本実施形態の情報提供システム100を図面に基づいて説明する。
図1は情報提供システム100を含む車載装置1000と、道路上の所定の位置に設置された路側装置400との全体概要を示す図であり、図2は路側装置400と情報提供システム100を含む車載装置1000のブロック構成図である。
まず、路側装置400について説明する。路側に設置された路側装置400は、車両に搭載された情報提供システム100との双方向通信により情報の授受を行う路上インフラ装置である。本実施形態の路側装置400は、いわゆるITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)その他の高度情報通信ネットワークの一部を構成する。
本実施形態の路側装置400は、通信装置410と、判定ユニット420と、データベース430と、移動体センサ440とを備える。
通信装置410は、光ビーコン411、無線通信機能412などの双方向通信機能を備える。光ビーコン411は、所定の検知エリアに存在する(検知対象となる)車両との双方向通信により、その検知エリアにおける車両の存在を検出する。また、無線通信機能412は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、UWB(Ultra Wide Band)、MCA(Multi Channel Access System)無線システム、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11系その他の無線LAN規格等に従う無線通信を行うための機能を備えてもよい。
判定ユニット420は、各種情報の演算を実行する演算装置として機能する。判定ユニット420は、車両側の情報提供システム100に提供する情報の処理を行うとともに、交通情報を集中的に管理するセンターと情報の授受を行う。判定ユニット420は、路側装置400の移動体センサ440が検出した情報、及び他の路側装置400´の移動体センサ440が検出した情報を処理することができる。
データベース430は、判定ユニット420の処理に用いられる情報を管理する。管理される情報には、道路情報431、信号の授受が可能な通信ゾーンに関する情報433を含む。
また、道路情報431は、予め定義された地点の位置その他の地点の属性に関する情報、各地点を含む道路について、道路の種別、車線数、車線の識別子、幅員その他の道路の属性に関する情報、及び右折レーン、左折レーン又は直進レーンを識別するためのレーン識別情報を含む。さらに、データベース430は、後述する移動体センサ440により検知された、移動体に関する移動体情報434を蓄積し、所定のトリガ発生時に任意又は特定の移動体情報434を情報提供システム100へ提供する。
移動体センサ440は、各道路を走行する車両の有無を検知する車両センサ441と、横断歩道などを渡る歩行者の有無を検知する歩行者センサ442とを含む。車両センサ441、歩行者センサ442その他の移動体センサ440は、道路上の所定の位置に設置され、検知した情報を路側装置400の通信装置410に送出する。なお、車両センサ441、歩行者センサ442の検出手法としては、撮像画像を用いる手法、赤外線画像を用いる手法、無線通信を用いる手法など公知の手法を用いることができる。
次に、情報提供システム100について説明する。
図2に示すように、車載装置1000は、情報提供システム100と、車両コントローラ200と、車載センサ300と、ナビゲーション装置500、及び出力装置600とを備える。情報提供システム100と各装置200〜600は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行う。
本実施形態の情報提供システム100は、情報を取得する機能を実現する情報取得部10と、第1地点から第2地点までの第1距離を算出する機能を実現する第1距離算出部20と、車両の基準点の位置を算出する機能を実現する基準位置算出部30と、基準点から判断地点までの第2距離を算出する機能を実現する第2距離算出部40と、第1距離と第2距離との比較結果に基づいて車両が車線変更をしたか否かを判断する機能を実現する車線変更判断部50と、車両が車線変更する場合に車両周囲の移動体に関する情報を提供する機能を実現する情報提供部60と、を備える。
情報提供システム100の情報取得部10、第1距離算出部20、基準位置算出部30、第2距離算出部40、車線変更判断部50、及び情報提供部60は、演算装置の一部を構成する。この演算装置は、本実施形態に係る情報提供処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory )と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、情報提供システム100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備える。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。これらのハードウェアは、情報取得機能、第1距離算出機能、基準位置算出機能、第2距離算出機能、車線変更判断機能、及び情報提供機能を実現させるソフトウェアと協働し、情報提供処理を実行する。
以下、各構成についてそれぞれ説明する。
まず、情報取得部10について説明する。情報取得部10は、路側装置400の通信装置410との通信を実行する通信機能11と、通信を行うためのアンテナ12とを備え、道路上の地点の属性に関する情報及び道路の属性に関する情報を含む道路情報を路側装置400側から取得する。情報取得部10は、路側装置400との通信において、自車両に近い地点の属性に関する情報のみならず、自車両が走行する道路の進行方向に沿って存在する複数の地点の属性に関する情報を含む道路情報を取得する。
