアタッチ材を介して実装されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の半導体デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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