この道路上の地点の属性に関する情報は、所定の地点(以下、ノードともいう)の位置、ノードの属性(ノードが交差点領域に属する、ノードが右(左)折領域に属するなどの情報)、ノードの属する車線の識別子、道路の中心に位置する地点の情報を含む。この道路上の地点には、路側装置400の光ビーコンの設置位置、道路の中心位置を含む。
また、道路の属性に関する情報は、地点間の距離(ノード間のリンクの距離)、道路の種別、道路の車線数、道路に含まれる車線が右折レーン、左折レーンまたは直進レーンであるかの識別子を含む。道路情報に含まれる地点の属性と道路の属性に基づいて、所定の地点が含まれる車線が右折レーン、左折レーンまたは直進レーンであるかを識別することができる。また、道路の属性に関する属性情報は、道路の左右の境界、及び道路に含まれる各車線の左右の境界の情報を含む。この道路又は車線の境界の情報は、境界の位置を定義できる情報であり、緯度・経度の集合であってもよいし、境界を表現する数式であってもよい。また、道路又は車線の境界の情報は、左右の境界に挟まれた領域を定義する情報であってもよい。この道路又は車線の境界の情報を参照すれば、緯度・経度により定義される任意の地点が道路又は境界内に存在するか道路又は境界の外に存在するかを判断することができる。
さらに、情報取得部10は、路側装置400から、道路を移動する移動体に関する移動体情報434を取得する。この移動体情報434は、車両センサ441により検知された他車両に関する情報、歩行者センサ442により検知された歩行者に関する情報を含む。
これらの道路情報は、路側装置400のデータベース430に格納される。もちろん、ネットワークを介して外部の道路情報提供サーバから取得してもよい。
次に、第1距離算出部20について説明する。第1距離算出部20は、情報取得部10により取得された地図上の道路に関する道路情報に基づいて、車両の現在位置に対応づけられる第1地点から車両の進行方向にある第2地点までの第1距離を算出する。
まず、第1距離算出部20は、第1地点を定義する。このために、第1距離算出部20は、路側装置400からその路側装置400の設置位置情報若しくは路側装置400に最も近いノードの位置、又は通信ゾーンに含まれるノードの位置を取得し、その中の一の地点を車両の現在位置に対応する第1地点とし定義する。この手法によれば、第1地点は、情報提供システム100が路側装置400と通信する際の現在位置に対応する。つまり、第1地点は、情報提供システム100を搭載する車両が通信ゾーンに進入したタイミングにおける現在位置に対応づけることができる。
また、第1距離算出部20は、ナビゲーション装置500の現在位置検出機能501から、自車両の現在位置を取得し、この取得した現在位置を第1地点として定義してもよい。この現在位置は情報提供システム100が路側装置400と通信を行う際における現在位置であることが好ましい。なお、本実施形態の現在位置検出機能501は、GPS(Global Positioning System)を用いた測位を行う。また、第1距離算出部20は、各ノード(地点)が予め定義された道路情報431の地点の属性を参照し、取得した現在位置に最も近いノードを第1地点と定義してもよい。
さらに、第1距離算出部20は、第1地点を含む道路上であって、車両の進行方向にある第2地点を定義する。車両の進行方向は、車両コントローラ200、車載センサ300の検知情報、ナビゲーション装置500の検知情報、又は路側装置400の道路の属性(上り車線又は下り車線を識別する情報)を用いて、通常の手法により判断することができる。
このとき、定義される第2地点は、1つでもよいし複数でもよい。また、第1地点と第2地点とは、同一道路上であればよく、第1地点と同一の車線上にある地点を第2地点としてもよいし、第1地点と異なる車線上にある地点を第2地点としてもよい。もちろん、第1地点と同一の車線上の地点及び第1地点と異なる車線上の地点の両方を第2地点としてもよい。
図3は、現在位置に対応する第1地点の例と、車両の進行方向に位置する第2地点の例を示す図である。図3に示すように、第2地点は道路情報431の地点の属性において、その位置が予め定義されている地点の中から任意に設定される。特に限定されないが、第2地点は、交差点領域に含まれる地点であることが好ましい。第2地点が交差点領域に含まれる地点であるという情報は、道路情報431の地点の属性に含まれる。
そして、第1距離算出部20は、定義された第1地点と第2地点との第1距離を算出する。この第1距離は、道路上に定義された2つの地点(第1地点と第2地点)の地図上における理論上の距離である。本実施形態の第1距離算出部20は、道路情報431に基づいて、第1地点から第2地点へ至る経路の長さを第1距離として算出する。算出した第1距離の値は、後述する車線変更判断部50へ送出される。
次に、基準位置算出部30について説明する。基準位置算出部30は、基準位置算出部30は、アンテナ位置算出部31と、基準位置算出部32とを備え、第2距離を算出するにあたって基準となる基準点の位置を求める。アンテナ位置算出部31は、路側装置400から道路情報を取得する際に測定された車両のアンテナ12の位置を算出する。基準位置算出部33は、車両の走行軌跡を計測するために定義された基準点の位置を算出する。
以下、図面に基づいて、アンテナの設置位置の算出手法と、算出されたアンテナ位置に基づいて基準点の位置の算出手法を説明する。
まず、図4(A)〜(C)に基づいて、アンテナ12位置を測定する手法について説明する。ここで求めるアンテナ位置は、各地点を定義する座標上の値で表現されることが好ましく、本例では設置されたアンテナの緯度・経度を求める。また、車両のアンテナ12の位置の測定手法は特に限定されず、車両のアンテナ12として指向性の異なる複数のアンテナ12を採用し、車両のアンテナ12と光ビーコン411との角度と、光ビーコン411の設置位置(緯度・経度)に基づいて算出してもよいし、車両に複数のアンテナ12を設置して、その受信タイミングのずれと光ビーコン411の設置位置(緯度・経度)に基づいて算出してもよい。
ここでは、道路情報を取得する際における路側装置400との情報の送受信のタイミングに基づいて、アンテナ12の位置を算出する手法を例に説明する。
図4(A)は、車両に搭載されたアンテナ12と路側装置400の光ビーコン411との位置関係の例を示す図である。図4(A)に示すように、本実施形態の光ビーコン411の投受光器は、道路の幅員Wの中央位置の真上の所定の高さ(例えば路面から5.5mの高さ)に設置される。光ビーコン411は、所定の通信領域に向けて近赤外線を照射する(ダウンリンク)。近赤外線の照射範囲を図4Aに薄墨の領域として示す(図4B〜Cも同様)。
まず、車両の縦方向(車両の進行方向に沿う方向)の位置を計測する手法を説明する。図4Aの光ビーコン411からの近赤外線は指向性が高いため、所定の通信領域を設定することができる。路側装置400から送信された信号に対して、路側装置400が車載の情報提供システム100から応答信号(アップリンク)を受信できれば、車両が所定の通信領域内に進入したことが判る。
このため、車両からの応答信号の受信信号に基づいて、車両のアンテナ12の通信領域に対する位置を計測することができる。特に、通信の周期を高くすることにより、より正確に、車両の進行方向に沿う軸に対してのアンテナ12の位置を計測することができる。車両中心に対し、アンテナ12の車両の進行方向に沿う軸における設置位置は予め取得することができるので、計測されたアンテナ12の位置と予め取得されたアンテナ12の設置位置とに基づいて、車両の中心Rの縦方向(車両の進行方向に沿う方向)の位置を計測することができる。
次に、車両の横方向(車両の進行方向に対して垂直の方向)の位置を計測する手法を説明する。本実施形態では車両に搭載された2つのアンテナ12の受信タイミングのずれと光ビーコン411の設置位置(緯度・経度)に基づいて算出する手法例を説明する。
本実施形態では、図4(A)に示すように、車両は、2つのアンテナ12(第1アンテナ12A及び第2アンテナ12B)を有する。これら2車両の中心Rを挟んで左右両側のそれぞれに搭載されている。この2つのアンテナ12は、それぞれ光ビーコン411の信号を受信する。
図4(B)は、車両の中心Rに対する2つのアンテナ12(第1アンテナ12A及び第2アンテナ12B)の設置位置を示す図である。図4(B)に示すように、第1アンテナ12Aは車両の中心RからL1の距離に設置され、第2アンテナ12Bは車両の中心RからL2の距離に設置されている。このアンテナ12の設置位置に関する情報は、基準位置算出部30が予め車両コントローラ200から取得する。
図4(C)は、道路の中心Qに対する2つのアンテナ12(第1アンテナ12A及び第2アンテナ12B)の位置を示す図である。図4(C)に示すように、光ビーコン411は道路の中心Qに設けられている。また、図4(C)に示すように、車両中心Rと光ビーコン411が設けられた道路中心Qにずれがある場合は、第1アンテナ12Aと第2アンテナ12Bとの受信タイミングに差が生じる。この受信タイミングの差に基づいて、第1アンテナ12Aと光ビーコン411の距離V1、および第2アンテナ12Bの光ビーコン411の距離V2を求めることができる。この距離V1,V2と道路の中心Qに設けられた光ビーコン411の設置位置(緯度・経度)とに基づいて、第1アンテナ12Aの位置P1(緯度・経度)と第2アンテナ12Bの位置P2(緯度・経度)を算出することができる。図4(B)に示すように、車両の中心からの第1アンテナ12Aの距離L1と車両の中心からの第2アンテナ12Bの距離L2とが予め設定されている。この値を利用して、算出された第1アンテナ12Aの位置P1(緯度・経度)と距離L1又は第2アンテナ12Bの位置P2(緯度・経度)と距離L2とに基づいて、道路の中心Qから車両の中心Rまでの距離Yを求めることができる。
この距離Yと道路の中心Qの緯度・経度とに基づいて、車両の中心Rの車両の横方向(車両の進行方向に対して垂直の方向)の位置(緯度・経度)を算出することができる。
以上の手法により算出された車両の縦方向(車両の進行方向に沿う方向)の車両の中心Rの位置と、車両の横方向(車両の進行方向に対して垂直の方向)の車両の中心Rの位置とに基づいて、車両の中心Rの位置(例えば緯度及び経度により表現される位置)を特定することができる。
そして、本実施形態において、基準位置算出部30は、この車両の中心Rを車両の基準点として定義する。
図5は、車両の基準点の一例を示す図である。図5に示すように、基準位置算出部30は、車両の中心Rを車両の基準点Yとして定義するので、車両の中心Rの位置が車両の基準点Yの位置となる。このように、本実施形態では、車両の中心位置Rを基準点Yとし、この基準点Yの動きに基づいて、実際の走行における車両の軌跡を求める。
本例のように、第2距離を算出する際に基準となる基準点を車両の中心位置とすることにより、車線の中心、車線の境界と比較しやすくなるため、正確な車両位置を求めることができる。また、光ビーコン411が道路の中央に設けられている点を利用して、車両の基準点(緯度・経度)を求めることができるため、車両の車線変更に係る挙動を正確に判断することができる。
次に第2距離算出部40について説明する。第2距離算出部40は、走行する車両の車両情報に基づいて、車両が基準点から第2地点に対応する判断地点へ移動する際の基準点の軌跡に係る第2距離を算出する。
図6は、移動する車両と、第1地点と第2地点及び基準点と判断地点の関係の一例を示す図である。図6は、車両が、丸で囲んだ1で示す基準点から、2で示す位置で隣接する車線に移動し、3及び4で示す位置でさらに隣の車線に移動し、5で示す位置で右折車線に車線変更する状態を示す図である。
図6に示すように、本実施形態における第1地点は車両の現在位置に対応する位置である。たとえば、本実施形態における第1地点は、定義された地点(ノード)のうち、光ビーコン411の通信領域内に属する地点(ノード)又は現在位置に最も近い地点(ノード)である。
また、本実施形態における基準点は、車両の(横方向の)中心点であり、現在位置に対応する。
また、本実施形態における第2地点は、第1地点を走行する車両の進行方向にある地点であって、任意に定義された地点である。
また、本実施形態における判断地点は、第2地点に対応する地点であり、第2地点と同じ地点又は第2地点と所定の位置関係にある地点である。本例においては、図6に示すように、判断地点を、第2地点と走行路の延在方向に対して垂直方向の位置が所定幅以内に属する(図6において破線で囲んだ領域内に属する)地点とする。
さらに、本実施形態において判断地点及び第2地点は交差点領域に含まれる地点であることが好ましい。判断地点及び第2地点を交差点領域に含まれる地点とすることにより、交差点近傍において車両が車線変更をしたか否か、また車両がいずれの車線に車線変更するか否かを判断することができる。このため、交差点において車線変更をする車両に適切な情報を提供することができる。つまり、右左折をするタイミングにおいて、車両に提供する情報を適切に選択し、適切なタイミングで提供することができる。
第2距離算出部40は、基準点が、その基準位置から判断地点の位置まで移動する際の基準点の軌跡に係る第2距離を算出する。本実施形態の第2距離算出部40は、路側装置400と通信をする際に算出された基準点の位置の軌跡を辿って第2距離を算出する。
また、第2距離算出部40は、車両が路側装置400と他の路側装置400との間に存在する場合は、車速や車両が走行した可能性のあるノードの位置に基づいて第2距離を算出する。この場合において、本実施形態の第2距離算出部40は、車両の基準点の通過時から判断地点到着時までの時間と車速センサ301により検知された車速の履歴に基づいて算出する。具体的に、第2距離算出部40は、車両の基準点の通過時から判断地点到着時までの時間に、基準点の通過時から判断地点到着時までに検出された車速の平均値を乗じて第2距離を算出する。また、第2距離算出部40は、基準点の通過時から判断地点到着時までに検出された車速を積分処理することにより第2距離を算出する。
また、本実施形態の第2距離算出部40は、特に限定されないが、ナビゲーション装置400の現在位置検出機能401が求める車両の現在位置と、車両の基準点との位置関係を算出し、この位置関係を参照して、現在位置検出機能401が検出する現在位置の検出地点を車両の基準点の位置に変換する。そして、第2距離算出部40は、地図情報402を参照し、この変換された基準点の履歴を辿って第2距離を算出してもよい。
続いて、車線変更判断部50について説明する。車線変更判断部50は、算出された第1距離と第2距離との比較結果に基づいて、車両が車線変更するか否かを判断する。
以下、図面に基づいて、車線変更を判断する手法を説明する。
図7は、車線変更を判断する第1の手法を説明するための図である。図7に示すように、車両は、車両の進行方向左側の車線に含まれる基準点から、進行方向右側の車線に含まれる判断地点に車線変更する。この場合において、車両が車線変更をしたか否かを判断する手法例を説明する。
車線変更判断部50は、第1距離算出部20により算出された第1地点からこの第1地点と同一車線上に存在する第2.1地点までの第1距離を取得する。両地点が同一車線上に存在するか否かは、地点が含まれる車線の識別情報に基づいて判断する。一方、車線変更判断部50は、第2距離算出部40により算出された基準点から判断地点までの第2距離を取得する。
そして、車線変更判断部50は、この第2距離と第1距離との差が所定値以上である場合は、車両が車線変更したと判断する。この場合において、判断基準となる所定値は、第1地点と第2−1地点との距離に基づいて、予め設定することが好ましい。
さらに、本実施形態の車線変更判断部50は、車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。本例における車線変更判断部50は、第1距離との差が所定値以上である第2距離の判断地点が含まれる車線の道路情報431に含まれる車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかのレーン識別情報を参照し、判断地点が含まれる車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別する。このとき、判断地点に対応する第2地点が含まれる車線について、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別してもよい。
そして、その識別結果に基づいて車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。
図8は、車線変更を判断する第2の手法を説明するための図である。図8に示すように、車両は、車両の進行方向左側の車線に含まれる基準点から、進行方向右側の車線に含まれる判断地点に車線変更する。この場合において、車両が車線変更をしたか否かを判断する第2の手法例を説明する。
車線変更判断部50は、第1距離算出部20により算出された第1地点からこの第1地点と同一車線以外の車線上に存在する第2−2地点までの第1距離を取得する。両地点が同一車線上に存在するか否かは、地点が含まれる車線の識別情報に基づいて判断する。一方、車線変更判断部50は、第2距離算出部40により算出された基準点から判断地点までの第2距離を取得する。
そして、車線変更判断部50は、この第2距離と第1距離との差が所定値未満である場合は、車両が車線変更すると判断する。この場合において、判断基準となる所定値は、第1地点と第2−2地点との距離に基づいて、予め設定することが好ましい。このとき、第1地点と第2−2地点との距離は、到達経路によって異なる場合がある。図8に示すように第1B距離と第1A及び第1C距離とは異なる。このような場合は、複数の所定値を準備することが好ましい。さらにまた、車線変更判断部50は、複数の所定値を準備するとともに、第1地点における車両の操舵角及び/又は速度に基づいて走行可能性の高い到達経路(経路A、B又はC)を選択し、選択した経路に対応する閾値に基づいて、車両が車線変更をしたか否かを判断してもよい。
さらに、本実施形態の車線変更判断部50は、車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。本例における車線変更判断部50は、第2距離との差が所定値未満である第1距離の第2地点が含まれる車線の道路情報431に含まれる車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかのレーン識別情報を参照し、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別する。このとき、第2地点に対応する判断地点が含まれる車線について、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別してもよい。
そして、その識別結果に基づいて車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。
図9は、車線変更を判断する第3の手法を説明するための図である。図9に示すように、車両は、4本の車線のうち、車両の進行方向の最左側の車線に含まれる基準点から、進行方向の最右側の車線に含まれる判断地点に車線変更する。この場合において、車両が車線変更をしたか否かを判断する第3の手法例を説明する。
車線変更判断部50は、第1距離算出部20により算出された第1地点からこの第1地点と同一車線上に存在する2−1地点及び第1地点と同一車線
以外の車線上に存在する第2−2〜2−4地点までの第1距離(第1.1距離〜第1.4距離)を取得する。両地点が同一車線上に存在するか否かは、地点が含まれる車線の識別情報に基づいて判断する。一方、車線変更判断部50は、第2距離算出部40により算出された基準点から判断地点までの第2距離を取得する。
そして、車線変更判断部50は、この第2距離と複数の第1距離(第1.1距離〜第1.4距離)とをそれぞれ比較し、第2距離との差が最も小さい第1距離を特定する。そして、この第1距離に含まれる第1地点と第2地点が同一車線上に存在しない場合、つまり、第2地点が第2−1地点ではない場合は、車両が基準点を含む車線(進行方向の最左側の車線)から異なる車線に車線変更すると判断する。また、車線変更判断部50は、第2距離との差が最も小さい第1距離を特定し、車両がこの第1距離に含まれる第2地点が含まれる車線に車線変更すると判断する。図9の例によれば、破線で示す第2距離と差が最も小さいのは第1.4距離である。この場合、車線変更判断部50は、第1.4距離に含まれる第1地点と第2−4地点とは同じ車線上に存在しないから、車両は基準点が含まれる車線から車線変更すると判断する。さらに、車線変更判断部50は、車両は第1.4距離に含まれる第2―4地点が属する車線に車線変更すると判断する。
さらに、本実施形態の車線変更判断部50は、車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。本例における車線変更判断部50は、第2距離との差が最も小さい第1距離の第2地点が含まれる車線の道路情報431に含まれる車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかのレーン識別情報を参照し、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別する。このとき、第2地点に対応する判断地点が含まれる車線について、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを識別してもよい。
そして、その識別結果に基づいて車両が判断地点において右折するか、左折するか、又は直進するかを判断する。
図10は、車線変更を判断する第4の手法を説明するための図である。図10に示すように、車線変更判断部50は、基準位置算出部30により算出された車両の基準点の位置と予め記憶された車両の長さと横幅とに基づいて、車両の前方右端部、前方左端部、後方右端部及び後方左端部のいずれか1つ以上の頂部位置を算出する。つまり、車両のフロントバンパーの左右の頂部と、車両のリアバンパーの左右の頂部に対応する4点のうちいずれか1つ以上の位置を算出する。この頂部位置は車両の中心と同様に、緯度・経度により表現する。なお、車両の長さと横幅は予め車両コントローラ200が記憶する。
そして、車線変更判断部50は、算出した車両の頂部位置のいずれか1つ以上が車線の右又は左の境界を所定量以上超えた場合は、車両が車線変更すると判断する。つまり、車線変更判断部50は、車両の最外延の位置を示す頂部位置が車線内から車線外に所定距離以上はみ出した場合は、その車両は他の車線に移動しつつある状態、すなわち車線変更をする状態にあると判断する。
図11は、図10に示す車両を上方から見た図であり、車両が第1車線から車線変更をする場面を示す図である。車線変更判断部50は、車線境界の位置と、図10に示す手法により求めた前方右端部の位置と後方右端部の位置とを比較し、前方右端部の位置と後方右端部の位置が、基準点を含む第1車線領域を定義する第2車線の境界を超えた場合は、車両が車線変更をすると判断する。つまり、車線変更判断部50は、図11の丸で囲む2の位置において、車両の前方右端部の位置と後方右端部の位置が第1車線を定義する境界を超えたとき、及び/又は図11の丸で囲む4の位置において、車両の前方右端部の位置と後方右端部の位置が第2車線を定義する境界を超えたとき、車両が車線変更をすると判断する。この手法は、上述した第1〜第3の車線変更の判断手法とともに用いることにより、車線変更の判断の精度を高めることができる。特に、光ビーコン411間の距離が長くなった場合において、車線変更の判断の精度の向上に寄与する。
次に、情報提供部60について説明する。車線変更判断部50により車両が車線変更すると判断された場合は、路側装置400から取得した移動体情報に基づいて、車両周囲の移動体に関する情報を提供する。情報提供部60は、他車両、歩行者その他の移動体の情報を含む運転支援情報を、出力装置600を介して出力する。出力装置600は、スピーカ601とディスプレイ602を備え、情報は音声又は画像により出力される。
図12は、本実施形態の情報提供部60が提供する情報の種別を説明するための図である。図12に示すように、情報提供部60は、右折車両に対して対向直進車に対する注意を促す情報を提供する。また、情報提供部60は、直進車両に対して後続の車両の追突可能性に対する注意を促す情報を提供する。また、情報提供部60は、左折車両に対しては後続の車両の追突可能性に対する注意を促す情報を提供する。
図13に基づいて、交差点において、右折、左折又は直進する車両に対して提供される情報を説明する。
図13に示すように、本実施形態の情報提供部60は、車線変更判断部50が、車両は判断地点において右折すると判断した場合は、情報提供部60は、路側装置400から取得した、判断地点を含む車線の対向車線を直進する他車両Cの存在情報を提供する。ドライバは、提供された情報により、対向車線を直進する車両が存在することを予め知ることができるため、直進車に対して十分な注意を払いながら右折することができる。なお、この他車両Cに関する情報は、車両が通信領域に進入したタイミングで自動的に提供されてもよいし、情報提供部60が対向車線を直進する他車両Cの情報を要求し、この要求に応じて提供されてもよい。
また、図13に示すように、本実施形態の情報提供部60は、車線変更判断部50が、車両は判断地点において右折すると判断した場合は、情報提供部60は、路側装置400から取得した、判断地点を含む車線と交差する道路の横断歩道を渡る歩行者Hの存在情報を提供する。ドライバは、提供された情報により、歩行者が横断歩道を渡ることを予め知ることができるため、歩行者に対して十分な注意を払い、徐行することができる。なお、この歩行者Hに関する情報は、車両が通信領域に進入したタイミングで自動的に提供されてもよいし、情報提供部60が交差道路の横断歩道を渡る歩行者Hの情報を要求し、この要求に応じて提供されてもよい。
さらに、図13に示すように、本実施形態の情報提供部60は、車線変更判断部50が、車両は判断地点において左折すると判断した場合は、情報提供部60は、路側装置400から取得した、判断地点を含む車線を走行する二輪車Bの存在情報を提供する。ドライバは、提供された情報により、二輪車の存在を予め知ることができるため、左折時の二輪車の巻き込みに対して十分な注意を払うことができる。なお、この二輪車Bに関する情報は、車両が通信領域に進入したタイミングで自動的に提供されてもよいし、情報提供部60が並走する二輪車Bの情報を要求し、この要求に応じて提供されてもよい。
さらにまた、図13に示すように、本実施形態の情報提供部60は、車線変更判断部50が、車両は判断地点において直進すると判断した場合は、情報提供部60は、路側装置400から取得した、その車両に後続する他車両Mの存在情報を提供する。ドライバは、提供された情報により、後続車両の存在を予め知ることができるため、交差点において後続車両の接近に十分な注意を払うことができる。なお、この後続する他車両Mに関する情報は、車両が通信領域に進入したタイミングで自動的に提供されてもよいし、情報提供部60が後続車両Mの情報を要求し、この要求に応じて提供されてもよい。
次に、本実施形態の情報処理システム100の制御手順を説明する。図14は情報処理システム100の制御手順を説明するためのフローチャートである。
この処理は、情報提供システム100を搭載する車両が路側装置400との通信する際に開始される。
図14に示すように、ステップS101において、車載された情報提供システム100は、路側装置400との通信領域内の地点(第1地点、現在位置又は基準点に対応)において、路側装置400との情報の授受を開始する。この情報の授受により、車載の情報提供システム100は、路側装置400を含むITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の端末として機能し、ITSの管理する情報の提供を受けることができる。
続く、ステップS102において、情報取得部10は、路側装置400から車両が走行する道路及び車両が走行することが予測される道路の道路情報を取得する。この道路情報は道路上の地点の属性及び道路の属性を含む。これにより、情報取得部10は、現在位置周辺のノード及びリンクの情報を含む道路情報を取得する。
このステップS102に並行し、ステップS103において、基準位置算出部30は、路側装置400と通信する際に算出された車両のアンテナ位置を算出する。基準位置算出部30は、情報提供システム100に設けられた2つのアンテナの受信タイミングの差を利用して車両のアンテナ位置を算出する。
続くステップS104において、基準位置算出部30は、ステップS103において算出されたアンテナ位置と、予め記憶された車両のアンテナ設置位置とに基づいて、車両の現在位置に対応づけられる基準点の基準位置を算出する。この基準位置は緯度・経度により表現される。この処理により、第2距離を算出する際の基準位置が定義される。
さらに、ステップS105において、車線変更判断部50は、ステップS104で算出された基準位置と予め記憶された車両の長さと横幅とに基づいて、車両の前方右端部、前方左端部、後方右端部及び後方左端部のいずれか1つ以上の頂部位置を算出し、この算出した車両の頂部位置のいずれか1つ以上が車線の右又は左の境界を所定量以上超えたか否かを判断する。なお、車線の左右の境界の位置に関する車線境界情報は、ステップS102において取得する道路情報に含まれる。
頂部位置のいずれか1つ以上が車線の境界を超え、境界により定義された車線領域の外に移動した場合は、車両は車線変更をしたと判断する(ステップS105でYes)。この判断により、第1距離と第2距離との比較をする前に、車両が車線変更をしたか否かを判断することができる。
他方、頂部位置のいずれもが車線の境界を超えることなく、境界により定義された車線領域内に存在する場合は(ステップS105でNo)ステップS106及びステップS107へ進む。
なお、ステップS105を実行せずに、ステップS102からステップS106、ステップS107へ移行してもよい。
このステップS106において、第1距離算出部20は、取得した道路情報に基づいて、車両の現在位置に対応づけられる第1地点から車両の進行方向にある第2地点までの第1距離を算出する。本処理例において、第1距離算出部20は、第1地点からこの第1地点と同一車線上に存在する第2地点までの第1距離を算出する。この処理において算出される第1距離は、道路情報に基づいて算出される理論値である。
ステップS106に並行して実行されるステップS107において、第2距離算出部40は、走行する車両の車両情報に基づいて、車両が基準点から第2地点に対応する判断地点へ移動する際の基準点の軌跡に係る第2距離を算出する。この第2距離は、車両の基準点が実際に移動した軌跡に基づいて算出される実績値である。
続いて、ステップS108において、車線変更判断部50は、ステップS106において算出された第1距離とステップS107において算出された第2距離との比較結果に基づいて、車両が車線変更するか否かを判断する。本処理において、車線変更判断部50は、第1距離と第2距離との差が所定値以上である場合は、車両が車線変更すると判断し、ステップS109へ進む。他方、第1距離と第2距離との差が所定値未満である場合は、車両は車線変更をしていないと判断し、ステップS110へ進む。
この判断手法は、上述した判断方法のうち、第1の手法に対応するものである。もちろん、この手法に代えて、他の手法を用いて車線変更をしたか否かを判断してもよい。
車線変更がされたと判断された場合は、続くステップS111において、情報提供部60は、情報を提供する。この情報は、図12及び図13に示すように、車線変更後に車両が右折、左折又は直進するかという場面に適した情報を提供する。
本実施形態は、以上にように構成され、動作するので以下の効果を奏する。
本実施形態の情報提供システム100によれば、路側装置400から取得した道路情報に基づいて算出された現在位置に対応する第1地点から第2地点までの第1距離と、走行する車両の車両情報に基づいて算出された現在位置に対応する基準点から第2地点に対応する判断地点までの第2距離とを比較して車両が車線変更するか否かを判断し、車両が車線変更をした判断された場合に情報を提示するため、車両からウィンカ情報を取得できない場合であっても、車線変更を判断することができるため、ドライバに提供する情報の精度を向上させることができる。
つまり、ドライバがウィンカを出さずに車線変更した場合や、右左折レーンが短くてウィンカの提示を正確に判断できない場合や、操舵量の大きい運転で急な方向転換がされた場合であっても、車線変更を判断することができるため、ドライバに提供する情報の精度を向上させることができる。
また、第2距離の基準点の位置を、情報提供システム100が路側装置400と通信する際に算出された車両のアンテナ位置を用いて算出することにより、車両の位置を道路情報431と共通の座標値(例えば緯度・経度)として表現することができるので、車両の位置の変化と道路情報431とを正確に比較し、車線変更を正確に判断できるため、ドライバに提供する情報の精度を向上させることができる。
特に、車両が車線変更をするか否かを、車両と車線との位置関係から判断するためには、車両の位置を高い精度で特定する必要があるが、本実施形態によれば、予め取得された路側装置400の位置とこの路側装置400との通信状況に応じて車両の中心点などの車両の挙動を判断するための基準点の位置を、高い精度で特定することができる。
また、道路情報に基づいて求められた第1距離(理論値)と、実際の走行における車両情報に基づいて求められた第2距離(実績値)との比較により、車線に対する車両の挙動を判断するため、車線変更を正確に判断できるため、ドライバに提供する情報の精度を向上させることができる。
また、高い精度で判断された車線変更のタイミングにおいて、この車線変更のタイミングにおける車両周囲の移動体に関する情報を提供ができるため、状況に適した情報を、適切なタイミングで提供することができるので、ドライバに提供する情報の精度を向上させることができる。
さらに、基準点の通過時から判断地点到着時までの時間と車速の履歴に基づいて第2距離を算出するため、車両が路側装置400と他の路側装置400の間を走行する際にも、車両の位置を正確に算出することができる。
また、 第1距離を、第1地点からこの第1地点と同一車線上に存在する第2地点までの距離とすることにより、車両が直進する(車線変更をしない)状態を基準として、車線変更の有無を判断することができる。これにより、車両が直進する場合と車両が車線変更をする場合は移動する距離が異なる点を利用して、第1距離と第2距離との差が所定値以上である場合は、車両が車線変更すると判断することにより、車線変更を正確に判断できる。
特に、第1距離との差が所定値以上である第2距離の判断地点が含まれる車線の道路情報を参照し、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを判断することができる。これにより、さらに、車両の車線変更の可能性を高い精度で判断することができる。また、この判断に基づいて車両の車線変更の目的を予測し、その予測された目的に応じた情報の提供をすることができる。
また、 第1距離を、第1地点からこの第1地点と同一車線以外の車線上に存在する第2地点までの距離とすることにより、車両が車線変更する(同一車線を走行しない)状態を基準として、車線変更の有無を判断することができる。これにより、車両が直進する場合と車両が車線変更をする場合は移動する距離が異なる点を利用して、第1距離と第2距離との差が所定値未満である場合は、車両が車線変更すると判断することにより、車線変更を正確に判断できる。
特に、第2距離との差が所定値未満である第1距離の第2地点が含まれる車線の道路情報を参照し、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを判断することができる。これにより、さらに、車両の車線変更の可能性を高い精度で判断することができる。また、この判断に基づいて車両の車線変更の目的を予測し、その予測された目的に応じた情報の提供をすることができる。
また、第1地点からこの第1地点と同一車線上に存在する第2地点までの第1距離と、第1地点から車両が走行する車線以外の各車線上に存在する他の第2地点までの他の第1距離をそれぞれ算出し、車両が直進する(車線変更をしない)状態と車両が車線変更する(同一車線を走行しない)状態を基準として、車線変更の有無を判断することができる。車両が直進する場合と車両が車線変更をする場合は移動する距離が異なる点、及び車線変更する先の車線によって移動する距離が異なる点を利用して、第2距離との差が最も小さい第1距離の第1地点と第2地点が同一車線上に存在しない場合は、車両は基準点を含む車線から第2距離との差が最も小さい第1距離の第2地点が含まれる車線に車線変更したと判断することにより、車線変更を正確に判断できる。
特に、第2距離との差が最も小さい第1距離の第2地点が含まれる車線の道路情報を参照し、その車線が右折レーン、左折レーン又は直進レーンであるかを判断することができる。これにより、さらに、車両の車線変更の可能性を高い精度で判断することができる。また、この判断に基づいて車両の車線変更の目的を予測し、その予測された目的に応じた情報の提供をすることができる。
また、第2距離の端点となる判断地点を交差点領域に含まれる地点とすることにより、交差点近傍において車両が車線変更をしたか否か、また車両がいずれの車線に車線変更するか否かを判断することができる。このため、交差点において車線変更をする車両に適切な情報を提供することができる。つまり、右左折をするタイミングにおいて、車両に提供する情報を適切に選択し、適切なタイミングで提供することができる。
また、基準点の位置と予め記憶された車両の長さと横幅とに基づいて、車両の前方右端部、前方左端部、後方右端部及び後方左端部のいずれか1つ以上の頂部位置を算出し、算出した車両の頂部位置のいずれか1つ以上が車線の右又は左の境界を所定量以上超えた場合は、車両が車線変更すると判断するため、車両側の情報に基づいて車両の車線変更を判断することができる。この判断手法は、他の車線変更の判断手法とともに用いることにより、車線変更の判断の精度を高めることができる。特に、光ビーコン411間の距離が長くなった場合において、車線変更の判断の精度の向上に寄与する。
さらに、判断地点において車両が右折すると判断された場合に、判断地点を含む車線の対向車線を直進する他車両の存在情報を提供することにより、ドライバは、提供された情報により、対向車線を直進する車両が存在することを予め知ることができるため、直進車に対して十分な注意を払いながら右折することができる。
また、判断地点において車両が右折すると判断された場合に、判断地点を含む車線と交差する道路の横断歩道を渡る歩行者の存在情報を提供することにより、ドライバは、提供された情報により、歩行者が横断歩道を渡ることを予め知ることができるため、歩行者に対して十分な注意を払い、徐行することができる。
また、判断地点において車両が左折すると判断された場合に、判断地点を含む車線を走行する二輪車の存在情報を提供することにより、ドライバは、提供された情報により、二輪車の存在を予め知ることができるため、左折時の二輪車の巻き込みに対して十分な注意を払うことができる。
また、判断地点において車両が直進すると判断された場合に、判断地点を含む車線を走行し、車両に後続する他車両の存在情報を提供することにより、ドライバは、提供された情報により、後続車両の存在を予め知ることができるため、交差点において後続車両の接近に十分な注意を払うことができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
すなわち、本明細書では、本発明に係る情報提供装置の一態様として情報提供システム100と、車両コントローラ200と、車載センサ300と、ナビゲーション装置500と、出力装置600とを含む車載装置1000を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本明細書では、情報提供装置の一態様として、情報取得手段の一例としての情報取得部10と、第1距離算出手段の一例としての第1距離算出部20と、基準位置算出手段の一例としての基準位置算出部30と、第2距離算出手段の一例としての第2距離算出部40と、車線変更変手段の一例としての車線変更判断部50と、情報提供手段の一例としての情報提供部60とを備える情報提供システム100を説明するが、これに限定されるものではない。
さらに、基準位置算出手段の一例として、アンテナ位置算出部31と基準位置算出部32とを備える基準位置算出部30を説明するが、これに限定されるものではない。
また、本明細書では、路側装置の一態様として、通信装置410と、判定ユニット420と、データベース430と、移動体センサ440とを備える路側装置400を説明するが、これに限定されるものではない。